JP4102786B2 - 構内交換機および通信経路選択方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の内線を収容し、収容した内線と外部の通信回線との接続を行うためのPBX(Private automatic Branch eXchange:構内交換機)に関し、特に他の事業所に設けられた他の構内交換機との間の通信経路を選択する通信経路選択方法に関する。
多数の従業員を有する企業等では、各従業員毎にそれぞれ電話回線を設けるのではなく、各事業所構内にPBX(Private automatic Branch eXchange:構内交換機)と呼ばれる電話交換設備を設け、このPBXを介して通話を行うようになっている。そして、このようにして各事業所構内に設置されたPBXどうしを各種の通信網により接続することにより、自社の事業所間での通信が行われるようになっている。
このようにPBXどうしを接続するための通信網としては、固定電話回線のほか、専用回線網、インターネット網、IP(Internet Protocol)電話回線など複数の回線が存在する。そのため、PBXには、相手先電話番号に対応した最適な送信ルート(通常はもっとも通信費がかからないルート)を予め設定しておき、相手先電話番号毎に最適な送信ルートが選択されるような構成となっている。例えば、FAXを送信する場合、FAX原稿をFAX送受信機にセットし、相手先電話番号をダイヤルするとPBXはダイヤルを分析して、最適ルートで相手先FAX送受信機を呼び出す。
しかし、インターネット網等は、その時のトラフィックによって網の伝達能力が大きく変化するため、FAXが送信できる時間帯とできない時間帯が存在してしまう。そのため、インターネット網やIP網経由でFAXを送信した場合、網のトラフィックによっては、通信途中でタイムアウトが発生して、FAXが不達になる場合がある。一般的に、FAX送受信機には、送信しようとするFAXが不達の場合には、一定時間後にそのFAXを同一あて先に送信する再送機能が設けられている。そのため、FAXが不達になるとFAX送受信機は一定時間後の同一あて先に対して再送を試みる。しかし、網のトラフィックは通常は短時間で回復することは少なく、インターネット回線を選択して再送を行っても不達となり、何度も再送が繰り返されることとなってしまう。
上記のような理由により、結局FAXについては、インターネット網やIP電話網を使わずに固定電話回線を介して送信するような設定をしなければならなかった。このため、音声通話と比較して、通信時間の長いFAXが通信料の高い固定電話回線を選択して送信されるため、通信費が高くなってしまっていた。
このような問題を解決するために、同一あて先に対して、優先順位を設定し、優先順位の設定にしたがってFAX送信を行うようにしたFAX送受信機が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このFAX送受信機では、FAXデータを正常に送信できなかった場合は、優先順位が次の回線を選択してFAX送信が行われる。例えば、通信費の低いインターネット網を高い優先順位に設定しておき、通信費の高い固定電話回線を低い優先順位に設定しておけば、インターネット網での通信ができない場合にのみ固定電話回線を選択してFAX送信を行うようなことが可能となる。
しかし、FAX送受信機においてこのような回線の切り替えを行おうとした場合、各FAX送受信機では、各送信先毎に優先順位を設定して使用する回線の登録をしておかなければならず設定の手間が大変になるという大きな問題がある。一般に各ユーザは通信費を考慮して同一の送信先に対して複数の電話番号を設定するような手間をかけない場合が多いと考えられ、FAX送受信機側にこのような機能をもうけても通信費の削減は図れない。
このような機能をPBX側にもうけるようにすればFAX送受信機において面倒な設定することなく通信費の削減を図ることが可能である。しかし、PBXでは、内線に収容したFAX送受信機が通信を「始めた」、「切断した」という情報を得ることができるが、正常にFAXデータの通信を完了して回線を切断したのか、途中で通信異常が発生してFAXデータの送信が完了する前に回線を切断したのかを知ることができない。そのため、従来のPBXでは、FAX送受信機からのFAXデータ送信が最初の発信なのか再送による発信なのかを知ることはできず、FAX送受信機により指定された回線を選択してFAX送信を行うことしかできなかった。
特開2002−57837号公報
上述した従来の構内交換機では、FAX送受信機により選択された回線を用いてFAX送信を行うしかないため、FAX送信の際には通信費の高い固定電話回線が選択されFAXによる通信費が高くなってしまうという問題点があった。
本発明の目的は、FAX送受信機側での面倒な設定を必要とすることなく、再送の際には予め設定された優先順位に基づいてFAX送信を行う方路を切り替えることにより通信費が安い回線を選択して通信費の低減が可能な構内交換機および通信経路選択方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の構内交換機は、複数の内線を収容し、収容した内線と外部の通信回線との接続を行うための構内交換機において、
1つの送信先電話番号に対して複数の通信経路が予め設定されていて、内線に収容した端末から発呼が行われ、該端末が送信先と通話状態になった後に回線が切断された場合、該送信先電話番号、切断時刻、使用した通信経路の情報をメモリに格納しておき、当該内線から予め設定した時間経過後に同一の送信先に対して発呼が行われた場合、前回の発呼の際に使用した通信経路とは異なる通信経路を選択して前記送信先への発信を行うことを特徴とする。
本発明によれば、構内交換機では、内線に収容した端末から発呼が行われ送信先と通話状態となった後に回線が切断された場合、その送信先電話番号、切断時刻、使用した通信経路の情報を記憶しておくようにし、その端末から予め設定した時間経過後に同一の送信先に対して発呼が行われると、その発呼は前回のデータ送信が完了しなかったことによる再送であると判定し、前回使用した通信経路とは異なる通信経路を使用してその送信先への発信を行うようにしたものである。従って、各端末毎に使用する通信回線を設定しておくことなく、通信費の低い順に通信回線が使用されるように設定しておくことが可能となり、通信費の削減を図ることが可能となる。
前記予め設定した時間を、内線に収容されたFAX送受信機が再送を行う送信間隔としてもよい。
本発明によれば、内線に収容したFAX送受信機が再送を行う場合に通信経路を切り替えることが可能であるため、できるだけ通信費が安い通信回線を選択してFAX送信を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、内線に収容した端末から予め設定した時間経過後に同一の送信先に対して発呼が行われた場合、その発呼は前回のデータ送信が完了しなかったことによる再送であると判定し、前回使用した通信経路とは異なる通信経路を使用してその送信先への発信を行うようにしているので、各端末毎に使用する通信回線を設定しておくことなく、通信費の低い順に通信回線が使用されるように設定しておくことが可能となり、通信費の削減を図ることが可能となるという効果を得ることができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、FAX送受信機が再送を行う場合には、前回の送信が切断された後から一定時間、例えば1分経過後に再送が行われることに注目し、あるFAX送信の切断から一定時間(例えば、1分)後に同一のFAX送受信機から同じ宛先への送信が行われた場合には、前回使用した方路とは別の方路を選択してFAX送信を行うようにして、確実に送信が行われるようにしたものである。
図1は本発明の一実施形態の構内交換機(PBX)101を含む通信システムの構成を示す図である。ここでは、大阪営業所に設けられたPBX101と川崎営業所に設けられたPBX102とが、専用回線10、インターネット網103を利用したIP電話回線20、携帯・PHS網104または固定電話網105を利用した一般電話回線30により接続されている。ここでは、専用回線10、IP電話回線20、一般電話回線30の順に通信費が高くなるものとして説明する。
また、PBX101には、1つの送信先電話番号に対して複数の通信経路が予め設定されている。例えば、図1に示した例では、ダイヤル番号“8−363−4102”に対して、専用回線10、IP電話回線20、一般電話回線30という3つの通信経路(方路)が設定されている。
次に、本発明の一実施形態のPBX101の構成を図2のブロック図に示す。本実施形態のPBX101は、図2に示されるように、呼制御部201と、固定電話等の一般電話の局線の制御を行う局線ユニット202と、IP回線の制御を行うIP回線ユニット203と、タイマカウンタ204と、メモリ205と、内線端末の制御を行う内線ユニット206とを備えている。また、PBX101には、FAX送受信機210が接続されている。そして、本実施形態では、このFAX送受信機210は、FAX送信を行う際に、FAXデータを正常に送信する前に回線が切断された場合、その切断時刻から1分後にFAXデータの再送を行うように設定されているものとして説明する。
呼制御部201は、内線ユニット206に収容されているFAX送受信機210からFAX送信(発呼)が行われ、FAX送受信機210と送信先が通話状態になった後に回線が切断された場合、その送信先電話番号、切断時刻、使用した通信経路の情報をメモリ205に格納しておき、そのFAX送受信機210から予め設定した時間経過後、具体的にはFAX送受信機210が再送を行う送信間隔(ここでは50秒以上70秒以下)経過後に同一の宛先に対してFAX送信が行われた場合、前回のFAX送信の際に使用した通信経路とは異なる通信経路を選択して送信先へのFAX発信を行う。
メモリ205は、送信先、切断時刻、使用した通信経路の情報を格納するためのメモリである。また、タイマカウンタ204は、回線が切断された場合の切断時刻や、FAX送受信機210からの発呼を受けた場合に、前回の発呼の切断時刻からの経過時間をカウントするためのタイマである。
次に、本実施形態のPBX101の動作を図3のフローチャートを参照して詳細に説明する。
先ず、PBX101には、FAX送受信機210を収容した内線番号を予め登録しておく。また、PBX101には、FAX送受信機210が再送を行う送信間隔が1分であることを登録しておく。そして、図1に示すように、第1の方路として専用回線、第2の方路としてIP電話回線、第3の方路として一般電話回線が設定されているものとして説明する。
先ず、PBX101の呼制御部201がFAX送受信機210からの送信先ダイヤルを受信すると(ステップ301)、送信先を確認し、その送信先へのFAX送信が過去50〜70秒以内に行われているかどうかを判定する(ステップ302)。ここでは、その送信先へのFAX送信は最初であるためステップ303へ処理を進める。そして、方路番号として“1”が設定され(ステップ303)、この方路番号に従って、回線捕捉およびダイヤル変換が行われる(ステップ305)。ここでは、方路番号として“1”が設定されているため、方路番号“1”が示す方路、つまり第1の方路として設定されている専用回線を用いたFAX送信が行われる。具体的には、PBX101では、FAX送受信機210からのダイヤル番号“8−363−4102”を“8−4102”に変換する。
図1では、大阪営業所と川崎営業所の専用線のみが示されているが、現実のネットワークでは、大阪営業所のPBX101には、例えば、福岡、札幌など複数の事業所のPBXへの専用回線が収容されている。そのため、川崎営業所を示す事業所番号「363」で、どの専用線を捕捉すれば良いかを識別する。そのため、川崎営業所への専用回線10を捕捉した後には、“8−363−4102”から「363」を削除して“8−4102”に変換するのである。
また、現在の方路番号が“2”の場合には、IP電話回線20を選択して、“8−363−4102”を“0077−43−33**−4102”にダイヤル変換して送信を行う。さらに、現在の方路番号が“3”の場合には、一般電話回線30を選択して、“8−363−4102”を“044−8**−4102”にダイヤル変換して送信を行う。
このようにして回線捕捉およびダイヤル変換が行われた後に、PBX101は、その回線に対してダイヤル送出を行う(ステップ306)。
そして、呼制御部201は、相手先の応答があった後、つまり相手先と通話状態になった後にFAX送受信機210からの切断要求を受信した場合には(ステップ307、308)、回線を切断した後に(ステップ309)、送信先ダイヤル、切断時刻、方路番号をメモリ205に記憶する。
なお、呼制御部201は、相手先の応答がある前にFAX送受信機210からの切断要求を受信した場合には(ステップ307、311)、そのまま回線を切断する(ステップ312)。
そして、FAXデータの送信が完了する前に回線が切断された場合、FAX送受信機210によりFAX送信の再送が行われる。この場合、呼制御部201はFAX送受信機210からの送信先ダイヤルを受信すると(ステップ301)、送信先を確認し、メモリ205に格納されている情報から、その送信先へのFAX送信が過去50〜70秒以内に行われているかどうかを判定する(ステップ302)。ここでは、同一の宛先へのFAX送信が1分前にも行われているため、呼制御部201は、このFAX送信は再送であると判定して、前回FAX送信を行った際に方路番号“1”に1を加算して方路番号を“2”に設定する(ステップ303)。
そして、呼制御部201は、この方路番号“2”に従って、回線捕捉およびダイヤル変換を行い(ステップ305)、ダイヤル送出を行う(ステップ306)。
このような処理が行われることにより、FAX送信が行われる場合、最初は専用線が使用され、FAXデータの送信が完了しないで再送が行われた場合には、IP電話回線、一般電話回線の順番に方路が変更されるようになる。そのため、FAX送信が可能な時間帯は、IP回線を選択し、FAX送信が不能な時間帯は、FAXのリトライ時に別ルートを選択させることにより、確実にFAXを送信でき、通信費も削減できる。
なお、前回のFAX送信の際に相手先からの応答があった場合のみ、再送の際に方路を変更するようにしているのは、下記のような理由による。相手先からの応答がなく回線が切断された場合には、回線が不通なのではなく相手先話中などの原因で通話が成立していない状態と考えられるので、方路を変更する必要はない。しかし、相手先が応答して通話が成立した後に回線が切断され、一定時間後にFAX送信が行われた場合には、何等かの通信異常で回線が切断された可能性が高いため、方路を変更してFAX送信を行わないとFAX送信中に再度回線が切断されてしまうからである。
さらに、本実施形態では、FAX送受信機によりFAX送信を行う場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、みなし音声通信方式でデータを送受信するデータ端末がPBXに内線により収容されている場合でも同様に本発明を適用することができるものである。この場合には、FAX送受信機のかわりにデータの送受信を行う端末が内線としてPBXに収容されることになる。
以上、事業所間の通信を例に説明したが、近年インターネットを利用したIP(Internet Protocol)電話サービスを各キャリアが提供している。一般のお客様や、他社へFAXを送信する場合でも、図4に示すようにIP電話回線20を経由してFAXを送信するか、一般電話回線30を利用してFAXを送信するかの2つの経路を選択することができる。このように通信相手がPBXではなく外線のFAX送受信機の場合でも本発明は同様に適用可能であり、本発明のPBX機能を用いて、前述と同様の効果を得ることが出来る。
本発明の一実施形態のPBX101を含む通信システムの構成を示す図である。 本発明の一実施形態のPBX101の構成を示すブロック図である。 図2に示したPBX101の動作を示すフローチャートである。 通信相手がFAX送受信機の場合に本発明を適用した場合のシステム構成を示す図である。
符号の説明
10 専用回線
20 IP電話回線
30 一般電話回線
101、102 PBX
103 インターネット網
104 携帯・PHS網
105 固定電話網
201 呼制御部
202 局線ユニット
203 IP回線ユニット
204 タイマカウンタ
205 メモリ
206 内線ユニット
210 FAX送受信機
301〜312 ステップ

Claims (4)

  1. 複数の内線を収容し、収容した内線と外部の通信回線との接続を行うための構内交換機において、
    1つの送信先電話番号に対して複数の通信経路が予め設定されていて、内線に収容した端末から発呼が行われ、該端末が送信先と通話状態になった後に回線が切断された場合、該送信先電話番号、切断時刻、使用した通信経路の情報をメモリに格納しておき、当該内線から予め設定した時間経過後に同一の送信先に対して発呼が行われた場合、前回の発呼の際に使用した通信経路とは異なる通信経路を選択して前記送信先への発信を行うことを特徴とする構内交換機。
  2. 前記予め設定した時間が、内線に収容されたFAX送受信機が再送を行う送信間隔である請求項1記載の構内交換機。
  3. 複数の内線を収容し、収容した内線と外部の通信回線との接続を行うための構内交換機において、他の事業所に設けられた他の構内交換機との間の通信経路を選択する通信経路選択方法であって、
    内線に収容した端末から発呼が行われ、該端末が送信先と通話状態になった後に回線が切断された場合、該送信先電話番号、切断時刻、使用した通信経路の情報をメモリに格納しておくステップと、
    当該内線から予め設定した時間経過後に同一の送信先に対して発呼が行われた場合、前回の発呼の際に使用した通信経路とは異なる通信経路を選択して前記送信先への発信を行うステップとを備えた通信経路選択方法。
  4. 前記予め設定した時間が、内線に収容されたFAX送受信機が再送を行う送信間隔である請求項3記載の通信経路選択方法。
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