JP4102155B2 - 無影灯自動位置補正点灯システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用ユニットに用いられる無影灯装置の位置制御、点灯制御を自動で行う無影灯自動位置補正点灯システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科用ユニットにおいて術者が患者を診療するにあたり、無影灯装置の照射部を患者の口腔位置に合わせる為に術者又は衛生士が手動で無影灯装置の支持アーム等を操作をしていた。そのため、術者又は衛生士の手が誤って診療上好ましくない汚染部分に触れるおそれがあった。
【0003】
また、患者のうがい等のために患者を起き上がらせる場合、患者の頭部に無影灯光源がぶつからないように予め無影灯光源を患者の頭部付近から離しておく必要があった。
【0004】
そこで、無影灯光源部分に患者の頭部を検出するセンサを設け、該センサからの信号により、患者の頭部にぶつからないように無影灯光源を退避させる歯科用ユニットが開発されている(例えば特許文献1参照)。
また、この歯科用ユニットに換えて、無影灯光源部分にはチェアの動作中のみ患者の頭部の接近を検出するセンサを設け、該センサからの信号により、患者の頭部にぶつからないように無影灯光源を退避させる歯科用ユニットが開発されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特許第3055035号公報(第2−3頁、第1−2図)
【特許文献2】
特許第3086960号公報(第2−4頁、第1−2図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特許に係る発明では、センサの信号により患者と無影灯光源は一定距離に保たれ、退避させることのみを目的としており、患者の口腔位置や治療部位を正確に認識し、自動的に無影灯光源を的確な照射位置に移動し、点灯させるように構成されたものではない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、術者の汚染防止を図り、患者への接触を回避しつつ自動で無影灯装置照射部及び各関節部を最適照射位置に導いて光照射を行うことができ、また、無影灯装置照射部を的確に口腔位置や治療部位へ自動位置合わせすることができ、術者の作業負担を軽減することが可能な無影灯自動位置補正点灯システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、被照射体である患者に光を照射する無影灯装置照射部を支持する複数の支持部材の各関節部に駆動手段及び各関節部の位置検出を行える無影灯関節部位置検出センサを備えた無影灯装置に適用される無影灯自動位置補正点灯システムであって、被照射体用のチェアの昇降、寝起位置を把握するチェア制御部と、前記無影灯装置又はその近傍に設置した1つ又は複数のカメラと、該カメラからの画像信号を基に被照射体の口腔位置を認識する画像認識部と、前記無影灯関節部位置検出センサからの位置情報及びチェア制御部からのチェア位置情報と、前記画像認識部により認識した被照射体の口腔位置の情報とにより、認識した被照射体の口腔位置に光が照射されるよう前記無影灯装置照射部及び各関節部を制御し、自動で位置合わせ及び光照射を行うライト制御部と、を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、無影灯関節部位置検出センサからの位置情報及びチェア制御部からのチェア位置情報と、画像認識部により認識した被照射体の口腔位置の情報とにより、被照射体の口腔位置に光が照射されるよう無影灯装置照射部及び各関節部を制御し、自動で位置合わせ及び光照射を行うものであるから、無影灯装置照射部、各関節部と、患者との接触を回避しつつ自動で無影灯装置照射部及び各関節部を被照射体の口腔位置に光が照射されるように導いて光照射を行うがことでき、診療を行う術者にとっても診療上好ましくない支持部材等の汚染の恐れのある部分に触れる必要はなく、衛生面に優れた無影灯自動位置補正点灯システムを提供できる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の無影灯自動位置補正点灯システムにおいて、前記画像認識部において、被照射体である患者の口腔開閉を前記カメラから取得した画像と既登録のサンプル画像との比較による口腔開閉の類似度の高低で認識し、前記ライト制御部により無影灯装置照射部に備えた無影灯の点灯、消灯を自動制御することを特徴とするものである。
【0011】
請求項2記載の発明によれば、被照射体である患者の口腔位置を正確に認識し無影灯装置照射部を的確に口腔位置へ向けて自動位置合わせして無影灯の点灯、消灯を行うことができ、術者の作業負担を軽減することが可能な無影灯自動位置補正点灯システムを提供できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態1の歯科用ユニット及び無影灯装置の無影灯自動位置補正点灯システムについて図1乃至図5を参照して説明する。
【0013】
本実施の形態1の歯科用ユニット1は、図1乃至図4に示すように患者M用の油圧式前折れタイプのチェア2と、このチェア2と一体のスピットン部3及び無影灯装置10を支持する無影灯装置支持部4とを有している。
【0014】
チェア2は、ユニットベース11上に昇降駆動されるチェア台12を配置し、チェア台12にシート13を取り付け、更に背板14、枕(ヘッドレスト)15及びフットレスト16を取り付けて構成している。
【0015】
無影灯装置10は、チェアマウントタイプに構成している。即ち、無影灯装置支持部4の上端からポール20を垂直上方に立設し、ポール20の上端に4個の第1乃至第4アーム21、22、23、24を順に取り付け、さらに第4アーム24に無影灯装置照射部30を回動可能に支持する回動支持具25を取り付けて構成している。
【0016】
前記ポール20の近傍には、取り付け具5を用いて患者画像等を表示する画像モニタ6を配置している。また、無影灯装置照射部30の外周部には患者Mの顔や口腔等を撮像するカメラ(デジタルカメラ)7を配置している。
【0017】
前記チェア2には、図示していないが背板14の角度を認識する背板角度認識センサ、チェア台12の昇降位置を認識する昇降認識センサ、枕15の高さ、角度を認識する高さ認識センサ、角度認識センサが組み込まれている。
【0018】
前記背板角度認識センサはチェア台12内の寝起用油圧シリンダ近傍に、昇降認識センサはチェア台12内の昇降用油圧シリンダー近傍に、枕15の高さ認識センサは前記背板14内に、枕15の角度認識センサはこの枕15の傾倒機構部(関節)に各々組み込まれている。
【0019】
無影灯装置10におけるポール20、第1乃至第4アーム21、22、23、24の連結部分及び第4アーム24と回動支持具25との連結部分には、各々アクチュエータを用いた特定の方向に回動する関節部31、32、33、34’34を設けている。さらに、各関節部31、32、33、34’34には、図示していないが各々のX−Y−Z系の座標1、座標2、座標3、座標4’、座標4を検出するための位置検出センサを組み込んでいる。無影灯装置照射部30を支持する回動支持具25には、アクチュエータ駆動によりY軸回転を行うための回転軸を備えている。
【0020】
図5は本実施の形態1の無影灯装置10の無影灯自動位置補正点灯システムの制御系を示すブロック図であり、前記各関節部31、32、33、34’34、回動支持具25及び無影灯装置照射部30を制御するライト制御部40と、被照射体である患者M用のチェア2の昇降、寝起位置を把握するチェア制御部50とを有している。
【0021】
更に、本実施の形態1の無影灯自動位置補正点灯システムは、前記カメラ7からの画像信号を処理する画像認識部60を備え、ライト制御部40は画像認識部60の処理結果に基づき、被照射体である患者Mの口腔位置の認識、カメラ7から取得した画像と既登録の口腔開閉用のサンプル画像との比較による患者Mの口腔開閉状態の認識を行う。また、患者Mの頭部支持用の枕15を傾倒させる傾倒機構部に組み込んだ角度センサの検出信号から、患者Mの治療部位(上顎治療部位又は下顎治療部位)の違いを認識するようになっている。尚、図示しない口腔内カメラにより撮影された画像が画像モニタ6に表示されるようになっている。
【0022】
次に、本実施の形態1の無影灯装置10の無影灯自動位置補正点灯システムの具体的動作について詳述する。
【0023】
本実施の形態1の無影灯装置10の場合、チェア2とスピットン部3(無影灯装置支持部4)の相対関係は、チェア据え付け時の位置関係で把握できるため、スピットン部3に立てたポール20の上端位置(座標1)から無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34の位置を把握できる。
【0024】
(1)患者Mの診療時以外は常に図3に示すように、チェア2及びこのチェア2の枕15を患者導入位置にし、無影灯装置照射部30も待機位置に配置した状態とする。この時、無影灯装置照射部30の位置は、図3に示すように、患者導入・退出時に該無影灯装置照射部30が患者と接触しない位置で、かつ、図4に示す正中線上に無影灯装置照射部30が位置する場所を待機位置とする。
【0025】
図3の無影灯装置照射部30の待機位置は一例であり、患者Mがチェア2に着座する際、又はチェア2から退出する際に邪魔にならない位置であれば、待機位置は特に限定されるものではない。
【0026】
(2)患者導入位置のチェア2の背板角度位置及び昇降距離、枕角度及び枕高さをチェア2の各部に設置されている位置検出センサによって、3次元の格子状座標系ベクトルで検出し、これらの検出信号によりチェア制御部50がチェア2の背板角度認識及び昇降位置認識、枕位置認識を行う。
【0027】
また、無影灯装置10の各部の位置を、無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34の位置を各部に設置されている各位置検出センサによって、3次元の格子状座標系ベクトルで検出し、これらの検出信号によりライト制御部40が無影灯装置各部の位置認識を行う。
【0028】
チェア2と無影灯装置各部の相対位置関係は据え付け時の位置関係で把握可能である。そこで、据え付け時のチェア位置(図2座標a’、図3座標a)と、スピットン部3に設置された無影灯装置10の関節部31の位置(図2、図3の座標1)座標を把握するために、まず、診療空間内を座標1を原点とし、図1の縦方向をZ軸、横方向をY軸、また、図2及び図3の縦方向をZ軸、横方向をX軸とし、図4の縦方向をY軸、横方向をX軸とする3次元の格子状座標系とし、この時のZ−X平面及びY−X平面について、それぞれチェア2の背板角度位置及び昇降位置、枕位置、無影灯装置照射部30及び無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の位置を該座標系でのベクトルとしてとらえることが可能である。
【0029】
尚、前記枕15に位置検出センサを設置していない場合には、枕角度が背板14と一直線上に位置する場合(図2:診療位置2、図3:患者導入位置)、チェア2のチェア台高さ及び背板角度を前記座標系でのベクトルとしてとらえると、背板角度や昇降距離より、診療空間内の枕位置を3次元の格子状座標で把握することができる(図2の座標c’、図3の座標c)。
【0030】
(3)患者Mを患者導入位置のチェア2に導入する。
【0031】
(4)チェア制御部50から(2)で把握した(患者導入時)チェア2の背板角度位置及び昇降位置、枕位置の情報がライト制御部40へ送られる。
【0032】
(5)術者が、患者Mに対してまずインフォームドコンセントを行う場合、患者Mの口腔内を口腔内カメラを用いて、治療部位を撮影し、その取得画像を画像モニタ6を通して患者Mに治療説明を行う際は、チェア2の背板14は患者導入位置の背板角度位置及び患者導入位置の昇降位置とし、枕15の位置だけを診療しやすい位置に後方(例えば20度)へ倒し、患者Mの口腔開閉を容易にする姿勢をとる(図3:診療位置1の座標c”参照)。この時、枕角度及び高さ位置移動は、手動操作又は自動制御のいずれも可能である。
【0033】
(6)チェア2の背板角度位置、昇降位置、及び枕15(後方へ20度傾倒した位置)の位置をチェア2の各部内に設置されている位置検出センサによって、3次元の格子状座標系ベクトルでとらえ、チェア制御部50が把握し、チェア制御部50で把握したチェア位置伝達信号をライト制御部40に伝達する。ここで、チェア2と無影灯装置10の各部の相対位置関係は、据え付け時の位置関係で把握できる(図3の座標1、座標aの位置は把握している)。そこで、診療空間を3次元の格子状座標系とし、チェア2の各部に設置した位置検出センサによって、チェア2のチェア台高さ、背板角度、枕高さ、枕角度をその座標系でのベクトルとしてとらえられるものである。
【0034】
(7)枕位置に対する無影灯装置照射部30の最適照射位置座標(及び向き)をライト制御部40が3次元座標として算出する。この時、本実施の形態1では、無影灯装置照射部30の最適照射位置座標は枕平面と垂直方向に無影灯装置照射部30が位置し、かつ、無影灯装置照射部30における無影灯光源(ランプ)と枕平面との距離が900mmに配置される座標を算出する。
【0035】
枕平面と無影灯光源との距離を900mmに設定した理由としては、無影灯装置10の性質上、通常患者口腔位置から無影灯光源までの距離を700mmと設定する。しかし、患者後頭部から口腔までの長さは小学生から大人の範囲内で152〜220mmの範囲であり個人差が生じる。しかし、このような個人差は誤差範囲内と考えられるため、後頭部から口腔までの長さを200mmと設定し、枕平面から無影灯光源間の距離を900mmと設定するものである。
【0036】
(8)次に、ライト制御部40は、無影灯装置照射部30が最適照射位置座標に来るように、無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の最適座標をライト制御部40が算出する。ここで、無影灯装置照射部30の最適照射位置の検出方法及び移動方法について図6を参照して説明する。
【0037】
(8−1)Z−X平面における無影灯装置照射部30及び無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の座標算出
(a)無影灯装置照射部30のY軸回転を行う回動支持具25の回転軸と、関節部34及び関節部34’の延長線上とが交差する位置の座標T5が、Z−X平面において、T5(ZT5,XT5)の座標をとる時を最適照射位置座標とする(図2参照)。
(b)無影灯装置照射部30のY軸回転を行う回転軸と関節部34及び関節部34’上とが交差するポイント座標T5が、Y−X平面において、T5(YT5,XT5)の座標をとる時を最適照射位置座標とする。
(c)図6に示す各関節部座標W1、W2、W3、W4、W4’は、図3に示す待機位置の各関節部31、32、33、34’34の座標とし、図6に示す各関節部座標T1、T2、T3、T4、T4’は図2に示す診療位置2の各関節部31、32、33、34’34の座標とする。
(d)W5、T5は無影灯装置照射部30がY軸回転を行う回転軸と関節部34及び関節部34’の延長線上とが交差する位置の座標とする。
(e)関節部31は、この関節部31を支点にZ軸回転のみ、関節部32はこの関節部32を支点にZ軸回転のみ、関節部34はこの関節部34を支点にZ軸回転のみとする。また、関節部34’は関節部33を支点にY軸回転(関節部33を支点に孤を描くように動く)。
(f)座標T5は関節部34及び関節部34’のX座標と同じ座標をとり、また、無影灯装置照射部30(座標5)の回転軸はY軸回転のみ(図1参照)とする。
(g)第2アーム22、第4アーム24はポール20と常に平行とする。(h)無影灯装置照射部30がY軸回転を行う回転軸と関節部34及び関節部34’の延長線上とが交差するポイント座標T5が最適位置座標をとる時の各関節部の最適座標を、T1(ZT1,XT1)、T2(ZT2,XT2)、T3(ZT3,XT3)、T4’(ZT4’,XT4’)とする。(i)更に、L1=ポール20の長さ、L2=第2アーム22の長さ、L3=第3アーム23の長さ、L4=第4アーム24の長さとする。
【0038】
(8−2)最適照射位置座標T5(ZT5,XT5)の算出
最適照射位置座標T5(ZT5,XT5)は、図1に示すように無影灯装置照射部30の回転軸と関節部34及び関節部34’の延長線上とが交差する位置の座標であり、図4に示すように正中線上に位置し、枕平面と垂直方向(向きは座標5より座標cの方向)に無影灯装置照射部30が位置し、かつ、無影灯光源(ランプ)と枕平面との距離が900mmに配置される座標とする。
【0039】
(8−3)座標T4’(ZT4’、XT4’)の算出
関節部34(T4)と関節部34’(T4’)位置は常に一定距離を保ち、関節部34’(T4’)のX座標は関節部34(T4)のX座標と同じ座標をとる(また、関節部34’(T4’)は関節部33(T3)の動きに連動する)ため、T4’座標の算出のみ(T4座標計算は必要なし)とする。第4アーム24はポール20と常に平行である。
また、図1又は図2に示すような関節部34‘と座標T5の距離をL5と設定すると、座標T4’(ZT4’、XT4’)は、ZT4’=ZT5+L5、XT4’=XT5で求めることができる。
【0040】
(8−4)座標T3(ZT3,XT3)の算出
第2アーム22はポール20と平行であり、座標T3と座標T2とは、Z軸上に常に一定距離にある。そのため、座標T3は関節部T1(関節部W1)を支点に第1アーム21を半径とする円弧の軌道軸上(図4参照)に必ず位置する。従って、下記数1の演算により座標T3(ZT3,XT3)を求めることができる。
【0041】
【数1】
【0042】
(8−5)座標T2(ZT2,XT2)の算出
第2アーム22はポール20と平行であるため、座標T2は、XT2=XT3、ZT2=ZT3+L2で求めることができる。
【0043】
(8−6)無影灯装置照射部30の照射向きθ5
枕15の位置座標をTc(ZTC,XTC)とすると、図7に示すように、
θ5’=tan−1[(ZTC−ZT5)/(XTC−XT5)]
θ5=90−θ5’の演算により無影灯装置照射部30の照射向き(最適照射角度)を求めることができる。
【0044】
(8−7)Y−X平面における無影灯装置照射部30の照射向きθ4の座標算出 この場合の座標基準は、図4に示すように、ポール20の上端の座標1を原点として横方向にひいたX軸とし、この時、X軸と正中線は平行しているものとする(図4参照)。
【0045】
図8に示すように、L1=第1アーム21の長さ、L3’=(第3アーム23の長さ)×cosθ3(第3アーム23はZ−X平面で傾斜しており、θ3はZ−X平面で算出)とすると、照射向きθ4は下記数2の演算により求めることができる。そして、ライト制御部40は、無影灯装置照射部30の回動支持具25に設けたアクチュエータに位置制御信号を送り、この無影灯装置照射部30が照射向きθ4となるように制御する。
【0046】
【数2】
【0047】
尚、無影灯装置照射部30の最適照射位置検出方法の計算は、チェア2がセット位置まで動作する際、毎回行っているが、チェア2のセット位置を記憶部に記憶する際でも可能である。その場合、計算値を記憶しておき、チェア2がセット位置まで動作する際、その計算値を使用する。
【0049】
(9)最適照射位置座標まで無影灯装置照射部30が移動するように無影灯装置照射部30及び無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34へライト制御部40が位置制御信号を送る。この時、各関節部31、32、33、34’34は最適可動範囲内(患者Mにぶつからず、かつ、無影灯装置照射部30が正中線上を移動する範囲)で可動する(図3、図4参照)。
【0049】
尚、無影灯装置照射部30の最適照射位置座標への移動は、上述した無影灯装置照射位置検出方法及び移動方法をチェア2のセット位置を記憶する際に行う場合、術者がセットスイッチを押した時、行うことが可能である。また、無影灯装置照射部30が正中線上を移動するのは一例であり、該無影灯装置照射部30は正中線上を必ずしも移動する必要はない。
【0050】
(10)次に、術者が図2に示す(診療位置2)の診療ポジションにおいて診療する場合、術者がチェア2のセットスイッチを押す。
【0051】
(11)チェア2が図2に示す(診療位置2)のセット位置まで傾倒する。この時、枕角度は患者導入位置と同様に背板14と一直線上とする。枕角度は手動操作及び自動制御のいずれで設定可能である。
【0052】
(12)(診療位置2)のチェア2の背板角度位置、昇降位置、及び枕位置をチェア2の各部内に設置されている位置検出センサによって、3次元の格子状座標系ベクトルでとらえ、チェア制御部50が把握し、チェア制御部50で把握した各位置の位置伝達信号をライト制御部40に伝達する。ここで、チェア2と無影灯装置10の相対位置関係は据え付け時の位置関係で把握できる(図2の座標1、座標a’の位置は把握している)。そこで、診療空間を3次元の格子状座標系とし、チェア台高さ、背板角度、枕角度、枕高さをその座標系でのベクトルとしてとらえると、チェア2の背板角度位置、昇降位置、枕位置を把握できる(図2の座標b’、座標c’)。
【0053】
(13)枕位置に対する無影灯装置照射部30の最適照射位置(及び向き)を3次元空間内の位置座標(3次元の座標)としてライト制御部40が算出することができる。この時、無影灯装置照射部30の最適照射位置座標は枕平面と垂直方向に無影灯装置照射部30が位置し、かつ、無影灯光源(ランプ)と枕平面との距離が900mmに配置される座標を算出する。
【0054】
(14)無影灯装置照射部30が最適照射位置に来るように、無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の最適座標をライト制御部40が既述した場合と同様にして算出する。尚、この場合の無影灯装置照射位置検出方法の計算は、チェア2がセット位置まで動作する際、毎回行っているが、チェア2のセット位置を記憶する際でも可能である。この場合、計算値を記憶しておき、チェア2がセット位置まで動作する際、その計算値を使用する。
【0055】
(15)無影灯装置照射部30の最適照射位置座標まで無影灯装置照射部30が移動するように該無影灯装置照射部30及び無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34へライト制御部40が位置制御信号を送る。この時、各関節部31、32、33、34’34は最適可動範囲内(患者Mにぶつからず、かつ、無影灯装置照射部30が正中線上を移動する範囲)で可動する(図2、図4参照)。
【0056】
前記無影灯装置照射部30の最適照射位置座標への移動は、既述した場合と同様な無影灯装置照射位置検出方法及び移動方法の計算をチェア2のセット位置を記憶する際に行う場合、術者がセットスイッチを押した際に行うことが可能である。また、無影灯装置照射部30が正中線上を移動するのは一例であり、該無影灯装置照射部30は正中線上を必ずしも移動する必要はない。
【0057】
(16)診療中、患者Mのうがい等のためにチェア2の背板14を起こす場合、万が一チェア背板可動範囲内に無影灯装置照射部30が位置している場合には、該無影灯装置照射部30の位置座標を把握し、該無影灯装置照射部30が患者Mにぶつからない位置まで無影灯装置照射部30をZ軸上を上方へ、及び/又は、Z軸上を上方かつ患者Mの前方へ退避させることが可能である(通常は背板可動範囲内に無影灯装置照射部30が位置しないようになっている)。
【0058】
(17)診療終了後には、術者がリセットスイッチ(チェアオートリターンスイッチ)を押し、患者導入位置ヘチェア2が戻り、及び、無影灯装置照射部30が正中線上を移動しながら待機位置まで戻る。
【0059】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図9、図10をも参照して説明する。
【0060】
(1)術者が診療するにあたり、セットスイッチをオンしてチェア2を動作させると(ステップS1)、チェア制御部50は実施の形態1の場合と同様にしてライト制御部40へチェア2の昇降位置、寝起位置の情報を伝達する(ステップS2)。
【0061】
ライト制御部40は、実施の形態1の場合と同様にしてチェア2の位置に対する無影灯装置照射部30の最適照射位置座標、各関節部31、32、33、34’34の関節部最適座標を計算する(ステップS3)。さらに、ライト制御部40は、最適照射位置座標及び関節部最適座標まで無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34を移動させる(ステップS4)。この時点では無影灯装置照射部(無影灯光源)30は枕15に対して向けられている(図2参照)。
【0062】
そこで、患者Mの口腔位置に的確に照射するためには、微調整が必要となるため、次に無影灯装置照射部30又は近傍に設置したカメラ7からの取得画像から、画像認識部60はパターンマッチング法、及び/又は、色情報抽出により、患者の顔の位置、口腔位置を正確に把握する(ステップS5、図10に示すステップS11、ステップS12)(カメラ設置位置は前記に限定されない)。
【0063】
(2)画像認識部60は、無影灯装置照射部30に設置されたカメラ7から入力される画像信号(枕周辺画像)を取得する。この場合、カメラ7からの取得画像から、実際の患者口腔位置を把握するため、画像中の1画素当たりの距離を求めておく。すなわち、画像の各画素を座標として考える。
【0064】
無影灯装置照射部30に設置したカメラ7から枕平面まで約900mmであるから、例えばカメラ7の画角が水平画角30度、垂直画角30度、解像度が水平解像度320、垂直解像度が240の場合、カメラ7の水平画角30度、垂直画角30度をそれぞれ二等辺三角形の頂点の角度とし、カメラ7から枕平面までの距離約900mmを二等辺三角形の高さとすると、二等辺三角形の底辺が距離900mmにおけるカメラ画角に収まる範囲(距離)となり、その距離を水平解像度、垂直解像度で各々割ると、画像中の1画素当たりの実際の長さが算出される。
つまり、カメラ7の水平画角30度の場合、
底辺=2×高さ×tan(頂点の角度/2)=2×900×tan(30/2)=約482.3mm
この約482.3mmを水平解像度320で割ると、一画素当たり1.507mmに相当することがわかる。
カメラ7の垂直画角300の場合、
底辺=2×高さ×tan(頂点の角度/2)=2×900×tan(30/2)=約482.3mm
この約482.3mmを垂直解像度240で割ると、一画素当たり2.010mmに相当することがわかる。
【0065】
従って、水平の場合は1画素当たりの実際の長さは1.507mm、垂直の場合は1画素当たりの実際の長さは2.010mmとなる。尚、このようにして求める値は概略値である。
【0066】
(3)カメラ7からの画像信号を画像認識部60において、2次元座標でのパターンマッチング及び/又は色情報抽出処理の手法を用いて、患者Mの顔位置をサーチし正確に把握する(ステップS11)。
【0067】
パターンマッチングの場合は、枕位置が既知であることを利用し、患者Mの顔位置のモデルパターン(顔テンプレート)を用いて、取り込んだ画像にパターンマッチング(画像中にラスタ走査させる)をかけ、最もマッチング値の高いモデルパターンとの組み合わせを選択することにより、取り込んだ画像の患者顔位置を正確に把握することが可能となる。尚、カメラ画像に患者Mの顔が映っていない場合、カメラ画像中に患者Mの顔が映る位置まで無影灯装置照射部30を移動させることは可能である。
【0068】
色情報抽出処理の場合は、カメラ7からの取得画像を色相データに変換し、肌色に近い色相値を持つ領域を特定する。具体的には、
(i)RGB表色系の色情報をHSV表色情報に変換する。RGB表色系では、R:赤値、G:緑値、B:青値であり、HSV表色系ではH:色相、S:彩度、V:明度である。
(ii)色による判断としては、画像中の各画素の色の分布により認識対象の位置を判断する。例えば、人の顔であれば色相の値(0〜359)の中で顔色に相当する値(例えば0〜60)の値を持つ画素をマッピングすることで画像中の位置を特定することができる。この場合、背景の色と認識対象の色が異なることが前提であり、
(a)背景が限定されない場合、CPUの演算量を減少させる目的で色情報である程度エリアを絞り込み、パターンマッチングで顔位置を特定するという色情報抽出処理及び/又はパターンマッチングの組み合わせが有効である。
(b)背景が限定され、認識対象との色の分離が良い場合、色情報抽出処理だけで顔位置を特定することが可能である。
【0069】
(4)次に把握された顔位置から口腔位置の領域を把握(ステップS12)するために、空間的限定、パターンマッチング法、及び色情報抽出処理のいづれか1つ、又は複数用いることにより患者Mの口腔位置を2次元座標として前記画像認識部60が把握する。
ここで、空間的限定:既述した(3)のパターンマッチング及び/又は色情報抽出処理により顔位置を把握した後、顔に対する口腔位置の領域はある程度限定できるので、およその位置の予測をつけて、演算量を減少させる手法である。
パターンマッチング:画像中の顔位置が把握できたことを利用し、予め記憶部に登録してある顔位置に対応する口腔位置のモデルパターン(口テンプレート)を用いて、取り込んだ画像にパターンマッチング(画像中にラスタ走査させる)をかけ、最もマッチング値の高いモデルパターンとの組み合わせを選択することにより、取り込んだ画像の患者口腔位置(口腔位置座標)を把握することが可能となる。
色情報抽出処理:画像を色相データに変換し、唇色に近い色相値を持つ領域を特定する。
【0070】
(5)上述のようにして患者Mの口腔位置を把握した後、患者Mの口腔位置が無影灯装置照射部30の照射中心にあるか否かを画像認識部60が判断する(ステップS6)(図2参照)。図2に無影灯装置照射部30の照射中心と無影灯光源から照射された光の照射面の中心を示す。
【0071】
画像認識部60における判断方法としては、カメラ画角中心と、無影灯装置照射部30の照射中心の位置関係は予め把握されている。また、無影灯装置照射部30の位置は最適照射位置座標としてすでに算出され、最適照射位置座標に位置している(位置検出センサによって、該無影灯装置照射部30の位置座標を把握することも可能である)。
【0072】
そこで、ライト制御部40で把握されている無影灯装置照射部30の最適位置座標の伝達信号を画像認識部60に伝達し、無影灯装置照射部30の照射中心を画像認識部60で把握する。また、カメラ7からの取得画像から、画像認識部60で把握している口腔位置座標と、画像認識部60に伝達される無影灯装置照射部30の照射中心とを画像認識部60で比較し、無影灯装置照射部30の照射中心に口腔位置があるか否かの判断を行うことができる。尚、画像認識部60が口腔位置が照射中心にあるかの判断を行う場合の他、ライト制御部40が同様の判断を行うことも可能である。
【0073】
(6)照射中心に口腔位置がない(患者口腔位置と無影灯装置照射部30の照射中心が一致していない:図2参照)と判断した場合(ステップS9)には、画像認識部60で把握された口腔位置の画像中の座標から、無影灯装置照射部30の照射中心と口腔位置との実際のズレを把握し(例えば、図2においては無影灯装置照射部30の角度のズレが把握できる)、把握された口腔位置の画像中の座標から、無影灯装置照射部30の実際の方向と補正距離を画像認識部60が算出する。
【0074】
(7)無影灯装置照射部30の補正位置座標に該無影灯装置照射部30が位置するように無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の最適補正座標を既述した場合と同様にして、画像認識部60が算出する。
【0075】
(8)算出された補正値をライト制御部40に伝達する。
【0076】
(9)ライト制御部40は、補正値にあわせて無影灯装置照射部30が最適補正照射位置座標に移動するように、各関節部31、32、33、34’34を制御する位置制御信号を各関節部31、32、33、34’34に送り、無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34を最適可動範囲内(患者Mにぶつからず、かつ、無影灯装置照射部30が正中線上を移動する範囲)で移動させ(ステップS10)、この後ステップS5の処理に戻る。
【0077】
(10)以上により無影灯装置照射部30の最適補正照射位置座標に対する位置合わせが完了となる。
【0078】
(11)ライト制御部40が照射制御信号を無影灯装置照射部30に送り無影灯光源が点灯する(ステップS7)。
【0079】
(12)患者Mに対する診療開始となる(ステップS8)。
【0080】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
【0081】
(1)無影灯装置照射部30が患者口腔位置に的確に照射できる位置に位置した後、無影灯装置照射部30又は近傍に設置したカメラ7によって患者口腔画像を取得する。
【0082】
(2)患者Mの口腔開閉を認識するために、該カメラ7からの取得画像をパターンマッチング法を用いて識別する。このパターンマッチングの場合、画像中の口腔位置が把握できたことを利用し、予め登録してある口腔開閉のモデルパターン(開いた口テンプレートと閉じた口テンプレートの2つを用意する)を用いて、取り込んだ画像にパターンマッチングをかけ、最もマッチング値の高いモデルパターンとの組み合わせを選択することにより、取り込んだ画像の患者口腔開閉を認識することが可能となる。口テンプレートはソフトウェアにデータとしてインプットしておく(設計時に多数の口腔開閉データを取得して口テンプレートを決定しておく)。
【0083】
(3)患者Mが口腔を開けたと画像認識部60が認識した場合、無影灯装置照射部30の無影灯光源を点灯させるように画像認識部がライト制御部40へ伝達信号を送り、ライト制御部40が無影灯装置照射部30に照射制御信号を送り、無影灯光源を点灯させる。
【0084】
患者が口腔を閉じた(又は閉じている)と画像認識部60が認識した場合、無影灯装置照射部30の無影灯光源を消灯させるよう画像認識部60がライト制御部40へ伝達信号を送り、ライト制御部40が無影灯装置照射部30に照射制御信号を送り、無影灯光源を消灯させる。尚、無影灯光源の点灯及び消灯は手動(スイッチやタッチレスセンサー等)で行うことも可能である。
【0085】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。患者Mの治療部位の相違、即ち、上顎治療又は下顎治療によって、枕15の傾斜角度を変化させ、治療を行う場合がある。そのため、枕位置(傾斜角度)の変化に伴い、無影灯装置照射部30の照射角度を変化させる必要がある。そこで、本実施の形態4においては、枕15の傾倒機構部に角度センサーを備え、枕15の傾斜角度により、無影灯装置照射部30の最適照射角度判断を行う。
【0086】
(1)まず、患者Mの上顎治療又は下顎治療を行う際、枕15を起倒させ治療を行うが、術者によって起倒角度が違う可能性があるため、個々の術者が上顎治療、下顎治療を行う際の各々の枕ポジションを設定しておく。
【0087】
(2)上顎治療を行う場合、枕15が寝た状態(例えば図3:(診療位置1)のように枕15が背板14より後方へ20度倒れている状態)の場合は、チェア制御部50が把握した枕位置に対する無影灯装置照射部30の最適照射位置座標(及び向き)を、ライト制御部が3次元座標として算出する。この際、無影灯装置照射部30の最適照射位置座標は枕平面と垂直方向に無影灯装置照射部30が位置し、かつ、無影灯光源(ランプ)と枕平面との距離が900mmに配置される座標を算出する。
【0088】
(3)無影灯装置照射部30が最適照射位置座標に来るように、無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の最適座標をライト制御部40が算出する。
【0089】
(4)最適照射位置座標まで無影灯装置照射部30が移動するように無影灯装置の各関節部31、32、33、34’34へライト制御部40が位置制御信号を送る。この時、無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34は最適可動範囲内(患者Mにぶつからず、かつ、無影灯装置照射部30が正中線上を移動する範囲)で移動する。
【0090】
(5)次に実施の形態2の方法と同様に、無影灯装置照射部30又は近傍に設置されているカメラ7からの画像信号を画像認識部60において、2次元座標でのパターンマッチング及び/又は色情報抽出処理を用いて患者Mの顔位置を正確に認識し、口腔位置を把握する。
【0091】
(6)照射中心に口腔位置がない(患者口腔位置と無影灯装置照射部30の照射中心が一致していない:図2参照)と判断した場合は、画像認識部60で把握された口腔位置の画像中の座標から、無影灯装置照射部30の照射中心と口腔位置との実際のズレを把握し(例えば、図2においては無影灯装置照射部30の角度のズレが把握できる)、把握された口腔位置の画像中の座標から、無影灯装置照射部30の実際の方向と補正距離を画像認識部60が算出する。
【0092】
(7)無影灯装置照射部30の補正位置座標に無影灯装置照射部30が位置するように無影灯装置10の各関節部31、32、33、34’34の最適補正座標を画像認識部60が算出する。
【0093】
(8)算出された補正値をライト制御部40に送る。
【0094】
(9)ライト制御部40が補正値にあわせて無影灯装置照射部30が移動するよう、位置制御信号を各関節部31、32、33、34’34に送り、無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34を最適可動範囲内(患者Mにぶつからず、かつ、無影灯装置照射部30が正中線上を移動する範囲)で移動させる。
【0095】
(10)患者Mの下顎治療を行う場合、枕15が起きている状態(例えば図2のように背板14と一直線上に枕15が位置している状態)の時も、上述した(2)〜(8)と同様の方法で無影灯装置照射部30及び各関節部31、32、33、34’34を最適照射位置に移動させることが可能である。
【0096】
尚、患者Mの上顎治療又は下顎治療に応じて、前記枕15の傾斜角度を変化させ治療を行う場合、無影灯装置照射部30に設置したカメラ7と図示しないが壁等に設置した別のカメラとの双方の取得画像を利用して、実施の形態2の方法だけで前記無影灯装置照射部30を最適照射位置に的確に移動させるように構成することは可能である。
【0097】
また、図示しないが、壁に設置した別のカメラがあれば、このカメラからの取得画像からだけでも口腔開閉によって無影灯装置照射部30の照射角度を変化させるように構成することも可能である。
【0098】
尚、上述した実施の形態1では、チェア制御部50でチェア2の昇降、寝起位置の値を把握し、ライト制御部40でその値から枕位置を計算し、枕位置に合わせた無影灯装置照射部30の位置を計算し、その位置に移動するための各関節部への指令を行うように構成しているが、これらは設計の仕方次第で種々の変更が可能である。
【0099】
【発明の効果】
本発明によれば、無影灯装置照射部、各関節部と、患者との接触を回避しつつ自動で無影灯装置照射部及び各関節部を最適照射位置である患者の口腔位置に導くことができ、また、診療を行う術者にとっても診療上の汚染防止を図れる無影灯自動位置補正点灯システムを提供できる。
【0100】
また、本発明によれば、無影灯装置照射部を的確に口腔位置へ向けて自動位置合わせすることができ、術者の作業負担を軽減することが可能な無影灯自動位置補正点灯システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1乃至4の歯科用ユニット及び無影灯装置の側面図である。
【図2】本発明の実施の形態1乃至4の歯科用ユニット及び無影灯装置の正面図である。
【図3】本発明の実施の形態1乃至4の歯科用ユニット及び無影灯装置の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1乃至4の歯科用ユニット及び無影灯装置の平面図である。
【図5】本発明の実施の形態1乃至4の歯科用ユニット及び無影灯装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態1乃至4の無影灯装置のX−Z平面における照射位置座標、関節部位置座標検出を行う場合の座標を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1乃至4の無影灯装置の無影灯光源と枕の位置座標を示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1乃至4の無影灯装置のY−X平面における照射位置座標、関節部位置座標、照射角度の関係を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1、2の診療開始時から終了までの処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態2の口腔位置の把握の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 歯科用ユニット
2 チェア
3 スピットン部
4 無影灯装置支持部
5 取り付け具
6 画像モニタ
7 カメラ
10 無影灯装置
11 ユニットベース
12 チェア台
13 シート
14 背板
15 枕
16 フットレスト
20 ポール
21 第1アーム
22 第2アーム
23 第3アーム
24 第4アーム
25 回動支持具
30 無影灯装置照射部
31、32、33、34’34 関節部
40 ライト制御部
50 チェア制御部
60 画像認識部
M 患者
Claims (2)
- 被照射体である患者に光を照射する無影灯装置照射部を支持する複数の支持部材の各関節部に駆動手段及び各関節部の位置検出を行える無影灯関節部位置検出センサを備えた無影灯装置に適用される無影灯自動位置補正点灯システムであって、
被照射体用のチェアの昇降、寝起位置を把握するチェア制御部と、
前記無影灯装置又はその近傍に設置した1つ又は複数のカメラと、
該カメラからの画像信号を基に被照射体の口腔位置を認識する画像認識部と、
前記無影灯関節部位置検出センサからの位置情報及びチェア制御部からのチェア位置情報と、前記画像認識部により認識した被照射体の口腔位置の情報とにより、認識した被照射体の口腔位置に光が照射されるよう前記無影灯装置照射部及び各関節部を制御し、自動で位置合わせ及び光照射を行うライト制御部と、
を有することを特徴とする無影灯自動位置補正点灯システム。 - 前記画像認識部において、被照射体である患者の口腔開閉を前記カメラから取得した画像と既登録のサンプル画像との比較による口腔開閉の類似度の高低で認識し、前記ライト制御部により無影灯装置照射部に備えた無影灯の点灯、消灯を自動制御することを特徴とする請求項1記載の無影灯自動位置補正点灯システム。
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