JP4101988B2 - 調理用油敷具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵焼き、焼肉等の調理時に鍋等に食用油を敷くのに使う調理用油敷具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の調理用油敷具は、長年にわたって鍋に直に食用油を敷くか、または筆状にモップ布を束ねたプラスチック容器入りの油敷具が使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、鍋に直に食用油を流し入れた場合は油を薄く敷くことが困難であり、また食用油は容器の縁を伝って拡散し、容器がべたついたりして手が汚れ、非衛生的であり、また食用油はべたついているため少しでもこぼしたりすると拭き取るのが大変であった。筆状にモップ布を束ねたプラスチック容器入りの油敷具では密閉が悪いため拡散性のよい油であることから、家庭での携帯には油漏れしたりしてうまくゆかず、不便で非衛生的であるなど問題があった。このようなことから、手を汚さずに油を敷くことができる携帯に便利な油敷具が望まれていた。現代は生活環境の変化により、ハイキング、キャンプ、ガーデン等でのアウトドア調理をする場合が多くなったこと、また主婦が調理するだけでなく子供から男性までが調理するようになり、簡便な焼肉、卵焼き、焼きそば等の炒め物調理が多くなり、ますます便利で衛生的な調理用油敷具が要望されるようになった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る調理用油敷具は、耐熱性繊維シートからなる支持体に食用油を塗布または含浸させたロール状の食用油付着体3が、非透油性フィルム4で包装されている。食用油付着体3の端面を鍋底面に押し当てることで、油を敷くことができるようになっている。食用油付着体3は、シートを1回または複数回折り返した後ロール状に巻いて成形されており、折り返してできる折り目Rが、食用油付着体3の前記端面に位置していることを特徴とする。
詳しくは、食用油付着体3は長細形状を呈しており、食用油付着体3の前記端面を非透油性フィルム4より露出させてから、食用油付着体3を非透油性フィルム4の上から握って、該端面を鍋底面に押し当てることで、油を敷くことができる。食用油には、酸化防止剤としてビタミンEが配合することが好ましい。
【0005】
支持体への食用油の付着量は耐熱性繊維の吸油量によるが支持体重量の80%〜300%が適当である。支持体への食用油の塗布または含浸はロール状または積層状にする前の耐熱性繊維シートの時点で食用油を塗布または含浸させてもよく、ロール状または積層状または圧縮後油を含浸させてもかまわない。適宜な方法、適宜の時点で塗布または含浸して食用油付着体とすればよく限定するものではない。
【0006】
【発明実施の形態】
以下、本発明実施の形態を説明する。
【0007】
本発明の耐熱性繊維シートの材料は熱で溶融しない繊維シートを用いる。例えばコットン不織布、平織りのコットンシート(ガーゼ)、レーヨン不織布、パルプ繊維シート、レーヨンパルプ不織布等のセルローズ繊維シートが好ましい。
また、使用時の支持体内の食用油分散均一性をよくするために、フライパン等で溶融しない程度の熱可塑性繊維であるポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等を20%以下配合してもよい。耐熱性繊維シート支持体のロール状の巻き方の例としては図1−a、図1−b、図1−cのような適宜な巻き方法をとってもよい。図1−aは単に一枚のシートをロール状に巻いた支持体であり、図1−bは二つ折りにしたシートをロール状にした支持体であり、シートの片面側には折り目Rが形成されて脱落繊維が出にくい構造になっている。図1−Cはシートを複数折り返してロール状とした支持体であり、複数折り返したロール状にすることによって両端が折り目Rにより脱落繊維が出にくい構造になっている。また、耐熱性繊維シート支持体の積層状の方法としては、短冊状の積層、複数折りの積層等適宜の方法をとってよい。またこれらのロール状または積層支持体の腰を強くするための方法として耐熱性繊維シートを圧縮エンボス加工してもよく、ロール棒状タイプのものは筒状の金型で圧縮成形してもよく、また、積層板状タイプのものは積層状態で圧縮したものでもよく、調理時の油敷具の腰が強くなって使いやすくなる。
【0008】
食用油は一般に使用されている調理用油を用いる。例えば菜種油、大豆油、ゴマ油、ベニバナ油、落花生油等の植物性油が使いやすい。常温では固形状食用油でも熱で液状になれば支持体に含浸、浸透できるので、加温して液状になればどのような食用油も使用できる。食用油は一般にいえることであるが経時により酸化しやすいことからビタミンE等の酸化防止剤を微量配合してもよい。
【0009】
非透油性フィルムは食用油で経時的に影響をうけず油を透さない熱シール性フィルムを用いる。例えばアルミニウム箔ラミネートフィルム、アルミニウム真空蒸着フィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、エチレンビニールアセチル、一方向引き裂き性プラスチック、プラスチックラミネート紙等のフィルムまたはこの中から選ばれた1種類以上の複合フィルムまたはシートである。
【0010】
実施例1
図2は本発明実施例1の使用時の斜視図である。1は調理用油敷具、2は耐熱性繊維シートをロール状とした支持体、3は食用油付着体、4は非透油性フィルム、5はピロー包装の端部熱シール部、6はピロー包装の背部熱シール部、7は使用時の油敷き面、8は開部破断用の切り目である。耐熱性繊維シートの材料はコットン不織布またはレーヨン不織布であり、目付30g/m2〜80g/m2を使った。ロール状支持体は上述の図1に例示したa,b,cのロール状のいずれも使える。支持体への食用油の含浸量は支持体重量の約200%として、耐熱性繊維シートのロール状にする前の工程で食用油を含浸した後ロール状として食用油付着体としている。食用油付着体のサイズは、ロールの径は約15mm、長さ100mmで携帯に便利なサイズとしている。包装は容器の機能が必要なため非透油性、耐熱性のアルミ箔ラミネートを用いてピロー包装し、両端に油敷き面7を露出させるための切り目8・8を設けている。
使用方法はいずれか一方の切り目8より破り、食用油付着体を適宜の長さ露出させてピロー包装胴部12を握って油敷きする。
この場合はピロー包装の長手方向にそって破れるかまたは斜めに破断して開口する。
【0011】
実施例2
この実施例は使用時のピロー包装の油敷き面を容易に露出させて使いやすくするために、ピロー包装の長手方向を横に切断し、その切り口はピロー包装をテープ状に切り取るようにしたことを特徴としたものである。
そのために、包装の材料を一方向引き裂き性プラスチックフィルムまたは一方向引き裂き性プラスチック真空蒸着アルミニウムフィルムを用いる。
図3、図4により説明すると、2は耐熱性繊維シート、3の食用油付着体は実施例1と同じであるが、包装容器ピロー包装の使用時の取り出しのための切り目が実施例1と異なる。調理用油敷具1のピロー包装の材質は上述の一方向引き裂き性フィルムを用い、直径方向に引き裂き方向としてピロー包装し、背部の熱シール部6に開部破断用の切り目9・9を並設したことによってこの部分より直径方向に引き裂くとピロー包装はテープ状Bに切り取られ、図4に示すように食用油付着体3の油敷き面7を容易に露出させることができる(図面ではわかりやすいようにテープ状に切り取られる部分Bを一部付着した状態で示している)
【0012】
実施例3
この実施例はピロー包装の調理用油敷具1の胴部12を硬くし腰を強くして持ちやすくするとともに油敷き面7を出しやすくしたものである。
図5、図6により説明すると、1は調理用油敷具、2は耐熱性繊維シートをロール状として仮圧縮または圧縮成形した支持体である。この支持体2は上述図1のaのロールを使い、食用油を支持体重量の約200%含浸させて非透油性フィルム4でピロー包装する。非透油性フィルム4は、一方向引き裂き性プラスチックフィルムまたは一方向引き裂き性プラスチック真空蒸着アルミニウムフィルムを用いて直径方向に引き裂き方向としてピロー包装し、長手方向約1/3部分の内周面に2.0mm〜3.0mm幅のテープ10を貼着し、このテープ10の端部をピロー包装背部の熱シール部6より遊離させてつまみ部11を形成する。5はピロー包装の端部熱シール部、7は使用時の油敷き面である。
使用方法はつまみ部11をつまんで引っ張るとピロー包装は内周面に貼着されたテープ10にそって切り取られて開口し、油敷き面7を容易に露出させることができる。(図面ではわかりやすいようにテープ10の部分を一部付着した状態で示している)
【0013】
実施例4
この実施例は図7のように油敷き面7を四角形状とするため、耐熱性繊維シートを短冊状の積層または複数折り積層した支持体として食用油を含浸させ、非透油性フィルムであるアルミニウムラミネートフィルムで四方包装したものである。
1は調理用油敷具、2は耐熱性繊維シートを短冊状の積層または複数折り積層とした支持体、3は食用油付着体、4は非透油性フィルム、5は四方包装の端部熱シール部、7は使用時の油敷き面、9は開部破断用の切り目である。耐熱性繊維シートの支持体2は、コットン不織布またはレーヨン不織布で目付50g/m2、サイズは約5cm×7cm四角形で短冊または複数折り積層している。支持体2への食用油の含浸は支持体重量の約250%とし、非透油性アルミニウムラミネートフィルム4で四方を熱シール5・5・5・5し、左右の熱シール部5・5に切り目9・9を設けたものである。
使用方法はいずれかの切り目9より破って油敷き面7を露出させ、下方の胴部12を押さえて油敷き面7をフライパン等に押しあてて油敷きする。
上述のいずれの実施例の場合も、食用油付着体3を多く露出させたい場合は下方より食用油付着体3を押し出すようにして胴部12をつまんで加減すればよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明はハイキング、キャンプ、ガーデン等でのアウトドア調理をする場合が多くなったことや、簡便な焼肉、卵焼き、焼きそば等の炒め物調理が多くなり、主婦だけでなく、男性や子供たちも調理に参加するようになった現代の生活環境の変化に即応させて、男性や子供でも油敷具の容器の縁を伝って油を拡散させたり、携帯時に油漏れさせたりの失敗がなく使いやすいものにした。
すなわち、不使用時には食用油付着体を非透油性フィルムで包装してあり、使用時に開部破断用の切り目より破って油敷き面7を露出させるようにして、携帯時の油漏れなどの不都合を解消し、屋内屋外を問わず衛生的で使いやすい商品を提供することができた。
【0015】
実施例1、実施例2、実施例3の製品はピロー包装スティック状として、特にコンパクトであることから、小鍋用に向いており、手に握りやすく油を敷きやすくしてある。また、長細形状であり鍋底面からの距離を保ちながら油敷ができることから火傷などないよう安全に留意している。実施例2、実施例3では包装長手方向を横方向に切断するように切り目9(図3、図4)、テープ10(図5、図6)を設けたことにより、密閉包装からの使用時の開口が簡単である。耐熱性繊維シートをエンボス圧縮またはロール状として仮圧縮または圧縮成形することにより食用油付着体が硬くなることで、調理用油敷具の腰が強くなり持ちやすく、油が敷きやすい。
【図面の簡単な説明】
【図 1】本発明の耐熱性繊維シート支持体の巻き方を例示した斜視図である。
【図 2】ピロー包装を切り目8より切り裂いて食用油付着体を露出させた実施例1を示す斜視図である。
【図 3】ピロー包装の長手方向を横方向に切り裂くための切り目9・9を設けた実施例2を示す密封状態の斜視図である。
【図 4】切り目9・9より切り裂いて食用油付着体を露出させた実施例2を示す斜視図である。
【図 5】ピロー包装の長手方向をテープ10を設けて横方向に切り裂くための実施例3を示す密封状態の斜視図である。
【図 6】テープ10にそって切り裂いて食用油付着体を露出させた実施例3を示す斜視図である。
【図 7】油敷き面7を四角形状とするため、四方包装した実施例4の開封状態を示す斜視図である。
【図 8】実施例3の調理用油敷具の使用状態を示す。
【符号の説明】
1 調理用油敷具
2 支持体
3 食用油付着体
4 非透油性フィルム
5 包装の端部熱シール部
6 ピロー包装の背部熱シール部
7 使用時の油敷き面
8・9 切り目
B テープ状に切り取られる部分
10 テープ
11 つまみ部
12 ピロー包装胴部
R 折り目
Claims (3)
- 耐熱性繊維シートからなる支持体に食用油を塗布または含浸させたロール状の食用油付着体(3)が、非透油性フィルム(4)で包装されており、
食用油付着体(3)の端面を鍋底面に押し当てることで、油を敷くことができるようになっており、
食用油付着体(3)は、シートを1回または複数回折り返した後ロール状に巻いて成形されており、折り返してできる折り目(R)が、食用油付着体(3)の前記端面に位置していることを特徴とした調理用油敷具。 - 食用油付着体(3)は長細形状を呈しており、
食用油付着体(3)の前記端面を非透油性フィルム(4)より露出させてから、食用油付着体(3)を非透油性フィルム(4)の上から握って、該端面を鍋底面に押し当てることで、油を敷くことができる請求項1記載の調理用油敷具。 - 前記食用油に、酸化防止剤としてビタミンEが配合されている請求項1または2記載の調理用油敷具。
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