JP4101950B2 - 真空式下水道の自動管理式吸気装置 - Google Patents

真空式下水道の自動管理式吸気装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空式下水道の自動管理式吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
真空式下水道は真空弁ユニットに設けてある汚水貯まりの大気圧中に自然流下によって貯留された汚水を、この大気圧と真空下水管内の負圧との圧力差を利用して汚水吸い込み管に吸引し、汚水吸い込み管に汚水と空気を吸引することを最大の特徴としている。汚水吸い込み管に吸い込まれた空気は負圧の管路の中で膨張して汚水よりも流速が速くなり、気液混送流を形成する。こうして汚水は、空気との混送流という形での推力を得、真空下水管内を高速で流送される。真空下水管はこの推力の作用下でリフトと呼ばれる登り勾配(通常 30cm )を持つ鋸歯状の配管がなされているため、従来の自然流下方式のように順勾配を続ける必要がなく、マンホールポンプ場の設置などのいらない、地形に沿った浅埋設配管を構築できることも特徴となっている。混送流となった汚水は、やがて空気が通り抜けると、リフトの管勾配に従って最低位部に貯まる。更に、リフトの最低位部に汚水が貯まった状態で、より上流部の真空作動弁が作動すると、そこからの空気(この空気も混送流の形成後に運ばれてきた、換言すれば汚水を抜けてきた空気)によって、リフトの最低位部に貯まった汚水の水栓部で再び混送流を形成し、貯まっていた汚水をリフトの先に進めることができる。こうして真空弁ユニットにて吸引された汚水は、混送流とリフト貯留を繰り返しながら、最終的には真空源である真空ステーションの集水タンクまで運ばれ、ここから圧送ポンプによって、公共下水道管渠や下水処理場に送られる。
【0003】
真空下水道は前述の通り負圧の形成と、空気の吸引がシステムの要となっている。然るに、従来より、真空式下水道システム(特開昭3-43527 等)には、汚水を吸引した後に空気を吸引することによって管路の汚水を搬送する気液分離吸引方式と、汚水と空気とを同時に吸引する気液同時吸引方式(特開平5-33380 等)とがあった。また従来の「気液同時吸引方式」も、空気吸引量を補うため、空気のみを追加吸引する「分離・同時併用方式」という形態を採るものがあり、いかに有効に真空下水道管路に必要量の空気を取り入れるかが試みられている。
【0004】
ところで、従来より空気の吸引は真空弁ユニット内より、真空作動弁の作動を通じて行なわれることが一般的となっていた。現在は吸引起点である真空弁ユニットにおける吸引汚水と空気との比率は 1:3 を基本とされており、通常40リットルの汚水に対して空気を 120リットル吸引していた。但し、真空弁ユニットの設置されている場所における真空圧や、リフトなどの配管形態などによって、設置場所毎に吸引空気量を変化させることも多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
「気液同時吸引方式」は汚水と同時に一定口径の同時吸引管より空気を吸引するため、管路の負圧の変化に対して吸引空気の比率は安定し易い。一方、「気液分離吸引方式」は吸引空気の膨張力を搬送力に効率的に変換し易く、時間調整によって圧力到達値の相違による空気吸引量の調整が容易にできる。現在では真空弁ユニット部における気液比の設定は、同時吸引方式、分離吸引方式共に比較的安定して設定できるようにはなっているが、実際の供用現場では時間帯や近隣の複数の真空弁作動による負荷圧力の変動、或いは多段リフト形成によるウォーターブロックの突発的な発生、大口径リフト部における混送流の非形成が原因となる空気素通り等によって、ウォーターブロックが発生したりすることもあり得る。このように、局部的に予め予定されていた空気吸引量の定量設定では回避できない空気不足により、システムの不安定が生じることがある。
【0006】
即ち、従来技術では、気液分離吸引方式における空気吸引量の調整は、真空作動弁コントローラーや弁本体による弁開放時間調整の方法がある。真空弁コントローラーや弁本体による設定により、真空作動弁への空気導入タイマーが一定である場合、極端に真空度が低下した場合の開時間は真空圧による弁体の作動速度による変化(弁体の開き速度が遅くなると、タイマーが切れ、閉作動に入ってから閉じきるまでの時間が小さくなる)はあっても、汚水の吸込み量に比べて、空気吸込み量が相対的に減少してしまうため、気液比は変化する。従ってこうした場合、理想的には弁の開放時間中の空気吸引量を増やさなければならない。その方法の一つとして、真空度低下の度合いに応じて気液同時吸引方式を併用し、吸込み空気量を補給する方法があるが、気液同時吸引方式では汚水の吸い込み口付近より空気を取り入れるため、従来の同時吸引式も分離吸引式も、弁の開いている間しか空気を吸引できないという性質を持つ。水位検知式コントロール(水位が切れ、吸気を感知し弁閉作動に移る仕組み)を採用した場合においても同様で、吸い込む空気の量は、▲1▼同時吸引の場合は同時吸引時の吸気口径に依存、▲2▼分離吸引の場合は開放時の真空圧と吸引時の真空圧変化に依存、▲3▼同時分離併用の場合はその融合したものに依存する。即ち、従来技術では、予め設定した空気量を吸い込むことが大前提となっており、現場の予期せぬ状況(真空圧異常時など)における作動では、管路が必要とする空気量を供給できない場合もある。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、真空弁ユニットにおける空気吸引において、システム全体の汚水搬送効率を優先させ、管路に必要且つ充分な空気を供給し、管路に形成されるウォーターブロックを自動解除し、真空式下水道システムの安定を図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、真空ステーションに設けた真空ポンプが生成する真空圧が付与される真空下水管と、真空下水管に真空作動弁を介して接続される汚水吸い込み管と、汚水吸い込み管が浸漬される汚水貯まりとを有し、汚水貯まりに一定量の汚水が貯留されると真空作動弁を開き、汚水を真空下水管に吸引させる真空式下水道の自動管理式吸気装置において、
真空下水管における真空作動弁の接続部位より下流側に、吸気弁を介して空気導入管を接続し、
この吸気弁を真空下水管の一定以上の負圧により閉じるように設定してなるとともに、
前記空気導入管に開閉制御弁を設けるか、又は前記吸気弁に開閉制御部を設け
真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに前記開閉制御弁、又は前記開閉制御部を閉止制御可能とする制御装置を、真空下水管に沿って地中埋設されている通信ケーブルを介して真空ステーションに接続してなることを特徴とする真空式下水道の自動管理式吸気装置である。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、真空ステーションに設けた真空ポンプが生成する真空圧が付与される真空下水管と、真空下水管に真空作動弁を介して接続される汚水吸い込み管と、汚水吸い込み管が浸漬される汚水貯まりとを有し、汚水貯まりに一定量の汚水が貯留されると真空作動弁を開き、汚水を真空下水管に吸引させる真空式下水道の自動管理式吸気装置において、
真空下水管における真空作動弁の接続部位より下流側に、吸気弁を介して空気導入管を接続し、
この吸気弁を真空下水管の一定以上の負圧により閉じるように設定してなるとともに、
前記空気導入管に開閉制御弁を設けるか、又は前記吸気弁に開閉制御部を設け、
真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに前記開閉制御弁、又は前記開閉制御部により吸気弁を閉止制御可能とする制御装置を真空弁ユニット近傍に有してなることを特徴とする真空式下水道の自動管理式吸気装置である。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項記載の本発明において更に、前記制御装置が、真空下水管が連通する真空源に設置した圧力センサにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したか否かを判定するようにしたものである。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項記載の本発明において更に、前記制御装置が、吸気弁の開き継続時間を計時することにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したか否かを判定するようにしたものである。
【0012】
【作用】
請求項1の本発明によれば下記▲1▼〜▲5▼の作用がある。
▲1▼本発明は、様々状況によって変化する供用管路の真空度に応じて、必要な量だけ空気量を供給することを可能とした真空作動弁の吸気システムであり、真空作動弁の弁体より流出側に空気導入管を設け、この空気導入管の吸気口に真空圧に連動して作動する吸気弁を設けた。吸気弁の構造は管路の負圧力によって閉じる弁体を持ち、弁体には弁開き方向の力が、スプリングや弾性体などにより常にかかり、調整可能なものであることが望ましい。当然、「弁体にかかる真空吸引力」<「開き方向の力」となると、吸気弁の弁体が開く。弁が開くと、吸気口より空気を吸引し始める。空気を吸引すると真空度は下がる方向に働くため、吸気状態が暫く継続することとなる。
【0013】
▲2▼真空作動弁のコントロールは、汚水を吸い込み、水位が下がると閉じるという機能を有していれば良い。即ち真空作動弁が開き、汚水を吸引することによって、管路にウォーターブロックを形成し、これが蓄積することにより、真空作動弁に供給される真空度が下がって、吸気弁に予め設定されている真空圧に達すると、吸気弁が開き、空気の吸引を開始する。吸気された空気はウォーターブロックした汚水と混送流を形成し、汚水を搬送する。こうして連続的な空気吸引によりウォーターブロックが解除されると、水栓先の高い真空度が吸気弁に達し、「弁体にかかる真空吸引力」>「開き方向の力」となって、吸気弁は閉止する。即ち、管路が正常状態になるに必要な空気量だけを吸引し、充分な真空度がある場合には、吸気を制限し、管路全体の気液比を上げない方式となる。
【0014】
▲3▼また、吸気弁の設定圧力を高めに設定し、真空作動弁が開くことによる真空度の低下にて吸気を開始するものとすると、真空作動弁が開くと同時に吸気を開始し、同時吸引同様に混送流を形成する。こうすることにより、初期段階においてウォーターブロックを発生させない方法も採用できる。
【0015】
▲4▼更にこの場合、同時吸引と著しく異なるポイントは、真空作動弁が閉止した後も、汚水を搬送するに必要な空気を吸引し、圧力が回復してから吸気弁を閉止することにある。従って、同時分離併用方式に近い混送流を作り出すとともに、管路の真空度の状態に応じて吸気量が調整されるため、予め設定されるコントロール方式と異なり、管路の刻々と変化する真空度の状態に応じて、必要にして充分な空気量を管路に供給するものとなる。
【0016】
上記▲1▼〜▲4▼により、真空式下水道システムの供用管路にて、真空作動弁の開閉などに伴い生じた真空圧低下に対し無電源にて自動的に吸気し、また刻々と変化する管路の状況に応じて必要とする空気量を自動的に吸引することによって、全体のシステム気液比を安定する作用がある。
【0017】
▲5▼然るに、吸気弁は真空度の低いときに開くものであるため、真空式下水道システムの停電やウォーターブロック以外の原因で真空度が低下した場合にも、吸気弁は開き状態になる。これは真空下水管に空気を過剰導入することになり、真空式下水道システムに多数の吸気弁を設置したときには、真空式下水道システムのシステムダウンの加速等、好ましくない状況を招く虞れがある。そこで、本発明では、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに、吸気弁が設けられている空気導入管の開閉制御弁を強制的に閉じ、過剰な吸気の継続を停止し、真空式下水道システムの安定を図ることができる。
【0018】
請求項2の本発明によれば、上記▲1▼〜▲4▼に加え、下記▲6▼の作用がある。
▲6▼真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに、吸気弁に設けてある開閉制御部により吸気弁を強制的に閉じ、過剰な吸気の継続を停止し、真空式下水道システムの安定を図ることができる。
【0019】
請求項3の本発明によれば下記▲7▼の作用がある。
▲7▼制御装置は、真空下水管が連通する真空源に設置した圧力センサにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したことを監視し、空気導入管に設けてある開閉制御弁や吸気弁の開閉制御部を遠隔操作する。従って、真空下水管とともに地下埋設ケーブルを敷設し、ビットネット等の地中伝送方式によって真空弁の作動状況や真空弁ユニットの水位情報を真空ステーションや管理部署にて監視でき、また、真空ステーションにおける真空ポンプ、圧送ポンプ等の制御も可能な真空式下水道システムで、真空弁ユニットの空気吸引状態を遠隔管理できる。
【0020】
請求項4の本発明によれば下記▲8▼の作用がある。
▲8▼制御装置は、吸気弁の開き継続時間を計時することにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したことを監視し、空気導入管に設けてある開閉制御弁や吸気弁の開閉制御部を吸気弁の設置場所の近傍で操作できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は真空弁ユニットを示す模式断面図、図2は第1実施形態の吸気弁の閉じ状態を示す断面図、図3は第1実施形態の吸気弁の開き状態を示す断面図、図4は第1実施形態の真空式下水道システムを示す配管図、図5は第2実施形態の真空式下水道システムを示す配管図、図6は第3実施形態の真空式下水道システムを示す配管図、図7は第3実施形態の吸気弁を示す断面図、図8は第4実施形態の真空式下水道システムを示す配管図である。
【0022】
(第1実施形態)(図1〜図4)
真空式下水道では通常、図1に示す如く、真空作動弁1を内包するコンクリート製又は樹脂製の真空弁ユニット2があり、家庭などから汚水流入管3Aを介して流入する汚水は、先ずこのユニット内の汚水貯まり4に流入し、一定水量に達すると真空作動弁が開き、吸い込み管3より真空下水管100に汚水が吸引される。本発明では、真空作動弁の吸い込み管より空気を吸入する必要は必ずしも無い。即ち本発明では、真空作動弁の流出側より別途空気を吸引可能とする。例として、真空作動弁1の流出側の仕切弁5よりホース6により分岐配管し、このホース6をユニットに固定された吸気弁8に接続する。吸気弁の吸入口にはホース7により、ユニット外部に設置された空気取り入れ管9が接続され、吸気時には常に外気を取り入れることが可能となっている。ホース6、7は空気導入管を構成する。このように、吸気弁自体の気密性が充分な場合、こうした配管によって、真空ダウンが長時間継続したときにおいて、真空弁ユニット内部が汚水により水没しても、真空度の復帰に併せて吸気弁より吸気が可能となるものとなる。
【0023】
図2は図1の状態でシステムを供用し、吸気弁8に管路の真空圧が付与されている状態の内部を簡単に示したものである。ホース6側の負圧は吸気弁のダイヤフラム10にかかる。スプリング台座12はダイヤフラムと連動して稼働するように固定され、更にダイヤフラムの下部は弁座ゴム11Aを持つ弁体11が連動して稼働するように固定されている。スプリング台座の内部にはスプリング14とスプリングを受けるスプリングプレート15、16があり、C型止め輪13等で抜け止めをする。スプリングプレート15は圧力調整用スピンドル17と連動し、スピンドルを上げるとプレート15が図では上昇し、スプリングを縮める方向に力Fが発生することとなる。この力は止め輪を経由して台座12に付与され、即ち弁体に開き方向の力として付与されることとなる。図2では弁体は弁座18に気密に密着して閉じているが、ダイヤフラムに付与される圧力P1 によって生じる力がFよりも大きければ、このように弁が閉止状態を維持できる。
【0024】
図3では吸気弁が開いた状況を示している。図2のように閉止状態を維持している場合も、実使用状態ではスピンドルの調整によって、設置ユニットに必要な真空度を設定している。例えば通常-4.5mAq の状態で稼働することが好ましいユニットにおいて、吸気弁の設定を-3mAq とする、等である。即ちこの例でいけば、真空下水管100が少しブロックし、吸気弁に付与される真空圧P2 が-3mAq を下回ると、スプリングの付与する力F2 が勝って、吸気弁は開状態となる。吸気弁が開くと、更に吸気による圧力上昇(真空圧低下)により、吸気弁は更に開く方向に力を受けることとなる。図3では「F2 >P2 」となった状態にて開状態を作り出すことを表わしている。吸気を開始し、真空圧低下をもたらしたウォーターブロックを解除すれば、ブロックの下流側の高い真空圧が吸気弁に到達する(ブロックでリフトにて圧損が発生していたため、ブロックが無くなると、圧損も無くなる)ため、P2 が増大し吸気弁は閉止する。勿論、F2 の値は任意に設定できるが、定常状態の真空圧よりも随分低めの設定とした場合には、吸気弁開放によるトラップブローの時間と復帰真空度の到達が遅くなるため、設定圧の調整はあまり大きな圧力差をとらない方が望ましい。但し、管路末端部においてリフトの少ない長い管路に封水した場合など、連続流入により真空度がほとんど無くなった場合でも、吸気弁は真空圧低下にて全開する。従って、真空作動弁が真空度低下で開作動しなくても吸気可能な状態が継続するため、管路の状態の回復に応じて徐々に空気を吸引し、徐々に封水を解除していく。
【0025】
このように、本吸気弁は、従来の時間設定による吸気と完全に異なり、時間による吸気ではなく、吸気による真空度が回復することによって閉止作動を行なうことが最大のポイントとなる。また、このようにブロック状態を作り出して吸気させることを特徴とするため、真空作動弁の作動には真空蓄圧のアキュームレーターを取付けることにより、より安定した作動が確保される。
【0026】
そして、真空式下水道では、図4に示す如く、空気導入管を構成するホース6(又は7)に開閉制御弁101を設け、この開閉制御弁101の電動モータ等の開閉制御部102を開閉制御可能とする制御装置103を真空ステーション104の側に配置している。制御装置103と開閉制御部102とは、真空下水管100に沿う地中埋設の通信ケーブル105により接続されている。真空ステーション104では、真空ポンプ106により真空にされる真空タンク107を備え、真空下水管100を真空タンク107に接続し、真空下水管100が搬送してくる汚水を真空タンク107に集め、集めた汚水を圧送ポンプ108により下水処理場等に圧送する。真空ステーション104に配置されている制御装置103は、真空タンク107に接続された圧力センサ109をモニタし、真空タンク107の真空度の低下が一定時間以上継続したときに異常警報を発し、真空下水管100における真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、開閉制御弁101を閉止制御する信号を通信ケーブル105から開閉制御部102に送り、開閉制御弁101を閉じ制御する。これにより、真空下水管100のウォーターブロック以外の要因による真空度低下時に、吸気弁8が開放継続することを回避できる。また、真空タンク107の真空度が回復した場合には、制御装置103は開閉制御弁101を原点復帰させる信号を開閉制御部102に送り、開閉制御弁101を原点復帰させる。
【0027】
開閉制御部102のモータ等の作動電源はバッテリを用いるものが一般的であるが、通信ケーブル105と同様に送電ケーブルを用いて真空ステーション104から配電することもできる。但し、真空度の監視時には電力がいらず、開閉制御弁101の開閉時のみ電力を用いるものであり、バッテリ交換頻度は少なくて足りる。
【0028】
(第2実施形態)(図5)
図5の第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空弁ユニット2の吸気弁8の設置場所の近傍に、開閉制御弁101の開閉制御部102のための制御装置111を設けたことにある。このとき、制御装置111は、吸気弁8に設けた開弁検出器等により吸気弁8の開き継続時間を計時することにより、開き継続時間が一定時間を越えたとき、真空下水管100の真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、開閉制御部102により開閉制御弁101を閉じ制御する。
【0029】
尚、制御装置111は、吸気弁8の近傍のホース6、真空下水管100に接続した圧力センサをモニタし、ホース6、真空下水管100の真空度の低下が一定時間以上継続したときに真空下水管100の真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、開閉制御部102により開閉制御弁101を閉じ制御するものであっても良い。
【0030】
(第3実施形態)(図6、図7)
図6、図7の第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空弁ユニット2の吸気弁8に電動モータ等の開閉制御部121を設け、真空ステーション104の側の制御装置103により開閉制御部121を制御するようにしている。具体的には、開閉制御部121は吸気弁8の圧力調整用スピンドル17を押動して吸気弁8を閉じ制御するものである。即ち、制御装置103は、真空タンク107に接続された圧力センサ109をモニタし、真空タンク107の真空度の低下が一定時間以上継続したときに異常警報を発し、真空下水管100における真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、吸気弁8を閉じ制御する信号を通信ケーブル105から開閉制御部121に送り、吸気弁8を閉じ制御する。これにより、真空下水管100のウォーターブロック以外の原因による真空度低下時に、吸気弁8が開放継続することを回避できる。
【0031】
尚、第3実施形態にあっては、真空タンク107の真空度が回復した場合には、制御装置103は吸気弁8を原点復帰させる信号を開閉制御部121に送り、吸気弁8を原点復帰させる。このとき、開閉制御部121は吸気弁8の圧力調整スピンドル17を押動して吸気弁8を閉じ制御するものであり、開閉制御部121による押動前のスピンドル17は吸気弁8の開弁圧を設定しているものであったから、開閉制御部121による吸気弁8の原点復帰に際してはスピンドル17を必ず吸気弁8の閉じ制御前の状態に復元させる必要がある。
【0032】
(第4実施形態)(図8)
図8の第4実施形態が第3実施形態と異なる点は、真空弁ユニット2の吸気弁8の設置場所の近傍に、吸気弁8の開閉制御部121のための制御装置131を設けたことにある。このとき、制御装置131は、吸気弁8に設けた開弁検出器等により吸気弁8の開き継続時間を計時することにより、開き継続時間が一定時間を越えたとき、真空下水管100の真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、開閉制御部121により吸気弁8を閉じ制御する。
【0033】
尚、制御装置131は、吸気弁8の近傍のホース6、真空下水管100に接続した圧力センサをモニタし、ホース6、真空下水管100の真空度の低下が一定時間以上継続したときに、真空下水管100の真空度の異常低下が一定時間以上継続したものと判定し、開閉制御部121により吸気弁8を閉じ制御するものであっても良い。
【0034】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0035】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、真空弁ユニットにおける空気吸引において、システム全体の汚水搬送効率を優先させ、管路に必要且つ充分な空気を供給し、管路に形成されるウォーターブロックを自動解除し、真空式下水道システムの安定を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は真空弁ユニットを示す模式断面図である。
【図2】図2は第1実施形態の吸気弁の閉じ状態を示す断面図である。
【図3】図3は第1実施形態の吸気弁の開き状態を示す断面図である。
【図4】図4は第1実施形態の真空式下水道システムを示す配管図である。
【図5】図5は第2実施形態の真空式下水道システムを示す配管図である。
【図6】図6は第3実施形態の真空式下水道システムを示す配管図である。
【図7】図7は第3実施形態の吸気弁を示す断面図である。
【図8】図8は第4実施形態の真空式下水道システムを示す配管図である。
【符号の説明】
1 真空作動弁
3 吸い込み管
4 汚水貯まり
6、7 ホース(空気導入管)
8 吸気弁
100 真空下水管
101 開閉制御弁
103、111、131 制御装置
121 開閉制御部

Claims (4)

  1. 真空ステーションに設けた真空ポンプが生成する真空圧が付与される真空下水管と、真空下水管に真空作動弁を介して接続される汚水吸い込み管と、汚水吸い込み管が浸漬される汚水貯まりとを有し、汚水貯まりに一定量の汚水が貯留されると真空作動弁を開き、汚水を真空下水管に吸引させる真空式下水道の自動管理式吸気装置において、
    真空下水管における真空作動弁の接続部位より下流側に、吸気弁を介して空気導入管を接続し、
    この吸気弁を真空下水管の一定以上の負圧により閉じるように設定してなるとともに、
    前記空気導入管に開閉制御弁を設けるか、又は前記吸気弁に開閉制御部を設け
    真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに前記開閉制御弁、又は前記開閉制御部を閉止制御可能とする制御装置を、真空下水管に沿って地中埋設されている通信ケーブルを介して真空ステーションに接続してなる
    ことを特徴とする真空式下水道の自動管理式吸気装置。
  2. 真空ステーションに設けた真空ポンプが生成する真空圧が付与される真空下水管と、真空下水管に真空作動弁を介して接続される汚水吸い込み管と、汚水吸い込み管が浸漬される汚水貯まりとを有し、汚水貯まりに一定量の汚水が貯留されると真空作動弁を開き、汚水を真空下水管に吸引させる真空式下水道の自動管理式吸気装置において、
    真空下水管における真空作動弁の接続部位より下流側に、吸気弁を介して空気導入管を接続し、
    この吸気弁を真空下水管の一定以上の負圧により閉じるように設定してなるとともに、
    前記空気導入管に開閉制御弁を設けるか、又は前記吸気弁に開閉制御部を設け、
    真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したときに前記開閉制御弁、又は前記開閉制御部により吸気弁を閉止制御可能とする制御装置を真空弁ユニット近傍に有してなる
    ことを特徴とする真空式下水道の自動管理式吸気装置。
  3. 前記制御装置が、真空下水管が連通する真空源に設置した圧力センサにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したか否かを判定する
    請求項記載の真空式下水道の自動管理式吸気装置。
  4. 前記制御装置が、吸気弁の開き継続時間を計時することにより、真空下水管の真空度の異常低下が一定時間以上継続したか否かを判定する
    請求項記載の真空式下水道の自動管理式吸気装置。
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