JP4101403B2 - ウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスにおける、半導体ウェーハ表面を研磨する装置に用いられるウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造装置の高集積化に伴うパターンの微細化が進んでおり、特に多層構造の微細なパターンの形成が容易かつ確実に行われるために、製造工程中における半導体ウェーハの表面を極力平坦化させることが重要となってきている。その場合、表面の膜を研磨するために平坦化の度合いが高い化学機械的研磨法(CMP法)が脚光を浴びている。
【0003】
CMP法とは、砥粒剤としてSiO2 を用いたアルカリ溶液やSeO2 を用いた中性溶液、或いはAl2O3を用いた酸性溶液等を用いて化学的・機械的にウェーハ表面を研磨し、平坦化する方法であるが、この方法に用いられるウェーハ研磨装置として、例えば図9に示されるものがある。
【0004】
図9において、ウェーハ研磨装置100は、研磨すべきウェーハWを保持したウェーハ保持ヘッド101と、円盤状に形成されたプラテン103上面に全面にわたって貼付された研磨パッド102とを備えている。このうちウェーハ保持ヘッド101は、ヘッド駆動機構であるカルーセル104下部に複数取り付けられたものであり、スピンドル111によって回転可能に支持され、研磨パッド102上で遊星回転されるようになっている。なおこの場合、プラテン103の中心位置とウェーハ保持ヘッド101の公転中心とを偏芯させて設置することも可能である。
【0005】
プラテン103は、基台105の中央に水平に配置されており、この基台105内に設けられたプラテン駆動機構106により軸線まわりに回転されるようになっている。基台105の側方には支柱107が設けられているとともに、支柱107の間には、カルーセル駆動機構110を支持する上側取付板109が配置されている。カルーセル駆動機構110は、下方に設けられたカルーセル104を軸線まわりに回転させる機能を有している。
【0006】
基台105からは、突き合わせ部112が上方に突出するように配置されており、突き合わせ部112の上端には、間隔調整機構113が設けられている。一方、突き合わせ部112の上方には、係止部114が対向配置されている。この係止部114は、上側取付板109に固定されるとともに、上側取付板109から下方に突出する構成となっている。そして、この間隔調整機構113を調節し、突き合わせ部112と係止部114とを当接させることにより、ウェーハ保持ヘッド101と研磨パッド102との距離寸法を適切なものとしている。そして、ウェーハ保持ヘッド101に保持されたウェーハWと研磨パッド102表面とを当接させるとともに、カルーセル104とプラテン103とを回転させることによってウェーハWは研磨される。
【0007】
このようなウェーハ研磨装置100を用いて研磨を行う場合、ウェーハWの研磨面が所望の状態に達したかどうかの判断(研磨終点検出)は、例えばプラテン駆動機構106の回転動力の変動を観測することによって行っていた。つまりウェーハWの研磨が不十分のときは、研磨パッド102とウェーハWとの間に生じる摩擦力は安定せずに変動した状態となり、一方、ウェーハWが所望の研磨面に研磨されたときは、前記摩擦力は安定したものとなる。このときプラテン103は一定速度で回転するようになっているため、例えば研磨抵抗が大きいときは、プラテン駆動機構106の回転動力は大きくなり、一方、研磨抵抗が小さいときは、回転動力は小さくなる。そして、プラテン駆動機構106の回転動力の変動を観測し、この観測値が安定したら、ウェーハWの研磨面は所望の状態に達したと判断される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このとき、ウェーハWを研磨することにより研磨パッド102は劣化する。劣化した研磨パッド102にはドレッシングが施されるが、ウェーハ研磨中においていつドレッシングを行うかどうかの判別は困難であるため、実際にドレッシングを行うタイミングは、ウェーハWの研磨時間の長短に限らず所定間隔(例えば1セットのウェーハWの研磨毎に)で行われていた。そのため研磨パッド102が劣化していない状態においてもドレッシングを行うためにウェーハ研磨を一旦停止しなければならないため、作業効率が悪かった。
【0009】
また、従来のようにプラテン駆動機構106の回転動力の変動を観測する方法では、もともと研磨抵抗の小さい材質からなるウェーハWの研磨終点検出を行う場合、正確な研磨終点検出を行うことが困難であった。すなわち、プラテン103はウェーハWと研磨パッド102とが当接していない状態でも空転されている状態が多いが、ウェーハWがもともと研磨抵抗の小さい材質からなる場合、ウェーハWの研磨途中状態と完了状態とにおいてプラテン駆動機構106の回転動力変動が小さいため、プラテン103の空転動力成分と紛れてしまって正確なウェーハWの研磨終点検出を行うことは困難であった。
また、研磨パッド102の劣化に伴ってウェーハWに作用する研磨抵抗は徐々に大きくなる場合があるが、このとき、例えばウェーハW表面のある一層(例えば酸化膜層)の凹凸が除去された状態を研磨終点とする場合など研磨途中状態と完了状態との研磨抵抗の変化が小さい場合には、研磨パッド102の劣化に起因する研磨抵抗の変化分に紛れてしまって、プラテン駆動機構106の回転動力の変動から正確な研磨終点を検出することは困難であった。
さらに、複数設置されたウェーハ保持ヘッド101について個々のウェーハ保持ヘッド101に対する研磨終点検出はできず、ウェーハWには過研磨、あるいは研磨不足であるものが生じたり、過研磨品と研磨不足品とが混在してしまうといった問題が生じた。
【0010】
一方、研磨終点検出としてそれぞれのウェーハ保持ヘッド101の回転動力を検出する方法も考えられるが、応答性が悪く、ウェーハWに作用する力を正確に検出することができなかった。また、このとき検出される力は、ウェーハWに作用する摩擦力以外に、ウェーハ保持ヘッド101のウェーハWを保持した以外の部分と研磨パッド102との当接部分に作用する摩擦力も含んでおり、研磨パッド102が劣化して摩擦力が変化した場合などにおいては正確な研磨終点検出を行うことができなかった。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、研磨パッドの劣化状態を容易に把握することができるとともに、ウェーハの研磨状態や研磨が完了した状態を安定して検出することができるウェーハ研磨装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のウェーハ研磨装置は、表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、研磨すべきウェーハを保持して前記研磨パッドにウェーハの一面を当接させるウェーハ保持ヘッドとを具備し、このウェーハ保持ヘッドと前記プラテンとをそれぞれ回転させることにより前記研磨パッドで前記ウェーハを研磨するウェーハ研磨装置であって、前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内にヘッド軸線に対し垂直に張られたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムと前記ヘッド本体との間に形成される流体室に満たされた流体圧力を調整する圧力調整機構と、前記ダイヤフラムに固定されこのダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨すべきウェーハの一面を保持するためのキャリアと、前記周壁部の内壁と前記キャリアの外周との間に同心状に配置されるとともに、前記ダイヤフラムに固定され前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨時には研磨パッドに当接するリテーナリングと、前記ヘッド本体とリテーナリングとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記リテーナリングに伝達するためのリングトルク伝達機構と、前記それぞれのリングトルク伝達機構に設けられ、前記リテーナリングに作用する回転方向の力を観測するための複数のリングセンサ部と、前記それぞれのリングセンサ部に連結され、これらリングセンサ部からの出力に基づき前記リテーナリングに作用する力を算出する演算部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、リテーナリングの上面に設けられたリングトルク伝達機構にセンサ部を設け、研磨パッドに当接するリテーナリングに作用する力を直接的に検出できるので研磨パッドの劣化を安定して検出することができる。さらに、ウェーハ研磨を行いつつ研磨パッドの表面状態を検知することができるので作業効率は向上する。また、弾性体であるダイヤフラムを備えた構成においても、リングトルク伝達機構によってヘッド本体のトルクはリテーナリングに正確に伝達されるとともに、ダイヤフラムは過剰な回転方向の力を作用されないようになるため、ダイヤフラムの劣化は防止される。
【0014】
また、前記ヘッド本体とキャリアとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記キャリアに伝達するためのキャリアトルク伝達機構と、前記それぞれのキャリアトルク伝達機構に設けられ、前記キャリアに作用する回転方向の力を観測するための複数のキャリアセンサ部とを設けるとともに、前記演算部を前記それぞれのキャリアセンサ部に連結し、前記リングセンサ部からの出力と前記キャリアセンサ部からの出力とに基づいて前記ウェーハに作用する力を算出するようにしたことによって、ウェーハの研磨終点検出を正確に行うことができる。すなわち、研磨パッドの劣化による研磨抵抗の変化をリングセンサ部によって検出し、この値に基づいてウェーハに作用する力を直接的に検出しているキャリアセンサ部の値を補正することにより、ウェーハに作用する力を正確に検出することができる。
【0015】
本発明のウェーハ製造方法は、表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、研磨すべきウェーハを保持して前記研磨パッドにウェーハの一面を当接させるウェーハ保持ヘッドとを具備し、このウェーハ保持ヘッドと前記プラテンとをそれぞれ回転運動させることにより前記研磨パッドで前記ウェーハを研磨する研磨工程を含んだウェーハ製造方法であって、前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内にヘッド軸線に対し垂直に張られたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムと前記ヘッド本体との間に形成される流体室に満たされた流体圧力を調整する圧力調整機構と、前記ダイヤフラムに固定されこのダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨すべきウェーハの一面を保持するためのキャリアと、前記周壁部の内壁と前記キャリアの外周との間に同心状に配置されるとともに、前記ダイヤフラムに固定され前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨時には研磨パッドに当接するリテーナリングと、前記ヘッド本体とキャリアとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記キャリアに伝達するためのキャリアトルク伝達機構と、前記ヘッド本体とリテーナリングとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記リテーナリングに伝達するためのリングトルク伝達機構と、前記それぞれのキャリアトルク伝達機構に設けられ、前記キャリアに作用する回転方向の力を観測するための複数のキャリアセンサ部と、前記それぞれのリングトルク伝達機構に設けられ、前記リテーナリングに作用する回転方向の力を観測するための複数のリングセンサ部とを備えており、前記リングセンサ部の検出信号に基づいて前記キャリアセンサ部の検出信号を補正し、得られた補正値に基づいて前記ウェーハに作用する力を検出しつつ研磨を行うことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、リテーナリングに作用する力を検出することによって研磨パッドの劣化に起因する研磨抵抗の変化分を検出するとともに、キャリアに保持されたウェーハに作用する力を検出し、ウェーハに作用する力を研磨パッドの劣化に起因する研磨抵抗の変化分に基づいて補正することによって、正確な研磨状況の把握や研磨終点検出を行うことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態によるウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法を図面を参照して説明する。図1は本発明のウェーハ研磨装置の一実施形態のうちウェーハ保持ヘッド1を示す断面図である。
なおこのウェーハ保持ヘッド1は、例えば図9に示したカルーセル104に設置されるものである。
【0018】
図1において、ウェーハ保持ヘッド1は、天板部3及び筒状に形成された周壁部4からなるヘッド本体2と、ヘッド本体2の内部に張られた弾性体からなるダイヤフラム5と、ダイヤフラム5の下面に固定された円盤状のキャリア6と、周壁部4の内壁とキャリア6の外周面に同心状に設けられた円環状のリテーナリング7とを備えている。これらキャリア6及びリテーナリング7は、ダイヤフラム5の弾性変形によって軸線方向に移動可能となったフローティング構造となっている。
【0019】
ヘッド本体2は、円板状の天板部3と天板部3の外周下方に固定された筒状の周壁部4とから構成され、ヘッド本体2の下端部は開口されて中空になっている。天板部3は、カルーセルに連結されるための連結部であるシャフト部9に同軸に固定されており、シャフト部9には流路15が鉛直方向に形成されている。このシャフト部9の外周面にはおねじ部8が形成されている。また、周壁部4の下部には全周にわたって段部4a及び半径方向内方に突出された円環状の係止部10が形成されている。
【0020】
繊維補強ゴムなどの弾性材料からなるダイヤフラム5は円環状または円板状に形成されており、ダイヤフラム固定リング11によって周壁部4の内壁に形成された段部4a上に固定されている。
【0021】
ダイヤフラム5上方には流体室14が形成されており、シャフト部9に形成された流路15と連通されている。そして、流体室14内部に、圧力調整機構30から流路15を通して、空気をはじめとする流体が供給されることによって、流体室14内部の圧力は調整される。
【0022】
セラミック等の高剛性材料からなるキャリア6は円盤状に一定の厚さで形成されており、ダイヤフラム5の上面に設けられたキャリア固定リング12によって固定されている。キャリア固定リング12の上部には円環状に段部12aが形成されており、天板部3から鉛直方向に挿通されたナット19、スぺーサー19aによって固定されているストッパーボルト18の下端に形成された段部18aと係合されるようになっている。そして、ウェーハ保持ヘッド1が、例えば昇降機構118によって上昇し、キャリア6などの自重及び流体室14内部の圧力によってダイヤフラム5が下方にたわんでも、段部12aと段部18aとが係合することにより、ダイヤフラム5に過剰な力を作用させないようになっている。
【0023】
リテーナリング7は、周壁部4の内壁とキャリア6の外周面との間に円環状に形成されており、周壁部4の内壁との間及びキャリア6の外周面との間に僅かな隙間を空けて、周壁部4及びキャリア6と同心状に配置されている。また、リテーナリング7は、上端面及び下端面が水平に形成されており、ダイヤフラム5の上面に設けられたリテーナリング固定リング13によって固定されている。リテーナリング7の外周面には段部7aが形成されており、ウェーハ保持ヘッド1が昇降機構118によって上昇した際、リテーナリング7の自重及び流体室14内部の圧力によってダイヤフラム5が局所的にたわんでも、段部7aと係止部10とが係合することによってリテーナリング7の下方向への過剰な移動を抑え、ダイヤフラム5に局所的に過剰な力を作用させないようになっている。
【0024】
このリテーナリング7上面にはリングトルク伝達機構20が複数設けられている。リングトルク伝達機構20は、図1、図2に示すように、天板部3の下面から円周方向に沿って下方に延びるように形成された板状の第1部材20aと、この第1部材20aにそれぞれ対応するようにリテーナリング7の上面にダイヤフラム5を介して設けられた断面U字状の第2部材20bとを備えている。第1部材20aと第2部材20bとはその平面状部分を円周方向に向けて配置されているとともに、第1部材20aの先端は第2部材20bのU字状内部に配置されている。
【0025】
また、第1部材20aの先端と第2部材20bのU字状内部とは間隔を有しており、リテーナリング7の軸線方向への移動を妨げないようになっている。すなわち第2部材20bは、リテーナリング7とともに第1部材20aに対して軸線方向に変動可能に設けられている。
【0026】
このリングトルク伝達機構20は、ウェーハW研磨時においてヘッド本体2が回転されたとき、ヘッド本体2のトルクをリテーナリング7に伝達するためのものである。すなわち、ウェーハWの研磨時においてヘッド本体2が図2中、矢印A方向に回転された場合、ダイヤフラム5に支持されたリテーナリング7は、自身の下面と研磨パッド102との摩擦力によって矢印B側にねじられながら矢印A方向に回転させられる。このとき、第1部材20aの一側と第2部材20bのU字状内部とが当接することによって、ダイヤフラム5に作用するねじれ方向の力を低減させつつヘッド本体2のトルクをリテーナリング7に伝達させる。このとき、第1部材20aと第2部材20bとは軸線方向に互いに摺動可能となっており、リテーナリング7のフローティング効果を妨げないようになっている。
【0027】
第1部材20aの側面一部にはリングセンサ部21が設置されている。このリングセンサ部21は、回転方向に向けられた第2部材20bの平面状部分に平行に設けられているとともに、ウェーハ保持ヘッド1が回転した際、第2部材20b内部に押圧される側に設けられている。
【0028】
すなわちリングトルク伝達機構20は、ウェーハ保持ヘッド1が回転されていない場合において、リテーナリング7の軸線方向への揺動を妨げないようにリングセンサ部21の表面と第2部材20b内部とをわずかに離間させた状態としている。そして、ウェーハ保持ヘッド1が回転された際、リングセンサ部21を設置させた第1部材20aの一側面と、第2部材20b内部の面とが押圧される側に、リングセンサ部21を設けさせている。
【0029】
このリングセンサ部21には、例えば圧電素子や歪みゲージなどの圧力センサが用いられており、ウェーハ保持ヘッド1の回転によって生じる第1部材20aと第2部材20bとの押圧力を検出可能とさせている。すなわち、ウェーハWの研磨時において、研磨パッド102との摩擦によってリテーナリング7の下面に作用する回転方向の力は、リングセンサ部21により直接的に検出されるようになっている。
【0030】
一方、キャリア6上面には、ウェーハW研磨時においてヘッド本体2が回転されたとき、ヘッド本体2のトルクをキャリア6に伝達するためのキャリアトルク伝達機構40が複数設けられている。キャリアトルク伝達機構40は、リングトルク伝達機構20と同様の構成となっており、天板部3の下面から円周方向に沿って下方に延びるように形成された板状の第1部材40aと、この第1部材40aにそれぞれ対応するようにキャリア6の上面に設けられた断面U字状の第2部材40bとを備えている。また、第1部材40aは回転方向に向けられた第2部材40bの平面状部分に平行に設けられており、この第1部材40aの側面一部の、ウェーハ保持ヘッド1が回転した際に第2部材40b内部に押圧される側にはキャリアセンサ部41が設けられている。
【0031】
第1部材40aの先端と第2部材40bのU字状内部とが間隔を有して配置されることによって、キャリア6の軸線方向への移動は妨げられないようになっている。また、キャリアセンサ部41はウェーハ保持ヘッド1が回転された際、第1部材40aの一側面と第2部材40b内部の面とが押圧される側に設けられている。
【0032】
このキャリアセンサ部41には、リングセンサ部21同様に、例えば圧電素子や歪みゲージなどの圧力センサが用いられており、ウェーハ保持ヘッド1の回転によって生じる第1部材40aと第2部材40bとの押圧力を検出可能とさせている。すなわち、ウェーハWの研磨時において、ウェーハWに作用する回転方向の力は、キャリアセンサ部41によりキャリア6を介して直接的に検出されるようになっている。
【0033】
なお、ウェーハ保持ヘッド1が回転されていない場合において、リングセンサ部21の表面と第2部材20b内部とは、リテーナリング7の軸線方向への揺動を妨げない程度にわずかに当接された状態としてもよい。また、リングセンサ部21は、ウェーハ保持ヘッド1を回転させた際、押圧される部分に設置させればよく、例えば第2部材20b側の平面部分に設けさせてもよい。さらに、第1部材20aが断面U字状に形成されるとともに第2部材20bが板状に形成されてもよいし、第1、第2部材20a、20bがそれぞれ板状に形成されてもよい。キャリアトルク伝達機構40及びキャリアセンサ部41も同様である。
【0034】
このリングセンサ部21を備えたリングトルク伝達機構20は、図3に示すように、ウェーハ保持ヘッド1のリテーナリング7上面において円周方向に複数箇所に設けられたものであり、回転軸中心から半径方向に同じ距離の位置に4箇所設けられている。同様に、キャリアセンサ部41を備えたキャリアトルク伝達機構40もキャリア6上面において円周方向に複数箇所に設けられたものであり、回転軸中心から半径方向に同じ距離の位置に例えば4箇所設けられている。
【0035】
それぞれのリングセンサ部21は、スピンドルと連結されるシャフト部9に挿通されたハーネス31aによって演算部31と接続されている。これら各リングセンサ部21からの出力信号は、それぞれに連結されたハーネス31aによって演算部31に送られ、演算部31は、それぞれのリングセンサ部21からの出力信号を受け取って、リテーナリング7下面と研磨パッド102との間に作用される力を出力するようになっている。同様に、キャリアセンサ部41からの出力信号もハーネス31bによって演算部31に送られ、演算部31はそれぞれのキャリアセンサ部41からの出力信号を受け取ってウェーハWに作用する力を出力するようになっている。
【0036】
このように構成されたウェーハ保持ヘッド1は、おねじ部8をカルーセルに螺着することによって連結される。このウェーハ保持ヘッド1を用いてウェーハWの研磨を行う場合、まずウェーハWは、キャリア6の下面に設けられたウェーハ付着シート6aに付着される。そして、ウェーハWはリテーナリング7によって周囲を係止されつつ、その表面をプラテン103上面に貼付された研磨パッド102に当接させられる。なお、研磨パッド102の材質には、従来よりウェーハの研磨に使用されていたものであればいずれでも良く、例えばポリエステル等からなる不織布にポリウレタン樹脂等の軟質樹脂を含浸させたベロアタイプパッド、ポリエステル等の不織布を基材としてその上に発泡ポリウレタン等からなる発泡樹脂層を形成したスエードタイプパッド、或いは独立発泡させたポリウレタン等からなる発泡樹脂シートが使用される。
【0037】
次に、圧力調整機構30から空気などの流体を流路15に供給させる。供給された流体は流体室14に流入される。流入された流体は、流体室14内の圧力を調節し、キャリア6及びリテーナリング7の研磨パッド102への押圧圧力を調節する。キャリア6及びリテーナリング7はダイヤフラム5に支持された、それぞれ独立して上下方向に変位可能なフローティング構造となっており、流体室14内部の圧力によって研磨パッド102への押圧圧力が調節可能となっている。
【0038】
そして、キャリア6及びリテーナリング7の研磨パッド102への押圧力を調節しつつプラテン103を回転させるとともに、ウェーハ保持ヘッド1を遊星回転させ、これと同時に、図示しない研磨剤供給手段から研磨剤を研磨パッド102表面やウェーハWの研磨面に供給させることによりウェーハWは研磨される。
【0039】
研磨されるウェーハW及びリテーナリング7下面と研磨パッド102との間に作用する力によって、ウェーハWを保持したキャリア6及びリテーナリング7はヘッド本体2に対してねじられる。このとき、リングトルク伝達機構20及びキャリアトルク伝達機構40に設けられたリングセンサ部21及びキャリアセンサ部41は各第2部材20b、40b内部の平面部分に押圧されるとともにこの押圧力に応じた信号を出力する。すなわち、リングセンサ部21はリテーナリング7下面と研磨パッド102との間に作用する力に応じた出力信号を、キャリアセンサ部41はウェーハWと研磨パッド102との間に作用する力に応じた出力信号をそれぞれ独立して演算部31に送る。そして演算部31は、複数設けられたそれぞれのリングセンサ部21及びキャリアセンサ部41からの出力信号に基づいてリテーナリング7及びウェーハWに作用する力を独立して算出する。
【0040】
例えばリテーナリング7には、図4に示すように、研磨パッド102上で自転することによってウェーハ保持ヘッド1の回転方向に生ずる回転力Tと、研磨パッド102の回転によって研磨パッド102の回転方向に生ずる研磨力Fとが作用される。そして演算部31は、これら回転力Tと研磨力Fとを算出するようになっている。
【0041】
この回転力Tはウェーハ保持ヘッド1の自転によって生ずるものであってリテーナリング7の回転方向に作用し、内径側位置と外径側位置とで異なるものである。一方、研磨力Fは研磨パッド102の回転によって生ずるものであって、リテーナリング7の下面全体に研磨パッド102の回転方向に一様に作用するものである。
【0042】
この研磨力Fはリテーナリング7と研磨パッド102との当接面全体に作用するものであって、図4のように、例えばリテーナリング7の中心位置に作用される合力とすることができる。このとき、リテーナリング7の外周部分のうち、自転するリテーナリング7の接線方向と研磨パッド102の回転方向とが一致する位置aにおいては、研磨パッド102の回転によってリテーナリング7に作用する力はF/2である。また、リテーナリング7の回転方向には回転力Tが作用されている。そして、リテーナリング7の円周方向に沿って設けられた4つのリングセンサ部21は、それぞれ感度方向をウェーハ保持ヘッド1の回転方向に向けて設置されているので、このうち位置aに移動されたリングセンサ部21に作用する力Faは、
Fa=F/2+T (1)
である。
同様に、研磨パッド102の内周側の位置bに移動されたリングセンサ部21に作用する力Fbは、
Fb=F/2−T (2)
である。よって、(1)、(2)式より、
Fa+Fb=F (3)
となり、研磨力Fを求めることができる。
【0043】
また、研磨パッド102の回転方向の位置であって位置a、bと直角位置の関係である位置cに移動されたリングセンサ部21はその感度方向をウェーハ保持ヘッド1の回転方向に向けて設置されているためウェーハ保持ヘッド1の自転により生じる回転力Tのみを検出するようになっている。すなわち、位置cにおいてリングセンサ部21の感度方向と研磨パッド102の回転方向とは垂直関係にあるため、リングセンサ部21はウェーハ保持ヘッド1と研磨パッド102との相対運動によって生じる研磨力Fを検出しない。したがって位置cに移動されたリングセンサ部21に作用する力Fcは、
Fc=T (4)
である。同様に、位置dに移動されたリングセンサ部21に作用する力Fdは、
Fd=T (5)
である。
よって、(3)式、(4)式(或いは(5)式)より、リテーナリング7に作用する回転力Tと研磨力Fとを導き出すことができる。
なお、カルーセルの単位時間あたりの回転数:Rc
ウェーハ保持ヘッド1の単位時間あたりの回転数:Rh
プラテン103の単位時間あたりの回転数Rp
としたとき、
Rc+Rh=Rp (6)
である場合、一般に、キャリア6にはトルクは作用しない。
【0044】
ウェーハ保持ヘッド1の1回の自転において、1つのリングセンサ部21は、最大値である力Faと、最小値である力Fbと、その中間時間において観測される力Fc及び力Fdとを有した正弦波的に変動する信号を出力する。このとき、ウェーハ保持ヘッド1の回転時間(回転速度)はあらかじめ分かっているため、ウェーハWの回転力Tおよび研磨力Fは1つのリングセンサ部21によって検出可能である。したがって、1つのリングセンサ部21から時々刻々に出力される信号を検出することにより、研磨力Fや回転力Tを求めることができる。
【0045】
また、位置a、bにそれぞれ2つのリングセンサ部21、21を設けることにより、これらの出力信号を同時に受ける演算部31は、ウェーハWの研磨を行いつつウェーハWに作用する研磨力Fを検出する。すなわち、(1)、(2)、(3)式により、2つのリングセンサ部21を設けることによって研磨力Fが算出可能となる。したがって、リングセンサ部21をリテーナリング7の上面に少なくとも2つ設置するとともに、これらのリングセンサ部21、21をリテーナリング7の回転中心から半径方向に等しい距離の位置に対向させて設置させることにより、研磨力Fあるいは回転力Tは、ウェーハWの研磨を行いつつ検出可能となる。
【0046】
さらに、位置a、bと、これら位置a、bに対して直角関係にある位置cとにそれぞれリングセンサ部21、21、21を配することにより、(1)、(2)、(3)式から研磨力Fを、(4)式(あるいは(5)式)より、回転力Tを同時に導き出すことができる。このように、リングセンサ部21をリテーナリング7の上面に3つ設置するとともに、これらのうち2つをリテーナリング7の回転中心から半径方向に等しい距離の位置に対向するように配置させ、他の1つを前記2つのリングセンサ部21に対して直角位置に配置させることにより、研磨力Fと回転力Tとは、ウェーハWの研磨を行いつつ同時に検出可能となる。
【0047】
また、リングセンサ部21をリテーナリング7上面に少なくとも4つ設置するとともに、これらのうち2つをリテーナリング7の回転中心から半径方向に等しい距離の位置に対向させて配置させ、他の2つを前記2つのリングセンサ部21に対して直角位置に配置させることにより、リテーナリング7に作用する研磨力Fと回転力Tとは、ウェーハWの研磨を行いつつ常に同時に検出可能となる。
【0048】
以上のように、リングセンサ部21を複数、好ましくは4つ以上設けることによって研磨力Fと回転力Tとは同時に検出可能となる。また、(3)式に示したように、研磨力Fは対向配置させた2つのリングセンサ部21からのそれぞれの出力に基づいて導き出される。したがって、少なくとも2つのリングセンサ部21、21をリテーナリング7の回転中心を基準として半径方向に等しい距離の位置に対向配置させることにより、すなわち全体としてリングセンサ部21を偶数箇所に設けることにより研磨力Fは検出される。
【0049】
上述と同様に、演算部31はキャリア6の上面に設けられたキャリアセンサ部41からの出力信号に基づき、キャリア6下面に保持させたウェーハWに作用する力を算出する。このように演算部31は、リテーナリング7下面に作用する力とウェーハWに作用する力とを同時に独立して算出する。
【0050】
このようなウェーハ保持ヘッド1を用いて、図5に示すような酸化膜を備えたウェーハW1を平坦化させる場合について説明する。このウェーハW1は、表面に凹凸を有する酸化膜を平坦化させるように研磨されるべきものであって、時点h1を通過して時点h2まで研磨されることを目標とする。すなわちこの場合の研磨終点はウェーハW1の酸化膜を平坦化させた状態である。そしてウェーハW1について研磨を行った場合、演算部31はリングトルク伝達機構20に設けられたリングセンサ部21の出力に基づく検出値g1とキャリアトルク伝達機構40に設けられたキャリアセンサ部41の出力に基づく検出値g2とを算出する。
【0051】
このとき研磨パッド102が劣化していない状態において研磨を行う場合、研磨開始から時点h1までの間ではウェーハW1と研磨パッド102との当接面積が徐々に増加するためウェーハW1の研磨抵抗も徐々に上昇し、時点h1から時点h2までの間においてはウェーハW1と研磨パッド102との当接面積は一定なので研磨抵抗も一定値を示す。
【0052】
しかしながら研磨パッド102が劣化している状態においてウェーハW1の研磨を行った場合、図6(a)に示すように、キャリアセンサ部41の出力値に基づく検出値g2は時点h1から時点h2において徐々に上昇している。このときリングセンサ部21の出力値に基づく検出値g1も徐々に上昇している。これはウェーハWの研磨進行により研磨パッド102が徐々に劣化するのでリテーナリング7下面と研磨パッド102との間に作用する研磨抵抗が徐々に増加していることを示している。したがって時点h1から時点h2の間においてもウェーハW1の研磨抵抗である検出値g2は上昇している。このため、研磨終点を決定することが困難である。
【0053】
なおこの検出値g1、g2は、それぞれのセンサ部21、41から出力された信号のうち最大値の変化を示したものである。
【0054】
このとき、研磨パッド102の表面状態の変化、すなわち研磨パッド102に直接接しながら回転されるリテーナリング7の研磨抵抗の変化の値に基づいて、ウェーハWの研磨抵抗を観測しているキャリアセンサ部41の検出値を補正することにより、ウェーハW1の研磨状態が把握される。すなわち、研磨パッド102の劣化に起因する研磨抵抗の変化分(すなわち検出値g1の変化分)を、この変化分を含んだウェーハWの研磨抵抗値(すなわち検出値g2)から差し引くことにより、図6(b)に示すように、時点h1と時点h2との間における算出値は安定した一定値を示すようになり、研磨終点検出を正確に把握することができる。
【0055】
そして、ウェーハWの研磨面が平坦化され所望の研磨面が得られたら(すなわち、時点h2まで達したら)、ウェーハWの研磨面は所望の状態に達したと判断され、ウェーハの研磨が終了される。
【0056】
このように、リテーナリング7の上面に設けられたリングトルク伝達機構20にリングセンサ部21を設け研磨パッド102に当接するリテーナリング7に作用する力を検出することによって、ウェーハ研磨を行いつつ研磨パッド102の劣化状態を検出することができる。この劣化状態の検出はウェーハの研磨と同時に行えるので作業効率は向上される。そして、リングトルク伝達機構20によってヘッド本体2のトルクはリテーナリング7に正確に伝達されるとともに、ダイヤフラム5には過剰な回転方向の力を作用されないようになるため、ダイヤフラム5の劣化は防止される。
【0057】
さらに、キャリア6の上面にキャリアトルク伝達機構40を設けたことにより、ヘッド本体2のトルクはキャリア6に正確に伝達されるとともに、ダイヤフラム5には過剰な回転方向の力が作用されないようになる。そのため、ダイヤフラム5の劣化を防ぐことができ、安定したフローティング効果を長期間持続することができる。
【0058】
リングトルク伝達機構20及びキャリアトルク伝達機構40にそれぞれリングセンサ部21及びキャリアセンサ部41を設けたことにより、リテーナリング7下面及びウェーハWに作用する力は直接的に各センサ部21、41に検出される。すなわち、リテーナリング7下面及びウェーハWに作用される力を直接的に検出することによって、リテーナリング7及びウェーハWを保持するキャリア6に作用する力を直接的に正確に検出することができる。
【0059】
そして、これらセンサ部21、41の出力信号が演算部31に送られ演算させることによって研磨パッド102の劣化に起因する変化分を差し引いたウェーハWの研磨抵抗の値を算出することができるため、研磨終点検出は精度良く行われる。
【0060】
これらリングセンサ部21及びキャリアセンサ部41からの出力は演算部31によって演算され、演算部31はリテーナリング7及びウェーハWに作用する力をウェーハWの研磨中に出力するようになっている。したがってウェーハWの研磨は、ウェーハWに作用する力を観測しつつ行われるため、ウェーハWの研磨面が所望の状態に達したかどうかを判断しつつ行われる。そのため、過研磨あるいは研磨不足といったウェーハの発生を低減させることができ、安定したウェーハWの研磨を実現することができる。
【0061】
また、センサ部21(41)は第1部材20a(40a)と第2部材20b(40b)との当接部分に設けられたため、ウェーハ保持ヘッド1が回転状態であっても、ウェーハWに作用する力は確実に検出される。さらに、第2部材20b(40b)は第1部材20a(20a)に対して変位可能に設けられたため、ダイヤフラム5に支持されているキャリア6及びリテーナリング7の軸線方向の変位は妨げられないようになっており、ウェーハWの研磨は安定して行われる。
【0062】
なお、上述した複数のセンサ部21(41)はそれぞれウェーハ保持ヘッド1の回転中心から半径方向に同じ距離の位置に設けられたものであるが、対向する一組のセンサ部の回転中心からのそれぞれの距離と、他の対向する組のセンサ部の回転中心からのそれぞれの距離とが異なるように配置させてもよい。この場合、各センサ部は、所定距離における回転力Tを検出することができる。すなわち、対向するセンサ部を複数組設けることによって、ウェーハWの半径方向の様々な位置の回転力が検出可能となる。
【0063】
図7(a)に示すように、第1、第2部材20a、20bのそれぞれの当接部分のいずれかあるいは両方の形状を、丸棒状にすることも可能である。第1、第2部材20a、20bを丸棒状に形成することによりそれぞれの接触面積を小さくすることができるので、リテーナリング7の上下方向の揺動(フローティング効果)はより安定して行われる。さらに、図7(b)に示すように、リングセンサ部21を天板部3と第1部材20aとの間(あるいはリテーナリング7と第2部材20bとの間)に配置させ、この位置に生ずるせん断力でもって、ウェーハWに作用する回転方向の力を検出することも可能である。この場合、リングセンサ部21として圧電素子を用いることによりせん断力は検出可能となる。さらに、圧電素子を用いてせん断力を検出させる構成とすることにより、1つのリングセンサ部21で複数方向に作用する力を同時に検出することができ、設置するべきリングセンサ部21の数を低減することができる。もちろん、図7の形態をキャリアトルク伝達機構40に適用できることは言うまでもない。
【0064】
また、図8に示すように、リングセンサ部21は、ヘッド本体2上面に設置された駆動・増幅回路ユニット32のうち駆動回路によって駆動されるとともに、リングセンサ部21からの出力信号は駆動・増幅回路ユニット32のうち増幅回路を介して演算部31に送られる構成としてもよい。このとき、リングセンサ部21と駆動・増幅回路ユニット32とを接続するハーネス32aは、ヘッド本体2の天板部3の一部を挿通されるように設けられる。同様に、キャリアトルク伝達機構40に設けられたキャリアセンサ部41は、ハーネス32bによって駆動・増幅回路ユニット32に連結されている。駆動・増幅ユニット32をヘッド本体2に設置させたことにより、ハーネス32a、32bを短く形成できるので、センサ部21はノイズの影響を受けにくくなる。
【0065】
【発明の効果】
本発明のウェーハ研磨装置及びウェーハ製造方法は、以下のような効果を有するものである。
(1)リテーナリングの上面に設けられたリングトルク伝達機構にセンサ部を設け、研磨パッドに当接するリテーナリングに作用する力を直接的に検出できるので研磨パッドの劣化を安定して検出することができる。さらに、ウェーハ研磨を行いつつ研磨パッドの表面状態を検知することができるので作業効率は向上する。また、弾性体であるダイヤフラムを備えた構成においても、リングトルク伝達機構によってヘッド本体のトルクはリテーナリングに正確に伝達されるとともに、ダイヤフラムは過剰な回転方向の力を作用されないようになるため、ダイヤフラムの劣化は防止される。
(2)キャリアに作用する回転方向の力を観測するための複数のキャリアセンサ部とを設けるとともに演算部をそれぞれのキャリアセンサ部に連結し、リングセンサ部からの出力とキャリアセンサ部からの出力とに基づいてウェーハに作用する力を算出するようにしたことによって、ウェーハの研磨終点検出をより正確に行うことができる。すなわち、研磨によって劣化した研磨パッドの研磨抵抗変化をリングセンサ部によって検出し、この値に基づいてウェーハに作用する力を直接的に検出しているキャリアセンサ部の値を補正することにより、ウェーハに作用する力をより正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェーハ研磨装置の実施形態の一例を示す図のうちウェーハ保持ヘッドの断面図である。
【図2】トルク伝達機構及びセンサ部を説明する断面図である。
【図3】トルク伝達機構及びセンサ部の配置を説明する図である。
【図4】センサ部によってウェーハに作用する力を検出する様子を説明する図である。
【図5】ウェーハの層構成を示す断面図である。
【図6】図5のウェーハを研磨したときの演算部からの出力結果を説明する図である。
【図7】トルク伝達機構及びセンサ部の他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明のウェーハ研磨装置の実施形態の一例を示す図のうちウェーハ保持ヘッドの断面図である。
【図9】ウェーハ研磨装置全体を説明する図である。
【符号の説明】
1 ウェーハ保持ヘッド
2 ヘッド本体
3 天板部
4 周壁部
5 ダイヤフラム
6 キャリア
7 リテーナリング
9 シャフト部
14 流体室
15 流路
20 リングトルク伝達機構
21 リングセンサ部
30 圧力調整機構
31 演算部
40 キャリアトルク伝達機構
41 キャリアセンサ部
102 研磨パッド
103 プラテン
W ウェーハ
Claims (2)
- 表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、研磨すべきウェーハを保持して前記研磨パッドにウェーハの一面を当接させるウェーハ保持ヘッドとを具備し、
このウェーハ保持ヘッドと前記プラテンとをそれぞれ回転させることにより前記研磨パッドで前記ウェーハを研磨するウェーハ研磨装置であって、
前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、
前記ヘッド本体内にヘッド軸線に対し垂直に張られたダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムと前記ヘッド本体との間に形成される流体室に満たされた流体圧力を調整する圧力調整機構と、
前記ダイヤフラムに固定されこのダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨すべきウェーハの一面を保持するためのキャリアと、
前記周壁部の内壁と前記キャリアの外周との間に同心状に配置されるとともに、前記ダイヤフラムに固定され前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨時には研磨パッドに当接するリテーナリングと、
前記ヘッド本体とリテーナリングとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記リテーナリングに伝達するためのリングトルク伝達機構と、
前記それぞれのリングトルク伝達機構に設けられ、前記リテーナリングに作用する回転方向の力を観測するための複数のリングセンサ部と、
前記それぞれのリングセンサ部に連結され、これらリングセンサ部からの出力に基づき前記リテーナリングに作用する力を算出する演算部と、
前記ヘッド本体とキャリアとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記キャリアに伝達するためのキャリアトルク伝達機構と、
前記それぞれのキャリアトルク伝達機構に設けられ、前記キャリアに作用する回転方向の力を観測するための複数のキャリアセンサ部とを備え、
前記演算部は、前記それぞれのキャリアセンサ部に連結されるとともに、前記リングセンサ部からの出力と前記キャリアセンサ部からの出力とに基づいて前記ウェーハに作用する力を算出することを特徴とするウェーハ研磨装置。 - 表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、研磨すべきウェーハを保持して前記研磨パッドにウェーハの一面を当接させるウェーハ保持ヘッドとを具備し、
このウェーハ保持ヘッドと前記プラテンとをそれぞれ回転運動させることにより前記研磨パッドで前記ウェーハを研磨する研磨工程を含んだウェーハ製造方法であって、
前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、
前記ヘッド本体内にヘッド軸線に対し垂直に張られたダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムと前記ヘッド本体との間に形成される流体室に満たされた流体圧力を調整する圧力調整機構と、
前記ダイヤフラムに固定されこのダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨すべきウェーハの一面を保持するためのキャリアと、
前記周壁部の内壁と前記キャリアの外周との間に同心状に配置されるとともに、前記ダイヤフラムに固定され前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位可能に設けられ、研磨時には研磨パッドに当接するリテーナリングと、
前記ヘッド本体とキャリアとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記キャリアに伝達するためのキャリアトルク伝達機構と、
前記ヘッド本体とリテーナリングとの間に円周方向に沿って複数設けられ、前記ヘッド本体のトルクを前記リテーナリングに伝達するためのリングトルク伝達機構と、
前記それぞれのキャリアトルク伝達機構に設けられ、前記キャリアに作用する回転方向の力を観測するための複数のキャリアセンサ部と、
前記それぞれのリングトルク伝達機構に設けられ、前記リテーナリングに作用する回転方向の力を観測するための複数のリングセンサ部とを備えており、
前記リングセンサ部の検出信号に基づいて前記キャリアセンサ部の検出信号を補正し、得られた補正値に基づいて前記ウェーハに作用する力を検出しつつ研磨を行うことを特徴とするウェーハ製造方法。
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1999
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