JP4476398B2 - ウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法 - Google Patents

ウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウェーハなどのウェーハ表面を研磨する装置に用いられるウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体製造装置の高集積化に伴うパターンの微細化が進んでおり、特に多層構造の微細なパターンの形成が容易かつ確実に行われるために、パターンが形成される半導体ウェーハ自体及びパターンを形成する過程における半導体ウェーハの表面を極力平坦化させることが重要となってきている。その場合、半導体ウェーハ(以下、単にウェーハという)の表面を研磨するために平坦化の度合いが高い化学的機械的研磨法(CMP法)が脚光を浴びている。
【0003】
CMP法とは、砥粒剤としてSiO2を用いたアルカリ溶液やSeO2を用いた中性溶液、あるいはAl23を用いた酸性溶液等を用いて化学的・機械的にウェーハ表面を研磨し、平坦化する方法である。
CMP法を用いてウェーハの表面を研磨する装置としては、例えば次に示すようなウェーハ研磨装置が知られている。
【0004】
このウェーハ研磨装置1は、図4の要部拡大斜視図に概略的に示すように、中心軸2に取り付けられた円板状の回転テーブル3(プラテン)上に例えば硬質ウレタンからなる研磨パッド4が設けられ、この研磨パッド4に対向してかつ研磨パッド4の中心軸2から偏心した位置に、図示せぬヘッド駆動機構によって回転駆動されるウェーハ保持ヘッド5が配設されているものである。
【0005】
ウェーハ保持ヘッド5(以下、単に保持ヘッドという)は、研磨パッド4よりも小径の略円盤形状とされて、図示せぬアームによって上端を保持された状態で、その下部すなわちヘッド先端部に設けられたサブキャリア(図示せず)でウェーハWを保持して研磨パッド4に当接させるものである。ここで、保持ヘッド5は、アームによって移動されることで研磨パッド4上へのウェーハWの搬出入も行うものである。
そしてウェーハ研磨装置1では、ウェーハWの研磨に際して、例えば上述した砥粒剤が液状のスラリーSとして研磨パッド4上に供給されているため、スラリーSが保持ヘッド5に保持されたウェーハWと研磨パッド4との間に流動して、保持ヘッド5に保持されたウェーハWが自転し、同時に研磨パッド4が中心軸2を中心として回転するために、研磨パッド4でウェーハWの一面が研磨される。
【0006】
ウェーハWの研磨を行う硬質ウレタン製などの研磨パッド4上にはスラリーSを保持する微細な発泡層が多数設けられており、これらの発泡層内に保持されたスラリーSでウェーハWの研磨が行われる。
ところが、ウェーハWの研磨を繰り返すことで研磨パッド4の研磨面の平坦度が低下したり目詰まりするために、ウェーハWの研磨精度と研磨効率が低下するという問題が生じる。
そのため従来のCMP装置1には、例えば図4に示すような研磨パッド4のコンディショナ7が設けられ、通常は一回研磨を行う毎に研磨パッド4の表面状態の調整を行って、ウェーハWを研磨する能力が適正範囲内になるように調整している(この作業をドレッシングという)。
【0007】
このコンディショナ7は、回転テーブル3の外部に設けられた回転軸8にアーム9を介して研磨材10が設けられ、回転軸8によってアーム9を回動させることで、回転する研磨パッド4上において研磨材10を往復揺動させて研磨パッド4の表面を研磨して研磨パッド4の表面の平坦度等を回復または維持し目詰まりを解消するようになっている。また、研磨材10自体も、アーム9の先端に設けられる取付軸(図示せず)を介して図示せぬ駆動装置に接続されて研磨パッド4の表面に当接した状態で回転駆動されるか、またはアーム9の先端に、取付軸を介して研磨パッド4の表面に略平行な面上での回転を許容して設けられて、研磨パッド4から受ける摩擦力によって自転するように設けられている。
【0008】
ここで、研磨材10は消耗品であり、使用し続けることによって摩耗するなどしてドレッシングの能力が低下していくものである。研磨材10のドレッシング能力が低下した場合には、ドレッシングを行う時間を長くするなどして研磨パッド4のドレッシングが確実に行われるようにする。また、研磨材10の摩耗が進んでドレッシング能力が適正な水準を維持できなくなった場合には、作業効率を維持するために、新しい研磨材と交換する。
【0009】
このようなウェーハ研磨装置1を用いて研磨を行う場合において、ウェーハWの研磨状態、例えばウェーハWの被研磨面が所望の状態に達したかどうかを判断する方法(研磨終点検出方法)としては、次のような方法が知られている。
第一の研磨終点検出方法として、ウェーハWが受ける研磨抵抗、すなわちウェーハWが研磨時に受ける力の変動を観測することで研磨終点を検出する方法が知られている。この方法は、例えば回転テーブル駆動機構(図示せず)の回転動力の変動を観測することで行われる。つまりウェーハWの被研磨面の研磨が不十分のときは研磨パッド4とウェーハWとの間に生じる研磨抵抗は安定せずに変動した状態となり、一方ウェーハWの被研磨面が所望の状態に達したときは前記研磨抵抗は安定したものとなる。このとき回転テーブル3は一定速度で回転させられるようになっているため、例えば研磨抵抗が大きいときには回転テーブル駆動機構の回転動力は大きくなり、研磨抵抗が小さいときには回転動力は小さくなる。
このように、第一の研磨終点検出方法は、回転テーブル駆動機構の回転動力の変動を観測し、この観測値が安定したら、ウェーハWの被研磨面は所望の状態に達したと判断して研磨終点検出とするものである。
【0010】
第二の終点検出方法として、研磨パッド4の摩擦力を測定する装置を、研磨パッド4上の使用していない箇所に設置し、研磨パッド4の摩擦力から研磨抵抗を算出する方法が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの終点検出方法には、次のような問題があった。
ウェーハ研磨装置1において、回転テーブル3は、ウェーハWと研磨パッド4とが当接していない状態でも空転されている状態が多い。そして、例えばウェーハWがもともと研磨抵抗の小さい材質からなる場合、ウェーハWの研磨途中状態と研磨完了状態とで回転テーブル駆動機構の回転動力の差は小さく、回転テーブル3の空転動力成分と紛れてしまう。このため、第一の研磨終点検出方法ではウェーハWの研磨終点検出を精度良く行うことは困難であるという問題があった。また、回転テーブル3に働く慣性も大きいために、研磨抵抗の変化に対する応答性の点で劣ってしまうという問題があった。
【0012】
そして、第一の研磨終点検出方法において、従来は回転テーブル3と保持ヘッド5を回転駆動する回転テーブル駆動機構またはヘッド駆動機構の動力の検出を、これらに用いられるモータ(図示せず)に供給される電流の大きさや、モータと回転テーブル3またはモータと保持ヘッド5とを接続する部品、例えばプーリー等に加わるトルクを検出することで行っている。このように回転テーブル駆動機構またはヘッド駆動機構の動力の検出は間接的な手法で行われるので、回転テーブル3と保持ヘッド5のどちらで研磨抵抗の大きさの測定を行っても、応答性の点で劣ってしまうという問題があった。
また、このとき検出される研磨抵抗は、保持ヘッド5においてウェーハW以外で研磨パッド4に当接する部分が受ける研磨抵抗も含んでいるので、研磨終点検出を精度良く行うことは困難であるという問題があった。
【0013】
また、第一の研磨終点検出方法において、研磨パッド4がウェーハWの研磨屑によって目詰まりしたり、研磨パッド4の表面が摩耗するなど、研磨パッド4の表面の状態によっては研磨抵抗が安定しなくなるので、ウェーハWの研磨が進んだ場合にも測定される研磨抵抗の大きさが安定せず、研磨の終点を検出することができない場合がある。しかし、研磨パッド4の表面の状態を検出する手段がないために、研磨終点が検出されないのはウェーハWの研磨が不足しているのかそれとも研磨パッド4の表面の状態が変化しているためなのかを判断することができないという問題があった。
そして、研磨パッド4の表面の状態を検出する手段がないので、研磨パッド4をドレッシングする研磨材が摩耗するなどしてそのドレッシング能力が低下してしまった場合にも、これを検知することができなかった。
【0014】
一方、第二の終点検出方法では、研磨装置に新たに装置を増設することとなり、設備コストが増加してしまう。また、実際の研磨条件に近い条件を出すことが困難であった。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ウェーハの研磨状態の情報の検出能力が高く、また応答性のよいウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法を提供することを目的とする。また研磨パッドの表面の状態の情報を検出することができるウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法を提供することも目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1記載のウェーハ研磨装置においては、表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、ウェーハの一面を保持して、前記研磨パッドに前記ウェーハの他面を当接させるウェーハ保持ヘッドと、該ウェーハ保持ヘッドを駆動することにより前記ウェーハの他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備し、前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内に張られたダイヤフラムと、該ダイヤフラムに固定されて前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位し、前記ウェーハの一面を保持する略円盤形状のサブキャリアとを具備し、該サブキャリアの下面には、凹部と、該凹部と外部とを仕切って流体室を形成する膜体とが設けられ、前記凹部には、前記流体室の内圧を調整し、該内圧を受けて前記膜体が前記ウェーハを前記研磨パッドに向けて押圧する押圧力を調節する圧力調整機構が接続され、前記サブキャリアには、その外周部分に、下端を前記サブキャリアの下面よりも突出させてリテーナリングが一体に設けられ、前記サブキャリアまたは前記リテーナリングのうちのいずれか一方の外周と前記ヘッド本体内面には、前記研磨パッドから受ける研磨抵抗による前記ヘッド軸線を回転中心としたこれらの相対的な回転を規制するよう互いを係合させる係合部が設けられ、該係合部間に設けられてこれらの間に作用する回転方向の力を測定するセンサーと、前記流体室の内圧を下げて前記ウェーハの押圧を解除した状態での前記センサーの測定値から、前記リテーナリングが受ける回転方向の研磨抵抗を算出するとともに、前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を上げて前記ウェーハを前記研磨パッドに押圧した状態での前記センサーの測定値から、前記サブキャリアに保持されるウェーハ及び前記リテーナリングが受ける回転方向の全研磨抵抗を算出し、前記全研磨抵抗と前記リテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、前記ウェーハが受ける回転方向の研磨抵抗を算出する演算装置とが設けられていることを特徴とする。
【0017】
このように構成されるウェーハ研磨装置においては、ウェーハ保持ヘッドを研磨パッドに当接させて研磨動作を行った際に、研磨パッドから受ける研磨抵抗によってウェーハを保持するサブキャリア及びリテーナリングがヘッド軸線方向に回転しようとする。そして、この回転がサブキャリアまたはリテーナリングのうちのいずれか一方とヘッド本体内面に設けられる係合部によって受けられ、この係合部に作用する回転方向の力がセンサーによって測定される。
ここで、圧力調整機構によって流体室の内圧を例えば外気圧以下に低下させて、膜体を介したウェーハの押圧を解除すると、リテーナリングのみが研磨パッドに押し付けられるので、このときのセンサーの測定値をもとに、演算装置によってリテーナリングが受ける研磨抵抗が算出される。
このように、本発明のウェーハ研磨装置においては、ウェーハの研磨時と同じ条件下でのリテーナリングが受ける研磨抵抗の値を直接的に求めることができる。リテーナリングが受ける研磨抵抗の大きさは、研磨パッドの表面の状態が変化しない限り一定の範囲内にあるので、この研磨抵抗の変動をもとに研磨パッドの表面の状態が検出される。そして、研磨パッドの表面の状態から、研磨パッドをドレッシングする研磨材の状態も検知される。
ここで、本発明のウェーハ研磨装置においては、リテーナリングの受ける研磨抵抗の測定は、圧力調整機構による流体室の内圧を低下させるだけで済むので、ウェーハ研磨中であっても任意の時点で容易に行うことができ、また例えば研磨の初期状態から適宜の時点で測定を行って、初期状態からの研磨抵抗の変動を知ることができる。
【0019】
また、このように構成されるウェーハ研磨装置においては、ウェーハ保持ヘッドを研磨パッドに当接させて研磨動作を行い、この状態で圧力調整機構によって流体室の内圧を例えば外気圧以上に上昇させて、膜体を介してウェーハを押圧する。これによってサブキャリアに保持されるウェーハとリテーナリングがともに研磨パッドに押し付けられるので、このときのセンサーの測定値をもとに、演算装置によってウェーハ及びリテーナリングが受ける全研磨抵抗が直接的に算出される。そして、全研磨抵抗とリテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、ウェーハが受ける研磨抵抗が算出される。また、リテーナリングの受ける研磨抵抗の変動から、研磨パッドの表面の状態の変化を把握することができるので、ウェーハが受ける研磨抵抗の値を補正して、実際にウェーハが受ける研磨抵抗の値を精度よく求めることができる。ここで、リテーナリングの研磨抵抗及び全研磨抵抗の測定は、任意の時点で容易に行うことができるので、例えば研磨の初期状態から適宜の時点でこれら研磨抵抗の測定を行うことで、ウェーハが受ける研磨抵抗の初期状態からの変動を知ることができる。
【0020】
請求項記載の研磨状態検出方法においては、表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、ウェーハの一面を保持して、前記研磨パッドに前記ウェーハの他面を当接させるウェーハ保持ヘッドと、該ウェーハ保持ヘッドを駆動することにより前記ウェーハの他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備するウェーハ研磨装置を用いる研磨状態検出方法であって、前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内に張られたダイヤフラムと、該ダイヤフラムに固定されて前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位し、前記ウェーハの一面を保持する略円盤形状のサブキャリアとを具備し、該サブキャリアの下面には、凹部と、該凹部と外部とを仕切って流体室を形成する膜体とが設けられ、前記凹部には、前記流体室の内圧を調節し、該内圧を受けて前記膜体が前記ウェーハを前記研磨パッドへ押圧する押圧力を調節する圧力調整機構が接続され、前記サブキャリアには、その外周部分に、下端を前記サブキャリアの下面よりも突出させてリテーナリングが一体に設けられ、前記サブキャリアまたは前記リテーナリングのうちのいずれかの外周と、前記ヘッド本体内面には、前記ヘッド軸線を回転中心とした相対的な回転を規制するよう互いを係合させる係合部と、該係合部間に設けられてこれらの間に作用する回転方向の力を測定するセンサーとが設けられ、前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を下げて前記ウェーハの押圧を解除した状態での前記センサーの測定値から、演算装置によって前記リテーナリングが受ける回転方向の研磨抵抗を算出し、これによって前記研磨パッドの表面の状態を検出することを特徴とする。
【0021】
このように構成される研磨状態検出方法においては、ウェーハ保持ヘッドを研磨パッドに当接させて研磨動作を行い、この状態で圧力調整機構によって流体室の内圧を例えば外気圧以下に低下させて、膜体を介したウェーハの押圧を解除する。このとき、リテーナリングのみが研磨パッドに押し付けられるので、センサーによって測定される係合部間に作用する回転方向の力の測定値からは、リテーナリングが受ける研磨抵抗が算出される。
このように、本発明のウェーハ研磨装置においてはウェーハの研磨時と同じ条件下でのリテーナリングが受ける研磨抵抗の値を直接的に求めることができる。
リテーナリングが受ける研磨抵抗の大きさは、研磨パッドの表面の状態が変化しない限り一定の範囲内にあるので、この研磨抵抗の変動をもとに研磨パッドの表面の状態が検出される。そして、研磨パッドの表面の状態から、研磨パッドをドレッシングする研磨材の状態も検知される。
ここで、本発明のウェーハ研磨装置においては、リテーナリングの受ける研磨抵抗の測定は、圧力調整機構による流体室の内圧を低下させるだけで済むので、ウェーハ研磨中であっても任意の時点で容易に行うことができ、また例えば研磨の初期状態から適宜の時点で研磨抵抗の測定を行って、初期状態からの研磨抵抗の変動を知ることができる。
【0022】
請求項記載の研磨状態検出方法においては、前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を上げて前記ウェーハを前記研磨パッドに押圧した状態での前記センサーの測定値から、前記演算装置によって前記サブキャリアに保持されるウェーハ及び前記リテーナリングが受ける回転方向の全研磨抵抗を算出し、前記全研磨抵抗と前記リテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、前記演算装置によって前記ウェーハが受ける回転方向の研磨抵抗を算出することを特徴とする。
【0023】
このように構成されるウェーハ研磨装置においては、ウェーハ保持ヘッドを研磨パッドに当接させて研磨動作を行い、この状態で圧力調整機構によって流体室の内圧を例えば外気圧以上に上昇させて、膜体を介してウェーハを押圧する。
このとき、サブキャリアに保持されるウェーハとリテーナリングとがともに研磨パッドに押し付けられるので、このときのセンサーの測定値からは、ウェーハ及びリテーナリングが受ける全研磨抵抗が直接的に算出される。
そして、全研磨抵抗とリテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、ウェーハが受ける研磨抵抗が算出される。
また、リテーナリングの受ける研磨抵抗の変動から、研磨パッドの表面の状態の変化を把握することができるので、ウェーハが受ける研磨抵抗の値を補正して、実際にウェーハが受ける研磨抵抗の値を精度よく求めることができる。
ここで、リテーナリングの研磨抵抗及び全研磨抵抗の測定は、任意の時点で容易に行うことができるので、例えば研磨の初期状態から適宜の時点でこれら研磨抵抗の測定を行うことで、ウェーハが受ける研磨抵抗の初期状態からの変動を知ることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のウェーハ研磨装置の実施の形態について図面を参照して説明する。ここで、本発明の一実施形態のウェーハ研磨装置は、図4に示す従来のウェーハ研磨装置1とほぼ同様の構成からなり、ウェーハ保持ヘッドとして、図1の正断面図に示すウェーハ保持ヘッド11を用いたものである。
【0025】
図1において、ウェーハ保持ヘッド11(以下、単に保持ヘッドという)は、天板部13及び筒状に形成された周壁部14とからなるヘッド本体12と、ヘッド本体12内に、例えばヘッド軸線に対し略垂直に張られたダイヤフラム15と、ダイヤフラム15の下面に固定された略円盤形状のサブキャリア16と、サブキャリア16の外周下部に、周壁部14の内壁との間に位置してサブキャリア16と一体的に設けられた円環状のリテーナリング17とを備えている。
これらサブキャリア16及びリテーナリング17は、ダイヤフラム15の弾性変形によってヘッド軸線方向に移動可能なフローティング構造となっている。
【0026】
ヘッド本体12は、円板状の天板部13と天板部13の外周下方に固定された筒状の周壁部14とから構成され、ヘッド本体12の下端部は開口されて中空になっている。天板部13は、ウェーハ研磨装置の図示せぬアームに連結されるための連結部であるシャフト部19に同軸に固定されており、シャフト部19には、第一、第二の流路22a、22b及び配線挿通路23が鉛直方向に形成されている。このシャフト部19の外周面には、アームに螺着するためのおねじ部18が形成されている。また、周壁部14の内壁部下部には、全周にわたって段部14aが形成されている。
【0027】
繊維補強ゴムなどの可撓性を有する素材からなるダイヤフラム15は円環状に形成されたものであって、ダイヤフラム固定リング26によって周壁部14の内壁に形成された段部14a上に固定されている。ここで、ダイヤフラム15は、必ずしもヘッド軸線に対し略垂直に張られている必要はない。
また、ダイヤフラム15の上方には第一の流体室21が形成されている。第一の流体室21は、シャフト部19に形成された第一の流路22a及び配線挿通路23と連通されており、第一の圧力調整機構27から第一の流路22aを通して、空気をはじめとする流体が供給されることによって、第一の流体室21内の圧力は調整される。第一の圧力調整機構27は、第一の流体室21内の圧力すなわちダイヤフラム15とともに変位するサブキャリア16をヘッド軸線方向に変位させる力を調節して、サブキャリア16に保持されるウェーハWを研磨パッド4に当接させる圧力を研磨に適した範囲内に調節するためのものである。
【0028】
ここで、第一の流体室21内には、シャフト部19に形成された第二の流路22bとサブキャリア16に設けられる流通孔33(後述)とを接続する配管34が設けられている。配管34は、可撓性を有する素材からなるものであって、ダイヤフラム15の変形に伴うサブキャリア16のヘッド軸線方向の変位を許容するよう、適度に弛みをもって設けられている。
【0029】
セラミック等の高剛性材料からなるサブキャリア16は、略円盤形状の部材であって、ダイヤフラム15の上面に設けられたサブキャリア固定リング28によってダイヤフラム15に固定されている。サブキャリア16は、その外周上部に全周にわたってフランジ部16aが設けられ、また下面の中央部に略円形の凹部32が設けられ、その他の部分は一定の厚さとされている。そして、サブキャリア16には、凹部32からサブキャリア16の上面まで通じる流通孔33が形成されている。流通孔33は、第一の流体室21内に設けられる配管34とヘッド本体12の天板部13の第二の流路22bとを通じて、第二の圧力調整機構36と接続されている。
【0030】
リテーナリング17は、略円環形状に形成される部材であって、サブキャリア16のフランジ部16aの下面に、周壁部14の内壁とサブキャリア16の外周との間にわずかな隙間を空けて、周壁部14及びサブキャリア16と同心状にして取り付けられている。またリテーナリング17は、上端面及び下端面が水平に形成されており、研磨時には研磨パッド4に当接するように、下面をサブキャリア16の下面よりも突出して設けられている。ここで、リテーナリング17のサブキャリア16の下面に対する突出量は、例えばサブキャリア16のフランジ部16aとの間にシムを挟み込むことで調節可能となっている。
【0031】
サブキャリア16の下面には、凹部32と外部とを仕切って第二の流体室38を形成する膜体37(可撓部材)が張られている。膜体37は、例えばダイヤフラム15と同じく繊維補強ゴムなどの可撓性を有する素材からなる略円形のシート状部材であって、その外周縁をサブキャリア16のフランジ部16aの下面とリテーナリング17の上面との間に挟み込まれることで、サブキャリア16に対して気密に取り付けられている。ここで膜体37は、例えば第二の流体室38と外部とを連通する開口部を設けるか、または膜体37を可撓性に加えて通気性を有する素材、例えばGORETEX(商標)等によって構成することによって、第二の流体室38と外部との間で気体の流通を許容する構成としてもよい。
【0032】
また、図2及び図3に示すように、サブキャリア16のフランジ部16aの外周とヘッド本体12の内面との間には、ウェーハW研磨時に研磨抵抗を受けることによるサブキャリア16の回転を防止する係合部40が設けられている。
ここで、図2は、図1の要部拡大図であって、図3は、図2のA−A矢視断面図である。本実施の形態では、係合部40として、サブキャリア16のフランジ部16aの外周に係合突起40aを、ヘッド本体12の内面側に係合溝40bを設けている。ここで、この係合部40は、サブキャリア16を安定して支持できるよう、2箇所以上、できればサブキャリア16の回転中心に対して対称性をもって配置されていることが望ましい。
【0033】
そして、これら係合突起40aと係合溝40bとの間には、これらの間に作用する回転方向の力を測定するセンサー41が設けられ、センサー41には、ヘッド本体12の外部に設けられる演算装置42が接続されている。センサー41としては、圧電素子や歪みゲージなどの圧力感知型のセンサー、または係合突起40aと係合溝40bとの間にまたがって設けられて、サブキャリア16とヘッド本体12とが相対的に移動することによって受けるせん断力の大きさから回転方向の力を検知するせん断力検知型のセンサーなどが用いられる。
演算装置42は、センサー41の測定値をもとに、サブキャリア16に保持されるウェーハWまたはリテーナリング17が受ける研磨抵抗、もしくはこれら両方が受ける全研磨抵抗を算出し、また全研磨抵抗とリテーナリング17が受ける研磨抵抗との差から、ウェーハWが受ける研磨抵抗の検出を行うものである。また、これらの情報をもとに、ウェーハの研磨が最適となるよう、ウェーハ研磨装置の各部の動作の制御も行うものである。
【0034】
演算装置42は、係合部40及びセンサー41が複数設けられている場合には、測定値の精度を向上させるために、これらセンサー41についてそれぞれ測定値の平均を取り、その値を圧力の大きさとしている。
本実施の形態では、センサー41として、圧力感知型のセンサーを用いており、センサー41は、係合突起40aにおいてヘッド本体12の回転方向とは反対側に向く面に設けられている。また、センサー41と演算装置42とを接続する配線Lは、例えばセンサー41からサブキャリア16内を通じてヘッド本体12の第一の流体室21内に達し、第一の流体室21からはヘッド本体12のシャフト19に設けられる配線挿通孔23を経由して演算装置42に接続されている。
【0035】
第二の圧力調整機構36は、第二の流体室38を含むサブキャリア16と膜体37との間の空間に流体を供給または回収することでこの空間の内圧を調整するものである。
そして、第二の圧力調整機構36は、ウェーハWの研磨時においてサブキャリア16と膜体37との間の空間の内圧を所定の圧力まで高めることで膜体37を外方に向けて押圧して、膜体37の下面によってウェーハWの全面をウェーハ研磨装置1の研磨パッド4に均等圧力で押し付けるようにするものである。ここで第二の圧力調整機構36は、膜体37が通気性を有する素材とされている場合には膜体37を通じて流体の圧力をウェーハWの上面に直接印加するものである。
このとき第二の圧力調整機構36が印加する圧力は、ウェーハWが研磨に最適な圧力で研磨パッド4に押し付けられるように調整されている。また、第二の圧力調整機構36は、ウェーハWを膜体37の下面に密着させた状態で第二の流体室38の内圧を外気圧よりも低下させることで、膜体37を凹部32内に向けて窪ませて、膜体37をウェーハWを吸着する吸盤として作用させるものである。ここで、第二の圧力調整機構36は、膜体37が通気性を有している場合には、膜体37を通じて膜体37とウェーハWとの間の空気を吸引することで、膜体37越しにウェーハWの吸着を行うものである。
【0036】
このように構成された保持ヘッド11は、おねじ部18を図示せぬアームに設けられるスピンドルに螺着することによってウェーハ研磨装置に連結される。この保持ヘッド11を用いてウェーハWの研磨を行う場合、まずウェーハWは、図示せぬローディング装置等によってサブキャリア16の下面に設けられた膜体37に当接される。この状態で、第二の圧力調整機構36によって第二の流体室38内の内圧を下げて膜体37を凹部32内に向けて窪ませ、ウェーハWを吸着する吸盤として作用させることで、ウェーハWの保持を行う。
次に、アームによって保持ヘッド11を移動させてウェーハWを研磨パッド4上に搬入する。
【0037】
そして、ウェーハWはリテーナリング17によって周囲を係止されつつ、その表面を回転テーブル3の上面に貼付された研磨パッド4に当接させられる。ここで、研磨パッド4としては、従来よりウェーハの研磨に使用されていたものであればいずれの材質のものを用いても良く、例えばポリエステル等からなる不織布にポリウレタン樹脂等の軟質樹脂を含浸させたベロアタイプ研磨パッド、ポリエステル等の不織布を基材としてその上に発泡ポリウレタン等からなる発泡樹脂層を形成したスエードタイプ研磨パッド、あるいは独立発泡させたポリウレタン等からなる発泡樹脂シートが使用される。
【0038】
このように、サブキャリア16及びリテーナリング17の研磨パッド4への押圧圧力、並びに第二の圧力調整機構により膜体37に加えられる背圧によってウェーハWを研磨パッド4へ押圧する圧力を調節しつつ、回転テーブル3を回転させるとともに保持ヘッド11を自転させ、これと同時に、図示しない研磨剤供給手段からスラリーSを研磨パッド4の表面やウェーハWの被研磨面に供給させることによりウェーハWは研磨される。このとき、例えばウェーハWの中央部分が過度に研磨されてウェーハWが凹面状に研磨されてしまう傾向がある場合には、ウェーハ保持ヘッド11の回転速度を上げてウェーハWの外周側の研磨パッド4に対する相対速度すなわち研磨速度を、ウェーハWの内周側の研磨速度に比べて大きくして、ウェーハWの外周側の研磨量を多くすることがある。このようなウェーハWの研磨条件では、ウェーハ保持ヘッド11の回転によってウェーハWを保持したサブキャリア16及びリテーナリング17に回転力が生じ、これらが取り付られるダイヤフラム15にはダイヤフラム15をねじる向きの力が加わるが、この力は係合部40によって受けられるので、ダイヤフラム15のねじれが規制される。
【0039】
このように構成される保持ヘッド11においては、ウェーハWの研磨状態は次のようにして求められる。
まず、保持ヘッド11を研磨パッド4に当接させて研磨動作を行う。このとき、研磨パッド4から受ける研磨抵抗によってウェーハWを保持するサブキャリア16及びリテーナリング17が、ヘッド本体12の回転方向とは反対の側に回転しようとする。そして、この回転がサブキャリア16の外周とヘッド本体12の内面との間に設けられる係合部40によって受けられ、この係合部40が受ける回転方向の力が、センサー41によって測定される。
ここで、第二の圧力調整機構36によって第二の流体室38の内圧を例えば外気圧以下に低下させて、膜体37を介したウェーハWの押圧を解除すると、リテーナリング17のみが研磨パッド4に押し付けられるので、このときのセンサー41の測定値をもとに、演算装置42によってリテーナリング17が受ける研磨抵抗が算出される。
【0040】
このように、本発明のウェーハ研磨装置においては、ウェーハWの研磨時と同じ条件下でのリテーナリング17が受ける研磨抵抗の値を直接的に求めることができる。リテーナリング17が受ける研磨抵抗の大きさは、研磨パッド4の表面の状態が変化しない限り一定の範囲内にあるので、この研磨抵抗の変動をもとに研磨パッド4の表面の状態が検出される。これは、ウェーハWがその表面に薄膜が形成された構成とされている場合があるのに対してリテーナリング17は内部まで同一の素材によって構成されており、リテーナリング17が研磨パッド4から受ける研磨抵抗の大きさは、研磨パッド4の表面の状態が変化しない限り一定の範囲内にあるということを利用している。
【0041】
そして、研磨パッド4の表面の状態から、研磨パッド4をドレッシングする研磨材10の状態も検知される。
ここで、本発明のウェーハ研磨装置においては、リテーナリング17の受ける研磨抵抗の測定は、第二の圧力調整機構36によって第二の流体室38の内圧を低下させるだけで済むので、ウェーハ研磨中であっても任意の時点で容易に行うことができ、また例えば研磨の初期状態から適宜の時点で測定を行って、初期状態からのリテーナリング17の受ける研磨抵抗の変動を知ることができる。
【0042】
次に、第二の圧力調整機構36によって第二の流体室38の内圧を例えば外気圧以上に上げ、膜体37を介してウェーハWを研磨パッド4に向けて押圧しながら研磨動作を行う。これによってサブキャリア16に保持されるウェーハWとリテーナリング17がともに研磨パッド4に押し付けられるので、このときのセンサー41の測定値をもとに、演算装置42によってウェーハWの研磨時と同じ条件下でのウェーハW及びリテーナリング17が受ける全研磨抵抗が直接的に算出される。
【0043】
そして、全研磨抵抗とリテーナリング17が受ける研磨抵抗との差から、ウェーハWが受ける研磨抵抗が直接的に算出される。
また、リテーナリング17の受ける研磨抵抗の変動から研磨パッド4の表面の状態の変化を把握することができるので、ウェーハWが受ける研磨抵抗の値を補正して実際にウェーハWが受ける研磨抵抗の値を精度よく求めることができる。
ここで、全研磨抵抗の測定は、任意の時点で容易に行うことができるので、例えば研磨の初期状態から適宜の時点でこれら研磨抵抗の測定を行うことで、ウェーハWが受ける研磨抵抗の初期状態からの変動を知ることができる。
【0044】
そして、ウェーハWが受ける研磨抵抗をもとに、ウェーハWの研磨が最適となるよう、ウェーハWの研磨条件、すなわち回転テーブル3や保持ヘッド11の回転速度、研磨圧力(ウェーハWを研磨パッドに押し付ける圧力)、スラリーの供給量などを調整する。
また、ウェーハWが受ける研磨抵抗の変動を観測し、研磨抵抗の測定値が安定するようになったら、安全をみて数秒間ウェーハWの研磨を続行した後、研磨終点検出としてウェーハWの研磨作業を終了する。
ここで、研磨パッド4の表面の状態が変化していると判断した場合には、ウェーハWの研磨を確実に行えるよう対処する。すなわち、一旦ウェーハWの研磨を中止して、コンディショナ7によって研磨パッド4の表面の調整(ドレッシング)を行うなどして研磨パッド4の研磨能力を回復させてからウェーハWの研磨を再開するか、もしくは、ウェーハWを研磨する時間を延長する。また、必要に応じてウェーハWの研磨条件の調整を行う。
【0045】
ところで、研磨パッド4のドレッシングは、例えば一定時間ドレッシングを行った後に研磨パッド4の状態の検出を行い、ドレッシングが不十分であれば、研磨パッド4の研磨能力が適正範囲内になるまで行われる。そして、ある程度の時間ドレッシングを行っても研磨パッド4の研磨能力が適正範囲内にならなければ、ドレッシングに用いる研磨材10のドレッシング能力が適正水準よりも低下しているということなので、研磨材10の交換時期が来たとみなし、研磨材10を新しいものに交換する。
【0046】
このように、上記した本発明のウェーハ研磨装置によれば、保持ヘッド11によって、リテーナリング17、ウェーハWのそれぞれが受ける研磨抵抗をほぼ直接的に検出することができる。すなわち、従来のウェーハ研磨装置に比べて研磨抵抗、研磨終点などのウェーハWの研磨状態の情報の検出能力が高く、またこれらの変動に対する応答性も向上させることができる。
また、研磨パッド4の表面状態の変化による影響を算出し、これをもとにウェーハWが受ける研磨抵抗の大きさを補正してウェーハWの研磨終点の検出精度を向上させることができる。
そして、研磨パッド4の表面の状態を検出することができるので、研磨パッド4の表面の調整などを行うタイミングを知ることができ、また研磨パッド4の研磨能力が低下した場合には、状況に応じて対処方法を選択することができる。
また、研磨パッド4のドレッシングに用いる研磨材10の状態も検出することができ、研磨材10の交換時期を検出することができ、また研磨材10のドレッシング能力が低下した場合には状況に応じて対処方法を選択することができる。
これによって、ウェーハWの研磨作業を適切な条件下で行うことができる。
また、ダイヤフラム15にダイヤフラム15をねじる向きの力が加わっても、ダイヤフラム15に過剰な負荷が加わらないので、ダイヤフラム15のへたり、または損傷を防止することができる。
【0047】
上記実施の形態では、研磨パッド4のドレッシングを、一旦ウェーハWの研磨を中止した後に行うこととしたが、ウェーハWの研磨とドレッシングとを並行して行うようにしてもよい。
また、係合部40の係合突起40aと係合溝40bの配置は、上記実施の形態で示した配置に限らず、例えばヘッド本体12に係合突起40aを、サブキャリア16に係合溝40bを設けてもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明のウェーハ研磨装置及び研磨状態検出方法は、以下のような効果を有するものである。
請求項1に記載のウェーハ研磨装置によれば、研磨パッドの表面の状態を検出することができるので、研磨パッドの表面の調整などを行うタイミングを知ることができ、また研磨パッドの研磨能力が低下した場合には、状況に応じて対処方法を選択することができる。
また、研磨パッドのドレッシングに用いる研磨材の状態も検出することができるので、研磨材の交換時期を検出することができ、また研磨材のドレッシング能力が低下した場合には、状況に応じて対処方法を選択することができる。
これによって、ウェーハの研磨作業を適切な条件下で行うことができる。
また、ダイヤフラムのねじれが規制されてねじれによるダイヤフラムの劣化、損傷を防止することができ、ウェーハ保持ヘッドのメンテナンスが容易になる。
【0049】
請求項2に記載のウェーハ研磨装置によれば、ウェーハが受ける研磨抵抗を直接的に検出することができる。すなわち、従来のウェーハ研磨装置に比べてウェーハの研磨状態の情報の検出能力が高く、またその変動に対する応答性も向上させることができる。
また、研磨パッドの表面状態の変化による影響を算出し、これをもとにウェーハが受ける研磨抵抗の大きさを補正してウェーハの研磨終点の検出精度を向上させることができる。
【0050】
請求項3に記載の研磨状態検出方法によれば、研磨パッドの表面の状態を検出することができるので、研磨パッドの表面の調整などを行うタイミングを知ることができ、また研磨パッドの研磨能力が低下した場合には、状況に応じて対処方法を選択することができる。
また、研磨パッドのドレッシングに用いる研磨材の状態も検出することができるので、研磨材の交換時期を検出することができ、また研磨材のドレッシング能力が低下した場合には、状況に応じて対処方法を選択することができる。
これによって、ウェーハの研磨作業を適切な条件下で行うことができる。
【0051】
請求項4に記載のウェーハ研磨装置によれば、ウェーハが受ける研磨抵抗を直接的に検出することができる。すなわち、従来のウェーハ研磨装置に比べてウェーハの研磨状態の情報の検出能力が高く、またその変動に対する応答性も向上させることができる。
また、研磨パッドの表面状態の変化による影響を算出し、これをもとにウェーハが受ける研磨抵抗の大きさを補正してウェーハの研磨終点の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態におけるウェーハ研磨装置のウェーハ保持ヘッドの構成及び構造を示す正断面図である。
【図2】 本発明の実施の形態におけるウェーハ保持ヘッドの構成及び構造を示す図であって、図1の要部拡大図である。
【図3】 本発明の実施の形態におけるウェーハ保持ヘッドの構成及び構造を示す図であって、図2におけるA−A矢視断面図である。
【図4】 従来のウェーハ研磨装置を示す要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
4 研磨パッド 3 回転テーブル(プラテン)
11 ウェーハ保持ヘッド 12 ヘッド本体
13 天板部 14 周壁部
15 ダイヤフラム 16 サブキャリア
17 リテーナリング 21、38 第一、第二の流体室
27、36 第一、第二の圧力調整機構 32 凹部
37 膜体 40 係合部
41 センサー 42 演算装置
W ウェーハ

Claims (3)

  1. 表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、ウェーハの一面を保持して、前記研磨パッドに前記ウェーハの他面を当接させるウェーハ保持ヘッドと、該ウェーハ保持ヘッドを駆動することにより前記ウェーハの他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備し、
    前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内に張られたダイヤフラムと、該ダイヤフラムに固定されて前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位し、前記ウェーハの一面を保持する略円盤形状のサブキャリアとを具備し、
    該サブキャリアの下面には、凹部と、該凹部と外部とを仕切って流体室を形成する膜体とが設けられ、
    前記凹部には、前記流体室の内圧を調整し、該内圧を受けて前記膜体が前記ウェーハを前記研磨パッドに向けて押圧する押圧力を調節する圧力調整機構が接続され、
    前記サブキャリアには、その外周部分に、下端を前記サブキャリアの下面よりも突出させてリテーナリングが一体に設けられ、
    前記サブキャリアまたは前記リテーナリングのうちのいずれか一方の外周と前記ヘッド本体内面には、前記研磨パッドから受ける研磨抵抗による前記ヘッド軸線を回転中心としたこれらの相対的な回転を規制するよう互いを係合させる係合部が設けられ、
    該係合部間に設けられてこれらの間に作用する回転方向の力を測定するセンサーと、
    前記流体室の内圧を下げて前記ウェーハの押圧を解除した状態での前記センサーの測定値から、前記リテーナリングが受ける回転方向の研磨抵抗を算出するとともに、前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を上げて前記ウェーハを前記研磨パッドに押圧した状態での前記センサーの測定値から、前記サブキャリアに保持されるウェーハ及び前記リテーナリングが受ける回転方向の全研磨抵抗を算出し、前記全研磨抵抗と前記リテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、前記ウェーハが受ける回転方向の研磨抵抗を算出する演算装置とが設けられていることを特徴とするウェーハ研磨装置。
  2. 表面に研磨パッドが貼付されたプラテンと、ウェーハの一面を保持して、前記研磨パッドに前記ウェーハの他面を当接させるウェーハ保持ヘッドと、該ウェーハ保持ヘッドを駆動することにより前記ウェーハの他面を研磨するヘッド駆動機構とを具備するウェーハ研磨装置を用いる研磨状態検出方法であって、
    前記ウェーハ保持ヘッドは、天板部と該天板部の外周下方に設けられた筒状の周壁部とからなるヘッド本体と、前記ヘッド本体内に張られたダイヤフラムと、該ダイヤフラムに固定されて前記ダイヤフラムとともにヘッド軸線方向に変位し、前記ウェーハの一面を保持する略円盤形状のサブキャリアとを具備し、
    該サブキャリアの下面には、凹部と、該凹部と外部とを仕切って流体室を形成する膜体とが設けられ、
    前記凹部には、前記流体室の内圧を調節し、該内圧を受けて前記膜体が前記ウェーハを前記研磨パッドへ押圧する押圧力を調節する圧力調整機構が接続され、
    前記サブキャリアには、その外周部分に、下端を前記サブキャリアの下面よりも突出させてリテーナリングが一体に設けられ、
    前記サブキャリアまたは前記リテーナリングのうちのいずれかの外周と、前記ヘッド本体内面には、前記ヘッド軸線を回転中心とした相対的な回転を規制するよう互いを係合させる係合部と、該係合部間に設けられてこれらの間に作用する回転方向の力を測定するセンサーとが設けられ、
    前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を下げて前記ウェーハの押圧を解除した状態での前記センサーの測定値から、演算装置によって前記リテーナリングが受ける回転方向の研磨抵抗を算出し、これによって前記研磨パッドの表面の状態を検出することを特徴とする研磨状態検出方法。
  3. 前記圧力調整機構によって前記流体室の内圧を上げて前記ウェーハを前記研磨パッドに押圧した状態での前記センサーの測定値から、前記演算装置によって前記サブキャリアに保持されるウェーハ及び前記リテーナリングが受ける回転方向の全研磨抵抗を算出し、前記全研磨抵抗と前記リテーナリングが受ける研磨抵抗との差から、前記演算装置によって前記ウェーハが受ける回転方向の研磨抵抗を算出することを特徴とする請求項記載の研磨状態検出方法。
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