JP4101230B2 - 液体貯蔵容器および記録装置 - Google Patents
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Description
このように、受光素子104に入射する光の量の差分に応じて、受光素子の出力信号レベルが変化し、そのレベルに基づきインクタンク101内におけるインク105の有無を検出することが可能となる。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態におけるインクタンクの初期状態を示す側断面図であり、図16は本実施例のインクタンクを搭載可能なインクジェット記録装置を示す斜視図である。
図1において、インクタンク200は、その外殻が略直方体形状をなす筐体201によって構成されている。筐体201内は、隔壁201aによってインク209を貯蔵するインク室204と、インクを含浸した吸収体を収容する吸収体室205とに画成されている。インク室204と吸収体室205とは隔壁201aの下端部に形成された連通孔201b互いに連通しており、インク室204内に貯蔵されたインクは、連通孔201bを介して吸収体室205へ供給される。また、隔壁201aの吸収体室205側の内面には、前記連通孔201bに連通する溝状の大気導入路201cが所定の長さで形成されている。
インクタンク200は、図16に示すような、所謂シリアル型のインクジェット記録装置301に用いられるヘッドカートリッジ401に着脱可能に装着され、ヘッドカートリッジ401はインクジェット記録301のキャリッジ302に装着される。
センサA311は、ガイドシャフト303に沿って走査を行うキャリッジ302が予め設定した所定の位置(例えばホームポジション)に停止したとき、キャリッジ302に搭載されたインクタンク200のプリズムA211と対向する部位に配置されている。このセンサA311には光(例えば赤外線)を発する発光素子(投光器)312と、光を受光することで所定の電圧を検出信号として発生する受光素子(受光器)313とが組み込まれている。
sinθAa=1.48/1.35×sin45°となり、
よって
θAa=51°
となる。すなわち、光は上記屈折角で屈折し(図3の一点鎖線矢印に示す)、インク中へ進入する。そのため、受光素子313への光路が形成されず、受光素子313には電圧が発生しない。このため、この受光素子313の出力電圧(出力信号)によってインクタンク200内のインクの存在を検出することができる。なお、この受光素子313からの出力信号は、インクジェット記録装置の制御部に送信され、その信号に基づき制御手段は、インクタンク200内にインクが存在するとの判断を下す。
スネルの法則に従い、
sinθBa=1.48/1×sin45°>1
となり全反射条件となる。すなわち面B1に進入した光は面B1にて全反射されてプリズムB221内を進み、プリズムB1を構成するもう一つの面である図3の面B2に進入する。このときの面B2に進入する光の入射角は45°であるため、進入した光は、面B2にてもう一度全反射され、タンク上外面(プリズムB221の第3面)に向かって外部空間へと戻る光路が形成される(図3の二点鎖線矢印にて示す)。戻った光は受光素子323で受光されるため、受光素子323には電圧が発生し、この受光素子323の出力電圧(出力信号)によってインクタンク200がキャリッジに搭載されているとの判断を下すことができる。なお、この受光素子323からの出力信号は、インクジェット記録装置の制御部に送信され、その信号に基づき制御手段は、インクタンク200が存在するとの判断を下す。
インクジェット記録装置301に装着されているヘッドカートリッジ401の記録ヘッドによってインクの吐出動作が行われると、まず、吸収体室205のインクが消費され、吸収室205内のインクと空気との界面(液面ともいう)が下降する。そして、吸収体室205の液面が大気導入路201cの上端を超える所定の位置まで消費されると、大気連通口202から導入された空気が大気導入路201cおよび連通路201bを通過してインク室204に導かれ、それと同時にインク室204内のインクが吸収体室205内に供給され、インク室204内のインク面は低下する。この吸収体室205およびインク室204内において、導入された空気と液体との入れ替わる動作を気液交換という。
また、この状態においても、プリズムB221には、図1の状態と同じく発光素子322から受光素子323への光路が形成されており(図3中、二点鎖線矢印にて示す)、引き続きインクタンク200が装着されているとの検出を行うことができる。
次にインクタンク200後方の上部を押し込むことで、第1嵌合爪207近傍を中心として、インクタンク200後方が回転動作する。この際、ラッチレバー206は変形しつつ、第2係合爪208が第2係合穴408に嵌合し、これによりインクタンク200が、ヘッドカートリッジ401に固定される(図4(c)の状態)。このとき、インクタンク200のインク供給口203がヘッドカートリッジ401のフィルタ405と接合されるため、記録ヘッド411へとインクを供給することが可能となる。
sinθ=1.48/1.003×sin2°となり、
よって、 θ=3°
となる。つまり、光は3°の屈折角でプリズム内を透過し、プリズムB221に形成される第1の界面に42°の入射角で到達する。ところで、ポリプロピレンと空気の界面では前述の屈折率とスネルの法則とから、臨界屈折角は42.5°であることが計算できる。従って、42.5°よりも入射角が大きい場合には光は全反射されることになる。
縦使用で用いる場合の初期状態を示す側断面図が図7である。
この縦使用において、インク室204は、吸収体室205の上方に位置し、前述の横使用において側面に相当する面がインク室の上面となり、隔壁201aがインク室204の底面となる。従って、プリズムA211は、インク室204の上面近傍に位置することとなり、プリズムB221は、インク室204の底面近傍に位置することとなる。
以上、インクタンクの各使用姿勢(横使用、縦使用)において、各センサからの出力によって判断し得る各インクタンクの状態をまとめると、表1に示すようになる。
なお、表1の受光素子からの出力において、プリズム内で形成された光路で光が受光素子に到達し、出力電圧が予め定めた閾値を超えたものをH、超えないものをLとしている。
図17において、コントローラ500は、種々の演算、判別、制御を行うCPU501、各種の制御動作を行うプログラムや所定のテーブルその他のデータを格納したROM503、記録データを展開する領域やCPU501による各種処理動作において使用する作業用の領域等を設けたRAM505等を有し、インクジェット記録装置全体の制御手段としての機能を備える。また、このコントローラ500には、記録データの供給源であるホストコンピュータ510がインターフェース(I/F)512を介して接続されており、このコントローラ500とホストコンピュータ510との間では、記録データや、コマンド、ステータス信号等の授受がインターフェース512を介して行われる。
また、センサ群530は、装置の各部の状態を検出するための各種センサからなる。例えばセンサA311,センサB321、あるいはキャリッジがホームポジションにあることを検出するホームポジションセンサ532、インクタンク内のインク残量を検出するために使用するインク残量検出手段としての前述のセンサA311およびB321等を有する。
図9は本発明の第2の実施形態におけるインクタンクの初期状態を示す側断面図である。
この第2の実施形態におけるインクタンク200の基本的な構成は、上記第1の実施形態におけるインクタンク200と同様であるが、2つのプリズム211A,221Bの配置が下記のように異なる。
図10はインク室204内のインクが消費され、プリズムA211を構成する面A1が空気に露出した状態を示す側断面図である。このときプリズムA211はプリズムB221と同じく、プリズムA211を構成する2つの面A1,A2が空気と接触するため、センサA311から発光した光は各面A1,A2で全反射されて受光素子313へ戻る光路が形成される。光を受けた受光素子313からはインクタンク200内のインクが存在しないことを表す信号(低電圧の信号)が出力される。
図14は本発明の第3の実施形態におけるインクタンクの初期状態を示す側断面図である。インクタンク200の筐体およびその内部の構成は、第2の実施形態におけるインクタンクと同様であるが、プリズムA211が、横使用状態においてインク室204の底面から下方へ突出する位置に設けられたものとなっている。この構成により、インクタンクの横使用における横方向全長を短くすることができる。本構成においても第1の実施形態および第2の実施形態に示したインクタンクと等価な機能を実現することが可能である。
図15は本発明の第4の実施形態におけるインクタンクの初期状態を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は後方断面図である。この第4の実施形態におけるインクタンク200は基本的には、第1の実施形態におけるインクタンクと略同様であるが、プリズムA211およびプリズムB221を構成する2つの面A1,A2およびB1,B2の交わる稜線が、キャリッジの移動方向に対してそれぞれ直交する方向に配置されている点が異なる。すなわち各プリズムA211,B221の方向が第1の実施形態に対して90°回転した方向で構成されている。センサの向きをプリズムの向きと対応させ90°回転させることで、本構成においても第1の実施形態における構成と等価な機能を実現することが可能である。この第4の実施形態と第1の実施形態とを、センサの配置方向に応じて選択することが可能になる。
上記各実施形態では、液体貯蔵容器(インクタンク)として、液体を貯蔵するインク室と吸収体室とを持つものを挙げたが、本発明は、インク室のみで構成される液体貯蔵容器(インクタンク)にも適用可能である。
211 プリズムA
A1 第1の面
A2 第2の面
A3 第3の面
221 プリズムB
B1 第1の面
B2 第2の面
B3 第3の面
311 センサA
321 センサB
312 発光素子
313 受光素子
209 インク
202 大気連通口
203 インク供給口
204 インク室
205 吸収体室
301 インクジェット記録装置
302 キャリッジ
Claims (7)
- 液体を容器外に供給する供給口を備えるとともに、前記液体を直接貯蔵する液体貯蔵室を備えた液体貯蔵容器において、
前記液体貯蔵室の内面に面した側面を少なくとも1面有するプリズムを少なくとも2つ備えて構成され、
前記液体貯蔵容器は、前記供給口が重力方向下向きに配される使用姿勢と、前記供給口が重力方向側方向きに配される使用姿勢の少なくとも2つの姿勢で使用可能であり、
前記液体貯蔵容器の姿勢がいずれの使用姿勢であっても、前記少なくとも2つのプリズムのうち、1つは重力方向に関し前記液体貯蔵容器の上方に、別の1つは重力方向に関し前記液体貯蔵室の下方に位置するように前記液体貯蔵室内に配されていることを特徴とする液体貯蔵容器。 - 前記液体貯蔵容器の使用姿勢で重力方向に関し上方に配置されるプリズムが前記液体貯蔵容器の有無または所定の姿勢に設定されたか否かの検出に使用され、重力方向に関し下方に配置されるプリズムが前記液体貯蔵室内の液体の残量の検出に使用されることを特徴とする請求項1に記載の液体貯蔵容器。
- 前記プリズムは、プリズムを構成する界面の2面がともに前記液体貯蔵室の内方に臨んで、且つ突出して配されていることを特徴とする請求項1に記載の液体貯蔵容器。
- 前記プリズムは、プリズムを構成する界面の1面が前記液体貯蔵室の内面に臨んで、且つ前記液体貯蔵室の内面と同一平面に配されていることを特徴とする請求項1に記載の液体貯蔵容器。
- 前記液体貯蔵容器は、記録装置に用いられる記録ヘッドに設けられる保持体に対し着脱可能に装着されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体貯蔵容器。
- 前記液体貯蔵容器は、記録装置に用いられる記録ヘッドに供給する液体を貯蔵していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体貯蔵容器。
- 液体を貯蔵する液体貯蔵室を有する液体貯蔵容器を保持しつつ、複数の使用姿勢での記録を可能とする記録装置において、
前記記録装置に搭載される前記液体貯蔵容器は、前記液体貯蔵室の内面に面した側面を少なくとも1面有するプリズムを少なくとも2つ備え、前記液体貯蔵容器がいずれの使用姿勢であっても、前記少なくとも2つのプリズムのうち、1つは重力方向に関し前記液体貯蔵容器の上方に、別の1つは重力方向に関し前記液体貯蔵室の下方に位置するように前記液体貯蔵室内に配されて構成されており、
前記プリズムに対して所定の入射角度で光を照射する発光素子と、所定の反射角度で反射された光を受光して所定の検出信号を出力する受光素子と、を有する組を前記複数のプリズムに対応して複数備えており、前記使用姿勢に応じて前記発光素子と受光素子の組は、液体残量有無検出手段と液体貯蔵容器装着検出手段のいずれかとして機能することを特徴とする記録装置。
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