JP4101137B2 - 操作用ワイヤロープと、操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置 - Google Patents

操作用ワイヤロープと、操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置 Download PDF

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Description

本発明は、押し・引き・回転等の機械的操作力の伝達用機械的要素の操作用ワイヤロープと、それを用いて成る「自動車用コントロールケーブル装置・建物窓の開閉装置」等の操作装置に関するものである。
自動車コントロールケーブル装置・建物窓の開閉装置等の操作力伝達用機械的要素の操作用ワイヤロープは、金属素線群を撚合構成したロープ形態にして「直曲形状の導管・巻掛け車・案内ピン等のガイド部材」によって直曲自在形状に配索装着され、一端の押し・引き・回転の操作力を他端に伝達する遠隔操作用の機械要素として機能する。
従って、一端の押し・引き・回転の操作力のワンストローク毎に、該ガイド部材によって、小なる曲率半径に曲げ配索された部位が曲直変形を高頻度に反復するので、ワイヤロープの外周に通常のグリースを塗布して、曲げ変形と曲げ変形からの復元時の素線間摩擦およびガイド部材との摩擦による操作力伝達機能の低下を防止して「良好な操作力伝達性と応分の耐久性」を確保する構造が一般的である。
そして、特許文献1には、使用温度領域が−40℃の超低温ゾーンでも前記素線間摩擦・ガイド部材との摩擦を良好に確保する手段として、素線間およびガイド部材との間に「シリコーン系潤滑剤」を施す形態のものが示されている。
特開平6−300032号公報
前記背景技術の操作用ワイヤロープは、素線群の撚合加工後に「使用状態の軟質の潤滑剤(グリース)をワイヤロープ外表面に塗布」させたに過ぎないので、ワイヤロープの横断面中心方向の素線間間隙への潤滑剤の含浸付与が殆どなく、素線間摩擦性・屈曲性・耐久性に改良すべき難点がある。そして、これに用いる潤滑剤の鉱油系潤滑剤は潤滑性能に優れるが低温特性に劣り、シリコーン系潤滑剤は低温特性に優れるが油膜切れを生じ易いので潤滑性能に劣り、操作用ワイヤロープの用途に応じて、このいずれか一方の潤滑剤を選択使用するので低温特性と高潤滑性の両性能を満たすための改良すべき技術課題がある。本発明は、以上の背景技術の難点を解消し、高性能潤滑性を有する高品質の操作用ワイヤロープと、それを用いて成る操作装置を提供するものである。
以上の課題を解決する本発明は「素線群を撚合構成して該素線間に潤滑剤を含浸させた操作用ワイヤロープにおいて、該潤滑剤が、鉱油または合成油の基油と複合石鹸の増ちょう剤と揮発性の希釈溶剤の混成から成り、前記含浸時の液状化流動状態から使用時の軟質状態への相転移を可能に構成したことを特徴とする操作用ワイヤロープ」と
「前記の本発明の操作用ワイヤロープを用いる操作装置」と、「操作用ワイヤロープがガイド部材を介して配設された操作装置において、該操作用ワイヤロープが、段落0007に記載の操作用ワイヤロープにして、該操作用ワイヤロープの外周に、前記素線間潤滑剤と非相溶性のシリコーン系またはふっ素系の表面潤滑剤を施した二層潤滑形態に構成したことを特徴とする操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置」の3発明から成り、そのうちの本段落に示す前記二層潤滑形態のものを「特許請求の範囲」とするものである。
即ち、前記構成の本発明の操作用ワイヤロープは、素線間に含浸させる潤滑剤を意図的に流動状態にして該素線間への浸透含浸をし易くして、均一充分な潤滑剤の浸透含浸を図り、その浸透含浸後に自然乾燥または強制乾燥によって含有している揮発溶剤を空中放散させて、流動状態で含浸している潤滑剤を、グリース状の軟質状態に相転移させて使用状態のワイヤロープに、極めて良好な素線間潤滑機能を付与維持させる思想を特徴とするものである。
そして、前記構成の本発明の「操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置」は前記本発明の素線間潤滑剤含浸の操作用ワイヤロープのロープ内潤滑構成と、その素線間潤滑剤と非相溶性のロープ表面潤滑剤の2層潤滑形態にすることによって、その2層形態潤滑剤の相互補完作用を利用して操作用ワイヤロープを用いる操作システム全体の潤滑機能の一段の向上と安定を図る思想を特徴とするものである。
なお、素線間へ含浸させる前記潤滑剤と非相溶性の「ふっ素またはシリコーン系」の前記表面潤滑剤とは、基油の「フッ素油」に「ポリテトラフルオロエチレン等のふっ素樹脂」の増ちょう剤を混合したふっ素グリースと、基油の「シリコーン油または変性シリコーン油」に「ポリテトラフルオロエチレン・二硫化モリブデン」等の増ちょう剤を混合したシリコーングリースを意味する。
そして、以上の特有技術思想による作用効果の一段の向上を図る技術意図から、前記本発明の操作用ワイヤロープは「ストランド群の平行撚り形態・ウオリントン撚り形態やオーステナイト系ステンレスの素線材質限定、或はオイルテンパー線の芯線の外周に細線を撚合した構成等のプッシュ・プル形態」等の態様を必要に応じて採択し、前記本発明の操作装置は「ガイド部材を介して配索するコントロールケーブルシステム、または建物の窓開閉装置」等の具体的構成形態にする。
前記構成の本発明の操作用ワイヤロープは、素線間間隙へ含浸させる潤滑剤が、希釈溶剤によって希釈液状化されているので、素線間間隙への潤滑剤含浸処理時に、微細な素線間間隙へ極めて活発に含浸浸透作用する。
即ち(図3参照)撚合されたワイヤロープの素線間の潤滑剤移動は、伸線によって鏡面化された金属素線の「ぬれ性(固体表面への液滴の付着性)」に依存するので、液状化された潤滑剤LAは素線3表面への接触角θ1が、背景技術の軟質状態の潤滑剤LBの接触角θ2より特段に小となり、素線3表面へ活発に拡散付着してワイヤロープ横断面の中心方向の間隙へ活発に浸透含浸する。
そして、その潤滑剤の浸透含浸状態において前記の相転移処理を施すと、揮発分が素線間間隙を通してワイヤロープ外周から空中放散して粘度が向上して通常のグリース状となり、素線間潤滑剤として有効に機能する。
さらに、潤滑剤が希釈溶剤を含有するので下記の特有の作用効果がある。即ち、素線撚合加工時に撚合機の金属部分の強圧接触によって生ずる微細金属粉や微細塵埃・水分等の微細異物が素線間に浸入滞留して潤滑剤の油膜破壊・酸化劣化・硬化をもたらす不具合が存在するものの、これ等微細異物が流動状態の潤滑剤に含まれれる希釈溶剤と共に外部へ放散・放出され、この不具合現象を防止して潤滑剤の性状を良好に安定する。
さらに、増ちょう剤として複合石鹸を用いるので「高荷重・衝撃荷重に耐え得ると共に、防錆力を特段に高める」特有の作用効果がある。即ち、複合石鹸の増ちょう剤は、低分子量脂肪酸と高分子量脂肪酸のそれぞれの金属塩基、または、金属石けんの複合によりできた「カルシウムスルフォネートコンプレックス」であり、これが、三次元網目構造体であることと、分子イオン結合作用と双極子作用による相互引力が強く、さらに、この潤滑剤中には「コロイドまたは極めて微細な方解石として炭酸カルシウム」が存在することにより、高荷重・衝撃荷重を受けたとき各素線間での劈開作用による応力分散作用を生じ高荷重・衝撃荷重に良く耐えることができる。
さらに補足すれば、各素線線接触して面圧を低くさせる平行撚り形態・ウオリントン撚り形態のロープと、前記潤滑剤の劈開作用との併用により、より高荷重・衝撃荷重に耐えることができる。
そして、防錆効果については、塩水噴霧試験(さび止め油JISK2246)の結果、約7倍の防錆性能を有し、500時間経過後であっても発錆が見られなかった。これは複合石鹸の双極子作用と素線の鏡面表面との相乗効果によってファン・デル・ワールス力を高め金属表面との油膜吸着力を増大したことによる特有の作用によって防錆効果が極めて高くなる結果と推考される。
一方、前記2層潤滑剤形態の本発明の操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置は、ワイヤロープの内部が前記本発明の「揮発溶剤を含有して相転移可能の潤滑剤形態」にして、かつ、ガイド部材と摺接相対移動するワイヤロープ外周が「該ロープ内部の潤滑剤と非相溶性の「シリコーン油・変性シリコーン油・ふっ素油」を基油とするシリコーングリース・ふっ素グリースを用い、低温潤滑性能に優れたロープ表面潤滑剤形態」となる。
従って、この異質2層の潤滑剤は、非相溶性であることから異質2層の潤滑剤として個個に機能すると共に下記の相互補完作用をする。即ち、素線間潤滑剤は「各素線表面に強固な油膜を形成して潤滑性を高めて高荷重・衝撃荷重に耐え得る作用」を成し、一方、表面潤滑剤は含有成分によって「潤滑剤の低温固化による潤滑性能低下と,それによるワイヤロープの摺動性低下を防止作用する」と共に、その表面潤滑剤は含有成分(シリコーン)による良好な耐水性・撥水性を有するので,鉱油系の素線間潤滑剤の酸化を防止し,操作用ワイヤロープシステムの摺動作動性を良好に安定維持することができる。以上の特有の作用効果がある。
図1・図2を参照して本発明の操作用ワイヤロープの好ましい実施形態態を説明する。即ち(図1参照)、本発明の操作用ワイヤロープWは、素線3を撚合した芯ストランド1(図示のものは1×7の撚り形態)に「7本の素線3を撚合した1×7の6本の側ストランド2」から成る複撚り形態のワイヤロープWにおいて、横断面に多数存在するワイヤロープWの内部の素線間空隙に下記に詳述する潤滑剤Lが充分に含浸浸透され、この潤滑剤LがワイヤロープWのロープ内潤滑剤として機能するように構成されている。
詳しくは潤滑剤Lは、鉱油(好ましくは精製鉱油)または「ポリαオレフィン、ジエステル、ポリオールエステルの合成油」の基油と、「金属石鹸系またはカルシウムスルフォネートコンプレックスの複合型石鹸系の増ちょう剤」を添加混合した軟質状態(ちょう度:310〜340)の潤滑剤主部に「n−ヘキサン、フロン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、ストッダード溶剤等の揮発性の希釈溶剤」を混合して流動状態にした成分・形態にして下記の含浸手段によってワイヤロープWのロープ内部の素線間間隙に含浸浸透されている。
即ち(図1(B)参照)素線3または撚合集成する側ストランド2・芯ストランド1を撚合加工機5のプレフォーム装置とボイス7を強制通過させて、ストランド1・2およびワイヤロープWを撚合形成するとき、「該プレフォーム装置とボイス7を通過して撚合加工されたストランド1・2およびワイヤロープW」を、前記流動状態の潤滑剤Lを充填した潤滑剤槽6内を通過させることによって、それ等の素線3間の間隙に毛細管現象によって含浸浸透させる。
なお、図中の8は撚合集成したワイヤロープW等に伸直性を付与する矯正ストレーナー部であり、この矯正ストレーナー部8を通過したワイヤロープWは、ボイス7による強圧圧縮から解放されて引き出し引張り力のみの外力負荷状態となるので、強制撚合された素線3は個個に若干弾性復元して微小線間間隙を生ずるので、流動状態の潤滑剤Lが毛細管現象によって、ロープ外周からロープ中心の方向へ活発に含浸浸透作用する。
そして、以上の成形加工後に「自然乾燥または加温処理(約80℃×約30分)」して、前記含浸浸透状態の潤滑剤Lの含有揮発分を強制空中放散させて前記潤滑剤主部に相転移させて軟質状態に復元処理し、使用可能形態のワイヤロープWに仕上げ処理する。
なお、前記潤滑剤主部と揮発溶剤の混合割合は「1:9〜1:5(重量比)」、基油と増ちょう剤の混合割合は「85(基油):15(増ちょう剤)」が好ましく、図(A)に例示するワイヤロープWは、素線3がステンレス線のうち「伸線加工による加工硬化性と表面鏡面状を示す」オーステナイト系ステンレス材であり、芯ストランド1・側ストランド2が相互逆方向に撚合された普通撚り構成に設定されている。
続いて図2を参照して他の撚り形態の本発明のワイヤロープWを説明する。即ち、図2(A)は芯ストランド1の素線3の19本がウオリントン撚り構成にして側ストランド2は通常の7本撚り構成を8本撚り合せた形態、図2(B)はストランド1・2のいずれもがウオリントン撚り形態であり、このいずれのワイヤロープWとも潤滑剤Lが滲透含浸されている。
以上の図1・図2実施例のワイヤロープWは前記の主たる作用効果を奏すると共に、素線3の前記材質限定とストランド群の前記平行撚り構成・ウオリントン撚り構成によって下記の従たる作用効果がある。即ち、平行撚り構成・ウオリントン撚り構成のワイヤロープは接合素線が線接触形態にして素線間空隙が少く、かつ凹条溝を形成しているため、毛細管現象と凹条溝による液体搬送作用があり、潤滑剤Lの浸透含浸性が極めて良くなる。そして、素線材質がオーステナイト系ステンレス材であることから「素線の冷間加工時に加工誘起変態して磁性を帯びて発錆し易くなる不良現象・すきま腐食・もらい錆による発錆現象」を抑止することができる。
続いて、図4を参照して本発明の二層潤滑形態の操作用ワイヤロープWを用いて成る操作装置の形態を説明する。即ち、金属線コイル体20の内周に樹脂質のインナーチューブ21を内装貫挿して外周に樹脂被覆22を備えた導管Gに操作用ワイヤロープを貫挿装着し、屈曲形態にした導管Gの内周にワイヤロープ外周を摺接させてプル操作またはプッシュ・プル操作するコントロールケーブルCにおいて、この操作用ロープが前記実施例の前記潤滑剤Lを滲透含浸させた操作用ワイヤロープWにして、さらに、このワイヤロープWの外周には「シリコーン油またはふっ素油」を基油と成し、かつ、潤滑剤Lと非相溶性の表面潤滑剤FLが外周の側ストランド2間の外周凹条部9を埋め込むと共にロープ外周に一様層状に塗布されており、前記潤滑剤Lと表面潤滑剤FLから成る二層潤滑形態に構成されている(なお表面潤滑剤FLは、潤滑剤Lの揮発成分の空中放散後に塗布される)。
なお、本発明におけるガイド部材Gとは、図4に示す導管の他、操作用ワイヤロープWを巻掛けるローラー・プーリー車等の可動部材や同じく巻掛けて摺動案内する固定案内ピン等を含む総ての摺動作動案内体を包含する。
以上の二層潤滑形態の操作用ワイヤロープは、作動時にガイド部材Gによって曲直変形を反復して強圧接触摺動するロープ外周部に表面潤滑剤FLが存在すると共に、その屈曲反復によって強い素線間摩擦を生ずるワイヤ内部に潤滑剤Lが存在するので、前記の作用効果を極めて有効に奏することができる。
詳しくは、公知の鉱油系潤滑剤は潤滑性能は高いが、低温時に「鉱油中に含まれる微量パラフィンによる固化」を生じて操作用ワイヤロープと導管Gとの間に塊状となって介在して相互固着による摺動不良をもたらす低温不良特性があり、シリコーン系潤滑剤は潤滑性に劣るものの低温特性に優れる特性がある。かかるケースにおいて、図4実施形態のワイヤロープWは、前記構成成分の「揮発性溶剤で希釈された潤滑剤L」が素線3間に含浸内在しており、この潤滑剤Lは素線3表面に強固な油膜を形成し、この油膜は極薄膜にしてパラフィンの固化の影響が無視できる。そして、このワイヤロープWと導管Gとの間には低温特性に優れる表面潤滑剤FLの潤滑剤層が存在し、この異質の潤滑剤Lと表面潤滑剤FLが、ワイヤロープWとして高荷重伝達・耐衝撃部位として機能するワイヤロープの本体内部と、ワイヤロープWの耐寒性能と導管Gとの摺動性を良好に確保すべきロープ外周に二層形態を成して存在するので、それぞれの固有潤滑剤性能の補完によってワイヤロープ機能を良好に安定確保する。
図5を参照してロープ内部の潤滑剤Lを有する本発明1実施例の高窓開閉装置10を説明する。即ち、建物高所の窓戸11を操作用ワイヤロープを介して建物下部の操作部12のハンドル13の回転で開閉操作する高窓開閉装置10において、操作部12と窓戸11間が段落0007に示す操作用ワイヤロープW(オーステナイト系ステンレス材・平行撚り・ウオリントン撚り)によって連結されている。
この実施例の高窓開閉装置10は、下記の特有作用がある。即ち、操作部12内のワイヤ巻取装置の急激な窓開放時の遠心力等による潤滑剤Lの飛散が無く、また外気にされされるワイヤロープWの酸化劣化や大気中塵埃の付着汚損がなく、その上、平行撚り形態・ウオリントン撚り形態であることから、窓開閉の衝撃にも耐えて「素線が破断してヒゲ状となる不良」がなく操作ロープ性能が安定する。
即ち、以上の特有作用は「平行撚り・ウオリントン撚り」構成にすることによって、素線間空隙を少くすることにより引張り破断強度を向上させると共に、衝撃荷重時に、各素線表面の潤滑剤Lによる油膜形成によって線接触隣接線が瞬時に滑り移動して、ロープ全体の「撚りムラ」等を無くして均質化され、過大負荷応力を分散させる作用メカニズムに基づくものと推考される。
図6を参照して本発明の二層潤滑形態の操作用ワイヤロープWを用いて成る操作装置の実施例を説明する。即ち、ミッション部20とミッション操作部21の間に「導管Gにプッシュ・プル形態の操作用ワイヤロープ17(オイルテンパー線の芯線18に亜鉛メッキ線19を配設して撚合したワイヤロープ)」を装着した自動車用トランスミッションコントロールケーブルシステム15において、この操作用ワイヤロープ17が本発明の二層潤滑形態のワイヤロープWを採択している。この実施例のものは以下の特有作用がある。
即ち、このトランスミッションコントロールケーブルシステム15は、オイルテンパー線の芯線18が約900℃の熱処理の影響を受け「表面脱炭・炉床とのこすれ傷」等によって発錆が早く、また、亜鉛メッキ線19とのこすれ摩耗等によって耐食性が著しく低下する定性がある。しかし、この定性不良を前記二層潤滑形態の特有作用によって、低温時の摺動特性・曲げ疲労特性・防錆力の飛躍的向上を図ることができる。
一方、図7は特許文献1に示される「導管Gにコントロールケーブルを貫挿してドアボックス内に装着して押し引き操作する自動車のケーブル式ウインドレギュレーター25」のコントロールケーブルとして本発明の二層潤滑形態の操作用ワイヤロープWを用いた実施例が示してある。
公知のウインドレギュレータ用ワイヤロープは、一般に、亜鉛、又は、亜鉛・錫のダブルメッキした硬鋼線が用いられ、亜鉛メッキどうしの摩擦係数は極めて高く、これによりメッキ剥がれを起し易く、又、ドアパネル内は雨天時、高湿度環境下となって発錆し易く、また、導管Gとワイヤロープの間に介在する潤滑剤の低温固化による摺動不良を発生し易い。かかる場合において、鋼−鋼間の境界摩擦領域では、原則どおり潤滑特性に優れる鉱油系潤滑油を用い、かつ、各素線間へ充填させることにより、異物混入を防ぎ、さらに、表面潤滑剤として低温特性に優れるシリコーン系潤滑剤との潤滑剤二層形態とすることにより、各潤滑剤機能を相互補完し、これによりウインドレギュレーター機能をより一層高めることができる。
以上の図6実施例等の本発明のワイヤロープWを用いる形態は「亜鉛メッキ硬鋼線の操作用ワイヤロープを用いる自動車用操作装置」のパーキングブレーキケーブル、トランクオープナーケーブル、スライドドアロック用コントロールケーブルに広く準用適用して、例えばパーキングブレーキケーブルに塗布した液状潤滑剤が自重落下してブレーキシューに付着してブレーキ制動不良を誘発する等の従来の不具合を解消し、それぞれの機能のさらなる向上安定を図ることができる。
本発明の操作用ワイヤロープと、それを用いて成る操作装置は、前記例示の実施例のみではなく、ワイヤロープの一端の押し・引き・回転の機械的操作力を他端に伝達する機械的要素として広く応用可能にして、図示しないがその他一般機器に多く存在する遠隔操作用機械力伝達手段として広く応用するものである。そして、ワイヤロープの撚り構成は前記例示のみではなく「単撚り・複撚り・太い芯線に単線または複撚り線を撚回した構成」等の総ての撚り構成が対象となる。
本発明の操作用ワイヤロープの基本形態を示し、(A)はその断面拡大図、(B)は潤滑剤の浸透含浸手段の説明図 本発明の操作用ワイヤロープの実施例を示し、(A)(B)ともその断面拡大図 図1・図2実施形態の操作用ワイヤロープの作用説明図 本発明の二層潤滑形態の操作用ワイヤロープの基本形態を示し、(A)はその構造説明の正面図、(B)はその横断面図 本発明の操作用ワイヤロープを用いた操作装置の実施例の説明図 本発明の操作用ワイヤロープを用いた操作装置の実施例を示し、(A)のその概念図、(B)は部分拡大図 本発明の操作用ワイヤロープを用いた操作装置の実施例の説明図
符号の説明
1 芯ストランド
2 側ストランド
3 素線
5 撚合加工機
6 潤滑剤槽
7 ボイス
9 外周凹状溝
10 高窓開閉装置
15 トランスミッションコントロールケーブルシステム
20 ケーブル式ウインドレギュレーター
C コントロールケーブル
L 潤滑剤
FL 外周潤滑剤
W 本発明の操作用ワイヤロープ

Claims (7)

  1. 操作用ワイヤロープがガイド部材を介して配設させた操作装置において、前記操作用ワイヤロープが素線群を撚合構成して素線間に潤滑剤を含浸させ、前記潤滑剤が鉱油または合成油の基油と複合石鹸の増ちょう剤と揮発性の希釈溶剤の混成から成り、前記含浸時の液状化流動状態から使用時の軟質状態への相転移を可能にした構成とし、前記操作用ワイヤロープの外周に、前記素線間潤滑剤と非相溶性のシリコーン系またはふっ素系の表面潤滑剤を施した二層潤滑形態に構成したことを特徴とする操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置。
  2. 増ちょう剤の複合石鹸が、カルシウム スルフォネート コンプレックスの操作用ワイヤロープを用いて成る請求項1記載の操作装置。
  3. 操作用ワイヤロープストランド群のうち少なくとも1つのストランドが平行撚り、またはウォリントン撚り構造の操作用ワイヤロープから成る請求項1記載の操作装置。
  4. 素線材質がオーステナイト系ステンレス鋼線の操作用ワイヤロープから成る請求項1記載の操作装置。
  5. 押し・引き操作自在のプッシュ・プル形態の操作用ワイヤロープから成る請求項1記載の操作装置。
  6. オイルテンパー線の芯線の外周に細線を撚合した操作用ワイヤロープから成る請求項5記載の操作装置。
  7. 操作装置が導管のガイド部材に操作用ワイヤロープを挿入して成るコントロールケーブルシステム、または建物の窓開閉装置である請求項1〜6のいずれかに記載の操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置。
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