JP2003292270A - エレベータの駆動機構 - Google Patents

エレベータの駆動機構

Info

Publication number
JP2003292270A
JP2003292270A JP2002095000A JP2002095000A JP2003292270A JP 2003292270 A JP2003292270 A JP 2003292270A JP 2002095000 A JP2002095000 A JP 2002095000A JP 2002095000 A JP2002095000 A JP 2002095000A JP 2003292270 A JP2003292270 A JP 2003292270A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
main rope
strand
elevator
core steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002095000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4073232B2 (ja
Inventor
Akira Osada
田 朗 長
Akinori Nagata
田 晃 則 永
Toshiaki Nakagawa
川 俊 明 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Elevator and Building Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Elevator Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Elevator Co Ltd filed Critical Toshiba Elevator Co Ltd
Priority to JP2002095000A priority Critical patent/JP4073232B2/ja
Publication of JP2003292270A publication Critical patent/JP2003292270A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4073232B2 publication Critical patent/JP4073232B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/14Ropes or cables with incorporated auxiliary elements, e.g. for marking, extending throughout the length of the rope or cable
    • D07B1/141Ropes or cables with incorporated auxiliary elements, e.g. for marking, extending throughout the length of the rope or cable comprising liquid, pasty or powder agents, e.g. lubricants or anti-corrosive oils or greases
    • D07B1/144Ropes or cables with incorporated auxiliary elements, e.g. for marking, extending throughout the length of the rope or cable comprising liquid, pasty or powder agents, e.g. lubricants or anti-corrosive oils or greases for cables or cable components built-up from metal wires
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/10Rope or cable structures
    • D07B2201/1028Rope or cable structures characterised by the number of strands
    • D07B2201/1036Rope or cable structures characterised by the number of strands nine or more strands respectively forming multiple layers
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2015Strands
    • D07B2201/2036Strands characterised by the use of different wires or filaments
    • D07B2201/2037Strands characterised by the use of different wires or filaments regarding the dimension of the wires or filaments
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2047Cores
    • D07B2201/2052Cores characterised by their structure
    • D07B2201/2059Cores characterised by their structure comprising wires
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2201/00Ropes or cables
    • D07B2201/20Rope or cable components
    • D07B2201/2047Cores
    • D07B2201/2052Cores characterised by their structure
    • D07B2201/2059Cores characterised by their structure comprising wires
    • D07B2201/2061Cores characterised by their structure comprising wires resulting in a twisted structure
    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B2501/00Application field
    • D07B2501/20Application field related to ropes or cables
    • D07B2501/2007Elevators

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トラクション性能および主ロープの素線を向
上させ、かつエレベータの省スペース化を図ることがで
きるエレベータの駆動機構を提供すること。 【解決手段】 エレベータの駆動機構は、エレベータの
乗りかご1とつり合いおもりとを連結する主ロープ15
と、主ロープ15が係合する外周溝14aを有するトラ
クションシーブ14と、トラクションシーブ14を駆動
する巻上機3とを備えている。主ロープ15は鋼線11
aからなる芯鋼11と、鋼線12aからなる複数のスト
ランド12とを有している。芯鋼11は芯鋼油を含み、
この芯鋼油はストランド12のストランド油と異なる性
状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住居ビル、事務所
ビル等に設置されるエレベータの駆動機構に係り、とり
わけ乗りかごとつり合いおもりとを連結する主ロープを
有するエレベータの駆動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりエレベータの乗りかごとつり合
いおもりとを連結する主ロープと、主ロープが係合する
とともに巻上機により駆動されるトラクションシーブと
を備えたつるべ式エレベータの駆動機構が知られてい
る。
【0003】主ロープの乗りかご側張力Tとつり合い
おもり側張力Tとの差がトラクションシーブと主ロー
プとの間に生ずる摩擦力と釣り合っており、一般には次
式で表される関係にある。
【0004】
【数1】 上式において、左辺が乗りかご側張力Tとつり合いお
もり側張力Tとの比、いわゆるトラクション比であ
り、右辺のμは主ロープとトラクションシーブとの摩擦
係数、θは主ロープがトラクションシーブに巻きかかる
角度である。
【0005】また図7、図8にエレベータに用いられる
主ロープ5の断面構造の一例としてシール形構造を示
す。図7において、主ロープ5は芯鋼6と、芯鋼6を囲
むように配置された複数のストランド7とを有し、各ス
トランド7は複数の素線8を撚って形成されている。芯
鋼6については麻、ポリプロピレン等の複数の繊維芯9
を有しているが、図8にようにストランド7と同程度の
強度を有する複数の鋼線8を有しているものが、海外の
超高層ビル等に用いられている。図7および図8に示す
主ロープ5には、素線8、繊維芯9の他、0.5〜3重
量%程度のロープ油が素線8および繊維芯9同士の接触
による摩耗を防ぐために含まれている。
【0006】つるべ式エレベータのように、トラクショ
ンシーブの摩擦によって巻上機からの動力を主ロープ5
に伝えて装置を駆動する機構については、主ロープ5と
シーブとの組合せに対して、耐曲げ疲労性、トラクショ
ン性能、耐摩耗性が要求される。
【0007】主ロープ5の曲げ疲労による劣化は、繰返
し応力により生じ、摩耗による素線破断として表われ
る。一般に主ロープ5の劣化はシーブ径Dとロープ径d
との比であるD/d比、主ロープ5の張力、シーブの溝
形状の他、主ロープ構造等に依存する。素線8に生ずる
概略の曲げ応力σは縦弾性係数をE、素線径をδとする
と、
【数2】 となり、D/d比が大きいほうが主ロープ5への負荷が
小さく主ロープ5の寿命は長い。
【0008】主ロープ5の張力が主ロープの素線に平均
してかかるとすると、シーブと素線8との間の接触応力
として作用するため張力は小さいほうが寿命は長い。シ
ーブの溝の形状は接触面圧に関係しており、接触面積が
大きい形状のほうがストランド7の表層素線8の摩耗が
減り、主ロープ5の有効断面積を維持できるため、結果
的に疲労寿命も延びる。
【0009】トラクション性能確保については、広く用
いられている方法としては、トラクションシーブの溝に
アンダーカットを施したり、シーブの溝形状をV型にし
て主ロープ5との接触面圧を高め、高トラクション化を
図るものがある。しかしながら、この場合、主ロープお
よびシーブへの負担も高くなり、摩耗が増えることによ
って前述のように疲労寿命が低下する傾向にある。
【0010】高トラクションを得る別な方法としては、
ゴム、樹脂、皮革材料等からなる高摩擦係数のライニン
グをシーブの溝に設けることも考えられている。
【0011】図9に一例としてトラクションシーブ4の
溝に高分子ライニング10を設けた構成を示す。この方
法の利点は、トラクションシーブ4の摩耗がライニング
10側に集中するため、主ロープ5の寿命が長くなるこ
とである。この場合、メンテナンスは主としてライニン
グ10の交換のみとなり、主ロープ5の交換頻度が少な
くなる。このため、鉱山用エレベータ等、行程が非常に
高いエレベータでは、適当なライニングの使用によりメ
ンテナンスコストの低減が図られている。
【0012】エレベータの駆動機構において、上述の如
く主ロープ5の耐疲労性能、トラクション性能、耐摩耗
性能は互いに深く影響しあい、それぞれの要求をバラン
スよく満たすことがシステム構成上重要である。
【0013】近年、住宅向けのエレベータについては、
省スペース化への要求が厳しく、傾向として昇降路に巻
上機を収納した機械室レス構造が増えている。機械室レ
ス構造のエレベータにおいて、省スペース化を図るに
は、トラクションシーブを含む駆動系を極限的に小型化
することがポイントである。しかしながらトラクション
シーブの小型化を図ると、前述のように主ロープの曲げ
疲労寿命を低下させるため、建築基準法ではD/d比を
40以上確保することを義務付けている。
【0014】D/d比を40とし、かつシーブ径を削減
するには、主ロープ径も同時に減らす必要がある。しか
しながら所定の引張り強度を満足するために、主ロープ
5の本数を増やしたり、あるいは素線材料の破断強度を
向上させる必要がある。この場合、主ロープ5の本数を
増やしてしまうと、本来の目的である省スペース化に反
するほか、据付けやメンテナンス工数も増すため、強度
確保には材料強度向上が望ましい。しかしながら主ロー
プ5の素線径の減少を図り破断強度を向上させると、主
ロープ5の張力が増加し、主ロープ5とシーブ4との間
の接触面圧が過大になり、主ロープ5の摩耗が増え疲労
・摩耗寿命が低下する問題がある。このような高強度の
主ロープ5においても、前述したような高分子材料等か
らなるライニングをトラクションシーブ4の溝の表面に
設けることは、主ロープ5の延命のためには有効であ
る。この場合、シーブ4の溝との接触面においても、主
ロープ5の摩耗はほとんどなくなり、大幅に寿命が延長
する。
【0015】ところで、主ロープ5に接触するライニン
グ10をシーブ4に設けると、以下のような問題が生じ
る。
【0016】ライニング材料については、高摩擦係数と
耐摩耗性が必要であり、広く用いられている材料ではポ
リウレタンやフッ素ゴム等の高強度ゴムの性能が比較的
優れている。ところでゴムの摩擦機構については、一般
に個体と同様摩擦力Fはせん断摩擦Fsと変形摩擦Fp
にわかれ、次式で表される。
【0017】
【数3】 (1)式において、せん断摩擦Fsは摩擦材料間の結合
を切る力である。ライニング10のように耐摩耗性があ
り結合の切断が表面で生じる場合、すなわち摩擦材料間
の表面で滑る場合では、ライニング10と主ロープ5の
素線8との間の分子間力が摩擦力を支配すると考えられ
る。
【0018】分子間力による摩擦力モデルとしては、例
えばShallamach等によるモデルは次式で表される。
【0019】
【数4】 (2)式において、Eaは活性化エネルギ、Tは温度、
Aは摩擦材料間の真実接触面積、δAは接触点における
高分子材料−分子の真実接触面積、λは接触している分
子の結合が切れるまでに伸びる長さ、κはボルツマン定
数、Vは分子間の相対速度、V、cは定数である。
【0020】一方、変形摩擦Fpは摩擦による変形のヒ
ステリシス・ロスに起因する力で例えば次式が文献(Mo
or,D.F.:"Viscoelastic Machine Elements"Butterworth
-Heinemann Ltd 1993)に示されている。
【0021】
【数5】 (3)式において、δはは変形量、Eは弾性係数、ta
nδは貯蔵エネルギに対する損失エネルギの比である損
失正接、cは定数である。(3)式には変形速度や温
度が現れていないが、弾性係数Eや損失正接tanδがそ
れらの影響を受け、一般には速度が速く、温度が低くな
ると変形摩擦Fpは増大する。しかしエレベータのトラ
クションシーブ4においては変形量δが小さく、変形
摩擦Fpはせん断摩擦Fsに比べて非常に小さいと考え
られる。
【0022】前述のように、エレベータの駆動機構にお
いては、トラクションシーブ4に高分子ライニング10
を使用する場合、主ロープ5のライニング10との間の
分子間力が摩擦力(トラクション性能)を支配すると考
えられる。ここでライニング材とFe材(ロープ素材相
当)との間で実施したピン・オン・ディスク摩擦試験の
結果を図12に示す。試験で使用したロープ潤滑油は従
来一般にロープに塗布されているものであるが、高分子
ライニング材とFe材との摩擦ではロープ油の有無が摩
擦力に大きな影響を与えることがわかる。
【0023】図12に示す結果は、(2)式における真
実接触面積Aが潤滑油によって減少するためと考えられ
る。すなわち主ロープ5に塗布されるロープ油によっ
て、図10に示すように主ロープ5がライニング10と
油とで支持された状態になるためにロープとライニング
材との間に働くせん断力が減少すると考えられる。真実
接触面積Aについては、上記の潤滑条件以外に材料硬度
や接触面圧等に依存する。ライニング材の硬度は低い方
が主ロープ5の表面の形状になじみ易く接触面積は増え
るが、一般には経年的な応力緩和による永久変形により
シーブ4から剥離しやすく摩耗も多い。主ロープ5とラ
イニング10との間の接触面圧が増加すると、接触面積
は増えるが、ある程度の面圧で飽和し、以後は面圧が増
加しても接触面積は増えない。
【0024】図11に、面圧とトラクション性能との関
係を示すが、一般に面圧増加によりトラクション性能は
低下する。即ち一般のエレベータにおける荷重範囲にお
いては、面圧によってライニング10と主ロープ5との
間の接触面積は飽和しており、荷重が増えるとトラクシ
ョン性能は低下すると考えられる。
【0025】このようにトラクションシーブ4の溝にラ
イニング10を設けたつるべ式エレベータの駆動装置に
おいて、主ロープ5に加わる荷重が増えるとトラクショ
ン性能が低下する。この問題は、主ロープ5の高強度化
に伴って深刻になり、JISG 3525において区分
されるB種以上の破断荷重を有する素線材料で構成され
るような高強度かつ直径の小さな主ロープ5については
所定のトラクション性能を満足することがむずかしいの
が実情である。
【0026】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、つるべ式エレベータの駆動機構におい
て、トラクションシーブの径の小型化と、トラクション
シーブと主ロープの長寿命化とを図ることができるエレ
ベータ駆動装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、エレベータの
乗りかごとつり合いおもりとを連結する主ロープと、主
ロープが係合する外周溝を有し、巻上機により駆動され
るトラクションシーブとを備え、主ロープは複数の鋼線
からなる芯鋼と、芯鋼を囲むように配置され、各々が鋼
線を平行よりして撚ってなる複数のストランドとを有
し、芯鋼は芯鋼油を含み、各ストランドは芯鋼油と異な
るストランド油を含むことを特徴とするエレベータの駆
動機構である。
【0028】本発明は、芯鋼と複数のストランドとの間
に緩衝部材を介在させたことを特徴とするエレベータの
駆動機構である。
【0029】本発明は、芯鋼油は、ストランド油より高
粘度となっていることを特徴とするエレベータの駆動機
構である。
【0030】本発明は、芯鋼油は増ちょう剤を含むグリ
スからなり、ストランド油は増ちょう剤を含まない油か
らなることを特徴とするエレベータの駆動機構である。
【0031】本発明は、ストランド油の粘度は、20℃
で100cSt以下となることを特徴とするエレベータ
の駆動機構である。
【0032】本発明は、エレベータの乗りかごとつり合
いおもりとを連結する主ロープと、主ロープが係合する
外周溝を有し、巻上機により駆動されるトラクションシ
ーブとを備え、主ロープは複数の鋼線からなる芯鋼と、
芯鋼を囲むように配置され、各々が鋼線を平行よりして
撚ってなる複数のストランドとを有し、芯鋼は芯鋼油を
含み、各ストランドはストランド油を含み、芯鋼油とス
トランド油は、各々の粘度が20℃で、100cSt以
下となることを特徴とするエレベータの駆動機構であ
る。
【0033】本発明は、トラクションシーブの外周溝
に、高分子材料からなるライニングが設けられているこ
とを特徴とするエレベータの駆動機構である。
【0034】本発明は、トラクションシーブのライニン
グの硬度は、85°以上となることを特徴とするエレベ
ータの駆動機構である。
【0035】本発明は、主ロープの各ストランドにスト
ランド油を供給する油供給装置を設けたことを特徴とす
るエレベータの駆動機構である。
【0036】本発明は、油供給装置は、主ロープのスト
ランドに当接し、ストランド油を供給する繊維部材から
なる塗布片を有することを特徴とするエレベータの駆動
機構である。
【0037】
【発明の実施の形態】第1の実施の形態 以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明
する。図1乃至図6は、本発明によるエレベータの駆動
機構の第1の実施の形態を示す図である。
【0038】まず図6により、エレベータの駆動機構の
概略について述べる。図6に示すように、エレベータの
駆動機構はエレベータの乗りかご1をつり合いおもり2
を用いて駆動するものである。すなわちエレベータの駆
動機構はエレベータの乗りかご1とつり合いおもり2と
を連結する主ロープ15と、この主ロープ15が係合す
る外周溝14aを有するトラクションシーブ14と(図
1参照)、トラクションシーブ14を駆動する巻上機3
とを備えている。
【0039】このうちトラクションシーブ14の外周溝
14a内には、高分子材料、例えばポリウレタンからな
るライニング13が設けられており、ライニング13の
硬度は85℃(JIS Aスケール)以上となっている
ことが好ましい。
【0040】また主ロープ15は、図1に示すように複
数の鋼製素線(鋼線)11aからなる芯鋼11と、芯鋼
11を囲むように配置された複数のストランド12とを
有し、各ストランド12は素線11aと同一材料からな
る鋼線(素線)12aを平行よりで撚られて形成されて
いる。また各ストランド12は芯鋼11の囲りに、一定
ピッチで撚られている。
【0041】芯鋼11およびストランド12を構成する
素線11aおよび素線12aは、いずれもJIS G
3525で規定されるB種以上の強度の有する素線から
なっている。
【0042】また芯鋼11は、潤滑油、油膜保持のため
に望ましくはグリスからなる芯鋼油を含んでいる。さら
にストランド12は、芯鋼油よりも粘度の低い油、すな
わちストランド油を含んでいる。
【0043】主ロープ15において、ストランド12が
芯鋼11周りにおいて撚りの緩みが生じ、また芯鋼11
の直径が減少することがあり、この場合は、このような
主ロープ15では、一般にストランド12の素線12a
よりも芯鋼11の素線11aに生ずる応力の方が大き
い。主ロープ15内部では、芯鋼11の素線11aの断
線の原因は、素線11a間の摩擦によるフレッティング
摩耗や内部応力である。このため芯鋼11に対する芯鋼
油の潤滑性はより高い方が望ましい。芯鋼油は極圧添加
剤や二硫化モリブデン等の固体潤滑材を含有するととも
に、油膜保持のためには分子間の凝集力が高く、高粘度
を有している。さらには芯鋼油は増ちょう剤を含有して
おり、メンテナンスの作業を大幅に省力化することがで
きる。
【0044】他方、ストランド12に塗布するストラン
ド油については、ライニング13表面とストランド12
表面との間の真実接触面積を確保するために、接触面か
ら排出されやすい低粘度の油が望ましい。
【0045】主ロープ15のトラクション性能を示す主
ロープ15に対するトラクション比の測定結果を図2に
示す。図2に示すように、実用性能を確保するには概ね
20℃で100cSt程度以下の油が良好な結果となっ
ている。
【0046】即ち、芯鋼11に塗布する芯鋼油の性状
と、ストランド12に塗布するストランド油の性状を替
え、ストランド12に塗布するストランド油の粘度を2
0℃で100cSt以下とする。このことによりトラク
ションシーブ14のライニング13と主ロープ15との
間でトラクション性能が確保されるとともに、経年的劣
化に対しても十分な寿命を得ることが出来る。
【0047】なおストランド油の低粘度化にともない、
油膜の保持性が悪くなるためストランド12において
は、錆の発生等が懸念されるが、本発明の駆動機構にお
いて、定常的にストランド12に油を供給するための油
供給装置16を設けてもよい。油供給装置16につい
て、機能、メンテナンスの簡便さから望ましい構成を図
3に示す。
【0048】図3において、油供給装置16は油を含ん
だ繊維部材から成る塗布片16aを有し、この塗布片1
6aは主ロープ15に押し付けられている。塗布片16
aはローラ17に巻付けられ、塗布片16aはストラン
ド油19を収納するタンク18内を通るようになってい
る。塗布片16はタンク18の油面に接触しており、ま
たローラ17はタンク18に回転自在に取り付けられて
いる。主ロープ15の移動によりローラ17が回転し
て、タンク19から塗布片16への給油と、主ロープ1
5への油の塗布を同時に行う構成となっている。このよ
うに油供給装置16を設けることにより、ストランド油
の低粘度化に際しても従来と同等以上の油膜保持性を確
保できる。
【0049】図1において、主ロープ15の一例として
IWRC(Independent Wire RopeCore)のシール形を
示したが、類似の実施形態としてウォーリントン形、フ
ィラー形、さらにはIWSC(Independent Wire Stran
d Core)構造の主ロープ15を用いてもよい。
【0050】第2の実施の形態 次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0051】本発明の第2の実施形態は、図4に示すよ
うに主ロープ15において芯鋼11とストランド12と
の間にポリエチレン等からなる緩衝部材22を設けたも
のである。緩衝部材22は芯鋼11とストランド12と
の接触面における摩耗を防止するとともに、芯鋼11に
塗布された油を密封する機能を有している。即ち緩衝部
材22により、芯鋼11に塗布された潤滑性の高い芯鋼
油がストランド12表面に漏れ出すことはなく、このた
めトラクション低下を防ぐことができる。
【0052】図4において、図1乃至図3および図6に
示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して
詳細な説明は省略する。
【0053】図4において、主ロープ15の一例として
IWRC(Independent Wire RopeCore)のシール形を
示したが、類似の実施形態としてウォーリントン形、フ
ィラー形、さらにはIWSC(Independent Wire Stran
d Core)構造の主ロープを用いてもよい。
【0054】第3の実施の形態 次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0055】本発明の第3の実施形態としてCFRC
(Center Fit Rope Core)構造ロープを図5に示す。C
FRCは前述のIWRCやIWSCとは異なり、主ロー
プ15内部の芯鋼11において、素線11a間の交差が
なく接触応力の緩和が図られている。このため素線11
aの断線が起こり難く、曲げに対する疲労寿命上有利な
構造となっている。芯鋼11の素線11a間の接触応力
が低いため、芯鋼11に対してもストランド12のスト
ランド油と同じ低粘度の芯鋼油を塗布しても実用上十分
な寿命を確保でき、トラクション性能と疲労寿命との両
立が可能である。
【0056】第3の実施の形態において、芯鋼油および
ストランド油は、いずれも、20℃で100cSt以下
の粘度を有している。
【0057】図5において、図1乃至図3および図6に
示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を符して
詳細な説明は省略する。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、従
来の高トラクションシーブ構造と同等以上のトラクショ
ン性能を備え、かつ主ロープの寿命を長くすることがで
き、さらに直径の小さなトラクションシーブを有しエレ
ベータの省スペース化に大きく貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエレベータの駆動機構における主
ロープとトラクションシーブを示す断面図。
【図2】高分子材料からなるライニングを用いたときの
油の粘度とトラクション比との関係を示す試験結果。
【図3】ストランド油をストランドに供給するための油
供給装置を示す図。
【図4】芯鋼に塗布された芯鋼油を密封しかつ芯鋼とス
トランドとの接触摩耗を緩和することができる緩衝部材
を有する主ロープを示す図。
【図5】芯鋼の素線同士の交差を無くすことにより一様
に低粘度油を使用することが可能であるCFRCの本ロ
ープを示す図。
【図6】本発明によるエレベータの駆動機構を示す図。
【図7】一般に用いられている繊維芯を有する主ロープ
を示す断面図。
【図8】鋼線を有する主ロープを示す断面図。
【図9】トラクションシーブにライニングを設けた構成
を示す図。
【図10】潤滑条件下におけるトラクションシーブの溝
のライニングと主ロープの素線との接触状態を示す概念
図。
【図11】ライニングを設けた条件において、トラクシ
ョンシーブの溝と主ロープとの接触面圧とトラクション
比との関係を示す試験結果。
【図12】ピン・オン・ディスク試験による試験結果を
示す図。
【符号の説明】
1 乗りかご 2 つり合いおもり 3 巻上機 11 芯鋼 11a 素線 12 ストランド 12a 素線 13 ライニング 14a トラクションシーブ 15 主ロープ 16 油供給装置 16a 塗布片 17 ローラ 18 タンク 19 ストランド油 22 緩衝部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 川 俊 明 東京都府中市東芝町1番地 東芝エレベー タ株式会社府中工場内 Fターム(参考) 3B153 AA14 AA34 AA47 CC52 CC75 CC76 FF04 GG05 GG40 3F305 BB02 BB14 BC15 EA02 3F306 AA07 BA07 BB05 3J066 AA22 BA01 BB01 BB04 BC01 BD05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレベータの乗りかごとつり合いおもりと
    を連結する主ロープと、 前記主ロープが係合する外周溝を有し、巻上機により駆
    動されるトラクションシーブとを備え、 前記主ロープは複数の鋼線からなる芯鋼と、この芯鋼を
    囲むように配置され、各々が鋼線を平行よりして撚って
    なる複数のストランドとを有し、 前記芯鋼は芯鋼油を含み、各ストランドは前記芯鋼油と
    異なるストランド油を含むことを特徴とするエレベータ
    の駆動機構。
  2. 【請求項2】前記芯鋼と前記複数のストランドとの間に
    緩衝部材を介在させたことを特徴とする請求項1記載の
    エレベータの駆動機構。
  3. 【請求項3】前記芯鋼油は、前記ストランド油より高粘
    度となっていることを特徴とする請求項1または2のい
    ずれか記載のエレベータの駆動機構。
  4. 【請求項4】前記芯鋼油は増ちょう剤を含むグリスから
    なり、前記ストランド油は増ちょう剤を含まない油から
    なることを特徴とする請求項3記載のエレベータの駆動
    機構。
  5. 【請求項5】前記ストランド油の粘度は、20℃で10
    0cSt以下となることを特徴とする請求項3記載のエ
    レベータの駆動機構。
  6. 【請求項6】エレベータの乗りかごとつり合いおもりと
    を連結する主ロープと、 前記主ロープが係合する外周溝を有し、巻上機により駆
    動されるトラクションシーブとを備え、 前記主ロープは複数の鋼線からなる芯鋼と、この芯鋼を
    囲むように配置され、各々が鋼線を平行よりして撚って
    なる複数のストランドとを有し、 前記芯鋼は芯鋼油を含み、各ストランドはストランド油
    を含み、 前記芯鋼油と前記ストランド油は、各々の粘度が20℃
    で、100cSt以下となることを特徴とするエレベー
    タの駆動機構。
  7. 【請求項7】前記トラクションシーブの外周溝に、高分
    子材料からなるライニングが設けられていることを特徴
    とする請求項1または6のいずれか記載のエレベータの
    駆動機構。
  8. 【請求項8】前記トラクションシーブのライニングの硬
    度は、85°以上となることを特徴とする請求項7記載
    のエレベータの駆動機構。
  9. 【請求項9】前記主ロープの各ストランドにストランド
    油を供給する油供給装置を設けたことを特徴とする請求
    項1または6のいずれか記載のエレベータの駆動機構。
  10. 【請求項10】前記油供給装置は、前記主ロープのスト
    ランドに当接し、ストランド油を供給する繊維部材から
    なる塗布片を有することを特徴とする請求項9記載のエ
    レベータの駆動機構。
JP2002095000A 2002-03-29 2002-03-29 エレベータの駆動機構 Expired - Lifetime JP4073232B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095000A JP4073232B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 エレベータの駆動機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002095000A JP4073232B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 エレベータの駆動機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003292270A true JP2003292270A (ja) 2003-10-15
JP4073232B2 JP4073232B2 (ja) 2008-04-09

Family

ID=29238710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002095000A Expired - Lifetime JP4073232B2 (ja) 2002-03-29 2002-03-29 エレベータの駆動機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4073232B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008023434A1 (fr) * 2006-08-25 2008-02-28 Mitsubishi Electric Corporation Câble d'ascenseur
JP2008069000A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ装置
EP3020673A4 (en) * 2013-07-09 2017-08-09 Mitsubishi Electric Corporation Elevator rope and elevator device using same
JPWO2022079836A1 (ja) * 2020-10-14 2022-04-21

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108193532A (zh) * 2017-12-26 2018-06-22 贵州钢绳股份有限公司 一种复合芯钢丝绳及其制造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008023434A1 (fr) * 2006-08-25 2008-02-28 Mitsubishi Electric Corporation Câble d'ascenseur
JP2008069000A (ja) * 2006-09-15 2008-03-27 Toshiba Elevator Co Ltd エレベータ装置
EP3020673A4 (en) * 2013-07-09 2017-08-09 Mitsubishi Electric Corporation Elevator rope and elevator device using same
US9896307B2 (en) 2013-07-09 2018-02-20 Mitsubishi Electric Corporation Elevator rope and elevator apparatus that uses same
JPWO2022079836A1 (ja) * 2020-10-14 2022-04-21
WO2022079836A1 (ja) * 2020-10-14 2022-04-21 三菱電機株式会社 エレベータ用ロープ及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4073232B2 (ja) 2008-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4485514B2 (ja) エレベータロープ
KR100471337B1 (ko) 엘리베이터용 합성 비금속성 로프
JP5307395B2 (ja) エレベータ用ロープ
US6314711B1 (en) Stranded synthetic fiber rope
US10099896B2 (en) Rope terminal assembly and a hoisting apparatus
US7578035B2 (en) Support means end connection for fastening an end of a support means in an elevator installation, an elevator installation with a support means end connection, and a method for fastening an end of a support means in an elevator installation
JP6016928B2 (ja) スチールロープ及びジャケットを備える耐荷重アセンブリ
CA2287070C (en) Synthetic fiber rope
US20080223665A1 (en) Flexible load-bearing member for elevator system
JPH07267534A (ja) エレベータ懸吊手段としてのケーブル
EP1586526B1 (en) Elevator rope
JP2011046462A (ja) エレベータ装置およびエレベータ用ワイヤロープ
JP2008069000A (ja) エレベータ装置
EP2634130A1 (en) Rope for elevator
EP2072446A1 (en) Drive and suspension element for elevator apparatuses and elevator apparatus
JP2019503322A (ja) エレベータ用ワイヤロープ
EP1582493A1 (en) Rope for elevator and elevator equipment
JP2003292270A (ja) エレベータの駆動機構
JP4750354B2 (ja) 駆動可能な支持または牽引手段およびその製造方法
JP2011157158A (ja) エレベータ装置
JP4101137B2 (ja) 操作用ワイヤロープと、操作用ワイヤロープを用いて成る操作装置
JP4523364B2 (ja) エレベータ
JP2892842B2 (ja) ワイヤロープ
CN108861955A (zh) 电梯系统的曳引带及其带轮和采用该曳引带及带轮的电梯
KR100830777B1 (ko) 엘리베이터용 로프 및 엘리베이터 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041007

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070427

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070515

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080111

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110201

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4073232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120201

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130201

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140201

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term