JP4100126B2 - 給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、加熱源にて加熱される温湯を貯める貯湯タンクを有する給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯装置には、例えば、図9に示すようなヒートポンプ式給湯装置がある。このヒートポンプ式給湯装置は、貯湯タンク70を有するタンクユニット71と、冷媒回路72を有する熱源ユニット73とを備える。また、冷媒回路72は、圧縮機74と水熱交換器75と膨張弁77と蒸発器78とを順に接続して構成される。そして、タンクユニット71は、上記貯湯タンク70と循環路79とを備え、この循環路79には、水循環用ポンプ80と熱交換路81とが介設されている。この場合、熱交換路81は水熱交換器75にて構成される。
【0003】
上記装置においては、圧縮機74を駆動させると共に、ポンプ80を駆動(作動)させると、貯湯タンク70の底部に設けた取水口から貯溜水(温湯)が循環路79に流出し、これが熱交換路81を流通する。そのときこの温湯は水熱交換器75によって加熱され(沸き上げられ)、湯入口から貯湯タンク70の上部に返流される。これによって、貯湯タンク70に高温の温湯を貯めるものである。そして、現状の電力料金制度は深夜の電力料金単価が昼間に比べて安価に設定されているので、近年では、この運転は低額である深夜時間帯(例えば、23時から7時までの時間帯)に行い、ランニングコストの低減を図るようにする場合が多くなっている。
【0004】
そして、このような給湯装置では、ユーザの湯の使用量に応じて必要な熱量(湯量)を沸き上げるものである。このため、例えば、1日の必要湯熱量に応じて複数の階級(例えば、10段階)の湯量レベルを定めておき、この複数の階級の湯量レベルから選択された湯量レベルに応じた湯熱量を沸き上げる必要湯量確保運転を行うものがある。ところが、貯湯タンク内の湯が使用されて規定量以下となれば、昼間にその不足分の湯切れ追い焚き運転(以下、追い焚き運転という)を上記必要湯量確保運転とは別に行う必要が生じる。
【0005】
このような場合には、貯湯タンク70の湯がなくなる「湯切れ」現象を生じさせないために、次回の必要湯量確保運転において、その補充した追い焚き運転の運転時間に応じて上記湯量レベルを上昇させていた。また、ユーザ使用湯量(使用湯熱量)に対して沸上湯量が多い場合、この状態が所定日数(判定期間)以上継続すれば、次回の沸上運転において湯量レベルを下げるようにしている。これによって、湯量レベルをユーザ使用湯量に対応する適正レベルに収束させていた。
【0006】
また、従来には、季節に関わらず湯量不足が発生することのない電気料金の節約機能を備えた電気温水器があった(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載された電気温水器は、残湯量検出センサの出力に基づく残湯量が規定量以上となる日が所定の期間連続したときには沸き上げ温度の設定値を一定値だけ下げる設定値変更手段と、この設定値変更手段での沸き上げ温度変更の下限値を規制する下限値設定手段とを備える。そして、この下限値設定手段にて、貯湯タンクへ供給する水の温度(給水温度)の変動に対応して下限値を変更するものであって、下限値は、この給水温度が低のときには高く、給水温度が高のときには低く設定するものである。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−317353号公報(第2−3頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、湯の使用状況はユーザによって相違し、上記のように湯量レベルを設定するものでは、貯湯タンク70の湯がなくなる「湯切れ」現象が生じないように、上記判断期間(例えば、7日)を長く設定していた。そのため、使用状況によっては、湯が十分貯えられているにもかかわらず、不足があるとして、長期にわたって昼間の時間帯に湯切れ追い焚き運転(以下、追い焚き運転という)を行う場合がある。このようなときには、この無駄な運転のために、ランニングコスト高となると共に、運転による騒音にてユーザが不快感を抱く場合もあった。
【0009】
また、上記特許文献1に記載の電気温水器では、下限値設定手段にて、貯湯タンクへ供給する水の温度(給水温度)の変動に対応して下限値を変更するものであるので、残湯量が多い日が長期連続して、沸き上げ温度の設定値を設定値変更手段にて低下させる場合に、冬場等においてその低下量を少なくして、湯量不足になるのを解消しているものである。しかしながら、この場合、ユーザ等の湯使用量に基づいて沸き上げ量を変更(調整)するものでなく、ユーザ等の湯使用量によっては、湯切れや湯過多が発生することになる。
【0010】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、湯切れを回避することができると共に、湯過多状態が長期にわたるのを抑制してランニングコストを低減することが可能な給湯装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の給湯装置は、貯湯タンク3と、加熱源とを備えた給湯装置において、1日の必要湯熱量に応じて複数の階級の湯量レベルを定めておき、上記加熱源は、選択された湯量レベルに応じた湯熱量を上記貯湯タンクへと供給すべく作動する給湯装置であって、学習期間においてユーザ使用湯熱量を学習して、この学習期間におけるユーザ使用湯熱量に基づいて上記必要湯熱量を決定する湯量レベル適正化制御を行うように構成し、かつ上記学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整することを特徴としている。
【0012】
請求項1の給湯装置では、湯量レベル適正化制御により、湯量レベルをユーザ使用湯熱量に近づけることができ、湯熱量における過不足の発生を防止することができる。しかも、学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整するので、湯量レベルをできるだけ短い期間で適正レベルに収束させる(近づける)ことができる。
【0013】
請求項2の給湯装置は、上記ばらつき度合いが小さい場合には大きい場合よりも学習期間を短くすることを特徴としている。
【0014】
上記請求項2の給湯装置では、ばらつき度合いが小さい場合には、その湯量レベルが適正レベルに接近しており、このようなときには、学習期間を短くしても適正レベルに収束させることができる。また、ばらつき度合いが大きい場合、その湯量レベルが適正レベルに接近しておらず、学習期間を長くして、適正レベルに収束させるようにしている。
【0015】
請求項3の給湯装置は、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数、及び上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数の少なくともいずれか一方に基づいて上記ばらつき度合いを判断することを特徴としている。
【0016】
上記請求項3の給湯装置では、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数や、上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数にてばらつき度合いを判断するので、このばらつき度合いの信頼性が高く、このばらつき度合いに基づいて設定した学習期間で湯量レベルを適正レベルに収束させることができる。
【0017】
請求項4の給湯装置は、上記期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日が、この期間判定用日数よりも短いばらつき判定日数以上のときに、ばらつき度合いを小として上記学習期間を短期日数とすることを特徴としている。
【0018】
上記請求項4の給湯装置では、期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日が、この期間判定用日数よりも短いばらつき判定日数以上のときに、ばらつき度合いを小と判定するので、この判定の信頼性は高く、このような場合に学習期間を短くしても湯量レベルを安定して収束させることができる。
【0019】
請求項5の給湯装置は、上記期間判定用日数内における異なる残湯熱量が2種類以内のときに、ばらつき度合いを小として上記学習期間を短期日数とすることを特徴としている。
【0020】
上記請求項5の給湯装置では、上記期間判定用日数内における異なる残湯熱量が2種類以内のときに、ばらつき度合いを小と判定するので、この判定の信頼性は高く、このような場合に学習期間を短くしても湯量レベルを安定して収束させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の給湯装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの給湯装置(ヒートポンプ式給湯装置)の簡略図を示し、この給湯装置は、タンクユニット1とヒートポンプユニット2(加熱源)を備え、タンクユニット1の温湯をヒートポンプユニット2にて加熱するものである。このタンクユニット1は貯湯タンク3を備え、この貯湯タンク3に貯湯された温湯が図示省略の浴槽等に供給される。すなわち、貯湯タンク3には、その底壁に給水口5が設けられると共に、その上壁に出湯口6が設けられている。そして、給水口5から貯湯タンク3に市水が供給され、出湯口6から高温の温湯が出湯される。また、貯湯タンク3には、その底壁に取水口10が開設されると共に、周壁の上部に湯入口11が開設され、取水口10と湯入口11とが循環路12にて連結されている。そして、この循環路12に水循環用ポンプ13と熱交換路14とが介設されている。なお、給水口5には給水用流路8が接続されている。
【0022】
ところで、貯湯タンク3には、上下方向に所定ピッチで少なくとも4個の残湯量検出器(温度センサ)18a、18b、18c、18dが設けられている。上記各温度センサ18a・・は、例えば、それぞれサーミスタからなる。また、上記循環路12には、熱交換路14の入口側に取水サーミスタ20が設けられると共に、熱交換路14の出口側に出湯サーミスタ21が設けられている。
【0023】
次に、ヒートポンプユニット(熱源ユニット)2は冷媒回路を備え、この冷媒回路は、圧縮機25と、熱交換路14を構成する水熱交換器26と、減圧機構(膨張弁)27と、空気熱交換器28とを順に接続して構成される。すなわち、圧縮機25と水熱交換器26とを冷媒通路29にて接続し、水熱交換器26と膨張弁27とを冷媒通路30にて接続し、膨張弁27と空気熱交換器28とを冷媒通路31にて接続し、空気熱交換器28と圧縮機25とをアキュームレータ32が介設された冷媒通路33にて接続している。これにより、圧縮機25が駆動すると、水熱交換器26において熱交換路14を流れる水が加熱されることになる。なお、この冷媒回路の冷媒には、例えば、自然系冷媒として炭酸ガス等の超臨界冷媒を用いることができる。また、空気熱交換器28にはこの空気熱交換器28の能力を調整するファン34が付設されている。
【0024】
ところで、この給湯装置の制御部は、図3に示すように、残湯量検出手段37と、この検出手段37からのデータ(数値)が入力される制御手段38とを備える。すなわち、図1に示すように、残湯量検出手段37は、貯湯タンク3に付設された残湯量検出器18a、18b、18c、18dにて構成することができる。そして、図2に示すように、残湯量検出器18aの温度(タンク温度T1)、残湯量検出器18bの温度(タンク温度T2)、残湯量検出器18cの温度(タンク温度T3)、残湯量検出器18dの温度(タンク温度T4)、取水サーミスタ20の温度(入水温度T6)等が制御手段(コントローラ)38に入力され、これらのデータに基づいて、水循環用ポンプ13と圧縮機25とを駆動して、後述するような運転が行われる。なお、上記制御手段38は例えばマイクロコンピュータを用いて構成することができる。
【0025】
上記のように構成された給湯装置によれば、圧縮機25を駆動させると共に、水循環用ポンプ13を駆動(作動)させると、貯湯タンク3の底部に設けた取水口10から貯溜水(温湯)が流出し、これが循環路12の熱交換路14を流通する。そのときこの温湯は水熱交換器26によって加熱され(沸き上げられ)、湯入口11から貯湯タンク3の上部に返流される。このような動作を継続して行うことによって、貯湯タンク3に高温の温湯を貯湯することができる。
【0026】
この場合、深夜時間(23時から次の日の午前7時)帯のある時刻(例えば、深夜時間開始後の24時等)から所定時間の間運転して、所定時刻(深夜時間終了時刻、つまり午前7時)で所定容量(例えば、貯湯タンク3の容量)の湯を沸き上げる全量沸き上げ運転を行うものである。また、一日の必要湯量がこの貯湯タンク3の容量を越える場合には、深夜時間の全量沸き上げ運転を行った後、さらに深夜時間外の昼間において追加追い焚き運転(以下、追加運転という)を行って、その一日の必要湯量を確保するものである。すなわち、一日の必要湯量を沸き上げる運転を必要湯量確保運転と呼ぶものとすると、この場合、必要湯量確保運転には、深夜時間帯での全量沸き上げ運転のみを行う場合と、深夜時間帯での全量沸き上げ運転と追加運転との両者を行う場合がある。
【0027】
この場合、沸き上げ運転には、自動設定運転と、手動設定運転とがあり、自動設定運転では、1日の必要湯熱量に応じて複数の階級の湯量レベルを定めておき、加熱源(ヒートポンプユニット)は、選択された湯量レベルに応じた湯熱量を上記貯湯タンク3へと供給すべく自動的に作動するように設定される。
【0028】
ここで、湯量レベルとは、例えば次の表1のように、1〜10段階のレベルを備えるものである。すなわち、この表1において、レベル1は65℃の湯を所定量(貯湯タンク3の容量)分沸き上げるものであり、レベル2は70℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものであり、レベル3は75℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものであり、レベル4〜レベル6は80℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものであり、レベル7〜レベル9は85℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものであり、レベル10は90℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものである。また、レベル1〜レベル4までは深夜時間帯のみの運転であり、レベル5〜レベル10までは昼間の追加運転を行うが、レベル5では昼間の運転時間を1時間とし、レベル6及びレベル7では昼間の運転時間を2時間とし、レベル8では昼間の運転時間を3時間とし、レベル9及びレベル10では昼間の運転時間を4時間としている。このように、等級が上昇するほど湯熱量が多いことになる。
【0029】
【表1】
【0030】
また、手動設定の場合、「少なめ」と、「標準」と、「多め」と、「連続」とがある。「少なめ」では、65℃の湯を所定量(貯湯タンク3の容量)分沸き上げるものであり、昼間の運転は行わない。「標準」と「多め」と「連続」では、85℃の湯を貯湯タンク3の容量分沸き上げるものである。また、「標準」では昼間の追加運転は行わず、「多め」では、2時間以内の昼間の追加運転を行い、「連続」では、昼間の追加運転に対して制限を行わない。
【0031】
そして、ある湯量レベルで運転した場合に、昼間に多く使用されて、この湯量レベルでの湯熱量では、湯切れを起こす場合には、この昼間において、この使用により不足分を補うために、上記追加運転とは別に湯切れ追い焚き運転(以下、追い焚き運転という)を行うことになる。上記追い焚き運転は、図4のフローチャート図に示すように行われる。この場合、まず、ステップS1でT1(貯湯タンク3の頂部側の温度センサ18aの温度)が低温側基準温度(例えば45℃)以下か否かを判定する。45℃を越えていれば、追い焚きする必要がなく、そのままの状態を維持する。T1が45℃以下であれば、追い焚き運転を行う必要があるので、ステップS2へ移行して追い焚き運転を開始する。
【0032】
その後、ステップS3へ移行して、T1が高温側基準温度(例えば60℃)以上か否かを判定する。60℃以上であれば、追い焚きする必要がないので、追い焚きを終了する。また、60℃未満であれば、追い焚き運転を継続する。
【0033】
そして、この追い焚き運転の運転時間から不足分を把握して、次回においては、この追い焚き運転に応じた不足分を補うために、湯量レベルを前回の湯量レベルよりも上昇させて、この上昇させた湯量レベルの供給湯熱量での沸き上げ運転を行うことになる。
【0034】
また、湯過多状態が基準判定期間(例えば、1週間)にわたって継続したときには、湯量レベルを1段階だけ低下させる。ところで、湯過多状態か否かは、例えば、追い焚き運転開始の基準となる温度センサ18aよりも下方の温度センサ18bの検出温度T2が、基準温度(例えば、45℃)以上かを判定することによって、判断することができる。
【0035】
このように、この給湯装置は、湯熱量に不足が生じたときには、次回の湯熱量をそれに応じて上記湯量レベルを上昇させ、また、湯熱量の過多状態が基準判定期間(学習期間)にわたって継続したときには、湯量レベルを低下させる湯量レベル適正化制御を行うように構成している。
【0036】
そして、この給湯装置では、上記学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整している。すなわち、ばらつき度合いが小さい場合には大きい場合よりも学習期間を短くしている。この際、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数、及び上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数の少なくともいずれか一方に基づいて上記ばらつき度合いを判断する。そして、この学習期間は例えば図5のフローチャートのように決定される。
【0037】
この場合、まず、ステップS5のように、過去7日(上記期間判定用日数)中、3日(ばらつき判定日数)以上同一(ここでの同一とは、完全同一及び略同一を含む)余剰か否かを判断する。この余剰は、湯過多を意味し、残湯(湯熱量)−設定残湯(設定湯熱量)で求めることができる。そして、このステップS5で過去7日中、3日以上同一余剰であれば、ステップS6へ移行して、その使用状態が「安定」(ばらつき度合いが小)であると判断する。また、ステップS5で過去7日中、3日以上同一余剰でなければ、ステップS7へ移行して、過去7日の余剰が2パターン以内かを判断する。
【0038】
このステップS7で、過去7日の余剰が2パターン以内であれば、ステップS6へ移行し、過去7日の余剰が2パターン(期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数)以内でなければ、ステップS8へ移行して、その使用状態が「不安定」(ばらつき度合いが大)であると判断する。そして、上記ステップS6で「安定」と判断されれば、ステップS9へ移行して学習期間を短期日数(この場合3日)とする。また、上記ステップS8で「不安定」と判断されれば、ステップS10へ移行して学習期間を長期日数(この場合7日)とする。
【0039】
このように、学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整することになるが、この学習期間を調整しないときの湯量レベル適正化制御について図7を使用して説明する。この湯量レベル適正化制御の処理を開始して、ステップS11にて全量沸き上げ(例えば図8の▲1▼の全量沸き上げ)か否かを判定する。この場合、全量沸き上げでなければ、この沸き上げとなるまで待つ。また、全量沸き上げであれば、この全量沸き上げ運転を行う。次に、ステップS12へ移行して、この湯量レベルの運転で湯過多になるかを判定する。すなわち、湯過多(余剰)は、残湯(湯熱量)−設定残湯(設定湯熱量)で求めることができる。
【0040】
次に、ステップS13でこの余剰が0で有るか否かを判断する。余剰が0であれば、この湯量レベルが適正であるので、ステップS14へ移行して、前回の全量沸き上げ運転において余剰があるときにカウントするカウンタ(図示省略)の湯量カウントをクリアしてステップS18へ移行して次回(図8の▲2▼)の全量沸き上げを行う。また、ステップS13で余剰があれば、ステップS15へ移行して残湯カウントを「1」加え、ステップS16へ移行する。このステップS16では、残湯カウントが設定されている基準判定期間値(学習期間値)以上か否かを判断する。そして、ステップS16で残湯カウントが学習期間値以上であれば、ステップS17へ移行して湯量レベルを低下(ダウン)させて、ステップS18へ移行して次回(図8の▲2▼)の全量沸き上げを行う。また、ステップS16で残湯カウントが学習期間値未満であれば、ステップS18へ移行して湯量レベルをそのままとして次回の全量沸き上げを行う。そして、ステップS18へ移行後はステップS11に戻り、全量沸き上げ(この場合図8の▲3▼の全量沸き上げ)か否かを判定する。以下この制御が行われて、湯量レベルを適正レベルに収束させるものである。
【0041】
しかしながら、学習期間を調整しないものであれば、使用状況によっては、湯が十分貯えられているにもかかわらず、不足がありとして、昼間の時間帯に湯切れ追い焚き運転(以下、追い焚き運転という)を行う場合がある。そこで、この装置では、学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整することによって、湯量レベルをできるだけ短い期間で適正レベルに収束させようとしている。
【0042】
このため、図6に示すように、学習期間を判定するようにしている。すなわち、図7の場合と同様にステップS12までの処理を行い、その後、ステップS20へ移行して、上記図5の学習期間判定の処理を行う。このため、使用状態が安定していれば、この学習期間を3日とし、使用状態が不安定であれば、この学習期間を7日とする。その後、ステップS21へ移行して、ステップS21でこの余剰が0で有るか否かを判断する。余剰が0であれば、この湯量レベルが適正であるので、ステップS22へ移行して、湯量カウントをクリアしてステップS26へ移行して次回(図8の▲2▼)の全量沸き上げを行う。また、ステップS21で余剰があれば、ステップS23へ移行して残湯カウントを「1」加え、ステップS24へ移行する。このステップS24では、上記のステップS20で決定した基準判定期間値(学習期間値)以上か否かを判断する。そして、ステップS24で残湯カウントが学習期間値以上であれば、ステップS25へ移行して湯量レベルを低下(ダウン)させて、ステップS26へ移行して次回(図8の▲2▼)の全量沸き上げを行う。また、ステップS24で残湯カウントが学習期間値未満であれば、ステップS26へ移行して湯量レベルをそのままとして次回の全量沸き上げを行う。そして、ステップS26へ移行後はステップS11に戻り、全量沸き上げ(この場合図8の▲3▼の全量沸き上げ)か否かを判定する。以下この制御が行われて、湯量レベルを適正レベルに収束させるものである。
【0043】
このように、学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整することによって、湯量レベルをできるだけ短い期間で適正レベルに収束させることができ、無駄な沸き上げ運転を少なくでき、ランニングコストの低減を達成できる。また、ばらつき度合いが小さい場合には、その湯量レベルが適正レベルに接近しており、このようなときには、学習期間を短くしても適正レベルに収束させることができる。また、ばらつき度合いが大きい場合、その湯量レベルが適正レベルに接近しておらず、学習期間を長くして、適正レベルに収束させるようにしている。さらに、ばらつき度合いは、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数や、上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数にてばらつき度合いを判断するので、信頼性が高く、このばらつき度合いに基づいて設定した学習期間で湯量レベルを適正レベルに収束させることができる。
【0044】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、学習期間として7日(長期日数)や3日(短期日数)に限るものではなく、また、図5のフローチャートにおいて、学習期間を判定する際の期間判定用日数が7であるが、この日数の増減は自由であり、ステップS5の同一余剰のカウント日数の変更も可能であり、ステップS7における余剰が相違するパターンとして3パターン以上であってもよい。また、学習期間を判定する場合の条件として、上記実施の形態では、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数(上記実施の形態では、図5のステップS5における3日)、及び期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数(上記実施の形態では、図5のステップS7における2パターン)を使用したが、どちらか一方のみの使用であってもよい。すなわち、期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数、及び上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数の少なくともいずれか一方に基づけばよい。また、湯量レベルも上記表1に示すものに限らず、種々のレベルのものに設定でき、10段階に限るものではない。さらに、追い焚き運転を開始する基準となる温度、追い焚き運転を停止する基準となる温度、及び湯過多状態の判定の基準となる温度としても、もちろんユーザ等の好みや季節等に応じて変更することができる。なお、給湯装置として、上記実施の形態のように、ヒートポンプ式給湯装置を使用した場合、冷媒回路の冷媒として炭酸ガスを用いるのが好ましいが、その他、ジクロロジフルオロメタン(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−22)のような冷媒であっても、オゾン層の破壊、環境汚染等の問題から、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)のような代替冷媒であってもよい。また、給湯装置としては、電気式給湯装置やガス式給湯装置であってもよい。
【0045】
【発明の効果】
請求項1の給湯装置によれば、湯量レベル適正化制御により、湯量レベルをユーザ使用湯熱量に近づけることができ、湯熱量における過不足の発生を防止することができる。しかも、学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整するので、湯量レベルをできるだけ短い期間で適正レベルに収束させることができ、無駄な沸き上げ運転を少なくでき、ランニングコストの低減を達成できる。
【0046】
請求項2の給湯装置によれば、ばらつき度合いが小さい場合には、その湯量レベルが適正レベルに接近しており、このようなときには、学習期間を短くしても適正レベルに収束させることができる。また、ばらつき度合いが大きい場合、その湯量レベルが適正レベルに接近しておらず、学習期間を長くして、適正レベルに収束させようにしている。このため、湯量レベルを最適な学習期間で安定して適正レベルに収束させることができ、無駄な運転を確実に回避することができる。
【0047】
請求項3の給湯装置によれば、期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数や、上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数にてばらつき度合いを判断するので、このばらつき度合いの信頼性が高く、このばらつき度合いに基づいて設定した学習期間で湯量レベルを適正レベルに収束させることができる。
【0048】
請求項4又は請求項5の給湯装置によれば、判定の信頼性は高く、学習期間を短くしても湯量レベルを安定して収束させることができる。このため、無駄な運転の確実な回避が可能となって、ランニングコストの低減を有効に達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の給湯装置の実施形態を示す簡略図である。
【図2】上記給湯装置の制御部に入力されるデータを示す簡略ブロック図である。
【図3】上記給湯装置の制御部の簡略ブロック図である。
【図4】上記給湯装置の追い焚き運転を示すフローチャート図である。
【図5】上記給湯装置の学習期間を決定するフローチャート図である。
【図6】上記給湯装置の湯量レベル適正化制御において学習期間を変更しない場合のフローチャート図である。
【図7】上記給湯装置の湯量レベル適正化制御を示すフローチャート図である。
【図8】全量沸き上げを行う時間帯を示すタイムチャート図である。
【図9】従来の給湯装置の簡略図である。
【符号の説明】
3 貯湯タンク
Claims (5)
- 貯湯タンク3と、加熱源とを備えた給湯装置において、1日の必要湯熱量に応じて複数の階級の湯量レベルを定めておき、上記加熱源は、選択された湯量レベルに応じた湯熱量を上記貯湯タンク3へと供給すべく作動する給湯装置であって、学習期間においてユーザ使用湯熱量を学習して、この学習期間におけるユーザ使用湯熱量に基づいて上記必要湯熱量を決定する湯量レベル適正化制御を行うように構成し、かつ上記学習期間をユーザ使用湯熱量のばらつき度合いに基づいて調整することを特徴とする給湯装置。
- 上記ばらつき度合いが小さい場合には大きい場合よりも学習期間を短くすることを特徴とする請求項1の給湯装置。
- 期間判定用日数を設定し、この期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日数、及び上記期間判定用日数内における残湯熱量の異種類の数の少なくともいずれか一方に基づいて上記ばらつき度合いを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2の給湯装置。
- 上記期間判定用日数内における略同一の残湯熱量である日が、この期間判定用日数よりも短いばらつき判定日数以上のときに、ばらつき度合いを小として上記学習期間を短期日数とすることを特徴とする請求項3の給湯装置。
- 上記期間判定用日数内における異なる残湯熱量が2種類以内のときに、ばらつき度合いを小として上記学習期間を短期日数とすることを特徴とする請求項3の給湯装置。
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