JP4099422B2 - 真空マイクロ波解凍機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、解凍室内に真空状態でマイクロ波を照射することに基いて解凍室内に収納された解凍物を解凍する真空マイクロ波解凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記真空マイクロ波解凍機には、解凍室内をマイクロ波の非照射状態で減圧する予備乾燥工程を行う構成のものがある。この予備乾燥工程は解凍室内の減圧度が平衡域に収束することに基いて終了するものであり、予備乾燥工程の終了後には解凍工程が繰返し行われる。この解凍工程は解凍室内を減圧平衡状態から復圧上限値まで復圧した後に減圧平衡状態まで再び減圧し、復圧時および減圧時にマイクロ波を照射することに基いて解凍物に解凍エネルギーを与えるものであり、解凍エネルギーの供給量は解凍物の重量に応じて調整される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題1】
上記真空マイクロ波解凍機には、予備乾燥工程での減圧度の大きさに基いて解凍物の重量を演算する構成のものがある。この構成の場合、減圧度が解凍物の初期温度の影響で上下する。このため、解凍物の重量を正確に検出できないので、解凍物を重量に応じた適切な態様で解凍できない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、解凍物を重量に応じた適切な態様で自動的に解凍できる使い勝手に優れた真空マイクロ波解凍機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
解凍物にマイクロ波を照射したときには解凍物の加熱が重量に応じた度合で進行する。このため、解凍室内で解凍物の重量に応じた分量の水分が気化するので、解凍室の内圧がマイクロ波の照射に伴って変化する。この圧力変化量は初期温度の影響が排除された重量推測値として機能するものであり、請求項1に係る発明は解凍工程時の圧力変化量を解凍物の重量推測値として利用し、重量推測値に基いて運転内容の制御を行うものである。
【0011】
請求項1記載の真空マイクロ波解凍機は、使用者側である前面が開口するものであって解凍物が収納される解凍室と、前記解凍室の前面を開閉するものであって前記解凍室の前面を閉鎖する閉鎖状態で前記解凍室の前面を気密状態に閉鎖する扉と、前記扉の閉鎖状態で駆動することに基づいて前記解凍室内を減圧する減圧器と、前記解凍室内の圧力である内圧に応じたレベルの電気信号を出力する圧力センサと、開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられるものであって前記解凍室の減圧状態で開放状態に切換えられることに基づいて前記解凍室の内圧を大気圧に比べて小さく設定された設定圧力に復帰させる調圧弁と、前記解凍室の内部にマイクロ波を照射するマイクロ波発生器と、使用者が操作するものであって前記解凍物の種類に応じた運転モードを入力するための操作子と、使用者が操作するものであって前記解凍物を解凍する解凍運転の開始を入力するための操作子と、前記運転モードおよび前記解凍運転の開始の双方が入力されることに基づいて前記調圧弁の閉鎖状態で前記減圧器を運転開始し前記解凍室内の減圧を開始する手段と、前記解凍室内が減圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し内圧の検出結果に基づいて内圧の単位時間当りの減少率である減圧度を演算する手段と、前記減圧度の演算結果を予め決められた減圧平衡値と比較し前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断したときには当該減圧度を演算するために使用された2つの内圧のうち時間的に後で検出されたものを解凍工程開始時の平衡圧力に設定する手段と、前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断された場合に前記調圧弁を閉鎖状態から開放状態に切換え前記解凍室内の復圧を開始する手段と、前記解凍室内が復圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し内圧の検出結果を予め決められた加熱開始値と比較する手段と、前記解凍室の内圧の検出結果が前記加熱開始値に到達したと判断された場合に前記マイクロ波発生器を予め決められた固定的な標準出力で運転開始する手段と、前記マイクロ波発生器が前記標準出力で運転されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し内圧の検出結果を予め決められた値であって前記加熱開始値に比べて大きな値である復圧上限値と比較する手段と、前記解凍室の内圧の検出結果が前記復圧上限値に到達したと判断された場合に前記調圧弁を開放状態から閉鎖状態に切換え前記解凍室内の減圧を再開する手段と、前記解凍室内が再び減圧されている状態で前記マイクロ波発生器を運転停止させるように予め決められた固定的な標準照射時間が前記マイクロ波発生器が前記標準出力で運転開始されたことを基準に経過することに基づいて前記マイクロ波発生器を運転停止する手段と、前記マイクロ波発生器が運転停止された状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し内圧の検出結果に基づいて減圧度を再び演算する手段と、前記マイクロ波発生器が運転停止された状態での前記減圧度の演算結果を前記減圧平衡値と比較し前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断したときには当該減圧度を演算するために使用された2つの内圧のうち時間的に後で検出されたものを解凍工程終了時の平衡圧力に設定する手段と、前記解凍工程終了時の平衡圧力の設定結果および前記解凍工程開始時の平衡圧力の設定結果相互間の差分である平衡圧力差を演算する手段と、解凍物の重量を判定するための重量判定値が予め記録されたものであって重量判定値として前記複数の運転モードのそれぞれに応じた複数のものが記録された手段と、前記複数の重量判定値のうちから前記運転モードの入力結果に応じたものを選択し前記平衡圧力差の演算結果を重量判定値の選択結果と比較することに基づいて前記解凍物の重量が予め決められた複数の段階のいずれに属するかを判定する手段と、前記マイクロ波発生器の運転停止状態での前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断された場合に前記調圧弁を閉鎖状態から開放状態に切換え前記解凍室内の復圧を再開する手段と、前記解凍室内が再び復圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し内圧の検出結果を前記加熱開始値と比較する手段を備え、前記解凍室の内圧の検出結果が前記加熱開始値に再び到達したと判断された場合には前記マイクロ波発生器が前記解凍物の重量の判定結果に応じた出力で固定された時間だけ運転または前記マイクロ波発生器が固定された出力で前記解 凍物の重量の判定結果に応じた時間だけ運転または前記マイクロ波発生器が前記解凍物の重量の判定結果に応じた出力で前記解凍物の重量の判定結果に応じた時間だけ運転されるところに特徴を有する。
請求項1に係る発明によれば、解凍物の重量として圧力変化量を実測し、圧力変化量の実測結果に応じて以後の運転内容を制御している。このため、重量の実測結果から初期温度の影響が排除されるので、解凍物の重量が正確に検出される。従って、解凍物を重量に応じた適切な態様で自動的に解凍することができるので、使い勝手が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施例を図1〜図9に基いて説明する。
1.真空マイクロ波解凍機の構成
キャビネット1は、図9に示すように、前面が開口する矩形箱状をなすものであり、キャビネット1の下面には四隅部に位置してキャスター2が装着されている。また、キャビネット1内には、図8に示すように、内箱および耐圧容器に相当するチャンバー3が固定されている。このチャンバー3は前面が開口する矩形箱状をなすものであり、チャンバー3内には解凍室4が形成されている。
【0015】
キャビネット1の前端部には、図9に示すように、扉5が右側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、解凍室4の前面は扉5の回動操作に基いて気密状態に開閉される。また、扉5の左側部にはハンドル6が前後方向へ延びる軸7を中心に回動可能に装着されている。このハンドル6にはロックプレート(図示せず)が固定されており、扉5の閉鎖状態でハンドル6が回動操作されたときにはロックプレートがハンドル6と一体的に回動することに基いてキャビネット1のロック孔(図示せず)内に係合し、扉5がロックプレートおよびロック孔間の係合力で閉鎖状態にロックされる。
【0016】
チャンバー3の後板には貫通孔状の励振口(図示せず)が形成されている。この励振口はガラス板製の耐圧壁(図示せず)によって気密状態に塞がれたものであり、チャンバー3の後板には、図8に示すように、励振口の周縁部に位置して導波管8の前端部が固定されている。この導波管8の後端部にはマイクロ波発生器に相当するマグネトロン9が固定されており、マグネトロン9の発振時にはマグネトロン9から導波管8および励振口を通して解凍室4内にマイクロ波が照射される。
【0017】
キャビネット1内には、図7に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成された制御装置10が固定されている。この制御装置10は第1の設定手段,検出手段,第2の設定手段,設定手段,計測手段,演算手段,表示制御手段に相当するものであり、CPU11,記録手段に相当するROM12,RAM13,I/O14を有している。この制御装置10にはマグネトロン駆動回路15を介してマグネトロン9が電気的に接続されており、制御装置10はマグネトロン9の発振状態をマグネトロン駆動回路15を介して制御する。
【0018】
キャビネット1内には、図8に示すように、チャンバー3の下方に位置してテーブルモータ16が固定されており、テーブルモータ16の回転軸には解凍室4内の底部に位置して円形皿状のターンテーブル17が装着されている。このターンテーブル17は解凍物が載置されるものであり、解凍運転時にはテーブルモータ16がマグネトロン9の発振状態で回転駆動することに基いてターンテーブル17上の解凍物にマイクロ波が均一照射される。このテーブルモータ16は、図7に示すように、モータ駆動回路18を介して制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10はテーブルモータ16の回転状態をモータ駆動回路18を介して制御する。
【0019】
キャビネット1内には、図8に示すように、減圧器に相当する真空ポンプ19が固定されており、真空ポンプ19の吸入口は配管20を介して解凍室4に接続されている。この真空ポンプ19はポンプモータ20(図7参照)を駆動源とするものであり、解凍室4内は扉5の閉鎖状態でポンプモータ20が回転駆動することに基いて真空状態に減圧される。このポンプモータ20は、図7に示すように、モータ駆動回路18を介して制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10はポンプモータ20の回転状態をモータ駆動回路18を介して制御する。尚、図8の符合33は配管20に介在された逆止弁を示している。
【0020】
解凍室4には、図8に示すように、圧力センサ21が機械的に接続されており、圧力センサ21は、図7に示すように、制御装置10に電気的に接続されている。この圧力センサ21は解凍室4の内圧に応じたレベルの電気信号を出力するものであり、制御装置10は圧力センサ21からの出力信号に基いて解凍室4の内圧を検出する。
【0021】
解凍室4には、図8に示すように、復圧器および調圧器に相当する調圧弁22が機械的に接続されている。この調圧弁22は調圧弁ソレノイド23(図7参照)を駆動源とするものであり、解凍室4の減圧状態で調圧弁22が開放されたときには解凍室4の内圧が調圧弁22の設定圧力(<大気圧)に復圧する。この調圧弁ソレノイド23は、図7に示すように、ソレノイド駆動回路24を介して制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10はソレノイド駆動回路24を介して調圧弁ソレノイド23をオンオフすることに基いて調圧弁22を開閉する。
【0022】
解凍室4には、図8に示すように、大気開放器に相当する大気開放弁25が機械的に接続されている。この大気開放弁25は開放弁ソレノイド26(図7参照)を駆動源とするものであり、解凍室4の減圧状態で大気開放弁25が開放されたときには解凍室4内が大気圧に復帰する。この開放弁ソレノイド26は、図7に示すように、ソレノイド駆動回路24を介して制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10はソレノイド駆動回路24を介して開放弁ソレノイド26をオンオフすることに基いて大気開放弁25を開閉する。
【0023】
キャビネット1には、図9に示すように、扉5の上方に位置して操作パネル27が固定されており、操作パネル27には操作子に相当する複数の解凍物スイッチ28が機械的に装着されている。これら解凍物スイッチ28は、図7に示すように、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10は解凍物スイッチ28の操作内容に応じて「マグロ解凍モード」・「肉解凍モード」・「貝解凍モード」等の解凍物モードを設定する。
【0024】
操作パネル27には、図9に示すように、操作子に相当するスタートスイッチ29が機械的に装着されている。このスタートスイッチ29は、図7に示すように、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10はスタートスイッチ29の操作を検出したことを条件に解凍運転を開始する。また、制御装置10には扉スイッチ30が電気的に接続されている。この扉スイッチ30は扉5の開閉に機械的に連動してオンオフされるものであり、制御装置10は扉スイッチ30のオンオフに基いて扉5の開閉を検出する。
【0025】
キャビネット1には、図9に示すように、操作パネル27の上方に位置して表示器31が機械的に装着されており、表示器31は、図7に示すように、LCD駆動回路32を介して制御装置10に電気的に接続されている。この表示器31は液晶表示器からなるものであり、制御装置10は表示器31の表示内容をLCD駆動回路32を通して制御する。
【0026】
2.解凍運転の概略
解凍運転は、図2に示すように、マイクロ波の非照射状態で解凍室4内を減圧する予備乾燥工程(1)と解凍室4内に真空状態でマイクロ波を照射する解凍工程(2)と解凍室4内を大気圧に復圧する終了工程(3)とを有するものであり、予備乾燥工程(1)は減圧度Gが減圧平衡値Goに降下することに基いて終了する。この減圧度Gとは解凍室4の内圧の単位時間当りの変化量を称するものであり、「減圧度G≦減圧平衡値Go」が検出された場合の内圧を平衡圧力と称する。
【0027】
解凍工程(2)は運転終了条件が成立するまで循環的に繰返されるものであり、各解凍工程時には解凍室4内が平衡圧力Paから復圧上限値Puまで復圧された後に復圧上限値Puから平衡圧力Pbまで再び減圧される。この復圧上限値Puは調圧弁22の開放状態での開口度として機械的に設定されたものであり、マイクロ波照射は、太線で示すように、解凍室4内が真空放電を誘発しない下限圧力Px以上である場合に復圧時および減圧時に跨って行われる。
【0028】
平衡圧力PaおよびPbは解凍物の温度・重量等に応じて変動する。即ち、解凍室4内では解凍物の解凍に伴って水分が気化しており、水分の気化量は解凍物の温度および重量に応じて変動する。これに対してポンプモータ20は一定トルクおよび一定速度で回転駆動されるものであり、真空ポンプ19の減圧能力は一定である。従って、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが解凍物の温度・重量等に応じた平衡圧力PaおよびPbでバランスする。
【0029】
解凍工程終了時の平衡圧力Pbは解凍工程開始時の平衡圧力Paに比べて高くなる。即ち、解凍工程では解凍物にマイクロ波が照射され、解凍物の加熱が重量に応じた度合で進行する。従って、解凍工程終了時には解凍工程開始時に比べて多量の水分が気化するので、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが解凍工程開始時の平衡圧力Paに比べて高い平衡圧力Pbでバランスする。
【0030】
解凍工程開始時の平衡圧力Paは解凍物の予備乾燥直前の初期温度に応じて変動し、解凍工程終了時の平衡圧力Pbは解凍物の加熱温度に応じて変動する。この加熱温度は解凍物の重量に応じた解凍状態を示すものであり、解凍物が初期温度から加熱された結果である。即ち、解凍工程開始時の平衡圧力Paおよび解凍工程終了時の平衡圧力Pbは共に初期温度の影響を含むものであり、両者の差圧である平衡圧力差ΔPは解凍物の初期温度が排除された純粋な重量検出用のパラメータとして機能するものである。
【0031】
図1は解凍室4の内圧と運転時間との関係を示すものであり、実線は標準重量の解凍物を示し、一点鎖線および二点鎖線は相対的に高重量および低重量の解凍物を示している。例えば解凍物が高重量であるときには予備乾燥時に解凍室4内で気化する水分量が多いので、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが相対的に高い平衡圧力Paでバランスする。この予備乾燥後に標準量のマイクロ波エネルギーを加えた場合には解凍の進行度が低く、解凍室4内で気化する水分の増加量が少ないので、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが平衡圧力Paを少なく上回る平衡圧力Pbでバランスする。即ち、解凍物が高重量であるときにはマイクロ波エネルギーの標準照射前後で圧力変化量が小さく、解凍工程開始時の平衡圧力Paおよび解凍工程終了時の平衡圧力Pb間の差圧ΔPが小さくなる。
【0032】
解凍物が低重量であるときには予備乾燥時に解凍室4内で気化する水分量が少ないので、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが相対的に低い平衡圧力Paでバランスする。この予備乾燥後に標準量のマイクロ波エネルギーを加えた場合には解凍の進行度が高く、解凍室4内で気化する水分の増加量が多いので、真空ポンプ19の減圧能力と解凍室4の内圧とが平衡圧力Paを大きく上回る平衡圧力Pbでバランスする。即ち、解凍物が低重量であるときにはマイクロ波エネルギーの標準照射前後で圧力変化量が大きく、解凍工程開始時の平衡圧力Paおよび解凍工程終了時の平衡圧力Pb間の差圧ΔPが大きくなる。
【0033】
制御装置10のROM12には運転制御データとして複数の重量判定値ΔPoが解凍モード毎に記録されている。これら重量判定値ΔPoは「マグロ」・「肉」・「貝」等の水分含有量が異なる複数の標準試料を用いて試験的に解凍運転を行い、解凍工程開始時の平衡圧力Paおよび解凍工程終了時の平衡圧力Pb間の差圧を実測した試験値であり、標準試料としては重量3kgの標準重量の解凍物が選択されている。
【0034】
制御装置10のROM12には運転制御プログラムが記録されている。この運転制御プログラムはマグネトロン9・テーブルモータ16・ポンプモータ20・調圧弁22・大気開放弁25・表示器31等を駆動制御することに基いて上述の解凍運転を実行するものであり、制御装置10は運転制御プログラムに従って平衡圧力差ΔPを検出する。そして、平衡圧力差ΔPと重量判定値ΔPoとの比較結果に応じてマイクロ波エネルギーの照射量を段階的に設定し、以後の解凍工程で設定結果に応じた量のマイクロ波エネルギーを解凍物に照射する。以下、制御装置10の制御内容について詳述する。
【0035】
3.解凍運転の詳細
制御装置10のCPU11は電源が投入されると、図3のステップS1へ移行し、解凍物スイッチ28の操作の有無を判断する。ここで解凍物スイッチ28の操作を検出したときにはステップS2へ移行し、解凍物スイッチ28の操作内容に応じて解凍モードを設定する。この解凍モードとは「マグロ解凍モード」・「肉解凍モード」・「貝解凍モード」等の解凍物の種類に応じた運転モードを称するものであり、CPU11は解凍モードを設定すると、ステップS3へ移行する。
【0036】
CPU11はステップS3へ移行すると、スタートスイッチ29の操作の有無を判断する。例えばスタートスイッチ29の操作を検出したときにはステップS4へ移行し、扉スイッチ30の状態に基いて扉5の開閉を判断する。ここで扉スイッチ30のオンを検出したときには扉5が閉鎖されていると判断し、ステップS5で大気開放弁25を閉鎖し、ステップS6で調圧弁22を閉鎖し、ステップS7で真空ポンプ19を一定速度・一定方向・一定トルクで駆動することに基いて解凍室4内を減圧する。即ち、解凍運転は扉5の閉鎖状態でスタートスイッチ29が操作されたことを条件に開始されるものである。
【0037】
CPU11は解凍室4内の減圧を開始すると、ステップS8の減圧度検出処理を行う。図6は減圧度検出処理を示すものであり、CPU11はステップS61でタイマT1を「0」にリセットする。そして、ステップS62でタイマT1をスタートさせ、ステップS63で圧力センサ21からの出力信号に基いて解凍室4の内圧P1を検出する。
【0038】
CPU11は内圧P1を検出すると、ステップS64でタイマT1の現在の計測値を基準値(具体的には30sec)と比較する。ここで「T1≧30sec」を検出したときにはステップS65でタイマT1を停止し、ステップS66で解凍室4の内圧P2を検出する。そして、ステップS67へ移行し、減圧度G(=P2−P1/30)を演算する。
【0039】
CPU11は減圧度Gを演算すると、図3のステップS9で減圧度の演算結果Gを減圧平衡値Go(具体的には13.3Pa,0.1Torr)と比較する。ここで「G≦Go」を検出したときには解凍室4内が減圧平衡域に到達していると判断し、ステップS10で解凍工程開始時の平衡圧力Paに解凍室4の内圧P2をセットする。この内圧P2は「G≦Go」が検出されたときの収束圧力を称するものであり、CPU11は解凍工程開始時の平衡圧力Paに内圧P2をセットすると、ステップS11へ移行する。
【0040】
CPU11はステップS11へ移行すると、調圧弁22を開放することに基いて解凍室4内を復圧し、1回目の解凍工程を開始する。そして、ステップS12へ移行し、タイマT2をスタートさせる。このタイマT2は1回目の解凍工程の開始から終了に至るサイクル時間を計測するものであり、CPU11はタイマT2をスタートさせると、ステップS13へ移行する。
【0041】
CPU11はステップS13へ移行すると、解凍室4の内圧Pを検出し、内圧の検出結果Pを加熱開始値Psと比較する。この加熱開始値Psは真空放電を誘発しない下限値Pxに比べて高く設定されたものであり、CPU11は「P≧Ps」を検出したときには図3のステップS14でマイクロ波出力Wを固定的な標準値に設定する。そして、ステップS15でテーブルモータ16を一定速度で一定方向へ駆動し、ステップS16でマグネトロン9を標準出力Wで駆動する。
【0042】
CPU11はマグネトロン9を標準出力Wで駆動すると、図4のステップS17でタイマT3をスタートさせる。このタイマT3はマイクロ波照射時間を計測するものであり、CPU11はマイクロ波照射時間の計測動作を開始すると、ステップS18で解凍室4の内圧Pを検出し、内圧の検出結果Pを復圧上限値Puと比較する。ここで「P≧Pu」を検出したときにはステップS19で調圧弁22を閉鎖し、解凍室4の減圧を再開する。
【0043】
CPU11は解凍室4の減圧を再開すると、ステップS20でタイマT3の現在の計測値を固定的なマイクロ波照射時間Txと比較する。ここで「T3≧Tx」を検出したときにはステップS21へ移行し、タイマT3の停止およびリセットを行う。そして、ステップS22でマグネトロン9をオフし、ステップS23でテーブルモータ16をオフする。即ち、1回目の解凍工程ではマイクロ波が復圧時および減圧時に跨った固定的なマイクロ波照射時間Txだけ固定的な標準出力Wで照射され、解凍物に初期温度および重量等に無関係な標準量のマイクロ波エネルギーが照射される。
【0044】
CPU11はテーブルモータ16をオフすると、ステップS24の減圧度検出処理へ移行する。この減圧度検出処理は図3のステップS8と同一内容で減圧度Gを検出するものであり、CPU11は図4のステップS24で減圧度Gを検出すると、ステップS25で減圧度の検出結果Gを減圧平衡値Goと比較する。ここで「G≦Go」を検出したときにはステップS26でタイマT2を停止し、サイクル時間の計測を終える。即ち、マイクロ波照射時間Txの経過後には解凍室4内がマイクロ波の非照射状態で減圧平衡域まで減圧され、解凍物が昇華冷却される。
【0045】
CPU11はサイクル時間の計測を終えると、ステップS27で解凍工程終了時の平衡圧力Pbに内圧P2をセットする。この内圧P2はステップS24の減圧度検出処理で「G≦Go」が検出されたときの収束圧力を称するものであり、CPU11はステップS27で解凍工程終了時の平衡圧力Pbに収束圧力P2をセットすると、ステップS28で圧力変化量として平衡圧力差ΔP(=Pb−Pa)を演算し、ステップS29へ移行する。
【0046】
CPU11はステップS29へ移行すると、ROM12から解凍モードの設定結果に応じた重量判定値ΔPoを検出し、重量判定値の検出結果ΔPoと平衡圧力差の演算結果ΔPとを比較する。この比較処理は重量判定値ΔPoおよび平衡圧力差ΔP間の差分(ΔP−ΔPo)の絶対値を演算し、絶対値の演算結果をROM12に記録された固定的な判定値Aと比較することで行われるものであり、CPU11は差分の絶対値が判定値A以上であることを検出したときには解凍物が低重量であると判定し、ステップS30でマイクロ波出力Wに相対的な弱値をセットする。
【0047】
CPU11は差分の絶対値が判定値A未満であることを検出すると、ステップS29からS31へ移行し、絶対値の演算結果をROM12に記録された固定的な判定値B(<A)と比較する。ここで差分の絶対値が判定値B以下であることを検出したときには解凍物が高重量であると判定し、ステップS32でマイクロ波出力Wに相対的な強値をセットする。また、差分の絶対値が判定値Bより大きいことを検出したときには解凍物が標準重量であると判定し(B<差分の絶対値<A)、ステップS33でマイクロ波出力Wに標準値をセットする。
【0048】
CPU11はマイクロ波出力Wを設定すると、ステップS34でマイクロ波照射時間Txに標準値をセットする。即ち、マイクロ波出力Wは解凍物の実質的な検出重量ΔPに応じた値に設定され、マイクロ波照射時間Txは解凍物の検出重量ΔPに無関係な標準値Txに設定される。
【0049】
CPU11はマイクロ波照射時間Txを設定すると、図5のステップS35で残り解凍時間ΔTを設定する。この残り解凍時間ΔTはROM12に記録された下記の演算式に実測値Ts・Pb・ΔPを投入することに基いて算出されるものであり、解凍物の重量検出結果に応じた値に設定される。
ΔT=Ts*(Pl−Pb)/ΔP
PlはROM12に記録された固定値であり、解凍運転終了の判定基準となる平衡圧力である。また、Pb・ΔP・Tsは解凍物の重量等に応じて変化する可変値であり、Pbは1回目の解凍工程終了時の平衡圧力である。また、ΔPは1回目の解凍工程終了時の平衡圧力Pbと解凍工程開始時の平衡圧力Paとの差圧であり、Tsは1回目の解凍工程に要した所要時間(タイマT2の計測値)である。
【0050】
CPU11は残り解凍時間ΔTを演算すると、図5のステップS36で表示器31に残り解凍時間を表示する。この残り解凍時間は残り解凍時間の演算結果ΔTを分単位で表示するものであり、秒の単位は表示されない。例えば残り解凍時間の演算結果が「35分45秒」であるときには秒の単位が切捨てられ、残り解凍時間として「35分」が表示される。
【0051】
CPU11は残り解凍時間を表示すると、ステップS37でタイマT4に残り解凍時間の演算結果ΔTをセットし、タイマT4を時間の経過に応じて減算する。このタイマT4は残り解凍時間を計測するものであり、CPU11はタイマ割込みプログラムの中でタイマT4の現在の計測値を検出する。そして、タイマT4の計測値が1分減る毎に残り解凍時間の表示値を1分ずつ減らし、残り解凍時間を1分単位でカウントダウン表示する。この残り解凍時間の表示値には下限値として「1分」が設定されており、CPU11は「表示値=1分」を検出したときにはカウントダウン表示を停止し、タイマT4の計測値とは無関係に残り表示時間として「1分」を継続的に表示する。
【0052】
CPU11は残り解凍時間の計測動作を開始すると、図5のステップS38で調圧弁22を開放することに基いて解凍室4内を復圧し、2回目の解凍工程を開始する。そして、ステップS39で解凍室4の内圧Pが加熱開始値Psに到達したことを検出したときにはステップS40でマグネトロン9を駆動し、ステップS41でテーブルモータ16を駆動する。このマグネトロン9の駆動は図4のステップS30・S32・S33のいずれかで設定したマイクロ波出力Wで行われるものであり、2回目の解凍工程では解凍物に検出重量ΔPに応じた出力Wでマイクロ波が照射される。
【0053】
CPU11はマイクロ波照射を開始すると、図5のステップS42でタイマT3をスタートさせることに基いてマイクロ波照射時間Txの計測動作を開始する。そして、ステップS43で解凍室4の内圧Pが復圧上限値Puに到達したことを検出したときにはステップS44で調圧弁22を閉鎖し、解凍室4の減圧を再開する。
【0054】
CPU11は解凍室4の減圧を再開すると、ステップS45でタイマT3の計測値をマイクロ波照射時間Txの設定結果と比較する。ここでタイマT3の計測値が設定結果Txに到達したことを検出したときにはステップS46でタイマT3の停止およびリセットを行い、ステップS47でマグネトロン9をオフし、ステップS48でテーブルモータ16をオフする。このマイクロ波照射時間Txは図4のステップS34で標準値に設定されたものであり、2回目の解凍工程では1回目と同一の標準時間Txだけマイクロ波が照射される。即ち、2回目の解凍工程ではマイクロ波出力Wだけが解凍物の検出重量ΔPに応じた値に設定され、解凍物に検出重量ΔPに応じたマイクロ波エネルギーが照射される。
【0055】
CPU11はテーブルモータ16をオフすると、図5のステップS49の減圧度検出処理へ移行する。この減圧度検出処理は図3のステップS8と同一内容で減圧度Gを検出するものであり、CPU11は図5のステップS49で減圧度Gを検出すると、ステップS50で減圧度の検出結果Gを減圧平衡値Goと比較する。
【0056】
CPU11はステップS50で「G≦Go」を検出すると、ステップS51で平衡圧力P2を運転終了値Pl(具体的には453Pa,3.4Torr)と比較する。この平衡圧力P2は「G≦Go」が検出されたときの収束圧力を称するものであり、CPU11は「P2<Pl」を検出したときにはステップS51からS38に復帰し、ステップS38〜S50を行うことに基いて解凍物の検出重量ΔPに応じたマイクロ波出力Wで解凍工程を繰返す。即ち、解凍物の実質的な重量検出処理は1回目の解凍工程のみで行われるものであり、2回目以後の解凍工程では解凍物の実質的な重量検出処理が行われず、マグネトロン9が先の検出重量ΔPに応じた一定パターンで駆動する。
【0057】
CPU11はステップS51で「P2≧Pl」を検出すると、ステップS52で真空ポンプ19をオフし、ステップS53で大気開放弁25を開放し、ステップS54で調圧弁22を開放する。即ち、真空ポンプ19は解凍運転の開始から終了に至るまで一定の吸気能力で継続的に駆動されるものである。
【0058】
CPU11は調圧弁22を開放すると、ステップS55で残り解凍時間ΔTの表示値をクリアする。この残り解凍時間ΔTは解凍物の重量検出結果ΔPに応じて演算された推測値であり、残り解凍時間ΔTの表示値は「1分」以下にカウントダウンされない。即ち、残り解凍時間ΔTの表示値は「1分」から「60秒」が経過した時点で確定的にクリアされるものではなく、残り解凍時間ΔTの演算値と実際値との差に応じて「2分」等の「1分」以外の値から突然にクリアされたり、「1分」から「120秒」等の「60秒」を上回る時間が経過した後にクリアされる目安値である。
【0059】
上記第1実施例によれば、解凍物の重量として圧力変化量ΔPを実測し、圧力変化量の実測結果ΔPに応じて以後の運転内容を制御した。このため、重量の実測結果ΔPから初期温度の影響が排除されるので、解凍物の重量が正確に検出される。従って、解凍物を重量に応じた適切な態様で自動的に解凍することができるので、使い勝手が向上する。
また、圧力変化量の実測結果ΔPを試験値ΔPoと比較することに基いて解凍物の重量を「大」・「標準」・「小」の段階的に推測し、重量の段階的な推測結果に応じた「強」・「標準」・「弱」の段階的な態様で解凍室4内にマイクロ波を照射した。このため、圧力変化量の実測結果ΔPに応じた加熱態様をテーブルデータから表引きする場合に比べてROM12のデータ保有量が少なくなる。従って、段階的な加熱制御を少ないデータ量で行うことができるので、利便性が高まる。
【0060】
また、解凍物の重量として圧力変化量ΔPを実測し、圧力変化量が実測結果ΔPに到達するのに要したサイクル時間Tsと圧力変化量ΔPとに基いて残り解凍時間ΔTを演算したので、解凍物の正確な重量検出結果ΔPに基いて残り解凍時間ΔTが演算される。このため、解凍物の重量に応じた運転終了タイミングを使用者に知らせることができるので、使い勝手が向上する。
また、圧力変化量としてマイクロ波の標準照射を行う前の平衡圧力Paと標準照射を行った後の平衡圧力Pbとの差圧ΔPを実測したので、圧力の実測結果PaおよびPbが実測タイミングのずれによってばらつくことがなくなる。このため、圧力変化量の実測結果ΔPが正確になるので、マグネトロン9の制御および残り解凍時間ΔTの演算を解凍物の重量に応じて正確に行うことができる。
【0061】
次に本発明の第2実施例を図10に基いて説明する。制御装置10のROM12には重量判定テーブルが記録されている。このテーブルデータは平衡圧力差ΔPと解凍物の重量Weとの関係を示すものであり、制御装置10のCPU11は1回目の解凍工程を終えると、平衡圧力差ΔPを演算し、重量判定テーブルから平衡圧力差の演算結果ΔPに応じた重量Weを検出する。そして、マイクロ波出力Wを検出重量Weに応じた値に設定し、以後の解凍工程でマグネトロン9をマイクロ波出力Wの設定結果で駆動する。
【0062】
次に本発明の第3実施例を図11に基いて説明する。制御装置10のROM12には重量判定式▲1▼〜▲4▼が記録されている。これら重量判定式▲1▼〜▲4▼には平衡圧力差ΔPの適用範囲が設定されており、制御装置10のCPU11は1回目の解凍工程を終えると、平衡圧力差ΔPを演算し、重量判定式▲1▼〜▲4▼の中から平衡圧力差の演算結果ΔPに応じたものを選択する。例えば平衡圧力差ΔPが「0.4」のときには重量判定式▲3▼が選択される。
【0063】
CPU11は重量判定式を選択すると、重量判定式の選択結果に平衡圧力差の演算結果ΔPを投入することに基いて解凍物の重量Weを演算する。そして、マイクロ波出力Wを演算重量に応じた値に設定し、以後の解凍工程でマグネトロン9をマイクロ波出力Wの設定結果で駆動する。例えば平衡圧力差ΔPが「0.4」のときには重量判定式▲3▼に「ΔP=0.4」が投入され、重量「We=1.5kg」が演算される。
【0064】
重量判定式▲1▼〜▲4▼の適用範囲は「0.1≦ΔP<1.0」であり、平衡圧力差ΔPが重量判定式▲1▼〜▲4▼の適用範囲外にあるときには平衡圧力差ΔPに応じて固定的な重量Weが一義的に設定される。例えば平衡圧力差ΔPが「0.1」より小さいときには重量Weが「5kg」に設定され、平衡圧力差ΔPが「1.0」以上のときには重量Weが「0.2kg」に設定される。
【0065】
尚、上記第1〜第3実施例においては、解凍物の検出重量ΔPに基いてマイクロ波出力Wを調整したが、これに限定されるものではなく、例えばマイクロ波出力Wおよびマイクロ波照射時間Txの双方を調整したり、マイクロ波出力Wを固定した上でマイクロ波照射時間Txを調整しても良く、要は解凍室4に対するマイクロ波エネルギーの照射量を調整すれば良い。例えばマイクロ波出力Wを固定する場合には検出重量ΔPが「重値」・「標準値」・「軽値」であることに応じてマイクロ波照射時間Txを「長値」・「標準値」・「短値」に調整すると良い。
また、上記第1〜第3実施例においては、圧力変化量ΔPおよびサイクル時間Tsから運転時間情報として残り解凍時間ΔTを演算したが、これに限定されるものではなく、例えば運転終了時刻を演算しても良い。
【0066】
また、上記第1〜第3実施例においては、解凍室4の圧力変化量として平衡圧力PaおよびPb間の差圧ΔPを検出したが、これに限定されるものではなく、例えばマイクロ波の標準照射開始時の内圧と標準照射終了時の内圧(標準照射開始から標準的なマイクロ波照射時間Txが経過した時点での圧力)との差圧を検出したり、マイクロ波の標準照射開始時の減圧度Gと標準照射終了時の減圧度Gとの差分を検出しても良い。
また、上記第1〜第3実施例においては、マイクロ波の標準照射を復圧時および減圧時の双方で行ったが、これに限定されるものではなく、例えば復圧時だけで行ったり、減圧時だけで行っても良い。
【0067】
また、上記第1〜第3実施例においては、解凍物の重量検出処理を1回目の解凍工程で行ったが、これに限定されるものではなく、例えば2回目以後の解凍工程で行っても良く、要は予備乾燥後の解凍工程で行えば良い。
また、上記第1〜第3実施例においては、解凍物の重量検出処理を1回目の解凍工程のみで行ったが、これに限定されるものではなく、例えば全ての解凍工程で行っても良い。この場合、今回の解凍工程でのマイクロ波エネルギーを前回の解凍工程での検出重量ΔPに基いて設定すると良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例を示す図(解凍物の重量検出原理を説明するための図)
【図2】 解凍運転内容を説明するための図
【図3】 制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図4】 制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図5】 制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図6】 制御装置のメインプログラムを示すフローチャート(減圧度検出処理を示すフローチャート)
【図7】 電気的構成を示すブロック図
【図8】 キャビネットの内部構成を示す図
【図9】 キャビネットの外観を示す図
【図10】 本発明の第2実施例を示す図
【図11】 本発明の第3実施例を示す図
【符号の説明】
4は解凍室、10は制御装置(第1の設定手段,検出手段,第2の設定手段,設定手段,計測手段,演算手段,表示制御手段)、31は表示器を示している。

Claims (1)

  1. 使用者側である前面が開口するものであって、解凍物が収納される解凍室と、
    前記解凍室の前面を開閉するものであって、前記解凍室の前面を閉鎖する閉鎖状態で前記解凍室の前面を気密状態に閉鎖する扉と、
    前記扉の閉鎖状態で駆動することに基づいて前記解凍室内を減圧する減圧器と、
    前記解凍室内の圧力である内圧に応じたレベルの電気信号を出力する圧力センサと、
    開放状態および閉鎖状態相互間で切換えられるものであって、前記解凍室の減圧状態で開放状態に切換えられることに基づいて前記解凍室の内圧を大気圧に比べて小さく設定された設定圧力に復帰させる調圧弁と、
    前記解凍室の内部にマイクロ波を照射するマイクロ波発生器と、
    使用者が操作するものであって、前記解凍物の種類に応じた運転モードを入力するための操作子と、
    使用者が操作するものであって、前記解凍物を解凍する解凍運転の開始を入力するための操作子と、
    前記運転モードおよび前記解凍運転の開始の双方が入力されることに基づいて前記調圧弁の閉鎖状態で前記減圧器を運転開始し、前記解凍室内の減圧を開始する手段と、
    前記解凍室内が減圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し、内圧の検出結果に基づいて内圧の単位時間当りの減少率である減圧度を演算する手段と、
    前記減圧度の演算結果を予め決められた減圧平衡値と比較し、前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断したときには当該減圧度を演算するために使用された2つの内圧のうち時間的に後で検出されたものを解凍工程開始時の平衡圧力に設定する手段と、
    前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断された場合に前記調圧弁を閉鎖状態から開放状態に切換え、前記解凍室内の復圧を開始する手段と、
    前記解凍室内が復圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し、内圧の検出結果を予め決められた加熱開始値と比較する手段と、
    前記解凍室の内圧の検出結果が前記加熱開始値に到達したと判断された場合に前記マイクロ波発生器を予め決められた固定的な標準出力で運転開始する手段と、
    前記マイクロ波発生器が前記標準出力で運転されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し、内圧の検出結果を予め決められた値であって前記加熱開始値に比べて大きな値である復圧上限値と比較する手段と、
    前記解凍室の内圧の検出結果が前記復圧上限値に到達したと判断された場合に前記調圧弁を開放状態から閉鎖状態に切換え、前記解凍室内の減圧を再開する手段と、
    前記解凍室内が再び減圧されている状態で前記マイクロ波発生器を運転停止させるように予め決められた固定的な標準照射時間が前記マイクロ波発生器が前記標準出力で運転開始されたことを基準に経過することに基づいて前記マイクロ波発生器を運転停止する手段と、
    前記マイクロ波発生器が運転停止された状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し、内圧の検出結果に基づいて減圧度を再び演算する手段と、
    前記マイクロ波発生器が運転停止された状態での前記減圧度の演算結果を前記減圧平衡値と比較し、前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断したときには当該減圧度を演算するために使用された2つの内圧のうち時間的に後で検出されたものを解凍工程終了時の平衡圧力に設定する手段と、
    前記解凍工程終了時の平衡圧力の設定結果および前記解凍工程開始時の平衡圧力の設定結果相互間の差分である平衡圧力差を演算する手段と、
    解凍物の重量を判定するための重量判定値が予め記録されたものであって、重量判定値 として前記複数の運転モードのそれぞれに応じた複数のものが記録された手段と、
    前記複数の重量判定値のうちから前記運転モードの入力結果に応じたものを選択し、前記平衡圧力差の演算結果を重量判定値の選択結果と比較することに基づいて前記解凍物の重量が予め決められた複数の段階のいずれに属するかを判定する手段と、
    前記マイクロ波発生器の運転停止状態での前記減圧度の演算結果が前記減圧平衡値以下であると判断された場合に前記調圧弁を閉鎖状態から開放状態に切換え、前記解凍室内の復圧を再開する手段と、
    前記解凍室内が再び復圧されている状態で前記圧力センサから出力される電気信号に基づいて前記解凍室の内圧を検出し、内圧の検出結果を前記加熱開始値と比較する手段を備え、
    前記解凍室の内圧の検出結果が前記加熱開始値に再び到達したと判断された場合には前記マイクロ波発生器が前記解凍物の重量の判定結果に応じた出力で固定された時間だけ運転または前記マイクロ波発生器が固定された出力で前記解凍物の重量の判定結果に応じた時間だけ運転または前記マイクロ波発生器が前記解凍物の重量の判定結果に応じた出力で前記解凍物の重量の判定結果に応じた時間だけ運転されることを特徴とする真空マイクロ波解凍機。
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