JP4099405B2 - カードコネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードコネクタ、特に、筐体のカード挿入空間のカードセット位置にメモリーカードなどのカードが裏返し姿勢で誤挿入されることを防ぐことができるようになっているカードコネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メモリーカードを取り扱うカードコネクタでは、カードが裏返し姿勢で筐体のカード挿入空間のカードセット位置に誤挿入されてしまうことを防ぐ機械的手段として、筐体に別部品としての板ばねでなるストッパを片持ち状に取り付けたり、筐体を形成している板金製のカバーにストッパープレートを片持ち状に切起し形成したりしておき、それらのストッパやストッパープレートの自由端を、裏返し姿勢で誤挿入されてきたカードの端面に突き当ててそのカードがカードセット位置に挿入されてしまうことを防ぐようにしたものがあった(たとえば特許文献1又は特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−187896号公報
【特許文献2】
特開平10−91729号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上掲の先行例に記載されている誤挿入防止手段には、カードに過大な押込力が加えられたときにカードがストッパやストッパープレートの自由端によって傷付けられたり、場合によっては片持ち状のストッパやストッパープレートが座屈してカードの板面と筐体との間に噛み込み、そのためにカードを排出することができなくなったりするおそれがある。このようなおそれは、カードの小形化に応じて小形化が促進された小形カードコネクタで顕著になる。
【0005】
そのため、カードが裏返し姿勢で誤挿入された場合に、そのカードがカードセット位置まで挿入されてしまうことを機械的に確実に防止することができ、しかも、カードに過大な押込力が加えられたときでもその誤挿入を防ぐ手段ひいてはカードコネクタが破壊されないようにすることが要求されている。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、裏返し姿勢で誤挿入されたカードの端面を係止することによって発生する荷重を複数箇所で分散して受け止めることができるような工夫を講じることによって、カードの誤挿入を機械的な手段で防止し、併せて、カードに過大な押込力が加えられたときでも、カードが傷付いたりカードの誤挿入を防ぐ手段ひいてはカードコネクタが容易に破壊されたりしないようにすることを目的としている。
【0007】
また、本発明は、上記のようなカードの誤挿入を部品の損壊を生じることなく防止できるカードコネクタにおいて、カードやコンタクト設置位置などについて公差範囲内での寸法のばらつきがあっても、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されたカードの電極にコンタクトが確実に電気的接続されるカードコネクタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るカードコネクタは、カードが重なり合うカード支持面を備えたボディとこのボディに装着された板金製のカバーとを有し、ボディとカバーとの相互間の空間がカード挿入空間として形成された筐体に、上記カード挿入空間のカードセット位置に挿入されたカードの板面に具備されている電極に弾接するコンタクトが備わり、上記カード挿入空間に裏返し姿勢で誤挿入されたカードの挿入方向側の先行端面を係止してカードのセット位置への挿入を阻止する係止手段を備えたカードコネクタにおいて、カード挿入空間に挿入されたカードに弾接してそのカードを上記ボディのカード支持面に押し付けるカード弾圧手段を備えていると共に、上記係止手段が、上記カバーの複数箇所に内向きに切起し形成されて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面をその複数箇所に面接触して係止する係止片列でなり、上記係止片列は、同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する複数の第1係止片と、その複数の第1係止片と同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する第2係止片でなり、上記第2係止片は、上記カバーから切起し形成された門形の囲構部によって背面側からバックアップされている、というものである。
【0009】
この発明によると、カード挿入空間に裏返し姿勢でカードが誤挿入されたときには、そのカードの先行端面を係止手段が係止してカードがカードセット位置に挿入されてしまうことが防止される。そして、係止手段が、裏返し姿勢で誤挿入されたカードの先行端面をその複数箇所に面接触して係止する係止片列でなるので、その係止片列がカバーの複数箇所に内向きに切起し形成されているものであっても、カードの先行端面を係止することによって発生する荷重が複数箇所で分散して受け止められるようになる。そのため、カードに過大な押込力が加えられても係止片列が座屈したりカードと筐体との間に係止片列が噛み込んでカードを排出することができなくなったりすることがない。また、係止片列はカードの先行端面を面接触して係止するのでカードが傷付くという事態も生じにくい。さらに、カード挿入空間に挿入されたカードに弾接してそのカードをボディのカード支持面に押し付けるカード弾圧手段を備えているので、そのカード支持面を基準面としてコンタクトの初期位置などを定めることが可能になり、そうすることによって、カードやコンタクト設置位置などについて公差範囲内での寸法のばらつきがあっても、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されたカードの電極にコンタクトが確実に電気的接続されるようになってカード挿入操作の信頼性や電気的接続信頼性が向上する。
【0010】
本発明では、上記係止片列は、同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する複数の第1係止片と、その複数の第1係止片と同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する第2係止片でなり、上記第2係止片は、上記カバーから切起し形成された門形の囲構部によって背面側からバックアップされている。これによれば、複数の第1係止片を容易に形成することができるほか、誤挿入されたカードに過大な押込力が加わっても、第2係止片に加わる押込力を門形の囲構部が受け止めるため、第2係止片が座屈を生じたりすることはなく、そのことが、第1係止片に座屈を生じることを防ぐことにも役立つ。したがって、全体として優れた誤挿入防止作用が発揮されるようになり、カードが裏返し姿勢で誤挿入された場合に、そのカードがカードセット位置まで挿入されてしまうことを機械的に確実に防止することができ、しかも、カードに過大な押込力が加えられたときでも係止片列やカードコネクタが破壊されないようになる。
【0011】
本発明において、上記第1係止片は、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されて片側板面が上記カード支持面に接触して重なり合っているカードの他側板面に形成された溝形凹所内に突き出し、かつ、その溝形凹所に配備されてカードの他側板面との間に段差を形成している電極に間隔を隔てて対峙するようになっていることが望ましく、この構成であると、正規姿勢で挿入されたカードの電極にカバーに切起し形成された第1係止片が短絡するという事態が起こらず、しかも、裏返し姿勢でカードが挿入されたときには、第1係止片がカードの先行端面を確実に係止するので、裏返し姿勢で誤挿入されたカードのカードセット位置への挿入を阻止する作用を第1係止片が確実に発揮するようになる。
【0012】
本発明では、上記第2係止片と上記囲構部が、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されたカードに備わっている溝部に収容されるようになっていることが望ましい。これによれば、正規姿勢で挿入されたカードが第2係止片や上記囲構部によって係止されることなくカードセット位置まで押し込まれるようになる。
【0013】
本発明では、上記第1係止片の表面が電気絶縁処理されていることが望ましい。これによれば、正規姿勢で挿入されたカードの電極と第1係止片との間に金属屑などが介在したとしても、その金属屑を介してカードの電極と第1係止片とが短絡することがなくなって電気的接続信頼性が向上する。
本発明では、上記第2係止片の表面を粗面処理して上記カードの先行端面との摩擦抵抗を増大させてあることが望ましい。これによれば、裏返し姿勢で誤挿入されたカードの先行端面に第2係止片や第1係止片が係止してその誤挿入が阻止された場合に、第2係止片とカードの先行端面とが滑りにくい状態で接触しているので、カードが浮き上がって第1係止片を乗り越えるというような不測の事態が起こりにくくなって係止片列による誤挿入防止作用の信頼性が向上する。
【0014】
本発明では、上記カード弾圧手段が、上記カバーに内向きに切起し形成された片持ち状の板ばね片でなることが望ましい。これによれば、部品を追加することなく安価にカード弾圧手段を形成することができる。
【0015】
本発明では、上記カード挿入空間のカード挿入口が上記ボディ及び上記カバーの各端縁部で形作られていると共に、カード挿入口の口縁を形成しているカバーの端縁部が、外向きに切り起こされた誘い片として形成されていることが望ましい。これによれば、カード挿入口を通じてカード挿入空間にカードを挿入しやすくなる。その作用は、カード挿入口の開口幅が数mmという超小形カードコネクタに本発明を適用した場合に極めて有益な事項となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るカードコネクタのボディ1の概略斜視図、図2は同カバー3を裏返して示した概略斜視図、図3は本発明に係るカードコネクタの使用対象であるメモリーカードなどのカードの概略斜視図である。
【0017】
図1に示したボディ1は合成樹脂成形体でなり、その前端のヘッド部12に横に並ぶ多数のコンタクト2が取り付けられていて、ボディ1の内側に突き出ているコンタクト2の先端部が図3のカード100に具備された電極110に対応する接点21として形成されているのに対し、ボディ1の外側へ突き出ているコンタクト2の他端部が配線基板(不図示)のランドに半田付けされる半田付け端子22として形成されている。ボディ1はその左右の端縁部に側壁部13,14を有し、それらの側壁部13,14の相互間空間が、カード100を挿入するためのカード挿入空間と、そのカード挿入空間の片側のスライダ収容スペースとに区画されていて、上記した多数のコンタクト2はカード挿入空間の前端部に突出している。
【0018】
ボディ1のスライダ収容スペースに縦長形状のスライダ6が前後移動自在に取り付けられている。このスライダ6は、前端部に内向きに突き出たカード受部61を備えていて、カード挿入空間に挿入されてきたカード100の前端コーナ部をこのカード受部61が受け止めるようになっている。また、スライダ6はコイルばねでなるばね材62によって常時後方へ向けて弾発付勢されており、その後退限界位置は、スライダ6がボディ1の後端に備わっている突部15に当たることによって規制されるようになっている。
【0019】
このボディ1に図2のカバー3を装着することによって筐体が形成され、その筐体によってカード挿入空間(スロットル)が形作られると共に、筐体の内部でカード挿入空間の側部に上記スライダ6が位置する。そして、筐体のカード挿入空間にカード100を正規姿勢で挿入したときには、カード100の前端コーナ部がスライダ6のカード受部61に突き当たってスライダ6を押し込むと共に、図3のようにカード100に具備されている凹所120にスライダ6に備わっている樹脂レバー63の突起64が嵌合してカード100がスライダ6にハーフロックされる。また、カード100によって押し込まれたスライダ6は、カード挿入空間内のカードセット位置に対応する位置でカム機構7の作用によってロックされる。さらに、カードセット位置に対応する位置にスライダ6がロックされているときに、カードを介してスライダ6を押し込むとそのロック状態が解除され、ばね材62の力でスライダ6がカード100と共に初期位置まで後退する。なお、ハーフロックとは、カード100を大きな力で引張ったときにはカード100がスライダ6から引き抜かれ、カードを引張る力がそれほど大きくないときには、カード100がスライダ6に保持されているようなロック状態のことである。
【0020】
図1に示したボディ1の底面は、カード挿入空間に挿入されたカード100が重なり合うカード支持面16として平坦に形成されている。また、図2のカバー3は板金製であって、その幅方向両側に図1のボディ1の側壁部13,14の外側に重なり状に嵌合されて固定される壁部31,32を備えている。また、カバー3は、その上板部33の左右2箇所に、内向きに切起し形成された前向き片持ち状の板ばね片34,34でなるカード弾圧手段を有していると共に、前端側部分に係止片列35を有している。係止片列35は、横一列に並んだ複数の第1係止片36…と、それらの第1係止片36の横に一列に並んだ第2係止片37とからなる。そして、第1係止片36は、カバー3の上板部33の複数箇所に切り出した切出し片のそれぞれの付け根部分の1箇所36a(図6参照)を略直角に折り曲げてそれらの切出し片を内向きに切り起こすことによって形成されていて、それぞれの第1係止片36の高さは同一になっている。これに対し、第2係止片37は、カバー3の上板部33に切起し形成された門形の囲構部38に一体に連設されていて、囲構部38が第2係止片37を背面側からバックアップしている。図9は図2のIX−IX線に沿う部分の拡大断面図であり、同図で判るように、囲構部38はU字形状に形成されている。また、第2係止片37や囲構部38の高さは、カード100に備わっている溝部104に干渉しない程度の高さになっている(図3参照:溝部104については後述する)。
【0021】
次に、図3に示した使用対象としてのカード100は、平坦な片側板面101(図6など参照)とその反対側の他側板面102とを有していて、他側板面102に上記凹所120が備わっていると共に、その他側板面102の前端部には横に並んだ複数条の溝形凹所103が備わり、それらの溝形凹所103のそれぞれに各別に上記電極110が配備されている。しかも、それぞれの溝形凹所103に配備されている電極110とカード100の他側板面102との間には一定の段差Aが形成されている。さらに、カード100の他側板面102の幅方向一端側の前端部には溝部104が形成されている。
【0022】
図4はカード挿入空間にカード100が裏返し姿勢で誤挿入された場合の作用を説明するための要部拡大縦断側面図、図5は同作用を説明するための概略底面図、図6はカード挿入空間にカード100が正規姿勢で挿入された場合の作用を説明するための要部拡大縦断側面図、図7はカード弾圧手段としての板ばね片34の作用などを説明するための要部拡大縦断側面図である。
【0023】
上記したボディ1とカバー3との相互間の空間によって形成されているカード挿入空間のカードセット位置に図3のカード100を正規姿勢で挿入したときには、図7のように板ばね片34がカード100の他側板面102に弾接してそのカード100の片側板面101がボディ1のカード支持面16に押し付けられて接触状態で重なり合った状態になる。また、図6のように、それぞれの第1係止片36がカード100の他側板面102の複数の溝形凹所103内に各別に突き出し、かつ、その溝形凹所103に配備されている電極110に間隔を隔てて対峙する。この場合、上記のようにカード100が板ばね片34によってボディ1のカード支持面16に弾圧状態で押し付けられているので、そのカード支持面16を基準面として図7に示したカード支持面16と電極110の表面との間隔寸法aが公差範囲内に収まり、かつ、図6に示した第1係止片36の高さが公差範囲内に収まっていれば、第1係止片36が電極110に接触して短絡するという事態は起こり得ない。しかしながら、稀には、カード挿入空間に侵入した金属屑などが第1係止片36と電極110との間に介在されて両者が金属屑などを介して短絡するという事態が起こることも想定される。そこで、この実施形態では、第1係止片36のそれぞれに絶縁皮膜を形成するという絶縁処理を施してある。このようにしておけば、カード挿入空間に侵入した金属屑などが第1係止片36と電極110との間に介在されたとしても、両者が電気的に短絡するという事態の起こる余地がなくなるので、カバー3によってカード100側の複数の電極110が短絡して誤作動を起こすおそれがなくなり、それだけ接続信頼性が向上する。
【0024】
また、上記のようにカード挿入空間のカードセット位置に図3のカード100を正規姿勢で挿入したときには、図3に示したカード100の溝部104に図2に示したカバー3の第2係止片37と囲構部38とが収容される。さらに、図6のように、コンタクト2の接点21がカード100の溝形凹所103に進入して電極110に乗り上がり、コンタクト2の接点21が電極110に電気的接続される。
【0025】
ここで、図7に示したように、コンタクト2の接点21は、コンタクト2を形成している板ばね材の先端部を湾曲形状に折り曲げて谷形に形成されていて、カードセット位置に挿入されたカード100の電極110にその接点21を弾接させて接続信頼性を高めるようになっている。そのため、カード100がカードセット位置に挿入されていないときには、コンタクト2の接点21が、カードセット位置に挿入されたカード100の電極110に対する接触位置よりも下位に位置している必要があり、そのようにしておくと、カードセット位置に挿入されたカード100の電極110にコンタクト2の接点21が乗り上がると、その接点21が電極110に弾接するようになる。ところが、コンタクト2の接点21の先端23が下位に位置しすぎていると、カード100がカードセット位置に挿入されてきたときに、その先端23がカード100に突き当たって座屈を生じたりするおそれがある。
【0026】
この点に関しても、カード100が図7に示した板ばね片34によってボディ1のカード支持面16に弾圧状態で押し付けられているので、そのカード支持面16を基準面として図7に示したカード支持面16と接点21の先端23との間隔寸法bを、上記したカード支持面16と電極110の表面との間隔寸法aよりも大きくしておくと、その間隔寸法bが公差範囲内に収まっている限り、カード100がカードセット位置に挿入されてきたときに、接点21の先端23がカード100に突き当たるという事態が起こり得ない。
【0027】
以上より、この実施形態のようにカード弾圧手段としての板ばね片34を設けておき、その板ばね片34でカード挿入空間に挿入されたカード100をボディ1のカード支持面16に接触させて弾圧するようにしておくと、当該カードコネクタ側では、ボディ1のカード支持面16を基準面としてコンタクト2の接点21の初期位置を公差範囲内に設定し、カード100側では、上記カード支持面16に重なり合う片側板面101を基準面としてその片側板面101と電極110の表面との間隔寸法aを公差範囲内に設定するだけで、カード100の全厚を考慮することなく、カード100がコンタクト2に突き当たってコンタクト2が座屈するという事態が起こることを回避してカード挿入操作の信頼性や接続信頼性を高めることが容易に可能になるので、累積公差をきわめて小さく抑えることが可能になってカードコネクタ自体の厚さを薄くし、その薄形化を促進しやすくなる。
【0028】
次に、カード100が裏返し姿勢でカード挿入空間に誤挿入された場合には、図4又は図5のように、カード100の挿入方向の端面、すなわち先行端面105を、複数の第1係止片36や第2係止片37が係止するので、カード100を押し込めなくなる。これによってカード100が裏返し姿勢のままカードセット位置まで押し込まれてしまうことが防止される。
【0029】
特にこの実施形態では、複数の第1係止片36と第2係止片37とがカード100の先行端面105の複数箇所に接触して係止するので、カード100の先行端面105を係止することによって発生する荷重が複数の第1係止片36や第2係止片37で分散して受け止められるようになる。そのため、カード100に過大な押込力が加えられても第1係止片36や第2係止片37が座屈したりカード100と筐体との間にそれらの係止片36,37が噛み込んでカード100を排出することができなくなったりすることがない。
【0030】
また、この実施形態では、第1係止片36や第2係止片37の板面がカード100の先行端面105に面接触して係止するように構成しているので、カード100が傷付くという事態も生じにくい。
【0031】
さらに、誤挿入されたカード100に過大な押込力が加わっても、第2係止片37に加わる押込力が門形の囲構部38によって受け止められるので、第2係止片37が座屈を生じたりすることはなく、その結果、第1係止片36が座屈を生じることもなくなる。したがって、全体として優れた誤挿入防止作用が発揮されるようになり、カード100が裏返し姿勢で誤挿入された場合に、そのカード100がカードセット位置まで挿入されてしまうことを機械的に確実に防止することができ、しかも、カード100に過大な押込力が加えられたときでも係止片列やカードコネクタが破壊されないようになる。
【0032】
ところで、カード100が裏返し姿勢で誤挿入されてその先行端面105を第1係止片36や第2係止片37が係止した場合でも、カード100に加えられる操作力などによってその先行端面105が第1係止片36や第2係止片37に対し滑ってカード100がカード挿入空間内で傾いたりして先行端面105が上下方向で変位し、それによって第1係止片36や第2係止片37を先行端面105が乗り越えるという事態が稀に想定される。そこで、この点を改善するために、この実施形態では、第2係止面37の表面をサンドブラスト加工などの手段で粗面処理することによって、カード100の先行端面105と第2係止片37との摩擦抵抗を増大させてある。こうしておけば、裏返し姿勢で誤挿入されたカード100の先行端面105に第2係止片37や第1係止片36が係止してその誤挿入が阻止された場合に、第2係止片37とカード100の先行端面105とが滑りにくい状態で接触しているので、カード100が傾いたりして第1係止片36を乗り越えるというような不測の事態が起こりにくくなる。
【0033】
さらにこの実施形態では、図8に示したように、カード挿入空間のカード挿入口130をボディ1及びカバー3の各端縁部で形作り、カード挿入口130の口縁を形成しているカバーの端縁部を外向きに切り起こして誘い片39として形成してある。こうしておけば、カード挿入口130の縦幅が数mmに過ぎない超薄型のカードコネクタであっても、カード挿入口130からカード挿入空間にカード100を容易にかつ確実に挿入することができるようになる。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るカードコネクタによれば、裏返し姿勢で誤挿入されたカードの端面を係止することによって発生する荷重を複数箇所で分散して受け止めることができるようになるので、カードの誤挿入を機械的な手段で防止し、併せて、カードに過大な押込力が加えられたときでも、カードが傷付いたりカードの誤挿入を防ぐ手段ひいてはカードコネクタが容易に破壊されたりしないようになる。また、カードやコンタクト設置位置などについて公差範囲内での寸法のばらつきがあっても、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されたカードの電極にコンタクトが確実に電気的接続されるカードコネクタを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカードコネクタのボディの概略斜視図である。
【図2】 同カバーを裏返して示した概略斜視図である。
【図3】 本発明に係るカードコネクタの使用対象であるカードの概略斜視図である。
【図4】 カードが裏返し姿勢で誤挿入された場合の作用を説明するための要部拡大縦断側面図である。
【図5】 同作用を説明するための概略底面図である。
【図6】 カードが正規姿勢で挿入された場合の作用を説明するための要部拡大縦断側面図である。
【図7】 カード弾圧手段としての板ばね片の作用などを説明するための要部拡大縦断側面図である。
【図8】 カード挿入口の形状を示した部分断面図である。
【図9】 図2のIX−IX線に沿う部分の拡大断面図である。
【符号の説明】
100 カード
16 カード支持面
1 ボディ
3 カバー
110 電極
2 コンタクト
105 先行端面
34 板ばね片(カード弾圧手段)
35 係止片列
36 第1係止片
38 囲構部
37 第2係止片
101 片側板面
102 他側板面
103 溝形凹所
104 溝部
130 カード挿入口
39 誘い片
Claims (7)
- カードが重なり合うカード支持面を備えたボディとこのボディに装着された板金製のカバーとを有し、ボディとカバーとの相互間の空間がカード挿入空間として形成された筐体に、上記カード挿入空間のカードセット位置に挿入されたカードの板面に具備されている電極に弾接するコンタクトが備わり、上記カード挿入空間に裏返し姿勢で誤挿入されたカードの挿入方向側の先行端面を係止してカードのセット位置への挿入を阻止する係止手段を備えたカードコネクタにおいて、
カード挿入空間に挿入されたカードに弾接してそのカードを上記ボディのカード支持面に押し付けるカード弾圧手段を備えていると共に、上記係止手段が、上記カバーの複数箇所に内向きに切起し形成されて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面をその複数箇所に面接触して係止する係止片列でなり、上記係止片列は、同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する複数の第1係止片と、その複数の第1係止片と同一直線上に設けられて裏返し姿勢で誤挿入されたカードの上記先行端面に面接触して係止する第2係止片でなり、上記第2係止片は、上記カバーから切起し形成された門形の囲構部によって背面側からバックアップされていることを特徴とするカードコネクタ。 - 上記第1係止片は、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されて片側板面が上記カード支持面に接触して重なり合っているカードの他側板面に形成された溝形凹所内に突き出し、かつ、その溝形凹所に配備されてカードの他側板面との間に段差を形成している電極に間隔を隔てて対峙するようになっている請求項1に記載したカードコネクタ。
- 上記第2係止片と上記囲構部が、カード挿入空間のカードセット位置に正規姿勢で挿入されたカードに備わっている溝部に収容されるようになっている請求項1又は請求項2に記載したカードコネクタ。
- 上記第1係止片の表面が電気絶縁処理されている請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
- 上記第2係止片の表面を粗面処理して上記カードの先行端面との摩擦抵抗を増大させてある請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
- 上記カード弾圧手段が、上記カバーに内向きに切起し形成された片持ち状の板ばね片でなる請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
- 上記カード挿入空間のカード挿入口が上記ボディ及び上記カバーの各端縁部で形作られていると共に、カード挿入口の口縁を形成しているカバーの端縁部が、外向きに切り起こされた誘い片として形成されている請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載したカードコネクタ。
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