JP4098978B2 - スリッタ用丸刃およびそれを用いたスリッティング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂フィルム、紙、金属箔、金属薄板等の長尺シート状の被切削物を連続的に切断するためのスリッタ用丸刃およびスリッティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、2枚の円形回転丸刃の刃先を重ねて、その第1刃と第2刃との刃先部分の重なり部分で薄板状の被切削物を切断するスリッティング方法が知られている。
【0003】
かかるスリッティング方法においては、前記第1刃と第2刃との重なり部分に被切削物に固有の剪断角に応じたクリアランス(第1刃の刃先と第2刃の刃先が最も深く重なる部分における第1刃の刃先と第2刃の刃先との距離)を与えることによって、小さい力で鋭利な剪断面にカッティングできることが知られている。
【0004】
しかし、従来のスリッタにおいては、丸刃のセッティング時にサブμm〜数μmオーダーのクリアランスができるように精度良く配設することは困難であるために、クリアランスをゼロに近づけ、すなわち、2枚の丸刃を接触させるようにセッティングする方法が採られているが、この方法によれば、両丸刃の刃先が接触するために早期に刃先が磨耗してしまい、丸刃の寿命が短いとともに、刃先の切れ味が悪く、摩耗粉末の影響により被切削物の切断品質を低下させるという問題があった。
【0005】
そこで、特許第3195597号公報によれば、上刃(第2刃)に所定量の撓みを持たせることによって、所望のクリアランスを付与できることが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許第3195597号公報に記載された方法によってクリアランスを付与する方法によれば、第2刃の撓み量によってクリアランスを付与するために、第2刃に所定の応力を付勢する必要があり、セッティングや第2刃の厚みばらつき等によって付勢される応力にばらつきが生じたり、長期間使用することによって第2刃に疲労による撓み量が変化してしまい、所定量のクリアランスを長期間にわたって精度良く付与することができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的は、刃先の寿命を延命できるとともに、微少幅のクリアランスを長期間にわたって精度良く設定することができるスリッタ用丸刃およびそれを用いたスリッティング方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について、微少幅のクリアランスを長期間にわたって精度良く設定できる構成について検討した結果、第2の丸刃の重なり面側に位置する刃先にテーパーを形成することによって、刃先の寿命を延命できるとともに、微少幅のクリアランスを長期間にわたり精度良く設定することができることを知見した。
【0009】
ここで、前記第2刃の刃先のテーパー角θ1が0°15′〜40°であること、前記第2刃の重なり面が中央から刃先に向かって傾き角θ2=0〜10°だけ傾いた凹形状をなしていること、前記第1刃の刃先と前記第2刃の刃先とのなす角θ3(θ1−θ2)が0°15′〜30°であることが望ましく、また、前記第2刃の刃先と前記第1刃との距離が0.005〜0.1mmであることが望ましい。
【0010】
さらに、前記第2刃がヤング率200GPa以上の材質からなることが望ましい。
【0011】
さらにまた、本発明のスリッティング方法は、前記スリッタ用丸刃の前記第1刃および第2刃が各々の中心を軸として互いに逆方向に回転しつつ、前記第1刃の刃先と前記第2刃の刃先との重なり部分で被切削物を剪断により連続的に切断することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のスリッタ用丸刃について、(a)正面図、(b)丸刃2、3の中心O、Pを通る軸Sにおける刃先部分の拡大断面図、(c)点Aを通る軸Tにおける刃先部分の拡大断面図である図1を基に説明する。
図1によれば、スリッタ用丸刃1は、概略円板形状の2枚の丸刃である第1刃(下刃)2と第2刃(上刃)3との刃先2a、3aが所定間隔Dだけ重なった状態で平行に配設されており、各丸刃2、3は各々の中心を固定されて、その軸を中心にそれぞれが回転するようにセッティングされている。
【0013】
本発明によれば、第2刃3の重なり面側F1に位置する刃先3aに重なり面F1側の刃先3aの角部を切り取るようなテーパー5を形成したことが大きな特徴であり、これによって、第1刃2および第2刃3の刃先2a、3aが接触することを防止できる結果、刃先2a、3aそれぞれの寿命を延命できるとともに、図1(c)に示す刃先2a、3aが重なり始める点Aを通る軸Tにおける第1刃2と第2刃3との配置に示す側面図に示すように、微小幅の所定幅のクリアランス(第2刃3の刃先と第1刃2との距離)Eを長期間にわたり精度良く設定することができる。
【0014】
すなわち、上記のように所定の微小幅に制御されたクリアランス値に調整してセッティングされたスリッタ用丸刃1の第1刃2および第2刃3を図1(a)に示すように、各々の丸刃2、3の中心を軸として互いに逆方向に回転させつつ、被切削物がスリッタ用丸刃1の側面方向を垂直に横切るように連続的に送ることにより、点Aから点B、特に点Aにおいて、第1刃2と第2刃3とが近似的に重なる部分、換言すれば被切削物のうち各々の刃先2a、3a間に形成された所定幅のクリアランスE部分に入り込んだ部分に所望の有効な剪断応力が付与されて、被切削物を連続的に小さい力で鋭利な剪断面にカッティングすることができる。
【0015】
ここで、本発明によれば、サブμm〜数μmオーダーの所定量のクリアランスを容易に設定できる点で、第2刃3の刃先3aのテーパー角θ1が0°15′〜40°であることが望ましい。
【0016】
また、刃先2a、3a間の切れ味を高め、かつカッティングした後の被切削物が傾くことにより丸刃2、3から無理な力を受けず逃げられるようにするために、図2の第2刃2の概略側面図に示すように、第2刃3の重なり面F1が中央3bから刃先3aに向かって傾き角θ2=2〜10°だけ傾いた凹形状をなしていることが望ましい。
【0017】
つまり、第1刃2の刃先2aと第2刃3の刃先3aとのなす角θ3、すなわち第1刃2の軸線Lと第2刃3の刃先3aのテーパー5とのなす角θ3(θ1−θ2)は0〜30°であることが望ましく、これによって、図1(b)から明らかなようにクリアランスE=(2/D)×tanθ3の微少幅、特に0.005〜0.1mmのクリアランスEを精度良く、かつ容易に設定することができる。ここで、軸線Lは第1刃2の中心Pを通って対向する刃先(2a、2a’)間を通る直線を指す。
【0018】
なお、従来刃先以外の所が、接触しないように軸と直角の刃先面より内側へ、数度の逃げ(アンダーカット)がとってあり、第1刃2の重なり面F2に位置する刃先2aにもテーパー7が形成されていることが望ましい。また、第1刃2の刃先2aより所定距離内側に切り欠き8を形成することによって、刃先を砥石で研磨する際に切り欠きを設けた方が、加工性が良いという効果がある。
【0019】
さらに、本発明によれば、長期間の使用によっても第1刃2および第2刃3間のクリアランス値が変化しないように、第2刃3がヤング率200GPa以上の材質からなることが望ましく、例えば、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ダイヤモンド等のセラミックスや超硬合金及びサーメットの群から選ばれる1種類または2種類以上の硬質材料が好適であり、中でも耐摩耗性および耐欠損性の高い超硬合金またはサーメットが最適である。また、第1刃2も第2刃3と同様な材質にて構成することが望ましい。
【0020】
なお、本発明における第1刃2および第2刃3は外周が円形であれば特に限定されるものではなく、例えば、円盤状、円の中心部分が切り欠かれたリング状、円の中心部分に凹部を形成した形状等のいずれの形状も適応可能である。
【0021】
また、第1刃2と第2刃3との厚みは特に限定するものではないが、特にスリッティングの位置や方向性(直線性)を高めるために第1刃2の刃先2a部分の厚みが2.0〜50mmであり、かつ、セッティング精度を高め、かつ被切削物の送りを円滑にするために第2刃の刃先3aの厚みが0.3〜10.0mmであることが望ましい。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、第2の丸刃の重なり面側において、この第2刃の刃先にテーパーを形成することによって、刃先の寿命を延命できるとともに、微少幅のクリアランスを長期間にわたり精度良く設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスリッタ用丸刃を用いたスリッティング方法を説明するための概念図であり、(a)は正面図、(b)は丸刃の中心を通る軸Sにおける拡大断面図、(c)は点Aを通る軸Tにおける拡大断面図である。
【図2】図1の第2刃の構成を説明するための側面図である。
【符号の説明】
1 スリッタ用丸刃
2 第1刃(下刃)
3 第2刃(上刃)
5、7 テーパー
8 切り欠き
Claims (6)
- 下刃である第1刃および上刃である第2刃を、互いの刃先同士が径方向にて重なるように配設したスリッタ用丸刃において、
前記第2刃の重なり面側に位置する刃先には、テーパーが形成されており、
前記第2刃の刃先のテーパーは、前記第1刃及び第2刃の中心を通る軸線上の1点のみで前記第1刃と接触するとともに、
前記第1刃の刃先は、前記第2刃と重なる部位全体が、前記第2刃のテーパー形成部の直下領域内に位置していることを特徴とするスリッタ用丸刃。 - 前記第2刃の刃先のテーパー角θ1が0°15′〜40°であることを特徴とする請求項1記載のスリッタ用丸刃。
- 前記第2刃の重なり面が中央から刃先に向かって傾き角θ2=0〜10°傾いた凹形状をなしていることを特徴とする請求項1又は2記載のスリッタ用丸刃。
- 前記第1刃の刃先と前記第2刃の刃先とのなす角θ3(θ1−θ2)が0°15′〜30°であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のスリッタ用丸刃。
- 前記第2刃の刃先と前記第1刃との距離が0.005〜0.1mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のスリッタ用丸刃。
- 請求項1乃至5のいずれか記載のスリッタ用丸刃の前記第1刃および第2刃が各々の中心を軸として互いに逆方向に回転しつつ、前記第1刃の刃先と前記第2刃の刃先との重なり部分で被切削物を剪断により連続的に切断することを特徴とするスリッティング方法。
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