JP4098598B2 - ウェハ搬送装置の教示用装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハ搬送装置内のロボットの教示において使用する装置に関し、特に高さ方向の位置の教示を行う教示用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロボットを用いたウェハ搬送装置においては、ウェハが落下したり処理が正しく行えないなどの不具合を防止するためロボットがウェハをモジュール内の所定の位置へと正確に搬送する必要がある。
しかし実際にはウェハ搬送装置を構成する部品の寸法誤差、装置の組立誤差などの様々な原因により、ロボットを設計値通りの位置へ動かしても、ウェハを所定の位置へ正確に搬送することができない。したがって、ウェハ搬送装置の稼働に先立ち、ロボットの教示作業が必要となる。
【0003】
従来のロボットの教示作業は、主にロボットを目標位置付近で微動させながら、最終的にはオペレータの目視により行っていた。高さ方向に関しては、例えばモジュール内のピンの先端を基準に位置決めする場合などは、ピンとロボットのウェハ搬送部間の間隙をゲージ等で測定して教示位置の確認を行っていた。
しかし半導体製造装置の高密度化・高層化に伴い装置内のロボットやモジュール数が増加し、教示作業は複雑になり多くの時間を要するようになった。
さらに目視による教示位置の確認が困難になったり、また高い位置に設置されるモジュールに対する教示作業などでは、不安定な姿勢で作業を行わねばならないなどオペレータに負担を強いていた。加えて教示作業を行うオペレータによって教示精度にばらつきが生じるという問題があった。
【0004】
このような問題を解消するために、たとえば特許文献1(特開2001−156153号公報)には、図15に示すような基板搬送装置の自動教示治具が記載されている。この治具200は、基板搬送装置のアーム31bで保持可能な本体部210を有しており、本体部210には任意のウェハ処理ユニットの搬送位置に設けられた被検出部122を遊挿させるために孔270が形成されており、孔270の周囲には被検出部122のエッジ部分を検出するための光センサヘッド231,232,241,242が設けられている。光センサヘッド231,232はY軸方向に被検出部122を検出するための投光部と受光部からなる一組の光センサヘッドであり、また光センサヘッド241,242はX軸方向に被検出部122を検出するための投光部と受光部からなる一組の光センサヘッドである。これらの光センサヘッドからは、光コネクタ251〜254に光信号を授受するための光ファイバF1が接続されている。
【0005】
この自動教示治具200をアーム31bにセットし、本体部210の孔270内に所定の搬送位置に設けられた被検出部122が入り込むようにアーム31bを移動させ、アーム31bをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動させてそれぞれの軸の中心位置を求めることにより、各軸の基準位置を求めて、基板搬送装置の位置ずれを解消するようにしたものである。なお、アーム31aについても、自動教示治具200を用いることにより、基準位置を求めることができる。なお、図15中、35はアーム31a,31bを支持するアーム支持台、38は保持部材、39は光コネクタ256〜263を保持する保持台である。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−156153号公報(第4〜5,8頁、図3,7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1に記載された自動教示治具は、ウェハの各処理ユニットに対するアームの位置を自動的に教示することを目的とするものであり、ウェハそのものの搬送を行うための教示作業を示唆するものではない。特に、ウェハの高さ方向の位置の教示に関しては、特許文献1ではウェハの厚みを考慮していないため、適用ができない。
そこで本発明は、教示作業、特に高さ方向の教示作業に要する時間の短縮、オペレータの負担軽減、オペレータによらない教示精度の確保を可能とし、ウェハ搬送装置のメンテナンス性を向上する教示用装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の構成は、ウェハを載置する複数のピンを内部に備えたモジュールと、前記ウェハを搭載して前記モジュール内挿入し、前記ピン上に前記ウェハを載置可能なウェハ搭載部を備えたロボットと、前記ロボットを制御する制御部とを備えたウェハ搬送装置の前記ウェハ搭載部搭載可能であり、前記モジュール内のピンに対してウェハを搬送する際の前記ウェハの高さ方向の位置を前記制御部に教示するための教示用装置であって、ウェハの形状を模し前記モジュール内のピン上に載置可能な大きさを持つ内板と、前記内板を下方から支持すると共に、前記内板を載置する前記ピンがその内部を通過できる穴が形成され前記ウェハ搭載部に搭載可能な外板と、前記外板に取り付けられた投光器と受光器からなる光電センサと、前記外板に取り付けられて前記投光器が発する光の方向を変化させて前記受光器に入光させる偏向手段とを備え、前記内板および外板を前記ウェハ搭載部に搭載して前記モジュール内へ挿入した状態で前記ウェハ搭載部を昇降させることにより前記モジュール内のピン上に載置された前記内板が前記外板に対して相対的に昇降するときに、前記投光器から前記受光器に至る光の光路を前記内板が干渉するように、前記光電センサおよび前記偏向手段を配置したものである。
この第1の構成においては、ロボットのウェハ搬送装置に教示用装置を取り付け、ウェハ搭載部を上下動したときの光電センサの出力のオン・オフの切り替わりの位置に基づいてウェハ搭載部の基準位置を求め、この基準位置に対して、所定の教示動作を行う。これにより、ウェハ搭載部の高さ方向の教示を自動的に、かつ高精度に行うことができる。
【0009】
本発明の第2の構成は、教示作業時に前記モジュール内のピン上に前記内板を載置する際に、前記投光器が発する光と前記ピンとが干渉しないように前記光電センサを配置したものである。
この第2の構成においては、投光器が発する光のビームをモジュール内のピンが横切らないようにすることで、教示作業に支障の無いようにする。
【0010】
本発明の第3の構成は、前記ウェハ搭載部を昇降させることにより前記モジュール内のピン上に載置された前記内板を前記外板に対して相対的に上昇または下降させる工程と、前記内板の前記外板に対する上昇または下降により前記光電センサの出力が切り替わったときの前記ウェハ搭載部の第1の位置を検出する工程と、前記内板の前記外板に対する前記第1の位置からのさらなる上昇または下降により前記光電センサの出力が切り替わったときの前記ウェハ搭載部の第2の位置を検出する工程と、前記第1の位置と前記第2の位置の中間の位置を前記ウェハ搭載部高さ方向の基準位置とする工程とを実行する手段を備えたものである。
この第3の構成においては、ロボットの制御部でウェハ搭載部を上昇または下降するときの光電センサの出力を監視し、出力がオンからオフまたはオフからオンに切り替わったときのウェハ搭載部の位置に基づいてウェハ搭載部の基準位置を算出することで、高精度な教示が可能になる。
【0011】
本発明の第4の構成は、前記ピンの先端と前記外板の下面との高さの差がcになるよう教示する場合に、前記外板の上面から測った前記投光器から投光される光のビームの高さをa、前記外板の厚みをb、前記内板の厚みをdとしたときに、前記ウェハ搭載部の基準位置から前記ウェハ搭載部の高さをa+b+c−(d/2)だけ上げる指令を前記制御部に対する指令として出力する手段を備えたものである。
この第4の構成においては、a,b,dの値はその装置においては一義的に決まっているのでそれらの値を予め保存しておき、またウェハ搭載部の基準位置は前記第3の構成により得られるので、教示したい位置cを指令装置に設定することで、ウェハ搭載部が移動すべき位置を指示することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態における教示用装置の例を示す斜視図である。
図1に示すように本実施形態の教示用装置20は、内板1及び外板2からなる円板状の形状であり、内板1はモジュール内のピン上に載置可能な大きさに設計され、外板2により支えられる構造になっており、教示時はウェハ搭載部上に外板2と共に載置される
外板2には透過形の光電センサが設置されているが、その投光器3と受光器4は正対しておらず、同じく外板2に設置された2つのミラー5−1,5−2により投光器3からの光6がその進行方向を変え、受光器4に入光するようになっている。
さらに投光器3、受光器4及びミラー5−1,5−2は、図1の状態において投光器3からの光路の一部が内板1の上を通過するように配置されている。
また図示はされていないが光電センサの出力は外部に接続・参照できるようになっている。
図2は教示作業を行う際の制御機構の例を示すブロック図である。図中21は投光器3と受光器4からなる透過形光電センサ、8は指令装置、9は制御装置、7は制御装置9によって教示動作を行うロボット(ウェハ搭載部)である。
【0013】
次に、本実施形態の教示用装置20を用いた教示作業の手順について説明する。ただし、ウェハ搭載部の水平方向の教示は、例えば、ウェハ搭載部7にカメラ付きの治具を載置して、前記カメラで教示対象のモジュール内の画像を得て、この画像を基準にウェハ搭載部7を水平面内で位置決めする方法、あるいはウェハを搬送する複数のフォーク(ウェハ搭載部)がある場合に、他方のフォークに水平検知用の治具を載せて、ロボットアームの水平方向の教示を終了させ、そのときの値をオフセットする方法などにより、ある程度の精度で既に完了しているものとする。
教示作業を行う際には、図3に示すように教示用装置20をロボットのウェハ搭載部7に設置する。
次に、指令装置8からの指令により制御装置9を介してウェハ搭載部7を教示対象のモジュール内に挿入する。
【0014】
図4はモジュール内に教示用装置20を挿入した状態を示した側面図である。
ただし、説明のため、ウェハ搭載部7やミラー5−1,5−2を省略して投光器3と受光器4が正対するように描いている。図4の状態から、指令装置8からの指令により制御装置9を介してウェハ搭載部7を下方向に動かすことによって、教示装置20の内板1のみがピン10に支えられ、外板2に対して相対的に徐々に持ち上がる。
ウェハ搭載部7を下方向に動かすことによってピン10により支えられた内板1が外板2に対して相対的にある程度まで持ち上がると、図5のように内板1が外板2上の投光器3からの光6を遮るため、一旦光電センサ21の出力は非受光状態になる。
さらに内板外板2に対して相対的に上がると、図6の状態を経て図7のように、投光器3からの光6が再び受光器4に入光するため、光電センサ21の出力は受光状態となる。
図7の状態を過ぎ、図8のような状態になると、指令装置8の信号により制御装置9を作動させ、ウェハ搭載部7の下方向への動作を止める。
なお、図4〜8の状態のときに、内板1を支えているピン10が投光器3の発する光6と干渉して透過形光電センサ21の出力に影響を及ぼさないよう、投光器3、受光器4及びミラー5−1,5−2の配置は考慮されている。
【0015】
図8の状態からウェハ搭載部7を上方向に動かすよう指令装置8から制御装置9へと指令を出すことによって、上記とは逆に図7,図6、図5の状態を経て図4の状態に戻し、最後にモジュール内からウェハ搭載部7を抜き取る。
この一連の動作の間、指令装置8で透過形光電センサ21の出力を監視しておき、図5の状態で透過形光電センサ21の出力がオン状態からオフ状態に切り替わった時と、図7の状態で透過形光電センサ21の出力がオフ状態からオン状態に切り替わった時に、制御装置9からウェハ搭載部7の高さ方向の位置を取得し記録しておく。この透過形光電センサ21の出力を監視するのは、図4の状態からウェハ搭載部7を下方向へ動かす間でもよいし、図8の状態からウェハ搭載部7を上方向へ動かす間でもよい。またその両方で監視及び記録を行ってもよい。ウェハ搭載部7を下方向と上方向の両方で監視を行ってオンオフ状態の切り替わりの高さの平均値をとることで、透過型光電センサ21のヒステリシスによる影響を低減することができる。
【0016】
以上の操作で、図5の状態のときと図7の状態のときのウェハ搭載部7の高さ方向位置が得られるので、その中間値を計算することで、ウェハ搭載部7とピン10とが図6の位置関係となるウェハ搭載部の高さ方向基準位置を得ることができる。
例えば、図9において、ピン10の先端と外板2の下面との高さの差がcになるよう教示したい場合、図6の基準位置の状態からa+b+c−(d/2)だけウェハ搭載部7の高さを上げればよい。ここで、aは外板2の上面から測った投光器3から投光される光6のビームの高さ、bは外板2の厚み、dは内板1の厚みである。寸法a,b,dについては教示用治具20の設計値から知ることができるため、図6の状態を基準に、そこからウェハ搭載部7をa+b+c−(d/2)だけ上方向に動かした位置を教示位置とすることで、高さ方向の教示作業が完了する。
なお、以上の説明は、ウェハ搭載部7によって昇降する内板1がピン10上に水平に載置される場合である。しかし、複数個のピン10の位置が高さ方向にずれているときは、図10に示すようにピン10の外板2に対する相対的な上昇時に内板1の上部が光6を遮ってから、図11に示すように再び光6が通ることを光検出器4が感知するまでのピン10の高さ方向の距離d’は内板1の厚みdとは異なってくる。内板1の厚みdは既知であるので、距離d’を検証することで、装置の水準のチェックを行うことができ、教示作業の信頼性を高めることができる。
具体的に説明すると、図12(a)に示すように、投光器3、受光器4、ミラー5−1,5−2が配置され、内板1がA,B,C,Dの4点で光6と交差し、内板1が図12(b)に示すようにφだけ傾いている場合を想定する。なお、A,B,C,Dの4点は、内板1の中心を通るx,y軸に対して、x軸からθの位置にあるとする。
図12(a)のA→B→C→Dのように光路が形成されているとき、内板1がx−y平面から見てどちらに傾いているかで、受光器4から見た内板1の見かけ上の厚みd’は違って見える。
(1)BD方向へ傾いているときが、d’が一番大きい。
このとき、距離d’は、BDの長さは内板1の直径Dに等しいため、
d’=Dsinφ+dcosφ
となる。
(2)(i) θ>45°のとき、BC方向(x軸方向)がd’は一番小さくなる。
このときの距離d’は、
d’=BCsinφ+dcosφ
(ii) θ<45°のとき、CD方向(y軸方向)がd’は一番小さくなる。
このときの距離d’は、
d’=ABsinφ+dcosφ
また、この場合、内板1の傾きφが大きいと、投光器3とミラー5−1の間の光6と、ミラー5−2と受光器4の間の光6を内板1が通過するので、透過型光電センサ21のオン→オフは2回発生する場合がある。この場合は、最初に透過型光電センサ21がオン→オフとなった位置と、2回目に透過型光電センサ21がオフ→オンとなった位置の差を、距離d’とする。
以上により、内板がφだけ傾いている場合は、
BCsinφ+dcosφ<d’<BDsinφ+dcosφ
の範囲で厚み検知が可能である。
このように、距離d’を検証することで、装置の水準のチェックを行うことができ、教示作業の信頼性を高めることができる。
【0017】
<第2実施形態>
図13は本発明の第2実施形態に係る制御機構のブロック図である。
図2に示した制御機構では、透過形光電センサ21の出力を指令装置8で監視し、その出力が変化したときのウェハ搭載部7の高さ方向位置を記録する形態をとっているが、第2実施形態では、図13のように透過形光電センサ21の出力を制御装置9で監視し、指令装置8からは制御装置9に対し上下動作の指令のみを行い、制御装置9内で透過形光電センサ21の出力が変化したときのウェハ搭載部7の高さ方向位置を記録しておき、その結果を指令装置8へと出力するようにしている。
図2の制御機構では、透過型光電センサ21の出力を指令装置8に取り込んで制御装置9に出力しているため、制御装置9の負担が軽くなるが、透過型光電センサ21からの教示時のデータは一旦指令装置8を通るため、時間遅れが生じる恐れがある。これに対し、図13に示した第2実施形態の構成では、透過型光電センサ21の出力は直接制御装置9に接続されているため、指令装置8を外部から接続されるツール類、たとえばティーチングツールやPC(パーソナルコンピュータ)、ソフトウエアであるとした場合、装置変更に伴うルール類のバージョンアップ、ソフトウエアの変更に柔軟に対応でき、また制御装置9における透過型光電センサ21の出力の処理が速くなる利点がある。
【0018】
<第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る教示用治具30の平面図である。
図1の第1実施形態では、投光器3と受光器4を距離を置いて外板2に配置し、2つのミラー5−1,5−2で反射させて光6が投光器3から受光器4に伝達されるようにしたが、第3実施形態では、投光器3と受光器4を近接して外板2に配置し、3つのミラー5−3,5−4,5−5を平行四辺形の頂点に置いて、光6が内板1を4回通過するようにしている。
この第3実施形態では、投光器3から受光器4に至る光6の光路を、内板1の端部の8点が横切ることになる。これに対し、第1実施形態ではA,B,C,Dの4点(図12参照)である。このため、内板1が傾いているときに受光器4が検出する見かけ上の内板1の厚みd’は、第1実施形態ではx−y方向の2方向が検証の限界であったのに対し、第3実施形態では、4方向についての検証が可能となり、装置の水準のチェックをより精度高く行うことができ、教示作業の信頼性をさらに高めることができる。
なお、同様の作用は、透過型光電センサ21の数を増やすことによっても実現できる。
【0019】
なお、以上の第1および第3実施形態においては、透過形光電センサ21の光の進行方向を変える偏向手段としてミラー5を用いたが、ミラーの代わりに集光手段によって透過形光電センサ21の投光器3からの光を受け、光ファイバによってその進行方向を変え、その光を別の投光器を用いて受光器4に対し照射する形態にしてもよい。
【0020】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の第1の構成によれば、ウェハの形状を模しモジュール内のピン上に載置可能な大きさを持つ内板と、内板を下方から支持すると共に、内板を載置するピンがその内部を通過できる穴が形成されウェハ搭載部に搭載可能な外板と、外板に取り付けられた投光器と受光器からなる光電センサと、外板に取り付けられて投光器が発する光の方向を変化させて受光器に入光させる偏向手段とを備え、内板および外板をウェハ搭載部に搭載してモジュール内へ挿入した状態でウェハ搭載部を昇降させることによりモジュール内のピン上に載置された内板が外板に対して相対的に昇降するときに、投光器から受光器に至る光の光路を内板が干渉するように、光電センサおよび偏向手段を配置した教示用装置としたことにより、ロボットのウェハ搭載部に教示用装置を搭載し、光電センサの出力が変化するウェハ搭載部の高さ位置をもとに教示位置を求めるため、目視による教示の必要がなくモジュールから離れたところから教示作業を行え、オペレータの負担を軽減でき、さらに目視やゲージを用いた教示に比べ教示時間を短縮することができる。
またオペレータによる教示のばらつきが発生せず、ウェハ搬送装置のメンテナンス性が向上するという効果がある。
【0021】
本発明の第2の構成によれば、教示作業時にモジュール内のピン上に内板を載置する際に、投光器が発する光と前記ピンとが干渉しないように光電センサを配置したことにより、投光器が発する光のビームをモジュール内のピンが横切らないようにすることで、教示作業を誤動作無く行うことができる。
【0022】
本発明の第3の構成によれば、ウェハ搭載部を昇降させることによりモジュール内のピン上に載置された内板を外板に対して相対的に上昇または下降させる工程と、内板の外板に対する上昇または下降により光電センサの出力が切り替わったときのウェハ搭載部の第1の位置を検出する工程と、内板の外板に対する第1の位置からのさらなる上昇または下降により光電センサの出力が切り替わったときのウェハ搭載部の第2の位置を検出する工程と、第1の位置と第2の位置の中間の位置をウェハ搭載部高さ方向の基準位置とする工程とを実行する手段を備えたことにより、ウェハ搭載部の基準位置を自動的に算出でき、高精度な教示が可能になる。
【0023】
本発明の第4の構成によれば、ピンの先端と外板の下面との高さの差がcになるよう教示する場合に、外板の上面から測った投光器から投光される光のビームの高さをa、外板の厚みをb、内板の厚みをdとしたときに、ウェハ搭載部の基準位置からウェハ搭載部の高さをa+b+c−(d/2)だけ上げる指令を制御部に対する指令として出力する手段を備えたことにより、教示したい位置cを指令装置に設定することで、ウェハ搭載部が移動すべき位置を指示することができる。
なお、本発明は、ウェハのみならず、半導体装置の製造時に用いるマスク基板の教示用装置としても使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】 第1実施形態の教示用装置を用いた教示作業を行うための制御機構の例を示すブロック図である。
【図3】 ウェハ搭載部に第1実施形態の教示用装置を設置した状態を示す斜視図である。
【図4】 本実施形態の教示装置がモジュール内に挿入された状態を示す側面図である。
【図5】 モジュール内のピン上に載置された本実施形態の教示装置の内板が投光器からの光を遮断し始めた状態を示す側面図である。
【図6】 モジュール内のピン上に載置された本実施形態の教示装置の内板が投光器および受光器の正面に位置した状態を示す側面図である。
【図7】 モジュール内のピン上に載置された本実施形態の教示装置の投光器からの光が再び受光器に入光し始めた状態を示す側面図である。
【図8】 モジュール内のピン上に載置された本実施形態の教示装置の投光器からの光が内板の下を通り受光器に入光している状態を示す側面図である。
【図9】 図6の状態から教示位置を算出する手段を示す側面図である。
【図10】 内板が傾いているときの光を内板が横切る直前の状態を示す側面図である。
【図11】 内板が傾いているときの光を内板が横切った直後の状態を示す側面図である。
【図12】 内板の傾きによる厚みの検出方法の説明図である。
【図13】 本発明の第2実施形態の制御機構の別の例を示すブロック図である。
【図14】 本発明の第3実施形態による教示用装置を示す平面図である。
【図15】 従来の自動教示治具の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 内板
2 外板
3 投光器
4 受光器
5−1〜5−5 ミラー(偏向手段)
6 投光器からの光
7 ウェハ搭載部
8 指令装置
9 制御装置
10 モジュール内のピン
20 教示用装置(第1実施形態)
21 透過形光電センサ
30 教示用装置(第3実施形態)

Claims (4)

  1. ウェハを載置する複数のピンを内部に備えたモジュールと、前記ウェハを搭載して前記モジュール内挿入し、前記ピン上に前記ウェハを載置可能なウェハ搭載部を備えたロボットと、前記ロボットを制御する制御部とを備えたウェハ搬送装置の前記ウェハ搭載部搭載可能であり、前記モジュール内のピンに対してウェハを搬送する際の前記ウェハの高さ方向の位置を前記制御部に教示するための教示用装置であって、
    ウェハの形状を模し前記モジュール内のピン上に載置可能な大きさを持つ内板と、
    前記内板を下方から支持すると共に、前記内板を載置する前記ピンがその内部を通過できる穴が形成され前記ウェハ搭載部に搭載可能な外板と、
    前記外板に取り付けられた投光器と受光器からなる光電センサと、
    前記外板に取り付けられて前記投光器が発する光の方向を変化させて前記受光器に入光させる偏向手段とを備え、
    前記内板および外板を前記ウェハ搭載部に搭載して前記モジュール内へ挿入した状態で前記ウェハ搭載部を昇降させることにより前記モジュール内のピン上に載置された前記内板が前記外板に対して相対的に昇降するときに、前記投光器から前記受光器に至る光の光路を前記内板が干渉するように、前記光電センサおよび前記偏向手段を配置したことを特徴とするウェハ搬送装置の教示用装置。
  2. 教示作業時に前記モジュール内のピン上に前記内板を載置する際に、前記投光器が発する光と前記ピンとが干渉しないように前記光電センサを配置したことを特徴とする請求項1記載のウェハ搬送装置の教示用装置。
  3. 前記ウェハ搭載部を昇降させることにより前記モジュール内のピン上に載置された前記内板を前記外板に対して相対的に上昇または下降させる工程と、
    前記内板の前記外板に対する上昇または下降により前記光電センサの出力が切り替わったときの前記ウェハ搭載部の第1の位置を検出する工程と、
    前記内板の前記外板に対する前記第1の位置からのさらなる上昇または下降により前記光電センサの出力が切り替わったときの前記ウェハ搭載部の第2の位置を検出する工程と、
    前記第1の位置と前記第2の位置の中間の位置を前記ウェハ搭載部高さ方向の基準位置とする工程と
    を実行する手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のウェハ搬送装置の教示用装置。
  4. 前記ピンの先端と前記外板の下面との高さの差がcになるよう教示する場合に、前記外板の上面から測った前記投光器から投光される光のビームの高さをa、前記外板の厚みをb、前記内板の厚みをdとしたときに、前記ウェハ搭載部の基準位置から前記ウェハ搭載部の高さをa+b+c−(d/2)だけ上げる指令を前記制御部に対する指令として出力する手段を備えた請求項3記載のウェハ搬送装置の教示用装置。
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