JP2023069325A - 組み付け方法および装置、真空処理装置 - Google Patents

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昭吾 小河原
Shogo Ogawara
正徳 阿久津
Masanori Akutsu
友成 盛岡
Tomonari Morioka
佑太 山家
Yuta Yamaie
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Abstract

【課題】対象物の下面に対する部品の組み付けの際に作業者の負担や製造に係るコストを低減でき、組み付けの精度を高めることができる技術を提供する。【解決手段】組み付け装置(アシスト装置100)は、部品202を搭載する部品受け機構500と、部品受け機構500を保持し移動可能であるハンド機構300とを備える。部品受け機構500は、第1軸の周りの第1の傾きを調整する機構であり、ハンド機構300は、第2軸の周りの第2の傾きを調整する機構である。組み付け方法は、部品受け機構500に搭載された部品202の第1の傾きを調整する第1のステップと、ハンド機構300に保持された部品受け機構500の部品202の第2の傾きを調整する第2のステップとを有する。第1の傾きと第2の傾きとの調整により、対象物(試料室201)の下面に対する部品202の傾きが調整される。【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に対する部品の組み付けを行う技術に関する。
半導体製造装置、半導体検査計測装置、電子顕微鏡、表面分析装置、微細加工装置、質量分析装置などの製品は、真空試料室(真空チャンバなどとも呼ばれる)を備える。真空試料室は、真空ポンプを用いて内部の排気が行われて内部が真空に保たれる試料室である。真空試料室内では、一般に、試料の加工、検査、計測、分析、観察、測定、搬送など(処理と総称する)が行われる。このような真空処理装置に搭載される真空ポンプは、各種があり、例えば高真空を実現するために多用されるターボ分子ポンプがある。例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を備えるシステムは、真空試料室内に配置される半導体ウェハ等の試料の寸法を計測する機能などを有する。
従来、上記製品の組み立て・製造の際には、対象物である真空試料室のような重量物の下面(言い換えると底面)に対し、真空ポンプなどの部品の組み付けを行う工程がある。従来の組み付け方法では、このような組み付け工程において、主に作業者による手作業で、重量物である試料室の下面に対する部品の組み付けが行われている。部品も相応の重量を有し、作業者が部品を手に持って作業することは困難な場合がある。
重量物の下面に対する部品の組み付けを補助・支援するための一般的な技術例としては、重量物を持ち上げて下側から支持する機構や、ロボットアームのハンドによって部品を保持して移動させる機構などが挙げられる。
上記組み付けに係わる先行技術例としては、特開昭59-175985号公報(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、ロボットハンドを操作する、ウォーム減速機構よりなる駆動機構が記載されており、モータでウォーム軸を回転させて、ウォーム軸のウォームに対し噛み合うウォーム車を回転させることで、ウォーム車の軸として接続された、物体を把持する爪を備えたロボットハンドを回転させる機構が記載されている。
特開2000-282110号公報(特許文献2)には、露光装置に関して、チャックの裏面を支持する各点の高さを容易に調整して、チャックの平坦度を向上させる旨、基板を保持するチャックの裏面を複数の点で支持するチャック支持台に、チャックの裏面を支持する点の高さを調整する複数の高さ調整機構を設ける旨が記載されている。
特開昭59-175985号公報 特開2000-282110号公報
特許文献1のような技術によれば、第1方向のウォーム軸の回転に対し、所定の減速比で回転速度を減速させて、ウォーム車の第2方向の軸のロボットハンドを回転させ、ロボットハンドの爪に把持された物体をその軸の周りに回転させる。例えば対象物に対し物体を取り付ける際に、ロボットハンドを回転させる操作により、その物体の配置状態(特に回転に応じた姿勢)を微調整可能である。
特許文献2のような技術によれば、チャック等の対象物の平坦度(例えば主面が水平に配置される度合い)を向上できる。
従来の組み付け方法は、作業者の負担や製造に係るコストが大きく、組み付け工程に非常に時間を要していた。重量物の下面に対し部品を組み付ける際に、作業者が部品を持って作業する場合、特に部品の重量が大きい場合には、作業者の負担が大きい。また、組み付け工程では、対象物の下面に対する部品の組み付けの高さ位置および傾きの精度が重要である。例えば、下面に対し部品を平行に組み付ける必要がある。作業者が部品を持って作業する場合、組み付けの際に傾きのズレなどが生じる場合がある。
本発明の目的は、上記組み付けの技術に関して、対象物の下面に対する部品の組み付けの際に作業者の負担や製造に係るコストを低減でき、組み付けの精度を高めることができる技術を提供することである。
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態の組み付け方法は、組み付け装置を用いて、作業台の上に設置された対象物の下面に部品を組み付ける作業をアシストする組み付け方法であって、前記組み付け装置は、前記部品を搭載する部品受け機構と、前記部品受け機構を保持し移動可能であるハンド機構と、を備え、前記部品受け機構は、第1軸の周りの第1の傾きを調整する機構であり、前記ハンド機構は、前記第1軸とは異なる方向の第2軸の周りの第2の傾きを調整する機構であり、前記組み付け方法は、前記部品受け機構の前記第1の傾きを調整することで、前記部品受け機構に搭載された前記部品の前記第1の傾きを調整する第1のステップと、前記ハンド機構の前記第2の傾きを調整することで、前記ハンド機構に保持された前記部品受け機構の前記部品の前記第2の傾きを調整する第2のステップと、を有し、前記第1の傾きと前記第2の傾きとの調整により、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きを調整する。
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、組み付けの技術に関して、対象物の下面に対する部品の組み付けの際に作業者の負担や製造に係るコストを低減でき、組み付けの精度を高めることができる。上記した以外の課題、構成および効果等については、[発明を実施するための形態]において示される。
実施の形態1の組み立て装置を含む、全体像の構成を示す。 実施の形態1で、試料室や部品の構成例を示す。 実施の形態1で、本体装置、ロボットアーム、フォーク等の構成例を示す。 実施の形態1で、ハンド機構のフォークに部品受け機構を搭載した状態を示す。 実施の形態1の組み付け方法のフローを示す。 実施の形態1で、ハンド機構の構成例として、第2回転軸の方向から見た模式図を示す。 実施の形態1で、ハンド機構の構成例として、第1回転軸の方向から見た模式図を示す。 実施の形態1で、部品受け機構の構成例として、上から見た模式図を示す。 実施の形態1で、部品受け機構の構成例として、第3回転軸の方向から見た模式図を示す。 実施の形態1で、部品受け機構を用いた第1の傾きの調整例の模式図を示す。 実施の形態1で、ハンド機構を用いた第2の傾きの調整例の模式図を示す。 実施の形態1の変形例の組み立て装置の構成例を示す。 実施の形態1の変形例の組み立て装置における部品受け機構およびセンサ(光測長器)の構成例を示す。 実施の形態1の変形例の組み立て装置における部品受け機構およびセンサ(ひずみゲージ)の構成例を示す。 実施の形態2の組み立て装置の構成を示す。 実施の形態2の組み立て装置を用いた、試料室の下面への組み付けの例を示す。 実施の形態2で、作業台に対する組み立て装置の配置例を示す。 実施の形態2で、作業台の構成例を示す。 実施の形態2で、作業エリアの構成例を示す。 実施の形態2の組み付け方法のフローを示す。 実施の形態2で、水平方向の位置調整の例を示す。 実施の形態2で、接触検知などの説明図を示す。 実施の形態2の変形例の組み付け装置の構成を示す。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、および範囲等を表していない場合がある。
説明上、プログラムによる処理について説明する場合に、プログラムや機能や処理部等を主体として説明する場合があるが、それらについてのハードウェアとしての主体は、プロセッサ、あるいはそのプロセッサ等で構成されるコントローラ、装置、計算機、システム等である。計算機は、プロセッサによって、適宜にメモリや通信インタフェース等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPUやGPU等の半導体デバイス等で構成される。プロセッサは、所定の演算が可能な装置や回路で構成される。処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。
プログラムは、対象計算機に予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースから対象計算機にデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のプログラム配布サーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばメモリカード)でもよい。プログラムは、複数のモジュールから構成されてもよい。コンピュータシステムは、複数台の装置によって構成されてもよい。コンピュータシステムは、クラウドコンピューティングシステムやIoTシステム等で構成されてもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブルやリスト等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名、番号等の表現は互いに置換可能である。
また、以下の実施の形態では、電子顕微鏡を応用した半導体検査装置を一例として説明するが、その他の真空処理装置や、複数の真空処理装置ネットワークで接続されたシステム、複数の真空処理装置を組み合わせた複合装置へも、本開示は適用が可能である。
<実施の形態1>
図1以降を用いて、本開示の実施の形態1の組み付け方法および装置について説明する。
[概要]
実施の形態1の組み付け方法は、対象物(例えば真空試料室)の下面に対し部品(例えば真空ポンプ)を組み付ける工程の際に、作業者が組み付け装置を用いて組み付けを行う作業をアシストする方法である。実施の形態1の組み付け装置は、言い換えると、組み付け調整装置、組み付け搬送装置などである。実施の形態1の組み付け装置は、第1機構としてハンド機構と、ハンド機構のフォークに保持される第2機構として部品受け機構とを有する。部品受け機構は、上板の上に部品を保持する。部品受け機構は、ハンド機構のフォークに対し直接的または間接的に支持・固定される。ハンド機構は、移動可能であり、部品を搭載した部品受け機構は、対象物の下面の下側に配置される。
第1機構と第2機構は、2種類・2段階の傾き調整機構として機能する。部品受け機構は、第1軸の周りの傾きを調整することで、部品の第1の傾きを調整する。ハンド機構は、第2軸の周りの傾きを調整することで、部品受け機構の上の部品の第2の傾きを調整する。第1の傾きの第1軸と第2の傾きの第2軸とは異なり、例えば90度の関係を有する。
部品受け機構は、作業者の操作に基づいて、シャフト回転軸の周りに下板に対し上板を回転させて上板の傾きを変化させることで、部品の第1の傾きを調整する。第1の傾きは、水平面に対する第1の方向に延在する第1軸(シャフト回転軸と対応した回転軸)の周りの角度による傾きである。部品受け機構は、傾き調整の操作用に下板に設けられた複数の高さ調整部品として、高さ調整ねじを有してもよい。
ハンド機構は、作業者の操作に基づいて、ハンド回転軸を回転させて、ハンド回転軸に接続されたフォークの傾きを変化させることで、フォーク上に保持された部品受け機構の第2の傾きを調整する。第2の傾きは、水平面に対する第2の方向(第1の方向とは異なる方向)に延在する第2軸(ハンド回転軸と対応した回転軸)の周りの角度による傾きである。ハンド機構は、操作用のハンドルと、ハンドルに接続されたウォームホイールと、ウォームホイールに嵌合したウォームギヤとを有してもよい。
実施の形態1は、製品の例として、電子顕微鏡を応用した半導体検査装置を対象とする。半導体検査装置の概念は、試料である半導体ウェハ上に形成されたパターンの寸法を計測する装置、パターンの欠陥有無を検査する装置、パターンが形成されていないベアウェハの欠陥有無を検査する装置、これらの装置を複数組み合わせた複合装置などを含む。実施の形態1は、その製品に備える真空試料室を対象物とする。実施の形態1は、その対象物として重量物である試料室の下面に対する真空ポンプなどの部品の組み付けの工程を対象とする。実施の形態1は、その組み付け工程における作業者による組み立て・製造をアシストする組み付け装置(図1のアシスト装置100)、およびその組み付け装置を用いた組み付け工程を含む組み付け方法を示す。
実施の形態1の組み付け装置および方法は、対象物の下面に対する部品の組み付け面の高さ位置および傾きを調整するための機構およびステップを有する。具体的には、実施の形態1の組み付け装置および方法は、パワフルアーム(図3のロボットアーム111)の先端のハンド機構300のフォーク400によって、部品202を搭載した部品受け機構500を保持し、部品202を搭載した部品受け機構500を試料室201の下面203の下側に移動させる。また、その際に、部品受け機構500のシャフト回転軸およびハンド機構300のハンド回転軸を用いて、部品202の傾きを2軸で調整する機構およびステップを有する。また、この組み付け装置および方法は、ハンド機構300のフォーク400の上に保持される部品受け機構500に搭載された部品202について、試料室201の下面203(組み付け対象面)に対する部品202の上面(組み付け面)が例えば平行(設計上の所定の傾き度合いの設計値)となるように、部品202の傾き(第1の傾きおよび第2の傾き)を調整する機構およびステップを有する。
実施の形態1の組み付け装置(図1のアシスト機構100)は、図3の本体装置110およびロボットアーム111と、ハンド機構300と、部品受け機構500とを備える。実施の形態1の組み付け方法は、部品受け機構500を用いて第1の傾きを調整する第1のステップと、ハンド機構300を用いて第2の傾きを調整する第2のステップとを有する。実施の形態1は、それらの2種類の機構およびステップによる、試料室201の下面に対する部品202の傾きの調整が可能である。
[組み付け装置(1)]
図1は、実施の形態1の組み付け装置を含む、作業時の全体像を模式図で示す。図1は、作業台101上に設置された対象物である試料室201と、部品202(例えば真空ポンプ)が配置された部品準備台車102と、実施の形態1の組み付け装置であるアシスト装置100とを有する。図1では、アシスト装置100は、後述の図3の本体装置110などを除いた、先端のハンド機構300および部品受け機構500の部分のみを図示している。ユーザである作業者は、製品の組み立て・製造の際、特に組み付け工程の際、これらを用いて、試料室201の破線で示す下面203に対する部品202の組み付けの作業を行う。なお、説明上、空間の座標系として図示の(X,Y,Z)を用いる場合がある。Z軸は鉛直方向に対応し、X軸およびY軸は、直交する2つの水平方向に対応する。
作業台101は、対象物である試料室201を上側に載置して支持する支持機構、試料室置台である。作業台101上の試料室201の下面203の下側には、作業のためのスペースが確保される。矢印で示す作業Aは、試料室201の下面203に対する部品202の組み付けの作業を示す。作業台101は、例えば、四角形の上面において4つの角の支えの上に試料室201の下面203の4つの角が搭載される。
作業台101は、試料室201の重量を支持する十分な剛性などを有する。本例では、作業台101は、直方体のフレームとして、合計12本のフレームを有する。作業台101上に試料室201が設置された状態で、下面203は、作業台101の上面の領域内に収まる。作業台101の高さは、作業のしやすさのために、例えば1m以上といった十分な高さが確保される。アシスト装置100の高さは、作業台101の作業スペースの高さに合わせて設計される。すなわち、少なくとも部品202を搭載した部品受け機構500の部分が、作業台101の作業スペース内に収まるように、アシスト装置100の高さ等の寸法が設計される。逆に言えば、アシスト装置100の必要な寸法に合わせて、作業台101の寸法が設計される。
部品準備台車102は、例えばフレーム、1段以上の面板、車輪などで構成される。部品準備台車102の面板上には部品202が設置される。部品準備台車102は、少なくとも水平面での一方向に移動可能である。部品準備台車102の車輪には、全方向移動型車輪を採用してもよい。ユーザは、部品準備台車102を所望の位置(例えば作業台101の隣)に動かして配置できる。ユーザは、部品準備台車102上の部品202を、アシスト装置100の部品受け機構500上に設置することができる。
アシスト装置100は、試料室201の下面203に対する部品202の組み付けの作業をアシストするための装置である。図1のアシスト装置100は、大別して、ハンド機構300と部品受け機構500との2つの機構を有する。
ハンド機構300は、ユーザによるハンドル301の回転の操作に応じて、部品受け機構500を、第2回転軸J2の周りに傾き調整できる機構である。ハンドル301の回転に応じて、第1回転軸J1(図1ではY方向に延在)周りのウォームホイール302の回転が発生する。その回転に対し、ウォームギヤ303を通じて、第2回転軸J2(図1ではX方向に延在)周りのハンド回転軸の回転が発生する。その回転に応じて、部品受け機構500の傾きが変化する。
部品受け機構500は、ユーザによる後述の高さ調整ねじ504(図9)の操作に応じて、第3回転軸J3を有するシャフト回転軸の周りに、下板503に対する上板502の傾きを調整できる機構である。上板502の上面には部品202が載置・固定されている。部品受け機構500は、対象の全ての部品202に共通に使用できるように、対象全部品の寸法や質量を考慮して設計されている。
アシスト装置100は、これらの2つの機構を用いて、部品202の配置の傾きとして、水平面(X-Y面)に対する2つの軸に対応した2つの傾き(第1の傾きおよび第2の傾き)を調整できる。この傾き調整を利用して、ユーザは、試料室201の下面203に対し部品202の上面を例えば平行に組み付けることが容易かつ高精度に可能となる。
[試料室と部品]
図2の(A)は、試料室201の下面203に対して組み付けられる部品202の例を示す。部品202として、本例では、真空ポンプ202A、ヒートシンク(言い換えると冷却部品)202Bを有する。他にも製品に応じて部品202がある。他の部品の例は、試料室201内に試料を搬送するための機構であるリフトベースなどが挙げられる。下面203には、1つ以上(本例では1つ)の真空ポンプ202Aが組み付けられる。製品によっては、下面203に複数の真空ポンプ202Aが組み付けられてもよい。試料室201内の底面上には例えば試料台であるステージ機構を有する。
なお、重量物である試料室201は、所定の重量以上を有する物であり、作業者が持って作業することは困難である。試料室201は、重量が例えば約1トンである。また、部品202も相応の重量を有し、人が持って作業することが容易ではない場合がある。
図2の(B)は、試料室201の下面203に対する部品202の組み付けの際の理想的な組み付けの状態の例を横から見たX-Z面で示す。理想では、下面203は水平面に配置されている。理想では、その下面203に対し、部品202の上面が、平行に配置される。すなわち、部品202の上面も水平面に配置されている。組み付けの方向(矢印で示す)は理想では鉛直方向である。下面203に対する部品202の固定は、例えばねじ締め205による。
図2の(C)は、実際の組み付けの際の課題を示す。(C)の状態では、試料室201の下面203は水平面には配置されておらず、水平面に対し少し傾きを持って配置されている。作業時に作業台101等が設置される空間の床は水平であるとは限らず、微小な傾きや凹凸などがある可能性がある。そのため、作業台101上の試料室201の下面203は水平面に配置できるとは限らない。また、組み付けの際に、部品202の上面が、試料室201の下面203に対し、非平行となって、相対的な傾きがズレとして生じている。
実施の形態1の組み付け方法および装置は、上記のような組み付け時に、部品202を支持して位置を調整するとともに、試料室201の下面203に対し部品202の上面が例えば平行となるように、傾きを調整できる機構を有する。(C)のように下面203が非水平配置であったとしても、また、部品受け機構500上に搭載される部品202の上面が非水平配置であったとしても、実施の形態1の組み付け方法および装置によれば、図1のような機構を用いて2軸で傾きを調整できる。言い換えると、下面203に対する部品202の上面の相対的な傾きを調整できる。これにより、下面203に対し部品202を例えば平行となるように調整して組み付けることができる。
[組み付け装置(2)]
図3は、図1のアシスト装置100の詳細として、本体装置110を含めた構成例を示す。アシスト装置100は、本体装置110に対し、ロボットアーム111を介して、図1のハンド機構300が接続されている。本体装置110は、車輪などを有し、水平方向の少なくとも一方向に移動可能である。本体装置110の車輪は、全方向移動型車輪を採用してもよい。本体装置110は、ユーザの操作によって移動や静止が可能である。本体装置110は、パワフルアームであるロボットアーム111を駆動する機構などを備えている。ロボットアーム111の駆動は、例えばエアシリンダ方式である。本体装置110は、作業者による操作に基づいて、ロボットアーム111を駆動して移動や停止させる。ロボットアーム111は、多関節を有し、先端(特にスカラー軸の先端)にハンド機構300が接続されている。ロボットアーム111は、本体装置110に対するハンド機構300の位置を、例えば3軸(X,Y,Z)の方向で所定の位置範囲内で変更可能な機構である。ロボットアーム111の動作により、空間内でのハンド機構300(少なくとも、ハンド機構300から張り出した部品受け機構500)の位置を、例えば図1の作業台101の作業スペース内に配置できる。
図3のロボットアーム111の先端のハンド機構300にはフォーク400が設けられている。フォーク400は、部品受け機構500を搭載する機構である。作業者の操作に基づいて、フォーク400の上に、部品受け機構500が、取り付けおよび取り外し可能である。ハンド機構300は、安全性確保のために、必要時に部品受け機構500を拘束してフォーク400に搭載できる構造を有する。詳しくは、ハンド機構300に設けられた拘束機構307に、部品受け機構500の一部を固定可能な構造を有する。例えば拘束機構307に部品受け機構500の突起509(図8)が挿入されて固定される。これにより、フォーク400上に部品受け機構500が固定される。これにより、フォーク400から部品受け機構500が落ちることが防止される。
フォーク400は、言い換えると、ハンド先端部、部品受け機構保持部である。なお、フォーク400は、本例では二股形状であるが、これに限定されない。フォーク400は、変形例としては、部品受け機構500を横から把持できる機構などとしてもよい。
図3では、ハンド機構300のウォームホイール302やウォームギヤ303(後述の図6等)はベース筐体内に収納されており見えない。ハンド機構300のウォームギヤ303のハンド回転軸304(後述の図6等)に対しフォーク400が固定されている。これにより、フォーク400は、第2回転軸J2周りに回転する。フォーク400は、第2回転軸J2の周りに所定の回転角度範囲(例えば±15度)内で回転する。すなわち、この回転によりフォーク400の傾きが変化する。なお、変形例としては、フォーク400と部品受け機構500とが一体化された構成としてもよい。
図4は、ハンド機構300のフォーク400上に部品受け機構500および部品202が搭載・固定された状態を示す。また、図4は、作業時に、作業台101上の試料室201に対する、フォーク400上の部品受け機構500および部品202の配置関係の例を示す。ハンド機構300の移動により、試料室201の下側の作業スペース401内に、少なくともフォーク400上の部品受け機構500を配置可能である。作業台101の作業スペース401が十分に大きい場合には、作業スペース401内にハンド機構300なども配置可能である。
部品受け機構500の回転軸である第3回転軸J3(対応するシャフト回転軸501)は、主に、部品202などの重量によるフォーク400の撓みによる傾きの角度を調整できるように、高さ調整ねじ504による1軸の傾き調整機構として構成されている(後述の図10)。ハンド機構300の回転軸(第1回転軸J1および第2回転軸J2)は、主に、作業時の床面の傾きによるハンド機構300の傾きを調整できるように、2軸のウォーム機構(ウォームホイール302およびウォームギヤ303)による1軸の傾き調整機構として構成されている。部品受け機構500の第3回転軸J3(本例ではY方向)と、ハンド機構300の第2回転軸J2(本例ではX方向)とは、90度で交差する関係を有する。これにより、アシスト装置100は、水平面に対する部品202の傾きを、2軸(第3回転軸J3および第2回転軸J2)で独立に調整できる。
また、ハンド機構300は、調整作業のしやすさを高めるために、ウォーム機構(ウォームホイール302およびウォームギヤ303)およびハンドル301を設けている。第1回転軸J1に対応したハンドル301は、部品受け機構500の第3回転軸J3に対応したシャフト回転軸501と同じ向きで配置されている。ユーザが作業台101の試料室201の下面203の下側の作業スペース401内、またはその外側の近傍で、部品受け機構500上の部品202の傾き調整を行う。その際に、ユーザが例えば図示のY方向で手前側から図示のハンド機構300および部品受け機構500を見ながら、ハンドル301や高さ調整ねじ504(図9)を操作することが可能である。これにより、ユーザがあまり移動しなくても、2軸の傾き調整が容易に可能である。
[組み付け方法および作業フロー]
図5は、図1の実施の形態1の組み付け装置(アシスト装置100)を用いて行われる実施の形態1の組み付け方法に対応した作業のフローを示す。実施の形態1の組み付け装置は、様々な利用の仕方が可能であるが、図5では、利用の一例に対応したフローを示す。このフローでは、部品202の2軸(例えばX軸とY軸)での傾きの状態を調整するにあたり、先にステップS5で、図1等の部品受け機構500を用いて部品202の一方の軸(例えば図4での第3回転軸J3に対応したY軸)での傾きを調整し、後にステップS6で、図1等のハンド機構300を用いて部品202の他方の軸(例えば図4での第2回転軸J2に対応したX軸)での傾きを調整するものである。これらの2軸の傾きの調整により、図2の(B)に近い状態として、試料室201の下面203に対し部品202の上面がほぼ平行となる状態とされる。
ステップS1で、ユーザは、図1の作業台101上に試料室201を設置する。なお、作業台101上に重量物である試料室201を設置する際の技術的手段は限定されず、例えばクレーンなどを適用できる。
ステップS2で、ユーザは、図1の部品準備台車102上に部品202を準備する。なお、作業は複数人の作業者で分担されてもよい。
ステップS3で、ユーザは、部品準備台車102上の部品202を、アシスト装置100の部品受け機構500上に配置・固定する。なお、この際には、様々な方法が適用できる。例えば、ユーザがアシスト装置100または部品準備台車102を操作することで、ハンド機構300の先端のフォーク400上に搭載された部品受け機構500を部品準備台車102の近くに配置し、部品準備台車102上から部品受け機構500上に部品202を最短距離で移動させてもよい。あるいは、ユーザが部品受け機構500のみを部品準備台車102上またはその近くに配置し、部品準備台車102上から部品受け機構500上に部品202を配置・固定する。そして、その後、ユーザが、その部品202が搭載された部品受け機構500を、ハンド機構300のフォーク400上に搭載してもよい。
ステップS4で、ユーザは、アシスト装置100(図3の本体装置110)を作業台101の近くに移動させ、ロボットアーム111の動作により、試料室201の下面203の下側に対し、フォーク400上の部品受け機構500上の部品202が所望の位置となるように配置する。この配置は、3軸(X,Y,Z)の空間内での部品202の位置調整(水平方向および垂直方向の位置調整を含む)に相当する。
ステップS5で、ユーザは、部品受け機構500を操作して、部品202の第1の傾きの状態を調整する。この第1の傾きは、図4での第3回転軸J3(対応するY軸)周りの角度に対応した傾きである。具体例では、部品受け機構500の上板502が概略的に水平配置になるように調整される(後述の図10等)。
ステップS6で、ユーザは、ハンド機構300を操作して、部品受け機構500(およびその上の部品202)の第2の傾きの状態を調整する。ユーザは、ハンドル301を回転操作し、これにより、第1回転軸J1周りにウォームホイール302が回転する。そのウォームホイール302に嵌合したウォームギヤ303が第2回転軸J2周りに所定の減速比で回転する。そして、ウォームホイール302のハンド回転軸304(図6)に接続されているフォーク400、およびそのフォーク400上の部品受け機構500が、第2回転軸J2周りに回転する。この第2の傾きは、図4での第2回転軸J2(対応するX軸)周りの角度に対応した傾きである。
なお、図1や図4の例では、第2回転軸J2がX軸、第3回転軸J3がY軸に配置されているが、勿論これに限らず、アシスト装置100等の配置に応じて、空間内において、概略的に水平面内での任意の直交する2軸を設定できる。
上記ステップS6までで、試料室201の下面203に対する部品202の配置の状態、特に傾き状態が調整された。その後、ステップS7では、ユーザは、試料室201の下面203に対し部品202の上面をねじ締め等によって固定する。また、ステップS4、S5、およびS6は、必要に応じて繰り返すことができ、ユーザは、アシスト装置100を操作して、下面203に対する部品202の相対的な位置および傾きの状態を微調整できる。
ステップS7で下面203への部品202の組み付けが終了した後、アシスト装置100や各機構の位置が元に戻される。上記フローは、組み付ける部品202毎に同様の繰り返しで行われる。
上記フローの例に限らずに可能である。他のフローでは、ユーザは、ステップS3の後、まずステップS5を行って第1の傾きを調整し、その後にステップS4で部品受け機構500を試料室201の下面203の下側に移動させてもよい。他のフローでは、ユーザは、先にステップS6のハンド機構300を用いた傾き調整を行い、その後にステップS5の部品受け機構500を用いた傾き調整を行ってもよい。
アシスト装置100は、上記フローのように、ハンド機構300と部品受け機構500とを用いた、2種類・2段階の傾き調整をアシストできる。
[ハンド機構]
図6および図7は、ハンド機構300の詳細構成例を示す。図6は、ハンド機構300を第2回転軸J2に対応した方向(図6ではX方向)から見た構成を示す。図7は、図6のハンド機構300を第1回転軸J1に対応した方向(図7ではY方向)から見た構成を示す。ハンド機構300は、ウォームギヤ303およびウォームホイール302によるウォーム機構を用いて構成された、ロボットアーム111のハンド部分である。ハンド機構300は、作業者によるハンドル301の回転操作により、容易かつ高精度にフォーク400の傾きを調整することができる機構である。
ハンド機構300は、ベース筐体310、ハンドル301、ハンドル301に接続された第1回転軸J1に対応したウォームホイール302、ウォームホイール302に嵌合したウォームギヤ303、ウォームギヤ303に接続された第2回転軸J2(図1)に対応したハンド回転軸304等を有する。ハンド機構300は、ベース筐体310内に、ウォーム機構として、ウォームホイール302およびウォームギヤ303を備える。なお、図1等ではベース筐体310等を省略してウォーム機構を露出した概念図として示している。ハンド機構300のウォームギヤ303およびハンド回転軸304に対し、フォーク400が固定されている。
ハンドル301は、第1回転軸J1を有するウォームホイール302をユーザの手動で回転させる操作のための回転ハンドルである。ウォームホイール302の一方端にハンドル301が設けられている。ハンドル301の回転操作に応じてウォームホイール302が第1回転軸J1周りに回転すると、ウォームホイール302に嵌合したウォームギヤ303が、所定の減速比で、第1回転軸J1に対し交差する第2回転軸J2周りに回転する。これに伴い、ウォームギヤ303の中心の第2回転軸J2(例えばX方向に延在)を有するハンド回転軸304が回転する。これにより、フォーク400が第2回転軸J2周りに回転して傾きが変化する。
ウォームホイール302には図示しない回転止めも設けられている。回転止めがユーザにより操作されて所定の状態となった場合、ハンドル301による第1回転軸J1周りの回転ができない状態となる。言い換えると、その状態では、フォーク400のある傾き調整状態が変更されないように維持できる。
ウォームホイール302の上にウォームギヤ303が配置されている。ウォームギヤ303の中心からX方向で前に少し出たハンド回転軸304に対し、断面L字形状の補強部品306を介して、上にフォーク400が固定されている。
ハンド機構300は、ハンドル301の回転操作に対し、ウォーム機構によって構成された所定の減速比で、ハンド回転軸(第2回転軸J2)を回転させる。言い換えると、第1回転軸J1のウォームホイール302に対し第2回転軸J2のウォームギヤ303が所定の減速比で回転する。これにより、ハンド回転軸304上のフォーク400上に搭載される部品受け機構500の傾きが調整される。所定の減速比とすることで、ユーザが細かい傾き調整をしやすい。
第2回転軸J2の周りのフォーク400の回転は、所定の回転角度範囲内で制限されて行われる。この回転に伴い、フォーク400は、図6の破線で示すように、第2回転軸J2に対し、角度θのような角度で傾きが変化する。これにより、フォーク400上の部品受け機構500および部品202が、第2回転軸J2の周りに回転して傾きが変化する。
[部品受け機構]
図8および図9は、部品受け機構500の詳細構成例を示す。図8は、部品受け機構500を上から見たX-Y面図を示す。図9は、部品受け機構500を第3回転軸J3に対応した横から見たX-Z面図を示す。図9では下板503に対し上板502が傾き(角度φ)を有する状態を示す。部品受け機構500は、第3回転軸J3に対応したシャフト回転軸501と、シャフト回転軸501に接続された上板502および下板503(図9)と、下板503および下板ベース507に設けられた高さ調整ねじ504(図9)等とを有する。下板503の下側には下板ベース507が固定されており、下板ベース507の一辺(図8では左辺)には突起509が設けられている。
上板502および下板503は、上から見て概略的に四角形であり、一辺(図8ではX方向で左辺)に対し、シャフト回転軸501が接続されている。シャフト回転軸501は第3回転軸J3を有し、図8ではY方向に沿って延在している。上板502のZ方向で下側には図9の下板503が配置されている。破線の円で示す、ねじ位置505は、下板503における複数の高さ調整ねじ504の配置位置を示している。本例では、高さ調整ねじ位置505は、下板503の四角形の領域において、上辺付近に6個、下辺付近に6個、合計12個が設けられている。
上板502の上面には、部品受けガイド506も設けられている。部品受けガイド506は、部品202(例えば真空ポンプ)を配置する位置や領域を表しており、例えば部品202の下部の外形(本例では円)に沿って部品202の下部を収容できるようにZ方向の上側に立ったリング状の凸部分を有する。部品受けガイド506は、これに限らず凹形状などでもよい。
突起509は、Z方向の下方に出る部分を含み、図3のハンド機構300の拘束機構307に突起509を挿入して回すことで固定できる機構である。
下板ベース507は、部品受け機構500を任意の面上に設置する際にその面上に接地する。下板ベース507は、複数の高さ調整ねじ504が配置された部分では、高さ調整ねじ504が露出する空間を有する。ユーザは、下板503の下側の下板ベース507の空間で、手動操作(なおドライバーなどの器具を用いてもよい)によって高さ調整ねじ504のねじ頭を回すことができる。この操作は、一般的なねじ締め操作である。この操作により、高さ調整ねじ504は、高さ方向であるZ方向の上下に回転して移動する。ユーザは、複数の高さ調整ねじ504のうち、任意の高さ調整ねじ504を選択して操作できる。高さ調整ねじ504が上に移動すると、図9のように、高さ調整ねじ504のねじ先端が上板502を押し上げる。これにより、上板502がシャフト回転軸501の第3回転軸J3の周りに回転し、下板503に対する上板502の傾きの状態が変化する。下板503に対して上板502が形成する角度φが、第3回転軸J3周りの傾きに相当する。
本例では、複数の高さ調整ねじ504は、同一の設計のものが適用されており、高さ調整ねじ504がねじ締め操作によって1回転した場合の高さ移動量は同じである。高さ調整ねじ504のねじ先端によって上板502を持ち上げるために必要な力は、シャフト回転軸501の位置に対して距離が異なる高さ調整ねじ504の位置(図9ではX方向での位置)に応じて異なる。
本例では、複数の高さ調整ねじ504は、図8でのX方向に並んだ6個を1列として、Y方向に2列で配置されている。複数の高さ調整ねじ504により、上板502を支持するための負荷が分散できる。複数の高さ調整ねじ504の配置の位置や数は、図示の例に限定されず、各種可能である。変形例では、X方向で1箇所としてもよいし、Y方向で1箇所としてもよい。
図示のように、ユーザが高さ調整ねじ504の高さを調整することで、第3回転軸J3の周りの角度φが変化し、部品受け機構500の上板502の傾きの状態を調整できる。上板502に対し、部品202の上面が平行となるように搭載されている。よって、部品受け機構500の上板502の傾きの調整によって、部品202の傾き(第1の傾き)の状態を調整できる。部品受け機構500における上板502の傾きの角度φは、例えば0度~10度程度の範囲内で変化できるように設計されている。これにより、部品202の第1の傾きを微調整可能である。
部品受け機構500の第1の傾きの調整機能は、ハンド機構300の第2の傾きの調整機能とは独立した機能である。ユーザは、部品受け機構500での第1軸(第3回転軸J3)での第1の傾きの調整と、ハンド機構300での第2軸(第2回転軸J2)での第2の傾きの調整とをそれぞれ行うことができる。ハンド機構300でのハンド回転軸304およびフォーク400の傾きの調整の軸(第2回転軸J2)と、部品受け機構500での上板502の傾きの調整の軸(第3回転軸J3)とは、異なる2つの方向、例えば90度で交差する2つの方向(図4ではX,Y方向)とすることができる。ハンド機構300のフォーク400上に対する部品受け機構500の搭載の仕方に対応して、上記90度で交差する2つの方向が、傾きの調整の2軸として設定される。これらの2軸での傾き調整により、水平面および試料室201の下面203に対する部品202の傾きの調整が可能である。
部品受け機構500は、変形例としては、高さ調整ねじ504の代わりに、ユーザの操作に応じて高さ方向に移動する物(高さ調整部品)を用いてもよい。また、部品受け機構500は、変形例として、高さ調整ねじ504等の高さ調整部品を自動的に駆動する機構を設けてもよい。例えば、下板ベース507に高さ調整ねじ504を駆動するアクチュエータが追加で設けられる。ユーザによる例えばボタン操作に応じて、アクチュエータが高さ調整ねじ504を上下に移動させる。
実施の形態1では、部品受け機構500は、組み付け対象となる複数の種類の部品202を搭載できるように共通化された構造を有する。例えば、上板502には、複数の種類の部品202を保持できるように、共通化された部品受けガイド506が設けられている。部品受けガイド506は、各種の部品202の寸法や形状に応じた凹凸や、着脱可能な取り付け部品や、スライド機構等を有してもよい。部品受け機構500は、変形例としては、部品202ごとに、異なる部品受けガイド506等を有する、複数の部品受け機構500として用意されてもよい。
[第1の傾きの調整]
図10は、図5のステップS5の部品受け機構500を用いた傾き調整、すなわち、第3回転軸J3周りの第1の傾き(角度φ)の調整についての説明図を示す。以下では調整作業例を示す。
まず、図10の(A)は、図4のようにフォーク400上に部品受け機構500が搭載された状態を横から見たX-Z面での模式図を示す。図示のように、ハンド機構300から水平方向(図10ではX方向)に張り出したフォーク400の上に、部品202が搭載された部品受け機構500が搭載される。(A)では、部品202の重量が比較的大きい場合に、部品202および部品受け機構500の重量によって、フォーク400の先端側がZ方向の下側に撓んだ様子を誇張して図示している。重量が大きいほど撓みが大きくなり、部品受け機構500および部品202が水平方向(図10ではX方向)に対し下側に傾く。この場合、上板502および部品202の配置状態は、非水平配置となっており、望ましくない。
そこで、図10の(B)は、(A)のような場合に対応させて、部品受け機構500によって部品202の第1の傾きを調整した例を示す。(A)のような傾きを調整できるように、部品受け機構500の回転軸である第3回転軸J3は、ハンド機構300およびフォーク400の第2回転軸J2に対し異なる方向として特に90度の方向の軸として設計されている。(B)では、高さ調整ねじ504の操作によって、下板503に対する上板502の傾きの状態が調整されている。シャフト回転軸501周りの傾きの角度が角度φである。調整後、上板502および部品202の上面は、概略的に水平配置となっている。
上記のような第1の傾きの調整は、対象の部品202が同じであれば、再現性がある。同じ部品受け機構500に同じ重量の部品202を搭載した場合、フォーク400の撓みは殆ど同じとなる。よって、ある種類の部品202について、1回、部品受け機構500による第1の傾きの調整をしておけば、同じ種類の他の複数の部品202の組み付けの際に、第1の傾きの再調整を行う必要は無い。すなわち、同じ種類の他の複数の部品202の組み付けの際には、上記のような第1の傾きの調整後の状態の同じ部品受け機構500を用いることができ、ステップS5を省略または簡略化することができる。これにより、組み付け作業が効率化できる。
[第2の傾きの調整]
次に、図11は、図5のステップS6のハンド機構300を用いた傾き調整として、第2回転軸J2周りの第2の傾き(角度θ)の調整についての説明図を示す。図11の(A)は、図4のような、ハンド機構300のフォーク400上の部品受け機構500等を、第2回転軸J2に対応したX方向から見たY-Z面の模式図を示す。(A)では、図10のような第1の傾きの調整済みの部品受け機構500がフォーク400上に搭載されている。Y-Z面でみると、第2回転軸J2周りの第2の傾きの角度θが未調整であり、上板502および部品202の上面は非水平配置となっている。
そこで、(B)は、ハンド機構300によって、部品202の第2の傾き(角度θ)を調整した例を示す。試料室201の下面203が、図示のように微小な傾きで非水平配置であるとする。ユーザによるハンドル301の操作に基づいた、第2回転軸J2周りの回転により、角度θが変更され、上板502の傾きの状態が調整されている。調整後、上板502および部品202の上面は、試料室201の下面203の傾きの状態に合わせて、平行にされている。上記のように、部品受け機構500とハンド機構300を用いた2段階の傾き調整によって、試料室201の下面203に対し部品202を例えば平行な状態にすることが容易にできる。
[効果等]
実施の形態1の組み付け装置および方法によれば、対象物である試料室201の下面203に対する部品202の組み付けの際に、作業者の負担や製造に係るコストを低減でき、組み付けの精度を高めることができる。実施の形態1によれば、試料室201の組み付け作業が容易になり、生産性が向上する。実施の形態1によれば、ロボットアーム111(図3)による位置調整機能と、ハンド機構300および部品受け機構500による2種類・2段階の傾き調整機能とを用いて、試料室201の下面203に対する部品202の高さ位置および傾きの調整が高精度で効率的に実現できる。
実施の形態1では、特に、ハンド機構300の第2回転軸J2を第1方向とし、部品受け機構500の第3回転軸J3を第2方向とした場合に、第1方向に対し第2方向を垂直(90度)の関係とした。これにより、部品202の傾きとして、水平面を基準として、第1方向と第2方向との2軸での傾きを調整可能である。また、これにより、作業台101上の試料室201の下側の限られた作業スペースおける作業者の調整作業をしやすくすることができる。
従来の組み付け方法では、部品の組み付け後、デジタル水準器を用いて、部品の傾きの状態を計測・評価する。その結果、試料室の下面と部品の上面との間に生じている傾きが大きい場合、不良となる。従来では、作業時に作業台や試料室などが設置されている床の状態や、部品の荷重などを原因として、試料室の下面と部品の上面とに隙間や相対的な傾きが発生し、固定用のねじが噛んでしまう等の弊害が生じる可能性があった。
それに対し、実施の形態1の組み付け方法等では、ハンド機構300および部品受け機構500による2種類・2段階の傾き調整機能を設け、この機能により、水平面または試料室201の下面203に対する部品202の上面の傾きを2軸で微調整可能とした。これにより、試料室201の下面203に対する部品202の組み付け工程を、作業者の負担を少なく容易に実現でき、かつ、試料室201の下面203に対する部品202の上面の傾きが設計値(例えば平行で隙間が無い状態)になるように高精度に組み付けを実現できる。
実施の形態1では、図5のように2段階の傾き調整(ステップS5,S6)を行う場合を説明した。対象の製品が荷電粒子ビーム装置などである場合、部品202である真空ポンプも相応の重量を有する。傾き調整の精度に支配的な因子として、部品202である真空ポンプの重量がある。複数の製品を製造するための複数の組み付け工程の作業を考える。傾き調整作業例として、1回目の組み付け工程では、前述のように、主に、部品受け機構500(ステップS5)によって、部品202の第1の傾き(角度φ)が調整される。また、ハンド機構300(ステップS6)によって部品202の第2の傾き(角度θ)が調整される。
同じ部品202に関する、2回目以降の組み付け工程では、部品202の重量による影響はほぼ同じと考えられる。言い換えると、前述のように、フォーク400上における、部品202が搭載された部品受け機構500の傾きの状態には、再現性がある。そのため、2回目以降では、部品受け機構500(ステップS5)による高さ調整ねじ504の調整状態は、1回目と同じに維持したまま適用できる。すなわち、2回目以降では、ステップS5の作業については省力化できる。2回目以降では、主にハンド機構300(ステップS6)によって部品202の第2の傾きの方を調整すればよい。これにより、調整作業が低減でき、効率的な製造が可能である。
ハンド機構300の第2回転軸J2に対応する第1方向と、部品受け機構500の第3回転軸J3に対応する第2方向との関係は、90度に限定しなくてもよい。変形例では、ハンド機構300のフォーク400上に、ユーザが任意に選択・設定した方向で、部品受け機構500を搭載できる構成とする。これにより、第1方向と第2方向との関係を、90度以外の角度に設定可能である。そして、その第1方向と第2方向との2軸での傾き調整が可能である。
[変形例(1-1)]
実施の形態1に係わる変形例として以下も可能である。変形例の組み付け方法としては、図5のようなフローで部品202を組み付ける途中または組み付け後において、センサ、例えばデジタル水準器を用いて、試料室201の下面203に対する部品202の傾きの状態を、検出、計測、評価、検査等してもよい。デジタル水準器は、例えば水平面における直交する2軸であるX軸(第1軸)およびY軸(第2軸)のそれぞれの傾きの角度を計測できる機器である。例えば、ハンド機構300(特にフォーク400)、部品受け機構500、または部品202に、デジタル水準器が設置されてもよい。あるいは、それらと、試料室201の下面203との両方に、デジタル水準器が設置されてもよい。上記評価等の結果において、部品202の絶対的な傾き、または下面203に対する相対的な傾きが、例えば閾値以上となる場合には、不適と判定して、再調整を行うようにする。
[変形例(1-2)]
図12は、実施の形態1の変形例のアシスト装置100を示す。この変形例は、図3のロボットアーム111やフォーク400を省略した形態に相当し、ハンド機構300が本体装置110に相当する。この変形例では、ハンド機構300と部品受け機構500との間に、接続機構として、アーム151が設けられている。言い換えると、前述のハンド回転軸304は、第2回転軸J2の方向に長さが延長されている。アーム151は、前述のウォームギヤ303またはハンド回転軸304(第2回転軸J2)に対し接続されており、所定の一方向として図示の例ではX方向で伸縮可能な機構である。アーム151を動かすことで、ハンド機構300に対する部品受け機構500の位置を平行移動できる。これにより、図示の例では、ハンド機構300からX方向に延ばした部品受け機構500上の部品202が、試料室201の下面203の下側の所望の位置に配置されている。
さらに、図12の変形例では、ハンド機構300に対する部品受け機構500の高さ位置を変更できる接続機構を追加で設けてもよい。その接続機構は、例えば、モータなどを用いて、部品受け機構500を高さ方向に平行移動できるリフト機構でもよい。例えば、図12のハンド機構300に、アーム151などを含む全体を高さ方向に移動させるリフト機構を設けてもよい。あるいは、アーム151の先端に、そのリフト機構を設けてもよい。この場合、試料室201の下面203に対する部品202の高さ位置を所望の高さ位置に調整できる。
[変形例(1-3)]
実施の形態1の変形例のアシスト装置100として、追加で、センサとして、試料室201の下面203と部品受け機構500の部品202の上面との距離を検出するためのセンサを設けてもよい。変形例は、このセンサを用いて、部品202の高さ位置および傾きの調整に係わる状態検出とフィードバック制御を可能とする。このセンサは、ハンド機構300(特にフォーク400)、部品受け機構500または部品202の所定の箇所に1つ以上が設置される。
図13は、この変形例におけるセンサの設置例を示す。本例では、部品受け機構500の上板502の4角付近の4点に、センサ1301(4個を識別のため#1~#4で図示)が設置されている。各センサ1301は、上板502の平面に対し垂直な方向を検出軸として、試料室201の下面203との距離1302を検出する。なお、この距離1302から部品202の高さ寸法を減算すれば、下面203と部品202の上面との距離に相当する。
センサ1301は、例えば、光学式センサである光測長器(言い換えると測距センサ))を適用できる。光測長器は、例えばレーザー光を発するデバイスである。レーザー光が物に当たって戻ってくるまでの時間から、距離を計算可能である。
この変形例の場合、センサ1301は、有線または無線で、アシスト装置100の制御装置と接続される。制御装置は、例えば図3の本体装置110に搭載されている。図3では破線枠で示す制御装置120を有する。制御装置120は、各センサ1301から信号を取得し、その信号に基づいて、各センサ1301の位置での距離1302を取得または計算する。
制御装置120は、例えば得られた4点(#1~#4)の距離1302に基づいて、試料室201の下面203に対するセンサ1301設置面(すなわち上板502の平面)の相対的な傾き(言い換えると、傾き度合い)を計算してもよい。通常、上板502の平面に対し部品202の上面が平行となるように搭載される。その場合、上記計算された相対的な傾きは、試料室201の下面203に対する部品202の上面の傾きに相当する。例えば4点での距離1302が同じである場合、試料室201の下面203に対して部品202の上面がほぼ平行である。
制御装置120は、上記計算された相対的な傾きまたは傾き度合いをユーザに対し出力してもよい。出力は、例えば表示器の画面での表示であり、音声出力でもよい。ユーザは、その相対的な傾きを認識できる。ユーザは、その相対的な傾きが示しているズレを無くすように、適宜に傾きの再調整を行うことができる。これにより、組み付けをより高精度に実現できる。他に、上記相対的な傾きの出力は、傾きの値が所定の閾値以上である場合にアラートの出力としてもよい。
他の変形例では、センサ1301として、カメラを適用してもよい。カメラを適用する場合、カメラの画像に基づいて、距離1302が計算される。距離1302が検出または計算しやすいように、試料室201の下面203の所定の位置にマークを設けてもよい。
[変形例(1-4)]
さらに、変形例として、部品受け機構500には、高さ調整ねじ504またはそれに代わる技術的手段(高さ調整部品)を、ユーザの手動ではなく、自動的に駆動できる機構を設けてもよい。例えば、前述のように、図9の下板ベース507に、高さ調整ねじ504を自動的にねじ締めするためのドライバーおよびアクチュエータが設けられる。
そして、変形例では、制御装置120は、上記センサ1301等による相対的な傾きの値に基づいて、自動的に、部品受け機構500の高さ調整ねじ504を駆動し、傾きの状態を調整する。制御装置120は、例えば、試料室201の下面203に対し部品202の上面(対応するセンサ1301設置面として上板502の上面)が平行となるように、高さ調整ねじ504を駆動する。より詳しくは、制御装置120は、選択された各高さ調整ねじ504について、傾き調整のための高さ移動量を算出し、各高さ調整ねじ504の高さ移動量での駆動のためのアクチュエータの制御量を算出し、アクチュエータを制御すればよい。
制御装置は、所定のタイミングごとに、上記のようなセンサ1301を用いた距離および傾きの状態のモニタと、アクチュエータを用いた傾き調整とを、フィードバック制御として繰り返し実行してもよい。上記のような変形例によれば、部品受け機構500による傾き調整を自動化でき、ユーザの作業を省力化できる。
[変形例(1-5)]
他の変形例としては、別の種類のセンサとして、ひずみゲージを適用してもよい。図14は、この変形例における部品受け機構500等を示す。図13と同様の部品受け機構500の上板502の上面において、例えば4角付近に、図13のセンサ1301の代わりに、ひずみゲージ1401が設置されている。ひずみゲージ1401の設置箇所は、上面の中央の部品202の近傍としてもよい。図14では、部品202の上面が試料室201の下面203に接触した時の状態を模式で示している。接触の際の相対的な傾きの状態に応じて、4点のひずみゲージ1401のひずみ検出量がある。試料室201の下面203の組み付け面に対応した接触の領域204に対する部品202の上面の傾き(相対的な傾き)が大きい場合、4点のひずみゲージ1401のひずみ検出量が異なる。例えば領域204の点p1(点p1~p4は円周上の対角関係の4点)が先に接触するような場合、点p1に対し最も近い位置関係にある番号#1のひずみゲージ1401のひずみ検出量が最も大きい値となる。
組み付け作業の際に、上板502上の部品202の上面が、試料室201の下面203に接触した場合、上板502のひずみゲージ1401に力が伝わり、ひずみゲージ1401によるひずみ検出として反映される。制御装置120は、各ひずみゲージ1401のひずみ検出値に基づいて、試料室201の下面203に対する、ひずみゲージ1401設置面(対応する部品202の上面)の相対的な傾きまたは傾き度合いを計算する。制御装置120は、その相対的な傾きの値に基づいて、ユーザへの出力やフィードバック制御を同様に行ってもよい。
また、この変形例では、作業時の接触検知が容易に可能である。制御装置120は、各ひずみゲージ1401のひずみ検出値に基づいて、部品受け機構500上の部品202の上面が、試料室201の下面203に接触したかどうか、あるいは、接触時の接触度合い(圧力など)を判定する。制御装置120は、判定結果を、ユーザへ出力してもよい。制御装置120は、接触を検知した場合、下面203に対し部品202が強く押されないように、ハンド機構300などを停止させる制御を行ってもよい。この変形例では、安価なひずみゲージを利用できるため、安価に機能を実現できる。
<実施の形態2>
図15以降を用いて、実施の形態2の組み付け装置および方法について説明する。実施の形態2等の構成は、実施の形態1と共通または類似する構成部分も有し、以下では、実施の形態2等における実施の形態1とは異なる構成部分について主に説明する。実施の形態2の組み付け装置である図15等に示すアシスト装置600は、実施の形態1に対し、異なる構成点としては、前述のロボットアーム111ではなく自走装置601を有する点、前述のハンド機構300および部品受け機構500の代わりに高さ・傾斜調整機構620を有する点などがある。
[組み付け装置]
図15は、実施の形態2の組み付け装置の構成を示す。実施の形態1は、ユーザの手動で傾き調整を行う方式である。それに対し、実施の形態2は、アシスト装置100を設定・制御することで、ほぼ自動的に高さ位置および傾き調整を行う方式である。実施の形態2は、アシスト装置600を用いて、試料室201が設置された作業台101まで部品202を搬送する作業、言い換えると試料室201の下面の組み付け対象面に対応した位置まで部品202をX,Y方向で位置付ける作業を自動化する。また、実施の形態2は、作業台101およびアシスト装置600を用いて、試料室201の下面の下側で部品202の高さ位置を調整する作業を自動化する。また、実施の形態2は、アシスト装置600を用いて、試料室201の下面に対する部品202の傾きを調整する作業を自動化する。また、実施の形態2は、アシスト装置600を用いて、試料室201の下面に部品202をねじ締め等で固定する作業を自動化する。自動化とは、ユーザの手動作業を最低限とすることである。
アシスト装置600は、自走装置601、高さ・傾斜調整機構620、センサ609などを備える。高さ・傾斜調整機構620は、上下調整機構602と、傾斜調整機構603と、上下移動ねじ604とを有して構成されている。
自走装置601は、車輪等を備え、設置面を構成する2つの方向(図15ではX,Y方向)を含め、自動走行制御された方向に移動可能である。自走装置601は、モータ等の駆動機構や、制御装置610や、バッテリーを内蔵している。制御装置610は、自走装置601の自動走行を制御する。自走装置601は、アンテナ611を含む無線通信装置も備えている。制御装置610は、無線通信装置を用いて外部機器(後述の図19のコンピュータ195)と無線通信が可能である。外部機器は、ユーザが携帯して操作する操作器(言い換えるとリモートコントローラ)などとしてもよい。制御装置610は、ケーブル612などの配線を通じて、アンテナ611を含む無線通信装置、カメラ608、上下移動ねじ604、およびセンサ609とそれぞれ接続されている。なお、変形例では、制御装置610とそれらの各部との通信インタフェースを有線ではなく無線としてもよい。
上下調整機構602は、自走装置601の上に設けられている。上下調整機構602は、上面における4角の付近の4箇所に、4個の上下移動ねじ604(言い換えると高さ調整ねじ)を備えている。4個の上下移動ねじ604のそれぞれの下部は、上下調整機構602の上部に収容されており、4個の上下移動ねじ604のそれぞれの上部は、傾斜調整機構603の下部に収容されている。上から見た平面視で、4つの角(対応するねじ位置605など)を、識別のため番号#1~#4でも示す。上下調整機構602は、上下移動ねじ604を駆動する機構を内蔵している。駆動により、上下移動ねじ604は、回転して高さ方向(Z方向)に上下に移動する。
傾斜調整機構603は、4個の上下移動ねじ604の上に搭載されている。傾斜調整機構603は、上下移動ねじ604の駆動に基づいて、下側から持ち上げられることで、水平面(図15ではX-Y面)を基準とした傾きが調整される。この傾きは、実施の形態1での第1の傾きと第2の傾きを含んでいる。
上下移動ねじ604は、上下調整機構602と傾斜調整機構603との間に、平面内において複数の上下移動ねじとして設けられている。実施の形態1での高さ調整ねじ504が手動操作する物であるのに対し、上下移動ねじ604は、制御装置610からの駆動制御に基づいて上下調整機構602によって駆動されて自動で上下に移動する物である。本例では、傾斜調整機構603の上面の四角形でみた場合に、4角の付近の4箇所、破線で示すねじ位置605に、4個の上下移動ねじ604が配置されている。上下移動ねじ604は、駆動に基づいて、それぞれ独立に、高さ方向(Z方向)の上下の移動量(対応する高さ)が制御できる。それぞれの上下移動ねじ604をどの量で上下に移動させるかに応じて、傾斜調整機構603の傾きの状態が決まる。
上下移動ねじ604は、制御装置610からの制御に基づいて、上下調整機構602に内蔵された駆動機構により駆動される。これにより、上下移動ねじ604が回転しながら選択された上または下の方向に制御された移動量で移動する。それに伴い、傾斜調整機構603のその上下移動ねじ604に対応した箇所が上または下に移動する。これにより、傾斜調整機構603の4角の4点がそれぞれ上下に高さが調整できるので、傾斜調整機構603の上面の傾斜状態を調整できる。この傾斜状態は、X方向やY方向に限らず、X-Y面内での所望の方向を軸とした任意の傾斜として調整できる。この傾斜状態は、上下移動ねじ604の設計に応じて、所定の角度範囲内で変更できる。なお、上下移動ねじ604の配置の数や位置などは、本例に限定されない。
制御装置610は、ある箇所の上下移動ねじ604を移動させて高さを変える場合、それに伴い、他の箇所の上下移動ねじ604の高さも変えるように、4点の上下移動ねじ604の移動量を制御する。言い換えると、制御装置610は、傾斜調整機構603の上面を所望の傾斜の状態に変える場合、そのために必要なすべての上下移動ねじ604のそれぞれの移動量を制御する。
傾斜調整機構603は、上面に部品202が搭載される。傾斜調整機構603は、上面に、ドライバー駆動部606および位置決めピン607が設けられている。位置決めピン607は、部品202の搭載の際の位置決めに使用される。ドライバー駆動部606は、部品202を図2の(B)のように試料室201の下面203に対しねじ締め205をする際に、ねじを締めるためのドライバー(図16の脱着可能ドライバー641)を取り付けて駆動する部分である。本例では部品202の上面のフランジの円周上の6箇所にねじ穴があることに対応して、上面の6箇所にドライバー駆動部606を有する。
また、傾斜調整機構603の上面において、例えば4角の付近の4箇所には、センサ609が設けられている。センサ609は、本例では、レーザー光を用いる光測長器である。センサ609は、破線矢印で示す検出軸が、傾斜調整機構603の上面に垂直な方向を向いている。センサ609は、後述の傾き調整(特に状態のモニタおよびフィードバック制御)に使用される。
また、自走装置601の所定の箇所には、カメラ608が設けられている。カメラ608は、光軸が上方向(図示のZ方向)を向いており、上方向を撮影する。本例では、カメラ608は、自走装置601の上面の1つの角の付近に配置されている。カメラ608は、後述の自走装置601および組み付け位置の位置制御のために使用される。
[組み付け作業]
図16は、実施の形態2でのアシスト装置600を用いた、作業台101(非図示)上の試料室201の下面203に対する部品202の組み付け作業についての説明図を示す。図16では、試料室201の下面203が、水平面に対し傾斜がある場合を、誇張して図示している。傾斜調整機構603の上面には概略的に円柱形状の部品202が搭載されている。
試料室201の下面203の所定の箇所(本例では1つの角の付近)には、カメラ608の位置に合わせて、予め、位置合わせ用のマーク243が設けられている。作業時、自走装置601が作業台101上の試料室201の下側の作業スペース内に移動して位置付けられる。その際、制御装置610は、カメラ608の画像として検出されるマーク243の位置を目安に、自走装置601の停止位置を制御する。これにより、図16の例のように、試料室201の下面203の下側に、アシスト装置600が位置付けられる。詳細は図21で後述する。
ユーザは、制御装置610を操作することで、高さ・傾斜調整機構620の4個の上下移動ねじ604のそれぞれの高さを変更する。これにより、傾斜調整機構603の上面の傾斜の状態が調整される。ユーザは、この傾斜の調整により、部品202の上面が試料室201の下面203に対し例えば平行となるようにする。
図16の例では、傾斜調整機構603、部品202、および下面203の傾斜の状態として、例えばX方向に沿った方向(第1水平方向)1601に対する角度αでの傾きと、Y方向に沿った方向(第2水平方向)1602に対する角度βでの傾きとを有する。上下移動ねじ604により、これらの2軸の角度が調整可能である。
[傾斜調整]
図17は、高さ・傾斜調整調整620、特に上下移動ねじ604と傾斜調整機構603を用いた傾斜の調整についての説明図として、X-Y面での模式図を示す。傾斜の調整に関して所望の方向の軸を設定する際には、下記のような方法が可能である。
図17の(A)は、第1の方法の場合を示す。図17の(A)は、作業台101の四角形のフレーム内に、アシスト装置600(特に傾斜調整機構603)が配置されている。第1の方法では、作業台101に対する自走装置601の向きを含めた配置状態を調整することで、所望の傾斜の方向を設定できる。本例では、自走装置601および傾斜調整機構603の上面は、一点鎖線で示す方向1701がX方向に対しやや角度を持った状態で配置されている。この場合、方向1701に対応する第1軸と、それに直交する方向1702に対応する第2軸とを基準として用いて、上下移動ねじ604(ねじ位置605)の高さを簡易的に制御すれば、2軸での傾きの調整が可能である。4個の上下移動ねじ604の簡易的な制御の例としては、第1軸の周りの傾きのみを調整する場合に、例えば番号#1および#2の2個の上下移動ねじ604の高さを同じ第1高さとし、番号#3および#4の2個の上下移動ねじ604の高さを第1高さとは異なる同じ第2高さとするように制御すればよい。
図17の(B)は、第2の方法の場合を示す。第2の方法では、作業台101に対する自走装置601の配置状態を最初の位置付けとして一定とした上で、さらに、4個の上下調整ねじ604のそれぞれの上下移動量(それに対応する高さ)を調整することによって、所望の傾斜の方向を設定できる。本例では、自走装置601および傾斜調整機構603は、作業台101上の試料室201に合わせて、第1軸の方向1701がX方向に沿って配置されており、第2軸の方向1702がY方向に沿って配置されている。まず、自走装置601の向きや静止位置によって、図示のように方向1701および方向1702が設定される。さらに、アシスト装置600は、高さ・傾斜調整機構620の4個の上下移動ねじ604のそれぞれの高さを独立に調整することで、方向1701(X方向)および方向1702(Y方向)とは異なる所望の方向、例えば方向1703を設定する。アシスト装置600は、その方向1703を軸として、傾斜調整機構603の傾斜の状態を調整可能である。上記所望の方向の設定は、制御装置610による計算で処理される。
[作業台]
図18は、実施の形態2での作業ピットにおける作業台101(言い換えると試料室置台)およびアシスト装置600の斜視図を示す。実施の形態2での作業台101は、アシスト装置600を上下移動(言い換えると昇降)させる機構として、設置面に近い位置に、昇降台124,125を備える。昇降台124は、作業台101の作業スペース1801内で、設置面に近い位置に配置された、第2の昇降台である。昇降台125は、作業台101の作業スペース1801の外側で、昇降台124に隣接して配置された、第1の昇降台である。アシスト装置600は、設置面上において自走装置601および上下調整機構602の高さが一定である。このアシスト装置600は、自走装置601による移動に基づいて、図18の昇降台125および昇降台124の上に乗ることができる。図18の状態では、昇降台124および昇降台125は、設置面から第1高さまで上昇した状態である。第1高さは、設置面近くのフレーム1802の高さ以上の高さである。
なお、図18の例では、作業台101は、重量物である試料室201を支持するための強度を確保するために、図示の長方体の12辺のすべてにフレームを有し、設置面の近くにもフレーム1802を有する。そのため、図18の例では、設置面の近くに設けられたフレーム1802を跨いでアシスト装置600を移動可能なように、昇降台124および昇降台125が設けられている。これに限らず、作業台101やアシスト装置600の実装によっては、設置面の近くに設けられたフレーム1802を省略した形態としてもよいし、作業スペース1801内の1つの昇降台にまとめた形態としてもよい。第1の昇降台125の代わりにスロープを設けた形態なども可能である。昇降台124は、図18中に示す第1高さよりも高い、制御された所望の高さに上昇可能な機構としてもよい。この場合、その昇降台は、高さ調整機構と言い換えることもでき、その昇降台の高さ調整を用いて、部品202の高さ位置の調整が可能である。
[組み付け作業エリア]
図19は、組み付け作業を含む作業が行われる組み立て作業エリアの全体配置図を示す。図19は、上から見た概略的に水平面としてX-Y面での模式図を示す。本例の組み立て作業エリアは、作業ピット191a,191b,191cといった3箇所の作業ピットを有し、各作業ピットに作業台101が設置されている。各作業台101に試料室201が設置されている。本例では、1台のアシスト装置600が、3箇所の作業ピットを並列に順次に使用することで、3台の製品の組み立て作業を効率的に行う場合を示している。
例えば、作業ピット191aは、試料室201aの下面への部品202aの組み付け作業が完了した状態である。昇降台124a,125aは、設置面近くの高さにある状態である。作業ピット191bは、アシスト装置600を用いて、試料室201bの下面への部品202bの組み付け作業が実施中の状態である。昇降台124b,125bは、設置面から上に第1高さの状態にある。作業ピット191cは、試料室201cの下面への部品の組み付け作業が実施されていない状態、言い換えると作業待ち状態である。昇降台124c,125cは、設置面近くの高さにある状態である。なお、作業待ち状態の作業台101は、昇降台124,125を第1高さに上昇させた状態で待機させてもよい。
初期ピット192は、作業台101から離れた初期の作業ピットであり、充電装置194やコンピュータ195などが設置されている。矢印で示す搬送経路193は、初期ピット192から3箇所の作業ピットへのアシスト装置600および部品202の搬送経路の例を示す。初期ピット192に配置されたアシスト装置600は、充電装置194と電気的接続され、充電装置194からバッテリーに充電が可能である。コンピュータ195は、アンテナ196を含む無線通信装置を備える。コンピュータ195は、無線通信装置を通じて、アシスト装置600や各作業ピット(特に昇降台124,125)と通信し、適宜にデータ・情報を授受する。
コンピュータ195は、プロセッサ、メモリ、通信インタフェース、入力デバイスや出力デバイス(ディスプレイやスピーカ等)を備えたシステムである。ユーザは、コンピュータ195を操作し、作業に係わる指示や設定を行うことや、画面で作業の状態の確認などができる。ユーザの指示や設定に基づいて、コンピュータ195からアシスト装置600に制御信号などを送信することで、アシスト装置600を操作・制御することができる。コンピュータ195から作業台101の昇降台124,125に信号を送信することで、昇降台124,125を上昇や下降させることができる。また、コンピュータ195は、アシスト装置600から、無線通信で、カメラ608の信号やセンサ609の信号を受信することで、アシスト装置600の状態を把握することもできる。
なお、変形例では、作業台101または昇降台124,125は、センサを備え、センサにより、アシスト装置600の近接や接触を検知し、その検知に基づいて、昇降台124,125の上昇や下降を自動的に制御してもよい。
[組み付け作業フロー]
図20は、実施の形態2におけるアシスト装置600を用いた組み付け方法および作業のフローを示す。このフローは、ステップS21~S32を有する。はじめに、ステップS21で、ユーザは、作業ピットの作業台101上に試料室201を設置する。アシスト装置600の初期位置は、図19の初期ピット192とされる。アシスト装置600が初期ピット192にある時には、充電装置194と電気的接続され、アシスト装置600に備えるバッテリーが自動的に充電される。
ステップS22で、ユーザは、初期位置のアシスト装置600の特に傾斜調整機構603の上面に部品202を搭載する。この際、ユーザは、部品202の下面を位置決めピン607に突き当てるようにして位置決めしながら、部品202を傾斜調整機構305の上面に搭載する。また、ユーザは、ドライバー駆動部606に、脱着可能ドライバー641(図16)を取り付ける。また、ユーザは、脱着可能ドライバー641の先端に、ねじ642を取り付ける。
ステップS23で、ユーザによる指示入力に基づいて、アシスト装置600は、指定された作業ピット(例えば作業ピット191b)における第1の昇降台である昇降台125まで、指定された搬送経路193上を自走し、昇降台125の上に乗って、その上の位置で一旦停止する。
ステップS24で、第1の昇降台125および第2の昇降台124が第1高さまで上昇することで、第1の昇降台125および第2の昇降台124と、作業台101のフレーム1802とが、ほぼ同じ高さになる。
ステップS25で、アシスト装置600は、自走装置601により、奥側の第2の昇降台124上まで自走する。この際、アシスト装置600のカメラ608は、試料室201の下面203に備えるマーク243を撮影する。制御装置610は、カメラ608の画像を画像認識処理することで、マーク243を検出する。制御装置610は、X-Y面において、カメラ608の位置とマーク243の位置との関係から、アシスト装置600と試料室201の下面203との相対的な位置関係を把握する。そして、制御装置610は、カメラ608の位置とマーク243の位置との位置合わせに基づいて、アシスト装置600を、第2の昇降台124上の予め決められた位置に正確に停止させる。予め決められた位置は、試料室201の下面203における部品202の組み付けの位置に対応付けられた位置である。
図21には、上記位置関係およびX,Y方向での組み付けの位置調整について示す。(A)は、自走装置601が移動中の状態を示し、(B)は、自走装置601が停止し位置調整された状態を示す。作業台101上の破線の四角は、試料室201の下面203を示す。図21では、作業台101とアシスト装置600とがX,Y方向に沿って配置されている場合を示す。アシスト装置600は、上から見える、自走装置601のカメラ608と、傾斜調整機構603とを示す。傾斜調整機構603の上面の中央に部品202が搭載されている。下面203における部品202を組み付ける領域を、破線の円で示し、位置P1(x1,y1)は、その領域の中心位置である。
下面203における組み付けの領域の位置P1と、アシスト装置600の上面における部品202の搭載位置と、カメラ608の位置との位置関係に基づいて、計算された位置に、マーク243が設置されている。言い換えると、組み付けの領域とマーク243との位置関係は、部品202とカメラ608との位置関係と同じである。なお、本例のように、X,Y方向で組み付けの領域に対しアシスト装置600の位置を高精度に位置調整することには限定されず、組み付けの領域に対しある程度の範囲内でおおまかに位置調整することとしてもよい。そして、その後にユーザが手動操作でアシスト装置600の位置をX,Y方向に細かく位置調整してもよい。
ステップS26で、アシスト装置600は、4個のすべての上下移動ねじ604を同じ上下移動量で同時に回転させることで、上下調整機構602に対し傾斜調整機構603を上昇させる。これにより、傾斜調整機構603上の部品202は、試料室201の下面203に近付く。アシスト装置600は、例えば、部品202の上面の一箇所が下面203に接触するかまたは非接触で十分に近付いた状態で、上下移動ねじ604による上移動を停止させる。
ステップS27では、アシスト装置600は、センサ609を用いて傾斜状態を検出しながら、上下移動ねじ604のそれぞれの高さ(対応する上下移動量)を制御することで、試料室201の下面203に対する部品202の上面の傾斜の状態を調整する。
ここで、作業ピット(図19)に作業台101および試料室201が設置される際には、作業台101および試料室201が水平に設置されるように設置調整が行われるが、前述のように、設置面が水平面であるとは限らないこと等から、厳密に水平配置とすることは難しい。また、作業台101の上面に対する試料室201の設置にも誤差が生じ得る。そのため、作業台101上の試料室201の下面203は、図2の(C)のように、水平配置ではない可能性がある。例えば、試料室201の下面203は、図16のように、第1水平方向1601に対し、角度αで傾きを有し、第2水平方向1602に対し角度βで傾きを有する。すなわち、下面203は、水平面に対し、角度αおよび角度βによる傾斜を有する。さらに、図18のアシスト装置600が乗せられる第2の昇降台124も、水平面であるとは限らない。
以上のことから、部品202の上面と試料室201の下面203は、作業の初期では、平行な状態とは限らず、多くの場合、相対的な傾きとしてズレを含んだ、非平行な状態である場合が多い。相対的な傾きとは、部品202の上面の傾きと試料室201の下面203の傾きとの差である。
そこで、実施の形態2では、ステップS27で、アシスト装置600は、図16のように、傾斜調整機構603の4角付近に備えるセンサ609により、センサ609と試料室201の下面203との距離(例えば距離1603)を測定する。センサ609の検出軸は、傾斜調整機構603の上面に対し垂直な方向を有する。制御装置610は、4個のセンサ609の検出信号に基づいて、4箇所の距離を演算する。制御装置610は、4箇所の距離に基づいて、試料室201の下面203と傾斜調整機構603の上面との平行度(言い換えると、相対的な傾き等のパラメータ値)を算出する。傾斜調整機構603の上面と部品202の上面とは平行であるとみなされる。よって、その場合、この平行度は、部品202の上面と試料室201の下面203との平行度である。
もし、試料室201の下面203と傾斜調整機構603の上面とが平行な状態である場合、アシスト装置600は、4本の上下移動ねじ604を、同じ回転速度で同じ上下移動量として回転させる。これにより、試料室201の下面203と傾斜調整機構603の上面とが平行を保った状態で、部品202の上面が試料室201の下面203に近付き、それらが平行に接触する。
もし、試料室201の下面203と傾斜調整機構603の上面とが平行でない状態の場合には、アシスト装置600は、4本の上下移動ねじ604をそれぞれ独立して異なる上下移動量となるように回転させる。これにより、試料室201の下面203と傾斜調整機構603の上面との平行度を、初期よりも平行に近づくように調整することができる。
調整中、アシスト装置600は、適宜のタイミングで、再度、センサ609により、試料室201の下面203とセンサ609との距離を測定する。制御装置610は、再度、平行度を算出する。そして、制御装置610は、その平行度に基づいて、上下移動ねじ604の高さを制御することで、傾斜調整機構603の傾斜状態を再調整する。これにより、試料室201の下面203と傾斜調整機構603上の部品202の上面が平行に近づくようにする。アシスト装置600は、上記のようなセンサ609および上下移動ねじ604を用いたモニタとフィードバック制御を必要に応じて繰り返すことで、最終的に、試料室201の下面203と部品202の上面とが平行になるようにする。
なお、本例では、設計値として、試料室201の下面203と部品202の上面とが平行(言い換えると、平行度が十分に高い状態)になるようにしたが、これに限定されない。試料室201の下面203や部品202の構造によっては、非平行で固定する場合もあり得る。
なお、上記ステップS27中の調整の制御に関して、上下移動ねじ604の回転による上下移動および停止は、制御装置610により駆動制御される。また、この調整に伴い、部品202の上面が試料室201の下面203へ近接または接触する際に、近接または接触の検知や、接触停止の制御が、センサ609を用いて実現可能である。この制御は、例えば以下のような方式で実現可能である。
アシスト装置600は、例えば接触検知をする場合、センサ609により検出される距離の値が、所定の距離の値になった場合および時に、接触状態であると判定する。例えば、図16で、部品202の上面が試料室201の下面203にちょうど接触しているとする。センサ609から下面203までの距離1603は、部品202の高さ寸法と対応している。よって、接触検知用の所定の距離の値は、その高さ寸法に基づいて、予め設定可能である。同様に、近接検知をする場合、接触検知用の所定の距離よりも長い距離を用いて、近接状態の判定が可能である。また、接触停止の制御を行う場合、制御装置610は、上記接触検知によって接触状態を検知した直後に、上下移動ねじ604の移動を停止させる。
図22は、上記接触検知などについての説明図として、設置面2001上の作業台101、試料室201、作業スペース2002内のアシスト装置600などのX-Z面の模式図を示す。昇降台124の上にアシスト装置600が乗った状態である。本例では、試料台201の下面203が水平配置ではない場合を誇張して示している。下面203は、例えばX方向(第1水平方向)に対し角度αで傾きを有する。アシスト装置600は、センサ609で検出した距離2201に基づいて、傾斜調整機構603の傾斜の状態を、下面203の傾斜の状態に合わせて、なるべく平行となるように調整する。すなわち、本例では、ステップS27で、上下移動ねじ604の制御により、傾斜調整機構603の面がX方向に対し角度αでの傾きを有する状態に調整されている。
前述の図17の(B)を用いて、より詳しく説明すると、初期の時点では、番号#1~#4で示す4個の上下移動ねじ604の高さが同じである。次に第1時点では、図22の角度αに合わせる調整のために、Y方向に対応する方向1702を軸として、X方向で左側の#1および#4の2個の上下移動ねじ604が、ある高さH1(上移動量)とされ、右側の#3および#4の2個の上下移動ねじ604が、高さH1よりも高い高さH2(上移動量)とされる。この調整後、平行度が十分に高い平行状態になった場合、傾斜調整を終了できる。
また、この調整後、まだ非平行な状態である場合、さらなる傾斜調整が行われる。例えば、図16のようなY方向(方向1602)に対する角度βでの傾きがズレとして残っている場合、次の第2時点では、その角度βに合わせる調整のために、X方向に対応する方向1701を軸として、Y方向で下側の#1および#2の2個の上下移動ねじ604の高さに対し、Y方向で上側の#4およびE3の2個の上下移動ねじ604の高さをより高くするように調整される。上記例は、2個の上下移動ねじ604を組として高さ(上下移動量)を変更する場合であるが、これに限らず、4個の上下移動ねじ604のそれぞれの高さを異ならせることで、より詳細な調整が可能であり、前述のようにX-Y面内での所望の回転軸による傾斜調整が可能である。
ステップS27の途中または後に、アシスト装置600は、上下移動ねじ604を上に移動させる際に、センサ609を用いて、部品202の上面が試料室201の下面203に接触もしくは近接する状態を検知する。図22の例では、まだ部品202の上面2202は下面203に接触していない。部品202の高さ寸法2203に基づいて、接触検知や近接検知の所定の距離が設定される。例えば近接検知の場合、高さ寸法2203に、近接の間隔を表す距離2204を加算した距離を、近接検知の判定用の所定の距離として設定できる。
なお、図20のフローでは、アシスト装置600は、先にステップS26である程度の高さまで傾斜調整機構603を上昇させ、その後にステップS27で傾斜を調整している。これに限らず、変形例のフローでは、アシスト装置600は、先にステップS26で傾斜調整機構603の傾斜状態を調整し、その後にステップS27で傾斜調整機構603を全体的に上昇させるようにしてもよい。そして、その上昇の際に、近接検知または接触検知を適用してもよい。
次に、ステップS28では、上記傾斜調整後の状態(例えば試料室201の下面203と部品202の上面とが平行な状態)で、アシスト装置600は、図16の傾斜調整機構603の脱着可能ドライバー641を駆動して回転させる。これにより、試料室201の下面203(特に組み付け位置)に対し、部品202の上面(特に図16の例ではリング状のフランジ)を、ねじ642の締結によって固定する。傾斜調整機構603のドライバー駆動部606は、それぞれの脱着可能ドライバー641を回転させて上下に駆動する。脱着可能ドライバー641の回転により、脱着可能ドライバー641の先端に取り付けられているねじ642が回転して上に移動し、フランジおよび下面203のねじ穴を通じて試料室201内に入っていく。これにより、部品202は下面203に固定される。
ステップS29では、上記固定後、アシスト装置600は、4本の上下移動ねじ604を、前述の回転方向と反対方向に回転させることで、傾斜調整機構603を全体的に下降させる。
ステップS30では、アシスト装置600は、自走装置601により、第2の昇降台124上の位置から第1の昇降台125上の位置まで自走する。
ステップS31では、コンピュータ195からの指示に基づいて、第2の昇降台124および第1の昇降台125は、第1高さから設置面に近い高さまで下降する。
ステップS32では、アシスト装置600は、第1の昇降台125上の位置から、搬送経路193を通じて、初期ピット192の位置まで自走して戻る。初期ピット192のアシスト装置600は、充電装置194に接続されて充電される。作業者は、傾斜調整機構603上の脱着可能ドライバー641をドライバー駆動部606から取り外す。
以上のような動作は、作業ピットおよび製品ごとに同様に行われる。なお、1回の組み付け作業後、傾斜調整機構603の傾斜状態は、調整済みの傾斜状態に維持することもできるし、リセットして初期状態に戻すこともできる。
[効果等(2)]
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と共通の効果として、試料室201の下面203に対する部品202の組み付けの際に作業者の負担や製造に係るコストを低減でき、組み付けの精度を高めることができる。実施の形態2によれば、作業者の手動での作業を最小限として、より効率的な製造が可能である。
比較例の組み付け方法として、部品をジャッキで持ち上げながら、試料室の下面と部品の上面との位置合わせおよび傾き調整の作業を行う場合、試料室の下側に潜り込んだ作業者が、目視でその作業を行い、続いて、固定のためにねじ締めを行う。このような方式では、作業者の作業性が非常に悪い。
それに対し、実施の形態2の組み立て方法および装置(アシスト装置600)では、作業者は、アシスト装置600(特に傾斜調整機構603)に部品202とねじ642と脱着可能ドライバー641を取り付ける準備作業さえ行えば、あとは、コンピュータ195、作業台101、およびアシスト装置600による殆ど自動化された作業として実現できる。アシスト装置600が部品202を作業ピットの作業台101まで搬送する搬送作業と、アシスト装置600が試料室201の下面203に対する部品202の高さ位置および傾斜の状態を調整する作業と、アシスト装置600が試料室201の下面203へ部品202をねじ642によって固定する作業と、を含む各作業が殆ど自動で行われる。これにより、組み付け作業を非常に高効率化することができる。
実施の形態2でのアシスト装置600は、言い換えると、無人搬送車(AGV)として実装される。このようなAGV型のアシスト装置600を採用する利点として、作業の自動化により、作業者による作業を極力低減できる。作業者が重い部品202などを持って行う作業を無くすことができる。または、アシスト装置600が作業者の代わりに部品202を支持するので、作業者の負担を軽減できる。また、作業者ごとの特性に依存せずに、組み付け作業の均一化が可能である。また、作業者による埃の発生とその影響を防止でき、クリーンルーム内での無人作業を可能とする。実施の形態1でも、実施の形態2と同様に、組み付け作業における高さ位置および傾き調整の部分を、アシスト装置によってアシストできるので、作業者の負担を軽減できるとともに、従来よりも高精度の組み付けが可能である。
なお、実施の形態2で説明した例(図15等)では、部品202(真空ポンプ)を傾斜調整機構603に搭載する際に、位置決めピン607によって位置決めを行い、ドライバー駆動部606に脱着可能ドライバー641が取り付けられる。前述のステップS28では、アシスト装置600が自動的に脱着可能ドライバー641を駆動してねじ締めを行うものとした。これに限らず、傾斜調整機構603には、実施の形態1と同様の部品受けガイド506(図8)が形成されていてもよい。また、傾斜調整機構603に各種の部品202を搭載可能なように共通化する場合、傾斜調整機構603の上面に、各種の部品を搭載するための共通化された部品受けガイドなどが設けられ、搭載する部品202に応じて選択使用されてもよい。ステップS28では、ユーザが手動で下面203に対し部品202をねじ締めする作業を行うものとしてもよい。この場合、傾斜調整機構603にはドライバー駆動部606の実装が不要となる。
また、変形例では、傾斜調整機構603は、実施の形態1での部品受け機構500と同様に、アシスト装置600(特に上下調整機構602)から脱着できる構造としてもよい。あるいは、上下調整機構602より上の部分(高さ・傾斜調整機構620)が自走装置601から脱着できる構造としてもよい。そして、その傾斜調整機構603を、実施の形態2の例での部品202(真空ポンプ)とは異なる形状の部品202に対応した傾斜調整機構603と交換できるようにしてもよい。異なる形状の部品202は、外径寸法が異なる丸型あるいは四角型などの組付部品であり、例えば、外形寸法が異なる他の種類の丸型の真空ポンプや、四角型の冷却部品などが挙げられる。
[変形例(2-1)]
図23は、実施の形態2の変形例のアシスト装置600の構成を示し、横から見たX-Z面での模式図を示す。図23では、設置面2001上に設置された作業台101の上面に試料室201が設置されている。作業台101上の試料室201の下面203の下側の作業スペース2002に、アシスト装置600が配置されている。変形例のアシスト装置600は、自走装置601と上下調整機構602との間に、追加でリフト機構2300を備える。このリフト機構2300は、自走装置601に対し、上下調整機構602等を持ち上げて上下に移動させる。リフト機構2300は、上下調整機構602等を、上から見た平面視で中央部を下から持ち上げて上下に平行移動させる。また、変形例では、作業台101に、図18の昇降台124,125を備えず、設置面2001の近くのフレーム1802も備えない。アシスト装置600は、自走装置601により、設置面2001上を走行し、作業台101の外部から内部の作業スペース1801まで移動し静止できる。
設置面2001および試料室201の下面203は、概略的に水平面であるが、厳密に水平配置であるとは限らない。本例では、作業台101上の試料室201の下面203が、第1水平方向(X方向)で角度αでの非水平配置となっている場合を誇張して示している。アシスト装置600は、まず自走装置601の例えばX方向の水平移動によって、作業台101の試料室201の下面203の下側の作業スペース2002内に配置される。傾斜調整機構603の上面には、部品202が固定されている。
次に、アシスト装置600は、リフト機構2300を用いた上下調整機構602の上移動によって、上下調整機構602より上に搭載されている各部(傾斜調整機構603や部品202)のZ方向での高さ位置を概略的に調整する。すなわち、部品202の上面が試料室201の下面203に接触しない範囲で、傾斜調整がしやすい程度の高さ位置まで、傾斜調整機構603が上に持ち上げられる。
次に、アシスト装置600は、上下移動ねじ604の制御により、傾斜調整機構603の傾斜状態を調整する。本例では、上下調整機構602の上面が、X方向(第1水平方向)に沿って概略的に水平配置であり、その上面に対し、図示のY方向(第2水平方向)を回転軸として、傾斜調整機構603の上面が、角度αで傾きを有する状態に調整されている。これに対応して、部品202の上面(組み付け面)も、上下調整機構602の上面に対し、角度αで傾きを有する状態である。このように、高さ・傾斜調整調整620を用いて、試料室201の下面203(組み付け対象面)に対し部品202の上面が例えば平行になるように、X-Y面内での所望の方向での傾斜が調整される。
その後、アシスト装置600は、さらに、高さ・傾斜調整調整620を用いて、部品202の高さ位置を調整し、部品202を下面203に近接または接触させてもよいし、あるいは、リフト機構2300を用いて、上に平行移動させることで、部品202を下面203に近接または接触させてもよい。
[変形例(2-2)]
前述のセンサ609は、光測長器に限らず、他の技術的手段として、カメラなども適用可能である。例えば、傾斜調整機構603の上面に2つ以上のカメラが設けられ、ステレオカメラとして用いられる。試料室201の下面203には、所定の位置にマークが設けられる。各カメラは、そのマークを含む領域を撮影する。制御装置610は、2つ以上のカメラで撮影した画像を解析することで、試料室201の下面203との距離や、平行度などを計算する。
前述の接触検知は、センサ609ではなく、他の技術的手段を用いてもよい。例えば、アシスト装置600は、上下調整機構602に備える上下移動ねじ604を駆動するためのモータの負荷の値が所定の閾値以上となった場合に、接触状態と判定してもよい。
前述のステップS27では、センサ609で検出した距離に基づいて、自動的に傾斜状態を調整するものとしたが、これに限定されない。アシスト装置600は、センサ609で検出した距離や、制御装置610が計算した平行度を、ユーザに対し出力してもよい。出力は、アシスト装置600に備える出力デバイスを用いてもよいし、コンピュータ195の出力デバイスを用いてもよい。ユーザは、出力された距離または平行度を認識できる。そして、ユーザは、その認識に基づいて、アシスト装置600に対する手動操作で、傾斜調整機構603の傾斜状態を調整するようにしてもよい。その場合、上下調整機構602に、それぞれの上下移動ねじ604を操作するためのボタンなどが設けられてもよい。
また、実施の形態2では、自走装置601に設けたカメラ608を用いた、水平方向(X,Y)での位置調整機能を有する場合を説明した。これに限らず、傾斜調整機構603に、前述のセンサ609のみならず、水平方向(X,Y)における位置調整機能のためのセンサを設けてもよい。このセンサは例えばカメラが適用できる。また、距離測定用のセンサ609と、その位置調整用のセンサとを統合してもよい。位置調整用のセンサは、試料室201の下面203の所定の位置にあるマーク、あるいは組み付け対象領域を検出する。制御装置610は、そのセンサの検出に基づいて、水平方向(X,Y)での、下面203の組み付け対象領域に対する部品202の配置位置を自動的に調整する(図21と同様)。あるいは、アシスト装置600は、位置調整用のセンサの検出値をユーザに対し出力し、ユーザが手動操作でアシスト装置600の水平方向の位置を微調整してもよい。
以上、本開示の実施の形態を具体的に説明したが、前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。実施の形態の組み付け方法および装置は、製品として前述の半導体検査装置に限らず、他の製品にも同様に適用可能である。各実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。各実施の形態を組み合わせた形態も可能である。
100…アシスト装置(組み付け装置)、101…作業台、102…部品準備台車、201…試料室、202…部品、203…下面、300…ハンド機構、500…部品受け機構。

Claims (16)

  1. 組み付け装置を用いて、作業台の上に設置された対象物の下面に部品を組み付ける作業をアシストする組み付け方法であって、
    前記組み付け装置は、
    前記部品を搭載する部品受け機構と、
    前記部品受け機構を保持し移動可能であるハンド機構と、
    を備え、
    前記部品受け機構は、第1軸の周りの第1の傾きを調整する機構であり、
    前記ハンド機構は、前記第1軸とは異なる方向の第2軸の周りの第2の傾きを調整する機構であり、
    前記組み付け方法は、
    前記部品受け機構の前記第1の傾きを調整することで、前記部品受け機構に搭載された前記部品の前記第1の傾きを調整する第1のステップと、
    前記ハンド機構の前記第2の傾きを調整することで、前記ハンド機構に保持された前記部品受け機構の前記部品の前記第2の傾きを調整する第2のステップと、
    を有し、
    前記第1の傾きと前記第2の傾きとの調整により、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きを調整する、
    組み付け方法。
  2. 請求項1記載の組み付け方法において、
    前記部品受け機構は、
    前記第1軸に対応するシャフト回転軸と、
    前記シャフト回転軸に接続された、前記部品を搭載する上板、および下板と、
    前記下板の平面に設けられた、高さが調整できる高さ調整部品と、
    を有し、
    前記第1のステップは、前記高さ調整部品の操作によって、前記下板に対し前記上板を前記シャフト回転軸の周りに回転させて、前記第1の傾きを調整するステップである、
    組み付け方法。
  3. 請求項1記載の組み付け方法において、
    前記ハンド機構は、
    回転操作できるハンドルと、
    前記ハンドルに接続された、第1回転軸を有するウォームホイールと、
    前記ウォームホイールに嵌合され、所定の減速比で回転する第2回転軸を有するウォームギヤと、
    前記ウォームギヤに接続されたハンド回転軸と、
    前記ハンド回転軸に接続された、前記部品受け機構を搭載するフォークと、
    を有し、
    前記第2のステップは、前記ハンドルの操作によって前記第2回転軸に対応する前記第2の傾きを調整するステップである、
    組み付け方法。
  4. 請求項1記載の組み付け方法において、
    前記組み付け装置は、前記ハンド機構が先端に設けられたロボットアームを備え、
    前記組み付け方法は、前記ロボットアームを駆動することで前記ハンド機構の位置を調整するステップを有する、
    組み付け方法。
  5. 請求項1記載の組み付け方法において、
    前記組み付け装置は、前記ハンド機構の上面または前記部品受け機構の上面に設けられ、前記対象物の下面との距離を検出するセンサと、
    前記距離に基づいて、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きの状態を計算する制御装置と、
    を備え、
    前記組み付け方法は、
    前記センサで検出した距離に基づいて前記制御装置が前記傾きの状態を計算するステップを有する、
    組み付け方法。
  6. 請求項1記載の組み付け方法において、
    前記組み付け装置は、前記部品受け機構の上面に設けられ、前記対象物の下面と前記部品との接触に係わるひずみ量を検出するひずみゲージと、
    前記ひずみ量に基づいて、前記対象物の下面に対する前記部品の接触の状態を計算する制御装置と、
    を備え、
    前記組み付け方法は、
    前記ひずみゲージで検出したひずみ量に基づいて前記制御装置が前記接触の状態を計算するステップを有する、
    組み付け方法。
  7. 組み付け装置を用いて、作業台の上に設置された対象物の下面に部品を組み付ける作業をアシストする組み付け方法であって、
    前記組み付け装置は、
    前記部品を搭載する傾斜調整機構と、
    前記傾斜調整機構を上に乗せて支持する上下移動部品として複数の上下移動部品と、
    前記上下移動部品を上下に移動させる上下調整機構と、
    を備え、
    前記組み付け方法は、
    前記複数の上下移動部品のそれぞれの上下移動部品の移動量を制御することで、水平面を基準として任意の軸で前記傾斜調整機構の傾斜の状態を調整するステップを有し、
    前記傾斜調整機構の傾斜の状態を調整することで、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きを調整する、
    組み付け方法。
  8. 請求項7記載の組み付け方法において、
    前記組み付け装置は、前記上下調整機構、前記上下移動部品および前記傾斜調整機構を搭載した自走装置を備え、
    前記組み付け方法は、前記部品を搭載した前記組み付け装置が前記自走装置によって前記作業台の前記対象物の下面の下側まで自動走行するステップを有する、
    組み付け方法。
  9. 請求項8記載の組み付け方法において、
    前記作業台は、昇降台を備え、
    前記組み付け方法は、前記昇降台の上に前記自走装置が乗り、前記自走装置が乗った前記昇降台を上昇させることで、前記部品の高さ位置を調整するステップを有する、
    組み付け方法。
  10. 請求項7記載の組み付け方法において、
    前記傾斜調整機構は、前記部品のねじ締めのためのドライバーが取り付けられるドライバー駆動部を有し、
    前記組み付け方法は、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きが調整された後に、前記傾斜調整機構の前記ドライバー駆動部による前記ドライバーの駆動によって、前記対象物の下面に対する前記部品のねじ締めを行うステップを有する、
    組み付け方法。
  11. 請求項7記載の組み付け方法において、
    前記組み付け装置は、前記傾斜調整機構の上面に設けられ、前記対象物の下面との距離を検出するセンサと、
    前記距離に基づいて、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きの状態を計算する制御装置と、
    を備え、
    前記組み付け方法は、前記センサで検出した距離に基づいて前記制御装置が前記傾きの状態を計算するステップを有する、
    組み付け方法。
  12. 請求項11記載の組み付け方法において、
    前記組み付け方法は、前記制御装置が、計算された前記傾きの状態に基づいて、前記複数の上下移動部品のそれぞれの上下移動部品の移動量を制御することで、前記傾斜調整機構の傾斜の状態を、設計値に近付くように再調整するステップを有する、
    組み付け方法。
  13. 請求項1または7に記載の組み付け方法において、
    前記対象物は、真空試料室であり、
    前記部品は、真空ポンプである、
    組み付け方法。
  14. 作業台の上に設置された対象物の下面に部品を組み付ける作業をアシストする組み付け装置であって、
    前記部品を搭載する部品受け機構と、
    前記部品受け機構を保持し移動可能であるハンド機構と、
    を備え、
    前記部品受け機構は、第1軸の周りの第1の傾きを調整する機構であり、
    前記ハンド機構は、前記第1軸とは異なる方向の第2軸の周りの第2の傾きを調整する機構であり、
    前記部品受け機構に搭載された前記部品の前記第1の傾きを調整し、前記ハンド機構に保持された前記部品受け機構の前記部品の前記第2の傾きを調整し、前記第1の傾きと前記第2の傾きとの調整により、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きを調整する、
    組み付け装置。
  15. 作業台の上に設置された対象物の下面に部品を組み付ける作業をアシストする組み付け装置であって、
    前記部品を搭載する傾斜調整機構と、
    前記傾斜調整機構を上に乗せて支持する上下移動部品として複数の上下移動部品と、
    前記上下移動部品を上下に移動させる上下調整機構と、
    を備え、
    前記複数の上下移動部品のそれぞれの上下移動部品の移動量を制御することで、水平面を基準として任意の軸で前記傾斜調整機構の傾斜の状態を調整し、前記傾斜調整機構の傾斜の状態を調整することで、前記対象物の下面に対する前記部品の傾きを調整する、
    組み付け装置。
  16. 請求項1記載の組み付け方法を用いて組み付けられた真空処理装置。
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