JP4097893B2 - 対向ターゲット式スパッタ方法及び導電性膜の形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定間隔で対向するターゲットの間の対向空間の側面を囲繞するように対向方向の磁界を発生させ、該磁界により対向空間内にプラズマを拘束し、対向空間の側方に配した基板上に真空下で膜形成する対向ターゲット式スパッタ方法の改良に関し、スパッタ電圧が広範囲に調整できる対向ターゲット式スパッタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記対向ターゲット式スパッタ方法は、本発明者らが出願した特公昭63-20303号、特公昭63-20304号、特公昭62-14633号等の公報で既に公知である。すなわち、この方法は、図1に示すように、槽壁11を有する真空槽10内に所定距離の空間120を隔てて対向するように配置されたターゲット110a、110bと、該対向空間120の外縁部の側面を磁束が均一に囲繞するように対向方向の磁界を発生させるターゲット110a、110bのそれぞれの背面に設けた磁界発生手段130a、130bと、対向空間120の側方に設けた基板ホルダー21により基板20を該対向空間120に対面するように配置した構成を基本構成としている。ここで、図の140a、140bは、ターゲット部100a、100bのターゲット110a、110bの前面以外の部分がスパッタされないように保護するためのシールドである。
そして、図示省略した排気系により排気口30を通して真空槽10内を排気した後、図示省略したガス導入手段により導入口40からアルゴン等のスパッタガスを導入し、図示の如く直流電源からなるスパッタ電源50によりシールド140a、140b従って真空槽10をアノード(陽極)(接地)に、ターゲット110a、110bをカソード(陰極)にしてスパッタ電力を供給して、対向空間120に前記磁界の拘束によりスパッタプラズマを形成し、ターゲット110a、110bをスパッタして、基板20上にターゲット110a、110bの組成に対応した組成の薄膜を形成する方法である。
【0003】
この方法では、前述の構成により対向方向具体的にはターゲット110a、110bの面と垂直方向に磁界が形成されているので、ターゲット110a、110b間の対向空間120内に高エネルギーの電子が閉じ込められてスパッタプラズマが生成し、ここでのスパッタガスのイオン化が促進されてスパッタ速度が高くなり高速の膜形成ができる。その上、基板20は、従来の代表的なスパッタ方法である基板とターゲットを対向配置した2極のスパッタ方法と異なり、ターゲット110a、110bの側方に配置されているので、基板20へのイオンや電子の衝突が非常に少なくなり、かつターゲット110a、110bからの熱輻射も小さく基板温度の上昇も小さくなる。よって低温の膜形成ができる。このように、対向ターゲット式スパッタ方法は従来のマグネトロン式スパッタ法では高速成膜が困難であった磁性材を含め各種材料を低温、高速で膜形成できる特徴を有し、磁性薄膜、薄膜型磁気記録媒体、磁気ヘッド等の製造に利用されている。
ところで、通常この方法には矩形、円形のターゲットが用いられるが、ターゲットの形状に係らず、スパッタされて侵食されるターゲット表面についてはその中心部に侵食が集中し易く、ターゲットの利用効率を改善する必要があることが分かった。また、長方形ターゲットを使用した場合には、ターゲット侵食パターンがターゲット中央部に対して非対称となり、基板の幅方向においても膜厚分布が生じ、生産性及び薄膜の均一性についても改善を必要とすることが分かった。
【0004】
これに対して、本発明者らは特公平3-2231号公報及び特公昭63-54789号公報において、ターゲット侵食特性をターゲット面全域に拡大する改良技術として、各ターゲットの外側周囲に磁界発生手段を設け、その磁界発生部である磁極端部にコアを配置し、磁界をターゲットの周囲に発生させるようにした構成を提案した。この構成により、磁界はターゲットを経由しないで直接対向して配置したコア間に形成されるので、磁界分布がターゲット材の透磁率、飽和磁化、ターゲットの厚みに影響されにくくなり、かつスパッタプラズマ拘束用磁界がターゲット外周に沿ってその外側周囲に形成され、その侵食領域がターゲットの中央部から外縁周辺部まで拡大してターゲット利用効率が大きく改善した。しかしながら、スパッタの際、放電電圧が高くなり、高いスパッタガス圧でないと安定なスパッタができない欠点があることが分かった。
【0005】
更に、これを解決するものとして対向ターゲット式スパッタ法の特徴であるプラズマ拘束条件をターゲット面全域に亘ってより一層均一に発現させる技術を、本発明者らは特公平4-11624号、特公平5-75827号の公報で提案した。これら技術はスパッタプラズマを生成・拘束する技術として従来の対向ターゲット式スパッタにおけるターゲット面と垂直な磁力線(磁場)に加えてターゲット面の外縁部全周の近傍空間に電子を反射する電子反射手段を設けることを特徴にしている。この技術においては対向したターゲットの間の空間を飛び交う高エネルギー電子は該空間をドリフトするとともにターゲット外縁部表面近傍の電磁界によりターゲット外縁部を全周に亘って磁極部近傍のシールドに吸収されることなくドリフトするので全体的にスパッタガスのイオン化効率が著しく高まり、前述の問題の無い技術が実現した。
この結果、ターゲット全域に渡ってスパッタ効率を高めることが可能になった。本スパッタ技術により、基板とスパッタ源が対向する従来のスパッタ法では実現できない微細構造等の特性の優れた薄膜が形成できるとともに、ターゲット全域で一様な侵食が可能になり、長方形ターゲットを使用した場合にもターゲット侵食パターンのターゲット中央部に対する対称性も飛躍的に改善した。
【0006】
しかし、この改良された対向ターゲット式スパッタ装置においても、ターゲット表面からスパッタされる反跳ガス粒子やスパッタ粒子はターゲット間の全ての側面から真空槽内に飛散する状態には変わりない。このため、ターゲト前面から均一にスパッタができ、基板上に一様な膜厚分布の薄膜を制御良く実現することが出来ても、ターゲットの側方空間のうち基板に面する一部しか薄膜形成に使用できないこと、真空槽壁に飛散した粒子により真空槽壁に内蔵されるガスがスパッタ中に放出される結果、基板に形成される薄膜の膜質が低下するといった問題があった。
これに対して、本発明者らは、先に出願した特開平10-8246号公報で以下の構成の対向空間を基板側を除いてターゲットにより区画した箱型の対向ターゲット式スパッタ装置を提案した。すなわち、所定距離の空間を隔てて対向配置した一対の第1のターゲットと該空間の基板に対面する開口部を除いた側面を覆うように配置した第2のターゲットとにより該空間を開口部を除いて区画された区画空間に構成し、スパッタプラズマを拘束する磁界を発生する磁界発生手段を第1のターゲットのそれぞれの外周に沿ってその外側近傍に磁極が対向するように配置し、該磁界発生手段により一対の第1のターゲットを囲む筒状の対向モードの磁界と、第1のターゲットの外縁部の表面近傍に前記磁極から内側表面に円弧状に閉じた通常のマグネトロンモードの磁界と、第2のターゲットの表面近傍にその表面と平行なミラー式マグネトロンモードの磁界と、第2のターゲットの磁界発生手段に隣接する両側縁部の表面近傍に前記磁極から内側表面に円弧状に閉じたマグネトロンモードの磁界とを形成すると共に、磁界発生手段の該区画空間に臨む磁極端部及び第2のターゲットの該区画空間の開口部端部に電子を反射する電子反射手段を設け、該区画空間内にスパッタプラズマを生成して、その開口部の前方に配置した基板上に薄膜を形成するようにした箱型の対向ターゲット式スパッタ装置を提案した。
この装置では、上記の通り、対向した一対の第1のターゲットの間の空間の基板に面する側の開口部を除いた全側面を第2のターゲットで囲んだ区画空間で、電子反射手段を介して上記の各磁界に拘束された電子の相互作用により各ターゲットのほぼ全表面に高密度プラズマが生成・拘束され、全ターゲットの全表面のほぼ均一なスパッタが実現され、前述の問題が解決された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の対向ターゲット式スパッタ方法を各種の膜形成に適用したところ、先に形成された膜の上に膜形成する場合に、先に形成された膜によっては、その膜質が低下する問題が見出された。この原因を検討したところ、スパッタ電圧換言すれば放電電圧が関係することが判明した。
しかしながら、放電電圧はガス圧、ターゲット部の機械的な配置等で決まり、ガス圧を変えると形成する膜の膜質に影響する等の問題があり、その調整は困難であった。
また、最近では、高真空下すなわちスパッタガスの影響を受けない状態での膜形成が高機能性膜の形成では要望されている。
本発明はかかる現状に鑑みてなされたもので、スパッタの放電電圧を広範囲に調整でき、高真空下でも膜形成できる、各種の膜形成に最適条件下で広く適用できる対向ターゲット式スパッタ方法を第1の目的とし、LSI等の回路基板の配線用膜等に好適な導電性膜の形成方法を第2の目的としたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的は、以下の本発明の対向ターゲット式スパッタ方法により達成される。すなわち、本発明は、所定間隔で対向するターゲットの間の対向空間の側面を囲繞するように対向方向の磁界を発生させ、該磁界により対向空間内にプラズマを拘束し、対向空間の側方に配した基板上に真空下で膜形成する対向ターゲット式スパッタ方法において、該ターゲットの夫々の周囲に電子反射手段を設けて電子を対向空間内に反射するようにすると共に、直流に高周波を加えたスパッタ電力を印加してスパッタすることを特徴とする対向ターゲット式スパッタ方法である。
【0009】
上記本発明は、以下のようにして為されたものである。すなわち、前記問題に関してスパッタ電源に着目し、従来の直流電源に換えて高周波電源について検討したところ、対向ターゲット式スパッタ方法でも放電電圧と印加電力は比例することが解った。そこで、一定の直流に高周波を加えた電力を印加して高周波分による放電電圧の調整の可能性を鋭意検討したところ、前述の電子反射手段を備えた場合に、高周波成分により大きく放電電圧が調整出来ることが見出され、本発明は為されたものである。
電子反射手段を備えた場合にこのような驚くような効果が得られる理由は、この電子反射手段により電子が対向空間に効率よく戻されるのでプラズマ空間でのイオン化増殖を助成するという、加えた高周波電力がそのままイオン密度の増加作用として有効に作用し、実質的な空間インピーダンスを低下させるためと考えられる。そして、電子反射手段を備えない場合に、このような効果がないのは、該部分から電子が漏れてしまい、そのため高周波電力分の効果が生じないためと考えられる。
なお、本発明においては、対向方向の磁界に加えてターゲットの周縁部に半円状の磁界を形成する構成が、上述したプラズマをより一層効率よく対向空間内に閉じ込める点から好ましい。
【0010】
また、上述の点から、本発明においては、直流分及び高周波分の何れでも調整可能であり、その比率は特に制限されない。なお、高周波電力の周波数はイオン化促進作用がある周波数であればよく、通常数10kHz以上から50MHzの範囲を使用するが、ラジオ周波数RFが便利である。
さらに、本発明においては、対向するターゲットからなるスパッタ部がその対向空間の側面の基板に面する開口部を除いた側面を遮蔽した箱形のスパッタ部とした構成が、高真空下で膜形成ができ、スパッタ粒子の飛散も少なく、装置もコンパクトなり、生産性も良い点で好ましい。
そして、前述の第2の目的は、以下の導電性膜の形成方法で実現される。すなわち、本発明は、導電性膜を基板上に形成するに際し、上述の本発明の対向ターゲット式スパッタ方法により膜形成する導電性膜の形成方法を含むものである。なお、この方法の中でもスパッタ部が箱形のスパッタ部からなる方法が一層高真空下での膜形成が出来る点で好ましい。
【0011】
なお、この発明は、金属膜、中でもCu膜、Cu合金膜若しくはAl膜、Al合金膜に好ましく適用される。微少ホール内への膜形成が要求される回路基板の配線用膜の形成に好適である。特に、ガス圧0.05Pa以下の高真空下で膜形成することにより形成される膜がスパッタガスイオンよる影響すなわち形成される膜の膜質の不均一性及び堆積層界面のダメージの防止の面から好ましい。実施例3に示すように箱形スパッタ部でスパッタガス圧0.01Pa以下であれば、微少ホール内への膜形成も可能であり、LSI回路基板等の配線用膜形成に好適である。
以下、本発明の詳細を実施例を含めて説明する。しかし、本発明はかかる実施例に限定されないことは、その趣旨から明らかである。
【0012】
【発明の実施の形態】
先ず実施例に用いた対向ターゲット式スパッタ装置を説明する。実施例1に用いた装置は、図1のターゲット部を電子反射手段を備えたターゲット部に替えたもので、実施例2、3に用いた装置は、前記特開平10-8246号公報に開示のものと同様の箱形スパッタ部を真空槽の側壁に設け、その開口部に対面して基板を配したものである。そして、共にスパッタ電源を直流電源と高周波電源とを組み合わせて直流成分に加えて高周波成分を有する電力を供給できるようにした直流−高周波電源とした構成である。
図2は、これらの装置の対向ターゲットを構成するターゲット部の側断面図である。図3は、実施例2、3の装置の箱形スパッタ部の斜視図で、図4はこの箱形スパッタ部の対向ターゲット部以外の側面に用いたターゲット部の側断面図である。これらのターゲット部、箱形スパッタ部は、本発明者が先に特開平10-330936号公報で開示したものと同じ構成である。なお、この公報では本発明の電子反射手段を、その電子を反射して対向空間に戻して対向空間に捕捉する作用の内の捕捉作用に着目し電子捕捉板と呼んでいる。
以下、図に基づいて、その構成を順次説明する。対向ターゲットのターゲット部100a、100bは図2に示されるように構成されている。なお、ターゲット部100a、100bは、磁界発生手段のN、S磁極の配置が図1に示されるように逆になる点を除いて同じ構成であり、以下図2に示すターゲット部100aに基づいて説明する。
【0013】
ターゲット110aは、支持体である冷却ブロック150aの前面にその周辺部で一定間隔のボルト111aにより交換可能に取付けられている。ターゲット110aの形状は、円形、矩形が一般であり、この取り付け部をそれに応じた形状に形成する。この冷却ブロック150aの前面は凹部が形成され、隔壁152aで区画して冷却溝151aとし、ターゲット110aを取付けると図示のようにその背面を直接冷却する冷却ジャケットが形成されるようになっている。従って、非常に冷却効率の良い冷却ができ、高速成膜に対応できる。そして、冷却ブロック150a換言すればターゲット部100aは、その取付部160aにおいて電気絶縁材からなるパッキン155aを介して槽壁11に一定間隔のボルト112aにより取り外し可能に取付けられている。
【0014】
冷却ブロック150aには、磁界発生手段の永久磁石130aを収納する収納部131aが、ターゲット110aの周囲に沿ってその外側を囲むように設けられ、その槽内側にターゲット110a前面より実効的に所定長dだけ突き出すように板状の電子反射手段170aが設けられている。ターゲット110aが磁性材の場合は、電子反射手段170aを磁性材料とすることにより電子反射手段170aが磁界発生手段の磁極端として作用し、電子反射手段170aから水平磁界がターゲット110aの外縁周囲表面に形成される。また、ターゲット110aが非磁性材の場合には電子反射手段170aが非磁性材料でも該外縁表面部には閉じた水平磁界が形成される。
図示の通り、収納部131aは槽外から磁界発生手段の永久磁石130aを出し入れできるように槽外に開口した所定深さの穴を所定ピッチで冷却ブロック150aに設けた構造となっており、磁界発生手段はこの収納部131aの穴部の各々に棒状の永久磁石130aを図示の磁極配置で挿入して留め具132aで固定し、複数個の永久磁石130aを一定ピッチでターゲット110aの周囲に並設した構成となっている。
この収納部131aと取付部160aを備えた一体構造の冷却ブロック150aは、熱伝導性の良い金属等の構造材料本例ではアルミニウムブロックからNC旋盤により図示の断面の形状に削りだして本体部を製作し、その所定箇所には複数のボルト111a、112aの貫通孔を所定ピッチで穿設し、更にその外縁部の所定箇所には磁界発生手段の永久磁石130aの収納部131aの所定深さの穴を底辺側から所定ピッチで穿設して、継ぎ目の無い一体構造としてある。これにより槽内とは完全に遮断され、全く真空漏れが無く、冷却ブロック150aに設けた冷却管状部153a、154aを介して冷却水が冷却ブロック150aの冷却溝151a内を還流するため収納部131aに装着した永久磁石130aは熱伝導による冷却のみで充分冷却できる。
【0015】
収納部131aの先端部の槽内側には、前述の通りここに到る電子を反射し対向空間に戻して対向空間内に捕捉する電子反射手段170aが、ターゲット110aの周辺に沿って全周に設けられている。なお、この電子反射手段170aは、形成する膜組成を厳密に規制する必要がある場合にはターゲット110aと同一材質とする構成がスパッタされても膜組成に影響を与えない点から好ましい。しかし、電子反射手段170aを介して形成される磁力線分布の性質から対向ターゲット式スパッタ方法では電子反射手段170aのスパッタは殆ど生じないため、電子反射手段170aの構成材は特に限定されない。
以上の通り、本装置のターゲット部100aは、支持体である冷却ブロック150aにその全てが設けられた構成となっている。そして、ターゲット部100aは、前述のように、取付部160aを真空槽10の槽壁11に電気絶縁材からなるパッキン155aを介して一定間隔のボルト112aにより取付けることにより、真空槽10の槽壁11に設置される。
【0016】
また、ターゲット110aを取り付けるボルト111aの外側周囲には真空遮断用のパッキンとして、バイトン(商品名)等のOリング(図示省略)を用いて真空遮断をしているが、前述のように冷却ブロック150aが熱伝導性に優れているため、ターゲット表面が高密度プラズマに曝されている場合でも冷却溝151aによる冷却で温度上昇を抑制され、パッキンの劣化が無く、信頼性の高いシールが得られる。
以上の構成のターゲット部100aとその磁界発生手段の永久磁石130aの磁極配置を逆にしたターゲット部110bを、図1においてターゲット部110aと110bに替えて設置し、図1において破線で囲んで示す電源ユニット12をスパッタ電源50に代えて電源端子16に接続して、実施例1の装置とした。すなわち、実施例1では、直流電源(50)はローパスフィルタ13を介して電源端子16に接続されるようにするとともに高周波電源14はマッチング回路15を介して電源端子16に接続されるようにして、直流+高周波の電力を印加出来るようにした。
【0017】
この装置においては、従来技術で述べたと同様にして膜形成できる。すなわち、排気系により排気口30を通して真空槽10内を排気した後、ガス導入手段により導入口40からアルゴン等のスパッタガスを導入し、直流−高周波電源からなるスパッタ電源50により真空槽10をアノード(陽極)(接地)に、ターゲット110a、110bをカソード(陰極)にしてスパッタ電力を供給することにより、磁界発生手段の永久磁石130a、130bからの磁界の拘束により対向空間120にスパッタプラズマが形成され、ターゲット110a、110bがスパッタされ、基板20上にターゲット110a、110bの組成に対応した組成の膜が形成される。
なお、この装置では、前述のターゲット110aと同電位の電子反射手段170aを設けた構成により、この部分に飛来する電子は反射されて対向空間120に戻り、対向空間内に捕捉されるので高密度プラズマが形成される。更に電子反射手段170aを磁極端部としてこれからターゲット110aの周縁部の表面に至る磁界が形成され、該周縁部にはマグネトロン式スパッタ法と同様のマグネトロンモードのスパッタ領域が形成される。これらにより高速でターゲット使用効率の良い対向ターゲット式スパッタ方法が実現される。
【0018】
次に、実施例2、3に用いた箱形スパッタ部を用いた対向ターゲット式スパッタ装置を説明する。この装置の箱形スパッタ部60は、図3に示すように構成されている。すなわち、箱形スパッタ部60は、直方体形状の支持枠体61の側面の開口部62となる側面61fを除いた側面61a〜61eは以下のように密閉して箱形構成としている。開口部62の図で左右の側面61a、61bは、前述の図2のターゲット部100aとこれの永久磁石130aの磁極配置を逆にしたターゲット部100bとを取着して密閉し、対向ターゲット部を構成するようにしている(すなわち、図2に示されるターゲット部100aは槽壁11に変えて、支持体枠61に取着される)。開口部62の上下の両側面61c、61dは板状体からなる遮蔽ユニット100c、100dで密閉し、図で奥側の側面61eは、図4に示す磁界発生手段、電子反射手段を備えないターゲット部100eで密閉し、側面61fのみが開口した箱形構成としている。そして、図示省略したが、この奥側のターゲット100eの周りの側面61eにスパッタガスの導入口を適当な間隔で設け、内部空間に直接スパッタガスを供給するようしている。
なお、ターゲット部100eは、図4から明らかのように、図2において、磁界発生手段(130a)、その収納部131a、電子反射手段170aを無くした構成で、その他は同じ構成であり、記号も同じものを用いてあり、詳細説明は省略する(但し、ターゲット部の取着位置を示す添字がaからeに変更されている)。
【0019】
以上の構成の図3の箱形スパッタ部60でのスパッタプラズマを生成・拘束する磁場形成は、前記の特開平10-8246号公報に開示したものと基本的に同じであり、以下のようになる。磁界発生手段を備えた対向ターゲット部100a、100bのターゲット面には水平磁界によりマグネトロンモードの電磁場がターゲット外縁部全周の表面近傍に形成され、かつ対向するターゲット間の空間には対向方向の磁界による対向モードの電磁場がターゲット全域に形成される結果、高密度プラズマがターゲット110a、110bの全面に亘って形成される。また、磁界発生手段のないターゲットのみのターゲット部100eのターゲット面にはターゲット部100a、100bが形成する対向方向の磁界による磁力線分布が表面に隣接して存在するので、ターゲット部100eのターゲット面近傍空間にはミラー式マグネトロンモードの電磁場が形成される結果、高密度スパッタプラズマがそのターゲット表面に形成される。
なお、遮蔽ユニット100c、100dは、支持枠体61に取着され、アノード具体的には真空槽に電気接続されているので、上述のスパッタ作用には実質的に関与せず、スパッタ粒子の単なる遮蔽板として作用する。
【0020】
以上の構成の箱形スパッタ部60を真空槽の側壁に開口部62が真空槽内に開口するように取着すると共に、基板を所定間隔で開口部62に対面して保持できるように基板保持手段を真空槽内に配置した。なお、排気口は基板保持手段の背後の真空槽の側壁に設けた。そして、これに前述の直流−高周波電源を図1と同様に接地した真空槽をアノードとし、ターゲット部100a、100b、100eをカソードとなるように接続し、実施例2、3の装置とした。
この装置においても、前述の実施例1の装置と同じく、従来技術で述べたと同様にして膜形成できる。すなわち、排気系により排気口を通して真空槽内を排気した後、ガス導入手段により奥側のターゲット部100eの周りの導入口からアルゴン等のスパッタガスを導入し、直流−高周波電源からなるスパッタ電源により真空槽をアノードに、ターゲット110a、110b、110eをカソードにしてスパッタ電力を供給することにより、磁界発生手段の永久磁石130a、130bからの磁界の拘束によりスパッタ部60の内部空間にスパッタプラズマが形成され、ターゲット110a、110b、110eがスパッタされる。そして、スパッタされた粒子はスパッタガス粒子と共に開口部62を介して基板の背後から排気される高真空の真空槽に移送され、開口部62に対面した基板上にその組成に対応した組成の膜が形成される。
この装置は、前記の実施例1の装置の効果に加え、以下の効果を奏する。対向空間の側面が開口部を除いて遮蔽されているので、基板への堆積効率が向上する。空間内部で一旦閉じ込められるためか、粒子の速度、方向性が均一性が向上する。さらに、真空槽が基板保持手段を収納するのみでよく、非常に小さくできるので、全体がコンパクトになる共に、真空排気時間が大幅び短縮する。このように、この装置は、従来の側面解放型の対向ターゲット式スパッタ装置では得られない優れた効果が得られるものである。
これらの装置により実施した実施例を比較例を含めて以下に説明する。
【0021】
[実施例1、比較例]
実施例1として、図2の装置において、対向のターゲット110a、110bをアルミニウム(Al)からなる寸法100x150x5mmの長方形ターゲットとし、対向ターゲットの間隔120mmとした。スパッタ電源の直流−高周波電源には直流電源(ENI社製DCG100)をマッチング回路(フィルター)を介して高周波(RF)電源(日本高周波製HFS-40-005A)と結合して用いた。本実施例の高周波電源の周波数は40MHzを用いた。また、電子反射手段170aは、ターゲットと同じ材質すなわちAl板を用いた。
真空槽を所定の到達真空度(5x10-5Pa)まで排気した後、スパッタガスとしてアルゴン(Ar)ガスを導入してAl膜を基板のシリコンウエハ上に形成し、ガス圧(PAr)と放電特性具体的には放電電圧(V)の関係を以下のように検討した。
【0022】
具体的には0.109Pa、0.048Pa、0.012Paの各ガス圧で、投入電力を直流電力は250Wで一定として印加するRF電力を変えて放電電圧を検討した。その結果を図5に示す。
図より加えるRF電力を変えることで放電電圧が種々のガス圧で大きく変化する事が分かる。例えば、ガス圧:0.109PaではRF電力100Wを加えた結果は165V、300Wでは80V、450Wでは70Vと直流電力のみの場合(図で印加RF電力がゼロの場合)の放電電圧260Vに較べてRF電力を加える事で数分の一以下の放電電圧を得ることができる。ガス圧0.048Pa、 0.012Paの場合も、同様の結果である。
一方、比較例として図1に示す従来の対向ターゲット式スパッタ装置と同様の構成の市販の対向ターゲット式スパッタ装置FTSR-2LS((株)大阪真空機器製作所)において、スパッタ電源に実施例1の直流−高周波電源を用いて検討した結果を示す。
検討は、先ず実施例1と同じの直流電力250Wでの放電特性を調べた。この直流電力ではガス圧が0.5Paより高真空では放電が安定せず、安定限界のガス圧は0.5Paで、この時の放電電圧は340Vであった。
【0023】
そこで、ガス圧はこの0.5Paとして、実施例1と同様に直流電力はこの250Wで一定にして印加するRF電力を変えて放電電圧を調べた。その結果を図6に示す。図からこの装置では、RF電力の印加により放電電圧は殆ど変化しないことが分かる。具体的には、RF電力を100W加えた結果は340V、300Wでは340V、500Wでは400Vとであり、RF電力を加えると実施例1と逆に放電電圧は若干増加する傾向を示した。
以上から明らかなように、本発明によれば従来技術の対向ターゲット式スパッタと比較して1桁以上の高真空領域で放電電圧を数分の一以下とするスパッタ技術を実現することができた。放電電圧が低くなることにより、反跳ガス粒子の運動エネルギーを低下させることや希土類や酸化物に特有の負イオン発生に対してカソードシースにおける加速電界のエネルギーを大幅に低下させることができるため、堆積表面におけるスパッタ粒子の配列プロセスで外乱の影響が軽減し均一な薄膜組織形成が促進される効果が大きい。
【0024】
[実施例2]
図3の箱形スパッタ部60において対向するターゲット部100a、100bのターゲット110aは寸法100x240x5mmの、箱型空間の奥側のターゲット部100eのターゲット110eは寸法90x230x5mmの長方形の銅(Cu)からなるターゲットとし、その対向するターゲット100a、100bの間隔は120mmとした。そして、スパッタ電源には実施例と同じ構成、直流電源(ENI社製DCG100)をマッチング回路を介してRF電源(日本高周波製HFS-010W)と結合したものを用いた。本実施例のRF電源の周波数には13.54MHzを用いた。
真空槽を所定の到達真空度(5x10-5Pa)まで排気した後スパッタガスとしてアルゴン(Ar)ガスを導入してCu膜を基板のシリコンウエハ上に形成し、印加するRF電力と放電特性具体的には放電電圧との関係を検討した。その結果は以下の通りであった。
ガス圧0.03Paの場合において、投入する直流電力は500Wで一定にして、印加するRF電力を変化させて放電電圧を調べた。印加RF電力が0W(直流電力のみの場合)、100W、300W、500Wに対して、放電電圧はそれぞれ420V、356V、246V、173Vと実施例1の場合と同様に直流電力単独に較べてRF電力を加える事で数分の一以下の放電電圧を得ることができた。
本発明は、箱形スパッタ部の対向ターゲット式スパッタ方法でも効果を奏することが確認された。
【0025】
[実施例3]
実施例2の箱形スパッタ方法の効果として期待されるスパッタ粒子の制御性を生かす、大規模集積回路(LSI)の配線への適用可能性を見るために、実施例2の装置で半導体(LSI)デバイスでの配線技術の基本となるサブミクロンオーダーの微少ホールへのCuの埋込み特性を以下のように検討した。
すなわち、実施例2と同様にして、深さが1.3ミクロン、底の径が0.52ミクロンからなるホールを設けた基板に、Arガス圧が0.005Paの高真空下で、直流電力250Wに加えてRF電力400Wを投入して放電電圧400VでCu膜を形成し、該ホールの壁面へのCu膜の形成状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べた。その結果をSEM像写真である図7に示す。写真から該ホールの底面を含む全壁面にCu膜が形成されていることが判る。このCu膜は、底の膜厚は60nmであり、側壁の膜厚は80〜200nm入口でのオーバーハングは約100nmである。この埋め込み膜は、表面部の膜厚が550nm程度の表面堆積により得られた
これにより、本発明における高真空下でのスパッタにより高い運動エネルギーを得たCu原子は微少ホールに進入しその全壁面に緻密に堆積し、良好な配線部を形成することが明らかになった。
【0026】
ところで、従来のCu埋込み技術では1Pa以上のガスと高周波プラズマ発生及びホールやトレンチ界面に印加する負のバイアス電圧を利用してエネルギーの低いCu原子を基板界面で再スパッタする技術である(第61回応用物理学会学術講演会講演予講習(2000.9.北海道工業大学、5a-P8-5、5a-P8-6)。このため、粒子界面での欠陥の発生や再スパッタされるホールやトレンチでの堆積界面の損傷により高品質なCu薄膜形成をするには条件制御が困難であり、高密度化を進める上でのCuの膜形成の改善が待望されていた。
これに対して、本発明では従来スパッタ技術のガス圧より2桁も高い高真空での放電を実現しており、これによりCu原子がターゲット表面からスパッタされた運動エネルギーを保存したままトレンチやホールに到達し、原子の気相状態から堆積表面での拡散過程を経て固体化する際異常なプラズマ衝撃が加わらないため緻密なCu原子の積層がホールやトレンチの内壁にも形成され、上述の結果が得られたと考えられる。また、本発明による膜は粒界に欠陥が無く緻密であり5nm程度の膜厚でもシード層として連続な膜が均一に界面を覆う事ができる。よって、Cuメッキに対するシード層の場合は、図7の写真の例に示す膜厚の10分の1以下の膜厚の薄層でも充分な機能を発現できる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、以上の通り、スパッタ方法において電子反射手段により電子の対向空間への拘束を強化し、直流電力と高周波電力とからなるスパッタ電力を印加して膜形成するものであり、これにより広範囲に放電電圧が変えられ、さらに高真空、中でも0.05Pa以下の高真空下でも安定なスパッタ出来る効果を奏する。
そして、上述の点から箱形スパッタ部の対向ターゲット式スパッタ方法では更に高真空0.01Pa以下の高真空で膜形成ができ、これによりLSIの配線等微細加工で粒界での欠陥が生じない高品質な膜形成が簡単な構成で実現できる。
以上、本発明は高性能な対向ターゲット式スパッタ方法並びこれを用いた膜形成方装置を提供するものであり、薄膜形成に関わる工業分野に大きな寄与をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来の対向ターゲット式スパッタ装置の基本構成の説明図である。
【図2】図2は、本発明の実施例に用いた対向するターゲット部の概略側面断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例2、3に用いた箱形スパッタ部の概略斜視図図である。
【図4】図4は、図3の箱形スパッタ部の対向するターゲット部以外のターゲット部の概略側断面図である。
【図5】図5は、実施例1の結果を示すグラフである。
【図6】図6は、比較例の結果を示すグラフである。
【図7】図7は、実施例3の結果のホール壁面への膜形成状況の粒子構造を示すSEM(走査型電子顕微鏡)像の写真である。
【符号の説明】
10 真空槽
20 基板
30 排気口
40 導入口
50 スパッタ電源
60 箱形スパッタ部
100a〜100e ターゲット部
110a、110b、110e ターゲット
120 対向空間
130a、130b 磁界発生手段(永久磁石)
140a、140b シールド
150a、150e 冷却ブロック
151a、151e 冷却溝
160a、160e 取付部
170a 電子反射手段

Claims (9)

  1. 所定間隔で対向するターゲットの間の対向空間の側面を囲繞するように対向方向の磁界を発生させ、該磁界により対向空間内にプラズマを拘束し、対向空間の側方に配した基板上に真空下で膜形成する対向ターゲット式スパッタ方法において、該ターゲットの夫々の周囲に電子反射手段を設けて電子を対向空間内に反射するようにすると共に、直流に放電電圧を調整するための高周波を加えたスパッタ電力を印加してスパッタすることを特徴とする対向ターゲット式スパッタ方法。
  2. 対向方向の磁界に加えてターゲットの周縁部に半円状の磁界を形成する請求項1記載の対向ターゲット式スパッタ方法。
  3. 対向するターゲットからなるスパッタ部がその対向空間の側面の基板に面する開口部を除いた側面を遮蔽した箱形のスパッタ部である請求項1又は2記載の対向ターゲット式スパッタ方法。
  4. 導電性膜を基板上に形成するに際し、請求項1〜3記載のいずれかの対向ターゲット式スパッタ方法により膜形成することを特徴とする導電性膜の形成方法。
  5. 導電性膜が金属膜である請求項4記載の導電性膜の形成方法。
  6. 金属膜がCu膜、Cu合金膜、Al膜若しくはAl合金膜である請求項5記載の導電性膜の形成方法。
  7. 金属膜が回路基板の配線用膜である請求項6記載の導電性膜の形成方法。
  8. ガス圧0.05Pa以下の高真空下で膜形成する請求項4〜7記載のいずれかの導電性膜の形成方法。
  9. スパッタ部が箱形スパッタ部の対向ターゲット式スパッタ方法によりガス圧が0.01Pa以下の高真空下で回路基板上に配線用の導電性膜を形成する請求項5又は6記載の導電性膜の形成方法。
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