JP2878997B2 - 真空蒸着装置 - Google Patents
真空蒸着装置Info
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- JP2878997B2 JP2878997B2 JP7247177A JP24717795A JP2878997B2 JP 2878997 B2 JP2878997 B2 JP 2878997B2 JP 7247177 A JP7247177 A JP 7247177A JP 24717795 A JP24717795 A JP 24717795A JP 2878997 B2 JP2878997 B2 JP 2878997B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、基板面に薄膜被覆加
工を施す真空蒸着装置に関する。
工を施す真空蒸着装置に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】例えば、
工具のコーティング、機械部品のコーティング、電子部
品のコーティング、表面装飾用コーティング等におい
て、これらの部品面を基板面にして薄膜被覆加工を施す
真空蒸着方法の中の物理的蒸着法の有力な方法として、
真空アーク蒸着法及びスパッタリング法がある。
工具のコーティング、機械部品のコーティング、電子部
品のコーティング、表面装飾用コーティング等におい
て、これらの部品面を基板面にして薄膜被覆加工を施す
真空蒸着方法の中の物理的蒸着法の有力な方法として、
真空アーク蒸着法及びスパッタリング法がある。
【0003】真空アーク蒸着法は、真空アークを応用し
たもので、スネーパやサブレフによって、例えば、特公
昭58−3033号、或いは特公昭52−14690号
公報等に開示されている方法であり、蒸発物質の高いイ
オン化率とイオンエネルギーによって密着度の高い膜が
高成膜レートで得られるという特徴を持つ一方で、蒸発
時に発生する溶融粒子(マクロパーティクル)によって
成膜した膜が粗い等の問題があった。
たもので、スネーパやサブレフによって、例えば、特公
昭58−3033号、或いは特公昭52−14690号
公報等に開示されている方法であり、蒸発物質の高いイ
オン化率とイオンエネルギーによって密着度の高い膜が
高成膜レートで得られるという特徴を持つ一方で、蒸発
時に発生する溶融粒子(マクロパーティクル)によって
成膜した膜が粗い等の問題があった。
【0004】一方、スパッタリング法は、不活性ガスプ
ラズマを発生させ、この不活性ガスイオンを膜物質の
「ターゲット」に衝突させ、この時に反動で飛び出す膜
物質の原子を基板に埋積させる周知の手法であり、集積
回路の製造に多く用いられる等、高品質の成膜が可能で
ある一方、しばしば成膜レートが遅いという問題があっ
た。
ラズマを発生させ、この不活性ガスイオンを膜物質の
「ターゲット」に衝突させ、この時に反動で飛び出す膜
物質の原子を基板に埋積させる周知の手法であり、集積
回路の製造に多く用いられる等、高品質の成膜が可能で
ある一方、しばしば成膜レートが遅いという問題があっ
た。
【0005】この発明は、上述の点に鑑みなされたもの
であって、共通の蒸発源から真空アーク蒸着法とスパッ
タ蒸着法の両方式の蒸発を連続的に行い、両蒸着法によ
る薄膜が持つ欠点を互いに補い、それぞれの長所を併せ
持つ高品質の薄膜が得られる真空蒸着装置を提供するこ
とを目的とする。
であって、共通の蒸発源から真空アーク蒸着法とスパッ
タ蒸着法の両方式の蒸発を連続的に行い、両蒸着法によ
る薄膜が持つ欠点を互いに補い、それぞれの長所を併せ
持つ高品質の薄膜が得られる真空蒸着装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めのこの発明の請求項1記載の真空蒸着装置は、真空チ
ャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を形成する真空蒸
着装置において、前記真空チャンバ内に単一の蒸発源が
設けられ、該蒸発源がアーク発生用電源又はスパッタ用
電源に相互に切り換え可能に接続され、前記薄膜がアー
ク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発により形成される
積層膜であることを特徴とする。
めのこの発明の請求項1記載の真空蒸着装置は、真空チ
ャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を形成する真空蒸
着装置において、前記真空チャンバ内に単一の蒸発源が
設けられ、該蒸発源がアーク発生用電源又はスパッタ用
電源に相互に切り換え可能に接続され、前記薄膜がアー
ク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発により形成される
積層膜であることを特徴とする。
【0007】この発明の請求項2記載の真空蒸着装置
は、真空チャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を形成
する真空蒸着装置において、単一の蒸発源と、該蒸発源
をアーク発生用電源又はスパッタ用電源に相互に切り換
え接続する電源切換手段とを有し、前記薄膜がアーク蒸
発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発により形成される積層
膜であることを特徴とする。
は、真空チャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を形成
する真空蒸着装置において、単一の蒸発源と、該蒸発源
をアーク発生用電源又はスパッタ用電源に相互に切り換
え接続する電源切換手段とを有し、前記薄膜がアーク蒸
発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発により形成される積層
膜であることを特徴とする。
【0008】また、この発明の請求項3記載の真空蒸着
装置は、真空チャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を
形成する真空蒸着装置において、単一の蒸発源を有し、
また、該蒸発源をアーク発生用電源又はスパッタ用電源
に相互に切り換え接続することによって、アーク蒸発に
よる薄膜とその上に重ねられるとスパッタ蒸発による薄
膜とからなる積層膜を形成する電源切換手段を有するこ
とを特徴とする。
装置は、真空チャンバ内に設けた基板の表面上に薄膜を
形成する真空蒸着装置において、単一の蒸発源を有し、
また、該蒸発源をアーク発生用電源又はスパッタ用電源
に相互に切り換え接続することによって、アーク蒸発に
よる薄膜とその上に重ねられるとスパッタ蒸発による薄
膜とからなる積層膜を形成する電源切換手段を有するこ
とを特徴とする。
【0009】この発明によれば、蒸発源をアーク発生用
電源スパッタ用電源に切り換え接続し、単一の蒸発源か
ら真空アーク蒸発とスパッタ蒸発を連続的に行い、基板
の表面上に両蒸発法による薄膜を積層状に形成するの
で、成膜の前半では、真空アーク蒸着によって成膜レー
トを稼ぎ、成膜の後半では、スパッタ蒸着によって膜表
面の品質を確保する。
電源スパッタ用電源に切り換え接続し、単一の蒸発源か
ら真空アーク蒸発とスパッタ蒸発を連続的に行い、基板
の表面上に両蒸発法による薄膜を積層状に形成するの
で、成膜の前半では、真空アーク蒸着によって成膜レー
トを稼ぎ、成膜の後半では、スパッタ蒸着によって膜表
面の品質を確保する。
【0010】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。
明する。
【0011】第1図はこの発明の装置の要部の概略構成
図である。
図である。
【0012】図において、1は真空チャンバ2内 (図面
左側) に設置した蒸発源で、絶縁構造体3により、電気
的に印加される電圧に充分な耐圧をもって真空チャンバ
2壁から絶縁されて、真空チャンバ2内にただ一つ設け
られている。
左側) に設置した蒸発源で、絶縁構造体3により、電気
的に印加される電圧に充分な耐圧をもって真空チャンバ
2壁から絶縁されて、真空チャンバ2内にただ一つ設け
られている。
【0013】4はこの蒸発源1をスパッタ蒸発源として
作動させるためのスパッタ用電源装置、5は蒸発源1を
真空アーク蒸発源として作動させるためのアーク発生用
電源装置で、両電源装置4,5と蒸発源1は連続的に切
り換えられる電源切換手段としての切換えスイッチ6を
介して接続している。
作動させるためのスパッタ用電源装置、5は蒸発源1を
真空アーク蒸発源として作動させるためのアーク発生用
電源装置で、両電源装置4,5と蒸発源1は連続的に切
り換えられる電源切換手段としての切換えスイッチ6を
介して接続している。
【0014】さて、上記する蒸発源1は、これをスパッ
タ蒸発源として機能させるために、スパッタ蒸発材 (タ
ーゲット)7と、この蒸発材7の背面において励磁マグ
ネット8を配装した透磁率の良い物質で構成された磁気
回路9を備え、また、蒸発源1を真空アーク蒸発源とし
て機能させるために、蒸発源1の蒸発面の前方に真空チ
ャンバ2壁から絶縁され、且つ、冷却機構 (図示せず)
により冷却されたリング状をなす導電性構造の陽極10
と、蒸発面の周囲に、真空アークスポットを蒸発面内に
閉じ込めるように設置した閉じ込めリング11を備えて
いる。
タ蒸発源として機能させるために、スパッタ蒸発材 (タ
ーゲット)7と、この蒸発材7の背面において励磁マグ
ネット8を配装した透磁率の良い物質で構成された磁気
回路9を備え、また、蒸発源1を真空アーク蒸発源とし
て機能させるために、蒸発源1の蒸発面の前方に真空チ
ャンバ2壁から絶縁され、且つ、冷却機構 (図示せず)
により冷却されたリング状をなす導電性構造の陽極10
と、蒸発面の周囲に、真空アークスポットを蒸発面内に
閉じ込めるように設置した閉じ込めリング11を備えて
いる。
【0015】また、図示はしていないが、蒸発源近辺に
は真空アークを点火するための点火機構が設置されてい
る。
は真空アークを点火するための点火機構が設置されてい
る。
【0016】上記構成において、蒸発源1を連続的に切
り換えられる電源切換手段としての切換えスイッチ6に
よりアーク発生用電源装置5とスパッタ用電源装置4に
接続し、単一の蒸発源1から真空アーク蒸発とスパッタ
蒸発を連続的に行い、真空チャンバ2内の基板Aの表面
に両蒸着法の薄膜を積層状に形成するものである。
り換えられる電源切換手段としての切換えスイッチ6に
よりアーク発生用電源装置5とスパッタ用電源装置4に
接続し、単一の蒸発源1から真空アーク蒸発とスパッタ
蒸発を連続的に行い、真空チャンバ2内の基板Aの表面
に両蒸着法の薄膜を積層状に形成するものである。
【0017】然して、切換えスイッチ6により蒸発源1
をアーク発生用電源装置5に接続し、アーク発生用電源
装置5の出力を蒸発源1を陰極とし、蒸発源1の蒸発面
の前方の陽極10に印加しつつ、真空アーク点火機構を
作動させると、背面から冷却された蒸発材7表面と陽極
10間に真空アーク放電が発生し、真空アークにより蒸
発材7の蒸発が発生する。
をアーク発生用電源装置5に接続し、アーク発生用電源
装置5の出力を蒸発源1を陰極とし、蒸発源1の蒸発面
の前方の陽極10に印加しつつ、真空アーク点火機構を
作動させると、背面から冷却された蒸発材7表面と陽極
10間に真空アーク放電が発生し、真空アークにより蒸
発材7の蒸発が発生する。
【0018】この場合の蒸発源1の構造は、真空アーク
蒸発源のものと基本的に変わる所がない。
蒸発源のものと基本的に変わる所がない。
【0019】次いで、切換えスイッチ6をスパッタ用電
源装置4側に切り換えて蒸発源1をスパッタ用電源装置
4に接続すると、スパッタ用電源装置4の直流又はRF
の出力が蒸発源1と真空チャンバ2壁間に印加 (直流を
用いる時は、蒸発源1を陰極とする)されると共に、背
面から冷却された蒸発材7の表面にはその背面の励磁マ
グネット8及び磁気回路9によって磁場12が形成され
る。
源装置4側に切り換えて蒸発源1をスパッタ用電源装置
4に接続すると、スパッタ用電源装置4の直流又はRF
の出力が蒸発源1と真空チャンバ2壁間に印加 (直流を
用いる時は、蒸発源1を陰極とする)されると共に、背
面から冷却された蒸発材7の表面にはその背面の励磁マ
グネット8及び磁気回路9によって磁場12が形成され
る。
【0020】こうして、真空チャンバ2内にガス導入系
より、アルゴン等の不活性ガスを導入し、磁場12の強
度を適切なものに保つようにしてスパッタ用電源装置4
の出力を印加することにより、磁力線がターゲット面と
平行する辺りで、放電が発生し、スパッタリングによる
蒸発材7の蒸発が発生する。
より、アルゴン等の不活性ガスを導入し、磁場12の強
度を適切なものに保つようにしてスパッタ用電源装置4
の出力を印加することにより、磁力線がターゲット面と
平行する辺りで、放電が発生し、スパッタリングによる
蒸発材7の蒸発が発生する。
【0021】この場合の蒸発源1の構造は、プレーナマ
グネトロンと呼ばれるスパッタ蒸発源と基本的に変わる
所がない。
グネトロンと呼ばれるスパッタ蒸発源と基本的に変わる
所がない。
【0022】すなわち、この発明の装置を用いることに
より、成膜の前半では、比較的膜質が落ちても真空アー
ク蒸着によって成膜レートを稼ぎ、成膜の後半では、成
膜レートは遅くても膜表面の品質を確保するためにスパ
ッタ蒸着を用いて成膜するものである。
より、成膜の前半では、比較的膜質が落ちても真空アー
ク蒸着によって成膜レートを稼ぎ、成膜の後半では、成
膜レートは遅くても膜表面の品質を確保するためにスパ
ッタ蒸着を用いて成膜するものである。
【0023】次に、この発明の装置の蒸発源1が、一方
の蒸発方式に用いられている時、他方の機構が悪影響を
与えぬかについて検討する。
の蒸発方式に用いられている時、他方の機構が悪影響を
与えぬかについて検討する。
【0024】先ず、真空アーク蒸発を行う際には、スパ
ッタ用電源装置4は切換えスイッチ6で完全に切り離さ
れているために影響はなく、磁場12を形成するための
励磁マグネット8及び磁気回路9では、励磁マグネット
8に電流が流れていないので、実質的にこれが存在しな
いのと同じで何等問題にならない。
ッタ用電源装置4は切換えスイッチ6で完全に切り離さ
れているために影響はなく、磁場12を形成するための
励磁マグネット8及び磁気回路9では、励磁マグネット
8に電流が流れていないので、実質的にこれが存在しな
いのと同じで何等問題にならない。
【0025】また、仮に、励磁が行われていても、真空
アークは磁場が蒸発面に平行になる位置近辺にアークス
ポットが集まる傾向を示し、また、アークスポットは磁
力線に垂直方向に力を受け、移動することになるが、蒸
発自体には重要な影響は出ない。
アークは磁場が蒸発面に平行になる位置近辺にアークス
ポットが集まる傾向を示し、また、アークスポットは磁
力線に垂直方向に力を受け、移動することになるが、蒸
発自体には重要な影響は出ない。
【0026】このことは、スパッタ用磁場形成の手段と
して永久磁石の使用も可能であることを示している。
して永久磁石の使用も可能であることを示している。
【0027】次に、スパッタ蒸発を行う際には、アーク
発生用電源装置5は切換えスイッチ6により完全に蒸発
源1より切り離されていて影響はなく、アーク閉じ込め
リング11はターゲットの最も外側にあり、強い放電が
発生しスパッタ作用の起こる位置から離れた位置に設置
でき、スパッタ現象には悪影響はないと考えられる。
発生用電源装置5は切換えスイッチ6により完全に蒸発
源1より切り離されていて影響はなく、アーク閉じ込め
リング11はターゲットの最も外側にあり、強い放電が
発生しスパッタ作用の起こる位置から離れた位置に設置
でき、スパッタ現象には悪影響はないと考えられる。
【0028】また、アーク点火機構も、周知の機械的に
動作するものを用いることにより、使用しない時は蒸発
面より遠く離しておくことが可能で、スパッタ蒸発の妨
げにはならない。また、陽極もリング状構造のものを採
用すれば、スパッタ蒸発の妨げにはならず、しかも、図
示のようなフローテング状態では、スパッタ用放電に悪
影響が出るような場合も、スパッタ蒸発源として使用時
には真空チャンバへ接地するような方法で容易に影響を
取り除くことが出来る。
動作するものを用いることにより、使用しない時は蒸発
面より遠く離しておくことが可能で、スパッタ蒸発の妨
げにはならない。また、陽極もリング状構造のものを採
用すれば、スパッタ蒸発の妨げにはならず、しかも、図
示のようなフローテング状態では、スパッタ用放電に悪
影響が出るような場合も、スパッタ蒸発源として使用時
には真空チャンバへ接地するような方法で容易に影響を
取り除くことが出来る。
【0029】尚、上記実施例では、電源装置として、ス
パッタ用電源装置4とアーク発生用電源装置5の2つを
用い、両電源装置4,5を電源切換手段である切換えス
イッチ6により連続的に切り換えて蒸発源1に接続する
構成を示した。これに対し高電圧/高電流タイプの1つ
の電源装置を用い、その運転上からの切り換え操作で、
真空アーク蒸発用としては低電圧/高電流を、スパッタ
リング用としては高電圧/低電流を蒸発源1に対して出
力するようにし、この電源装置を蒸発源1に対する電源
切換手段として用いても良い。
パッタ用電源装置4とアーク発生用電源装置5の2つを
用い、両電源装置4,5を電源切換手段である切換えス
イッチ6により連続的に切り換えて蒸発源1に接続する
構成を示した。これに対し高電圧/高電流タイプの1つ
の電源装置を用い、その運転上からの切り換え操作で、
真空アーク蒸発用としては低電圧/高電流を、スパッタ
リング用としては高電圧/低電流を蒸発源1に対して出
力するようにし、この電源装置を蒸発源1に対する電源
切換手段として用いても良い。
【0030】また、上記の実施例においては、スパッタ
蒸発源としてプレーナマグネトロン構造のものを用い、
アーク電源としては、陽極をリング状に陰極前方に置
き、且つ、アーク閉じ込め手段としてBN製等のセラミ
ックリングを用いた場合について述べたが、これ以外の
周知の各蒸発源構造を採用して良い。
蒸発源としてプレーナマグネトロン構造のものを用い、
アーク電源としては、陽極をリング状に陰極前方に置
き、且つ、アーク閉じ込め手段としてBN製等のセラミ
ックリングを用いた場合について述べたが、これ以外の
周知の各蒸発源構造を採用して良い。
【0031】例えば、スパッタ蒸発源としては、プレー
ナマグネトロン型だけでなく、同軸マグネトロン型でも
良いし、また、磁場を用いない2極管、或いは3極管構
造のものでも良く、更には、プレーナマグネトロン型で
あっても、磁場を永久磁石で構成したタイプのものでも
良い。
ナマグネトロン型だけでなく、同軸マグネトロン型でも
良いし、また、磁場を用いない2極管、或いは3極管構
造のものでも良く、更には、プレーナマグネトロン型で
あっても、磁場を永久磁石で構成したタイプのものでも
良い。
【0032】また、上記実施例のように真空チャンバを
陽極とせずに、チャンバ内に独立の陽極を設置する方式
のものでも良いことは勿論である。
陽極とせずに、チャンバ内に独立の陽極を設置する方式
のものでも良いことは勿論である。
【0033】アーク蒸発源としても、上記実施例ではチ
ャンバ内に独立の陽極を設置した例について述べたが、
特別に陽極を用意せず、真空チャンバを陽極としても良
いし、また、アーク閉じ込めもBN製セラミックリング
に限定されるものではなく、例えば、サブレフ等によっ
て開示されたシールドリングを用いたものでも良いこと
は勿論である。
ャンバ内に独立の陽極を設置した例について述べたが、
特別に陽極を用意せず、真空チャンバを陽極としても良
いし、また、アーク閉じ込めもBN製セラミックリング
に限定されるものではなく、例えば、サブレフ等によっ
て開示されたシールドリングを用いたものでも良いこと
は勿論である。
【0034】また、スパッタ蒸発源として同軸マグネト
ロン構造のものを用いた時は、アーク蒸発源も周知の円
筒構造で使用可能である。
ロン構造のものを用いた時は、アーク蒸発源も周知の円
筒構造で使用可能である。
【0035】
【発明の効果】この発明の装置は上述のように、真空チ
ャンバ内に設置する蒸発源を、電源装置の切り換えによ
り真空アーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発を連続
的に行い得る構成にしたから、共通の蒸発源を用いて基
板の表面には、最初に真空アーク蒸着による薄膜を形成
した後、続いてスパッタ蒸着による薄膜を積層状に形成
でき、膜質が問われる基板表面には、高品質とされるス
パッタ蒸着による薄膜が存在することになり、また、所
望の膜厚を得るのに、その下層を成膜レートが早い真空
アーク蒸着で成膜するので、全層をスパッタ蒸着で成膜
するよりも成膜レートは早くなり、両蒸着法による薄膜
が持つ欠点をお互いに補い、それぞれの長所を併せ持つ
高品質の薄膜となる。
ャンバ内に設置する蒸発源を、電源装置の切り換えによ
り真空アーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発を連続
的に行い得る構成にしたから、共通の蒸発源を用いて基
板の表面には、最初に真空アーク蒸着による薄膜を形成
した後、続いてスパッタ蒸着による薄膜を積層状に形成
でき、膜質が問われる基板表面には、高品質とされるス
パッタ蒸着による薄膜が存在することになり、また、所
望の膜厚を得るのに、その下層を成膜レートが早い真空
アーク蒸着で成膜するので、全層をスパッタ蒸着で成膜
するよりも成膜レートは早くなり、両蒸着法による薄膜
が持つ欠点をお互いに補い、それぞれの長所を併せ持つ
高品質の薄膜となる。
【0036】さらに、このような2種の成膜方法を行う
場合に、共通の蒸発源を連続的に動作させるので、生産
効率も高くできる。
場合に、共通の蒸発源を連続的に動作させるので、生産
効率も高くできる。
【図1】この発明を実施する装置の要部の構成図であ
る。
る。
1…蒸発源 2…真空チャンバ 4…スパッタ用電源装置 5…アーク発生用電源装置 6…切換えスイッチ 7…蒸発材 8…励磁マグネット 9…磁気回路 10…陽極 11…閉じ込めリング A…基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−135570(JP,A) 特開 昭54−110988(JP,A) 特開 昭62−294160(JP,A) 特公 昭42−243(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58
Claims (3)
- 【請求項1】 真空チャンバ内に設けた基板の表面上に
薄膜を形成する真空蒸着装置において、前記真空チャン
バ内に単一の蒸発源が設けられ、該蒸発源がアーク発生
用電源又はスパッタ用電源に相互に切り換え可能に接続
され、前記薄膜がアーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の
蒸発により形成される積層膜であることを特徴とする真
空蒸着装置。 - 【請求項2】 真空チャンバ内に設けた基板の表面上に
薄膜を形成する真空蒸着装置において、単一の蒸発源
と、該蒸発源をアーク発生用電源又はスパッタ用電源に
相互に切り換え接続する電源切換手段とを有し、前記薄
膜がアーク蒸発とスパッタ蒸発の両方式の蒸発により形
成される積層膜であることを特徴とする真空蒸着装置。 - 【請求項3】 真空チャンバ内に設けた基板の表面上に
薄膜を形成する真空蒸着装置において、単一の蒸発源を
有し、また、該蒸発源をアーク発生用電源又はスパッタ
用電源に相互に切り換え接続することによって、アーク
蒸発による薄膜とその上に重ねられるとスパッタ蒸発に
よる薄膜とからなる積層膜を形成する電源切換手段を有
することを特徴とする真空蒸着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7247177A JP2878997B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 真空蒸着装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7247177A JP2878997B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 真空蒸着装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63067010A Division JPH0699799B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | 真空蒸着方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0860343A JPH0860343A (ja) | 1996-03-05 |
JP2878997B2 true JP2878997B2 (ja) | 1999-04-05 |
Family
ID=17159593
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7247177A Expired - Fee Related JP2878997B2 (ja) | 1995-09-26 | 1995-09-26 | 真空蒸着装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2878997B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE10250941B4 (de) * | 2001-11-20 | 2019-08-29 | Oerlikon Surface Solutions Ag, Pfäffikon | Quelle für Vakuumbehandlungsprozess sowie Verfahren zum Betreiben einer solchen |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI411696B (zh) * | 2006-07-19 | 2013-10-11 | Oerlikon Trading Ag | 沉積電絕緣層之方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60135570A (ja) * | 1983-12-23 | 1985-07-18 | ヴアツクテツク システムズ インコ−ポレ−テツド | ア−ク安定化方法および装置 |
-
1995
- 1995-09-26 JP JP7247177A patent/JP2878997B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE10250941B4 (de) * | 2001-11-20 | 2019-08-29 | Oerlikon Surface Solutions Ag, Pfäffikon | Quelle für Vakuumbehandlungsprozess sowie Verfahren zum Betreiben einer solchen |
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Publication number | Publication date |
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JPH0860343A (ja) | 1996-03-05 |
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