JP4097865B2 - 成形シートの供給方法及び供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、マルチパック用の紙器等に組み立てられる成形シートをマルチパック装置等に供給する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、マルチパックを生産するためには、マルチパック用の紙器等に組み立てられる成形シートをマルチパック装置のホッパやバケットコンベア等に供給する必要がある。ところで、成形シートが段ボール製であると、この成形シートの供給時に紙粉が発生し易く、また、段ボールの中芯とライナとの間に虫等が入り易い。このため、HACCP(Hazard Analysis & Critical Control Point、危害分析及び重要管理点)が導入されている食品関連業界等では、マルチパックを生産するために板紙製の成形シートが用いられている。
【0003】
一方、マルチパック等の生産に際しては、積層状態の複数枚の成形シートが用意され、ここから所定枚数の成形シートが取り出されてマルチパック装置等に供給されるのが通常である。この場合、成形シートが段ボール製であると、段ボールの中芯とライナとの間に比較的広い空間が存在しているので、この空間に機械で針等を正確に挿入することができ、積層状態の複数枚の成形シートから所定枚数の成形シートを機械で取り出すことができる。
【0004】
しかし、成形シートが板紙製であると、積層状態の複数枚の成形シート同士の間には空間が殆ど存在していないので、成形シート同士の間には機械で針等を正確には挿入することができず、成形シート自体に針等が突き刺されて、成形シートに損傷を与えてしまう。このため、針等を用いる機械では積層状態の複数枚の成形シートから所定枚数の成形シートを取り出すことが困難である。この様な事情から、成形シートを供給するための第一従来例では、パレット上に積層されている複数枚の成形シートを用意し、ここから所定枚数の成形シートを人手で順次に取り上げて供給していた。
【0005】
第二従来例では、500枚程度の成形シートの積層体が紙テープで結束されており、これらの積層体が間紙を介してパレット上に複数段に積層されている成形シートを用意し、ここから各々の積層体を自動で押し出して供給していた。また、第三従来例では、バンドで結束されている段ボール製の通い箱中に装填されている複数枚の成形シートを用意し、人手でバンドを切断した後、自動で通い箱の底面を開放し、この底面から成形シートの積層体を落下させて供給していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の第一従来例では、成形シートの供給のために専任者が必要であって、成形シートの供給を自動化することができなかった。これに対して、上述の第二従来例や第三従来例では、成形シートの供給のために専任者が不要であって、成形シートの供給を自動化することができる。
【0007】
しかし、第二従来例では、成形シートの供給時に紙テープを切断すると共に間紙を除去する必要があって、成形シートの供給工程が複雑である。このため、自動化のための装置が大型且つ複雑で、成形シートを低コストで供給することが困難であった。また、成形シートの積層体の生産時にこの積層体を紙テープで結束すると共に積層体間に間紙を介在させる必要があって、用意すべき複数段の積層体の構造が複雑である。更に、成形シートの供給後に切断済の紙テープや除去済の間紙を廃棄する必要があって、成形シートの供給後の後処理が多い。従って、これらによっても成形シートを低コストで供給することが困難であった。
【0008】
また、第三従来例では、特殊な形状の通い箱の底面から成形シートの積層体を落下させる必要があって、成形シートの供給工程が複雑である。このため、自動化のための装置が大型且つ複雑で、成形シートを低コストで供給することが困難であった。また、成形シートの供給後に特殊な形状の通い箱を再使用のために回収する必要があって、成形シートの供給後の後処理が多い。従って、このことによっても成形シートを低コストで供給することが困難であった。更に、段ボール製の通い箱では、成形シートの供給時に紙粉が発生し易くて、清浄な状態で成形シートを供給することが困難であった。
【0009】
従って、本願の発明は、専任者が不要で成形シートの供給を自動化することができ、しかも、成形シートを低コストで供給することができ、更に、清浄な状態で成形シートを供給することができる成形シートの供給方法及び供給装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る成形シートの供給方法では、切れ込みを有する第一の縁部とこの第一の縁部に対向する第二の縁部とを備える複数枚の成形シートが第一の縁部同士及び第二の縁部同士を揃えて積層されて積層体が構成されており、複数の積層体が第一の縁部と第二の縁部とを交互に揃えて積層されている複数段の積層体を用意する。
【0011】
そして、最上段の積層体における第二の縁部をこの最上段の積層体の下面に接している第二段の積層体における切れ込みに臨む下面から持ち上げると共にこの下面と上面とで挟持する。最上段の積層体における第二の縁部の下面には第二段の積層体における切れ込みが空間として臨んでいるので、最上段の積層体における第二の縁部の下面に挟持体を支障なく当接させることができる。このため、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第二の縁部を挟持体で持ち上げると共に挟持することができる。
【0012】
また、最上段の積層体における第二の縁部を持ち上げると共に挟持した状態でこの最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させるので、最上段の積層体における第二の縁部を挟持体で挟持していても、第二段の積層体における第一の縁部に挟持体が衝突しない。このため、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体を第一の縁部側へ摺動させることができる。
【0013】
更に、摺動によって第二段の積層体から突出した最上段の積層体における第一の縁部をその下面と上面とで挟持するので、摺動前には、最上段の積層体における第一の縁部の下面に第二段の積層体における第二の縁部の上面が接していて、最上段の積層体における第一の縁部の下面に空間が臨んでいなくても、摺動後には、最上段の積層体における第一の縁部の下面に空間が臨んでいて、この第一の縁部を挟持体で支障なく挟持することができる。このため、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第一の縁部を挟持体で挟持することができる。
【0014】
しかも、最上段の積層体における第二の縁部を持ち上げると共に挟持した状態でこの最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させるのであって、最上段の積層体における第二の縁部を第一の縁部側へ単に押圧することのみによって最上段の積層体を第二段の積層体上で摺動させるのではない。このため、各段の積層体に結束テープが巻回されていなくても、最上段の積層体の全体をその最下層の成形シートまで含めて確実に押圧及び摺動させることができる。
【0015】
従って、成形シートの積層体の生産時にこの積層体をテープで結束する必要がなくて、用意すべき複数段の積層体の構造が簡単でよい。また、成形シートの供給時に結束テープを切断する必要がなくて、成形シートの供給工程が簡単である。また、成形シートの供給後に切断済の結束テープを廃棄する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0016】
また、各段の積層体に結束テープが巻回されていなくてもよいので、最上段の積層体を第二段の積層体上で摺動させる際の最上段の積層体と第二段の積層体との間の摩擦が少ない。このため、各段の積層体同士の間に間紙が介在されていなくても、最上段の積層体を第二段の積層体上で円滑に摺動させることができる。
【0017】
従って、成形シートの複数段の積層体の生産時にこれらの積層体間に間紙を介在させる必要がなくて、用意すべき複数段の積層体の構造が簡単でよい。また、成形シートの供給時に間紙を除去する必要がなくて、成形シートの供給工程が簡単である。また、成形シートの供給後に除去済の間紙を廃棄する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0018】
更に、挟持した第一及び第二の縁部の向きを被供給体に対して揃えるので、複数の積層体が第一の縁部と第二の縁部とを交互に揃えて積層されている複数段の積層体を用意しても支障は生じず、底面から積層体を落下させるための特殊な形状の容器中に装填されている成形シートを用意する必要がない。このため、成形シートの供給時に粉塵が発生しにくく、特殊な形状の容器の底面から積層体を落下させる必要がなくて成形シートの供給工程が簡単であり、成形シートの供給後に特殊な形状の容器を再使用のために回収する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0019】
請求項2に係る成形シートの供給方法では、第二段の積層体における第二の縁部の側面に押圧に抗する位置規制力を加える。このため、最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させる際に、最上段の積層体と第二段の積層体との間で摩擦が生じても、第二段の積層体における成形シートが最上段の積層体と共に移動することが確実に防止される。従って、最上段の積層体における第二の縁部を挟持する際に第二段の積層体における第一の縁部をも誤って同時に挟持することが確実に防止されて、最上段の積層体と第二段の積層体の一部とが被供給体に同時に供給されることが確実に防止される。
【0020】
請求項3に係る成形シートの供給方法では、最上段の積層体を第一及び第二の縁部以外の縁部の側面で支持している状態で被供給体まで移送するので、第一及び第二の縁部を挟持されている積層体が自重によって積層方向へ湾曲していない状態で被供給体まで積層体を移送することができる。
【0021】
請求項4に係る成形シートの供給方法では、最下段に疑似積層体が配置されていて切れ込みを包含する空間が最下段に形成されている複数段の積層体を用意する。このため、疑似積層体の上面に接している積層体をも挟持体で挟持することができて、用意した総ての成形シートを余すことなく被供給体に供給することができる。
【0022】
請求項5に係る成形シートの供給方法では、積層体における縁部の側面同士の間にスペーサが介在されている状態で平面的に配列されている複数段の積層体を用意するので、スペーサを除去することによって複数段の積層体同士の間にも挟持体を挿入することができる。このため、平面的に配列されている複数段の積層体を用意しても、総ての複数段の積層体から成形シートを被供給体に供給することができ、複数段の積層体を用意する回数が少なくてよい。
【0023】
請求項6に係る成形シートの供給装置では、第二の挟持部の第一の挟持体が成形シートの切れ込みに嵌入可能であり、且つ第一の挟持体が第二の挟持体に対して接近及び離隔可能である。そして、複数段の積層体のうちの最上段の積層体における第二の縁部の下面には第二段の積層体における切れ込みが空間として臨んでいるので、第二の縁部の下面に第二の挟持部の第一の挟持体を支障なく当接させることができる。このため、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第二の縁部を第二の挟持部で持ち上げると共に挟持することができる。
【0024】
また、第二の挟持部が第一の挟持部に対して接近及び離隔可能であり、且つ第一及び第二の挟持体間に延びている当接体が第二の縁部の側面に当接するので、最上段の積層体における第二の縁部を第二の挟持部で持ち上げると共に挟持した状態でこの最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させることができる。このため、最上段の積層体における第二の縁部を第二の挟持部で挟持していても、第二段の積層体における第一の縁部に第二の挟持部が衝突しない。従って、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体を第一の縁部側へ摺動させることができる。
【0025】
更に、摺動によって第二段の積層体から最上段の積層体における第一の縁部が突出するので、その下面と上面とを第一の挟持部で挟持することができる。このため、摺動前には、最上段の積層体における第一の縁部の下面に第二段の積層体における第二の縁部の上面が接していて、最上段の積層体における第一の縁部の下面に空間が臨んでいなくても、摺動後には、最上段の積層体における第一の縁部の下面に空間が臨んでいて、第一の縁部を第一の挟持部で支障なく挟持することができる。このため、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第一の縁部を第一の挟持部で挟持することができる。
【0026】
しかも、最上段の積層体における第二の縁部を持ち上げると共に挟持した状態でこの最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させるのであって、最上段の積層体における第二の縁部を第一の縁部側へ単に押圧することのみによって最上段の積層体を第二段の積層体上で摺動させるのではない。このため、各段の積層体に結束テープが巻回されていなくても、最上段の積層体の全体をその最下層の成形シートまで含めて確実に押圧及び摺動させることができる。
【0027】
従って、成形シートの積層体の生産時にこの積層体をテープで結束する必要がなくて、処理すべき複数段の積層体の構造が簡単でよい。また、成形シートの供給時に結束テープを切断する必要がなくて、成形シートの供給動作が簡単である。また、成形シートの供給後に切断済の結束テープを廃棄する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0028】
また、各段の積層体に結束テープが巻回されていなくてもよいので、最上段の積層体を第二段の積層体上で摺動させる際の最上段の積層体と第二段の積層体との間の摩擦が少ない。このため、各段の積層体同士の間に間紙が介在されていなくても、最上段の積層体を第二段の積層体上で円滑に摺動させることができる。
【0029】
従って、成形シートの複数段の積層体の生産時にこれらの積層体間に間紙を介在させる必要がなくて、処理すべき複数段の積層体の構造が簡単でよい。また、成形シートの供給時に間紙を除去する必要がなくて、成形シートの供給動作が簡単である。また、成形シートの供給後に除去済の間紙を廃棄する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0030】
更に、反転部が第一の挟持部の位置と第二の挟持部の位置とを反転させるので、第一及び第二の挟持部で挟持した第一及び第二の縁部の向きを被供給体に対して揃えることができ、複数段の積層体における複数の積層体が第一の縁部と第二の縁部とを交互に揃えて積層されていても支障は生じず、底面から積層体を落下させるための特殊な形状の容器中に装填されている積層体を処理する必要がない。このため、成形シートの供給時に粉塵が発生しにくく、特殊な形状の容器の底面から積層体を落下させる必要がなくて成形シートの供給動作が簡単であり、成形シートの供給後に特殊な形状の容器を再使用のために回収する必要がなくて、成形シートの供給後の後処理が少なくてよい。
【0031】
請求項7に係る成形シートの供給装置では、積層体における縁部の形状を認識するセンサが具備されているので、複数段の積層体における第一及び第二の縁部の向きが供給装置に対して揃っていなくても、センサによる認識に基づいて第一及び第二の縁部を挟持することができる。しかも、反転部も具備されているので、挟持された第一及び第二の縁部の向きが被供給体に対して揃っていなくても、センサによる認識に基づいて第一及び第二の縁部の向きを被供給体に対して揃えることができる。従って、複数段の積層体における第一及び第二の縁部の向きが供給装置に対して揃っている必要がない。
【0032】
請求項8に係る成形シートの供給装置では、最上段の積層体の下面に接している第二段の積層体における第二の縁部の側面に当接する位置規制片が具備されている。このため、最上段の積層体を第一の縁部側へ押圧して第二段の積層体上で摺動させる際に、最上段の積層体と第二段の積層体との間で摩擦が生じても、第二段の積層体における成形シートが最上段の積層体と共に移動することが確実に防止される。従って、最上段の積層体における第二の縁部を挟持する際に第二段の積層体における第一の縁部をも誤って同時に挟持することが確実に防止されて、最上段の積層体と第二段の積層体の一部とが被供給体に同時に供給されることが確実に防止される。
【0033】
請求項9に係る成形シートの供給装置では、最上段の積層体における第一及び第二の縁部以外の縁部の側面に当接する支持片が具備されているので、第一及び第二の縁部を挟持している積層体を回転させることによって、最上段の積層体を第一及び第二の縁部以外の縁部の側面で支持することができる。このため、第一及び第二の縁部を挟持されている積層体が自重によって積層方向へ湾曲していない状態で被供給体まで積層体を移送することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、マルチパック用の紙器に組み立てられる成形シートをマルチパック装置に供給する方法及び装置に適用した本願の発明の一実施形態を、図1〜8を参照しながら説明する。図6、7が、本実施形態の供給装置を示している。この供給装置11では、基台12によって全体が旋回可能であり、基台12上の軸13に取り付けられている下腕14が軸13を中心にして傾動可能である。下腕14の軸15に取り付けられている上腕16が軸15を中心にして傾動可能で且つ上腕16の軸心を中心にして旋回可能である。手首17が上腕16に対して揺動可能で且つ手首17の軸心を中心にして旋回可能である。
【0035】
手首17には手18が取り付けられており、手18の一端部には挟持部21が備えられている。挟持部21は基端部で互いに連結されている三本の指22を有しており、これらの指22の先端部に鉤23が設けられている。挟持部21は一つの掌24を有しており、この掌24の先端部に鉤25が設けられている。指22が掌24に対して摺動することによって鉤23が鉤25に対して接近及び離隔する。鉤25の二個所に切れ込みが設けられており、この切れ込み内を通り鉤23を越えて延びている二枚の舌片26が手18に固定されている。
【0036】
手18には二枚の舌片27が備えられており、これらの舌片27は手18に対して回転することによって手18の長辺の何れの側にも位置することができる。手18の他端部には、挟持部21に対して接近及び離隔可能な挟持部28が備えられている。挟持部28は基端部で互いに連結されている二本の指31を有しており、これらの指31の先端部に鉤32が設けられている。挟持部28は一つの掌33を有しており、この掌33の先端部に鉤34が設けられている。指31が掌33に対して摺動することによって鉤32が鉤34に対して接近及び離隔する。
【0037】
以上の様な供給装置11を用いて、マルチパック用の紙器に組み立てられる成形シートをマルチパック装置に供給するためには、図1に示されている様に、マルチパック装置35のホッパ36の近傍に供給装置11を設置し、この供給装置11の近傍に板紙製の複数枚の成形シート37を用意する。各々の成形シート37の一方の短辺に対応する縁部38には組み立て用の複数の突出部41が設けられており、これらの突出部41の間が切れ込み42になっているが、縁部38に対向する縁部43と成形シート37の長辺に対応する縁部44、45とは直線状である。
【0038】
150〜200枚程度の成形シート37が縁部38同士及び縁部43同士を揃えて積層されて積層体46が構成されており、これらの積層体46が例えば四列に平面的に配列されており、更に、これら四列の積層体46が縁部38と縁部43とを交互に揃えて例えば六段に積層されている。六段の積層体46の下には合成樹脂製の一枚の疑似積層体47が配置されており、積層体46の長手方向における疑似積層体47の長さは突出部41を除いた縁部38から縁部43までの長さと等しい。
【0039】
このため、切れ込み42よりも広い空間が最下段に形成されており、全体的には積層体46が七段に積層されている状態に近似している。疑似積層体47の上面には積層体46の幅方向へ延びる二本の溝48が設けられている。成形シート37の流通段階では、積層体46及び疑似積層体47がパレット51に対して位置合わせされてこのパレット51上に載置されており、最上段の積層体46上にベニヤ合板製の天板が載置されており、全体がストレッチフィルムで包装され且つポリプロピレン製のバンドで結束されている。
【0040】
マルチパック装置35への成形シート37の供給に際しては、図1に示されている様に、供給装置11に最も近い列の最上段の積層体46における縁部38、43が供給装置11の夫々挟持部21、28に対応する様にパレット51の向きが供給装置11に対して揃えられ、パレット51が供給装置11に対して位置合わせされ、結束バンドやストレッチフィルムや天板が除去される。積層体46及び疑似積層体47がパレット51に対して位置合わせされているので、パレット51の向きが供給装置11に対して揃えられ且つパレット51が供給装置11に対して位置合わせされると、積層体46及び疑似積層体47と供給装置11との位置関係が固定される。
【0041】
この状態から、供給装置11に最も近い列の最上段の積層体46に手18を近づけて、図3(a)及び図5(a)に示されている様に、最上段の積層体46における縁部44の側面とこの最上段の積層体46の下面に接している第二段の積層体46における縁部45の側面の一部とに舌片27を当接させ、第二段の積層体46における縁部43の側面に舌片26を当接させる。最上段の積層体46に対しては舌片26は切れ込み42に対向するので縁部38の側面には当接しない。
【0042】
また、鉤23を第二段の積層体46における縁部43の側面に対向させ、鉤25を最上段の積層体46における縁部38の斜め上方に位置させる。また、鉤32を第二段の積層体46における切れ込み42に対向させ、鉤34を最上段の積層体46における縁部43の斜め上方に位置させる。次に、図3(b)及び図5(b)に示されている様に、挟持部28を挟持部21に接近させることによって、指31を最上段の積層体46における縁部43の側面に当接させ、鉤32を第二段の積層体46における切れ込み42に嵌入させ、鉤34を最上段の積層体46における縁部43の上方に位置させる。
【0043】
次に、図3(c)に示されている様に、鉤32を鉤34に接近させることによって最上段の積層体46における縁部43をその下面から鉤34に当接するまで持ち上げて、鉤32、34によって縁部43をその下面と上面とで挟持する。そして、図4(a)及び図5(c)に示されている様に、挟持部28を挟持部21に更に接近させることによって、最上段の積層体46を縁部38側へ押圧して、突出部41が指22に当接するまで最上段の積層体46を第二段の積層体46上で摺動させる。この状態では、最上段の積層体46における縁部38が第二段の積層体46から突出しており、鉤23、25が最上段の積層体46における縁部38の夫々下方及び上方に位置している。
【0044】
このとき、第二段の積層体46における縁部43の側面に舌片26が当接しており、舌片26は手18に固定されているので、最上段の積層体46の摺動に際して、最上段の積層体46と第二段の積層体46との間で摩擦が生じても、第二段の積層体46の成形シート37が最上段の積層体46と共に移動することはない。最上段の積層体46に対しては舌片26は切れ込み42に対向していて縁部38の側面には当接していないので、最上段の積層体46を摺動させると、舌片26は最上段の積層体46における切れ込み42に嵌入する。このため、舌片26が手18に固定されていても、最上段の積層体46の摺動には支障がない。
【0045】
次に、図4(b)に示されている様に、鉤23を鉤25に接近させることによって最上段の積層体46における縁部38をその下面から鉤25に当接するまで持ち上げて、鉤23、25によって縁部38をその下面と上面とで挟持する。その後、図4(c)に示されている様に、下腕14や上腕16や手首17等を駆動させて手18を90°回転させることによって、舌片27を積層体46における縁部44の側面の下側に位置させ、舌片27によって積層体46を縁部44の側面で支持する。
【0046】
次に、基台12の回転等によって、図2に示されている様に、積層体46をマルチパック装置35のホッパ36まで移送し、手18を元の姿勢まで90°逆回転させて、積層体46をマルチパック装置35に供給する。ところで、図4(b)に示されている様に、積層体46における縁部38、43を持ち上げると、積層体46が自重によって積層方向へ湾曲する。このため、この状態で積層体46を移送すると、積層体46が手18から落下する。しかし、供給装置11では、上述の様に舌片27が積層体46を縁部44の側面で支持するので、積層体46の湾曲及び落下が防止されている。
【0047】
供給装置11に最も近い列の最上段の積層体46がマルチパック装置35に供給されると、この供給までは第二段であった積層体46が最上段になるので、今度はこの最上段の積層体46をマルチパック装置35に供給する。但し、六段の積層体46では縁部38と縁部43とが交互に揃えて積層されているので、新たな最上段の積層体46の供給に際しては、手首17を回転させることによって、挟持部21の位置と挟持部28の位置とを反転させる。また、この反転だけでは舌片27が縁部44側に位置するので、舌片27を縁部45側に位置させるために、舌片27を手18に対して180°回転させる。
【0048】
疑似積層体47の上面に接している積層体46をマルチパック装置35に供給する際にも、切れ込み42よりも広い空間が疑似積層体47によって形成されているので、この積層体46を挟持部21、28で挟持する際にパレット51は障害にならない。供給装置11から第二列以降の列において疑似積層体47の上面に接している積層体46をマルチパック装置35に供給する際にも、疑似積層体47の溝48に舌片27が嵌入するので、これらの積層体46を挟持部21、28で挟持する際に疑似積層体47は障害にならない。以上の様にして、パレット51上の総ての積層体46をマルチパック装置35に供給することができる。
【0049】
なお、供給装置11の挟持部21が三本の指22を有しているが、これらの指22の代わりに単一の掌が用いられてもよい。また、疑似積層体47がパレット51上に載置されているが、パレット51と疑似積層体47とが一体になっていてもよい。長手方向の長さや突出部41同士の間隔が異なる成形シート37を供給装置11で供給する場合は、挟持部21、28同士の間隔や指31同士の間隔を調整したり、これらの間隔が異なる手18と交換したりしてから、供給装置11による供給を行う。
【0050】
また、図1に示されている様に、積層体46が平面的には一行四列に配列されている状態の成形シート37が用意されているが、図8に示されている様に、積層体46が複数行複数列に配列されている状態の成形シート37が用意されてもよい。但し、その場合は、複数行の積層体46同士の間に挟持部21、28を挿入することができる様に、複数行の積層体46及び疑似積層体47同士の間にスペーサ52が介在されている状態の成形シート37を用意し、このスペーサ52を除去してから供給装置11による供給を行う。
【0051】
また、供給装置11には手18の長辺の一方にのみ舌片27が備えられているが、手18の長辺の両方に舌片27が備えられていていれば、舌片27が手18に対して回転可能である必要がなく、また、舌片27によって積層体46を支持する際に手18の長辺の何れの側へも手18を回転させることができる。但し、その場合は、手18の両方の長辺における舌片27同士の間に積層体46を嵌入させるために、これらの舌片27同士が接近及び離隔可能である必要がある。また、複数列の積層体46同士の間に舌片27を挿入することができる様に、複数列の積層体46同士の間にスペーサが介在されている状態の成形シート37を用意し、このスペーサを除去してから供給装置11による供給を行う。
【0052】
また、供給装置11に最も近い列の最上段の積層体46における縁部38、43が供給装置11の夫々挟持部21、28に対応する様にパレット51の向きが供給装置11に対して揃えられているが、積層体46における縁部38、43の形状を認識するセンサを供給装置11が具備していて、センサの認識に基づいて挟持部21の位置と挟持部28の位置とを反転させれば、供給装置11に最も近い列の最上段の積層体46における縁部38、43が供給装置11の夫々挟持部21、28に対応する様にパレット51の向きが供給装置11に対して揃えられる必要がない。
【0053】
また、上述の実施形態はマルチパック用の紙器に組み立てられる成形シートをマルチパック装置に供給する方法及び装置に本願の発明を適用したものであるが、本願の発明はマルチパック以外の紙器に組み立てられる成形シートや合成樹脂製の成形シート等を供給する方法及び装置にも適用することができる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に係る成形シートの供給方法では、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第一及び第二の縁部を挟持体で挟持することができるので、専任者が不要で成形シートの供給を自動化することができる。しかも、成形シートの供給工程が簡単であるので、自動化のための装置が小型且つ簡易でよくて、成形シートを低コストで供給することができる。また、用意すべき複数段の積層体の構造が簡単でよく、且つ成形シートの供給後の後処理が少なくてよいので、これらによっても成形シートを低コストで供給することができる。更に、成形シートの供給時に粉塵が発生しにくいので、清浄な状態で成形シートを供給することができる。
【0055】
請求項2に係る成形シートの供給方法では、最上段の積層体と第二段の積層体の一部とが被供給体に同時に供給されることが確実に防止されるので、被供給体に対する第一及び第二の縁部の向きが不揃いの状態で複数枚の成形シートが被供給体に供給されることが確実に防止される。
【0056】
請求項3に係る成形シートの供給方法では、第一及び第二の縁部を挟持されている積層体が自重によって積層方向へ湾曲していない状態で被供給体まで積層体を移送することができるので、移送中における積層体の落下を防止することができて、成形シートを被供給体に確実に供給することができる。
【0057】
請求項4に係る成形シートの供給方法では、用意した総ての成形シートを余すことなく被供給体に供給することができるので、成形シートを被供給体に効率的に供給することができる。
【0058】
請求項5に係る成形シートの供給方法では、複数段の積層体を用意する回数が少なくてよいので、成形シートを被供給体に効率的に供給することができる。
【0059】
請求項6に係る成形シートの供給装置では、成形シートに損傷を与えることなく、成形シートの積層体における第一及び第二の縁部を一対の挟持部で挟持することができるので、専任者が不要である。しかも、成形シートの供給動作が簡単であるので、この供給装置が小型且つ簡易でよくて、成形シートを低コストで供給することができる。また、処理すべき複数段の積層体の構造が簡単でよく、且つ成形シートの供給後の後処理が少なくてよいので、これらによっても成形シートを低コストで供給することができる。更に、成形シートの供給時に粉塵が発生しにくいので、清浄な状態で成形シートを供給することができる。
【0060】
請求項7に係る成形シートの供給装置では、複数段の積層体における第一及び第二の縁部の向きが供給装置に対して揃っている必要がないので、成形シートを更に低コストで供給することができる。
【0061】
請求項8に係る成形シートの供給装置では、最上段の積層体と第二段の積層体の一部とが被供給体に同時に供給されることが確実に防止されるので、被供給体に対する第一及び第二の縁部の向きが不揃いの状態で複数枚の成形シートが被供給体に供給されることが確実に防止される。
【0062】
請求項9に係る成形シートの供給装置では、第一及び第二の縁部を挟持されている積層体が自重によって積層方向へ湾曲していない状態で被供給体まで積層体を移送することができるので、移送中における積層体の落下を防止することができて、成形シートを被供給体に確実に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の一実施形態の全体を示しており、成形シートを供給する初期の状態の斜視図である。
【図2】本願の発明の一実施形態の全体を示しており、成形シートを供給している途中の状態の斜視図である。
【図3】成形シートの複数段の積層体から最上段の積層体を取り出す前半の工程を順次に示す側面図である。
【図4】成形シートの複数段の積層体から最上段の積層体を取り出す後半の工程を順次に示しており、(a)(b)は側面図、(c)は斜視図である。
【図5】成形シートの複数段の積層体から最上段の積層体を取り出す工程を順次に示す平面図である。
【図6】本願の発明の一実施形態における供給装置の斜視図である。
【図7】図6とは異なる方向から見た本願の発明の一実施形態における供給装置の斜視図である。
【図8】図1、2に示した成形シートの複数段の積層体とは異なる形態を有する複数段の積層体の斜視図である。
【符号の説明】
11…供給装置、17…手首(反転部)、21…挟持部(第一の挟持部)、26…舌片(位置規制片)、27…舌片(支持片)、28…挟持部(第二の挟持部)、31…指(当接体)、32…鉤(第一の挟持体)、34…鉤(第二の挟持体)、35…マルチパック装置(被供給体)、37…成形シート、38…縁部(第一の縁部)、42…切れ込み、43…縁部(第二の縁部)、44、45…縁部(第一及び第二の縁部以外の縁部)、46…積層体、47…疑似積層体、52…スペーサ
Claims (9)
- 切れ込みを有する第一の縁部とこの第一の縁部に対向する第二の縁部とを備える成形シートを、被供給体に対して前記第一及び第二の縁部の向きを揃えた状態で供給する成形シートの供給方法において、
複数枚の前記成形シートが前記第一の縁部同士及び前記第二の縁部同士を揃えて積層されて積層体が構成されており、複数の前記積層体が前記第一の縁部と前記第二の縁部とを交互に揃えて積層されている複数段の前記積層体を用意する工程と、
最上段の前記積層体における前記第二の縁部をこの最上段の積層体の下面に接している第二段の前記積層体における前記切れ込みに臨む前記下面から持ち上げると共にこの下面と上面とで挟持する工程と、
前記持ち上げ及び挟持状態で前記最上段の積層体を前記第一の縁部側へ押圧して前記第二段の積層体上で摺動させる工程と、
前記摺動によって前記第二段の積層体から突出した前記最上段の積層体における前記第一の縁部をその下面と上面とで挟持する工程と、
挟持した前記第一及び第二の縁部の向きを前記被供給体に対して揃える工程と
を具備する成形シートの供給方法。 - 前記第二段の積層体における前記第二の縁部の側面に前記押圧に抗する位置規制力を加える請求項1記載の成形シートの供給方法。
- 前記最上段の積層体を前記第一及び第二の縁部以外の縁部の側面で支持している状態で前記被供給体まで移送する請求項1記載の成形シートの供給方法。
- 最下段に疑似積層体が配置されていて前記切れ込みを包含する空間が前記最下段に形成されている前記複数段の積層体を用意する請求項1記載の成形シートの供給方法。
- 前記積層体における縁部の側面同士の間にスペーサが介在されている状態で平面的に配列されている前記複数段の積層体を用意する請求項1記載の成形シートの供給方法。
- 切れ込みを有する第一の縁部とこの第一の縁部に対向する第二の縁部とを備える複数枚の成形シートが前記第一の縁部同士及び前記第二の縁部同士を揃えて積層されて積層体が構成されており、複数の前記積層体が前記第一の縁部と前記第二の縁部とを交互に揃えて積層されている複数段の前記積層体から最上段の前記積層体を取り出して被供給体に供給する成形シートの供給装置において、
前記積層体における前記第一の縁部を挟持する第一の挟持部と、
この第一の挟持部に対して接近及び離隔可能であり、前記切れ込みに嵌入可能な第一の挟持体とこの第一の挟持体が接近及び離隔可能な第二の挟持体とこれら第一及び第二の挟持体間に延びて前記第二の縁部の側面に当接する当接体とを有しており、前記積層体における前記第二の縁部を前記第一及び第二の挟持体で挟持する第二の挟持部と、
前記第一の挟持部の位置と前記第二の挟持部の位置とを反転させる反転部と
を具備する成形シートの供給装置。 - 前記積層体における前記縁部の形状を認識するセンサを具備する請求項6記載の成形シートの供給装置。
- 前記最上段の積層体の下面に接している第二段の前記積層体における前記第二の縁部の側面に当接する位置規制片を具備する請求項6記載の成形シートの供給装置。
- 前記最上段の積層体における前記第一及び第二の縁部以外の縁部の側面に当接する支持片を具備する請求項6記載の成形シートの供給装置。
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