JP4096683B2 - ロータ支持構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータの回転角を検出する回転角検出装置においてロータを回転可能に支持するロータ支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のロータ支持構造の一例を、特許文献1に開示される回転角検出装置を例に説明する。
従来の回転角検出装置は、円板形状のロータと、このロータに対向する基板とからなり、基板に抵抗体パターンを形成し、ロータに接触子を取付け、ロータの回転により接触子が接触する抵抗体パターンの位置によって変化する抵抗値によって回転角度を検出するものである。そして、その回転角検出装置におけるロータ支持構造は、ロータと一体に回転する回転軸を筒状摺接部で回転可能に支持したものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−004365公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のロータ支持構造では、回転軸と筒状摺接部の材料の熱膨張の違い、製造誤差があるため、回転軸外径と筒状摺接部内径との間に一定のクリアランスを設定する必要がある。
このようなロータ支持構造では、振動等の外力が加わると、クリアランスによって回転軸が傾斜したり、がたつく不具合が発生する。
回転軸に傾斜やがたつきが発生すると、ロータの回転角が変化しなくても、ロータが傾斜したりがたついて、抵抗体パターンと接触子の接触位置が変化して抵抗値(出力値)が変動してしまう。
このことは、磁気検出素子(ホール素子等)と磁石を用いた回転角検出装置でも同様の不具合が発生する。
【0005】
また、従来のロータ支持構造では、ロータを1つの軸受(回転軸と筒状摺接部)で支持する「片持ち軸受け構造」であったため、ロータの傾斜を抑えるためには、回転軸とそれを支持する筒状摺接部の軸方向を長くする必要が生じる。
このため、従来の回転角検出装置は、軸方向寸法が長くなる不具合があった。
【0006】
即ち、従来のロータ支持構造は、回転軸の傾斜によってロータががたつく不具合が発生するとともに、軸方向が長くなる不具合があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的は、回転軸の傾斜を防ぐことができるとともに、軸方向の短縮が可能であり、更に軸方向の組付け精度を高めることの可能なロータ支持構造の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔請求項1の手段〕
請求項1の手段を採用するロータ支持構造は、第1軸受と第2軸受を備える。
第1軸受は、凹部の開口周囲に設けられ、ロータの外側に設けられたアウター摺接部と、ロータ側に設けられたインナー摺接部とが摺接する滑り軸受であり、アウター摺接部は、軸芯に対して傾斜したテーパ面に形成され、インナー摺接部は、アウター摺接部のテーパ面より傾斜角の大きい第1テーパ面とアウター摺接部のテーパ面より傾斜角の小さい第2テーパ面の2段テーパ面に形成される。
第2軸受は、ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、ロータを収容するハウジングに設けられて回転軸の外周面に摺接する筒状摺接部とからなる。
更に、ロータ支持構造は、ロータを第2軸受側から第1軸受に向けて付勢する付勢手段を備える。
【0009】
このような構成を採用することにより、インナー摺接部における第1、第2テーパ面の切替頂部が、アウター摺接部のテーパ面に押し付けられた状態となり、第1軸受が「求芯軸受構造」になる。
このため、インナー摺接部とアウター摺接部を構成する材料の熱膨張の違い、製造誤差があっても、インナー摺接部とアウター摺接部は、同芯であり、且つ付勢手段によって常時接触するため、振動等の外力が加わっても、ロータが傾斜したり、がたつく不具合がない。
この結果、振動等の外力が加わっても回転角の出力値が変動する不具合がない。
【0010】
また、常時接触するアウター摺接部が単一のテーパ面で、インナー摺接部が第1、第2テーパ面よりなる2段テーパ面であるため、インナー摺接部およびアウター摺接部の製造誤差(公差)が生じても、ロータの軸方向寸法のばらつきが小さく抑えられる。
この結果、ロータの軸方向の組付け精度が高められ、センサ精度を高めることができる。
【0011】
さらに、請求項1の発明のロータ支持構造は、ロータの軸芯の両側にある第1、第2軸受でロータを支持する「両持ち軸受け構造」となる。即ち、第1、第2軸受の間隔が長いため、第1、第2軸受の軸方向寸法が短くても、ロータの傾斜を防ぐことができる。
このため、従来技術の「片持ち軸受け構造」のように、軸受の軸方向長を傾斜を防ぐために長くする必要がなく、軸方向寸法を短縮することが可能になり、回転角検出装置の体格を小型化することが可能になる。
【0012】
〔請求項2の手段〕
請求項2の手段を採用するロータ支持構造は、第1軸受と第2軸受を備える。
第1軸受は、凹部の開口周囲に設けられ、ロータ側に設けられたインナー摺接部と、ロータの外側に設けられたアウター摺接部とが摺接する滑り軸受であり、インナー摺接部は、軸芯に対して傾斜したテーパ面に形成され、アウター摺接部は、インナー摺接部のテーパ面より傾斜角の大きい第1テーパ面とインナー摺接部のテーパ面より傾斜角の小さい第2テーパ面の2段テーパ面に形成される。
第2軸受は、ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、ロータを収容するハウジングに設けられて回転軸の外周面に摺接する筒状摺接部とからなる。
更に、ロータ支持構造は、ロータを第2軸受側から第1軸受に向けて付勢する付勢手段を備える。
【0013】
このように、請求項2のロータ支持構造は、請求項1のロータ支持構造における第1、第2テーパ面の形成面を、インナー摺接部からアウター摺接部に変えたものである。
このため、請求項2のロータ支持構造は、請求項1のロータ支持構造におけるアウター摺接部とインナー摺接部の形状を入替えたものと、同様の作用効果を奏する。
【0014】
〔請求項3の手段〕
請求項3の手段を採用するロータ支持構造の付勢手段は、軸芯方向に弾性変形可能なリング状の板バネである。
このように設けられることにより、付勢手段の軸方向寸法を最小に抑えることができ、付勢手段によってロータ支持構造の軸方向寸法が長くなってしまう不具合がない。
【0015】
〔請求項4の手段〕
請求項4の手段を採用するロータ支持構造の第2軸受は、ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、この回転軸の外周面を回転自在に支持する筒状摺接部とから構成される。
このように設けられることにより、第2軸受は、ロータを回転自在に支持するとともに、付勢手段によってロータを第1軸受側にスライド可能に支持できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、実施例および変形例を用いて説明する。
[実施例]
図1〜図6を用いて実施例を説明する。まず、図2を参照して回転角検出装置の基本構成を説明する。なお、図2は回転角検出装置の回転軸方向から見た要部断面図である。
この実施例に示す回転角検出装置は、例えばスロットルバルブの開度を検出するためのものであり、スロットルバルブと一体に回転する略筒状のヨーク1と、このヨーク1の内部に配置された非回転部材のステータ2とを備える。
【0019】
ヨーク1は、ステータ2の周囲に同芯的に配置されたものであり、ヨーク1とステータ2との間は接触しないように隙間が設けられている。このヨーク1は、直径方向に分割された断面が略円筒状を呈した磁性体製(例えば、鉄)であり、2つの対向する分割部に形成された磁石配置ギャップ3のそれぞれには同一方向に着磁された磁石4(永久磁石)が固定されている。このような構成を採用することにより、分割されたヨーク1の一方がN極の極性を持ち、分割されたヨーク1の他方がS極の極性を持つ。
【0020】
なお、ヨーク1は、図2に示すように略楕円形状に設けられており、分割されたヨーク1の中心部分(2つの磁石4の中間部分のヨーク1)において、最もステータ2に接近するように設けられている。
【0021】
ステータ2は、ヨーク1の中心に同芯的に配置されたものであり、直径方向に分割された略円柱状または多角形状を呈した磁性体製(例えば鉄板を多数積層した積層コア)であり、その分割部に形成された磁気検出ギャップ5に2つのホールIC6が固定されている。このホールIC6は、ホール素子(磁気検出素子の一例)と信号増幅回路とを一体化したICであり、磁気検出ギャップ5を通過する磁束密度(ホールIC6を通過する磁束密度)に応じた電圧信号を出力する周知なものである。
【0022】
なお、ステータ2における磁気検出ギャップ5の両側には、円弧状に窪んだ大ギャップ部7が形成されている。この大ギャップ部7を形成することにより、ステータ2を流れる磁束がホールIC6に集中して流れる。また、大ギャップ部7を円弧状に形成することにより、ヨーク1から与えられる磁束をより多くステータ2に流すことができる。
【0023】
ここで、上記構成における回転角検出装置の作動を説明する。なお、この作動説明では、磁石配置ギャップ3と磁気検出ギャップ5とが直線上に一致する位置(図2参照)の回転角を0°として説明する。
回転角検出装置は、磁石配置ギャップ3と磁気検出ギャップ5とが直線上に一致する位置(この位置の回転角0°)において、磁石4のN極→ヨーク1の一方→ステータ2の一方→磁気検出ギャップ5→ステータ2の他方→ヨーク1の他方→磁石4のS極の経路で磁束が流れる磁気回路が形成される。
上記の状態から、スロットルバルブとともにヨーク1が回転すると、磁束の一部がステータ2の一方のみに流れるようになるため、磁気検出ギャップ5を通過する磁束が減る。
【0024】
即ち、図2に示すように、ヨーク1の回転角が0°の時にホールIC6を通過する磁束密度が最大になり、ヨーク1の回転角が0°より増加しても、逆に0°より減少しても、回転角に応じて磁気検出ギャップ5を通過する磁束量が減少し、ホールIC6を通過する磁束密度が減少する。
そして、回転角が90°の位置では、磁束は完全にステータ2の一方のみを流れ、ステータ2の一方から他方へは流れなくなる。即ち、磁気検出ギャップ5を磁束が通過しなくなり、ホールIC6を通過する磁束密度が0になる。
【0025】
さらに、回転角が90°よりも回転すると、回転角に応じて磁気検出ギャップ5を通過する反対方向の磁束が増加し、ヨーク1の回転角が180°の時にホールIC6を通過する逆向きの磁束密度が最大になる。
回転角が180°よりもさらに回転すると、回転角に応じて磁気検出ギャップ5を通過する反対方向の磁束が減少を始め、ホールIC6を通過する逆向きの磁束密度が減少する。
【0026】
そして、回転角が270°の位置では、磁束は完全にステータ2の一方のみを流れ、ステータ2の一方から他方へは流れなくなる。即ち、磁気検出ギャップ5を磁束が通過しなくなり、ホールIC6を通過する磁束密度が0になる。
さらに、回転角が270°よりも回転すると、回転角に応じて磁気検出ギャップ5を通過する正方向の磁束が増加し、ヨーク1の回転角が360°の時に再びホールIC6を通過する磁束密度が最大になる。
【0027】
次に、ステータ2の支持構造を図3を参照して説明する。
ステータ2は、ターミナル11とともに樹脂モールドされ、ターミナル11が樹脂製のハウジング12に樹脂熱カシメ13等の方法によって固定される構造を採用している。ステータ2内のホールIC6は、ターミナル11に接続されており、ターミナル11の配線はハウジング12にモールドされたリードフレーム14に接続されている。このリードフレーム14は、ハウジング12に形成されたコネクタ15内に突出するものであり、このコネクタ15に外部接続コネクタ(図示しない)を差し込むことにより、ホールIC6と外部機器(図示しない)との接続がなされる。
なお、図3中の符号16は、金属製のカバーであり、シールリング17を介してハウジング12に固定されて、雨水やゴミ等がハウジング12の内部に侵入するのを防いでいる。
【0028】
次に、ロータ支持構造を図1、図3を参照して説明する。
ヨーク1は樹脂モールドされて、樹脂21とともにロータ20を構成している。このロータ20は、軸芯(図1、図3中の一点鎖線参照)を中心として回転可能に支持される。
【0029】
ロータ支持構造は、軸芯の一方側(図1、図3左側)においてロータ20を回転自在に支持する第1軸受22と、軸芯の他方側(図1、図3右側)においてロータ20を回転自在に支持する第2軸受23とを備える。
第1軸受22は、ハウジング12に固定される樹脂ベアリング24のアウター摺接部25と、ヨーク1をモールドする樹脂21に形成されたインナー摺接部26とが摺接する滑り軸受である。
【0030】
アウター摺接部25は、図1の丸内に示すように、軸芯に対して傾斜したテーパ面に形成されている。
インナー摺接部26は、アウター摺接部25のテーパ面より傾斜角の大きい第1テーパ面26aと、アウター摺接部25のテーパ面より傾斜角の小さい第2テーパ面26bとからなる2段テーパ面として形成されている。
【0031】
そして、後述する板バネ27によって、ロータ20が第2軸受23側から第1軸受22に向けて付勢されることにより、第1、第2テーパ面26a、26bの切替頂部26cが、アウター摺接部25のテーパ面に押し付けられて、第1軸受22が「求芯軸受構造」になる。
また、ロータ20の軸芯の両側にある第1、第2軸受22、23によってロータ20を回転自在に支持する構造であるため、ロータ20が「両持ち軸受け構造」になる。
【0032】
一方、第2軸受23は、ロータ20と一体に回転する円柱状の回転軸31と、この回転軸31の外周面を回転自在に支持する筒状摺接部32とから構成される。この第2軸受23の筒状摺接部32は、ハウジング隔壁33の内周面によって形成される。
このように第2軸受23が設けられることによって、第2軸受23がロータ20を回転自在に支持するとともに、後述する板バネ27(付勢手段に相当する)によってロータ20が第1軸受22側にスライド可能になる。
なお、回転軸31の一端(図3の右側)には、スロットルバルブ(図示しない)と一体に回転するレバー34が取り付けられていて、スロットルバルブの開度変化とともに回転軸31およびロータ20が回転するようになっている。ここで、図3中の符号35は、ロータ20を規定位置方向に戻すリターンスプリングである。
【0033】
また、ロータ支持構造は、ロータ20を第2軸受23側から第1軸受22に向けて付勢する板バネ27を備える。この板バネ27は、ロータ20とハウジング隔壁33との間に軸方向に圧縮された状態で配置された軸方向に波打つ形状のリング板であり、軸芯方向に弾性変形可能なものである。このような板バネ27を採用することにより、付勢手段の軸方向寸法および付勢手段の配置スペースを最小に抑えることができる。
【0034】
ここで、従来技術である「片持ち軸受け構造」によってロータ20を支持する例を説明する。
従来技術の項でも説明したように、「片持ち軸受け構造」では、図4(a)に示すように、ロータ20の傾斜を防ぐために、回転軸31と、その回転軸31を支持する筒状摺接部32の軸方向長を長くする必要が生じるとともに、回転軸31と筒状摺接部32の材料の熱膨張差、製造誤差によるクリアランスが形成されるため、回転軸31が傾斜したり、がたつく不具合が発生する。
【0035】
そこで、図4(b)に示すように、第1軸受22の軸受面を段差に設けた「両持ち軸受け構造」を考えてみた場合、軸方向の短縮は可能であるが、アウター摺接部25とインナー摺接部26の材料の熱膨張差、製造誤差によるクリアランス、回転軸31と筒状摺接部32の材料の熱膨張差、製造誤差によるクリアランスが形成されるため、ロータ20が傾斜したり、がたつく不具合が発生する。
【0036】
そこでさらに、図4(c)に示すように、第1軸受22の軸受面をテーパに設けた「両持ち軸受け構造」で、且つ第1軸受22を「求芯軸受構造」にすることにより、軸方向の短縮が可能になるとともに、アウター摺接部25とインナー摺接部26が同芯で常時接触するため、振動等の外力が加わっても、ロータ20が傾斜したり、がたつく不具合がない。
【0037】
ここで、板バネ27が配置されるロータ20とハウジング隔壁33との距離Lは、板バネ27の付勢力を規定値に保つために、高い精度が要求される。
具体的に、ロータ20とハウジング隔壁33の距離Lは、1.5mm以下、この実施例では0.5mmほどに設定される。一方、板バネ27は、フリー状態における軸方向寸法が1.5〜2mm前後に形成される。
このため、ロータ20の位置が規定位置よりも第2軸受23方向(図1右側)にずれると、距離Lが短くなって板バネ27の付勢力が強すぎ、逆にロータ20の位置が規定位置よりも第1軸受22方向(図1左側)にずれると、距離Lが長くなって板バネ27の付勢力が弱すぎる結果を招く。このため、この実施例ではロータ20とハウジング隔壁33との間の寸法誤差を±0.3mm以下に抑える必要がある。言い換えると、ロータ20の軸方向誤差を±0.3mm以下に抑える必要がある。
つまり、ロータ20の軸方向の組付けに対して高い精度が要求される。
【0038】
ロータ20の軸方向の組付け精度を高めるためには、アウター摺接部25とインナー摺接部26の当接位置精度を高める必要がある。
ここで、アウター摺接部25とインナー摺接部26の当接位置精度を高めるために、インナー摺接部26を、図5に示すように曲面とした場合について説明する。
アウター摺接部25のテーパ面の角度を40°±1°(ここで、±1°は製造公差)とした場合、40°+1°および曲面最小の時にロータ20の位置が規定位置より第2軸受23から第1軸受22方向へ0.537mmずれ、40°−1°および曲面最大の時にロータ20の位置が規定位置より第1軸受22から第2軸受23方向へ0.573mmずれる結果が出た。
即ち、インナー摺接部26を曲面にした場合は、ロータ20の位置のずれが大きいため、本実施例の回転角検出装置には不適合である。
【0039】
上記に対し、本発明を適用して、インナー摺接部26を、図6に示すように第1テーパ面26aと第2テーパ面26bからなる2段テーパ面とした場合について説明する。
上記と同様、アウター摺接部25のテーパ面の角度を40°±1°とした場合、40°+1°および切替頂部26cが最小の時にロータ20の位置が規定位置より第2軸受23から第1軸受22方向へ0.147mmずれ、40°−1°および切替頂部26cが最大の時にロータ20の位置が規定位置より第1軸受22から第2軸受23方向へ0.155mmずれる結果が出た。
即ち、インナー摺接部26を2段テーパ面とすることにより、ロータ20の位置のずれを小さく抑えることができ、本実施例の回転角検出装置において余裕で適合する。
【0040】
[実施例の効果]
上記に説明したように、インナー摺接部26における第1、第2テーパ面26a、26bの切替頂部26cが、アウター摺接部25のテーパ面に押し付けられた状態となり、第1軸受22が「求芯軸受構造」になる。このため、第1、第2軸受22、23を構成する材料の熱膨張の違い、製造誤差があっても、アウター摺接部25とインナー摺接部26は、同芯であり、且つ板バネ27によって常時接触するため、振動等の外力が加わっても、ロータ20が傾斜したり、がたつく不具合がない。
この結果、ロータ20の回転角が変化しない状態で、振動等の外力が加わっても回転角の出力値が変動する不具合がない。
【0041】
また、常時接触するアウター摺接部25が単一のテーパ面で、インナー摺接部26が第1、第2テーパ面26a、26bよりなる2段テーパ面であり、板バネ27によってロータ20が第1軸受22側に押し付けられる構造であるため、ロータ20の軸方向寸法のばらつきを小さく抑えることができる。
この結果、上述した「求芯軸受構造」によってロータ20の軸芯が常に保たれるとともに、ロータ20の軸方向の組付け精度が高められることによって、センサ精度を高めることができる。
【0042】
さらに、ロータ20の両側の第1、第2軸受22、23でロータ20を支持する「両持ち軸受け構造」となり、第1、第2軸受22、23の間隔を長く確保できるため、第1、第2軸受22、23のそれぞれの軸方向寸法が短くても、ロータ20の傾斜を防ぐことができる。
このため、従来技術の「片持ち軸受け構造」のように、軸受の軸方向長を傾斜を防ぐために長くする必要がなく、軸方向寸法を短縮でき、回転角検出装置の体格(回転軸方向)を小型化することができる。
【0043】
[変形例]
上記の実施例では、アウター摺接部25を単一のテーパ面に設け、インナー摺接部26を第1、第2テーパ面26a、26bよりなる2段テーパ面に設けた例を示したが、逆にインナー摺接部26を単一のテーパ面に設け、アウター摺接部25を第1、第2テーパ面26a、26bよりなる2段テーパ面に設けても良い。このように設けても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0044】
上記の実施例では、ロータ20側に磁石4を配置し、ステータ2側に磁気検出素子(実施例ではホールIC6)を配置した例を示したが、逆に、ロータ20側に磁気検出素子を配置し、ステータ2側に磁石4を配置しても良い。
上記の実施例では、回転角検出装置の具体的な一例としてスロットルバルブの開度を検出する例を示したが、産業ロボットのアーム部の回転角等、他の回転角を検出するように設けても良い
【0045】
上記の実施例では、付勢手段の一例として板バネ27を用いた例を示したが、付勢手段の設置スペースが大きくとれるものであれば、コイルバネなど、他の付勢手段を用いても良い。
上記の実施例では、第1軸受22を樹脂によって形成した例を示したが、金属で構成しても良い。
上記の実施例では、第2軸受23を筒状摺接部32によって構成した例を示したが、転がりベアリングを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータ支持構造の概略図である。
【図2】回転角検出装置を回転軸方向から見た要部断面図である。
【図3】回転角検出装置の軸方向に沿う断面図である。
【図4】ロータ支持構造の比較例を示す説明図である。
【図5】インナー摺接部を曲面に設けた例を示す説明図である。
【図6】インナー摺接部を2段テーパ面に設けた例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ヨーク
2 ステータ
4 磁石
6 ホールIC(磁気検出素子)
12 ハウジング
20 ロータ
22 第1軸受
23 第2軸受
25 アウター摺接部
26 インナー摺接部
26a 第1テーパ面
26b 第2テーパ面
27 板バネ(付勢手段)
31 回転軸
32 筒状摺接部

Claims (4)

  1. 磁気検出素子と、この磁気検出素子に磁力を与える磁石とを備え、
    前記磁気検出素子と前記磁石の相対回転角の変化を前記磁気検出素子に与えられる磁力によって検出する回転角検出装置に用いられ、
    前記磁気検出素子または前記磁石の一方が設けられる支持対象のロータを、軸芯を中心として回転可能に支持するロータ支持構造において、
    前記ロータ支持構造によって回転可能に支持される前記ロータは、軸芯方向の一方に開口し、その内部に非回転で磁性体製のステータを収容するとともに、前記ステータの外周位置に配置される磁性体製のヨークを有する凹部を備えるものであり、
    前記ロータ支持構造は、
    (a) 軸芯の一方側において前記ロータを回転自在に支持する第1軸受と、
    (b) 軸芯の他方側において前記ロータを回転自在に支持する第2軸受とを備え、
    (a-1) 前記第1軸受は、前記凹部の開口周囲に設けられ、前記ロータの外側に設けられたアウター摺接部と、前記ロータ側に設けられたインナー摺接部とが摺接する滑り軸受であり、
    (a-1-1) 前記アウター摺接部は、軸芯に対して傾斜したテーパ面に形成され、
    (a-1-2) 前記インナー摺接部は、前記アウター摺接部のテーパ面より傾斜角の大きい第1テーパ面と前記アウター摺接部のテーパ面より傾斜角の小さい第2テーパ面の2段テーパ面に形成され、
    (b-1) 前記第2軸受は、前記ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、前記ロータを収容するハウジングに設けられて前記回転軸の外周面に摺接する筒状摺接部とからなり、
    (c) 更に、前記ロータを前記第2軸受側から前記第1軸受に向けて付勢する付勢手段を備えることを特徴とするロータ支持構造。
  2. 磁気検出素子と、この磁気検出素子に磁力を与える磁石とを備え、
    前記磁気検出素子と前記磁石の相対回転角の変化を前記磁気検出素子に与えられる磁力によって検出する回転角検出装置に用いられ、
    前記磁気検出素子または前記磁石の一方が設けられる支持対象のロータを、軸芯を中心として回転可能に支持するロータ支持構造において、
    前記ロータ支持構造によって回転可能に支持される前記ロータは、軸芯方向の一方に開口し、その内部に非回転で磁性体製のステータを収容するとともに、前記ステータの外周位置に配置される磁性体製のヨークを有する凹部を備えるものであり、
    前記ロータ支持構造は、
    (a) 軸芯の一方側において前記ロータを回転自在に支持する第1軸受と、
    (b) 軸芯の他方側において前記ロータを回転自在に支持する第2軸受とを備え、
    (a-1) 前記第1軸受は、前記凹部の開口周囲に設けられ、前記ロータ側に設けられたインナー摺接部と、前記ロータの外側に設けられたアウター摺接部とが摺接する滑り軸受であり、
    (a-1-1) 前記インナー摺接部は、軸芯に対して傾斜したテーパ面に形成され、
    (a-1-2) 前記アウター摺接部は、前記インナー摺接部のテーパ面より傾斜角の大きい第1テーパ面と前記インナー摺接部のテーパ面より傾斜角の小さい第2テーパ面の2段テーパ面に形成され、
    (b-1) 前記第2軸受は、前記ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、前記ロータを収容するハウジングに設けられて前記回転軸の外周面に摺接する筒状摺接部とからなり、
    (c) 更に、前記ロータを前記第2軸受側から前記第1軸受に向けて付勢する付勢手段を備えることを特徴とするロータ支持構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載のロータ支持構造において、
    前記付勢手段は、軸芯方向に弾性変形可能なリング状の板バネであることを特徴とするロータ支持構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のロータ支持構造において、
    前記第2軸受は、前記ロータと一体に回転する円柱状の回転軸と、この回転軸の外周面を回転自在に支持する筒状摺接部とから構成されることを特徴とするロータ支持構造
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