JP4096561B2 - 容器の減容圧縮装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、缶、ペットボトル等の容器を減容圧縮して押しつぶす容器の減容圧縮装置に関するものであり、詳しくは、減容圧縮して押しつぶした容器を簡単に取り出すことができる容器の減容圧縮装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
清涼飲料水、調味料、化粧品等の各種液体や気体の容器として缶やペットボトル等が汎用されている。用ずみの空き容器については、近年の深刻なゴミ処理問題を解決するために、回収し、再利用するリサイクル化が推進されている。回収の際には、運搬量、収納量をできる限り増大するために、容器をあらかじめ減容圧縮することが広く行われている。
【０００３】
かかる容器の減容圧縮装置として、従来、油圧プレス装置、ローラー圧縮装置等が使用されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の油圧プレス装置、ローラ圧縮装置等からなる容器の減容圧縮装置においては、減容圧縮して押しつぶした容器を手で取り出さなければならないため、取り出す時に容器が減容圧縮装置の内周面部に引つかかったりして円滑に取り出すことができないことがあり、押しつぶした容器で手を怪我することもあるという問題があった。
【０００５】
この出願の発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、減容圧縮して押しつぶした容器を簡単に取り出すことができる容器の減容圧縮装置を提供することを解決すべき課題としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、以上の課題を解決するものとして、端面が開口して容器の収納が可能であると共に、内周胴部の長さ方向に沿って摺動するピストン体を内蔵したシリンダー体と、このシリンダー体の端面開口部に嵌着する蓋体とを有し、この蓋体はその背面部に容器を保持する容器保持部を有し、さらにこの蓋体は容器保持部に保持された容器を押し出す押し出し部を有し、ピストン体を摺動させることによって、容器保持部に保持されてシリンダー体内部に収納された容器を減容圧縮して押しつぶすことを可能とし、押しつぶされた容器を押し出し部で押し出すことによって、容器を容器保持部から離脱させるようにしてなることを特徴とする容器の減容圧縮装置（請求項１）を提供する。
【０００７】
また、この出願の発明は、容器保持部を弾性材料で形成し、弾性材料の弾性作用によって、容器を保持・離脱させるようにしてなること（請求項２）、容器保持部の先端に、変形可能な爪体を設けてなること（請求項３）をそれぞれ一態様として提供する。
【０００８】
以下、図面に基づいてこの出願の発明の容器の減容圧縮装置についてさらに詳しく説明する。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図１は、この出願の発明の容器の減容圧縮装置の一実施形態を例示した縦断面図、図２は、同実施形態における容器の押し出し状態を例示し、（ａ）は容器を押しつぶした状態を例示した縦断面図、（ｂ）は押しつぶした容器を取り出す状態を例示した縦断面図、図３は、同実施形態において使用せる蓋体の容器保持部の一実施例を例示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、図４は、同実施形態において使用せる蓋体を構成するセットリングを例示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ矢視図である。
【００１０】
図１〜図４に例示したように、この出願の発明の容器の減容圧縮装置は、前端面が開口して容器（１）の収納が可能であると共に、内周胴部の長さ方向に沿って図１両矢印で示すように往復運動して摺動する栓状のピストン体（２）を内蔵して円筒状のシリンダー体（３）を形成し、さらに、背面部に容器（１）を把持して保持する容器保持部（４）を設けると共に、保持した容器（１）を押し出す押し出し部（５）を容器保持部（４）等に設けて凹状の蓋体（６）を形成する。また、前記シリンダー体（３）の前端面開口部に蓋体（６）を、緊密に嵌合したり、螺着したりすることによって、嵌着し、シリンダー体（３）に内蔵したピストン体（２）を摺動させることによって、一端部が容器保持部（４）に保持され、胴部がシリンダー体（３）内部に収納された容器（１）をピストン体（２）にて押圧して減容圧縮して押しつぶし、押しつぶした容器（１）を押し出し部（５）で押し出すことによって、押しつぶした容器（１）を容器保持部（４）から離脱させるようにしてなることを特徴とするものである。
【００１１】
なお、この出願の発明の容器の減容圧縮装置においては、シリンダー体（３）として、例えば、図１にて示したように、前端面が開口した横型のシリンダー体（３）を例示したが、下端面が開口した縦型のシリンダー体等、端面が開口した所望のシリンダー体を使用すれば良い。
【００１２】
また、蓋体（６）の背面部に容器保持部（４）を設ける場合には、例えば、図１に例示したように、金属、合成樹脂等よりなる異径凹状の外蓋体（６ａ）の内側に、ゴム、軟質合成樹脂等の弾性材料よりなる異径筒状の内蓋体（６ｂ）を嵌合、弾着し、外蓋体（６ａ）の外側に、金属、合成樹脂等よりなる異径の筒状のセットリング（６ｃ）およびセットリング蓋体（６ｄ）を嵌着することによって、蓋体（６）を形成し、前記弾性材料よりなる内蓋体（６ｂ）にて容器保持部（４）を形成した場合には、弾性材料の弾性作用によって、容器（１）を保持・離脱させることができ、即ち、容器（１）を保持する際には、容器保持部（４）を弾性材料の弾性作用によって、内方に変形させて容器（１）を把持して保持し、容器（１）を離脱させる際には、容器保持部（４）を弾性材料の弾性作用によって、外方に拡開させて容器（１）を離脱させることができ、容器（１）の保持・離脱が簡単に行えるので、好適である。また、前記弾性材料よりなる内蓋体（６ｂ）にて形成した容器保持部（４）の先端周縁部に、図３に例示したように、前述と同様の弾性材料よりなる変形自在な爪体（１２）を所望個数突出形成して設けた場合には、爪体（１２）、（１２）、…にて容器（１）をさらに強固に把持して確実に保持することができるので、さらに好適である。さらに加うるに、前述のように蓋体（６）を、外蓋体（６ａ）、内蓋体（６ｂ）、セットリング（６ｃ）およびセットリング蓋体（６ｄ）にて形成した場合には、前述の通り弾性作用を有する内蓋体（６ｂ）にて容器（１）の保持機能を発揮させ、外蓋体（６ａ）にて蓋体（６）の強度・剛性機能を発揮させ、セットリング（６ｃ）およびセットリング蓋体（６ｄ）にて蓋体（６）とシリンダー体（３）との嵌着一体化機能を発揮させることができ、蓋体（６）としての諸機能を分担させて高めることができるので、好適である。
【００１３】
また、保持した容器（１）を押し出す押し出し部（５）を蓋体（６）に設ける場合には、例えば、図２に例示したように、蓋体（６）の容器保持部（４）に保持して押しつぶした容器（１）〔図２（ａ）〕を押し出す〔図２（ｂ）〕押し出し部（５）を、前述した構成からなる蓋体（６）のセットリング（６ｃ）に沿って、図２（ａ）から図２（ｂ）に例示したように摺動可能に蓋体（６）に設けた場合には、図２（ａ）に例示したように押しつぶした容器（１）を、図２（ｂ）に例示したように押し出し部（５）で押し出すことによって、容器（１）を容器保持部（４）から簡単に取り出すことができ、押しつぶした容器（１）を取り出すのに手間取ったり、容器（１）を取り出す時に、押しつぶした容器（１）で手を怪我したりするおそれがない。
【００１４】
また、図２においては、蓋体（６）に押し出し部（５）を設けるに際して、前述した蓋体（６）を構成する外蓋体（６ａ）および内蓋体（６ｂ）によって押し出し部（５）を形成し、押し出し部（５）の押し出しを円滑に行うために、セットリング（６ｃ）の内周胴部を押し出し方向に向かって徐々に拡開した実施例を例示したが、蓋体に、押しつぶした容器を押し出すノックアウトピン等の押し出し機構を設けて押し出し部を形成しても良い。
【００１５】
また、押しつぶした容器（１）を押し出し部（５）で押し出す場合には、前述のように蓋体（６）をシリンダー体（３）から取り外した後、手動等で押し出し部（５）を押し出したり、シリンダー体（３）に蓋体（６）を嵌着した状態で自動的、機械的に押し出し部（５）を押し出したりすれば良い。
【００１６】
また、シリンダー体（３）の端面開口部に蓋体（６）を嵌着し、ピストン体（２）を摺動させる場合には、例えば、図１〜図４に例示したように、前述のシリンダー体（３）の端面開口部近傍の周胴部に、内部の空気を吸引する吸引孔（７）を設けてシリンダー体（３）を形成すると共に、前述の蓋体（６）の周胴部に、内部の空気を通過させる通気孔（８）を設けて凹状の蓋体（６）を形成し、かつ、かかるシリンダー体（３）の端面開口部に蓋体（６）を嵌着してシリンダー体（３）の端面開口部近傍の内周胴部と蓋体（６）の外周胴部の間に通気間隙部（９）を形成し、シリンダー体（３）の吸引孔（７）と空気配管（１０）を介して連通する真空ポンプ等の吸引装置（１１）を作動させることにより、シリンダー体（３）内部の空気を図１矢印にて示すように蓋体（６）の通気孔（８）、通気間隙部（９）および吸引孔（７）を介して吸引してシリンダー体（３）内部を減圧することによってシリンダー体（３）の後端部に配置されていたピストン体（２）を吸引してシリンダー体（３）の前端側に自動的に摺動させたり、汎用のピストン・シリンダー方式を利用してシリンダー体に内蔵したピストン体を機械的に往復運動させて摺動させたりすれば良い。また、前述のように、蓋体（６）の周胴部に通気孔（８）を設ける場合には、例えば、図１および図４に例示したように、前述した蓋体（６）を構成する外蓋体（６ａ）およびセットリング（６ｃ）の異径胴部の全周にそれぞれ所望個数の通気孔（８）を形成し、シリンダー体（３）内部の空気を図１矢印にて示すように内蓋体（６ｂ）の底面開口部より吸引し、さらに、前記通気孔（８）、（８）、…を経由して通気間隙部（９）および吸引孔（１）を介して吸引して排出するように設けた場合、即ち、容器保持部（５）〔内蓋体（７ｂ）〕の底面開口部より吸引するように設けた場合には、前記吸引によってシリンダー体（３）内部を減圧した際に、容器保持部（４）に保持され、シリンダー体（３）内部に収納された容器（１）が減圧に耐えられずに自動的につぶれ始めると共に、シリンダー体（３）の後端側に配置されていたピストン体（２）をシリンダー体（３）の前端側に自動摺動させてつぶれ始めた容器（１）を減容圧縮して押しつぶすことができ、さらに、シリンダー体（３）内部の空気の吸引・排出も効率的、かつ、円滑に行うことができるので、好適である。
【００１７】
また、シリンダー体（３）の吸引孔（７）と連通する吸引装置（１１）を作動させてシリンダー体（３）内部の空気を吸引する場合には、例えば、図１に例示したように、シリンダー体（３）の吸引孔（７）と吸引装置（１１）を連通する空気配管（１０）の途中に流路切り替えを行う電磁弁（１３）を配設し、必要に応じて電磁弁（１３）を切り替えて吸引孔（７）と吸引装置（１１）を連通させると共に、吸引装置（１１）を作動させてシリンダー体（３）内部の空気を吸引すれば良い。また、図１に例示したように、必要に応じて電磁弁（１３）を複数個配設し、押しつぶした容器（１）を取り出す際に、吸引装置（１１）による減圧を停止し、他の所望の電磁弁（１３）により流路を切り替えた後、吸引装置（１１）を再作動させて空気を容器保持部（４）内に導入してシリンダー体（３）内部を大気圧とほぼ同等またはやや高めにすることによって、図１に示すようにシリンダー体（３）から蓋体（６）を取り外すようにしても良い。
【００１８】
また、吸引装置（１１）を作動させてシリンダー体（３）内部の空気を吸引してシリンダー体（３）内部を減圧することによって、シリンダー体（３）の前端側に自動摺動させたピストン体（２）を、容器（１）を押しつぶした後、図１に例示したように、初期位置であるシリンダー体（３）の後端側に戻す場合には、例えば、前述のように、蓋体（６）を取り外した後、ピストン体（２）をシリンダー体（３）の後端側に手動で押し戻したり、容器（１）を押しつぶした後、所望の電磁弁（１３）により流路を切り替えて、吸引装置（１１）を作動させてシリンダー体（３）内を加圧することによって、ピストン体（２）をシリンダー体（３）の後端側に自動的に押し戻したりすれば良い。その際、ピストン体（２）がシリンダー体（３）の後端側から飛び出さないようにするために、シリンダー体（３）の後端縁部に、内側に向かって縁状のストッパー片（１４）を突設するのが好適である。かかるストッパー片（１４）を突設することによって、ストッパー片（１４）の内側に開口（１５）設け、開口（１５）を介してシリンダー体（３）後端側からシリンダー体（３）内部への空気の流入および流出を行うことにより、シリンダー体（３）内でのピストン体（２）の自動摺動を円滑に行うことができる。
【００１９】
また、図１に例示したように、容器保持部（４）またはピストン体（２）の一方または両方（図１においては、両方）に逃げ凹所（１６）を設けた場合には、ノズル部が突出したスプレー缶のような容器（１）を容器保持部（４）に保持して押しつぶす時に、ノズル部を逃げ凹所（１６）に挿入した状態で保持して押しつぶすことができる。従って、容器（１）を押しつぶす時に、ノズル部が押しつぶされるのを防止することができ、ＬＰガス入りの殺虫剤やヘアースプレー、さらに、カセットボンベ等の容器（１）の内部に可燃性ガスが多少残存していてもノズル部が押しつぶされて可燃性ガスが室内に流出して火災を惹起したり、容器（１）が破裂して怪我をしたりするのを防止することができるので、好適である。
【００２０】
また、この出願の発明の容器の減容圧縮装置は、例えば、図１に例示したように、ワゴンやシステムキッチンのキャビネット等の箱体（１７）の内部に収納、設置して使用することが可能である。
【００２１】
また、図１において、（１８）は、箱体（１７）の前面開口部に起倒自在に装着した扉体であり、箱体（１７）内部に収納、設置する容器の減容圧縮装置を使用する際に、扉体（１８）を起倒して箱体（１７）の前面開口部を閉口したり、開口したりして使用する。また、（１９）は、箱体（１７）の内部上方に配設して吸引装置（１１）に電気的に接続された制御部、（２０）は、箱体（１７）の前面部上方に配設して制御部（１９）に電気的に接続されたスイッチ部であり、スイッチ部（２０）を操作することによって、制御部（１９）を介して吸引装置（１１）を作動させれば良い。また、（２１）は、パッキンである。
【００２２】
以上詳述したこの出願の発明の容器の減容圧縮装置においては、容器（１）を減容圧縮して押しつぶすに際して、ピストン体（２）を減圧・吸引して自動摺動させて容器（１）を押しつぶす真空方式の減容圧縮装置を例にとって詳しく説明したが、機械的にピストン体を摺動させて容器を減容圧縮して押しつぶす容器の減容圧縮装置をはじめ、種々のタイプの減容圧縮装置に適用できることは当然である。
【００２３】
もちろん、この出願の発明は、以上の実施形態によって限定されるものではなく、ピストン体、シリンダー体、容器保持部、押し出し部、蓋体等の細部の形状、構造等については、様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【００２４】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、減容圧縮して押しつぶした容器を簡単に取り出すことができる容器の減容圧縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この出願の発明の容器の減容圧縮装置の、実施形態を例示した縦断面図である。
【図２】同実施形態における容器の押し出し状態を例示し、（ａ）は容器を押しつぶした状態を例示した縦断面図、（ｂ）は押しつぶした容器を取り出す状態を例示した縦断面図である。
【図３】 同実施形態において使用せる蓋体の容器保持部の一実施例を例示し、（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図である。
【図４】同実施形態において使用せる蓋体を構成するセットリングを例示し、（ａ）は縦断面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ矢視図である。
【符号の説明】
１ 容器
２ ピストン体
３ シリンダー体
４ 容器保持部
５ 押し出し部
６ 蓋体
６ａ 外蓋体
６ｂ 内蓋体
６ｃ セットリング
６ｄ セットリング蓋体
７ 吸引孔
８ 通気孔
９ 通気間隙部
１０ 空気配管
１１ 吸引装置
１２ 爪体
１３ 電磁弁
１４ ストッパー片
１５ 開口
１６ 逃げ凹所
１７ 箱体
１８ 扉体
１９ 制御部
２０ スイッチ部
２１ パッキン

Claims (3)

1. 端面が開口して容器の収納が可能であると共に、内周胴部の長さ方向に沿って摺動するピストン体を内蔵したシリンダー体と、このシリンダー体の端面開口部に嵌着する蓋体とを有し、この蓋体はその背面部に容器を保持する容器保持部を有し、さらにこの蓋体は容器保持部に保持された容器を押し出す押し出し部を有し、ピストン体を摺動させることによって、容器保持部に保持されてシリンダー体内部に収納された容器を減容圧縮して押しつぶすことを可能とし、押しつぶされた容器を押し出し部で押し出すことによって、容器を容器保持部から離脱させるようにしてなることを特徴とする容器の減容圧縮装置。
2. 容器保持部を弾性材料で形成し、弾性材料の弾性作用によって容器を保持・離脱させるようにしてなる請求項１記載の容器の減容圧縮装置。
3. 容器保持部の先端周縁部に変形可能な爪体を設けてなる請求項１または２記載の容器の減容圧縮装置。

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