JP3818159B2 - 容器の減容圧縮装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、缶、ペットボトル等の容器を減容圧縮して押しつぶす容器の減容圧縮装置に関するものであり、詳しくは、容器を小さな力で簡単に減容圧縮して押しつぶすことができ、小型で家庭用装置としての使用が可能な容器の減容圧縮装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
清涼飲料水、調味料、化粧品等の各種液体や気体の容器として缶やペットボトル等が汎用されている。用ずみの空き容器については、近年の深刻なゴミ処理問題を解決するために、回収し、再利用するリサイクル化が推進されている。回収の際には、運搬量、収納量をできる限り増大するために、容器をあらかじめ減容圧縮することが広く行われている。
【0003】
かかる容器の減容圧縮装置として、従来、油圧プレス装置、ローラー圧縮装置等が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の油圧プレス装置、ローラ圧縮装置等からなる容器の減容圧縮装置は、容器を機械的に減容圧縮して押しつぶすのに大きな力が必要であり、装置が大型になるという問題があった。
【0005】
この出願の発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、容器を小さな力で簡単に減容圧縮して押しつぶすことができ、小型で家庭用装置としての使用が可能な容器の減容圧縮装置を提供することを解決すべき課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、以上の課題を解決するものとして、前面開口部近傍の周胴部に吸引孔を設けると共に、内周胴部の長さ方向に沿って摺動するピストン体を内蔵し、かつ、容器の収納が可能なシリンダー体を形成し、さらに、背面部に容器保持部を設けると共に、周胴部に通気孔を設けて蓋体を形成し、前記シリンダー体の前面開口部に蓋体を嵌着してシリンダー体の内周胴部と蓋体の外周胴部の間に通気間隙部を形成し、シリンダー体の吸引孔と連通する吸引装置の作動によりシリンダー体内部の空気を、蓋体の通気孔、通気間隙部および吸引孔を介して吸引してシリンダー体内部を減圧することによって、シリンダー体の後端側に配置されていたピストン体をシリンダー体の前端側に自動摺動させ、容器保持部に保持され、シリンダー体内部に収納された容器を減容圧縮して押しつぶすようにしてなることを特徴とする容器の減容圧縮装置(請求項1)を提供する。
【0007】
また、この出願の発明は、蓋体が下方に、シリンダー体の後端側が上方に位置するようにシリンダー体を傾斜して配置し、シリンダー体の吸引孔を上側に設けてなること(請求項2)を一態様として提供する。
【0008】
以下、図面に基づいてこの出願の発明の容器の減容圧縮装置についてさらに詳しく説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、この出願の発明の容器の減容圧縮装置の一実施形態を例示した縦断面図、図2は、同実施形態において使用せる蓋体の容器保持部の一実施例を例示し、(a)は正面図、(b)は側面図、図3は、同実施形態において使用せる蓋体を構成するセットリングを例示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA〜A矢視図である。
【0010】
図1〜図3に例示したように、この出願の発明の容器の減容圧縮装置は、前面開口部近傍の周胴部に内部の空気を吸引する吸引孔(1)を設けると共に、内周胴部の長さ方向に沿って図1両矢印にて示すように往復運動して摺動する栓状のピストン体(2)を内蔵し、かつ、内部に容器(3)の収納が可能な円筒状のシリンダー体(4)を形成し、さらに、背面部に容器(3)を把持して保持する容器保持部(5)を設けると共に、周胴部に内部の空気を通過させる通気孔(6)を設けて凹状の蓋体(7)を形成する。また、前記シリンダー体(4)の前面開口部に蓋体(7)を、緊密に嵌合したり、螺着したりして嵌着することによって、シリンダー体(4)の前面開口部近傍の内周胴部と蓋体(7)の外周胴部の間に通気間隙部(8)を形成し、シリンダー体(4)の吸引孔(1)と空気配管(9)を介して連通する真空ポンプ等の吸引装置(10)を作動させることによって、シリンダー体(4)内部の空気を図1矢印にて示すように蓋体(7)の通気孔(6)、通気間隙部(8)および吸引孔(1)を介して吸引してシリンダー体(4)内部を減圧する。このようにシリンダー体(4)内部を減圧することによって、シリンダー体(4)の後端側に配置されていたピストン体(2)を吸引してシリンダー体(4)の前端側に自動的に摺動させ、一端部が容器保持部(5)に保持され、胴部がシリンダー体(4)内部に収納された容器(3)をピストン体(2)にて押圧して減容圧縮し、押しつぶすようにしてなることを特徴とするものである。
【0011】
なお、この出願の発明において、蓋体(7)の背面部に容器保持部(5)を設ける場合には、例えば、図1に例示したように、金属、合成樹脂等よりなる異径凹状の外蓋体(7a)の内側に、ゴム、軟質合成樹脂等の弾性材料よりなる異径筒状の内蓋体(7b)を嵌合、弾着し、外蓋体(7a)の外側に、金属、合成樹脂等よりなる異径筒状のセットリング(7c)およびセットリング蓋体(7d)を嵌着することによって、蓋体(7)を形成し、前記弾性材料よりなる内蓋体(7b)にて容器保持部(5)を形成した場合には、弾性材料の弾性作用によって、容器(3)を保持・離脱させることができ、即ち、容器(3)を保持する際には、容器保持部(5)を弾性材料の弾性作用によって、内方に変形させて容器(3)を把持して保持し、容器(3)を離脱させる際には、容器保持部(5)を弾性材料の弾性作用によって、外方に拡開させて容器(3)を離脱させることができるので、好適である。また、前記弾性材料よりなる内蓋体(7b)にて形成した容器保持部(5)の先端周縁部に、図2に例示したように、前述と同様の弾性材料よりなる変形自在な爪体(11)を所望個数突出形成して設けた場合には、爪体(11)、(11)、…にて容器(3)をさらに強固に把持して確実に保持することができるので、さらに好適である。さらに加うるに、前述のように蓋体(7)を、外蓋体(7a)、内蓋体(7b)、セットリング(7c)およびセットリング蓋体(7d)にて形成した場合には、前述の通り弾性作用を有する内蓋体(7b)にて容器(3)の保持機能を発揮させ、外蓋体(7a)にて蓋体(7)の強度・剛性機能を発揮させ、セットリング(7c)およびセットリング蓋体(7d)にて蓋体(7)とシリンダー体(4)との嵌着一体化機能を発揮させることができ、蓋体(7)としての諸機能を分担させて高めることができるので、好適である。
【0012】
また、蓋体(7)の周胴部に通気孔(6)を設ける場合には、例えば、図1および図3に例示したように、蓋体(7)を構成する外蓋体(7a)およびセットリング(7c)の異径胴部の全周にそれぞれ所望個数の通気孔(6)を形成し、シリンダー体(4)内部の空気を図1矢印にて示すように内蓋体(7b)の底面開口部より吸引し、さらに、前記通気孔(6)、(6)、………を経由して通気間隙部(8)および吸引孔(1)を介して吸引して排出するように設けた場合、即ち、容器保持部(5)〔内蓋体(7b)〕の底面開口部より吸引するように設けた場合には、前記吸引によってシリンダー体(4)内部を減圧した際に、容器保持部(5)に保持され、シリンダー体(4)内部に収納された容器(3)が減圧に耐えられずに自動的につぶれ始めると共に、シリンダー体(4)の後端側に配置されていたピストン体(2)をシリンダー体(4)の前端側に自動摺動させてつぶれ始めた容器(3)を減容圧縮して押しつぶすことができ、さらに、シリンダー体(4)内部の空気の吸引・排出も効率的、かつ、円滑に行うことができるので、好適である。
【0013】
また、シリンダー体(4)の吸引孔(1)と連通する吸引装置(10)を作動させてシリンダー体(4)内部の空気を吸引する場合には、例えば、図1に例示したように、シリンダー体(4)の吸引孔(1)と吸引装置(10)を連通する空気配管(9)の途中に流路切り替えを行う電磁弁(12)を配設し、必要に応じて電磁弁(12)を切り替えて吸引孔(1)と吸引装置(10)を連通させると共に、吸引装置(10)を作動させてシリンダー体(4)内部の空気を吸引すれば良い。また、図1に例示したように、必要に応じて電磁弁(12)を複数個配設し、押しつぶした容器(3)を取り出す際に、吸引装置(10)による減圧を停止し、他の所望の電磁弁(12)により流路を切り替えた後、吸引装置(10)を再作動させて空気を容器保持部(5)内に導入してシリンダー体(4)内部を大気圧とほぼ同等またはやや高めにすることによって、図1に示すようにシリンダー体(4)から蓋体(7)を取り外すと共に容器保持部(5)から容器(3)を離脱させて取り出すようにしても良い。また、容器保持部(5)から容器(3)を離脱させる場合には、前記のように、シリンダー体(4)内部を大気圧とほぼ同等またはやや高めにすることによって、シリンダー体(4)から蓋体(7)を取り外した後、蓋体(7)の容器保持部(5)から容器(3)を離脱させるか、シリンダー体(4)に蓋体(7)を嵌着した状態で蓋体(7)の容器保持部(5)から容器(3)を自動的に離脱させた後、シリンダー体(4)から蓋体(7)を取り外して容器(3)を取り出すかすれば良い。
【0014】
また、吸引装置(10)を作動させてシリンダー体(4)内部の空気を吸引してシリンダー体(4)内部を減圧することによって、シリンダー体(4)の前端側に自動摺動させたピストン体(2)を、容器(3)を押しつぶした後、図1に例示したように、初期位置であるシリンダー体(4)の後端側に戻す場合には、例えば、前述のように、蓋体(7)を取り外した後、ピストン体(2)をシリンダー体(4)の後端側に手動で押し戻したり、容器(3)を押しつぶした後、所望の電磁弁(12)により流路を切り替えて、吸引装置(10)を作動させてシリンダー体(4)内を加圧することによって、ピストン体(2)をシリンダー体(4)の後端側に自動的に押し戻したりすれば良い。その際、ピストン体(2)がシリンダー体(4)の後端側から飛び出さないようにするために、シリンダー体(4)の後端縁部に、内側に向かって縁状のストッパー片(13)を突設するのが好適である。かかるストッパー片(13)を突設することによって、ストッパー片(13)の内側に開口(14)を設け、開口(14)を介してシリンダー体(4)後端側からシリンダー体(4)内部への空気の流入および流出を行うことにより、シリンダー体(4)内でのピストン体(2)の自動摺動を円滑に行うことができる。
【0015】
また、図1に例示したように、容器保持部(5)またはピストン体(2)の一方または両方(図1においては、両方)に逃げ凹所(15)を設けた場合には、ノズル部が突出したスプレー缶のような容器(3)を容器保持部(5)に保持して押しつぶす時に、ノズル部を逃げ凹所(15)に挿入した状態で保持して押しつぶすことができる。従って、容器(3)を押しつぶす時に、ノズル部が押しつぶされるのを防止することができ、LPガス入りの殺虫剤やヘアースプレー、さらに、カセットボンベ等の容器(3)の内部に可燃性ガスが多少残存していてもノズル部が押しつぶされて可燃性ガスが室内に流出して火災を惹起したり、容器(3)が破裂して怪我をしたりするのを防止することができるので、好適である。
【0016】
また、この出願の発明の容器の減容圧縮装置は、後述するように小型で家庭用装置としての使用が可能であり、例えば、図1に例示したように、ワゴンやシステムキッチンのキャビネット等の箱体(16)の内部に収納、設置して使用することが可能である。
【0017】
また、図1において、(17)は、箱体(16)の前面開口部に起倒自在に装着した扉体であり、箱体(16)内部に収納、設置する容器の減容圧縮装置を使用する際に、扉体(17)を起倒して箱体(16)の前面開口部を閉口したり、開口したりして使用する。また、(18)は、箱体(16)の内部上方に配設して吸引装置(10)に電気的に接続された制御部、(19)は、箱体(16)の前面部上方に配設して制御部(18)に電気的に接続されたスイッチ部であり、スイッチ部(19)を操作することによって、制御部(18)を介して吸引装置(10)を作動させれば良い。また、(20)は、パッキンである。
【0018】
以上の通り、この出願の発明の容器の減容圧縮装置においては、前述の通り、吸引装置(10)を作動させてシリンダー体(4)内部の空気を、蓋体(7)の通気孔(6)、通気間隙部(8)および吸引孔(1)を介して吸引してシリンダー体(4)内部を減圧すると、容器保持部(5)に保持され、シリンダー体(4)内部に収納された容器(3)が自動的につぶれ始めると共に、つぶれ始めた容器(3)をピストン体(2)で減容圧縮して押しつぶすことができるため、従来の油圧プレス装置、ローラー圧縮装置等に比して、容器(3)を小さな力で簡単に減容圧縮して押しつぶすことができ、小型で家庭用装置としての使用が可能な容器の減容圧縮装置を提供することができる。
【0019】
この出願の発明の容器の減容圧縮装置においては、例えば、図1に例示したように、蓋体(7)が下方に、シリンダー体(4)の後端側が上方に位置するようにシリンダー体(4)を傾斜して配置し、シリンダー体(4)の吸引孔(1)を上側に設けた場合には、容器(3)内の残溜液が吸引孔(1)を通じて空気配管(9)等に吸い込まれて侵入するのを防止することができる。その際、容器(3)の残溜液は、通気孔(6)を経由して蓋体(7)の低部、または、通気間隙部(8)の低部に滞溜し、滞溜液は蓋体(7)を取り外して抜き取ったり、ふき取ったり、または、キャップ付の排水孔を設け、キャップを取り外して排水孔から抜き取ったりして除去すれば良い。
【0020】
図4は、この出願の発明の容器の減容圧縮装置の一実施形態における蓋体の一使用状態を例示し、(a)は容器を押しつぶした状態を例示した縦断面図、(b)は押しつぶした容器を取り出す状態を例示した縦断面図である。
【0021】
図4に例示したように、前述のこの出願の発明の容器の減容圧縮装置において、蓋体(7)の容器保持部(5)に保持して押しつぶした容器(3)〔図4(a)〕を押し出す〔図4(b)〕押し出し部(7e)を蓋体(7)に設け、押し出し部(7e)を前述のセットリング(7c)に沿って、図4(a)から図4(b)に例示したように摺動可能に形成した場合には、図4(a)に例示したように押しつぶした容器(3)を、図4(b)に例示したように押し出し部(7e)で押し出すことによって、容器(3)を容器保持部(5)から簡単に取り出すことができ、押しつぶした容器(3)を取り出すのに手間取ったり、容器(3)を取り出す時に、押しつぶした容器(3)で手を怪我したりするおそれがない。
【0022】
なお、図4においては、蓋体(7)に押し出し部(7e)を設けるに際して、蓋体(7)を構成する外蓋体(7a)及び内蓋体(7b)によって押し出し部(7e)を形成し、押し出し部(7e)の押し出しを円滑に行うために、セットリング(7c)の内周胴部を押し出し方向に向かって徐々に拡大した実施例を例示したが、蓋体に、押しつぶした容器を押し出すノックアウトピン等の押し出し機構を設けて押し出し部を形成しても良い。
【0023】
また、押しつぶした容器(3)を押し出し部(7e)で押し出す場合には、前述のように蓋体(7)をシリンダー体(4)から取り外した後、手動等で押し出し部(7e)を押し出したり、シリンダー体(4)に蓋体(7)を嵌着した状態で自動的、機械的に押し出し部(7e)を押し出しりすれば良い。
【0024】
もちろん、この出願の発明は、以上の実施形態によって限定されるものではなく、ピストン体、シリンダー体、容器保持部、蓋体、通気間隙部、吸引装置等の細部の形状、構造等については、様々な態様が可能であることはいうまでもない。
【0025】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、容器を小さな力で簡単に減容圧縮して押しつぶすことができ、小型で家庭用装置としての使用が可能な容器の減容圧縮装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の容器の減容圧縮装置の一実施形態を例示した縦断面図である。
【図2】同実施形態において使用せる蓋体の容器保持部の一実施例を例示し、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】同実施形態におけて使用せる蓋体を構成するセットリングを例示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
【図4】同実施形態における蓋体の一使用状態を例示し、(a)は容器を押しつぶした状態を例示した縦断面図、(b)は押しつぶした容器を取り出す状態を例示した縦断面図である。
【符号の説明】
1 吸引孔
2 ピストン体
3 容器
4 シリンダー体
5 容器保持部
6 通気孔
7 蓋体
7a 外蓋体
7b 内蓋体
7c セットリング
7d セットリング蓋体
7e 押し出し部
8 通気間隙部
9 空気配管
10 吸引装置
11 爪体
12 電磁弁
13 ストッパー片
14 開口
15 逃げ凹所
16 箱体
17 扉体
18 制御部
19 スイッチ部
20 パッキン

Claims (2)

  1. 前面開口部近傍の周胴部に吸引孔を設けると共に、内周胴部の長さ方向に沿って摺動するピストン体を内蔵し、かつ、容器の収納が可能なシリンダー体を形成し、さらに、背面部に容器保持部を設けると共に、周胴部に通気孔を設けて蓋体を形成し、前記シリンダー体の前面開口部に蓋体を嵌着してシリンダー体の内周胴部と蓋体の外周胴部の間に通気間隙部を形成し、シリンダー体の吸引孔と連通する吸引装置の作動によりシリンダー体内部の空気を、蓋体の通気孔、通気間隙部および吸引孔を介して吸引してシリンダー体内部を減圧することによって、シリンダー体の後端側に配置されていたピストン体をシリンダー体の前端側に自動摺動させ、容器保持部に保持され、シリンダー体内部に収納された容器を減容圧縮して押しつぶすようにしてなることを特徴とする容器の減容圧縮装置。
  2. 蓋体が下方に、シリンダー体の後端側が上方に位置するようにシリンダー体を傾斜して配置し、シリンダー体の吸引孔を上側に設けてなる請求項1記載の容器の減容圧縮装置。
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