JP4096057B2 - サンゴ幼生の着生・変態促進剤及びその製造方法 - Google Patents

サンゴ幼生の着生・変態促進剤及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、イシサンゴ類などのサンゴ幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性をもつという特異的な性質を有する新規なサンゴ幼生の着生・変態促進剤及びそ製造方法に関するものである。
これまでに海洋藻類に由来する幾つかのモルフォゲン(morphogen)が、海洋無脊椎動物例えばイシサンゴ類などのサンゴの浮遊幼生の着生あるいは変態を促進することが知られている。ここでモルフォゲンとは、動物の形質形成又は胚発生一般に影響する因子のことである。
例えば、紅藻類サンゴモ目(Corallinales)サンゴモ科(Corallinaceae)コブシイモ属(Hydrolithon)コブイシモ(Hydrolithon reinboldii)の粉末や紅藻類大型海藻スギノリ目(Gigartinales)イワノカワ科(Peyssonneliaceae)イワノカワ属(Peyssonnelia sp.)海藻の粉末に、イシサンゴ類(Scleractinians)ミドリイシ科(Acroporidae)サンゴの幼生の着生あるいは変態を促進する機能があることが見出されている(非特許文献1参照)。さらに、前者のコブイシモから抽出精製した低分子量硫酸化グリコサミノグリカン(分子量5〜10キロダルトン)に、イシサンゴ類(Scleractinians)ヒラフキサンゴ科(Agariciidae)アガリシア・フミリス属(Agaricia humilis)の幼生の着生促進あるいは変態促進活性があることも明らかになっている(非特許文献1参照)。
また、紅藻類サンゴモ目サンゴモ科コブシイモ属コブイシモから抽出精製した低分子量の硫酸化グリコサミノグリカン(分子量14,000ダルトン以下)に、前記のイシサンゴ類ヒラフキサンゴ科アガリシア・フミリス属の幼生の着生促進あるいは変態促進活性があることも明らかになっている(非特許文献2参照)。
しかし、コブイシモなどの紅藻類サンゴモ目海藻は、一般に紅藻類大型海藻よりも生長が遅く、そのためこれをタンク養殖などにより大量陸上培養することは困難であり、イシサンゴ類の幼生の着生あるいは変態促進活性を有する粉末モルフォゲンを大量に得ることができないという問題がある。すなわち、この問題は原料の海藻が生長の速い大型海藻でないことに由来するものである。
なお、ここにいうイシサンゴ類とは例えばミドリイシ科(Acroporidae)サンゴやヒラフキサンゴ科(Agariciidae)アガリシア・フミリス属(Agaricia humilis)などである。
一方、紅藻類スギノリ目イワノカワ科イワノカワ属海藻は、殻状紅藻の一種であり、岩の上などに全部又は部分的に付着している大型海藻である。殻状紅藻とは直立体を持たない扁平な紅藻の総称で、石や植物などの基質の表面に着生して生長する。しかし、大型海藻であっても、殻状紅藻イワノカワ属海藻のように岩の上に付着して生長する海藻は、直立体をもつ海藻、つまり直立して生長する海藻に比べて一般に生長が遅い。そのため、イワノカワ属海藻は大量陸上培養が困難であり、イシサンゴ類の幼生の着生あるいは変態促進活性物質すなわちモルフォゲンを大量に得ることができないという問題がある。すなわち、この問題は、原料のイワノカワ属海藻が大型海藻ではあるが直立体をもつ海藻ではないこと、つまり直立して速く生長する大型海藻ではないことに由来するものである。
さらにまた、コブイシモなどの紅藻類サンゴモ目海藻やイワノカワ属海藻などの殻状紅藻をタンクなどで陸上培養する場合には次のような問題点がある。
これら藻類は陸上培養においても、基質に付着して生長する。しかし陸上培養においては、海藻が付着した基質が他の生物などで汚染され、培養継続が困難になってしまうことがしばしば起こる。従って、このことからも生長に基質を必要とする紅藻類サンゴモ目海藻や殻状紅藻は陸上培養には不向きである。
ところで、一般に基質に付着せずにあるいは藻体のわずかな部分に相当する付着器でのみ基質に付着し、直立体で生長できる海藻は、陸上培養において容器が汚染された場合に、直立体もしくは直立体先端部を別の容器に移し替えることにより、培養の継続が可能であるという利点がある。従って、陸上培養においてはこのような直立体で生長する海藻が好ましい。
ここで単藻培養株とは、海洋藻類を処理し一種類の藻類にまで純化した藻類株のことであり、海洋藻類の室内培養等に利用されている。単藻類培養株の作成方法例としては、成熟した藻類から胞子を単離し、人工海水や滅菌した海水や人工海水中で培養して得る方法が挙げられる。前述の紅藻類サンゴモ目海藻や殻状紅藻はそれらの単藻培養株を作成することが難しい。従って、陸上培養においては単藻培養株作成が容易な海藻が好ましい。
また一般に天然の海洋藻類は、表面の着生植物(epiphyte)や内部植物性寄生体(endophyte)を多く含んでいる。これら着生植物や内部植物性寄生体は、陸上培養の継続を困難にし、海洋藻類由来モルフォゲンの精製工程においてその高純度化を妨げる場合がある。そこで成熟した天然海洋藻類から胞子を単離し、滅菌した海水や人工海水中で培養して得た単藻培養株を作成することによって、天然の海洋藻類に含まれていた着生植物や内部植物性寄生体の量を効果的に減らすことができる。従って、このことからも単藻培養株が好ましい。
一方において、ある種の紅藻類、例えばオゴノリ属に属する海藻から高活性赤血球凝集素が得られることが知られている(特許文献1参照)。赤血球凝集素は、各動物の赤血球に対し特異的な挙動を示すので、医療、製薬、生化学分野などにおける検査用試薬や分離用材料として広く用いられている。この赤血球凝集素は、動物由来のものと植物由来のものとに大別されるが、大量に入手しうること、処理しやすいことなどを考慮して、植物由来のものが実用上注目されている。
これまで、この植物由来の赤血球凝集素としては、陸上植物由来のものとしてタチナタマメからのコンカナバリンA(Con A)や小麦からの小麦胚芽レクチン(WGA)などや(非特許文献3参照)、海洋植物由来のものとしてオゴノリ(Gracilaria
verrucosa又はvermiculophylla)からのGVAI、カギイバラノリ(Hypnea japonica)からのHypnin A、B、C及びD(非特許文献4参照)などが知られている。
しかしながら、陸上植物由来のものは、凝集活性の高い標品は比較的容易に得ることができるが、単糖類や二糖類のような単純な糖によっても赤血球凝集素活性が阻害されるため、認識糖鎖選択性が低いという欠点があるし、また海洋植物由来のものは、単糖類や二糖類によって赤血球凝集素活性が阻害されず、フェツイン、アシアロフェツインのような糖タンパク質によって阻害されるため、認識糖鎖選択性が高いと考えられるが、凝集活性の高い標品を得ることが困難であるという欠点を有する上に、両者ともイオン強度の変化により凝集活性の制御を行うことができないという欠点をもっている。
また、一般に赤血球凝集素については100℃での熱処理によって、その糖鎖結合能力を喪失するという欠点がある。
このように、赤血球凝集素については、天然での役割として、共生への関与、病原微生物からの防御、糖タンパク質の輸送、リンパ球の移動制御、腫瘍の転移、分化と器官形成への関与、受精への関与など多くの役割が提案されてきた。
しかしながら、これらの赤血球凝集素がサンゴのような無脊椎動物幼生の着生や変態を促進する作用を有することは知られていない。
しかし、赤血球凝集素は一般にタンパク質が主成分であり、高温(約100℃)での熱処理や40〜50℃でも長時間放置をすると糖結合能力を失ってしまうため、投与に際して熱処理による滅菌を制限されるのを免れない。無脊椎動物の浮遊幼生を含んだ系へのモルフォゲン添加に関しては、微生物などの系への混入はできるだけ避けるべきであるので、添加するモルフォゲンは滅菌処理を行った後添加するのが好ましい。
特開平7−278004号公報(特許請求の範囲その他) 「バイオロジカル・ブレタン(Biol.Bull.)」,1996年,第191巻,p.149−154 「バイオロジカル・ブレタン(Biol.Bull.)」,1991年,第181巻,p.104−122 「ジャーナル・オブ・バクテリオロジー(J.Bacteriol.)」,1936年,第32巻,p.227−237 「ブレタン・オブ・ザ・ジャパニーズ・ソサエティ・オブ・サイエンティフィック・フィッシェリイズ(Bul.Jap.Soc.Sci.Fishe.)」,1981年,第47巻,p.1079−1084
本発明は、このような事情のもとで、大量陸上培養可能な紅藻類に由来し、赤血球凝集作用を有し、熱処理によってその糖結合性が消失せず、認識糖鎖選択性に優れる新規なモルフォゲン、特イシサンゴ類などのサンゴの幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性をもつという特異的な性質を有するモルフォゲン、及びその製造方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、植物由来、特に海洋植物由来の赤血球凝集素について、種々研究を行い、先に特定な条件下で抽出された分子量100,000以上の画分から、高い活性をもつ赤血球凝集素を得る方法を見出したが(特許文献1参照)、さらに研究を重ねた結果、このものがイシサンゴ類など無脊椎動物の幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性を示す物質、いわゆるモルフォゲンであることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)の塩類水溶液抽出物由来の分子量100,000以上の赤血球凝集素を有効成分としてなるサンゴの幼生の着生・変態促進剤、及びオゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)からの塩類を含む水溶液で抽出される抽出液に、先ず最終濃度30〜40質量%になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度70質量%程度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、沈殿として得られる粗活性成分画分を分取し、100℃、10分間の熱処理によって夾雑タンパク質を除去し、次いでゲルろ過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、サンゴ幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性を示す画分を捕集することを特徴とするサンゴ幼生の着生・変態促進剤の製造方法を提供するものである。
赤血球凝集素(タンパク質から成る赤血球凝集素は一般にレクチンと呼ばれる)は、糖鎖を特異的に認識し、結合する能力を有している。この性質は、サンゴの浮遊幼生を含んだ系に投与した場合、細胞表層糖鎖を認識し、細胞と結合できるため、糖鎖結合能力を持たないサンゴ幼生の着生・変態促進剤と比べて、細胞表層の糖鎖と結合して細胞表層に接近できるなどの理由で、より効果的にその機能を発揮することが期待される。
次に、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明のイシサンゴ類などのサンゴ幼生の着生・変態促進剤は、例えば、オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)からの塩類を含む水溶液で抽出される抽出液に、先ず最終濃度30〜40質量%になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度70質量%程度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、沈殿として得られる粗活性成分画分を分取し、100℃10分間の熱処理によって夾雑タンパク質を除去し、次いでゲルろ過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、イシサンゴ類などのサンゴの幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性を示す画分を捕集することによって得られる。
この際用いる塩類を含む水溶液としては、例えば生理食塩水、リン酸塩緩衝液、トリス塩酸緩衝液などがある。
この際用いる原料としてはオゴノリ属紅藻類が用いられるが、特にオゴノリ(Gracilaria verrucosa又はvermiculophylla)又はツルシラモ(Gracilaria chorda)好ましい。これらの紅藻類は、寒海にも存在するが特に暖海に多く、わが国ではほとんどすべての海岸地帯に分布しており、寒天の増量物や刺身のつまなどに用いられている。
オゴノリ属紅藻類は、付着器でのみ基質に付着し直立体で生長できる大型海藻である。このものは、基質がなくても生長する特徴も有しており、タンク養殖などの大量陸上培養に適する海藻である。
なお、海藻の分類は、[吉田忠生,「新日本海藻誌」,内田老鶴圃,1998年]によった。
この際用いるオゴノリ属紅藻類の海藻原料としては、天然に生育している海藻でもよいが、単藻培養株を用いるのが好ましい。
本発明のイシサンゴ類などのサンゴの幼生の着生・変態促進剤の製造を好適に行うには、上記の紅藻類原料に(イ)水溶性画分の抽出工程、(ロ)粗活性成分画分の分取工程、及び(ハ)所望する画分の精製工程を順次施す。
前記各工程の好適な実施態様について説明すると、まず(イ)の抽出工程においては、原料の紅藻類に塩類を含む水溶液、例えば塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液を加えてホモゲナイズしたのち、遠心分離処理し、上澄である粗抽出液を得る。
次に(ロ)の分取工程においては、前記(イ)の抽出工程で得られた粗抽出液に、まず最終濃度が30〜40質量%程度の飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを加えて1段目の塩析を行い、生成した沈殿を遠心分離処理により除去する。この操作で色素などの夾雑物が沈殿画分として除去される。次いで、遠心分離処理で得た上澄に最終濃度70質量%程度の飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを加えて2段目の塩析を行い、生成した沈殿を遠心分離処理により分別したのち、この沈殿画分を塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液などの緩衝液で再溶解して粗活性成分画分を得る。
次いで、(ハ)の精製工程においては、前記(ロ)の分取工程で得られた粗活性成分画分を、塩化ナトリウム含有リン酸緩衝液などの緩衝液に対して透析後、100℃10分間熱処理し沈殿した夾雑タンパク質を除去した後、ゲルろ過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、精製を得る。この際、最終段階で使用するクロマトグラフィーとしては、イオン交換クロマトグラフィー又はゲルろ過クロマトグラフィー又は疎水性相互作用クロマトグラフィーあるいはそれらの組合せが好ましく用いられる。
ここでいう、分子量100,000以上の画分とは、ゲルろ過クロマトグラフィーにおいて、球状タンパク質を標準分子量物質として用いて、溶出画分の分子量を算出した結果が100,000以上の分子量に当たる画分をいう。
操作の一例を以下に述べるが、本発明はこれらの例のよってなんら限定されるものではない。
赤血球凝集作用を有し、イシサンゴ類などのサンゴの幼生の着生・変態促進能をもつ精製品の0.1mlをTSKゲルG3000PWXLカラムに添加しゲルろ過クロマトグラフィーを行い、ゲルろ過クロマトグラフィーカラムから0.1mlずつ溶出画分を集めた。標準分子量物質として、チログロブリン(分子量669,000)、フェリチン(分子量440,000)、ウシ血清アルブミン(分子量67,000)、オボアルブミン(分子量43,000)をアマシャムバイオサイエンス社から購入して使用した。その結果、赤血球凝集作用とサンゴ幼生の着生・変態促進活性をもつ画分を示す凝集活性を有するピークの頂点は分子量564,000に相当した。
このゲルろ過クロマトグラフィーにおける溶出体積と凝集活性及び質量平均分子量の関係をグラフとして図1に示す。図中●印は溶出画分原液、○印は10倍希釈液の活性を示す。
このようにして得られる画分は、新規物質で(a)プロナーゼ処理したヒツジ赤血球を凝集させる性質を有し、かつこの凝集活性が単純な単糖類又は二糖類では阻害されないが、フェツインやアシアロフェツインのような糖タンパク質で阻害され、(b)ウサギ赤血球に対する凝集活性がイオン強度により変化し、(c)球状タンパク質を標準分子量物質として使用したときのゲルろ過クロマトグラフィーにおいて、分子量100,000以上に相当する画分に溶出し、(d)イシサンゴ類などのサンゴの幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性をもち、(e)100℃10分間の熱処理後も糖鎖結合活性を有するということによって特徴付けられる。
本発明のサンゴ幼生の着生・変態促進剤について、イシサンゴの幼生を例にしてその使用方法を以下に説明する。
先ず、イシサンゴの他家受精幼生をろ過滅菌海水入り容器内で約20〜35℃、好ましくは23〜28℃の温度で約1時間〜30日間、好ましくは約2時間〜15日間維持・保存する。次に、約20〜35℃、好ましくは23〜28℃のろ過滅菌海水を満たした別の容器(好ましくは約1〜10リットル)に幼生を入れる。幼生の個体数は10〜1000個/リットル程度とするのが幼生の生存率や変態率を高く維持できるので好ましい。さらに次に本発明のサンゴ幼生の着生・変態促進剤を、濃度0.001〜1,000,000mg/リットル、好ましくは1〜1000mg/リットルになるように添加したのち、前記温度範囲で約1時間〜30日間、好ましくは2時間〜15日間静置して着生と変態を行わせる。
着生させるための基材(基質)としては、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック類や、硬質ガラス、普通ガラス、表面処理を施したガラスなどのガラス類や、多孔質セラミックス、金属、木材などを用いることができる。また、基材の形状は容器そのものが着生基材となるものでもよく、また容器内に置き又運搬しやすくした形状の板状体、すのこ状体、ブロック体などでもよい。
幼生が着生した基材は、これを用いてさらに大きく培養し、有用なサンゴ資源とすることができる。また、この基材をテトラポットや漁礁に静置してサンゴ等の無脊椎動物を増やして魚類、貝類、海藻などの育成・増産に用いることができる。さらには、疲弊したサンゴ礁に静置することによりその回復と環境の保全を図ることができる。
本発明のイシサンゴ類などのサンゴの幼生の着生・変態促進剤は、大量陸上培養可能な紅藻類由来の新規なものであって、赤血球凝集作用を有し、イオン強度によりその凝集活性が制御でき、認識糖鎖選択性に優れ、イシサンゴ類など幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性を有する。
また、本発明のサンゴ幼生の着生・変態促進剤は、100℃10分間の熱処理後も糖結合活性を有し、耐熱性に優れている。そのため、長期にわたり安定したその活性を提供できる。
次に、実施例により、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
(イ)水溶性画分の抽出工程
ツルシラモ(徳島県吉野川河口域産)を0.15M塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、天日乾燥して乾燥物を得た。この乾燥物100gに0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)700mlを加えてホモゲナイズしたのち、このホモゲナイズした液を4℃で6時間放置後、遠心分離して上澄である粗抽出液を得た。
(ロ)粗活性成分画分の分別工程
次いで、この粗抽出液に、最終濃度35質量%飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを加えて1段目の塩析を行った。硫酸アンモニウムを添加終了後、4℃で1時間放置したのち、生成した沈殿を遠心分離して除去した。この操作で色素などの夾雑物が沈殿画分として除去された。次に、遠心分離で得た上澄に、最終濃度70質量%飽和溶液になるように硫酸アンモニウムを添加終了後、4℃で一晩放置したのち、生成した沈殿を遠心分離して分別した。分別した沈殿画分を、0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)で再溶解し、粗活性成分画分を得た。
得られた粗活性成分画分のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は256単位であり、比活性は3372.9単位/mgプロテイン、活性回収率は62.4%であった。ここで、凝集活性の単位は、凝集活性が検出できる試料の最大希釈率の逆数と定義した。これらの結果を表2に示す。
(ハ)活性成分の精製工程
次に、このようにして得られた粗活性成分画分を、0.15M塩化ナトリウム含有100mMリン酸緩衝液(pH6.9)に対して透析後、100℃10分間熱処理後、遠心分離し不溶性の夾雑タンパク質を除去後、ゲルろ過クロマトグラフィーで分子量100,000以上の画分を分画し、TSKgelDEAE−5PWを用いたイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、精製品を得た。
得られた精製品のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性を示す最小タンパク質濃度は0.8763μg/mlであった。
以上の結果から、本発明方法によると、紅藻類由来の分子量100,000以上の画分が、その赤血球凝集活性を保持したまま効果的に得られることが分かる。
精製品について、さらにウサギ赤血球に対する凝集活性のイオン強度依存性を検討したところ、0.15M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は2048単位であり、一方0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性は8単位であった。これらの結果を表3に示す。
精製品を100℃10分間の熱処理を行った後での凝集活性は2048単位であり、熱処理による凝集活性の消失は起こらなかった。赤血球凝集素の凝集活性は、赤血球凝集素の糖結合活性の指標の一つである。
次に、精製品についてイシサンゴ類(scleractinians)ミドリイシ科(Acroporidae)クシハダミドリイシ(Acropora hyacinthus)の幼生に対する変態促進活性を測定した。
クシハダミドリイシなどミドリイシ科サンゴの多くは雌雄同体・配偶子放出型の繁殖生態である。これらのサンゴは、精子と浮力をもつ複数の卵が一つに包み込まれたバンドル(egg−spermbundle)を一斉に放出する。クシハダミドリイシのバンドル(egg−spermbundle)採取と受精は以下のように行った。成熟したクシハダミドリイシ4群体を高知県横浪半島沖太平洋水深5〜10mの間で採取した。実験室冷暗所に設置した水槽内でクシハダミドリイシが卵放出しそうになるまで保存した。次いで、クシハダミドリイシを1群体毎に個別の水槽(ろ過滅菌海水が入ったもの)に分けた。ろ過滅菌海水は、1μmのグラスフィルターで一次ろ過した海水を、0.22μmのミリポアフィルターで精密ろ過して調製した。放卵(バンドルの放出)が始まると、1群体から放出された配偶子をそれぞれ回収し、ろ過滅菌海水中へ添加した。卵と精子を別の容器(ろ過滅菌海水を入れたもの)に移し、他の群体から分別された卵あるいは精子で他家受精した。得られたクシハダミドリイシの幼生(幼生又はプラヌラ幼生ともいう)をろ過滅菌海水の入った容器内で25℃で保存した。
クシハダミドリイシの幼生を8日間25℃で維持した後、10mlのろ過滅菌海水を入れた20ml容量のポリスチレン製カップに10個体の幼生を入れ静置し、72時間後のイシサンゴ幼生の変態数を数した。
ここでいう変態とは、「イシサンゴ幼生が基層に着生し、放射状の骨格形成(隔壁形成)を行うステージ(シングルポリプステージともいう)に至ったこと」を意味する。
ろ過滅菌海水として、(1)ろ過滅菌海水10mlのみ、(2)精製品1mlをろ過滅菌海水9ミリリットルと混合したもの(活性成分濃度:100mg/リットル)、(3)コンカナバリンA[和光純薬社製]1mgをろ過滅菌海水10mlに溶解したもの、(4)褐藻類懸濁液1mlをろ過滅菌海水9mlと混合したもの、以上の4種類を用いて実験した。実験点数は2とした。
褐藻類粉末懸濁液は以下のように調製した。高知県横浪半島沖太平洋水深5〜10mの間で採取した褐藻類アミジグサ目(Dictyotales)アミジグサ科(Dictyotaceae)ハイオオギ属(Lobophora)ハイオオギ(Lobophora variegata)をろ過滅菌海水で3回洗浄し、ろ紙上で軽く水分を除いた。このハイオオギ湿質量1gをとり、ろ過滅菌海水10mlを加えて乳鉢と乳棒を用いて4℃で粉砕し、褐藻類粉末懸濁液を得た。
結果を表1に示す。
Figure 0004096057
表1より明らかなように、精製品は、イシサンゴ幼生の変態を促進する活性を有していることが分かる。また、ろ過滅菌海水、コンカナバリンA、褐藻類懸濁液にはイシサンゴ幼生変態を促進する活性が検出されなかったことが分かる。
比較例1
実施例1の(ロ)の粗活性成分画分の分別工程において、硫酸アンモニウム添加による2段階の塩析による分別処理の代わりに、50質量%エタノールによる分別処理[「フィトケミストリー(Phytochemistry)」,1988年,第27巻,p.2063−2067参照]を行った以外は、実施例1と同様にして粗活性成分画分を得た。この粗活性成分画分のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性は4単位、比活性は53.4単位/mgプロテイン、活性回収率は5.0%であつた。これらの結果を表2に示す。
比較例2
[「Comp.Biochem.Phisiol.」,1992年,第102B巻,p.445−449]に記載されている方法に従って、紅藻類由来の粗活性成分画分を得た。得られた粗活性成分画分の赤血球凝集活性は16単位、比活性は149.5単位/mgプロテイン、活性回収率は19.5%であった。これらの結果を表2に示す。また、精製品のウサギ赤血球に対する赤血球凝集活性を示す最小タンパク質濃度は32.6μg/mlであり、実施例1の約1/40の比活性に相当した。
Figure 0004096057
注1)凝集活性は粗活性成分画分を連続希釈し、凝集活性を示す最大希釈率から算出した。
注2)活性回収率は粗抽出液全量の凝集活性を100%として算出した。
比較例3
紅藻類から[「Comp.Biochem.Physiol.」,1992年,第102B巻,p.445−449]記載の方法に従って精製した分子量50,000の凝集素について、ウサギ赤血球に対する凝集活性のイオン濃度依存性を検討した。0.15M塩化ナトリウム濃度及び0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性はともに1024単位であり、凝集活性のイオン強度依存性は見られなかった。これらの結果を表3に示す。
比較例4
Con A[和光純薬社製]25mgをリン酸緩衝液100mlに溶解し、ウサギ赤血球凝集活性のイオン濃度依存性を検討した。0.15M塩化ナトリウム濃度及び0.4M塩化ナトリウム濃度での凝集活性はともに64単位であり、凝集活性のイオン強度依存性は見られなかった。これらの結果を表3に示す。
Figure 0004096057
注1)凝集活性は精製凝集素を連続希釈し、凝集活性を示す最大希釈率から算出した。
Con Aを100℃10分間の熱処理を行った後での凝集活性は検出されず、熱処理により凝集活性の消失が起こった。
表2から明らかなように、実施例の粗活性成分画分は、比較例1及び2のものに比べて、凝集活性、比活性、活性回収率がともに高く、活性回収率は比較例1の約12倍、比較例2の約3倍、比活性は比較例1の約63倍、比較例2の約23倍である。また、表3から実施例の精製凝集素は比較例3及び4のものと異なり、ウサギ赤血球に対する凝集活性がイオン強度により制御されることが分かる。
本発明のサンゴ幼生の着生・変態促進剤は、水産分野、臨床分野、医療分野、生化学工業分野などにおいて、例えばイシサンゴ類幼生着生促進剤、イシサンゴ類幼生変態促進剤、イシサンゴ類種保存剤、サンゴ礁保存剤、検査用試薬や分離材料などとして使用することができる。
また、耐熱性があるため、前記製品に限らず、医薬品、食品、化粧品など様々な製品に添加して使用できる。
ゲルろ過クロマトグラフィーにおける溶出体積と凝集活性及び質量平均分子量の関係を示すグラフ。

Claims (3)

  1. オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)の塩類水溶液抽出物由来の分子量100,000以上の赤血球凝集素を有効成分としてなるサンゴ幼生の着生・変態促進剤
  2. オゴノリ属紅藻類がオゴノリ(Gracilaria verrucosa又はvermiculophylla)又はツルシラモ(Gracilaria chorda)ある請求項1に記載のサンゴ幼生の着生・変態促進剤
  3. オゴノリ属紅藻類(Gracilaria sp.)からの塩類を含む水溶液で抽出される抽出液に、先ず最終濃度30〜40質量%になるまで硫酸アンモニウムを加えて第1段目の塩析を行い、沈殿した夾雑物を除去したのち、さらにその抽出液に最終濃度70質量%程度になるまで硫酸アンモニウムを加えて第2段目の塩析を行い、沈殿として得られる粗活性成分画分を分取し、100℃、10分間の熱処理によって夾雑タンパク質を除去し、次いでゲルろ過クロマトグラフィーにより分子量100,000以上の画分を分画し、さらにクロマトグラフィーにより成分を分離し、サンゴ幼生に対する着生促進あるいは変態促進などの活性を示す画分を捕集することを特徴とするサンゴ幼生の着生・変態促進剤の製造方法。
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