JP4095838B2 - ベニヤ単板の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベニヤ単板(以下、単に単板と称す)の処理方法及び処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、繊維方向と直交方向の幅が定尺に満たない短尺の単板同士を能率良く接合処理するには、各単板を、繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させると共に、各単板の上下(上面・下面)少なくともいずれか片面へ、適宜の接着資材を供給し、接合端縁が中に含まれるように(換言すると、接合端縁と交差するように)止着させ接合するのが好適であって、該接着資材としては、例えば熱硬化性接着剤・熱可塑性接着剤等の公知の接着剤をそのまま直接用いる外に、例えば糸・繊維等の線材又は紙テープ等の適宜の基材に、所望の接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸・接着テープ等の接着材も多用されており、更に早期に安定した接合を終了する為には、供給した接着資材に速やかに接着促進作用を付与して、例えば感圧性接着剤・再湿性接着剤を主体とする接着資材については、加圧作用又は加圧及び加熱作用を、また例えば熱硬化性接着剤を主体とする接着資材については、加熱作用又は加圧及び加熱作用を、更に例えば熱可塑性接着剤を主体とする接着資材については、冷却作用又は加圧及び冷却作用を、夫々接着促進作用として付与して、逸速く接着機能を発揮させることが肝要であるとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接着資材の止着形態であるが、例えば図23に例示する如く、接合すべき単板Tの上下少なくともいずれか片面へ、搬送方向fと並行状に接着資材(図23の例は有孔接着テープSa)を細長く連続的に止着する形態の場合は、接合端縁Teとは別の弱点、例えば単板Tに内在する割れW・過熟部位(図示省略)等の弱点をも併せて補修できる長所を有する反面、比較的多量の接着資材を使用するので、接合コストが割高となるにも拘わらず、肝心の接合端縁Teの接合強度が然程強固でなく、而も使用した多量の接着資材が、接合処理した単板を合板・LVL等に成形する際の接着や、或は廃棄した合板・LVL等を木片状に分解する際の分離性等に悪影響を及ぼす虞が多くなる短所を有する。
【0004】
それに対して、例えば図24・図25・図26に例示する如く、接合すべき単板Tの接合端縁Teを中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ(少なくとも約30cm程度の間隔毎に一箇所、好ましくは約20cm程度の間隔毎に一箇所、より好ましくは約15cm程度の間隔毎に一箇所)重点的に接着資材(図24の例は接着テープSb、図25の例は接着糸Sc、図26の例は接着剤Sd)を止着する形態の場合は、比較的少量の接着資材の使用によって、接合端縁Teの強固な接合が可能となるので、接合コストの低減化が図り得ると共に、使用した接着資材が、接合処理した単板を合板等に成形する際の接着や、或は廃棄した合板等を木片状に分解する際の分離性等に悪影響を及ぼす虞も殆どなく、前記接着資材を連続的に止着する形態に比べれば、概して実用性に富む形態ではあるが、単板Tに内在する割れWは無処置のまま残るから、接合処理した単板の取扱い性が些か劣悪である短所を有する。
【0005】
そこで、前記両形態の短所を補充する止着形態として、例えば図27に例示する如く、接合すべき単板Tの上下少なくともいずれか片面の左右(便宜上、搬送方向fに倣って右手側を右側と称す)少なくともいずれか片側(図27の例は両側)の端部付近へ、接着資材(図27に図示した接着糸Scの外に、有孔接着テープSa・接着テープSb等)を連続的に止着すると共に、接合すべき単板Tの接合端縁Teを中に含めた上下少なくともいずれか片面の中央部の狭小範囲の適数箇所ヘ、接着資材(図27に図示した接着糸Scの外に、接着テープSb・接着剤Sd等)を併せて止着する形態も提案されているが、補修を要する割れが内在するのは一部の単板であるから、連続的に止着する接着資材の大半は無駄であって、接合コストの低減を阻害すると共に、接合処理した単板を合板等に成形する際の接着や、或は廃棄した合板等を木片状に分解する際の分離性等に悪影響を及ぼす虞は、依然として残るので、必ずしも良好な止着形態であるとは言えなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記従来の処理方法の欠点を解消すべく開発したものであって、具体的には、単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させると共に、各単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ、接着資材を自動的に(規則的に)一斉に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、単板を順次接合処理する際に、各単板の左右少なくともいずれか片側に内在する割れの基端部分付近を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の少なくとも一箇所へも、接合端縁を接合する場合に準じて接着資材を自動的に(規則的に)供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、前記割れの補修をも併せて行うことを特徴とする単板の処理方法(請求項1)と、割れの補修に際しては、前記多数箇所の全てに接着資材を自動的に(規則的に)供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載の単板の処理方法(請求項2)と、割れの補修に際しては、前記多数箇所の内の、割れの基端部分が有る左右少なくともいずれか片側の約半数箇所に限定して、接着資材を自動的に(規則的に)供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載の単板の処理方法(請求項3)と、割れの補修に際しては、前記多数箇所の内の、割れの基端部分が有る左右少なくともいずれか片端寄りの少数箇所に限定して、接着資材を自動的に(規則的に)供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載の単板の処理方法(請求項4)とを提案する。
【0007】
そして、前記請求項1及び2に係る処理方法の実施に用いる処理装置として、単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所に対して、一斉に接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えた単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とする単板の処理装置(請求項5)を提案する。
【0008】
また、前記請求項1及び3に係る処理方法の実施に用いる処理装置として、単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所に対して、左右の約半数箇所毎に二分して接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記多数箇所の全てへ一斉に接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えた単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、割れの基端部分が有る片側の約半数箇所のみへ接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とする単板の処理装置(請求項6)を提案する。
【0009】
更に、前記請求項1及び4に係る処理方法の実施に用いる処理装置として、単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ、左右少なくともいずれか片側の少数箇所と中央の適数箇所とに二分又は三分して接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記多数箇所の全てへ一斉に接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えた単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、割れの基端部分が有る片側寄りの少数箇所のみへ接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とする単板の処理装置(請求項7)を提案する。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を図面に例示した実施の一例に基づいて更に詳述すると、本発明に係る単板の処理方法は、例えば図1・図2・図3・図4等に例示する如く、単板Tを繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板Tと後続単板Tの接合端縁Teを密に接近させると共に、各単板Tの接合端縁Teを中に含めた(好ましくは、接合端縁Teを真中に含めた)上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ、接着資材(図1及び図2の例は接着テープSb、図3の例は接着糸Sc、図4の例は接着剤Sd)を自動的に(規則的に)一斉に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、単板Tを順次接合処理する際に、各単板Tの左右少なくともいずれか片側に内在する割れWの基端部分付近を中に含めた(好ましくは、基端部分付近を真中に含めた)上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の少なくとも一箇所へも、接合端縁Teを接合する場合に準じて接着資材(接着テープSb・接着糸Sc・接着剤Sd等)を自動的に(規則的に)供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、前記割れWの補修をも併せて行うことを特徴とするものである。
【0011】
前記処理方法によれば、接合端縁を接合処理するついでに、割れの補修をも併せて行うものであるから、従来の接合端縁のみを重点的に接合処理する場合に比べて、処理した単板の取扱い性を格段に向上させることができると共に、補修処理の対象となるのは、割れが内在する単板に限られるので、従来の左右少なくともいずれか片側へ接着資材を連続的に止着する形態と比べても、遥かに少ない接合コストを以って、割れを補修することができ、総じて従来よりも実用性に優れる処理を行うことが可能となる。
【0012】
ここで、割れの補修に際する接着資材の供給態様について更に詳述すると、最も単純な態様としては、例えば図1に於て、概ね割れWに沿って実線と点線とで示す如く、接合端縁Teを接合処理する場合と全く同様に、多数箇所の全てに接着資材を自動的に(規則的に)供給する態様が挙げられ、斯様な態様によると、後に詳述する如く、本発明に係る処理方法の実施に用いる処理装置の構造が最も簡単で済む利点はあるが、反面、割れWは必ずしも接合端縁Teと平行状には延在していないことや、割れの末端部分Wfに至る長さが繊維方向の長さの半分を越える例は少数であることなどから、少なくとも割れの基端部分Wnが無い片側の約半数箇所の接着資材(例えば図1に於て点線で示した接着テープSb)は、割れWの補修に殆ど役立たず、実質的に無駄になるのが難点である。
【0013】
そこで、他の態様として、例えば図3に例示する如く(及び図1於て、概ね割れWに沿って実線で示す如く)、割れの基端部分Wnが有る左右いずれか片側の約半数箇所(奇数箇所の真中は、左右いずれか片側に含める)に限定して、接着資材を自動的に(規則的に)供給する態様と、或は例えば図2・図4に例示する如く、割れの基端部分Wnが有る左右いずれか片端寄りの少数箇所(図2は右側一箇所、図4は左右共二箇所であるが、実用的には左右夫々一〜三箇所で差支えない)に限定して、接着資材を自動的に(規則的に)供給する態様とを別途に提案するものであり、いずれも、実施に用いる処理装置の構造を然程複雑化することなく、接合資材の無駄を少なくして、単板の取扱い性に悪影響を及ぼし易い割れの基端部分付近を限定的に補修処理することができるので、一段と実用的な接着資材の供給態様であると言える。
【0014】
尚、斯様な割れの補修は、図3・図4に例示する如く、左右両側共に差別なく施すのが好ましいが、必ずしも限定するものではなく、一枚の単板の左右両側に補修を要する割れが内在する例は比較的少数であり、例えば単板を繊維方向と直交方向へ搬送する際に、補修を要する割れを搬送方向の左右いずれか片側に集中させて搬送するようにすれば、割れを集中させた片側のみに限定して補修を施しても、実用的に著しく支障ない程度に、処理した単板の取扱い性を向上させることは可能であるから、必要に応じては、左右いずれか片側にある割れのみを対象として、接合資材による補修を施すようにしても差し支えない。
【0015】
また、接合処理と補修処理とは必ずしも同一面に限るものではなく、例えば接合処理と補修処理を別々の面に施したり、或は例えば一方の処理を両面に施し、他方の処理を片面に施すなど、適宜の態様で実施して差し支えない。
【0016】
次に、前記各処理方法の実施に用いる処理装置について詳述すると、本発明に係る単板の処理方法の実施(本来的には請求項1及び2に係る処理方法の実施)に用いる処理装置の実例の概略側面説明図である図5、及び図5に例示した処理装置に備えた割れ検出機構の斜視説明図である図6於て、1・1aは、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構Aの一部を構成する搬送部材として備えた、上下一対の搬送コンベヤであり、後述する接合用の制御機構12又は補修用の制御機構15の制御によって、クラッチ&ブレーキユニット付電動機・サーボモータ等から成る適宜の駆動源2を介して、間欠的に図示矢印方向へ走行せしめられ、単板Tを接合すべき接合端縁Teと直交方向へ搬送する。
【0017】
3は、単板搬送機構Aの他の一部を構成する制動部材として、前記搬送コンベヤ1・1aの搬送方向下手側に適数条備えた、上下対称状の制動バーであり、搬送コンベヤ1・1aを介して順次搬入される単板Tに制動力を付与する。因に、図5に例示した単板搬送機構Aの端縁接近位置は、搬送コンベヤ1・1aの搬送力が単板Tに作用しなくなる位置、つまり、線Uで示した位置である。
【0018】
4は、接合端縁の検出機構を構成する検出部材として、単板搬送機構Aの端縁接近位置Uの搬送方向上手側に備えた、光電管・リミットスイッチ等から成る端縁検出器であり、接合すべき単板Tの接合端縁Teが、単板搬送機構Aの端縁接近位置Uに到来することを検出して、後述する接合用の制御機構12に端縁検出信号を発信する。
【0019】
5は、テープ押えロール6と対向して、接着資材供給機構Bの接着材供給器の一部を構成するテープ繰り出しロールであり、後述する接合用の制御機構12又は補修用の制御機構15の制御によって、接合すべき単板Tの接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが、単板搬送機構Aの端縁接近位置Uから適宜距離Xだけ離れた搬送方向下手側に設定された接着資材供給位置、即ち線Zで示した位置に至る都度、多数個の接着テープリールSbRから接着テープSbを所望長さ繰り出し、接着材供給器の他の一部を構成するテープガイド8を介して、接合すべき単板Tの接合端縁Te又は少なくとも割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所に臨む位置へ一斉に供給すると共に、後述する接着促進部材9によって接着テープSbが単板Tに圧接されている間に、各接着テープSbを若干繰り戻すように、減速機付電動機・サーボモータ等の適宜の駆動源7を介して回動せしめられ、各接着テープSbの断続的な繰り出しと切断とを行う。
【0020】
9は、前記接着資材供給機構Bの接着材供給器が供給する接着テープSbの性質に応じた接着促進機能を具備して、接着促進機構Kの一部を構成する接着促進部材であり、接着促進機構Kの他の一部を構成する支持部材10と対向状に、而も実線と点線とで示す如く、夫々が単板Tに対して同期的に当接及び離隔するよう備えられており、後述する接合用の制御機構12又は補修用の制御機構15の制御によって、接合すべき単板Tの接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが、単板搬送機構Aの端縁接近位置Uから適宜距離Xだけ離れた搬送方向下手側に設定された接着促進位置、即ち、線Zで示した位置(本例に於ては、接着資材供給位置と接着促進位置とが同じである)に至る都度、流体シリンダー・クランク・カム等から成る作動部材11の作動を得て、接着テープSbに接着機能を発揮させるに足る期間だけ、単板T(接着促進部材9は接着テープSbを介して)に当接し、接着テープSbに接着促進作用を付与する。
【0021】
12は、接合用の制御機構であって、前記端縁検出器4の端縁検出信号に基づき、搬送コンベヤの駆動源2に付設したロータリエンコダー等から成る回転計測器2aの計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、接合すべき単板Tの接合端縁Teが、線Zで示した接着資材供給位置(接着促進位置でもある)に至る都度、単板Tの搬送を一時的に休止するよう、搬送コンベヤ1・1aの作動を一時停止させると共に、少なくとも該一時停止の直後までには(好ましくは、その前までに、より好ましくは、その直前に)、多数個の接着テープリールSbRから接着テープSbを所望長さ繰り出し、接合すべき単板Tの接合端縁Teを中に含めた狭小範囲の多数箇所に臨む位置へ一斉に供給するよう、接着資材供給機構Bを作動させ、次いで接着テープSbに所望期間だけ接着促進作用を付与するよう、接着促進機構Kを作動させると共に、該期間が完了する迄には、各接着テープSbを若干繰り戻して、接着促進部材9の後端角の位置に於て接着テープSbを切断するよう、接着資材供給機構Bを作動させ、更に前記期間が完了した後は、搬送コンベヤ1・1aの作動を再開するよう制御する。
【0022】
13は、割れ検出機構Jの一部を構成する単板押えロールであり、単板Tの繊維方向の右側(搬送方向fの右手側)の端部が本来の搬送経路から外れる位置を通過するよう、外周部が単板搬送機構Aによって形成される搬送経路を遮る位置へ遊転自在に備えられており、通過する単板Tの繊維方向の端部を押え込む。
【0023】
14は、前記単板押えロール13のやや搬送方向上手側の搬送経路の側方に備えられた、割れ検出機構Jの他の一部を構成する反射型光電管から成る端面検出器であり、単板Tの繊維方向の端面が本来の搬送経路の位置を通過する場合に限って、後述する補修用の制御機構15へ端面検出信号を発信する。
【0024】
15は、補修用の制御機構であり、前記端面検出器14からの端面検出信号に基づき、前記回転計測器2aの計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、接合すべき単板Tが有する割れの基端部分Wnが、線Zで示した接着資材供給位置(接着促進位置でもある)に至る都度、前記接合用の制御機構12の制御に準じて、搬送コンベヤ1・1a、接着資材供給機構B、接着促進機構K等の作動を制御する。
【0025】
尚、図5に例示した処理装置の単板搬送機構Aは、従来公知(特公昭46−40560号公報参照)のものであるが、該単板搬送機構Aに類似する単板搬送機構としては、前記単板搬送機構Aに於ける摺動式の制動バー3に代えて、例えば図10に例示する如く、ロール状の移送回転体16の多数を適当間隔に軸装した回転式の制動杆17を、制動部材として備えた単板搬送機構A1や、或は例えば図11に例示する如く、ロール・チェーンホイール等の回転体18aにベルト・チェーン等の無端帯18bを張架して成る移送回転体18の多数を適当間隔に軸装した回動式の制動杆19を、制動部材として備えた単板搬送機構A2等が代表的な公知(特公昭41−1588号公報参照)の設計変更例として挙げられ、摺動式に比べてより円滑な接合端縁の接近を図ることができる。
【0026】
例えば前記の如き構成で成る処理装置によれば、接合すべき単板Tが搬送コンベヤ1・1aを介して順次搬入されると、端縁接近位置Uに於て先行単板Tの後端の接合端縁Teと後続単板の前端の接合端縁Teとが密に接近せしめられ、次いで該接合端縁Teが接着資材供給位置Zに至ると、接合用の制御機構12が、端縁検出器4の端縁検出信号に基づいて、搬送コンベヤ1・1a、接着資材供給機構B、接着促進機構K等の作動を先述の如く制御するので、図1に例示する如く、接合端縁Teを中に含めた狭小範囲の多数箇所へ接着テープSbが貼着され、接合端縁Teが接合処理される。
【0027】
そして而も、接合すべき単板Tに割れWが存在しなければ、図6に於て点線で示す如く、割れ検出機構Jの単板押えロール13が単板Tの繊維方向の端部を押え込み、単板Tの繊維方向の端部は常に本来の搬送経路から外れる位置を通過するので、端面検出器14から端面検出信号は発せられないが、単板Tに割れWが存在すると、図6に於て実線で示す如く、単板Tの繊維方向の端部の一部が、単板押えロール13に押え込まれるまでは本来の搬送経路を通過するので、端面検出器14から補修用の制御機構15に端面検出信号が発せられ、補修用の制御機構15が、先述の如く接合用の制御機構12の制御に準じて、搬送コンベヤ1・1a、接着資材供給機構B、接着促進機構K等の作動を制御するので、図1に実線と点線とで例示する如く、割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ接着テープSbが貼着され、割れWが補修処理される。
【0028】
尚、接着テープの切断を容易化するには、接着促進部材の後端角の形状を、例えば図1の接着テープSbの切断形状に準ずる鋸歯状の如き、凹凸状にするのが好ましい。因に、処理対象を未乾燥単板とし、加熱した接着促進部材によって、親水熱硬化性接着剤を塗工して成る接着テープを加圧及び加熱する処理態様を試みたところ、加圧に伴って未乾燥単板が含有する水分が親水熱硬化性接着剤を溶解し、該溶解した親水熱硬化性接着剤が、加熱に伴って実用的に支障なく硬化するので、従前実験段階に留まっていた未乾燥単板の接合処理も、実用化できるようになった。また更に、ガムテープと通称される公知の再湿型接着テープは、安価であるので、コスト的には極めて好適な接着材であるにも拘わらず、加湿を施してから接着力が発揮されるまでに一定以上の待機期間(湿潤待ち期間)が必要であり、而も一旦加湿しても、一定限度期間を越えると湿気が乾いて接着力が消滅する故に、本発明に係る処理方法(及び処理装置)の如く、不規則な所要時に都度短く分断して用いる形態には甚だ不向きな接着材であるとされており、図23の例の如く、連続的に止着する形態以外の形態では殆ど使用実績がないが、本発明の発明者による実験によると、処理対象を、常法通り含水率12%以下程度に乾燥した乾燥単板とする場合については、摂氏100度〜200度(好ましくは、120度〜200度)の高温に加熱した接着促進部材を用いて加圧する構成を採ることにより、再湿型接着テープに加湿を施すことなく、単板へ止着できるので、それを以って接合コストの低減を図り得ることが確認された。
【0029】
そして、図5、図6に例示した処理装置は、後述する如き簡単な設計変更により、請求項1及び3に係る処理方法の実施に用いる処理装置や、請求項1及び4に係る処理方法の実施に用いる処理装置に改造することができる。即ち、図7に例示する如く、図5に例示した処理装置に於けるテープ繰り出しロール5とテープ押えロール6とを、左右半分づつに二分(請求項1及び3に係る処理方法の実施用)するか、又は割れ検出機構Jが有る右側の少数個と左側の多数個とに二分(請求項1及び4に係る処理方法の実施用)し、割れ検出機構Jが有る右側を駆動源7aによって、左側を駆動源7bによって夫々各別に回動する接着資材供給機構B1を形成すると共に、端縁検出器4の端縁検出信号に基づいて、接合端縁Teの接合処理を行う際には、前記駆動源7a・7bを一緒に駆動するよう、接合用の制御機構12が、接着資材供給機構B1の作動を制御し、また端面検出器14の端面検出信号に基づいて、割れWの補修処理を行う際には、右側の駆動源7aのみを駆動するよう、補修用の制御機構15aが、接着資材供給機構B1の作動を制御する構成を採ることによって、図1に実線で例示する如き、接着テープSbによる接合端縁Teの接合処理と割れWの補修処理、又は図2に例示する如き、接着テープSbによる接合端縁Teの接合処理と割れWの補修処理を施すことが可能となる。
【0030】
また、必要に応じて、単板の左右両側の割れを補修する場合には、図8に例示する如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを備えると共に、割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、左右いずれの側の端面検出器14から端面検出信号が発せられても、図5の例に於ける駆動源7を駆動するよう、補修用の制御機構15が、接着資材供給機構Bの作動を制御する構成を採れば足り、また割れの基端部分Wnが有る左右いずれか片側の約半数箇所毎に接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、右側の端面検出器14から端面検出信号が発せられれば、図7の例に於ける右側の駆動源7aを駆動し、左側の端面検出器14から端面検出信号が発せられれば、左側の駆動源7bを駆動するよう、補修用の制御機構15aが、接着資材供給機構B1の作動を制御する構成を採れば足りる。
【0031】
更に、割れの基端部分Wnが有る左右少なくともいずれか片端寄りの少数箇所へ接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図8の例の如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを備える構成に加えて、図9に例示する如く、図5に例示した処理装置に於けるテープ繰り出しロール5とテープ押えロール6とを、左右両側の少数個と中央の適数個とに三分し、右側を駆動源7eによって、中央を駆動源7cによって、左側を駆動源7dによって夫々各別に回動する接着資材供給機構B2を形成し、端縁検出器4の端縁検出信号に基づいて、接合端縁Teの接合処理を行う際には、前記駆動源7c・7d・7eを一緒に駆動するよう、接合用の制御機構12が、接着資材供給機構B2の作動を制御し、また右側の端面検出器14から端面検出信号が発せられれば、右側の駆動源7eを駆動し、左側の端面検出器14から端面検出信号が発せられれば、左側の駆動源7dを駆動するよう、補修用の制御機構15bが、接着資材供給機構B2の作動を制御する構成を採れば足りる。
【0032】
また一方、図8からも明らかな如く、前記割れ検出機構Jは、割れWの検出のみならず、接合端縁Teの検出も可能であり、而も図5・図7・図9に例示した処理装置は、単板搬送機構A(該単板搬送機構Aに代わる単板搬送機構A1・A2を含む)の構成が比較的単純であることから、必要に応じては、接合用の制御機構と補修用の制御機構とを合体させて成る接合兼補修用の制御機構を備えるように設計変更することによって、図5・図7・図9に例示した処理装置を、一層簡単な構成に改造することも可能であり、接合用の制御機構と補修用の制御機構は、必ずしも個別に分離して設けなくても差し支えない。即ち、所望の片側の割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図12に例示する如く、図5の例に於ける端縁検出器4の配備を省略すると共に、図6に例示する如く、所望の片側に割れ検出機構Jを配設し、該割れ検出機構Jの端面検出器14から端面検出信号が発せられる都度、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構15cが、駆動源7を駆動すべく、接着資材供給機構B(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御するよう構成すれば足り、また左右両側の割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図12に例示する如く、図5の例に於ける端縁検出器4の配備を省略すると共に、図8に例示する如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを配設し、両側の端面検出器14から略同時に端面検出信号が発せられる都度(接合端縁の検出)、及び左右いずれか片側の端面検出器14から端面検出信号が発せられる都度(割れの検出)、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構15cが、駆動源7を駆動すべく、接着資材供給機構B(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御するよう構成すれば足りる。
【0033】
また、所望の片側の割れの基端部分Wnが有る約半数箇所又は少数箇所に接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図13に例示する如く、図7の例に於ける端縁検出器4の配備を省略すると共に、図8に例示する如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを備え、両側の端面検出器14から略同時に端面検出信号が発せられた場合(接合端縁の検出)には、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構15dが、左右の駆動源7a・7bを一緒に駆動するよう、接着資材供給機構B1(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御し、また所望の片側、例えば右側の端面検出器14から端面検出信号が発せられた場合(右側の割れの検出)に限っては、右側の駆動源7aを駆動するよう、接着資材供給機構B1(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御する構成を採れば足りる。
【0034】
更に、割れの基端部分Wnが有る左右少なくともいずれか片側の約半数箇所毎に接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図13に例示する如く、図7の例に於ける端縁検出器4の配備を省略すると共に、図8の例の如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを備え、左右両側の端面検出器14から略同時に端面検出信号が発せられた場合(接合端縁の検出)には、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構15dが、左右の駆動源7a・7bを一緒に駆動するよう、接着資材供給機構B1(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御し、また右側の端面検出器14から端面検出信号が発せられた場合(右側の割れの検出)には、右側の駆動源7aを駆動し、左側の端面検出器14から端面検出信号が発せられた場合(左側の割れの検出)には、左側の駆動源7bを駆動するよう、接着資材供給機構B1(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御する構成を採れば足りる。
【0035】
また更に、割れの基端部分Wnが有る左右少なくともいずれか片端寄りの少数箇所に接着テープSbを貼着する補修態様を採る際には、図14に例示する如く、図9の例に於ける端縁検出器4の配備を省略すると共に、図8の例の如く、搬送経路の左右両側に割れ検出機構Jを備え、左右両側の端面検出器14から略同時に端面検出信号が発せられた場合(接合端縁の検出)には、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構15eが、左右の駆動源7d・7eと中央の駆動源7cを一緒に駆動するよう、接着資材供給機構B2(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御し、また右側の端面検出器14から端面検出信号が発せられた場合(右側の割れの検出)には、右側の駆動源7eを駆動し、左側の端面検出器14から端面検出信号が発せられた場合(左側の割れの検出)には、左側の駆動源7dを駆動するよう、接着資材供給機構B2(及び搬送コンベヤ1・1a、接着促進機構K等)の作動を制御する構成を採れば足りる。
【0036】
尚、述上の如く、局部的に接着資材を供給して補修処理を行う際に、接着促進機構の接着促進部材は、必ずしも接着資材供給機構の接着材供給器と同様に分割して局部的に作動させる必要はなく、接合処理を行う際と同様に、常に全体的に作動させるようにしても、処理能率等に悪影響を及ぼす虞はないので、実用的に格別支障はない。
【0037】
また、先に単板搬送機構・制御機構等の設計変更例について若干言及したが、各種機構・部材を含めた本発明に係る処理装置の構成については、外にも様々な態様に設計変更、或は置換して差し支えないから、以下、それらの設計変更例、置換例等の代表的な実例について順次説明するが、既述した機構・部材と同様の機構・部材については、同一の符号を付して可及的に説明を簡略化する。即ち、本発明に係る単板の処理方法の実施(本来的には請求項1及び2に係る処理方法の実施)に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である図15に於て、20は、先記制動式の単板搬送機構A・A1・A2に代わる同調走行式の単板搬送機構Cの一部を構成する間欠搬送部材として、単板搬送機構Cの他の一部を構成する上下一対の搬送コンベヤ1・1aの搬送方向下手側に備えた、上下対称状の間欠搬送コンベヤであり、後述する接合用の制御機構26又は補修用の制御機構27の制御によって、クラッチ&ブレーキユニット付電動機・サーボモータ等から成る適宜の駆動源21を介して、間欠的に図示矢印方向へ走行せしめられ、単板Tを接合すべき接合端縁Teと直交方向へ搬送する。因に、図15に例示した単板搬送機構Cに於ける端縁接近位置は、単板Tに関わる搬送コンベヤ1・1aの搬送力と間欠搬送コンベヤ20の搬送力とが入れ替わる境界に相当する位置、つまり、線U1で示した位置である。
【0038】
22は、テープ繰り出し式の接着資材供給機構Bに代わる接着資材供給機構Dを構成する接着材供給器として、割れ検出機構Jと後述する接着促進機構Mとの間(後述する接着促進位置Zよりも幾分搬送方向上手側)に備えた多数個の糊付器であり、後述する制御機構26又は補修用の制御機構27の制御によって、間欠搬送コンベヤ20を介して間欠的に搬送される単板Tの接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが、当該糊付器22の直下を通過する都度、接合端縁Te又は割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給する。因に、単板の上面側に備える糊付器の供給形式については、接着剤を雫状に滴下させる滴下式、接着剤を細紐状に押出す押出し式、接着剤を霧状に噴射する噴射式等の公知の種々の供給形式で差し支えないが、単板の下面側に備える糊付器については、噴射式が適切である。
【0039】
23は、前記接着資材供給機構Dの糊付器22が供給する接着剤Sdの性質に応じた接着促進機能を具備して、接着促進機構Mの一部を構成する接着促進部材であり、接着促進機構Mの他の一部を構成する支持部材24と対向状に、而も実線と点線とで示す如く、夫々が単板Tに対して同期的に当接及び離隔するよう備えられており、後述する接合用の制御機構26又は補修用の制御機構27の制御によって、接合すべき単板Tの接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが、単板搬送機構Cの端縁接近位置U1から適宜距離Xだけ離れた接着促進位置Z(本例に於ては、接着資材供給位置と接着促進位置が異なっている)に至る都度、流体シリンダー・クランク・カム等から成る作動部材25の作動を得て、接着剤Sdに接着機能を発揮させるに足る期間だけ、単板T(接着促進部材23は接着剤Sdを介して)に当接し、接着剤Sdに接着促進作用を付与する。
【0040】
26は、接合用の制御機構であり、端縁検出器4の端縁検出信号に基づき、搬送コンベヤの駆動源2に付設した回転計測器2aの計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、先行単板Tの後端が端縁接近位置U1に到達する都度、間欠搬送コンベヤ20の作動を休止させると共に、搬送コンベヤ1・1aを介して搬入される後続単板Tの前端が端縁接近位置U1に到達する都度、間欠搬送コンベヤ20の作動を再開させるよう制御し、更に接合すべき単板Tの接合端縁Teが糊付器22の直下を通過する都度、該接合端縁Teを中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給すべく糊付器22を作動させるよう制御し、次いで接合すべき単板Tの接合端縁Teが接着促進位置Zに至る都度、単板Tの搬送を一時的に休止するよう、搬送コンベヤ1・1a及び間欠搬送コンベヤ20の作動を一時停止させると共に、接着着剤Sdに所望期間だけ接着促進作用を付与するよう、接着促進機構Mを作動させ、該期間が完了した後は、搬送コンベヤ1・1a及び間欠搬送コンベヤ20の作動を再開するよう制御する。
【0041】
27は、補修用の制御機構であり、端面検出器14からの端面検出信号に基づき、前記回転計測器2aの計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、補修すべき割れの基端部分Wnが糊付器22の直下を通過する都度、割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給すべく糊付器22を作動させるよう制御し、次いで補修すべき割れの基端部分Wnが接着促進位置Zに至る都度、単板Tの搬送を一時的に休止するよう、搬送コンベヤ1・1a及び間欠搬送コンベヤ20の作動を一時停止させると共に、接着着剤Sdに所望期間だけ接着促進作用を付与するよう、接着促進機構Mを作動させ、該期間が完了した後は、搬送コンベヤ1・1a及び間欠搬送コンベヤ20の作動を再開するよう制御する。
【0042】
前記構成で成る処理装置によれば、接合すべき単板Tが搬送コンベヤ1・1aを介して順次搬入されると、端縁検出器4の端縁検出信号に基づく接合用の制御機構26の制御によって、端縁接近位置U1に於て先行単板Tの後端の接合端縁Teと後続単板の前端の接合端縁Teとが密に接近せしめられると共に、端縁検出器4の端縁検出信号に基づく接合用の制御機構26の制御、又は端面検出器14の端面検出信号に基づく補修用の制御機構27の制御によって、接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが糊付器22の直下を通過する都度、接着資材供給機構Dの糊付器22が、接合端縁Te又は割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給し、次いで接合端縁Te又は割れの基端部分Wnが接着資材供給位置Zに至る都度、接着促進機構Mの接着促進部材23が、所望期間だけ接着剤Sdに接着促進作用を付与し、更に該期間が完了した後は、搬送コンベヤ1・1a及び間欠搬送コンベヤ20が単板Tの搬送を再開させるので、図1の例の処理態様に準ずるよう、接合端縁Teや割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所を、接着剤Sdによって順次と接合処理及び補修処理することができる。
【0043】
そして、前記同調走行式の単板搬送機構Cによれば、間欠搬送コンベヤによって搬送される単板には無理な制動力が作用せず、先記制動式の単板搬送機構A・A1・A2に比べてより円滑な接合端縁の接近を図ることができるので有効であり、また、必要に応じては、間欠搬送コンベヤ20の作動を再開させる時期を、後続単板Tの前端が端縁接近位置U1に到達する時期よりも、極く僅かだけ早くするよう制御すれば、先行単板と後続単板の接合端縁同士の間に微細な隙間を生じさせることもできる。因に、前記微細な隙間は、処理済の単板を合板等に成形する際の糊付工程に於ける接合端縁の重なり防止に有効である。
【0044】
次に、先記各単板搬送機構A・A1・A2・Cは、少なくとも単板が端縁接近位置に到達する以前に予め不要部分を屑として切除し、既に所望の形状に成形した単板を処理する構成であるが、単板の不要部分を切除する機構を兼備し、不要部分を切除する位置と同じ位置に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる屑切除式の単板搬送機構も多く公知(特公昭50−11143号公報・実開昭50−128371号公報・特公昭53−1327号公報等参照)であって、本発明に係る処理装置に用いることが可能である。即ち、本発明に係る単板の処理方法の実施(本来的には請求項1及び2に係る処理方法の実施)に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である図16に於て、28は、先記制動式の単板搬送機構A・A1・A2及び同調走行式の単板搬送機構Cに代わる単板搬送機構Eの一部を構成する搬送部材として備えた、刃受体兼用のアンビルロールであり、軸芯方向に適宜の間隔を隔てて円周方向に連なる複数条の細溝28aを形成すると共に、好ましくは、外周面にゴム被覆等の保護処置(切断刃の刃先の損傷予防)を施して成り、後述する接合用の制御機構42又は補修用の制御機構43の制御によって、サーボモータ等から成る適宜の駆動源29を介して、適時図示矢印方向へ間欠的に回動せしめられ、単板Tを接合すべき端縁Teと直交方向へ間欠的に搬送する。
【0045】
30は、前記アンビルロール28の搬送方向上手側に位置する移送部材として備えた、移送コンベヤであり、後述する接合用の制御機構42又は補修用の制御機構43の制御によって、アンビルロール28と同じ駆動源29(又は図示しない同種の駆動源)を介して、適時アンビルロール28と同調する速度で図示矢印方向へ間欠的に回動せしめられ、単板Tをアンビルロール28に移送する。
【0046】
31は、アンビルロール28の斜め上方に対設した切断刃であり、後述する接合用の制御機構42の制御によって、刃物支持部材32、カム・クランク等から成る作動機構33等を介して、適時図示矢印方向へ往復動せしめられ、刃先31aがアンビルロール28に当接することにより、単板Tの有効部分と不要部分Tcとの境界を切断する。
【0047】
34は、移送コンベヤ30によって移送される単板Tの有効部分と不要部分Tcとの境界を検知する単板検知機構Fの一部を構成する検知部材として、切断刃31の搬送方向上手側へ複数個を並列状に備えたリミットスイッチ・光電管等から成る単板検知器であり、単板Tの移送に伴って、単板検知機構Fの他の一部を構成するコロ35a付のレバー35が揺動する際に、常態に於てONである接点34aの全てがOFFになれば、単板Tの有効部分の到来を検知し、反対に全てがOFFであった接点34aのいずれか一個がONになれば、単板Tの有効部分の通過を検知して、後述する接合用の制御機構42に単板検知信号を夫々発信する。因に、単板検知機構Fによって検知され、切断刃31によって切断される単板Tの有効部分と不要部分Tcとの境界が、結果的に、単板Tの接合端縁Teとなることから、単板検知機構Fは、実質的に接合端縁の検出機構を兼ねる。
【0048】
36は、前記アンビルロール28の搬送方向下手側に位置し、実線と点線とで示す如く、基端の支持軸37を中心として、先端がアンビルロール28の細溝28aに出没するよう揺動自在に備えた選別開閉体であり、後述する接合用の制御機構42の制御によって、カム・流体シリンダー等から成る作動機構38を介して、適時図示矢印方向へ往復揺動せしめられ、単板Tの有効部分と不要部分Tcの進路を交互に開閉する。
【0049】
39は、前記選別開閉体36の下方に付随的に備えた屑排除杆であり、実線と点線とで示す如く、前記選別開閉体36の往復揺動に付随して作動する作動機構(図示省略)を介して、図示矢印方向へ往復移動せしめられ、単板Tの前端側の不要部分Tcの落下を助長する。
【0050】
40・40aは、単板搬送機構Eの他の一部を構成する間欠搬送部材として備えた上下一対の間欠搬送コンベヤであり、実線と点線とで示す如く、搬送方向上手側の部位が前記選別開閉体36と並列的に位置して同期的に揺動するよう備えられており、後述する接合用の制御機構42又は補修用の制御機構43の制御によって、クラッチ&ブレーキユニット付電動機・サーボモータ等から成る適宜の駆動源41を介して、間欠的に図示矢印方向へ走行せしめられ、不要部分Tcが切除された単板Tを接合すべき接合端縁Teと直交方向へ搬送する。因に、図16に例示した単板搬送機構Eの端縁接近位置は、切断刃31の刃先31aの切断軌跡に相当する位置、つまり、線U2で示した位置である。
【0051】
42は、接合用の制御機構であり、前記単板検知器34の単板検知信号に基づき、アンビルロール28の駆動系統内に配設した回転計測器(図示省略)の計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、単板Tの有効部分と不要部分Tcの境界が切断刃31の位置に至る都度、アンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40a等の作動を一時停止させると共に、切断刃31を往復作動させ、且つ前記選別開閉体36を交互に開閉作動させるよう制御し、併せて接合すべき単板Tの接合端縁Teが糊付器22の直下を通過する都度、単板Tの接合端縁Teを中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給すべく糊付器22を作動させ、次いで接合すべき単板Tの接合端縁Teが接着促進位置Zに至る都度、単板Tの搬送を一時的に休止するよう、アンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40aの作動を一時停止させると共に、接着着剤Sdに所望期間だけ接着促進作用を付与するよう、接着促進機構Mを作動させ、該期間が完了した後は、アンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40aの作動を再開するよう制御する。
【0052】
43は、補修用の制御機構であり、端面検出器14からの端面検出信号に基づき、アンビルロール28又は間欠搬送コンベヤ40・40aの駆動系統内に配設した回転計測器(図示省略)の計測信号、又はタイマー等から成る時限装置(図示省略)の時限信号を活用して、補修すべき割れの基端部分Wnが、糊付器22の直下を通過する都度、割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ適量の接着剤Sdを供給すべく糊付器22を作動させるよう制御し、次いで補修すべき割れの基端部分Wnが接着促進位置Zに至る都度、単板Tの搬送を一時的に休止するよう、アンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40aの作動を一時停止させると共に、接着着剤Sdに所望期間だけ接着促進作用を付与するよう、接着促進機構Mを作動させ、該期間が完了した後は、アンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40aの作動を再開するよう制御する。
【0053】
前記単板搬送機構Eの一連の動作を、図17に例示した工程説明図に基づいて詳述すると、制御機構42は、処理装置を始動するに際して、切断刃31、選別開閉体36、屑排除杆39等を、図16に於て実線で示した待機位置、即ち、図17左上に示した待機位置に待機(復動)させると共に、単板検知器34によって検知される単板Tの前端側の有効部分と不要部分Tcとの境界が、切断刃31の位置に至るまで、アンビルロール28と移送コンベヤ30を図示矢印方向へ回動させるよう制御する。
【0054】
次いで、単板Tの前端側の有効部分と不要部分Tcとの境界が、切断刃31の位置に至り、制御機構42が、図17左下に示す如く、アンビルロール28と移送コンベヤ30の回動を停止させると共に、切断刃31をアンビルロール28に向けて往動させ、更に選別開閉体36を図示矢印方向へ往動させつつ、屑排除杆39を図示矢印方向へ往動させるよう制御すると、前端側の不要部分Tcが切断分離され、アンビルロール28の斜め下方への落下が助長される。
【0055】
次いで、制御機構42が、図17右下に示す如く、選別開閉体36の先端がアンビルロール28の溝内に没する位置まで、引続き選別開閉体36を往動させると共に、切断刃31を待機位置へ復動させ、更にアンビルロール28、移送コンベヤ30、間欠搬送コンベヤ40・40a等を図示矢印方向へ回動させるよう制御すると、先行単板Tと後続単板Tは、互いの接合端縁を密に接近させられ、図示矢印方向へ搬送される。尚、先記単板搬送機構Cと同じく、必要に応じては、間欠搬送コンベヤ40・40aの回動を再開させる時期を、アンビルロール28の回動を再開させる時期よりも、極く僅かだけ早くする制御によって、接合端縁同士の間に隙間を生じさせることができる。
【0056】
次いで、単板検知器34によって検知される単板Tの後端側の有効部分と不要部分Tcとの境界が、切断刃31の位置に至り、制御機構42が、図17右上に示す如く、アンビルロール28と移送コンベヤ30の回動を停止させると共に、切断刃31をアンビルロール28に向けて往動させるよう制御すると、後端側の不要部分Tcが切断分離される。
【0057】
次いで、制御機構42が、図17左上に示す如く、切断刃31、選別開閉体36、屑排除杆39等を、待機位置に復動させると共に、アンビルロール28と移送コンベヤ30を図示矢印方向へ回動させるよう制御すると、後端側の不要部分Tcは、アンビルロール28の斜め下方へ落下すると共に、次の単板Tの前端側の有効部分と不要部分Tcとの境界が、単板検知器34によって検知され、やがて切断刃31の位置に至る。以下、同じ制御による一連の動作の繰り返しによって、各単板の不要部分が順次切除されると共に、先行単板と後続単板の接合端縁が密に接近させられて、後の接着資材供給位置(及び接着促進位置)へ搬送されることになる。
【0058】
前記構成の単板搬送機構Eを備えた処理装置によっても、図15に例示した処理装置と同様に、接合端縁Teや割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所を、接着剤Sdによって順次と接合処理及び補修処理することができる。因に、本発明に係る単板の処理装置(処理方法)によって処理した単板群は、図示は省略したが、常法通り、処理装置の搬送方向下手側の適宜位置に定尺切断装置を備えて、所定長さ毎に定尺切断して合板等の成形に用いることができるが、単板搬送機構として、前記屑切除式の単板搬送機構を用いる場合については、単板の有効部分と不要部分との境界の切断とは別途に、必要に応じて、接合端縁を密に接近させた単板群の長さが、所定長さに達する毎に、切断刃を作動させて定尺切断を行い、且つ該定尺切断した切断箇所への接着資材供給機構による接着資材の供給(及び接着促進機構による接着促進作用の付与)を休止するよう、接合用の制御機構によって制御する構成を採れば、定尺切断装置の併設を省略することが可能であり、更に必要に応じては、先記図15に例示した接合用の制御機構による制御に準じて、間欠搬送コンベヤの作動時期をアンビルロールの作動時期よりも極く僅かだけ早くするよう制御することにより、定尺切断した箇所に意図的に一定の隙間を生じさせて、仮に搬送途上に於て、単板群の搬送状態に誤差が発生したとしても、該誤差が集積しないよう図るのも有効である。
【0059】
以上明らかな如く、本発明に係る単板の処理装置の単板搬送機構としては、要するに単板を接合すべき接合端縁と直交方向へ搬送する途上に於て、先行単板と後続単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成するものであれば足り、また、端縁接近位置と接着促進位置(接着資材供給位置)の間隔等は、接着資材供給機構と接着促進機構の構造等を考慮して、適宜設定すれば差し支えない。
【0060】
勿論、図15に例示した処理装置及び図16に例示した処理装置は、図5に例示した処理装置を、図7に例示した処理装置、或は図9に例示した処理装置に改造したのと同じく、必要に応じて、接着資材供給機構、割れ検出機構、接合用の制御機構、補修用の制御機構等の構成を、先述の説明と同様に設計変更することにより、請求項1及び3に係る処理方法の実施に用いる処理装置や、請求項1及び4に係る処理方法の実施に用いる処理装置に改造することができる。
【0061】
次に、接着資材供給機構について述べると、前記テープガイドを用いる繰り出し式の接着資材供給機構は、例えば熱硬化性接着剤、親水熱硬化性接着剤、熱可塑性接着剤等を、単独で又は所望の複数種を入れ違い状に組合せて塗工して成る接着テープの如く、テープガイドを通過する時期に於て接着性が乏しい接着テープ(但し、再湿型接着テープについては、加湿を施さない状態の場合)の案内に適するが、例えば感圧テープ等の如く、該時期には既に接着性を有する接着テープに適する繰り出し式の接着資材供給機構としては、例えば図18に例示する如き、繰り出し式の接着資材供給機構が挙げられる。即ち、接着資材供給機構の他の実例の概略側面説明図である図18に於て、44は、接着資材供給機構B3の接着材供給器の一部を構成する無端状のコイルバネ46の複数条をガイドする複数条の溝44aを有するテープ繰り出しロールであり、対向するテープ押えバネ47、接着促進機構の一部を構成する接着促進部材49等と一体的に図示矢印方向へ往復動作するよう備えられると共に、図5、図7、図9、図16等に例示した接合用の制御機構及び補修用の制御機構に準ずる構成の接合用の制御機構又は補修用の制御機構(図示省略)の制御によって、接合すべき単板の接合端面又は割れの基端部分が、接着資材供給位置(接着促進位置)に至る都度、多数個(又は多数個の内の所望適数個)の接着テープリールSbRから感圧テープSb1を所望長さ繰り出すと共に、図示矢印方向に昇降する接着促進部材49によって感圧テープSb1が単板Tに圧接されている間に、感圧テープSb1を若干繰り戻すように、サーボモータ等の適宜の駆動源(図示省略)を介して図示矢印方向へ正逆回動せしめられる。
【0062】
45は、コイルバネ46をガイドする複数条の溝45aを有する遊転ロールであり、前記テープ繰り出しロール44等と一体的に図示矢印方向へ往復動作するよう備えられ、コイルバネ46に適度の張力を付与する。
【0063】
48は、接着資材供給機構B3の接着材供給器の他の一部を構成する空気噴射ノズルであり、前記テープ繰り出しロール44等と一体的に図示矢印方向へ往復動作するよう備えられ、図示しない接合用の制御機構又は補修用の制御機構の制御によって、感圧テープSb1が所望長さ繰り出された後に、圧縮空気を噴射し始め、感圧テープSb1が接着促進部材49によって単板Tに圧接されると、圧縮空気を噴射し終えるよう、制御弁(図示省略)を介して作動せしめられ、感圧テープSb1の先端部を接着促進部材49の下面側へ屈折させる。
【0064】
斯様に構成した接着資材供給機構B3によると、テープ押えバネ47の位置に於て、複数条のコイルバネ46に仮接着された感圧テープSb1は、テープ繰り出しロール44の回動を得て繰り出された際に、遊転ロール45の位置に於て、コイルバネ46が屈曲して外周側のコイル間隔が拡大するのに伴い、先端側が順次コイルバネ46から剥離されるので、当初は実線で示す如く、略接線方向に繰り出されるが、所望長さ繰り出された後には、空気噴射ノズル48による圧縮空気の噴射によって、点線で示す如く、接着促進部材49の下面側へ屈折させられるので、接着性に拘わりなく安定的な供給が可能であり、先記接着資材供給機構B(B1・B2)の場合と同様に、感圧テープSb1を幅狭状に切断して、接合端縁又は割れの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の適数箇所へ止着することができる。
【0065】
次に、熱可塑性接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸を接着資材として用いる接着資材供給機構の一例としては、例えば図19に例示した接着糸繰り出し式の接着資材供給機構が挙げられる。即ち、接着資材供給機構の他の実例の概略側面説明図である図19に於て、50は、後述する接着資材供給機構Gが供給する接着糸Sc1の性質に適応する冷却機能を具備して、接着促進機構の一部を構成する接着促進部材であり、実線と点線とで示す如く、該接着促進部材50と対称的な位置にある支持部材50aと同期的に連動して単板Tに対して当接及び離隔するよう備えられており、図5、図7、図9、図16等に例示した接合用の制御機構及び補修用の制御機構に準ずる構成の接合用の制御機構又は補修用の制御機構(図示省略)の制御によって、接合すべき単板Tの接合端面Te又は割れWの基端部分Wnが、接着促進位置(接着資材供給位置と同じ)に至る都度、作動部材(図示省略)の作動を得て、接着糸Sc1に接着機能を発揮させるに足る期間だけ単板Tに当接(接着糸Sc1が存在する部分は、接着糸Sc1を介した間接的な当接)し、接着糸Sc1に冷却作用を付与する。
【0066】
51は、接着促進部材50に一体状に付設された糸切り刃であり、接着促進部材50が単板Tに当接した際に、接着糸Sc1を短線状に切断する。因に、熱可塑性接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸は、加熱によって溶融した際の直線度(直線性)を維持する為に、ガラス繊維・軟金属線等から成る難熱可塑性の細線の少なくとも一条を、基材として用いるのが好ましい。
【0067】
52は、熱可塑性接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸Sc1をガイドする溝52aを備え、接着糸押えロール53と対向して、接着資材供給機構Gの接着材供給器の一部を構成する接着糸繰り出しロールであって、図5、図7、図9、図16等に例示した接合用の制御機構及び補修用の制御機構に準ずる構成の接合用の制御機構又は補修用の制御機構(図示省略)の制御によって、接合すべき単板Tの接合端面Te又は割れWの基端部分Wnが、接着資材供給位置(接着促進位置と同じ)に至る都度、多数個(必要に応じては、多数個の内の所望適数個)の接着糸リールScRから接着糸Sc1を所望長さ繰り出し,接着糸ガイド55を介して接合すべき単板Tの接合端面Te又は割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所(必要に応じては、多数箇所の内の所望適数箇所)に臨む位置へ供給すると共に、接着促進部材50によって接着糸Sc1が単板Tに圧接されている間に、接着糸Sc1を若干繰り戻すように、サーボモータ等の適宜の駆動源54(必要に応じては、図7、図9の例の如く、駆動源を2個又は3個に増設する)を介して図示矢印方向へ正逆回動せしめられる。
【0068】
56は、熱風噴出ノズルであり、図5、図7、図9、図16等に例示した接合用の制御機構及び補修用の制御機構に準ずる構成の接合用の制御機構又は補修用の制御機構(図示省略)の制御によって、接着糸Sc1が接合すべき単板Tの接合端面Te又は少なくとも割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の適数箇所に臨む位置へ供給された際に、所要時間だけ熱風を噴射するよう制御弁(図示省略)を介して作動せしめられ、接着糸Sc1に被覆及び/又は含浸された熱可塑性接着剤を溶融させる。尚、必要に応じては、図示は省略したが、前記熱風噴出ノズルを常時熱風噴射式とすると共に、熱風の流通路の側方に圧縮空気の噴出ノズルを備え、制御弁を介して適時前記圧縮空気の噴出ノズルを開閉させるよう制御することにより、所要時にのみ熱風を前記接着糸に当て、不要時には熱風を前記接着糸に当てないよう、圧縮空気によって熱風の噴射方向を変える構成を採っても差し支えない。
【0069】
斯様に構成した接着資材供給機構Gによっても、先記接着資材供給機構B(B1〜B3)の場合とほぼ同様に、接合すべき単板Tの接合端面Te又は割れWの基端部分Wnが、接着資材供給位置(接着促進位置と同じ)に至る都度、所要条数の接着糸Sc1を断続的に繰り出すことができると共に、糸切り刃51との協動により、接着糸Sc1を短線状に切断することができる。因に、必要に応じては、同種の接着材切断刃を、図12・図18の接着促進部材に付設しても差し支えない。また、熱硬化性接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸を用いる場合には、前記熱風噴射ノズルの配設を省略し、必要に応じては、繰り出した接着糸に適量の水分を供給する加湿器を備えて成る接着資材供給機構に設計変更すると共に、冷却機能に変えて加熱機能を前記接着促進部材に具備すれば足りる。
【0070】
次に、接着促進機構について述べると、先記各実例の接着促進機構は、いずれも接着促進部材を単板の板面に対して垂直方向に作動させるよう備える構成としたが、接着促進部材の作動方向としては、単板の板面に対して垂直方向に限るものではなく、図示は省略したが、例えば単板の板面に対して斜めの方向、或は円軌道の一部に倣う方向等、種々の方向に作動させる構成として差し支えない。
【0071】
また、接着促進部材は、接着資材供給機構が供給する接着資材の性質に応じた接着促進機能を具備するものであるが、接着促進機能の発生源、例えば加熱器・高周波発信器等の加熱機器や冷却器・冷風機等の冷却機器などを、接着促進部材に直接備える構成に限るものではなく、図示は省略したが、所望の接着促進機能の発生源を、接着促進部材の待機位置の近傍に備えて、外部から間接的に待機中の接着促進部材に接着促進機能を具備させる構成であっても差し支えない。
【0072】
次に、割れ検出機構の他の実例としては、先記反射型光電管から成る端面検出器に代えて、一対の投光・受光型光電管から成る割れ検出器を備えた割れ検出機構が挙げられる。即ち、割れ検出機構の他の実例の側面説明図である図20に於て、57・57aは、割れ検出機構J1の一部を構成する割れ検出器として備えた一対の投光・受光型光電管であり、単板搬送機構A(A1・A2・C・E)によって搬送される単板Tに割れWが存在し、図示する如く、割れ検出機構J1の他の一部を構成する単板押えロール13により、単板Tの繊維方向の端部の一部が押え込まれて、割れWの箇所に隙間が発生し、投光型光電管57の投光が受光型光電管57aによって受光される都度、割れの検出信号を発信する。
【0073】
例えば前記の如く構成した割れ検出機構J1によっても、単板Tに存在する割れW(又は接合端面Te)が該割れ検出機構J1の位置を通過する都度、補修用の制御機構(又は接合用の制御機構の機能を兼備する補修用の制御機構)に検出信号を発信することができ、要は、割れ検出機構としては、割れを検出できる機構であれば足りる。
【0074】
また、既述した処理装置の実例は、いずれも、接合処理や補修処理に際して、単板搬送機構による単板の搬送を一時的に休止する形態としたので、処理能率が必ずしも良いとは言えないことから、必要に応じては、少なくとも接着促進作用を、単板の搬送時及び搬送停止時のいずれの時期に於ても付与可能とすることにより、処理能率の向上を図るのが効果的である。即ち、本発明に係る処理装置の他の実例の部分概略側面説明図である図21に於て、Hは、接着資材供給機構Bと接着促進機構Kとを一体的にユニット化して成る接着促進ユニットであり、接着促進機構Kの接着促進部材9の所在位置が、単板の搬送経路に於ける端縁接近位置から適宜距離Xだけ隔てて搬送方向下手側に設定された所定長さLの接着促進区域、つまり、線Z1と線Z2とで区切った所定長さLの接着促進区域内を自在に前後動し得るよう備えられており、後述する接合兼補修用の制御機構60の制御により、線Z1と線Z2とで区切った接着促進区域内に到来する未処理の接合端縁Te又は割れWの内で、常に最も搬送方向下手側に位置する接合端縁Te又は割れWに対応する位置へ、後述する移動部材58を介して移動せしめられると共に、接着促進部材9による接着促進作用の付与が終了するまでは、単板Tの搬送に倣うよう継続して移動せしめられる。
【0075】
58は、ボールネジ・チェーン・歯付ベルト等から成る接着促進ユニットの移動部材であり、後述する補修用の制御機構60の制御によって、線Z1と線Z2とで区切った接着促進区域内に、単板Tの未処理の接合端縁Te又は割れWが到来する都度、サーボモータ等から成る駆動源59の作動を得て、常に最も搬送方向下手側に位置する未処理の接合端縁Te又は割れWに対応する位置へ、接着促進ユニットHを移動させる。換言すると、先ず接着促進ユニットHを最も下流側の未処理の接合端縁Te又は割れWの箇所へ応動させ、更に接着促進部材9による接着促進作用の付与が終了するまでは、単板Tの搬送に追従するよう引き続き移動させる。
【0076】
60は、接合用の制御機構の機能と補修用の制御機構の機能とを兼備する接合兼補修用の制御機構であり、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えた割れ検出機構(図示省略)からの検知信号に基づいて、線Z1と線Z2とで区切った接着促進区域内に未処理の接合端縁Te又は割れWが到来する都度、常に最も搬送方向下手側に位置する未処理の接合端縁Te又は割れWに対応する位置へ、接着促進ユニットHを移動させると共に、単板Tの搬送時及び搬送停止時のいずれの時期に於ても、テープ繰り出しロール5、接着促進部材9、支持部材11等を稼働させて、接合端縁Te又は割れWの基端部分付近を中に含めた狭小範囲の多数箇所へ供給した接着テープSbに接着促進作用を付与するよう、接着資材供給機構B、接着促進機構K、接着促進ユニットの移動部材58等の作動を制御する。尚、接着促進区域の冗長化を避ける必要性からして、線Z1と線Z2とで区切った接着促進区域内に未接着の接合端縁又は割れが存在しない時には、次の未接着の接合端縁又は割れの到来に速やかに対応し得るよう、接着促進区域の最も搬送方向上手側の位置、つまり、線Z1の位置へ、優先的に接着促進ユニットHを移動させるよう、併せて制御する構成とするのが好ましい。
【0077】
前記の如く構成した処理装置によると、接着促進ユニットは、所要箇所へ供給した接着テープに接着促進作用を付与する際には、単板の搬送に倣って搬送方向下手側へ移動し、付与し終えると、次の未処理の接合端縁又は割れに対応するよう、逆に搬送方向上手側へ移動する前後動を繰り返すものであり、装置全体の構成は些か複雑化するが、単板の搬送時及び搬送停止時のいずれの時期に於ても、所要箇所へ供給した接着テープに接着促進作用を付与するものであるから、先述した単板の搬送を一時的に休止する形態に比べて、一層能率良く処理を行うことができる。尚、幅狭の単板や割れの多い単板が集中的に搬入されるなど、処理の頻度が比較的多くなった場合には、前後動する接着促進ユニットの平均的な所在位置が徐々に搬送方向下手側へ移ることになるが、現実の作業に於ては、単板を処理装置へ間断なく搬入することは不可能であり、また幅狭の単板や割れの多い単板を搬入する際には、手間取って必要以上に空隙が生じるのが通例であって、結果的に、単板は常に断続的(間欠的)に搬送されるので、接着促進区域の長さを適切に設定しさえすれば、接着促進ユニットの接着促進部材が、接着促進区域の最も搬送方向下手側の位置、つまり、線Z2の位置まで至る虞は殆どないが、万一に備えて、接着促進部材の位置が接着促進区域の最も搬送方向下手側の位置(線Z2の位置)に至った場合には、接着促進部材による接着促進作用の付与が終る時期まで、暫定的に単板搬送機構の作動を休止させる、非常用の制御プログラムを、前記接合兼補修用の制御機構60に組み込んでおくのが好ましい。
【0078】
また、前記図21に例示した処理装置の単板搬送機構、接着促進ユニットを構成する接着資材供給機構、接着促進機構等は、必要に応じて、先述した種々の態様に設計変更して差し支えなく、更に接着資材供給機構として、先記糊付器を接着材供給器として備えた接着資材供給機構Dを用いる場合には、該接着資材供給機構Dを必ずしも接着促進ユニットに組込む必要はなく、接着促進区域よりも搬送方向上手側の位置、つまり、線Z1よりも搬送方向上手側の位置へ、固定的に備えても差し支えない。
【0079】
尚、既述したいずれの処理装置の場合も、接着資材供給機構と接着促進機構とを、上下一対状に備えることによって、単板の上下両面へ所望の処理を施す処理装置に設計変更できることは言うまでもなく、例えば図22に例示する如く、同種の接着資材供給機構Bと接着促進機構K1とを上下一対状に備えてユニット化して成る接着促進ユニットH1の作動を、接合兼補修用の制御機構60によって制御するよう構成した処理装置の外に、図示は省略したが、必要に応じては、上下各別に異種の構成の接着資材供給機構と接着促進機構とを備えて処理装置を構成しても差し支えない。
【0080】
【発明の効果】
以上明らかな如く、本発明に係る単板の処理方法及び該処理方法の実施に用いる処理装置によれば、処理コストを割高にすることなく、良好な接合端縁の接合処理と割れの補修処理とを可能にして、処理した単板の取扱い性を著しく向上させることができると共に、処理に用いた接着資材が、処理した単板を合板・LVL等に成形する際の接着や、或は廃棄した合板・LVL等を木片状に分解する際の分離性等に悪影響を及ぼす虞も併せて解消することができるので、単板処理工程に於ける本発明の実施効果は極めて多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図2】本発明に係る単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図3】本発明に係る単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図4】本発明に係る単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図5】本発明に係る単板の処理方法の実施に用いる処理装置の実例の概略側面説明図である。
【図6】図5に例示した処理装置に備えた割れ検出機構の斜視説明図である。
【図7】本発明に係る単板の処理方法の実施に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である。
【図8】単板搬送路の左右両側に備えた割れ検出機構の斜視説明図である。
【図9】本発明に係る単板の処理方法の実施に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である。
【図10】処理装置に用いる単板搬送機構の他の実例の概略側面説明図である。
【図11】処理装置に用いる単板搬送機構の他の実例の概略側面説明図である。
【図12】図5に例示した処理装置の設計変更例の概略側面説明図である。
【図13】図5に例示した処理装置の他の設計変更例の概略側面説明図である。
【図14】図5に例示した処理装置の他の設計変更例の概略側面説明図である。
【図15】本発明に係る単板の処理方法の実施に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である。
【図16】本発明に係る単板の処理方法の実施に用いる処理装置の他の実例の概略側面説明図である。
【図17】図16に例示した処理装置の単板搬送機構の処理工程の工程説明図である。
【図18】処理装置に用いる接着資材供給機構の他の実例の概略側面説明図である。
【図19】処理装置に用いる接着資材供給機構の他の実例の概略側面説明図である。
【図20】処理装置に用いる割れ検出機構の他の実例の概略側面説明図である。
【図21】本発明に係る処理装置の他の実例の部分概略側面説明図である。
【図22】本発明に係る処理装置の他の実例の部分概略側面説明図である。
【図23】従来の単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図24】従来の単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図25】従来の単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図26】従来の単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【図27】従来の単板の処理方法によって処理した単板の平面説明図である。
【符号の説明】
A・A1・A2 :単板搬送機構
B・B1・B2・B3 :接着資材供給機構
C・E :単板搬送機構
D・G :接着資材供給機構
F :単板検知機構
H・H1 :接着促進ユニット
J・J1 :割れ検出機構
K・K1・M・N :接着促進機構
Sa :有孔接着テープ
Sb :接着テープ
Sb1 :感圧テープ
Sc :接着糸
Sc1 :熱可塑性接着剤を被覆及び/又は含浸して成る接着糸
Sd :接着剤
T :単板
Te :単板の接合端縁
U・U1・U2 :端縁接近位置
W :単板に内在する割れ
Wn :割れの基端部分
1・1a :搬送コンベヤ
3 :上下対称状の制動バー
4 :端縁検出器
5・44 :テープ繰り出しロール
8 :テープガイド
9・23・49・50 :接着促進部材
10・24・50a :支持部材
12・26・42 :接合用の制御機構
14 :端面検出器
15・15a・15b :補修用の制御機構
15c・15d・15e:接合兼補修用の制御機構
20・40・40a :間欠搬送コンベヤ
22 :糊付器
27・43 :補修用の制御機構
28 :アンビルロール
31 :切断刃
34 :単板検知器
36 :選別開閉体
46 :コイルバネ
48 :空気噴射ノズル
52 :接着糸繰り出しロール
55 :接着糸ガイド
56 :熱風噴出ノズル
57・57a :一対の投光・受光型光電管
58 :接着促進ユニットの移動部材
60 :接合兼補修用の制御機構
Claims (7)
- ベニヤ単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の接合端縁を密に接近させると共に、各ベニヤ単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ、接着資材を自動的に一斉に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、ベニヤ単板を順次接合処理する際に、各ベニヤ単板の左右少なくともいずれか片側に内在する割れの基端部分付近を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の少なくとも一箇所へも、接合端縁を接合する場合に準じて接着資材を自動的に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して、前記割れの補修をも併せて行うことを特徴とするベニヤ単板の処理方法。
- 割れの補修に際しては、接合端縁を接合する際の多数箇所の全てに接着資材を自動的に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載のベニヤ単板の処理方法。
- 割れの補修に際しては、接合端縁を接合する際の多数箇所の内の、割れの基端部分が有る左右少なくともいずれか片側の約半数箇所に限定して、接着資材を自動的に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載のベニヤ単板の処理方法。
- 割れの補修に際しては、接合端縁を接合する際の多数箇所の内の、割れの基端部分が有る左右少なくともいずれか片端寄りの少数箇所に限定して、接着資材を自動的に供給し、該接着資材に接着促進作用を付与して成る請求項1記載のベニヤ単板の処理方法。
- ベニヤ単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各ベニヤ単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所に対して、一斉に接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えたベニヤ単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各ベニヤ単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とするベニヤ単板の処理装置。
- ベニヤ単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各ベニヤ単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所に対して、左右の約半数箇所毎に二分して接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記多数箇所の全てへ一斉に接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えたベニヤ単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各ベニヤ単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、割れの基端部分が有る片側の約半数箇所のみへ接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とするベニヤ単板の処理装置。
- ベニヤ単板を繊維方向と直交方向へ搬送する途上に於て、先行ベニヤ単板と後続ベニヤ単板の接合端縁を密に接近させる搬送経路を形成する単板搬送機構と、各ベニヤ単板の接合端縁を中に含めた上下少なくともいずれか片面の狭小範囲の多数箇所へ、左右少なくともいずれか片側の少数箇所と中央の適数箇所とに二分又は三分して接着資材を供給する接着資材供給機構と、該接着資材に接着促進作用を付与する接着促進部材を有する接着促進機構と、各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、前記多数箇所の全てへ一斉に接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ各ベニヤ単板の接合端縁が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる接合用の制御機構とを少なくとも備えたベニヤ単板の処理装置であって、前記搬送経路の途中に於て、各ベニヤ単板に内在する割れの基端部分を検出する割れ検出機構を、搬送経路の左右少なくともいずれか片側に備えると共に、該割れ検出機構の検出信号に基づいて、検出された割れの基端部分が所定の接着資材供給位置へ到達した際に、割れの基端部分が有る片側寄りの少数箇所のみへ接着資材を供給するよう前記接着資材供給機構を作動させ、且つ検出された割れの基端部分が所定の接着促進位置へ到達した際に、前記接着促進機構の接着促進部材を作動させる補修用の制御機構を併せて備えたことを特徴とするベニヤ単板の処理装置。
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