JP4095604B2 - 抗菌性ガラスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、Agイオンを溶出しうる抗菌性ガラスの製造方法に関し、より詳細には、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスの製造方法に関する。
近年、建材、家電製品(TV、パソコン、携帯電話、ビデオカメラなど含む)、雑貨、包装用資材等において、抗菌効果を付与するために、抗菌性ガラスを所定量樹脂中に混入させた抗菌性樹脂組成物が使用されている。
このような抗菌性ガラスとして、Agイオンを溶出しうるガラス水処理剤が開示されている(特許文献1参照)。このガラス水処理剤は、組成物中に一価のAgイオンをガラス100重量部あたり酸化銀換算で0.2〜1.5重量部含有し、ガラス成分としてB23を20〜70モル%含有する硼珪酸塩系の抗菌性ガラスからなるものである。より具体的には、当該特許公報の実施例2および3には、それぞれ、B23を20〜30モル%、ZnOを40モル%、P25を30〜40モル%およびAg2Oを1重量%とした抗菌性ガラスである。
また、抗菌性樹脂組成物として、樹脂中に抗菌性ガラスを含む合成樹脂成形体が開示されている(特許文献2参照)。当該合成樹脂成形体は、具体的に、SiO2、B23、P25の一種もしくは二種以上の網目形成酸化物と、Na2O、K2O、CaO、ZnOの一種もしくは二種以上の網目修飾酸化物とからなるガラス固形物100重量部中に、一価のAgとして、Ag2Oを0.1〜20重量部含有した抗菌性ガラスを樹脂中に含んだ構成としてある。より具体的には、当該特許公報の実施例において、SiO2:40モル%、B23:50モル%、Na2O:10モル%からなる混合物100重量部に対して、Ag2Oを2重量部添加した抗菌性ガラスである。
しかしながら、特許文献1に開示された抗菌性ガラスは、ガラス組成としてB23を20〜70モル%含んでおり、また形状を考慮していないためと思われるが、抗菌性ガラスが白濁したり、再凝集したりして、透明性に乏しかったり、黄変しやすいという問題が見られた。また、抗菌性ガラスを樹脂中に混合した場合に、分散性が乏しいという問題も見られた。
したがって、かかる透明性や分散性に乏しい抗菌性ガラスを、樹脂中に混合したり、あるいは樹脂成形品の表面に積層したりすると、樹脂自身の有する色や透明性を損なったり、表面平滑性が乏しくなるという問題が見られた。
また、特許文献2に開示された抗菌性ガラスは、ガラス組成としてB23を主成分として用いており、また、網目形成酸化物と、網目修飾酸化物との配合量が最適化されておらず、さらには、形状を考慮していないために、抗菌性ガラスの透明性や分散性に乏しかったり、黄変しやすいという問題が見られた。また、かかる抗菌性ガラスは、そのガラス組成に起因して、製造時間が過度に長くなるなどの問題が見られた。
そこで、出願人はすでに、B23を実質的に含まない代りにAg2O、ZnOおよびP25を含み、かつ、全体量を100重量%としたときに、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、およびP25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とすることにより、黄変が少ない溶解性ガラスを提案している(特許文献3参照)。
特開昭62−210098号 特開平1−313531号 特開2000−191339号
しかしながら、特許文献3に開示された溶解性ガラスでは、溶解性ガラスの黄変が少ないという効果は得られるものの、ZnOと、網目修飾酸化物(CaO)との配合量が最適化されておらず、ZnOを比較的多量に添加し、当該ZnO量がばらついた場合に、抗菌性ガラスの透明性や分散性が乏しくなるという問題が見られた。
そこで、本発明者は、鋭意検討した結果、抗菌性ガラスの形状、かつ平均粒径をそれぞれ制限することにより、ZnOを添加しない場合や、ZnOを比較的多量に添加した場合、あるいはB23を所定量添加した場合であっても、溶解性ガラスの黄変が少ないとともに、得られる抗菌性ガラスの透明性や分散性が向上できることを見出したものである。
すなわち、ガラス組成にかかわらず、溶解性ガラスの黄変が少なく、透明性や分散性に優れるとともに、製造容易な抗菌性ガラスが得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
本発明によれば、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法が提供され、上述した問題を解決することができる。
(A)ガラス組成として、Ag2O、ZnO、CaO、B23およびP25を含み、全体量を100重量%としたときに、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、CaOの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびP25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、ZnO/CaOの重量比率を1.1〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
(B)ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
(C)粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
また、本発明の別の態様は、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)ガラス組成として、ZnOを実質的に含まない代りにAg2O、CaO、B23およびP25を含むとともに、全体量を100重量%としたときに、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、CaOの含有量を15〜50重量%の範囲内の値、B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびP25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、CaO/Ag2Oの重量比率を5〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
(B)ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
(C)粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
また、本発明のさらに別の態様は、下記工程(A)〜(C)を含むとともに、工程(E)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)ガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
(B)ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
(C)粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
(E)カップリング剤処理を表面に施す工程
また、本発明の抗菌性ガラスの製造方法を実施するにあたり、工程(C)において、回転ウス、回転ロール、振動ミル、ボールミル、サンドミル、あるいはジェットミルを用いることが好ましい。
また、本発明の抗菌性ガラスの製造方法を実施するにあたり、工程(C)において、分散媒として、イソプロパノールを用いることが好ましい。
また、本発明の抗菌性ガラスの製造方法を実施するにあたり、工程(C)の後に、下記工程(D)をさらに含むことが好ましい。
(D)平均粒径が0.01〜50μm未満の範囲内の値であって、抗菌性ガラスよりも小さい平均粒径を有する外添粒子を添加する工程
本発明によれば、抗菌性ガラスの形状を多面体とするとともに、平均粒径を所定範囲の値とし、さらには所定のガラス組成とすることにより、抗菌性ガラスの黄変が少なくなり、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスを提供することができる。
また、さらにカップリング剤処理することにより、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスを提供できるとともに、再凝集を防止したり、樹脂に添加した場合に、優れた密着性が得られるようになる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)ガラス組成として、Ag2O、ZnO、CaO、B23およびP25を含み、全体量を100重量%としたときに、前記Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、前記ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、前記CaOの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、前記B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、および前記P25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、ZnO/CaOの重量比率を1.1〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
(B)前記ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
(C)前記粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
以下、本発明の抗菌性ガラスの製造方法により製造される抗菌性ガラスについて説明した後、工程(A)〜(C)を含む抗菌性ガラスの製造方法について、具体的に説明する。
1.ガラス原材料の混合工程(工程Aの一部)
Ag2O、ZnO、CaO、B23およびP25等を含むガラス原材料を正確に秤量した後、均一に混合する工程である。
本実施形態にかかる抗菌性ガラスの製造方法におけるガラス組成は、Ag2O、ZnO、CaO、B23およびP25を含み、かつ、全体量を100重量%としたときに、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、CaOの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびP25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、ZnO/CaOの重量比率を1.1〜15の範囲内の値とすることを特徴とする。
(1)Ag2
Ag2Oは、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける必須構成成分であり、ガラス成分が溶解して、Agイオンを溶出させることにより、優れた抗菌性を長期間発現する抗菌性ガラスとすることができる。
ここで、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、Ag2Oの含有量が、0.2重量%未満の値となると、抗菌性ガラスの抗菌性が不十分となるためであり、所定の抗菌効果を得るためには、多量の抗菌性ガラスが必要となるためである。一方、Ag2Oの含有量が、5重量%を超えると、抗菌性ガラスがより変色しやすくなり、また、コストが高くなり経済的に不利となるためである。したがって、抗菌性ガラスの抗菌性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、かかるAg2Oの含有量を1〜4重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、1.5〜3重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)ZnO
ZnOは、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける網目修飾酸化物としての機能を果たすとともに、黄変を防止する機能とともに、抗菌性を向上させる機能をも果たしている。
ここで、ZnOの含有量を、全体量に対して、2〜60重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるZnOの含有量が2重量%未満の値となると、黄変防止効果や、抗菌性の向上効果が発現しない場合があるためであり、一方、かかるZnOの含有量が60重量%を超えると、抗菌性ガラスの透明性が低下したり、機械的強度が乏しくなる場合があるためである。
したがって、抗菌性ガラスの変色防止性および透明性等のバランスがより良好な観点から、ZnOの含有量を、全体量に対して、5〜50重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、10〜40重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、ZnOの含有量を、後述するCaOの含有量を考慮して定めることが好ましい。具体的には、ZnO/CaOで表される重量比率を、1.1〜15の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる重量比率が1.1未満の値となると、抗菌性ガラスの黄変を効率的に防止することができない場合があり、一方、かかる重量比率が15を超えると、抗菌性ガラスが白濁したり、あるいは、逆に、黄変する場合があるためである。
したがって、かかるZnO/CaOで表される重量比率を1.2〜10の範囲内の値とすることがより好ましく、1.5〜8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)CaO
本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法において、CaOを用いることにより、基本的に網目修飾酸化物としての機能を果たすとともに、抗菌性ガラスを作成する際の、加熱温度を低下させたり、ZnOとともに、黄変防止機能を発揮したりすることができる。
ここで、CaOの含有量を全体量に対して、0.1〜15重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるCaOの含有量が0.1重量%未満となると添加効果(黄変防止機能や溶融温度低下効果)が発揮されないおそれがあるためであり、一方、かかるCaOの含有量が15重量%を超えると、抗菌性ガラスの透明性が逆に低下するおそれがあるためである。
したがって、抗菌性ガラスの溶融温度低下効果および透明性等のバランスがより良好な観点から、CaOの含有量を1〜10重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には2〜7重量%の範囲内の値とすることである。
(4)B23
23は、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける必須構成成分であり、基本的に網目形成酸化物としての機能を果たすが、その他に、本発明においては抗菌性ガラスの透明性改善機能やAgイオンの均一な放出性にも関与する。
ここで、Bの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値が好ましい。この理由は、かかるB23の含有量が0.1重量%未満となると、抗菌性ガラスの透明性が低下したり、あるいはAgイオンの均一な放出性や機械的強度が乏しくなるおそれがあるためであり、一方、かかるB23の含有量が15重量%を超えると、抗菌性ガラスが黄変しやすくなったり、また硬化性に乏しくなり機械的強度が低下するおそれがある。
したがって、抗菌性ガラスの透明性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、B23の含有量を1〜12重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には5〜10重量%の範囲内の値とすることである。
(5)P25
25は、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける必須構成成分であり、基本的に網目形成酸化物としての機能を果たすが、その他に、本発明においては抗菌性ガラスの透明性改善機能やAgイオンの均一な放出性にも関与する。
ここで、P25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値が好ましい。この理由は、かかるP25の含有量が30重量%未満となると、抗菌性ガラスの透明性が低下したり、あるいはAgイオンの均一な放出性や機械的強度が乏しくなるおそれがあるためであり、一方、かかるP25の含有量が80重量%を超えると、抗菌性ガラスが黄変しやすくなったり、また硬化性に乏しくなり機械的強度が低下するおそれがある。
したがって、抗菌性ガラスの透明性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、P25の含有量を30〜75重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には30〜70重量%の範囲内の値とすることである。
(6)その他
(6)−1 CeO2
CeO2は、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける任意構成成分であり、基本的に網目修飾酸化物としての機能を果たす。但し、CeO2はその他に、本発明において用いた場合には抗菌性ガラスの透明性改善機能も発揮する。また、CeO2を添加することで、電子線に対する変色性を向上させることもできる。
ここで、CeO2の含有量を、全体量に対して、0.1〜5重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかるCeO2の含有量が0.1重量%未満となると添加効果(透明性改善機能)が発揮されない場合があるためであり、一方、CeO2の含有量が5重量%を超えると、コストが高くなり経済的に不利となる場合があるためである。
したがって、抗菌性ガラスの経済性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、CeO2の含有量を0.2〜3重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、0.3〜2重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)−2 MgO
MgOは、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける任意構成成分であり、基本的に網目修飾酸化物としての機能を果たす。但し、MgOはその他に、本発明において用いた場合には抗菌性ガラスの透明性改善機能も発揮する。
ここで、MgOの含有量を、全体量に対して、0.1〜15重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、当該MgOの含有量が0.1重量%未満の値となると添加効果(透明性改善機能)が発揮されないおそれがあるためであり、一方、MgOの含有量が15重量%を超えると、コストが高くなり経済的に不利となるおそれがあるためである。したがって、抗菌性ガラスの経済性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、MgOの含有量を0.5〜12重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には1〜10重量%の範囲内の値とすることである。
(6)−3 Na2
Na2Oは、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける任意構成成分であり、本発明に用いた場合には、基本的に網目修飾酸化物としての機能を果たす。但し、Na2Oは、その他に、抗菌性ガラスの透明性改善機能等も発揮する。
ここで、Na2Oの含有量を、全体量に対して、0.1〜10重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかるNa2Oの含有量が0.1重量%未満の値となると添加効果(透明性改善機能)が発揮されないおそれがあるためであり、一方、かかるNa2Oの含有量が10重量%を超えると、抗菌性ガラスの透明性が低下するおそれがあるためである。
したがって、抗菌性ガラスの透明性および変色防止性等のバランスがより良好な観点から、Na2Oの含有量を、全体量に対して、0.2〜5重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、0.5〜3重量の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)−4 Al23
Al23は、本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法で製造する抗菌性ガラスにおける任意構成成分であり、本発明に用いた場合には、基本的に網目形成酸化物としての機能を果たしている。但し、その他にAl23は、本発明においては抗菌性ガラスの機械的強度や透明性の改善機能も発揮することができる。
ここで、Al23の含有量を、全体量に対して0.1〜20重量%の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、かかるAl23の含有量が0.1重量%未満の値となると添加効果(透明性改善機能)が発揮されないおそれがあるためであり、一方、かかるAl23の含有量が20重量%を超えると、抗菌性ガラスの透明性が低下するおそれがあるためである。
したがって、抗菌性ガラスの機械的強度や透明性のバランスが良好な観点から、Al23の含有量を、全体量に対して、1〜15重量%の範囲内の値とするのが好ましく、2〜10重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)−5 その他の構成成分
本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法においては、網目修飾成分としてK2O、SiO2、BaO等を本発明の目的の範囲内で所定量添加することも好ましい。
(7)混合条件
そして、これらのガラス原材料を混合するに際して、万能攪拌機(プラネタリーミキサ)、アルミナ磁器らい潰機、ボールミル、プロペラミキサ等の混合機械(ミキサ)を使用することが好ましい。例えば、万能攪拌機を用いた場合、公転数を100rpm、自転数を250rpmとし、30分〜5時間の条件で、ガラス原材料を攪拌混合することが好ましい。
2.ガラス原材料の溶融工程(工程A)
均一に混合したガラス原材料を、一例として、ガラス溶融炉を用い、溶融させて、ガラス融液を作成する工程である。
また、溶融条件として、例えば、溶融温度を600〜1500℃、溶融時間を0.1〜24時間の範囲内の値とすることが好ましい。このような溶融条件であれば、ガラス融液の生産効率を高めるとともに、製造時における抗菌性ガラスの黄変性を可及的に少なくすることができるためである。
3.抗菌性ガラスの粉砕工程(工程BおよびC)
得られた溶融ガラスを、粉砕し、多面体であって、所定の平均粒径を有する本発明の抗菌性ガラスとする工程である。
具体的には、以下に示すような粗粉砕(水粉砕を含む。)、中粉砕、および微粉砕を行うことが好ましい。このように実施すると、均一な平均粒径を有する抗菌性ガラスを効率的に得ることができる。ただし、用途によっては平均粒径をより細かく制御するために、粉砕工程の後、分級工程をさらに設けて、ふるい処理等を実施することも好ましい。
(1)粗粉砕(工程B)
粗粉砕は、平均粒径が10mm程度になるように、抗菌性ガラスを粉砕する工程である。かかる粗粉砕として、通常、ガラス融液を、静水に注入することにより、所定の平均粒径とする水砕を行うことが好ましい。
なお、粗粉砕後の抗菌性ガラスは、角の無い塊状であることが電子顕微鏡写真から確認されている。
(2)中粉砕(工程Cを一部含む場合がある。)
中粉砕は、平均粒径が100μm程度になるように、粗粉砕後の抗菌性ガラスを粉砕する工程である。通常、一次中粉砕と、二次中粉砕との二段階に分けて、実施することが好ましい。
この一次中粉砕は、平均粒径が10mm程度の抗菌性ガラスを、平均粒径が1mm程度の抗菌性ガラスとする粉砕工程であり、回転ロール等を用いて実施することが好ましい。
また、二次中粉砕は、平均粒径が1mm程度の抗菌性ガラスを、平均粒径が400μm程度の抗菌性ガラスとする粉砕工程であり、回転ウス等を用いて実施することが好ましい。
なお、二次中粉砕後の抗菌性ガラスは、角を有する多面体であることが電子顕微鏡写真から確認されている。
(3)微粉砕(工程C)
微粉砕は、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値になるように、中粉砕後の抗菌性ガラスを粉砕する工程である。かかる微粉砕のためには、回転うす、回転ロール、振動ミル、ボールミル、サンドミル、あるいはジェットミルを用いることができるが、特に振動ミルおよびジェットミルを用いることが好ましい。
このような微粉砕装置を使用することにより、粗粉砕ガラスに対して、適度なせん断力を付与することができ、粒径が過度に小さい抗菌性ガラスを生じることなく、所定平均粒径を有する多面体の抗菌性ガラスを効果的に得ることができる。
なお、振動ボールミルと、ジェットミルとを比較した場合、振動ボールミルを用いた方が、1回の処理量が多く、微粉砕装置の構造が簡易であるという利点がある。一方、ジェットミルを用いた方が、抗菌性ガラスの再凝集の割合が少なく、比較的短時間で攪拌できるという利点がある。また、ジェットミルを用いることにより、例えば、外添粒子を添加することなく、図2に示すような再凝集の少ない抗菌性ガラスを得ることができる。したがって、抗菌性ガラスの用途等に応じて、微粉砕装置を使い分けることが好ましい。
その他、振動ボールミルやジェットミルを用いて微粉砕した後の抗菌性ガラスは、中粉砕後の抗菌性ガラスよりも多くの角や面を有する多面体であることが電子顕微鏡写真から確認されている。
4.外添粒子の添加(工程D)
また、上述した微粉砕を実施した後に、平均粒径が0.01〜50μm未満の範囲内であって、抗菌性ガラスよりも小さい平均粒径を有する外添粒子を添加することが好ましい。
(1)種類
外添粒子としては、多面体ガラスを被覆する際に使用する粒子と同種の粒子を使用することも良いし、あるいは異種の粒子を使用しても良い。
したがって、酸化チタン、酸化ケイ素、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、ホワイトカーボン、アクリル粒子、スチレン粒子、ポリカーボネート粒子等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
また、外添粒子としては、多面体ガラスの製造後に添加することもできるが、少なくとも多面体ガラスの製造中に添加することが好ましい。多面体ガラスの製造中に添加することにより、過度に小さい多面体ガラスが生成するのを防止することができ、平均粒径を所定範囲に容易に制御することができるためである。
なお、外添粒子を多面体ガラスの製造中に添加する場合、多面体ガラスの分散液、例えば、イソプロパノールやトルエン等に溶解することなく、均一に分散する外添粒子であることが好ましい。したがって、外添粒子として、コロイダルシリカや、酸化亜鉛、あるいはアルミナ等を使用することが好ましい。
(2)平均粒径
外添粒子の平均粒径を0.01〜50μm未満の範囲内の値と制限するのは、かかる平均粒径が0.01μm未満の値となると、多面体ガラスの再凝集防止効果が乏しくなったり、あるいは、所定の再凝集防止効果を得るのに、添加量を過度に多くしなければならないためである。一方、外添粒子の平均粒径が50μm以上の値となると、抗菌性ガラスの透明性が低下したり、多面体ガラスからのAgイオン溶出速度の制御が困難になる場合があるためである。
したがって、外添粒子の平均粒径を0.05〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)添加量
外添粒子の添加量を、多面体ガラス100重量部に対して、0.1〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる外添粒子の添加量が0.1重量部未満の値となると、多面体ガラスの再凝集防止効果や、Agイオン溶出速度の制御効果が乏しくなる場合があるためである。一方、かかる外添粒子の添加量が30重量部を超えると、抗菌性ガラスの透明性が低下したり、抗菌性ガラスの樹脂中への混合分散性が低下する場合があるためである。
したがって、外添粒子の添加量を、多面体ガラス100重量部に対して、0.5〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)添加方法
外添粒子の添加方法については特に制限されるものでなく、多面体ガラスの製造中、多面体ガラスの製造後、あるいは、抗菌性ガラスの樹脂中への混合分散と同時期に添加する方法であっても良い。
さらに、多面体ガラスの製造中に添加する場合、微粉砕時に添加することがより好ましい。この理由は、微粉砕時に、過度に小さい多面体ガラスが生成して、それが比較的大きな多面体ガラスと再凝集することが知られているが、外添粒子の添加により、このような再凝集を選択的に防止できるためである。
5.抗菌性ガラス
(1)形状
本実施形態の抗菌性ガラスの製造方法により得られる抗菌性ガラスの形状は、多面体、すなわち、複数の角や面から構成されており、例えば6〜20面体からなる多面体ガラスとすることを特徴とする。すなわち、本発明において、多面体の抗菌性ガラスとは、図1および図2に示すように、主として平均粒径が0.1〜50μmの範囲であって、6〜20面体からなる多面体ガラスを意味する。
なお、図1および図2に、かかる抗菌性ガラスの電子顕微鏡で観察される形状を模式的に示す。図1は、実施例1と同様の工程で製造した場合の抗菌性ガラスを示しており、一部、破砕された抗菌性ガラスの細片が、再凝集し、多面体の抗菌性ガラスの表面に付着していることを示している。また、図2は、実施例3と同様の工程で製造した場合の外添粒子を含む抗菌性ガラスを示しており、破砕された抗菌性ガラスの細片がわずかに生成しているものの、それが、ほとんど再凝集しておらず、多面体の抗菌性ガラスの表面にも付着しないで、独立して存在していることを示している。
また、かかる図1および図2から容易に理解されるように、抗菌性ガラスの形状を多面体とすることにより、球状の抗菌性ガラスと異なり、光が面内を一定方向に進行しやすくなる。したがって、抗菌性ガラスに起因した光散乱を有効に防止することができ、そのため、抗菌性ガラスの透明性を向上させることができる。
また、このように抗菌性ガラスを多面体とすることにより、樹脂中への混合分散が容易となるばかりか、射出成形した場合に、抗菌性ガラスが一定方向に配向しやすくなる。したがって、抗菌性ガラスを樹脂中に均一に分散しやすくなるとともに、樹脂中での抗菌性ガラスによる光の散乱を効果的に防止することができる。
さらに、このように抗菌性ガラスの形状が多面体であれば、製造時や使用時等に再凝集しにくいため、抗菌性ガラスの製造時における平均粒径の制御が容易となったり、使用する際の製造工程の制御についても容易となる。
また、抗菌性ガラスの形状に関し、多面体の周囲に無機物および有機物あるいはいずれか一方の粒子で被覆した形態とすることも好ましい。
このように構成することにより、Agイオンの溶出速度の制御を容易にし、また、抗菌性ガラスの分散性をさらに良好なものとすることができる。
また、抗菌性ガラスを被覆する粒子としては、酸化チタン、酸化ケイ素、コロイダルシリカ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉛、ホワイトカーボン、アクリル粒子、スチレン粒子、ポリカーボネート粒子等の一種単独または二種以上の組合せが好ましい。
さらに、抗菌性ガラスを粒子により被覆する方法も特に制限されるものでないが、例えば、抗菌性ガラスと、粒子とを均一に混合後、600〜1200℃の温度で加熱してガラスに融着するか、あるいは、結合剤を介して、固定することが好ましい。
なお、本発明の抗菌性ガラスは、多面体であって、球状ではないため、被覆する粒子の動きが拘束されて、均一に被覆することができる。
(2)平均粒径
また、抗菌性ガラスの平均粒子径を0.1〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる平均粒子径が0.1μm未満の値となると、樹脂中への混合分散や取り扱いが困難となったり、あるいは、光散乱が生じやすくなり、透明性が低下するためである。
一方、かかる平均粒子径が50μmを超えると、樹脂中への混合分散が困難となったり、取り扱いが困難となったり、あるいは成形品に添加した場合に、成表面平滑性が低下する場合があるためである。
したがって、抗菌性ガラスの平均粒子径を1〜20μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、抗菌性ガラスの平均粒子径は、レーザー方式のパーティクルカウンターや沈降式の粒度分布計を用いたり、あるいは、抗菌性ガラスの電子顕微鏡写真をもとに、容易に測定することができる。
6.抗菌性ガラスの使用例
第1の実施形態で製造される抗菌性ガラスは、例えば、樹脂中に、所定量混入させて抗菌性樹脂組成物を構成した後、成形機を用いて、所定形状に成形し、抗菌性成形品を製造することができる。
(1)樹脂
抗菌性成形品(抗菌性樹脂組成物)を成形するにあたり、抗菌性ガラスを以下に示す樹脂中に混入させることが可能である。
好ましい樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、フッ素系樹脂、ポリアリーレン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、透明塩化ビニール樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の一種または二種以上の組合わせを挙げることができる。
また、このような種類の樹脂を使用する場合、具体的に50〜100%の範囲内の下記式で定義される光透過率を有するものを使用するのが好ましく、より好ましくは、80〜100%の範囲内の光透過率を有するものを使用することである。なお、透過光量および入射光量は吸光光度計や光量計(パワーメータ)を用いて測定することができる。その測定の際、透明樹脂は、例えば、厚さ1mmの板状としたものを使用することができる。
光透過率(%)=透過光量/入射光量×100
その他、これらの樹脂に対して、顔料、塗料、染料等を添加することも好ましい。
(2)抗菌性ガラスの添加量
抗菌性ガラスの添加量を、樹脂100重量部あたり、0.01〜10重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、抗菌性ガラスの添加量が、0.01重量部未満となると、発現できる抗菌性が低下する場合があり、一方、かかる抗菌性ガラスの添加量が、10重量部を超えると、抗菌性樹脂組成物の機械的強度が低下したり、均一に混合することが困難となったり、あるいは得られる抗菌性樹脂組成物の透明性が低下する場合が生じるためである。
したがって、かかる抗菌性樹脂組成物における抗菌性と機械的強度等とのバランスがより好ましい観点から、樹脂100重量部あたり、抗菌性ガラスの添加量を、0.1〜5重量部の範囲内の値とするのがより好ましく、0.3〜3重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)抗菌性ガラスの混合方法
抗菌性ガラスを樹脂に対して混合するにあたり、撹拌混合法、練り込み法、塗布法、拡散法等を採ることができる。例えば、撹拌混合法の場合、室温(25℃)にて、10分〜24時間撹拌混合することが好ましい。
また、抗菌性ガラスを混合する際に、アルミナ磁器らい潰機、ボールミル、プロペラミキサ、三本ロール、Vブレンダ等の混合機械を使用し、さらには、有機溶剤や潤滑剤を添加して、樹脂の粘度調整をすることが好ましい。
(4)抗菌性成形品
抗菌性成形品の形態は特に制限されるものではなく、抗菌性樹脂組成物自身を所定形状に加工した形態でも良く、あるいは、抗菌性樹脂組成物を成形品の表面に積層したものであっても良い。
また、抗菌性成形品の形態は、用途に応じて適宜採用することができる。例えば、バッグ、靴、玩具、衣服、下着、靴下、ふろおけ等の成形品の表面に抗菌性樹脂組成物を積層してなるものであれば良い。
また、抗菌性樹脂組成物自身を加工して抗菌性成形品とした場合、板状、フィルム状、長方体状、正方体状、球状、棒状、あるいは異形体状とすることが好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法における工程(A)において、ガラス組成として、ZnOを実質的に含まない代りにAg2O、CaO、B23およびP25を含むとともに、全体量を100重量%としたときに、Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、CaOの含有量を15〜50重量%の範囲内の値、B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、およびP25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、CaO/Ag2Oの重量比率を5〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とすることを特徴とする抗菌性ガラスの製造方法である。
以下、第2の実施形態における抗菌性ガラスの製造方法の特徴であるガラス組成等を中心に説明する。
1.ガラス組成
(1)Ag2
Ag2Oに関しては、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。したがって、Ag2Oの含有量を、全体量に対して、0.2〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
(2)CaO
本発明の抗菌性ガラスの製造方法において、CaOを用いることにより、基本的に網目修飾酸化物としての機能を果たすとともに、抗菌性ガラスを作成する際の、加熱温度を低下させたり、黄変防止機能を発揮することができる。
ここで、CaOの含有量を全体量に対して、15〜50重量%の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるCaOの含有量が15重量%未満となると、ZnOを実質的に含んでいないために、黄変防止機能や溶融温度低下効果が発揮されない場合があるためであり、一方、かかるCaOの含有量が50重量%を超えると、抗菌性ガラスの透明性が逆に低下するおそれがあるためである。
したがって、抗菌性ガラスの溶融温度低下効果および透明性等のバランスがより良好な観点から、CaOの含有量を20〜40重量%の範囲内の値とするのがより好ましく、最適には25〜35重量%の範囲内の値とすることである。
また、上述したAg2Oが黄変の原因となることから、黄変防止機能を発揮するCaOの含有量を、Ag2Oの含有量を考慮して定めることが好ましい。具体的には、CaO/Ag2Oで表される重量比率を5〜15の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかる重量比率が5未満の値となると、抗菌性ガラスの黄変を効率的に防止することができない場合があり、一方、かかる重量比率が10を超えると、抗菌性ガラスが白濁したり、あるいは、逆に、黄変する場合があるためである。
したがって、かかるCaO/Ag2Oで表される重量比率を6〜12の範囲内の値とすることがより好ましく、7〜10の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)B23
23に関しては、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。したがって、B23の含有量を、全体量に対して、0.1〜15重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
(4)P25
25に関しては、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。したがって、P25の含有量を、全体量に対して、30〜80重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
(5)その他
CeO2、MgO、Na2O、Al23、K2O、SiO2、BaO等についても、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。
なお、第2の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法においては、ガラス組成として、ZnOを実質的に含まないことを特徴としているが、具体的に、全体量に対して、ZnOを1重量%以下の値とすることが好ましく、0.5重量%以下の値とすることがより好ましく、0.1重量%以下の値とすることがさらに好ましい。
2.抗菌性ガラスの形状および平均粒径
第2の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法により得られる抗菌性ガラスの形状および平均粒径は、第1の実施形態と同様の内容とすることができる。
したがって、第2の実施形態で製造される抗菌性ガラスを、例えば6〜20面体とすることが好ましく、平均粒子径を0.1〜50μmの範囲内の値とすることが好ましい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、下記工程(A)〜(C)を含むとともに、工程(E)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法である。
(A)ガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
(B)ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
(C)粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
(E)カップリング剤処理を表面に施す工程
以下、第3の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法の特徴である工程(E)を中心に説明する。
1.工程(A)〜(C)
工程(A)〜(C)については、上述の第1の実施形態または第2の実施形態と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
2.カップリング剤添加工程(工程E)
(1)カップリング剤
カップリング剤としては、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、チタンカップリング剤等が使用可能であるが、多面体ガラスに対して、特に優れた密着力が得られることよりシランカップリング剤を使用することが好ましい。
また、好ましいシランカップリング剤の種類としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、あるいは、下記構造式からなるシランカップリング剤等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
RO(CH2CHO)nCH2CH2CH2CSi(OR´)3
(Rは、メチル基、エチル基、または水素であり、R´は、メチル基またはエチル基であり、nは1〜10の整数である。)
(2)添加量
また、カップリング剤の処理量を、多面体ガラス100重量部あたり、0.01〜30重量部の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、かかるカップリング剤の処理量が0.01重量部未満の値となると、多面体ガラスの再凝集防止効果や、Agイオン溶出速度の制御効果が乏しくなったり、あるいは樹脂中への混合分散性が低下する場合があるためである。
一方、かかるカップリング剤の処理量が30重量部を超えると、多面体ガラスの透明性が低下したり、抗菌性ガラス(多面体ガラス)の樹脂中への混合分散性が逆に低下する場合があるためである。
したがって、カップリング剤の処理量を、多面体ガラス100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜10重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)処理方法
また、カップリング剤の処理方法は特に制限されるものでなく、外添粒子と同様に、多面体ガラスの製造中や多面体ガラスの製造後に処理しても良く、あるいは、抗菌性ガラスの樹脂中への混合分散と同時期に処理しても良い。
ただし、カップリング剤を多面体ガラスの製造中に添加する場合、多面体ガラスの再凝集を有効に防止できることから、微粉砕時に添加することがより好ましい。
さらに、カップリング剤と、多面体ガラスとを均一に接触させるため、カップリング剤による処理にあたり、溶剤を用いて、予め希釈しておくことも好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。但し、以下の説明は本発明を例示的に示すものであり、本発明はこれらの記載に制限されるものではない。
[実施例1]
1.抗菌性ガラスの製造
(1)溶融工程
抗菌性ガラス(A組成)の全体量を100重量%としたときに、P25の組成比が50重量%、CaOの組成比が5重量%、Na2Oの組成比が1.5重量%、B23の組成比が10重量%、Ag2Oの組成比が3重量%、CeO2の組成比が0.5重量%、ZnOの組成比が30重量%となるように、それぞれのガラス原料を、万能混合機を用いて、回転数250rpm、30分の条件で、均一に混合するまで攪拌した。
次いで、溶融炉を用いて、1280℃、3時間半の条件でガラス原料を加熱して、ガラス融液を作成した。
(2)水砕工程
ガラス溶融炉から取り出したガラス融液を、25℃の静水中に流し込むことにより、水砕し、平均粒子径が約10mmの粗粉砕ガラスとした。
なお、この段階の粗粉砕ガラスを、光学顕微鏡で観察し、塊状であって、角や面が無いことを確認した。
(3)中粉砕
次いで、アルミナ製の一対の回転ロール(東京アトマイザー製造(株)製、ロールクラッシャー)を用いて、ギャップ1mm、回転数150rpmの条件で、粗粉砕ガラスをホッパーから自重を利用して供給しながら、一次中粉砕を実施し、平均粒子径を約1000μmとした。
さらに、アルミナ製の回転うす(中央化工機商事(株)製、プレマックス)を用い、ギャップ400μm、回転数700rpmの条件で、一次中粉砕した抗菌性ガラスを、二次中粉砕し、平均粒子径を約400μmとした。
なお、二次中粉砕した後の粗粉砕ガラスを、電子顕微鏡で観察し、少なくとも50重量%以上が、角や面のある多面体であることを確認した。
(4)微粉砕
次いで、内容積105リットルの振動ボールミル(中央化工機商事(株)製)内に、メディアとして、直径10mmのアルミナ球を210kgと、二次中粉砕した抗菌性ガラスを20kgと、イソプロパノールを14kgと、シランカップリング剤A−1230(日本ユニカー(株)製)を0.2kgとをそれぞれ収容した後、回転数1,000rpm、振動幅9mmの条件で、7時間微粉砕処理した。なお、この段階後の微粉砕ガラスを、電子顕微鏡で観察し、少なくとも70重量%以上が、角や面のある多面体であることを確認した。
(5)固液分離および乾燥
微粉砕した抗菌性ガラスと、イソプロパノールとを遠心分離機((株)コクサン製)を用いて、回転数3,000rpm、3分の条件で、固液分離を行った。
次いで、オーブンを用い、105℃、3時間の条件で抗菌性ガラスを乾燥した。
(6)解砕
乾燥して、一部塊化した抗菌性ガラスを、ギア型の解砕機(中央化工機商事(株)製)を用いて解砕し、抗菌性ガラスとした。
なお、この段階の抗菌性ガラスを、電子顕微鏡で観察し、少なくとも90重量%以上が角や面のある多面体であることを確認した。
2.抗菌性ガラスの評価
(1)透明性評価
得られた抗菌性ガラスの透明性を、顕微鏡を使用して、以下の基準で判断した。結果を表1に示す。
◎:無色透明である。
〇:一部不透明感ある。
△:一部白色感がある。
×:完全に白色である。
(2)再凝集性評価
得られた抗菌性ガラス(多面体ガラス)の表面を、顕微鏡を使用して、以下の基準で判断した。結果を表1に示す。
◎:周囲に、微細な抗菌性ガラスがほとんど付着していない。
〇:周囲に、微細な抗菌性ガラスのわずかな付着が観察される。
△:周囲に、微細な抗菌性ガラスの少々の付着が観察される。
×:周囲に、微細な抗菌性ガラスの多量の付着が観察される。
(3)Agイオン溶出性評価
得られた抗菌性ガラス100gを、500mlの蒸留水(20℃)中に浸漬し、振とう機を用いて1時間振とうした。遠心分離器を用いてAgイオン溶出液を分離後、さらにろ紙(5C)でろ過して、測定試料とした。そして、測定試料中のAgイオンを、ICP発光分光分析法により測定し、Agイオン溶出量(mg/kg換算)を算出した。
なお、表中の、NDは、検出限界以下の値であったことを示している。
(4)黄変性評価
得られた抗菌性ガラスに対して、紫外線照射装置(スガ試験機(株)製、サンシャインウエザオメータ)を用いて連続的に紫外線(ブラックパネル温度:63℃、照度:波長300〜700nmの光において、255W/m2)を照射し、抗菌性ガラスの黄変性を以下の基準で判断した。なお、抗菌性ガラスの黄変性は、顕微鏡を使用して測定した。結果を表1に示す。
◎:100時間経過後に無色透明である。
〇:50時間経過後に無色透明である。
△:10時間経過後に無色透明である。
×:10時間経過後に黄変している。
(5)抗菌性評価1〜2
得られた抗菌性ガラスを、ポリプロピレン樹脂中に、0.2重量%となるように混入させ、抗菌性ガラス入り樹脂を調製した後、成形機を用いて、厚さ2mm、縦5cm、横5cmの抗菌性ガラス入り試験片を得た。
一方、試験菌を、Trypticase Soy Agar(BBL)の寒天平板培地で、35℃、24時間培養し、発育集落を1/500濃度の普通ブイヨン培地(栄研化学(株)製)に懸濁させて、約1×106CFU/mlになるように調製した。
次いで、抗菌性ガラス入りの試験片に、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus IFO#12732)の懸濁液0.5mlおよび大腸菌(Escherichia coli IFO#3972)の懸濁液0.5mlをそれぞれ均一に接触させ、さらに、ポリエチレン製フィルム(減菌)を載せて、それぞれフィルム密着法の測定サンプルとした。
次いで、測定サンプルを、湿度95%、温度35℃、24時間の条件で、恒温槽に載置し、試験前の菌数(発育集落)と試験後の菌数(発育集落)とをそれぞれ測定し、以下の基準で抗菌性1(黄色ブドウ球菌)と、抗菌性2(大腸菌)とを評価した。
なお、試験前の菌数(発育集落)は、黄色ブドウ球菌および大腸菌とも、それぞれ2.6×105(個/試験片)であった。それぞれの結果を表1に示す。
◎:試験後の菌数が、試験前の菌数の1/10000未満である。
〇:試験後の菌数が、試験前の菌数の1/10000以上〜1/1000未満である。
△:試験後の菌数が、試験前の菌数の1/1000以上〜1/100未満である。
×:試験後の菌数が、試験前の菌数の1/100以上である。
[実施例2]
実施例1と同様のガラス組成(A組成)において、多面体であって、平均粒径が10μm抗菌性ガラスを作成して、評価した。得られた結果を、表1に示す。
[実施例3〜5]
実施例1と同様のガラス組成(A組成)において、多面体であって、平均粒径が10μmの多面体ガラスを作成した。次いで、微粉砕工程において、平均粒径が0.3μmのZnOを、それぞれ8重量%、2.7重量%、および2.1重量%添加し、実施例3〜5の外添粒子含有抗菌性ガラスを作成して、評価した。得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
ガラス組成(B組成)を、全体量に対して、P25の組成比が59.6重量%、CaOの組成比が26.3重量%、Na2Oの組成比が0.6重量%、B23の組成比が10重量%、Ag2Oの組成比が3重量%、CeO2の組成比が0.5重量%となるように構成した以外は、実施例1と同様に、多面体であって、平均粒径が3μmの外添粒子含有抗菌性ガラスを作成し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例7〜11]
実施例6と同様のガラス組成(B組成)において、多面体であって、平均粒径が3μmまたは10μmの多面体ガラスを作成した。次いで、平均粒径が0.3μmのZnOの添加量を、それぞれ2.5重量%、2.3重量%、1.2重量%、および0重量%として、外添粒子含有抗菌性ガラスを作成し、評価した。得られた結果を表2に示す。
[実施例12〜14]
実施例12〜14においては、実施例3〜5における外添粒子を平均粒径が0.3μmのZnOから、平均粒径が0.02μmのSiO2に変更したほかは、実施例3〜5と同様に外添粒子含有抗菌性ガラスを作成して、評価した。得られた結果を表3に示す。
[実施例15〜17]
実施例15〜17においては、実施例8〜10における外添粒子を平均粒径が0.3μmのZnOから、平均粒径が0.02μmのAl23に変更したほかは、実施例8〜10と同様に外添粒子含有抗菌性ガラスを作成して、評価した。得られた結果を表3に示す。
[比較例1〜2]
1.抗菌性ガラスの作成
比較例1〜2では、実施例1と同様のガラス組成の抗菌性ガラスをそれぞれ作成した。
なお、比較例1では、実施例1における微粉砕を行わず、粗粉砕および中粉砕のみで抗菌性ガラスの形状を部分的に多面体とするとともに、24メッシュのふるいを用いて、平均粒径を700μmに調整した。
また、比較例2では、実施例1における中粉砕および微粉砕を行わず、抗菌性ガラスの形状を粒状または塊状のまま、多面体としないとともに、48メッシュのふるいを用いて、平均粒径を300μmに調整した。
2.抗菌性ガラスの評価
実施例1と同様の評価条件で、比較例1〜2において得られた抗菌性ガラスについて、それぞれ透明性等を評価した。結果を表4に示す。ただし、再凝集性については、比較例2の抗菌性ガラスは粒状であって、細かな抗菌性ガラスの細片が生じていないために、評価できなかった。
結果から明らかなように、比較例1では、抗菌性ガラスの形状を多面体とせず、平均粒径が大きいためと思われるが、得られた抗菌性ガラスは、白濁して透明性に欠けていた。また、紫外線照射による黄変が一部観察された。さらに、樹脂中への分散混合が極めて困難であることも別途確認された。
また、比較例2では、平均粒径は所定範囲内の値であるものの、抗菌性ガラスの形状が多面体でないためと思われるが、得られた抗菌性ガラスは、白濁して透明性に欠けるとともに、紫外線照射による黄変が一部観察された。さらに、樹脂中への分散混合が困難であることが確認された。
以上、説明したように、第1の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法によれば、抗菌性ガラスの形状を多面体とするとともに、平均粒径を所定範囲の値とし、さらには所定のガラス組成とすることにより、抗菌性ガラスの黄変が少なくなり、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスを提供できるようになった。
また、第2の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法によれば、抗菌性ガラスの形状を多面体とするとともに、平均粒径を所定範囲の値とし、さらには所定のガラス組成とすることにより、抗菌性ガラスの黄変が少なくなり、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスを提供できるようになった。
また、第3の実施形態の抗菌性ガラスの製造方法によれば、抗菌性ガラスの形状を多面体とするとともに、当該抗菌性ガラスの平均粒径を所定範囲の値とし、しかもカップリング剤処理することにより、樹脂中への分散性や透明性に優れた抗菌性ガラスを提供できるとともに、再凝集を防止したり、樹脂に添加した場合に、優れた密着性が得られるようになった。
抗菌性ガラスの形状を模式的に示す図である。 外添粒子を含む抗菌性ガラスの形状を模式的に示す図である。

Claims (6)

  1. 下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法。
    (A)ガラス組成として、Ag2O、ZnO、CaO、B23およびP25を含み、全体量を100重量%としたときに、前記Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、前記ZnOの含有量を1〜50重量%の範囲内の値、前記CaOの含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、前記B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、および前記P25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、ZnO/CaOの重量比率を1.1〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
    (B)前記ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
    (C)前記粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
  2. 下記工程(A)〜(C)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法。
    (A)ガラス組成として、ZnOを実質的に含まない代りにAg2O、CaO、B23およびP25を含むとともに、全体量を100重量%としたときに、前記Ag2Oの含有量を0.2〜5重量%の範囲内の値、前記CaOの含有量を15〜50重量%の範囲内の値、前記B23の含有量を0.1〜15重量%の範囲内の値、および前記P25の含有量を30〜80重量%の範囲内の値とするとともに、CaO/Ag2Oの重量比率を5〜15の範囲内の値としたガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
    (B)前記ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
    (C)前記粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
  3. 下記工程(A)〜(C)を含むとともに、工程(E)を含むことを特徴とする多面体ガラスからなる抗菌性ガラスの製造方法。
    (A)ガラス原料を溶融し、ガラス融液とする工程
    (B)前記ガラス融液を、平均粒径が300μmを超える粗粉砕ガラスとする第1の粉砕工程
    (C)前記粗粉砕ガラスを、平均粒径が0.1〜50μmの範囲内の値であって、当該抗菌性ガラスの形状を多面体とする第2の粉砕工程
    (E)カップリング剤処理を表面に施す工程
  4. 前記工程(C)において、回転ウス、回転ロール、振動ミル、ボールミル、サンドミル、あるいはジェットミルを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗菌性ガラスの製造方法。
  5. 前記工程(C)において、分散媒として、イソプロパノールを用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗菌性ガラスの製造方法。
  6. 前記工程(C)の後に、下記工程(D)をさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗菌性ガラスの製造方法。
    (D)平均粒径が0.01〜50μm未満の範囲内の値であって、前記抗菌性ガラスよりも小さい平均粒径を有する外添粒子を添加する工程
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