JP4095225B2

JP4095225B2 - 浴室用の腰掛け

Info

Publication number: JP4095225B2
Application number: JP2000047081A
Authority: JP
Inventors: 明西岡
Original assignee: 株式会社三栄水栓製作所
Priority date: 2000-02-24
Filing date: 2000-02-24
Publication date: 2008-06-04
Anticipated expiration: 2020-02-24
Also published as: JP2001231702A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室内で用いられる腰掛けに関する。
【０００２】
【従来の技術】
上記の腰掛けは、身体や頭髪を楽な姿勢で快適に洗えるように、浴室に備えられるもので、一般には、脚体の下端にゴムなどの滑り止めカバーを設けて、着座の際や着座後の安全を図るようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、浴室の床面が、例えばタイル地や合成樹脂シート貼りなどの硬質の床面である場合は、滑り止めカバーを設けていても腰掛けが滑り易く、特に石鹸が流れだした際には顕著であって、強く足を踏ん張っての洗い動作が要求され、子供や年取った方ではバランスを崩し易い点で問題があった。
【０００４】
本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたものであって、その目的は、滑り止めが確実に成される安全性の優れた浴室用の腰掛けを提供する点にある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明は、脚体の上部に着座面部を連ねた浴室用の腰掛けにおいて、前記脚体に、着座負荷を受けて脚長を短縮する脚長短縮手段を設ける一方、着座面部の下部側に保持体を垂下連設し、この保持体の下端部に、脚体の短縮に伴って浴室の床面に吸着される引き剥がし用リップ付き吸盤を設けた点に特徴がある（請求項１）。
【０００６】
上記の特徴構成によれば、洗髪などのために着座面部に腰を掛けると、その着座の負荷によって脚長が短縮して、吸盤が浴室の床面に吸着するのであって、本発明によれば、着座の体重を利用した合理的な改良技術によって、腰掛けの確実なる滑り止めが達成される。
【０００７】
腰掛けを移動させるには、着座面部に体重を掛けないようにして、即ち、無負荷の状態でリップを引っ張って、吸盤を床面から引き剥がすことで、腰掛けを簡易に移動させることができる。
【０００８】
必要に応じて、着座面部の下部側に、上下方向に揺動可能にレバーを枢着すると共に、この揺動レバーと吸盤引き剥がし用のリップとを、可撓性を有する連結体によって連結すれば（請求項２）、小さくて掴み難いリップに頼ることなく、吸盤を軽いレバー操作で床面から引き剥がすことができるのであって、特に非力な子供や年取った方には朗報である。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１〜図３は板状の脚体１，１の上部に着座面部２を連ねた合成樹脂製の浴室用腰掛け３を示し、前記脚体１，１の下端部には、合成樹脂製のゴムなどによる滑り止め用のカバー４，４が設けられ、着座面部２の下部側には、テーパー筒状の保持体５が一体に垂下連設されている。
【００１０】
そして、この保持体５の下端部には、浴室の床面Ｓに吸着される吸盤６が設けられ、更に、この吸盤６を遠隔的に引き剥がすための吸盤剥がし手段７が設けられている。
【００１１】
上記の脚体１は、下端部に内方への折り曲げ板部１ａを備えており、滑り止めカバー４は、この折り曲げ板部１ａをインサートして中空部Ｐを形成するように成形されている。
【００１２】
そして、滑り止めカバー４の下部側には、中空部Ｐを大気に開放するための小孔ａが形成されていて、着座面部２に着座の負荷（体重）が掛かった際に、小孔ａからエアが漏れて、滑り止めカバー４が圧縮変形〔図４（Ｂ）を参照〕することで、実質的に脚体１の脚長が短縮されると共に、無負荷になると、弾性復元力によって滑り止めカバー４が元の姿勢に戻るように構成されている。
【００１３】
即ち、着座負荷を受けた際に脚体１の脚長を短縮する脚長短縮手段８を、滑り止めカバー４を利用して構成しているのである。
【００１４】
一方、上記の吸盤６は、浴室の床面Ｓに吸着される弾性材料製の吸盤本体９と、この吸盤本体９の中央部に埋設された板状部材１０と、この板状部材１０に連設されて床面Ｓに直交する方向（上方）に突出したネジ部材１１とから構成され、かつ、前記吸盤本体９は、無負荷の状態すなわち非吸着の状態で、中央部が周縁部よりもやゝ凹入した皿形状に形成され、外周側部には吸盤引き剥がし用のリップｂが連設されている。
【００１５】
この吸盤６は、着座面部２に負荷が掛かっていない状態、即ち、脚長短縮手段８が脚長短縮の機能を発揮していない状態で、吸盤下面が床面Ｓのやゝ上方に位置するように、保持体５に対して次のようにして装着されている。
【００１６】
即ち、前記保持体５の底面板５ａにネジ部材１１の挿通孔ｃを形成して、この孔ｃにネジ部材１１を下方から挿通し、かつ、このネジ部材１１に螺着のナット１２を締め付けて、このナット１２と吸盤本体９とによって保持体５の底面板５ａを挟着しているのである。
【００１７】
そして、着座面部２の下面部にブラケット１３を垂下連設して、このブラケット１３に、横軸１４まわりで上下方向に揺動可能に把手付きのレバー１５を枢着し、この揺動レバー１５と吸盤引き剥がし用のリップｂとを、可撓性を有する連結体（例えば玉クサリ）１６で連結して、吸盤６を遠隔的に引き剥がすための吸盤剥がし手段７を構成しているのである。
【００１８】
尚、保持体５の最底部には、排水用の小孔ｄが形成されており、かつ、ネジ部材１１とナット１２とを覆うように防水カバー１７が設けられている。
【００１９】
上記構成の浴室用腰掛け３によれば、図３及び図４（Ａ）に示すように、脚長短縮手段８が脚長短縮の機能を発揮していない無負荷の状態で、着座面部２に着座の負荷が掛かると、図４（Ｂ）に示すように、中空部Ｐ内のエアが小孔ａから漏れて滑り止めカバー４が圧縮変形し、脚長短縮手段８が機能を発揮して脚体１の脚長が短縮される。
【００２０】
この脚体１の短縮によって吸盤６に着座の負荷が掛かり、中央部を凹入させた皿形状の吸盤６が浴室の床面Ｓに押圧されて、この吸盤６の凹入部内のエアが抜けることで、吸盤６が負圧の作用で床面Ｓに吸着されることになり、延いては腰掛け３が浴室の床面Ｓに固定されるのであって、腰掛け３の確実なる滑り止めが達成される。
【００２１】
腰掛け３を移動させるには、体重を掛けないように着座面部２から離れた状態で、図１及び図２に示す揺動レバー１５の把手１８を持ち上げて、図４（Ｃ）に示すように、連結体１６を介してリップｂを引き上げ、吸盤６を床面Ｓから引き剥がすのであり、これによって床面Ｓに対する吸盤６の固定が解除されて、滑り止めカバー４が元の姿勢に弾性復帰することで、脚体１が元の脚長に戻るのであって、吸盤６の固定を解除する簡単なレバー操作によって、腰掛け３を簡易に移動させることができる。
【００２２】
上記したように、吸盤剥がし手段７を備えることは、軽いレバー操作で吸盤６の引き剥がしが可能であることから、特に非力な子供や年取った方にとって好適であるが、吸盤剥がし手段７を備えることは必須の要件ではなく、即ち、吸盤剥がし手段７を省略して、リップｂそのものによって吸盤６を引き剥がすようにしてもよいのである。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、着座の体重を利用した合理的な吸盤吸着の改良技術を導入したことで、浴室用の腰掛けとして、これを滑り止めが確実に成されるものにして提供することができる。
【００２４】
殊に、吸盤剥がし手段を備えれば、小さくて掴み難いリップに頼ることなく、軽いレバー操作で吸盤を引き剥がすことができることから、かゝる構成の浴室用腰掛けの提供は、特に非力な子供や年取った方にとって朗報である。
【図面の簡単な説明】
【図１】浴室用腰掛けの斜視図である。
【図２】浴室用腰掛けの縦断側面図である。
【図３】浴室用腰掛けの縦断正面図である。
【図４】（Ａ）は無負荷状態にある滑り止めカバーと吸盤との断面図、（Ｂ）は着座負荷の掛かり状態にある滑り止めカバーと吸盤との断面図、（Ｃ）は吸盤の剥がし状態を示す断面図である。
【符号の説明】
１…脚体、２…着座面部、５…保持体、６…吸盤、８…脚長短縮手段、１５…レバー、１６…連結体、ｂ…リップ。

Claims

脚体の上部に着座面部を連ねた浴室用の腰掛けであって、前記脚体に、着座負荷を受けて脚長を短縮する脚長短縮手段を設ける一方、着座面部の下部側に保持体を垂下連設し、この保持体の下端部に、脚体の短縮に伴って浴室の床面に吸着される引き剥がし用リップ付き吸盤を設けて成ることを特徴とする浴室用の腰掛け。
着座面部の下部側に、上下方向に揺動可能にレバーを枢着すると共に、この揺動レバーと吸盤引き剥がし用のリップとを、可撓性を有する連結体によって連結して成る請求項１に記載された浴室用の腰掛け。