JP4095140B2 - 画像処理装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管やガイドワイヤ等の線状陰影を含む例えばディジタルX線画像を処理する画像処理装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線を利用した医療技術として、透視下におけるカテーテル治療が盛んに行われているが、X線透視は撮影に比べて線量を低減して患者被曝を低減していることから、画像上に重畳するノイズが大きく、カテーテル、その他、ガイドワイヤや血管等の線状陰影が、背景ノイズに邪魔されて見えにくくなるという問題があった。
【0003】
また、線量を増加して透視を行うと、背景ノイズは相対的に小さくなり、線状陰影の視認性は高くなるが、患者や医療技術者の被曝量が大きくなるという欠点がある。そのため、画像処理によってノイズを低減させたりコントラストを向上させる技術が現在に至っても研究され続けている。
【0004】
最も一般に用いられるノイズ低減のための画像処理技術は、時間的に連続している複数フレームの画像を加算平均する手法である。この技術はすでに公知であり、リカーシブフィルタと呼ばれる回帰フィルタも、その応用技術として広く一般に使用されている。
【0005】
しかし、このような時間的フィルタは、動きの少ない対象に対してはノイズだけを効果的に低減できるが、心臓血管に挿入されたガイドワイヤのような比較的動きのある対象に対しては、そのコントラストを薄めたり、残像を生じさせたりする欠点がある。そのため、被写体の動きを検出し、動きのあるところではフィルタ特性を変更するような技術が開発されている(特許第2508078号公報、特公平6−69447号公報、特開平3−198836号公報、特開平6−47305号公報、特開平7−79956号公報、特開平8−255238号公報)。
【0006】
しかしながら、これらの技術では、被写体の動きの検出を現時点の画像と過去の画像の差分に基づいて検出しているため、ノイズによる画素値の変動も被写体の動きとして検出されてしまうという問題があった。特に細径のカテーテルやコントラストの低いガイドワイヤを使用するために、動き検出精度を高くすると、ノイズ低減が効果的に行うことができなくなるという問題があった。
【0007】
一方、ノイズ低減やコントラストを向上させる目的で、空間フィルタも一般に使用されている。この空間フィルタは、近傍局所の画素の加重平均をとってノイズを低減しスムージングしたり、空間的に微分することによってコントラストを強調する等の様々な使い方のできるものである。しかし、スムージングによってノイズだけでなく、肝心のガイドワイヤやカテーテルのような線状陰影までもがぼけてしまい、そのコントラストが損なわれてしまったり、あるいはコントラスト強調の場合には、ノイズも強調されてしまうという欠点がある。
【0008】
このため、空間的に血管影をパターン認識する装置(特開平4−122355)、あるいは被写体のエッジ領域を検出してエッジ領域にはコントラスト強調を、そうでない領域にはスムージングを施す装置(特開昭60−245084号公報)などが開発されている。
【0009】
しかし、前者のパターン認識の方法は、1画素単位に多くの平均回路や比較回路を必要とするため、透視処理などのリアルタイム演算を行うには非常に多くの回路を必要とし、そのうえ、ノイズを低減させる効果はない。
【0010】
また、後者のエッジ強調の方法は、単に1ビットの情報によってエッジ領域と背景領域を区別するため、誤認識があった場合には、極端にスムージングをかけられた部分に隣接して誤認識されたノイズがコントラスト強調されて出力されることなどがあり、誤認識が敏感に出力画像のアーチファクトとなって画質を損ないやすい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の技術では、動きのある被写体の画像について、残像低減とノイズ低減の効果を同時に高くすること、また、コントラスト強調とノイズ低減の効果を同時に高くすることが困難であった。
【0012】
本発明は、残像低減とノイズ低減の効果を同時に高くすること、また、コントラスト強調とノイズ低減の効果を同時に高くすることを実現し、X線医療におけるガイドワイヤ、カテーテル、血管像等の陰影を良好に表示することのできる画像処理装置及び方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施し、この2種類の空間的な画像処理の結果に基づいて線状陰影の存在確率を画素ごとに求め、この存在確率に従って時間的な画像処理の特性を画素ごとに変えることを特徴としたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明による画像処理装置を好ましい実施形態により説明する。ここでは、画像処理の対象として、血管、ガイドワイヤ、カテーテル等の線状陰影と背景ノイズとを含むX線透視画像を例に説明するものとする。
【0015】
図1に、本実施形態に係る画像処理装置を組み込んだX線透視装置の構成を示している。X線透視装置本体1は、X線源2からばく射されたX線3を寝台5上に載置された被検体4の例えば胸部4aに向けて照射し、そして、胸部4aを透過するうちに、各部のX線吸収率の違いによって陰影が付けられた透過X線3aをイメージインテンシファイア6に導入し、そこで変換され増幅された光学像をTVカメラ7で撮像するように組まれている。このTVカメラ7の出力信号は、図示しないプリアンプ、アナログディジタル変換器等を通って、ディジタルX線画像信号8に変換される。
【0016】
そして、このディジタルX線画像信号8は、画像処理装置9で適当に処理されて、この処理により、背景ノイズは低減され、線状陰影は相対的に強調された後、CRTディスプレイ10に濃淡表示される。
【0017】
ところで、血管、その他、体内に挿入されるカテーテルやガイドワイヤ等は、その外形に応じて細い線状の陰影でディジタルX線画像上に表現される。従来技術でも述べたように、このような細い線状陰影は、その性質、例えば空間周波数及び時間周波数がノイズと同様に高く、このためノイズ低減処理の影響を受けやすく、ノイズと一緒に、消えてしまったり、ぼけたり、そのコントラストが損なわれてしまうというやっかいな問題がある。このような問題に対して、従来では、X線の照射線量を高くして、信号雑音比(S/N)を向上させることで対処していた。
【0018】
これに対して、本実施形態では、X線の照射線量を高くすることなく、さらには低下させても、線状陰影のコントラストを損なわず、背景ノイズだけを効果的に低減しようとするものである。このように、背景ノイズが低減され、しかも線状陰影が十分なコントラストで観察できると、この透視下で行われるカテーテル治療やバイオプシーなどの医療行為の精度が格段に向上するものと期待されている。
【0019】
本実施形態は、基本的に、同じディジタルX線画像に対して、線状陰影を強調する効果の認められる少なくとも2種類の画像処理を施し、これら2種類の画像処理による2種類の結果から総合的に判断して、線状陰影の存在確率を画素ごとに求め、この存在確率に従って時間フィルタの特性を画素ごとに変えていこうとするものであり、つまり、線状陰影の存在確率が比較的高い画素に対しては、時間フィルタのスムージング効果を低く抑えて線状陰影のコントラストの低下を防ぎ、一方、線状陰影の存在確率が比較的低く、背景ノイズである確率が比較的高い画素に対しては、時間フィルタのスムージング効果を高くしてノイズを効果的に低減しようとするものである。
【0020】
図2に、この画像処理装置9の処理手順を示している。なお、この処理は、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に書き込まれたプログラムによりソフト的に実現してもよいし、また、図2の各ブロックに対応する回路を処理手順に従って組み合わせてハード的に実現するようにしてもよい。なお、この画像処理装置9は、リアルタイムで入力画像を処理して表示できるように構成する方が好ましい。
【0021】
画像処理装置9に対して、入力画像として、ディジタルX線画像I0 が、TVカメラ7から所定の周期で連続的に供給されてくる。そして、まず、このディジタルX線画像I0 から、線状陰影の存在確率を画素ごとに求める(全ての画素の存在確率のまとまりを、「存在確率分布」と称する)。図2では、この存在確率分布を、“F3”として示している。本実施形態では、この存在確率分布F3を求めるために、A系列とB系列との2種類の画像処理を採用している。まず、A系列の処理手順について説明する。
【0022】
A系列は、処理順に、A1,A2,A3,A4,A5の5つのステップからなる。まず、ステップA1では、ディジタルX線画像I0 に対して、最小値フィルタリングという処理を施して、最小値画像Imin を得る。最小値フィルタリングは、周知の通り、図3に示すように、例えば2×2マトリクスのフィルタマスクを重ならないように移動し、その各位置で、マスク内の4つの近傍画素の中の最小の画素値を選出し、その最小値を最小値画像Imin の中の対応する画素の画素値とするいう処理である。
【0023】
なお、この処理により、マトリクスサイズを1/4に縮小する、例えばディジタルX線画像I0 のマトリクスサイズが1024×1024の大きさである場合には、512×512のマトリクスサイズに縮小されるが、これ以降の処理を512×512のマトリクスサイズで行うことにより回路の規模を縮小することができる。
このような最小値フィルタリングによると、線状陰影のコントラストが、多少強調されることになる。
【0024】
次にステップA2では、A1で得られた最小値画像Imin に対して、ハイパスタイプ(高域通過型)の空間フィルタリングを施し、空間周波数が比較的低い成分が濾過された最小値画像Ihighを得る。
【0025】
このステップA2でハイパスフィルタされた最小値画像Ihighと、先のステップA1で得られた最小値画像Imin に対して、ステップA3で、次の式(1)ような線形演算、つまり加重サブトラクション(加重を掛けて差分を取る)を実行することにより、差分画像Isub1を得る。
【0026】
sub1=W1 ×Imin −W2 ×Ihigh+C …(1)
図4(a)に、ハイパスフィルタされた最小値画像Ihighと、最小値画像Imin それぞれの空間的なプロフィール(画素値の位置関数)を示し、同図(b)に、上記式(1)の差分処理により得られた差分画像Isub1の空間的なプロフィールを示している。上記式(1)の係数W1 、W2 、Cを適当に設定することにより、図4(b)に示すように、差分画像Isub1上で、線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分だけを、それ以外の部分に対して、極性を反転させることができる。
【0027】
このように線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分と、それ以外の部分とが極性で識別された差分画像Isub1を、その極性に従って2値化し、線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分が“1”で、またそれ以外の部分が“0”で表現された2値画像Ibi1 を得る(ステップA4)。
【0028】
この2値画像Ibi1 には、殆どの場合で背景ノイズが含まれているので、これを取り除く処理が必要になる。ここで、図5(a)に示しているように、ノイズは孤立的であり、一方、線状陰影は連結性が高い。このような性質の違いを利用して、ここでは、2値画像Ibi1 に対してパターンマッチングを実行する(ステップA5)。パターンマッチングについては周知の通り、図5(b)〜(e)に示すような複数種類の線状陰影パターンを予め用意しておき、このパターンに一致する部分はそのままで、一致しない部分はその画素値を“0”に反転するような処理である。このようなパターンマッチングにより、図5(f)に示すような、ノイズの大部分が除去され、線状陰影が存在する確率が比較的高いと推定される部分だけを抽出することができる。上述したA系列で得られた2値画像を、“F1”とする。
【0029】
次に、B系列について説明する。B系列は、A系列と同様に、処理順に、B1,B2,B3,B4,B5の5つのステップからなる。まず、ステップB1では、ディジタルX線画像I0 に対して、空間的な平滑化フィルタリングという処理を施して、平均値画像Iave を得る。平滑化フィルタリングは、周知の通り、図6に示すように、例えば2×2マトリクスのフィルタマスクを重ならないように移動し、その各位置で、マスク内の4つの近傍画素の画素値の平均値を計算し、その平均値を平均値画像Iave の中の対応する画素の画素値とするいう処理である。
【0030】
なお、この処理により、マトリクスサイズを1/4に縮小する、例えばディジタルX線画像I0 のマトリクスサイズが1024×1024の大きさである場合には、512×512のマトリクスサイズに縮小されるが、これ以降の処理を512×512のマトリクスサイズで行うことにより回路の規模を縮小することができる。
このような平滑化フィルタリングによると、背景ノイズが低減されるので、その分、線状陰影が認識しやすくなる。
【0031】
次にステップB2では、B1で得られた平均値画像Iave に対して、ローパスタイプ(低域通過型)の空間フィルタリングを施し、空間周波数が比較的低い成分が濾過された平均値画像Ilow を得る。
【0032】
このステップB2でローパスフィルタされた平均値画像Ilow と、先のステップB1で得られた平均値画像Iave に対して、ステップB3で、次の式(2)ような線形演算、つまり加重サブトラクション(加重を掛けて差分を取る)を実行することにより、差分画像Isub2を得る。
【0033】
sub2=W3 ×Iave −W4 ×Ilow +D …(2)
図7(a)に、ローパスフィルタされた平均値画像Ilow と、平均値画像Iave それぞれの空間的なプロフィールを示し、同図(b)に、上記式(2)の差分処理により得られた差分画像Isub2の空間的なプロフィールを示している。上記式(2)の係数W3 、W4 、Dを適当に設定することにより、図7(b)に示すように、差分画像Isub2上で、線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分だけを、それ以外の部分に対して、極性を反転させることができる。なお、図7(b)の例では、4つの領域が線状陰影である可能性が比較的高いと推定されているが、この内、左から2つ目の領域が線状陰影を正しく識別した部分で、残りの3つの領域は、誤識別した部分である。
【0034】
このように線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分と、それ以外の部分とが極性で識別された差分画像Isub2を、その極性に従って2値化し、線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分が“1”で、またそれ以外の部分が“0”で表現された2値画像Ibi2 を得る(ステップB4)。
【0035】
この2値画像Ibi2 にも、殆どの場合で背景ノイズが残存しているので、これを取り除く処理が必要になり、A5と同様に2値画像Ibi2 に対してパターンマッチングを実行し、(ステップA5)。ノイズの大部分が除去され、線状陰影が存在する確率が比較的高いと推定される部分だけを抽出することができる。上述したB系列で得られた2値画像を、“F2”とする。
【0036】
このように2系統の画像処理で得られた2種類の2値画像F1,F2から、ステップABで、4値のフラグ画像F3を作成する。このフラグ画像F3の画素値は、同じ位置の画素に関する一方の2値画像F1の画素値と、他方の2値画像F2の画素値との組み合わせに従って、次の表1に示すように、割り当てられる。
【0037】
【表1】
Figure 0004095140
【0038】
2種類の2値画像F1,F2では両方共に、線状陰影である確率が比較的高いと推定される部分が“1”で、またそれ以外の部分が“0”で表現されているので、2種類の2値画像F1,F2の両方で画素値が“1”である場合、その画素は、線状陰影である確率が最も高いと考えられ、ここでは、フラグ画像F3の該当画素に“3”の画素値を与えるようにしている。
【0039】
逆に、2種類の2値画像F1,F2の両方で画素値が“0”である場合、その画素は、線状陰影である確率が最も低いと考えられ、ここでは、フラグ画像F3の該当画素に“0”の画素値を与えるようにしている。
【0040】
また、最小値フィルタリングの方が、平滑化フィルタリングよりも、線状陰影の抽出能が一般的に高いので、最小値フィルタリングを通した2値画像F1では“1”が与えられているが、平滑化フィルタリングを通した2値画像F2では“0”である場合、線状陰影である確率が2番目に高いとして、ここでは、フラグ画像F3の該当画素に“2”の画素値を与え、一方、最小値フィルタリングを通した2値画像F1では“0”が与えられているが、平滑化フィルタリングを通した2値画像F2では“1”である場合、線状陰影である確率が3番目に高いとして、ここでは、フラグ画像F3の該当画素に“1”の画素値を与えるようにしている。
【0041】
次に、リカーシブフィルタ(再帰型フィルタ)と呼ばれる時間フィルタに、ディジタルX線画像I0 又はそれから画像処理により導かれる画像を通すのであるが、本実施形態では、このリカーシブフィルタを、背景ノイズ用と線状陰影用との2系統設けている(C2,D2)。リカーシブフィルタは、周知の通り、前回のフィルタ結果を、今回のフィルタリングに反映させるというタイプの時間フィルタであり、以下の式(3)で定義される。なお、“a”は、前回のフィルタ結果を、今回のフィルタリングにどの程度反映させるかというフィルタ特性を決定するリカーシブ係数であり、ここでは“a”が低いほど、前回のフィルタ結果を、今回のフィルタリングに強く反映させることになる。
【0042】
i(x,y) =a×Xi(x,y) +(1−a)×Yi-1(x,y)
(i=1,2,…,∞)
ここで、Yiはi番目にリカーシブフィルタリングされた画像を表し、Xiは、i番目にTVカメラ7から画像処理装置9に供給された現フレームのディジタルX線画像I0 又は、それから画像処理により導かれる画像、例えばI0 ,Imin ,Iave の3画像を使って、次式(4)で与えられるフレーム間加重平均画像を表している。なお、Imin 、Iave は、I0 と等しいマトリクスサイズに画素数を変換してから(4)式に用いる。また、係数α、β、γは、固定の係数としてもよいし、フラグ画像F3の値に応じて画素毎に変えるような構成としてもよい。
【0043】
i(x,y) =α×I0 (x,y) +β×Imin (x,y) +γ×Iave (x,y) …(4)
(α+β+γ=1)
この2系統のリカーシブル係数aを、フラグ画像F3の画素値に応じて画素ごとに変えていくのであるが、その変え方を背景用リカーシブフィルタと線状陰影用リカーシブフィルタとで相違させている。これは、両フィルタの目的の違いによるものであり、背景用リカーシブフィルタは、背景ノイズを低減することを目的としているため、リカーシブル係数aを比較的低い範囲の中から割り当てて前回のフィルタ結果をより強く反映させ(C2)、逆に、線状陰影用リカーシブフィルタは、線状陰影を強調することを目的とし、前回のフィルタ結果があまり強く反映されてしまうと、カテーテルなどの挿入時の動きによる“ぼけ”が生じてしまいかねないので、リカーシブル係数aを比較的高く設定し、前回のフィルタ結果をあまり強く反映させないようにしている(D2)。
【0044】
具体的には、上述した表1に示したように、背景用リカーシブフィルタのリカーシブル係数aを、フラグが3のときには“0.3”、フラグが2のときには“0.7”、フラグが1のときには“0.6”、フラグが0のときには“0.5”を割り当てる。背景用リカーシブフィルタは、基本的には線状陰影の存在確率が高い部分ほどリカーシブ係数を高くして残像の影響が少なくなるように構成されているが、後述のステップE1,E2で線状陰影用リカーシブフィルタの出力画像I1 の画素の値が出力画像形成回路の出力画像I3 として出力される部分(本実施形態では、フラグが3の部分)については極めて小さいリカーシブ係数を割り当てて、ぼけた画像となるように構成されている。
【0045】
また、線状陰影用リカーシブフィルタのリカーシブル係数aを、フラグが3のときには“0.9”、それ以外のときには全て“0.8”を割り当てる。線状陰影用リカーシブフィルタは、後述のステップE1,E2で線状陰影用リカーシブフィルタの出力画像I1 の画素の値が出力画像形成回路の出力画像I3 として出力される部分(本実施形態では、フラグが3の部分)については極めて大きいリカーシブ係数を割り当てて、残像の影響が小さくなるように構成されている。
【0046】
このようなリカーシブフィルタリング処理により、背景ノイズが非常に低減された画像I1 と、線状陰影がその動きによるぼけが抑えられて十分強調されている画像I2 との2種類の画像が得られる。なお、本実施形態では、線状陰影を表す画像I2 として、リカーシブフィルタの出力を用いているが、リカーシブフィルタの出力画像の代わりに、原画像I0 、最小値画像Imin 、平均値画像Iave の何れかを用いるような構成としてもよい。
【0047】
次にステップE1,E2で、このような2種類の画像I1 ,I2 のいずれかを、フラグ画像F3の線状陰影の存在確率を表しているフラグに従って、画素ごとに選択する。具体的には、表1に示すように、フラグが0,1,2の部分には、背景用リカーシブフィルタの出力画像I1 の画素値を画像I3 の画素値として選択し、フラグが3の部分には、線状陰影用リカーシブフィルタの出力画像I2 の画素値を画像I3 の画素値として選択するように構成されている。このとき、出力される画像I3 は、背景ノイズが十分低減されると共に、線状陰影は十分なコントラストで明瞭な画像となっており、また画像I0 中でカテーテルやガイドワイヤ等が移動した場合にもそれらの残像を殆ど含まない画像である。
【0048】
なお、空間フィルタ係数とフィルタサイズ、パターンマッチドフィルタとフィルタサイズ、リカーシブ係数等は、認識の対象とする線状陰影の空間的太さと濃度、背景ノイズの周波数特性、I.I.視野サイズ、及び透視X線条件を考慮して適切に定めることにより、最適な処理を行うことができる。
【0049】
また、一般に、ハードウェアの回路規模は同時に多数の平均化回路や比較回路が動作することや、画像上の位置指定信号である画素アドレスの発生が煩雑である場合などに大きくなり実用的なリアルタイム演算の可能性が小さくなる。従来技術に見るようなパターン認識は、リアルタイム認識に適さない構成であるが、本実施形態では線状陰影のパターン認識は付随情報のビット数と同じ個数の線形空間フィルタとその後段に位置する比較器、及び2値化画像に対して施されるバイナリーフィルタで構成されるため順次走査による処理が可能であり回路規模が小さくてすむ。
【0050】
さらに、本実施形態では、2系統の画像処理を用いて線状陰影の存在確率を決定したが、2系統以上の画像処理の選別結果に基づいて線状陰影の存在確率を決定する構成としてもよい。
【0051】
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能である。例えば、上述の説明では、X線透視画像を対象としているが、DSAなどの撮影画像やワンショットのX線撮影ではリカーシブフィルタを構成することができないケースも多い。なぜならば、連続的に画像が入力されず、間欠的、あるいは1枚だけの画像入力となるからである。この場合には、リカーシブフィルタの代わりに空間的フィルタを使用することができる。画像I1 は比較的強いスムージングが施され、I2 はコントラスト強調された画像、もしくは、最小値画像を用いると線状陰影のコントラストは増強されるかまたは損なわれることがなく、背景は平滑化される。この場合でも背景用スムージングはF1=0,F2=0の付随情報がある画素はスムージング効果を大きくし、F1=1,F2=0、もしくはF1=0,F2=1の付随情報の画素はさほど大きくない設定にして背景画像に存在する可能性のある線状陰影のコントラスト劣化を押さえるようにする必要がある。このような設計に基づいて画像を形成することによって血管や胃壁などのコントラストが保たれたまま背景のざらつきが軽減された画像を観察者に提供することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明は、線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施し、この2種類の空間的な画像処理の結果に基づいて線状陰影の存在確率を表す確率分布を求めるようにしたので、線状陰影の存在の有無を比較的高精度で判定することができる。この確率分布に従って、時間的な画像処理の特性を画素又は近隣グループごとに変えることにより、ノイズを効果的に低減しながら、それと同時に、X線医療におけるガイドワイヤ、カテーテル、血管影などの線状陰影のコントラストを効果的に強調できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像処理装置が組み込まれたX線透視装置の構成図。
【図2】本発明の実施形態に係る画像処理装置の処理手順を示すフローチャート。
【図3】図2の最小値フィルタリングの補足説明図。
【図4】図2の最小値画像Imin 、ハイパス空間フィルタを受けた最小値画像Ihigh、これら両者のサブトラクション画像Isub1それぞれのプロフィールを示す図。
【図5】図2のパターンマッチングの補足説明図。
【図6】 図2の平滑化フィルタリングの補足図。
【図7】図2の平均値画像Iave 、ローパス空間フィルタを受けた平均値画像Ilow 、これら両者のサブトラクション画像Isub2それぞれのプロフィールを示す図。
【符号の説明】
1…X線透視装置本体、
2…X線源、
3…X線、
3a…透過X線、
4…被検体、
4a…胸部、
5…寝台、
6…イメージインテンシファイア、
7…TVカメラ、
8…ディジタルX線画像信号、
9…画像処理装置、
10…CRTディスプレイ。

Claims (8)

  1. 線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施す手段と、
    前記2種類の空間的な画像処理の両方の結果に基づいて、前記線状陰影の存在確率を画素ごとに求める手段と、
    前記画像又はそれから画像処理により導かれる画像に対して時間的に連続している複数フレームの画像を加算平均する時間的な画像処理を施す手段と、
    前記時間的な画像処理の特性を前記線状陰影の存在確率に従って画素ごとに変える手段とを具備したことを特徴とする画像処理装置。
  2. 線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施す空間的画像処理手段と、
    前記2種類の空間的な画像処理の両方の結果に基づいて、前記線状陰影の存在確率を画素ごとに求める手段とを具備し、
    前記空間的画像処理手段は、第1の画像処理系と第2の画像処理系とからなり、前記第1の画像処理系は、前記線状陰影を強調するフィルタを有し、前記第2の画像処理系は、前記ノイズを低減するフィルタを有することを特徴とする画像処理装置。
  3. 線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施す空間的画像処理手段と、
    前記2種類の空間的な画像処理の両方の結果に基づいて、前記線状陰影の存在確率を画素ごとに求める手段とを具備し、
    前記空間的画像処理手段は、第1の画像処理系と第2の画像処理系とからなり、
    前記第1の画像処理系は、前記線状陰影を強調するフィルタと、前記線状陰影が強調された画像から空間周波数が比較的高い成分を抽出するハイパスフィルタと、前記線状陰影が強調された画像から前記ハイパスフィルタで処理された画像を差分する第1の差分回路と、前記第1の差分回路で差分された画像を極性に従って2値化する回路とを有し、
    前記第2の画像処理系は、前記ノイズを低減するフィルタと、前記ノイズが低減された画像から空間周波数が比較的低い成分を抽出するローパスフィルタと、前記ノイズが低減された画像から前記ローパスフィルタで処理された画像を差分する前記第2の差分回路と、前記第2の差分回路で差分された画像を極性に従って2値化する回路とを有することを特徴とする画像処理装置。
  4. 前記存在確率の値に基づいて、前記第1の画像処理系と、前記第2の画像処理系とのいずれか一方を選択して出力する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項又は記載の画像処理装置。
  5. 線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施す手段と、
    前記2種類の空間的な画像処理の両方の結果に基づいて、前記線状陰影の存在確率を画素ごとに求める手段と、
    前記画像又はそれから画像処理により導かれる画像に対して時間的に連続している複数フレームの画像を加算平均する時間的な画像処理を施す手段と、
    前記時間的な画像処理の特性を前記線状陰影の存在確率に従って画素ごとに変える手段とを具備し、
    前記時間的な画像処理の特性を変える手段は、前記存在確率が比較的高い画素に対しては、前記時間的な画像処理の平滑化特性を比較的低くし、前記存在確率が比較的高い画素に対しては、前記時間的な画像処理の平滑化特性を比較的高くすることを特徴とする画像処理装置。
  6. 線状陰影及びノイズが含まれている画像に対して少なくとも2種類の空間的な画像処理を施すステップと、
    前記2種類の空間的な画像処理の両方の結果に基づいて、前記線状陰影の存在確率を画素ごとに求めるステップと、
    前記画像又はそれから画像処理により導かれる画像に対して時間的な画像処理を施すステップと、前記時間的な画像処理の特性を前記確率分布に従って画素又は近隣グループごとに変えるステップとを具備したことを特徴とする画像処理方法。
  7. 入力画像の中から線状陰影領域と他の領域とを選別する第1選別手段と、
    前記第1選別手段とは異なる種類の選別方法で前記入力画像の中から線状領域を選別する第2選別手段と、
    前記第1選別手段と前記第2選別手段との出力に基づいて、線状陰影の存在確率を求める存在確率決定手段と、
    前記入力画像にノイズ低減処理を行うものであり、前記存在確率決定手段の出力に基づいて3種類以上のフィルタ係数を切り換えるノイズ低減処理手段とを具備することを特徴とする画像処理装置。
  8. 前記ノイズ低減処理手段は、前記入力画像中で前記存在確率が低くなるに従ってノイズ低減効果が高くなるようにフィルタ係数を変えるものであることを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
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