JP4094200B2 - トイレ用ウェットティッシュ収容箱 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレットペーパーホルダに対し固定可能なトイレ用ウェットティッシュ収容箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライティッシュペーパーと共に、市場に提供されているウェットティッシュペーパーは、その機能性より各用途毎のものが提供されるようになってきた。その中で、トイレでの用足しの後、使用されるものとしてトイレ用ウェットティッシュが知られている。
【0003】
前記トイレ用ウェットティッシュは、乾燥しないように上面に開閉自在の封鎖蓋を備えた収容箱に収容され提供されているが、トイレで使用する際に、床の上に直に置いて使用するのでは感覚的に不潔感が伴う。一方で、棚の上に置いたのでは手が届かないなどの問題が発生する。
【0004】
そこで、収容箱の底面より切り起こした固定用垂下片をトイレットペーパーホルダの溝、具体的にはトイレットペーパーホルダの揺動カバー材の後端部と、背面壁とによって形成されたスリット状の間隙に差し込んで固定できるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に切起し片を前記スリット状間隙に差し込んで固定しただけの支持構造の場合には、収容箱がトイレットペーパーホルダに安定して固定されず、大きなガタ付きが生じるとともに、傾きが生じ見た目が悪いなどの問題があった。
【0006】
また、前記ウェットティッシュ収容箱は、重畳された各ウェットティッシュから一枚を取り出すと、次の一枚の一部が取出し口から露出する、所謂ポップアップ方式を採用しており、ウェットティッシュを摘み出す際に上方向の力が作用する。そのため、前記固定用垂下片に対し小片状に切り起こした抜止め係止片を設け、固定時に前記揺動式カバーの後端部に係止させることにより抜け止めとしているが、前記抜止め係止片が周囲の紙面と同面となることがあり、時々ウェットティッシュを摘み出す際に、収容箱と共に抜け出てしまうことがあった。
【0007】
そこで本発明の主たる課題は、収容箱の底面から切り起こして形成する固定用垂下片の構造に係り、従来のものよりも格段に補強効果の高い固定用垂下片を形成することが可能となるとともに、トイレットペーパーホルダに対し容易かつ確実にきっちりと安定して固定でき、使用中も抜け出すことがないトイレ用ウェットティッシュ収容箱を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、複数枚のウェットティッシュを収容する紙製収容箱の上面側に開閉自在の蓋体が設けられるとともに、前記紙製収容箱の底面に形成されたミシン目を切り起こすことによって固定用垂下片が形成可能とされ、前記固定用垂下片をトイレットペーパーホルダの揺動式カバー奥端部とホルダ本体の背面壁とによって形成されるスリット状の間隙に挿入することによって固定可能とされるトイレ用ウェットティッシュ収容箱であって、
前記紙製収容箱の底面には、背面側との境界稜線を連結辺として、垂下片形成本体およびこの垂下片形成本体の先端に一体的に連設される差込み片を切り起こし可能とするミシン目が形成されるとともに、前記垂下片形成本体内部の境界稜線寄り側位置に抜止め係止片を成すミシン目が形成され、かつ前記背面側に前記差込み片を挿入するための差込み口を成すミシン目が形成され、
前記各ミシン目を破断し、前記垂下片形成本体を中間で外側方向に二重に折返し、先端の差込み片を前記背面側の差込み口に挿入することによって前記固定用垂下片を形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
この場合において、前記抜止め係止片を成すミシン目は前記境界稜線側に向かって凸形状の弧状ミシン目とするのが望ましい。具体的には、その幅寸法が50〜90mm、曲率半径が50〜60mmとされ、かつ前記垂下片本体の折返し位置から抜止め係止片端部まで距離が5〜15mmの位置に形成されていることが望ましい。
【0010】
また、前記差込み口を成すミシン目も前記境界稜線側に向かって凸形状の弧状ミシン目とするのが望ましい。具体的には、その幅寸法が35〜50mm、曲率半径が35〜45mmとされ、かつ前記境界稜線から差込み口端部まで距離が5〜25mmの位置に形成されていることが望ましい。
【0011】
他方、前記垂下片形成本体の略中間位置に前記境界稜線方向に沿って折返し用折れ線を設けるとともに、前記垂下片形成本体と、この垂下片形成本体の先端に一体的に連設される差込み片との境界部に折れ線を設けておくことが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
【0013】
図1において、トイレ用ウェットティッシュペーパー収容箱1は、コートボール紙などの厚紙を用いて作製された紙製収容箱2と、上面に設けられた合成樹脂製の蓋ユニット3とで構成され、内部に乾燥防止のために液不透過性の袋に重畳された状態でウェットティッシュが収容されている。
【0014】
前記紙製収容箱2は、通常図2に示されるように、一枚の厚紙を所定形状に裁断し、これを組立てて箱状とされる。前記紙製収容箱2の上面8には大きな開口8aが形成されており、この開口部8aに前記蓋ユニット3が固設されている。この蓋ユニット3は、蓋枠3Aと、この蓋枠3Aに対し一端を回転中心として開閉自在の蓋3Bとからなるもので、蓋3Bを閉めた状態では気密性が確保されるようになっている。
【0015】
一方、前記トイレ用ウェットティッシュ収容箱1が固定されるトイレットペーパーホルダ4は、平面視でコ字状とされるホルダ本体5の上部位置に、背面側を回転中心として揺動自在とされる揺動式カバー6を設けた構造のもので、前記ホルダ本体5の背面壁5aと、揺動式カバー6の奥端部6aとの間に形成されるスリット状の間隙Mを利用して固定される。
【0016】
前記紙製収容箱2は、展開状態では図2に示されるように、開口8aが形成された上面8の4辺にそれぞれ連設して4枚の側面9A〜9Dが設けられ、この側面9A〜9Dの内、使用時に背面となる側面9A(以下、背面という。)に連設して底面10が設けられている。前記側面9A〜9Dの所定箇所にはそれぞれ箱状に組み立てるために必要な鍔片11a〜11fが設けられている。なお、以降の説明で上下左右、水平、鉛直等の方向表示は図2に示される展開状態での方向を示している。
【0017】
前記紙製収容箱2をトイレットペーパーホルダ4に固定するために、前記底面10に対し、切り起して固定用垂下片12を形成出来るミシン目13が形成されている。前記ミシン目13は、垂下片形成本体14を形成するために背面9Aとの境界稜線7位置を始点および終点として形成される略コ字状線13aと、垂下片形成本体14の先端辺中央に連設される矩形状の差込み片15を形成するための略コ字状線13bとから構成されている。
【0018】
前記垂下片形成本体14の幅寸法Sは、前記トイレットペーパーホルダ4のスリット状間隙Mの長さ寸法(L)よりも小さくするが、固定した際の横ズレを抑えるために概ね0.7L〜0.95L程度とするのが望ましい。また、垂下片形成本体14の中間位置、具体的には高さ方向中央よりやや下側位置には水平方向に沿って折返し用折れ線16が形成され、垂下片形成本体14を切り起こした後、さらに前記折返し用折れ線16よりも先端側垂下片14B部分を外側方向に二重に折り返し可能となっているとともに、前記差込み片15との境界部には後述の差込み口20に挿入し易いように折れ線17が設けられている。
【0019】
前記垂下片形成本体14の内部、具体的には前記折返し用折れ線16よりも下側の基端側垂下片14Aには本紙製収容箱2をトイレットペーパーホルダ4に固定した際に抜け止めのための抜止め係止片18を成す弧状ミシン目19が形成されている。この抜止め係止片18は、背面9Aとの境界稜線7側に向かって凸形状となるように形成されるもので、後述のように、前記固定垂下片12を組み立てた際に自然に外方に突出するようになっている。前記抜止め係止片18の幅寸法は、50〜90mm、好ましくは65〜75mmとされ、その曲率半径Rは50〜60mm、好ましくは55〜58mmとされる。前記抜止め係止片18の両端部には、破れに対する耐久性を向上させるために逆側に小さな凸状切込み19a、19aを形成しておくことが望ましい。この凸状切込み19aの曲率半径Rは3〜8mmとするのが望ましい。また、抜止め係止片18の形成位置は、後述の理由により、折返し用折れ線16から抜止め係止片18の両端まで距離Sが5〜15mmの範囲となるようにする。
【0020】
一方、背面9Aには、底面10との境界稜線7側に向かって凸形状の弧状ミシン目によって形成される差込み口20が形成されている。この差込み口20の長さ寸法Sは35〜50mmとするのが望ましく、前記差込み片15の寸法よりも1〜5mm程度大きくするのが望ましい。また、曲率半径Rは35〜45mm、好ましくは38〜40mmとするのが望ましい。また、形成位置は底面との境界稜線7から差込み口端部までの距離Sが5〜25mmとなる位置に形成するのが望ましい。
【0021】
かかるトイレ用ウェットティッシュ収容箱1をトイレットペーパーホルダ4に固定するには、同収容箱1を逆さにしたならば、図3に示されるように、ミシン目13に沿って破断し、垂下片形成本体14と、これと一体の差込み片15とを起こし起立させる。また、弧状ミシン目19を破断し抜止め係止片18を形成する。次いで、図4に示されるように、前記固定用垂下片14の折返し用折れ線16に沿ってその先端側垂下片14Bを外側に折り返し、先端の差込み片15を前記差込み口20に差し込むことにより、図5に示されるように、2重となって補強効果の高い固定用垂下片12が形成される。固定用垂下片12を組立てたならば、図8に示されるように、前記固定用垂下片12をトイレットペーパーホルダ4のスリット状間隙Mに挿入し、トイレ用ウェットティッシュ収容箱1を固定する。
【0022】
前記垂下片形成本体14においては、図6に示されるように、先端側垂下片14Bを中間の折返し用折れ線16に沿って折り返した際に、折返しによって基端側垂下片14A側に発生する回転方向の作用力F(復元力)によって弧状に形成された抜止め係止片18が自然と外方に突出するようになる。その結果、トイレットペーパーホルダ4に固定用垂下片12を挿入した際に、前記抜止め係止片18が確実に揺動式カバー6の奥端部に係合し、使用中にティッシュペーパーと共に収容箱1が上方に抜け出るのを確実に防止するようになる。
【0023】
また、差込み片15の差込み部では、図7に示されるように、弧状に形成された差込み口20の凸部20aが先端側垂下片14Bを弾性的に押さえ付けるようになっているため、固定用垂下片12が壁側に折れ曲がるのを防止するとともに、固定用垂下片12を起立方向に支持するため、使用時における安定性と耐久性を向上させるようになっている。
【0024】
なお、すべてのウェットティッシュを使い果たしたならば、図9に示されるように、蓋ユニット3の周囲に予め形成されているミシン目22を破り、紙製収容箱2から蓋ユニット3を分離し分別廃棄する。
【0025】
【実施例】
本実施例では、差込み口20の曲率半径および切込み長さを変化させるとともに、抜止め係止片18の曲率半径および切込み長さを変化させた各ケースについて実験を行い、その好適な数値範囲の特定を行った。試験は表1に示す実施例1〜3および比較例1〜3の6ケースについて行い、その結果を表2にまとめた。
【0026】
【表1】
Figure 0004094200
【0027】
【表2】
Figure 0004094200
【0028】
以上の結果より、本発明で特定した差込み口20の曲率半径、切込み長さおよび抜止め係止片18の曲率半径、切込み長さとした場合には、収容箱1内に収容されている50枚のすべてのウェットティッシュペーパーを良好な状態で取り出せることが確認できた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、収容箱の底面から切り起こして形成する固定用垂下片の構造に係り、従来のものよりも格段に補強効果の高い固定用垂下片を形成することが可能となるとともに、トイレットペーパーホルダに対し容易かつ確実にきっちりと安定して固定でき、使用中も抜け出すことがないなどの利点がもたらされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トイレ用ウェットティッシュ収容箱1の斜視図およびトイレットペーパーホルダ4の斜視図である。
【図2】紙製収容箱2の展開図である。
【図3】固定用垂下片12の組立要領図(その1)である。
【図4】固定用垂下片12の組立要領図(その2)である。
【図5】固定用垂下片12の組立要領図(その3)である。
【図6】垂下片形成本体14の折返し状態を示す拡大図である。
【図7】差込み部の拡大断面図(図5のVII部)である。
【図8】トイレ用ウェットティッシュ収容箱1の設置要領図である。
【図9】トイレ用ウェットティッシュ収容箱1の廃棄要領図である。
【符号の説明】
1…トイレ用ウェットティッシュ収容箱、2…紙製収容箱、3…蓋ユニット、4…トイレットペーパーホルダ、5…ホルダ本体、6…揺動式カバー、7…境界稜線、8…上面、8a…開口、9A〜9D…側面、10…底面、12…固定用垂下片、13…ミシン目、14…垂下片形成本体、14A…基端側垂下片、14B…先端側垂下片、15…差込み片、16…折返し用折れ線、17…折れ線、18…抜止め係止片、19…弧状ミシン目、20…差込み口

Claims (6)

  1. 複数枚のウェットティッシュを収容する紙製収容箱の上面側に開閉自在の蓋体が設けられるとともに、前記紙製収容箱の底面に形成されたミシン目を切り起こすことによって固定用垂下片が形成可能とされ、前記固定用垂下片をトイレットペーパーホルダの揺動式カバー奥端部とホルダ本体の背面壁とによって形成されるスリット状の間隙に挿入することによって固定可能とされるトイレ用ウェットティッシュ収容箱であって、
    前記紙製収容箱の底面には、背面側との境界稜線を連結辺として、垂下片形成本体およびこの垂下片形成本体の先端に一体的に連設される差込み片を切り起こし可能とするミシン目が形成されるとともに、前記垂下片形成本体内部の境界稜線寄り側位置に抜止め係止片を成すミシン目が形成され、かつ前記背面側に前記差込み片を挿入するための差込み口を成すミシン目が形成され、
    前記各ミシン目を破断し、前記垂下片形成本体を中間で外側方向に二重に折返し、先端の差込み片を前記背面側の差込み口に挿入することによって前記固定用垂下片を形成するようにしたことを特徴とするトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
  2. 前記抜止め係止片を成すミシン目は、前記境界稜線側に向かって凸形状の弧状ミシン目とされる請求項1記載のトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
  3. 前記抜止め係止片を成す弧状ミシン目は、幅寸法が50〜90mm、曲率半径が50〜60mmとされ、かつ前記垂下片形成本体の折返し位置から抜止め係止片端部まで距離が5〜15mmの位置に形成されている請求項2記載のトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
  4. 前記差込み口を成すミシン目は、前記境界稜線側に向かって凸形状の弧状ミシン目とされる請求項1、2いずれかに記載のトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
  5. 前記差込み口を成す弧状ミシン目は、幅寸法が35〜50mm、曲率半径が35〜45mmとされ、かつ前記境界稜線から差込み口端部まで距離が5〜25mmの位置に形成されている請求項4記載のトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
  6. 前記垂下片形成本体の略中間位置に前記境界稜線方向に沿って折返し用折れ線を設けるとともに、前記垂下片形成本体と、この垂下片形成本体の先端に一体的に連設される差込み片との境界部に折れ線を設けてある請求項1〜5いずれかに記載のトイレ用ウェットティッシュ収容箱。
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