JP3926460B2 - 紙製容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ティッシュペーパー、キッチンペーパー(ペーパータオル)等の紙を積層して収納する箱状の紙製容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の紙を積層して収納する箱状の紙製容器においては、通常、容器天面に横長の開口部が形成され、その開口部から紙を1枚ずつ取出すようになっており、取出し後は、その開口部から次回分が飛び出している。
そのため、置き場所によっては、例えば台所の油などが次回分に付着する可能性がある。
【0003】
そこで、従来より、例えば実開昭63−194185号公報に示されるように、取出し用の開口部を有する箱状の容器全体を、別の容器(底容器とこれに蝶着された被せ蓋とからなる)により覆うようにしたものや、実開平1−137891号公報に示されるように、箱状の容器内に、天面の開口部と同様の開口部を有する浮動案内板紙を設け、その自重によって、天面からの紙の出過ぎを規制するようにしたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実開昭63−194185号公報に記載の方式では、紙を取出す際に、別の容器の被せ蓋を開けなければならず、また片手ではうまく開けることができないので、紙の取出しが極めて面倒になるという問題点があった。また、前記実開平1−137891号公報に記載の方式では、浮動案内板紙がその自重のみによって紙の出過ぎを抑えるので、紙の残量などにより効果が異なるという問題点があった。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を生じることなく、紙の出過ぎを防ぎ、油等による汚れを防ぐことのできる紙製容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に係る発明では、紙を積層して収納する箱状の紙製容器において、容器内の中間高さ位置(すなわち容器天面より低い位置)に紙取出し用の横長の開口部を有する仕切り板を固定して設けると共に、容器天面に前記開口部の長手方向と同方向の中央線から左右に観音開きを可能とする切断誘導線を形成し、観音開きの蓋を閉めた状態で、前記仕切り板の開口部から突出する次回分の紙が観音開きの蓋に覆われるようにし、前記容器天面の切断誘導線は、中央線とその両端に存在する直交線とから、「工」字状に形成され、前記中央線は、前記仕切り板の横長の開口部より長く形成され、前記直交線は、前記容器天面の両端縁の折目用罫線まで延びていることを特徴とする。
【0007】
本発明において切断誘導線とは、ミシン目やハーフカットなど、紙の切断をその線に沿って行うことが容易なように誘導する連続又は半連続の部位をいう。
請求項2に係る発明では、前記観音開きの蓋を閉めた状態で、前記仕切り板の開口部から突出する次回分の紙が観音開きの蓋に覆われると共に、この紙の先端側が観音開きの蓋の間に挟まれて保持されるようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記中央線は波状に形成されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明では、前記中央線の中央部に、指挿入用の孔部を形成可能な環状の切断誘導線を形成したことを特徴とする。
請求項5に係る発明では、前記仕切り板の開口部に、これを覆うように、スリット入りフィルムを装着することを特徴とする。
請求項6に係る発明では、前記仕切り板は容器本体と共に1枚の展開された紙材料から形成され、前記仕切り板は一方の側部が箱状の容器本体側面部の内側面と接着され、他方の側部に連続する側面部は、容器本体の側面部下側を構成することを特徴とする。
【0009】
【発明の効果】
請求項1、2に係る発明によれば、紙の取出し部を、容器内の中間高さ位置の仕切り板と容器天面との2段にすることで、紙の出過ぎを防ぐ上、汚れも防ぐことができる。また、天面側の取出し部が観音開きなので、開閉が容易な上、取出し後に次回分の薄葉紙の一部が挟まれて保持され、次回の取出しも容易となる。
【0010】
また、容器天面の切断誘導線を「工」字状に形成することで、観音開きが容易となる。
請求項3に係る発明によれば、観音開きの中央線を波状に形成することで、紙の一部を保持する際の保持が確実となる。
請求項4に係る発明によれば、観音開きの中央線の中央部に指挿入用の孔部を形成可能として、この孔部を最初に押し開けることで、観音開きが容易となる。
【0011】
請求項5に係る発明によれば、仕切り板の開口部にスリット入りフィルムを装着することで、仕切り板部分での保持性が向上し、ゴミ等の侵入も確実に防ぐことができる。
請求項6に係る発明によれば、仕切り板を容器本体と共に1枚の展開された紙材料から形成することで、製作性が向上し、コスト低減等を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る紙製容器の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、本発明に係る紙製容器は、ティッシュペーパー又はキッチンペーパー(ペーパータオル)等の紙(特に薄葉紙)を積層して収納するものであるが、以下では、この紙をペーパーと称する。
【0013】
図1は実施の一形態を示す斜視図及び断面図、図2は同上の天面観音開き状態の斜視図及び断面図、図3は同上のペーパー取出し時の斜視図及び断面図、図4は同上のペーパー取出し後の斜視図及び断面図である。
紙製容器1は、箱状に形成され、その容器内の中間高さ位置に、仕切り板2が一体に設けられている。
【0014】
仕切り板2の中央部には、ペーパー取出し用の横長(楕円又は長円状)の開口部3が形成され、この開口部3には、これを覆うように、スリット4a入りフィルム4が裏側から貼着されている。スリット4aは横長の開口部3の長手方向に沿って形成されている。
一方、容器1の天面5には、前記開口部3(スリット4a)の長手方向と同方向の中央線6aから左右に観音開きを可能とするミシン目等からなる切断誘導線6が形成されている。
【0015】
この切断誘導線6は、中央線6aとその両端に存在する直交線6b,6bとから、「工」字状に形成されており、中央線6aは波状(鋸歯状を含む)に形成されている。
また、中央線6aの中央部に、指挿入用の孔部を形成可能な環状の切断誘導線7を形成してある。
【0016】
使用に際しては、先ず図1に示す状態から、天面5の環状の切断誘導線7の内側を押して、孔部を形成し、ここに指を入れて、切断誘導線6の波状の中央線6aに沿って切断し、更に両端の直交線6b,6bに沿って切断する。
これにより、図2に示すように、中央線6aから左右両側に観音開きすることができる。
【0017】
そして、図3に示すように、観音開き状態で、仕切り板2の開口部3のフィルム4のスリット4aに指を入れ、内部のペーパーPをつまんで、引出す。最初の1枚を引出した後は、次回分のペーパーPが仕切り板2のスリット4aから飛び出した状態で保持される。
そして、図4に示すように、観音開きの蓋を閉めると、次回分のペーパーPが殆ど覆われると共に、波状端部間にペーパーPの先端側が挟まれて保持される。これにより、ペーパーPの出過ぎを防ぐ上、汚れも防ぐことができ、次回の取出しも容易となる。
【0018】
次に、本発明に係る紙製容器を1枚の紙部材から作る方法について説明する。
図5は紙製容器の展開図である。
胴部は、▲1▼〜▲7▼のパネルよりなり、▲1▼は仕切り板側部の本体内面への接着代、▲2▼は仕切り板、▲3▼は左側面部下側、▲4▼は底面部、▲5▼は右側面部、▲6▼は天面部、▲7▼は左側面部上側をそれぞれ形成する部分である。そして、これらの間には折目用罫線K1〜K6が設けられている。
【0019】
尚、仕切り板のパネル▲2▼と底面部のパネル▲4▼と天面部のパネル▲6▼は、互いに同じ幅に形成される。また、右側側面部のパネル▲5▼の幅(高さ)に比べ、左側側面部のパネル▲3▼の幅(高さ)は小さく、その差により仕切り板の高さ(天面部から仕切り板までの距離)が決定される。また、左側側面部のパネル▲3▼の幅(高さ)と接着代のパネル▲1▼の幅(高さ)との和が、右側側面部のパネル▲5▼の幅(高さ)となる。
【0020】
また、左側面部のパネル▲3▼の両端部には、フラップ▲3▼Fが形成され、底面部のパネル▲4▼の両端部には、フラップ▲4▼Fが形成され、右側面部のパネル▲5▼の両端部には、フラップ▲5▼Fが形成され、天面部のパネル▲6▼の両端部には、フラップ▲6▼Fが形成されている。
そして、胴部側のパネル▲3▼〜▲6▼と各両端部のフラップ▲3▼F〜▲6▼Fとの間には折目用罫線K11,K12が設けられ、各フラップ▲3▼F〜▲6▼F相互間には切刃による切断線が設けられている。
【0021】
ここで、仕切り板のパネル▲3▼には、横長の開口部2が形成され、これを覆うように、裏側からスリット4a入りフィルム4が貼着されている。
また、天面部のパネル▲6▼には、ミシン目等からなる観音開き用の切断誘導線6(6a,6b),7が形成されている。
次に展開状態からの組立て手順について説明する。
【0022】
先ず図6に示すように、罫線K3で折って、パネル▲1▼をパネル▲5▼の上部に貼り合わせる。
次に図7に示すように、罫線K5で折って、パネル▲7▼の下部をパネル▲3▼の上部に貼り合わせる。
次に図8に示すように、貼り合わせた箱を、罫線K4,K6(及びK1,K2)で折って、起こし、底面部のパネル▲4▼と仕切り板のパネル▲2▼との間にペーパーを充填し、両端部のフラップを、▲3▼F、▲5▼F、▲4▼F、▲6▼Fの順で折って、貼り合わせる。これにより、図1の完成状態となる。
【0023】
ここで、右側側面部のパネル▲5▼の幅(高さ)に比べ、左側側面部のパネル▲3▼の幅(高さ)を小さくしたことで、その差の分、仕切り板が天面部より低くなり、取出し口を2段にすることができる。
尚、以上の実施形態では、仕切り板2側の開口部3にスリット入りフィルム4を設けたが、これを省略してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態を示す斜視図及び断面図
【図2】 同上の天面観音開き状態の斜視図及び断面図
【図3】 同上のペーパー取出し時の斜視図及び断面図
【図4】 同上のペーパー取出し後の斜視図及び断面図
【図5】 容器の展開図
【図6】 組立工程(1)を示す図
【図7】 組立工程(2)を示す図
【図8】 組立工程(3)を示す図
【符号の説明】
1 容器
2 仕切り板
3 開口部
4 フィルム
4a スリット
5 天面
6 切断誘導線
6a 中央線
6b 直交線
7 環状の切断誘導線
Claims (6)
- 紙を積層して収納する箱状の紙製容器において、
容器内の中間高さ位置に紙取出し用の横長の開口部を有する仕切り板を固定して設けると共に、容器天面に前記開口部の長手方向と同方向の中央線から左右に観音開きを可能とする切断誘導線を形成し、
観音開きの蓋を閉めた状態で、前記仕切り板の開口部から突出する次回分の紙が観音開きの蓋に覆われるようにし、
前記容器天面の切断誘導線は、中央線とその両端に存在する直交線とから、「工」字状に形成され、
前記中央線は、前記仕切り板の横長の開口部より長く形成され、
前記直交線は、前記容器天面の両端縁の折目用罫線まで延びていることを特徴とする紙製容器。 - 前記観音開きの蓋を閉めた状態で、前記仕切り板の開口部から突出する次回分の紙が観音開きの蓋に覆われると共に、この紙の先端側が観音開きの蓋の間に挟まれて保持されるようにしたことを特徴とする請求項1記載の紙製容器。
- 前記中央線は波状に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の紙製容器。
- 前記中央線の中央部に、指挿入用の孔部を形成可能な環状の切断誘導線を形成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の紙製容器。
- 前記仕切り板の開口部に、これを覆うように、スリット入りフィルムを装着することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の紙製容器。
- 前記仕切り板は容器本体と共に1枚の展開された紙材料から形成され、
前記仕切り板は一方の側部が箱状の容器本体側面部の内側面と接着され、他方の側部に連続する側面部は、容器本体の側面部下側を構成することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の紙製容器。
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