JP4094190B2 - 送信ビーム制御装置および制御方法 - Google Patents

送信ビーム制御装置および制御方法 Download PDF

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    • Y02D30/70Reducing energy consumption in communication networks in wireless communication networks

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペクトル拡散変調方式を用いた符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)方式を採用する移動体通信システムの基地局に関するものであり、特に、セクタセルを用いてゾーンを構成する場合の基地局内の送信ビーム制御装置および制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の送信ビーム制御装置について説明する。たとえば、スペクトル拡散変調方式を用いたCDMA方式を採用する移動体通信システムの基地局装置に関する文献としては、特開平10−70502公報に記載された「指向性制御アンテナ装置」、および特開平10−17358公報に記載された「無線通信システム」がある。
【0003】
まず、スペクトル拡散変調方式を用いたCDMA方式の移動体通信システムにおけるセクタの構成について、図面を参照して詳細に説明する。なお、セクタ(セクタセル)とは、指向性を持つアンテナにより所定の角度で分割されたセルのことをいう。図18は、セクタセルを用いて構成される移動体通信システムの一具体例を示す図であり、基地局が、アレイアンテナによって生成される複数の固定ビームをオーバーラップさせて、1つのセクタを覆うシステムの一例を示したものである。また、図18では、黒く塗りつぶした丸で表現された移動局が、エリア内にほぼ均一に分布する様子を示している。
【0004】
図18において、201,202,203は基地局であり、210,220,230は各基地局のそれぞれがカバーするセルであり、204,205,206は各セルを分割したセクタであり、211,212,213は基地局201のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、214,215,216は基地局201のセクタ内で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、221,222,223は基地局202のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、224,225,226は基地局202で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、231,232,233は基地局203のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、234,235,236は基地局203で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、241,242,243は移動局である。
【0005】
上記のように構成されるシステムでは、基地局側と移動局間で共有するような公共性の高い制御情報を基地局から送信するための共通制御チャネルと、基地局と個々の移動局間で個別にトラフィック情報を送信するための個別トラフィックチャネルと、が設定され、そして、これらのチャネルを用いて各情報の送受信が行われる。なお、ここでは、共通制御チャネルと個別トラフィックチャネルが同一の指向性をもち、セクタ毎に同数の固定ビームで送信するものとする。したがって、図18においては、共通制御チャネル用送信ビームの大きさと移動局ごとに形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームの大きさが、ほぼ同じ大きさで描かれている。ただし、実際には、所要の通信品質が得られるように、移動局単位に送信電力制御が行われており、移動局毎にビームの大きさが異なる。また、送受信のビームにおいては、ほぼ同一形状のビームが形成できるように、アンテナに関するキャリブレーションにより調整が行われているものとする。
【0006】
以下、図18に示すシステムにおける従来の基地局の動作を説明する。たとえば、移動体通信システムにおいては、周囲の建物や地形によって電波の反射、回折、散乱が発生するため、移動局に対して複数の伝送路を経たマルチパス波が到来し、それらが互いに干渉する。そして、これらに起因して、受信波の振幅と位相がランダムに変動する周波数選択性フェージングが発生する。
【0007】
このような伝送路の状態において、上記各基地局では、図18に示すとおり、複数本のアンテナにより同一のセクタ内を複数個のマルチビームでカバーする。この方式では、セクタをカバーする1ビーム内の移動局数を減らすことが可能であり、たとえば、上り回線(移動局から基地局へ)では、基地局の受信機における1ビーム単位の干渉量を低減できる。一方、下り回線(基地局から移動局へ)では、基地局の送信機におけるビーム内の移動局への干渉量を低減することがでる。
【0008】
図18における基地局の動作を具体的に説明すると、まず、基地局201,202,203では、パイロット信号および報知情報等の共通制御チャネルを送信する。各基地局では、これらの信号送信のため、基地局のセクタ固有の拡散符号で拡散変調を行う。そして、基地局のセクタ毎に得られる拡散変調後の共通制御チャネルの信号は、各基地局のセクタ単位に、予め設けられた固定の共通制御チャネルビーム211,212,213と、221,222,223と、231,232,233と、を用いて送信される。なお、基地局201,202,203では、それぞれ拡散変調後の共通制御チャネルを送信する際、ビーム毎に、拡散符号で1チップ以上かつ所定数チップ以下の位相差を付加して送信を行うものとする。これは、同一情報であっても拡散符号の位相が異なれば、アレイアンテナにおける干渉が発生しなくなるためである。
【0009】
共通制御チャネルにより基地局と移動局間のリンク確立後、つぎに、個別トラフィックチャネルの送信が行われる。各移動局は、セル(セクタ)内でさまざまな場所におり、基地局201,202,203では、個別トラフィックチャネルによる通話中の移動局から到来する信号のうち、最も受信レベルの大きい信号を受信するか、通信品質のよいビームを選択して受信するか、または、複数のビームを合成して信号品質を高めて受信することにより、他局の干渉を抑制した上り回線を実現する。
【0010】
一方、基地局から移動局への個別トラフィックチャネルの送信は、基地局での受信時に、最も大きな受信レベルで受信したビームを選択するか、または、最も通信品質のよいビームを選択することにより、通信対象となる移動局が存在しないエリアへの無意味な送信を抑え、さらに、セクタ内の干渉量を低減する。
【0011】
このように、移動体通信システムにおける従来の基地局では、図18に示すように、基地局にてサービス可能なセクタ内の移動局の位置分布が一様か、またはビーム単位の移動局数が同一である場合、同一のセクタ内を複数本のアンテナからのマルチビームでカバーすることにより、結果として、送信電力の低減を実現することが可能となり、伴って、セクタ全体のチャネル容量を増加させることが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図18に示すシステムにおける従来の基地局においては、たとえば、図19に示すように、基地局にてサービス可能なセクタ内の移動局の位置分布が偏在している場合や、または、図19の移動局351や352に示すように、移動局毎に伝送速度が異なるような場合には、ビーム毎に干渉の度合いが異なってくる。特に、高速データ通信を行う移動局が存在するような場合、基地局では、所定の回線品質を維持するために送信電力を大きくする必要があり、他の移動局に対して与える干渉の影響が大きい。なお、図19において、移動局351,352は、移動局241や242の、たとえば、4倍の高速な伝送速度で通信を行うものとする。
【0013】
このように、従来の基地局では、ビーム内の干渉量が大きくなると送信電力を大きくする必要性が生じ、この場合、下り回線の送信負荷が特定のビームで増大することとなり、この特定のビームが他の基地局にてカバーするセルに対して干渉する、という問題があった。
【0014】
また、従来の基地局においては、上り回線における受信レベルの最も大きい信号、または通信品質の良好なビーム、を選択して、下り回線における基地局から移動局への送信を行うが、実際には、上り回線と下り回線では一般的に使用する周波数が異なり、必ずしも同じ伝搬環境とはならないため、通信品質が劣化する場合がある、という問題があった。
【0015】
また、従来の基地局においては、ビームのオバーラップする領域に移動局が存在する場合、フェージングによりレベルが変動し、適切なビームを選択して送信することが困難となる、という問題があった。
【0016】
また、従来の基地局においては、共通制御チャネル(あるいは個別トラフィックチャネル)を、同一のセクタ内(あるいはセル内)で複数のビームを用いて送信すると、アンテナの構成方法によってはビーム間で相互に干渉してしまう場合がある。そのため、移動局において一定の通信品質を得ようとした場合、基地局では、移動局への送信信号電力を増大させる必要がある、という問題があった。
【0017】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高精度に移動局の位置を推定することによりビーム毎の送信負荷を分散させ、さらにその推定位置に基づいて適切な下り回線のビームを形成することでビーム間の干渉を抑制可能とすることにより、通信品質の向上を実現可能な送信ビーム制御装置、およびその制御方法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる送信ビーム制御装置にあっては、基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成するビーム生成手段(後述する実施の形態のビーム生成部1に相当)と、前記セクタ内の移動局から送信された信号に基づいて移動局の位置を推定する信号到来方向推定手段(信号到来方向推定部2に相当)と、前記推定した移動局の位置に関する情報に基づいて、下り回線における移動局単位に、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、その後、送信する信号送信手段(信号送信部3に相当)と、前記セクタ内のすべての移動局に送信する複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム単位の送信電力量の合計を算出する送信電力算出手段(送信電力算出部4に相当)と、前記ビーム単位の送信電力量の合計と、隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、に基づいて、基地局間で送信負荷が分散するように、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の増減を制御する送信ビーム制御手段(送信ビーム制御部5に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0019】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記信号到来方向推定手段は、複数の受信ビームを使用して信号を受信し、その後、信号レベルの変動を抑圧するための正規化により到来角度を検出する到来角度検出手段(到来角度検出部16に相当)と、前記受信ビーム単位に信号品質を推定する信号品質推定手段(SIR推定部17に相当)と、前記信号品質の推定結果に基づいて前記到来角度の検出結果を平滑化するがどうかを判断し、信号品質が所定の基準を超える場合に平滑化処理を行うフィルタ手段(コントローラ部18、フィルタリング部19に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0020】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記信号到来方向推定手段は、複数の受信ビームを使用して信号を受信し、その後、受信ビーム単位に信号品質を推定する信号品質推定手段(SIR推定部17に相当)と、前記信号品質の推定結果に基づいて受信信号の到来角度を検出する到来角度検出手段(到来角度検出部16Aに相当)と、前記信号品質の推定結果に基づいて前記到来角度の検出結果を平滑化するがどうかを判断し、信号品質が所定の基準を超える場合に平滑化処理を行うフィルタ手段(コントローラ部18、フィルタリング部19に相当)と、を備えることを特徴とする。
【0021】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記送信ビーム制御手段は、前記送信電力量の合計と、前記隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、を用いて、送信電力量の平均値を計算し、自身の個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量が前記平均値よりも大きい場合、その送信電力量を減少させ、一方、前記平均値よりも小さい場合、その送信電力量を増加させることを特徴とする。
【0022】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記送信ビーム制御手段は、ある特定の共通制御チャネル用送信ビーム、または個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信信号電力の合計が所定の値を超えた場合、共通制御チャネルのビーム制御を停止することを特徴とする。
【0023】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記送信電力算出手段は、所定の期間、前記ビーム単位の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とすることを特徴とする。
【0024】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記ビーム生成手段は、前記共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成する場合、ビーム単位に所定の遅延を与え、それぞれ送信タイミングをずらすことを特徴とする。
【0025】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記ビーム生成手段では、前記所定の遅延として、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力が最も大きいビームに最大の遅延を与え、以降、送信電力の大きい順に段階的な遅延を与えることを特徴とする。
【0026】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記ビーム生成手段は、各ビームにより送信されるパイロット部分とデータ部分とを時間多重により送信することを特徴とする。
【0027】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記ビーム生成手段は、各ビームにより送信されるパイロット部分とデータ部分とを符号多重により送信することを特徴とする。
【0028】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記ビーム生成手段は、さらに、拡散変調時、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散することを特徴とする。
【0029】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置にあっては、基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成時、ビーム単位に異なる直交信号で拡散するビーム生成手段と、上り回線により移動局から通知されるビームの選択に関する情報と、前記選択されたビームの受信レベルまたは信号品質に関する情報と、に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、さらに、その個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御する送信ビーム制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0030】
つぎの発明にかかる送信ビーム制御装置において、前記送信ビーム制御手段は、前記信号品質に関する情報であるビーム単位の信号電力対干渉電力比を用いて、各ビームに対する平方根を算出し、その算出結果に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームの信号レベルを設定することを特徴とする。
【0031】
つぎの発明にかかる制御方法にあっては、基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成するビーム生成ステップ(ステップS1に相当)と、前記セクタ内の移動局から送信された信号に基づいて移動局の位置を推定する信号到来方向推定ステップ(ステップS2に相当)と、前記推定した移動局の位置に関する情報に基づいて、下り回線における移動局単位に、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、その後、送信する信号送信ステップ(ステップS3に相当)と、前記セクタ内のすべての移動局に送信する複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム単位の送信電力量の合計を算出する送信電力算出ステップ(ステップS4に相当)と、前記ビーム単位の送信電力量の合計と、隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、に基づいて、基地局間で送信負荷が分散するように、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の増減を制御する送信ビーム制御ステップ(ステップS5,S6に相当)と、を含むことを特徴とする。
【0032】
つぎの発明にかかる制御方法において、前記送信電力算出ステップにあっては、所定の期間、前記ビーム単位の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とする(ステップS11に相当)ことを特徴とする。
【0033】
つぎの発明にかかる制御方法において、前記ビーム生成ステップにあっては、前記共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成する場合、ビーム単位に所定の遅延を与え、それぞれ送信タイミングをずらす(ステップS21に相当)ことを特徴とする。
【0034】
つぎの発明にかかる制御方法において、前記ビーム生成ステップにあっては、さらに、拡散変調時、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散する(ステップS31に相当)ことを特徴とする。
【0035】
つぎの発明にかかる制御方法にあっては、基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成時、ビーム単位に異なる直交信号で拡散するビーム生成ステップ(ステップS31に相当)と、上り回線により移動局から通知されるビームの選択に関する情報と、前記選択されたビームの受信レベルまたは信号品質に関する情報と、に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、さらに、その個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御する送信ビーム制御ステップ(ステップS32に相当)と、を含むことを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる送信ビーム制御装置およびその制御方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0037】
実施の形態1.
本実施の形態においては、CDMA方式を採用する移動体通信システムにおける基地局内の送信ビーム制御装置について説明する。図1は、本発明にかかる送信ビーム制御装置の構成を示す図である。図1において、1は固定の共通制御チャネル用送信ビームおよび個別トラフィックチャネル用送信ビームを生成するビーム生成部であり、2は受信信号に基づいて移動局の位置(方向)の推定を行う信号到来方向推定部であり、3は所定の方法で生成された共通制御チャネル用送信ビームおよび個別トラフィックチャネル用送信ビームを移動局に送信する信号送信部であり、4は自基地局のカバーするすべての個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を算出する送信電力算出部であり、5はすべての個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力に基づいて共通制御チャネル用送信ビームの送信電力の増減を制御する送信ビーム制御部である。なお、本実施の形態は、基地局が、アレイアンテナによって生成される複数の固定ビームをオーバーラップさせて1つのセクタを覆う構成である。また、送受信のビームにおいては、ほぼ同一形状のビームが形成できるように、アンテナに関するキャリブレーションにより調整が行われているものとする。
【0038】
以下、上記のように構成される送信ビーム制御装置の動作を、図2に示すフローチャートと図3に示す移動体通信システムの構成にしたがって詳細に説明する。なお、図3は、本実施の形態の送信ビーム制御装置の制御により送信される共通制御チャネル用送信ビームおよび個別トラフィックチャネル用送信ビームを示している。すなわち、図2に示すフローチャートを実行することにより、基地局にてサービス可能なセクタ内の移動局の位置分布が偏在している場合や、移動局毎に伝送速度が異なるような場合であっても、図3に示すように、各ビームの送信電力がほぼ等しくなる。
【0039】
ただし、図3において、101,102,103は基地局であり、104,105,106はセクタであり、110,120,130は各基地局のそれぞれがカバーするセルであり、111,112,113は基地局101のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、114,115,116は基地局101のセクタ内で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、121,122,123は基地局102のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、124,125,126は基地局102で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、131,132,133は基地局103のセクタ内で形成される共通制御チャネル用送信ビームであり、134,135,136は基地局103で形成される個別トラフィックチャネル用送信ビームであり、141,142、143は移動局であり、他の移動局よりも高速に通信を行う移動局である。
【0040】
図2において、各基地局(101,102,103)における送信ビーム制御装置では、まず、パイロット信号および報知情報等で構成される共通制御チャネル用送信ビームを生成する(ステップS1)。ここでは、移動局の位置分布および伝送速度とは関係なく、セクタ内で、ほぼ等しい送信電力のビーム形状を有する共通制御チャネル用送信ビームを生成することにより、同一の信号を送信する。なお、本実施の形態においては、一例として、1セクタあたり3つのビームを生成する場合を取り上げた。
【0041】
共通制御チャネル用送信ビームを生成後、各送信ビーム制御装置では、前記同一信号を送信するため、基地局のセクタ固有の拡散符号で拡散変調を行い、さらに、拡散変調後の信号を、各基地局のセクタ(104,105,106)単位に、予め設けられた固定の共通制御チャネル用送信ビーム111,112,113,ビーム121,122,123、およびビーム131,132,133を用いて送信する。
【0042】
そして、共通制御チャネル用送信ビームによる信号送信後、送信ビーム制御装置では、基地局と移動局間のリンク確立し、その後、個別トラフィックチャネルの送信を行う。
【0043】
つぎに、送信ビーム制御装置では、セル(セクタ)内のさまざまな場所に存在し、前述の個別トラフィックチャネルにより通話中の、移動局から到来する信号に基づいて、移動局の位置(角度)を推定する(ステップS2)。
【0044】
ここで、移動局の位置を推定する機能をもつ信号到来方向推定部の動作を説明する。図4は、信号到来方向推定部2の構成を示す図である。図4において、11,12,13は基地局受信ビームであり、14はアンテナであり、15はビーム形成部であり、16は到来角度検出部であり、17はSIR推定部であり、18はコントローラ部であり、19は入力信号の平滑化を行うフィルタリング部であり、20は移動局である。
【0045】
また、図5は、上記到来角度検出部16の構成を示す図である。図5において、21,22,23はビーム単位に割り当てられたRAKE合成部であり、24,25,26は絶対値算出部であり、27は3つのRAKE合成部出力のうちの受信レベルの強い2つを選択する3to2選択部であり、28は減算器であり、29は加算器であり、30は正規化を行う正規化部であり、31は正規化部30の算出結果を角度に変換する角度変換部である。
【0046】
また、図6は、上記フィルタリング部19の構成を示す図である。本構成例は、IIR型フィルタの代表的なものである。図6において、51はゲインK(0<K<1)を有する増幅器であり、52は加算器であり、53は予め定められた時間だけ信号を遅延させる遅延器であり、54はゲイン(1−K)を有する増幅器である。
【0047】
上記のように構成される信号到来方向推定部2では、たとえば、ビーム形成部15により3つの受信ビーム11,12,13が形成され、基地局のアンテナ14に出力される。そして、各受信ビームにて受け取られた移動局20の送信した信号は、ビーム(1),(2),(3)として、到来角度検出部16とSIR推定部17に入力される。
【0048】
到来角度検出部16で受信した受信信号(ビーム(1),(2),(3))は、周波数選択性フェージングの影響を受けているため、まず、RAKE合成部21,22,23でRAKE合成される。そして、合成後の信号は、それぞれ絶対値算出部24,25,26に入力され、ここでは、絶対値が算出される。つぎに、絶対値算出後の信号は、3to2選択部27に入力され、ここでは、たとえば、3つのビームで受信された受信信号のうち、受信レベル(または電力)が最も強いビームと、つぎに受信レベルの強いビームと、の2つが選択され、それぞれ減算器28と加算器29に入力され、同時に、角度変換部31に入力される。なお、本実施の形態では、一例として、移動局20が受信ビーム11と12寄りに存在することとし、受信レベルとしては受信ビーム11が最も大きく、受信ビーム12がつぎに大きいものとする。
【0049】
つぎに、正規化部30では、減算器28と加算器29の計算結果が入力され、フェージングの影響を軽減するため、減算器28の出力を加算器29の出力により正規化する。なお、図7は、正規化信号の電力と到来角度の対応関係を示す図であり、ここでは、移動局20から基地局に対してΦという到来角度で信号が入射し、選択された2つのビームの角度に関する中間点を0度としている。また、図7において、曲線41は、受信ビーム11にて受信した信号の電力を加算器29の出力で正規化した場合を表し、曲線42は、受信ビーム12にて受信した信号の電力を加算器29で正規化した場合を表し、曲線43は、前記正規化された2つの受信信号電力の差、つまり、減算器28の出力を加算器29の出力で正規化したものを表している。本実施の形態においては、図7の曲線43が示すように、角度が−10度から+10度の範囲でリニアな領域が存在しており、この領域では、縦軸の正規化信号電力と横軸の角度とが一対一に対応することがわかる。
【0050】
最後に、角度変換部31では、正規化部30による正規化結果と3to2選択部27による選択結果に基づいて、到来角度検出結果θを算出する。ここでは、上記対応関係と、3 to 2選択部27の選択結果を用いることにより、信号到来角度θの検出を行うことができる。
【0051】
また、上記信号到来角度θの検出処理と同時に、SIR推定部17では、各受信ビームにて受信された信号から、それぞれ信号電力対干渉電力比(SIR)の推定を行う。その後、コントローラ部18では、推定されたSIR値の合成結果が予め定められたTargetSIRよりも大きいとき、フィルタリング部19に対して動作を開始するように指示を出す。一方、合成結果がされたTargetSIRよりも小さいとき、フィルタリング部19に対して動作を停止するように指示を出す。
【0052】
フィルタリング部19では、前記コントローラ部18の指示で動作を行い、動作が開始されると、前述した信号到来角度θを増幅器51に入力し、ここで、ゲインKだけ増幅後、加算器52に入力する。同時に、遅延器53にて予め定められた時間Tだけ遅延された増幅器54の出力も加算器52に入力され、ここで、各増幅器の出力を加算する。このような過程を繰り返すことにより、信号到来角度が平滑化され、加算器52では、信頼性の高い信号到来方向推定値Φを出力することが可能となる。なお、本実施の形態においては、コントローラ部18からの指示(SIR推定後)により動作のON/OFFを行うことにより、回線状態の悪いときにはΦの更新が行われないようにする。
【0053】
このように、本実施の形態における信号到来方向推定部2によれば、信号電力対干渉電力比の良好な受信ビームを選択するか、または受信SIRが最大となるように重み付け合成後の受信ビームを選択することにより、信号品質を高めて受信することが可能となり、その結果、精度の高い信号到来角度を推定することが可能となる。
【0054】
つぎに、ステップ2により移動局の位置を推定後、送信ビーム制御装置では、信号到来方向推定部2により得られた移動局の位置(角度)に基づいて、下り回線における移動局単位に、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定する(ステップS3)。なお、本実施の形態では、移動局の位置に応じて、2つのビームを選択し、同一の情報を同じ拡散系列で送信することとしてもよい。
【0055】
つぎに、送信ビーム制御装置では、個別トラフィックチャネルによる通信の際には移動局へ送信する信号の伝送速度が既知であるため、伝送速度が異なる移動局の存在を考慮つつ、個別トラフィックチャネルにおける全送信電力量を算出する(ステップS4)。ここでいう、全送信電力量とは、セクタ内のすべての移動局に対して送信される複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム毎の送信電力量の合計を表す。
【0056】
つぎに、送信ビーム制御装置では、図1に示すとおり、予め設定された隣接する基地局間の隣り合う共通制御チャネル用送信ビームの4つのグループ、すなわち、G1:ビーム113とビーム121、G2:ビーム123とビーム131、G3:ビーム111とビーム133、G4:ビーム112とビーム122とビーム132、をそれぞれ一纏まりとして、各グループ単位に共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の合計を算出し、ここで、その送信電力量に対する平均値:PG1,PG2,PG3,PG4を計算する(ステップS5)。なお、異なる基地局間における個々の共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量に関する情報については、基地局間を結ぶ有線のケーブルか、または無線装置により、伝送されるものとする。
【0057】
そして、送信ビーム制御装置では、グループ単位に、各共通制御チャネル用送信ビームがそれぞれ平均値であるPG1、PG2 、PG3 、PG4に近づくように送信電力を制御する(ステップS6)。このとき、本実施の形態では、各共通制御チャネル用送信ビームの信号電力を、m(ただし、m>0)デシベル(dB)ステップで増減させることにより、効率良く各基地局の送信負荷を分散させることが可能となる。ここで、各共通制御チャネル用送信ビームの信号電力増減に関する条件について一例をあげる。たとえば、ある特定のグループ内で、前述の平均値よりも各共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の方が大きい場合には、この共通制御チャネル用送信ビームの電力をm(dB)分減少させる。一方、平均値よりも各共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の方が小さい場合には、この共通制御チャネル用送信ビームの電力をm(dB)分増加させる。なお、平均値と共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量が等しい場合には、この共通制御チャネル用送信ビームの電力の増減を行わないこととする。
【0058】
最後に、送信ビーム制御装置では、ビーム制御を継続するかしないかを判断し(ステップS7)、たとえば、ビーム制御により共通制御チャネル用送信ビームの送信電力が増大し、予め定められた設定値を超えた場合(ステップS7,No)、ビーム制御を停止し(ステップS8)、それ以外の場合(ステップS7,Yes)、共通制御チャネル用送信ビームの制御を継続し、再度、ステップS2からステップS7の処理を繰り返す。これにより、送信電力が所定の設定値を超えることがないため、送信ビーム制御装置の負担を軽減することが可能となる。
【0059】
このように、本実施の形態においては、移動局の位置分布が偏在している場合や、移動局毎に伝送速度が異なるような場合であっても、特定の共通制御チャネル用送信ビームの送信電力だけが大きくなることを避けるため、まず、隣接する基地局間の隣り合う共通制御チャネル用送信ビームにおける送信電力の平均値を求め、各ビームがその平均値に近づくように送信電力を制御することにより、共通制御チャネル用送信ビーム単位の送信負荷を分散させる。これにより、ビーム間の干渉を抑制することが可能となるため、通信品質の向上を実現することが可能となる。
【0060】
また、上り回線と下り回線でフェージングの影響を受ける伝搬環境では信号レベルが刻々と変化するため、本実施の形態においては、移動局の位置推定を、回線品質を考慮して、すなわち、回線品質が劣化した場合には位置情報を更新しないように制御することにより、下り回線における適切なビーム形成を実現することが可能となる。
【0061】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、セクタ当たり3つのビームを用いて移動局との通信を行ったが、セクタ当たりのビーム数は3つとは限らず、たとえば、セクタ当たり2以上のビームを使用するシステムであれば容易に適用可能であり、この場合においても上記と同様の効果が得られる。
【0062】
実施の形態2.
本実施の形態においては、受信信号の信号電力対干渉電力比(SIR)、すなわち、回線品質を考慮しつつ、到来角度の検出を行う。図8は、図1に示す信号到来方向推定部2の実施の形態2の構成を示す図である。図8において、16Aは受信信号のSIRを参照して到来角度の検出を行う到来角度検出部である。なお、先に説明した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、同一構成部分の動作についても説明を省略する。
【0063】
以下、本実施の形態の信号到来方向推定部2の動作を説明する。上記のように構成される信号到来方向推定部2では、たとえば、ビーム形成部15により3つの受信ビーム11、12、13が形成され、基地局のアンテナ14に出力される。そして、各受信ビームにて受け取られた移動局20の送信した信号は、ビーム(1),(2),(3)として、SIR推定部17に入力される。
【0064】
SIR推定部17では、各受信ビームにて受信された信号から、それぞれSIRの推定を行う。そして、SIR推定部17の出力は、到来角度検出部16Aとコントローラ部18に入力される。
【0065】
図9は、本実施の形態における到来角度検出部16Aの構成を示す図である。到来角度検出部616Aに入力された信号については、まず、3to2選択部27に入力され、ここでは、たとえば、3つのビームで受信された受信信号のうち、受信SIRが最も強いビームと、つぎに強いのビームと、の2つが選択され、それぞれ減算器28と加算器29に入力され、同時に、角度変換部31に入力される。なお、本実施の形態では、一例として、移動局20が受信ビーム11と12寄りに存在することとし、受信SIRは、受信ビーム11が最も大きく、受信ビーム612がつぎに大きいものとする。
【0066】
以降、正規化部30および角度変換部31の動作、さらに、図8に示すコントローラ部18およびフィルタリング部19の動作については、実施の形態1と同様である。このようにして、図8に示す信号到来方向推定部2においては、最終的に到来角度Φを検出する。
【0067】
以上、本実施の形態においては、受信信号のSIR、すなわち、回線品質を考慮して受信信号の到来角度を検出し、さらに、回線品質が劣化した場合には到来角度を更新(平滑化)しないように制御することにより、下り回線における適切なビーム形成を実現することが可能となる。
【0068】
実施の形態3.
本実施の形態においては、実施の形態1および2とは異なる方法で、送信ビーム単位の送信電力量の合計を計算する。図10は、送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態3のフローチャートである。以下、本実施の形態の動作について説明する。なお、本実施の形態の構成については、先に前述の実施の形態1または2と同一の構成である。また、前述の実施の形態1と同様のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0069】
たとえば、送信ビーム制御装置では、ステップ1、ステップ2、およびステップ3の処理を行った後、セクタ内のすべての移動局に対して送信される複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム毎の送信電力量の合計を算出する(ステップS4)。そして、予め定められた期間について、定期的に算出されるビーム毎の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真の個別トラフィックチャネル用送信ビーム毎の送信電力量の合計値として出力する(ステップS11)。
【0070】
つぎに、送信ビーム制御装置では、図1に示すとおり、予め設定された隣接する基地局間の隣り合う共通制御チャネル用送信ビームの4つのグループ、すなわち、G1:ビーム113とビーム121、G2:ビーム123とビーム131、G3:ビーム111とビーム133、G4:ビーム112とビーム122とビーム132、をそれぞれ一纏まりとして、各グループ単位に共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の合計を算出し、ここで、その送信電力量に対する平均値:PG1,PG2,PG3,PG4を計算する(ステップS5)。以降の動作については、前述の実施の形態1と同様である。
【0071】
このように、本実施の形態においては、実施の形態1および2と同様の効果が得られるとともに、さらに、所定の期間についてビーム毎の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とするため、より正確な共通制御チャネル用送信ビームの送信電力の制御が可能となり、その結果、均一に共通制御チャネル用送信ビームの送信負荷を分散させることが可能となる。
【0072】
実施の形態4.
本実施の形態においては、実施の形態1〜3とは異なる方法で、共通制御チャネル用送信ビームおよび個別トラフィックチャネル用送信ビームを生成する。具体的にいうと、共通制御チャネル用送信ビームの電力の大きさを考慮して、ビーム単位に予め定められた遅延量を与えて信号を送信する。下り回線の個別トラフィックチャネル用送信ビームについても、共通制御チャネル用送信ビームと同一の遅延量を与えて信号を送信する。図11は、送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態4のフローチャートである。以下、本実施の形態の動作を説明する。なお、本実施の形態の構成については、先に前述の実施の形態1〜3と同一の構成である。また、前述の実施の形態1または3と同様のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0073】
まず、図3における基地局101のセクタ内で形成する個別トラフィックチャネル用送信ビーム114,115,116を、それぞれビーム(3)、ビーム(2)、ビーム(1)とする。この状態で、たとえば、移動局141が基地局101から送信された共通制御チャネルを受信すると、移動局141では、共通制御チャネルに含まれているパイロットシンボルを用いて伝送路の推定を行う。
【0074】
図12は、伝送路の推定結果(伝送路インパルスレスポンス)を示す図である。ここでは、ビーム(1)で送信されたパイロットシンボルに対する伝送路のインパルスレスポンスと、ビーム(2)で送信されたパイロットシンボルに対する伝送路のインパルスレスポンスと、ビーム(3)で送信されたパイロットシンボルに対する伝送路のインパルスレスポンスが示されている。
【0075】
これら3つの伝送路インパルスレスポンスでは、移動局141との距離の関係で、それぞれ、Td1,Td2,Td3の遅延を伴う。このとき、図12に示されているとおり、各伝送路インパルスレスポンスが重なり合うため、移動局141では、RAKE合成を行うときに、それぞれのビームによる伝送路インパルスレスポンスが分離できず、さらにそれが干渉となり、特性が劣化する可能性があった。
【0076】
そこで、本実施の形態においては、基地局内の送信ビーム制御装置から共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルを送信する場合、共通制御チャネル用送信ビームの電力の大きさに基づいて送信タイミングを決定し、そのタイミングで信号の送信を行うものとする(図11、ステップS21)。この送信タイミングは、共通制御チャネル用送信ビームの電力が大きいものほど、信号が遠くまで伝播し(信号は減衰する)、伝送路インパルスレスポンスの遅延広がりが増加し、かつ送信ビーム間での干渉が少なくなる、ということを考慮して決定する。
【0077】
図13は、基地局から送信する共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの送信タイミングを送信ビーム単位に示した図である。ここでは、基地局101において共通制御チャネル用送信ビームの電力が最も小さいビーム(1)の送信タイミングを基準として、ビーム(2)、ビーム(3)の送信タイミングをそれぞれ、遅延量T1,T2だけ遅延させる。このように、送信電力の大きいビームに対して最も長い遅延を与えることにより、効率良く干渉を避けることが可能となる。
【0078】
その後、送信タイミングに遅延が与えられた共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネル用の信号は、移動局141で受信され、このとき、移動局141における伝送路インパルスレスポンスは、ビーム単位に発生する伝送路の遅延も含め、たとえば、図14に示すような伝送路インパルスレスポンスを持つ信号として受信される。具体的にいうと、図14において、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネル用の信号は、それぞれ、Td1,Td2+T1,Td3+T2の遅延時間で受信されることになる。
【0079】
このように、本実施の形態においては、伝送路インパルスレスポンスが、複数のビーム間で重なり合わないように、予め定められた遅延量を基地局側で与えて送信することにより、移動局におけるRAKE合成時、それぞれのビームによる伝送路インパルスレスポンスが容易に分離でき、さらにビーム間での送信信号の干渉を効率良く防止することが可能となる。
【0080】
なお、本実施の形態においては、図13に示すとおり、共通制御チャネル用送信ビームにより送信されるパイロット部分とデータ部分とを時間多重により送信したが、送信方法についてはこれに限らず、たとえば、パイロット部分とデータ部分とを符号多重により送信することも可能である。パイロット部分とデータ部分とを時間多重または符号多重で送信することにより、干渉による特性劣化が生じない良好な通信を行うことが可能となる。
【0081】
実施の形態5.
図15は、送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態5のフローチャートである。以下、本実施の形態の動作を説明する。なお、本実施の形態の構成については、先に前述の実施の形態1〜4と同一の構成である。また、前述の実施の形態1、3または4と同様のステップについては、同一の符号を付して説明を省略する。
【0082】
たとえば、実施の形態1では、パイロット信号や報知情報等のデータが含まれた共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルをセクタ固有の拡散系列により拡散変調し、3つのビームに同一の拡散変調信号を送信していたが、本実施の形態においては、図15に示すように、拡散変調時に、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散して送信する(ステップS31)。
【0083】
このように、本実施の形態においては、送信ビーム単位に異なる直交符号で拡散するため、ビーム間での干渉の発生を抑制することが可能となる。
【0084】
なお、本実施の形態では、説明の便宜上、セクタ当たり3つのビームを用いて移動局との通信を行ったが、セクタ当たりのビーム数は3つとは限らず、たとえば、セクタ当たり2以上のビームを使用するシステムであれば容易に適用可能であり、この場合においても上記と同様の効果が得られる。
【0085】
実施の形態6.
図16は、送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態6のフローチャートである。以下、本実施の形態の動作を説明する。なお、本実施の形態の構成については、先に前述の実施の形態1〜5と同一の構成である。
【0086】
たとえば、本実施の形態においては、図16に示すように、拡散変調時に、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散して送信する(ステップS31)。
【0087】
その後、基地局の共通制御チャネルを受信した移動局では、複数の送信ビームの中で最も受信レベルが大きいビーム(または最も信号の品質が良好なビーム)と、2番目に受信レベルの大きいビーム(または2番目に信号の品質が良好なビーム)の2つを選択する。なお、本実施の形態では、一例として、選択するビームの最大数を2としているが、この最大数は、たとえば、基地局がセクタをカバーするときに使用した数まで拡張することが可能である。
【0088】
そして、2番目に選択したビームが予め定められた受信レベルよりも大きい場合、その移動局では、基地局に対して個別トラフィックチャネルを送信するときに、今後、ここで選択した2つのビームを用いて通信を行うように、上り回線のスロットを用いて通知する。一方、2番目に選択したビームが予め定められた受信レベルよりも小さい場合は、最も受信レベルの大きいビームのみを用いて通信を行うように、上り回線のスロットを用いて通知する。
【0089】
また、同時に、移動局では、前記スロットを用いて、移動局での受信レベル(または信号品質)についても通知する。なお、移動局においては、たとえば、受信したビーム単位の受信信号レベルを、予め定められた期間において観測し、算出するものとする。
【0090】
図17は、基地局と移動局間の通信におけるスロットの構成を示す図である。図17において、61はパイロットシンボル部分であり、62,63は選択されたビームを通知する部分であり、64,65は選択されたビームの送信電力用制御量(移動局の受信レベル)を通知する部分であり、66はデータ部分である。
【0091】
つぎに、上記、図17に示すスロットを受け取った基地局では、スロットによる通知情報、すなわち、移動局により選択されたビームに関する情報と送信電力制御量に関する情報に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御する(ステップS32)。たとえば、基地局では、移動局での観測された受信レベル(または信号品質の一例であるSIRの平方根値)に応じて、複数の送信ビーム単位に送信電力を決定し、送信を行う。
【0092】
このように、本実施の形態においては、実施の形態5と同様の効果が得られるとともに、さらに、移動局からの通知情報により、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定することが可能となり、さらに、その送信ビームの送信電力を制御することが可能となる。
【0093】
なお、本実施の形態において、移動局によるビームの選択処理は、受信したビームの信号品質を評価に使用しているが、たとえば、受信するビームの信号電力対干渉電力比を評価に用いることも可能である。また、図17に示す上り回線用のスロットは、一例として、時分割に通知情報を送信するスロット構成となっているが、たとえば、データ部分に対して符号多重またはIQ多重を施すして送信することも可能である。
【0094】
【発明の効果】
以上、説明したとおり、本発明によれば、移動局の位置分布が偏在している場合や、移動局毎に伝送速度が異なるような場合であっても、特定の共通制御チャネル用送信ビームの送信電力だけが大きくなることを避けるため、まず、隣接する基地局間の隣り合う共通制御チャネル用送信ビームにおける送信電力の平均値を求め、各ビームがその平均値に近づくように送信電力を制御することにより、共通制御チャネル用送信ビーム単位の送信負荷を分散させる。これにより、ビーム間の干渉を抑制することが可能となるため、通信品質の向上を実現することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0095】
つぎの発明によれば、移動局の位置推定を、回線品質を考慮して、すなわち、回線品質が劣化した場合には位置情報を更新しないように制御することにより、下り回線における適切なビーム形成を実現することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0096】
つぎの発明によれば、受信信号のSIR、すなわち、回線品質を考慮して受信信号の到来角度を検出し、さらに、回線品質が劣化した場合には到来角度を更新(平滑化)しないように制御することにより、下り回線における適切なビーム形成を実現することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0097】
つぎの発明によれば、各共通制御チャネル用送信ビームの信号電力を、たとえば、m(ただし、m>0)デシベル(dB)ステップで増減させることにより、効率良く各基地局の送信負荷を分散させることが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0098】
つぎの発明によれば、送信電力が所定の設定値を超えることがないため、送信ビーム制御装置の負担を軽減することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0099】
つぎの発明によれば、所定の期間についてビーム毎の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とするため、より正確な共通制御チャネル用送信ビームの送信電力の制御が可能となり、その結果、均一に共通制御チャネル用送信ビームの送信負荷を分散させることが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0100】
つぎの発明によれば、伝送路インパルスレスポンスが、複数のビーム間で重なり合わないように、予め定められた遅延量を基地局側で与えて送信することにより、移動局におけるRAKE合成時、それぞれのビームによる伝送路インパルスレスポンスが容易に分離でき、さらにビーム間での送信信号の干渉を効率良く防止することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0101】
つぎの発明によれば、送信電力の大きいビームに対して最も長い遅延を与えることにより、効率良く干渉を避けることが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0102】
つぎの発明によれば、パイロット部分とデータ部分とを時間多重で送信することにより、干渉による特性劣化が生じない良好な通信を行うことが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0103】
つぎの発明によれば、パイロット部分とデータ部分とを符号多重で送信することにより、干渉による特性劣化が生じない良好な通信を行うことが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0104】
つぎの発明によれば、送信ビーム単位に異なる直交符号で拡散するため、ビーム間での干渉の発生を抑制することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0105】
つぎの発明によれば、移動局からの通知情報により、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定することが可能となり、さらに、その送信ビームの送信電力を制御することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0106】
つぎの発明によれば、ビーム単位の信号電力対干渉電力比を用いて各ビームに対する平方根を計算することで、より正確に個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御することが可能な送信ビーム制御装置を得ることができる、という効果を奏する。
【0107】
つぎの発明によれば、移動局の位置分布が偏在している場合や、移動局毎に伝送速度が異なるような場合であっても、特定の共通制御チャネル用送信ビームの送信電力だけが大きくなることを避けるため、まず、隣接する基地局間の隣り合う共通制御チャネル用送信ビームにおける送信電力の平均値を求め、各ビームがその平均値に近づくように送信電力を制御することにより、共通制御チャネル用送信ビーム単位の送信負荷を分散させる。これにより、ビーム間の干渉を抑制することが可能となるため、通信品質の向上を実現することが可能な制御方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0108】
つぎの発明によれば、所定の期間についてビーム毎の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とするため、より正確な共通制御チャネル用送信ビームの送信電力の制御が可能となり、その結果、均一に共通制御チャネル用送信ビームの送信負荷を分散させることが可能な制御方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0109】
つぎの発明によれば、伝送路インパルスレスポンスが、複数のビーム間で重なり合わないように、予め定められた遅延量を基地局側で与えて送信することにより、移動局におけるRAKE合成時、それぞれのビームによる伝送路インパルスレスポンスが容易に分離でき、さらにビーム間での送信信号の干渉を効率良く防止することが可能な制御方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0110】
つぎの発明によれば、送信ビーム単位に異なる直交符号で拡散するため、ビーム間での干渉の発生を抑制することが可能な制御方法を得ることができる、という効果を奏する。
【0111】
つぎの発明によれば、移動局からの通知情報により、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定することが可能となり、さらに、その送信ビームの送信電力を制御することが可能な制御方法を得ることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる送信ビーム制御装置の構成を示す図である。
【図2】 送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態1のフローチャートである。
【図3】 送信ビーム制御装置の制御により送信される共通制御チャネル用送信ビームおよび個別トラフィックチャネル用送信ビームを示す図である。
【図4】 信号到来方向推定部2の構成を示す図である。
【図5】 到来角度検出部16の構成を示す図である。
【図6】 フィルタリング部19の構成を示す図である。
【図7】 正規化信号の電力と到来角度の対応関係を示す図である。
【図8】 図4とは異なる信号到来方向推定部2の構成を示す図である。
【図9】 到来角度検出部16Aの構成を示す図である。
【図10】 送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態3のフローチャートである。
【図11】 送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態4のフローチャートである。
【図12】 伝送路インパルスレスポンスを示す図である。
【図13】 基地局から送信する共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの送信タイミングを送信ビーム単位に示した図である。
【図14】 伝送路インパルスレスポンスを示す図である。
【図15】 送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態5のフローチャートである。
【図16】 送信ビーム制御装置の動作を示す実施の形態6のフローチャートである。
【図17】 基地局と移動局間の通信におけるスロットの構成を示す図である。
【図18】 セクタセルを用いて構成される移動体通信システムの一具体例を示す図である。
【図19】 従来の基地局の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ビーム生成部、2 信号到来方向推定部、3 信号送信部、4 送信電力算出部、5 送信ビーム制御部、11,12,13 基地局受信ビーム、14 アンテナ、15 ビーム形成部、16,16A 到来角度検出部、17 SIR推定部、18 コントローラ部、19 フィルタリング部、20 移動局、21,22,23 RAKE合成部、24,25,26 絶対値算出部、27 3to2選択部、28 減算器、29 加算器、30 正規化部、31 角度変換部、41,42,43 曲線、51 増幅器、52 加算器、53 遅延器、54増幅器、61 パイロットシンボル部分、62,63 選択されたビームを通知する部分、64,65 送信電力用制御量を通知する部分、66 データ部分。

Claims (18)

  1. 基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成するビーム生成手段と、
    前記セクタ内の移動局から送信された信号に基づいて移動局の位置を推定する信号到来方向推定手段と、
    前記推定した移動局の位置に関する情報に基づいて、下り回線における移動局単位に、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、その後、送信する信号送信手段と、
    前記セクタ内のすべての移動局に送信する複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム単位の送信電力量の合計を算出する送信電力算出手段と、
    前記ビーム単位の送信電力量の合計と、隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、に基づいて、基地局間で送信負荷が分散するように、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の増減を制御する送信ビーム制御手段と、
    を備えることを特徴とする送信ビーム制御装置。
  2. 前記信号到来方向推定手段は、
    複数の受信ビームを使用して信号を受信し、その後、信号レベルの変動を抑圧するための正規化により到来角度を検出する到来角度検出手段と、
    前記受信ビーム単位に信号品質を推定する信号品質推定手段と、
    前記信号品質の推定結果に基づいて前記到来角度の検出結果を平滑化するがどうかを判断し、信号品質が所定の基準を超える場合に平滑化処理を行うフィルタ手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の送信ビーム制御装置。
  3. 前記信号到来方向推定手段は、
    複数の受信ビームを使用して信号を受信し、その後、受信ビーム単位に信号品質を推定する信号品質推定手段と、
    前記信号品質の推定結果に基づいて受信信号の到来角度を検出する到来角度検出手段と、
    前記信号品質の推定結果に基づいて前記到来角度の検出結果を平滑化するがどうかを判断し、信号品質が所定の基準を超える場合に平滑化処理を行うフィルタ手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の送信ビーム制御装置。
  4. 前記送信ビーム制御手段は、前記送信電力量の合計と、前記隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、を用いて、送信電力量の平均値を計算し、
    自身の個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量が前記平均値よりも大きい場合、その送信電力量を減少させ、
    一方、前記平均値よりも小さい場合、その送信電力量を増加させることを特徴とする請求項1、2または3に記載の送信ビーム制御装置。
  5. 前記送信ビーム制御手段は、ある特定の共通制御チャネル用送信ビーム、または個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信信号電力の合計が所定の値を超えた場合、共通制御チャネルのビーム制御を停止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の送信ビーム制御装置。
  6. 前記送信電力算出手段は、所定の期間、前記ビーム単位の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の送信ビーム制御装置。
  7. 前記ビーム生成手段は、前記共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成する場合、ビーム単位に所定の遅延を与え、それぞれ送信タイミングをずらすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の送信ビーム制御装置。
  8. 前記ビーム生成手段では、前記所定の遅延として、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力が最も大きいビームに最大の遅延を与え、以降、送信電力の大きい順に段階的な遅延を与えることを特徴とする請求項7に記載の送信ビーム制御装置。
  9. 前記ビーム生成手段は、各ビームにより送信されるパイロット部分とデータ部分とを時間多重により送信することを特徴とする請求項7または8に記載の送信ビーム制御装置。
  10. 前記ビーム生成手段は、各ビームにより送信されるパイロット部分とデータ部分とを符号多重により送信することを特徴とする請求項7または8に記載の送信ビーム制御装置。
  11. 前記ビーム生成手段は、さらに、拡散変調時、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載の送信ビーム制御装置。
  12. 基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成時、ビーム単位に異なる直交信号で拡散するビーム生成手段と、
    上り回線により移動局から通知されるビームの選択に関する情報と、前記選択されたビームの受信レベルまたは信号品質に関する情報と、に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、さらに、その個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御する送信ビーム制御手段と、
    を備えることを特徴とする送信ビーム制御装置。
  13. 前記送信ビーム制御手段は、前記信号品質に関する情報であるビーム単位の信号電力対干渉電力比を用いて、各ビームに対する平方根を算出し、その算出結果に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームの信号レベルを設定することを特徴とする請求項12に記載の送信ビーム制御装置。
  14. 基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成するビーム生成ステップと、
    前記セクタ内の移動局から送信された信号に基づいて移動局の位置を推定する信号到来方向推定ステップと、
    前記推定した移動局の位置に関する情報に基づいて、下り回線における移動局単位に、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、その後、送信する信号送信ステップと、
    前記セクタ内のすべての移動局に送信する複数の個別トラフィックチャネル用送信ビームの、ビーム単位の送信電力量の合計を算出する送信電力算出ステップと、
    前記ビーム単位の送信電力量の合計と、隣接する基地局の隣り合う個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力量の合計と、に基づいて、基地局間で送信負荷が分散するように、共通制御チャネル用送信ビームの送信電力量の増減を制御する送信ビーム制御ステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
  15. 前記送信電力算出ステップにあっては、所定の期間、前記ビーム単位の送信電力量の合計値を集計し、その平均値を、真のビーム毎の送信電力量の合計値とすることを特徴とする請求項14に記載の制御方法。
  16. 前記ビーム生成ステップにあっては、前記共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成する場合、ビーム単位に所定の遅延を与え、それぞれ送信タイミングをずらすことを特徴とする請求項14または15に記載の制御方法。
  17. 前記ビーム生成ステップにあっては、さらに、拡散変調時、共通制御チャネルおよび個別トラフィックチャネルの信号を、ビーム単位に異なる直交信号で拡散することを特徴とする請求項14、15または16に記載の制御方法。
  18. 基地局がカバーするセクタを覆う複数の共通制御チャネル用および個別トラフィックチャネル用の固定ビームを生成時、ビーム単位に異なる直交信号で拡散するビーム生成ステップと、
    上り回線により移動局から通知されるビームの選択に関する情報と、前記選択されたビームの受信レベルまたは信号品質に関する情報と、に基づいて、個別トラフィックチャネル用送信ビームを決定し、さらに、その個別トラフィックチャネル用送信ビームの送信電力を制御する送信ビーム制御ステップと、
    を含むことを特徴とする制御方法。
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