JP4094078B2 - 低分子量カルバメート成分または尿素成分を含む硬化性塗料組成物 - Google Patents

低分子量カルバメート成分または尿素成分を含む硬化性塗料組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性塗料組成物、特に組成物成分の1つとしてカルバメート−または尿素−官能性化合物を利用する、硬化性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱硬化性塗料等の硬化性塗料組成物は塗料業界で広く使用されている。これらは自動車業界および工業用塗料業界においてトップコートとしてしばしば使用される。カラー・プラス・クリヤ複合塗料は、特にすぐれた光沢、色の深み、イメージの鮮明度、または特殊な金属硬化を希望する場合のトップコート(仕上げ塗り)としてとりわけ有用である。自動車業界ではこれらの塗料を自動車ボデイーパネル用として広く使用している。しかしながらカラー・プラス・クリヤ複合塗料は、所望の目視効果を達成するためには、そのクリヤコート(透明塗料)の透明性が著しく高いことが要求される。高光沢(ハイグロス)塗料も、イメージの高鮮明度(DOI)等の所望の目視効果を達成するには、塗膜面における目視収差の度合が低いことも要求される。
【0003】
これらの塗膜は環境腐食として知られる現象にはとりわけ敏感である。環境腐食自体は最終塗膜上または最終塗膜内のスポットまたはマークとして現れ、こすり取って消去できない場合が多い。
【0004】
耐久性、硬度、および柔軟性、ならびに引っ掻き、擦傷、溶剤および酸に対する抵抗性等の諸性質の優れた組み合わせを有する塗膜を提供するために、異なったタイプのカルバメート官能または尿素官能材料を自由に選択するオプシヨンを提供することもしばしば望まれる。
【0005】
カルバメート官能または尿素官能価を有する硬化性成分をベースにする硬化性塗料組成物は、腐食抵抗性塗料を提供するものとして例えば米国特許第5,356,669号明細書およびWO94/10211号明細書中に提案されている。塗料組成物用の非重合体カルバメート官能化合物は米国特許第5,336,566号明細書およびEP 636,660号明細書中に記載がある。
【0006】
塗料業界で特にしばしば要求され平滑仕上げを得るためには、塗料組成物はその性質が流体になり易く、かつ優れた流れを示す傾向のあることが好ましい。優れた流れは、組成物を基質上に施した後、かつ組成物が硬質皮膜に硬化するに先立つ時点において、塗膜面が平滑な外観を呈するに充分な程度の流体である場合に観察される。ある種の塗料組成物は、塗装後直ちに良好な流れを示し、他の塗料組成物は加熱すると優れた流れを示す。流体特性と優れた流れを塗料組成物に付与するための1方法は、組成物中に揮発性溶剤を添加することである。これらの溶剤は塗装中に所望の流動性と所望の流れを提供でき、溶剤は次いで揮発して塗料成分のみを残留させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、かかる溶剤を使用すると、塗料組成物の揮発性有機含量(VOP)も増加する。VOPが環境に及ぼす悪影響のために多くの政府規制があり、使用可能な溶剤の量を制限している。したがって、大量の溶剤を必要としないで、優れた流動性と流れを塗料組成物に付与し得るような塗料組成物成分を利用することが望ましい。以上の他にも有用な性質があるので、多量の溶剤を使用する必要がない塗料組成物に使用するための、カルバメート官能または尿素官能化合物の提供も要望されている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明の要旨
本発明によれば、
(1) 少なくとも1つのカルバメート官能または尿素官能基、
(2) カルバメートもしくは尿素であり、またはカルバメートもしくは尿素ではない、少なくとも1つの他の官能基、および
(3) 同時に水素結合供与体基ではない少なくとも1つの水素結合受容体基を含む多官能化合物(A)[ただしこの多官能化合物は、アクリル酸エステル側鎖を介してアルリル骨格に付加しているカルバメート官能もしくは尿素官能基を有するアクリルポリマーもしくはオリゴマー、ポリオールとポリ酸成分とのポリ縮合生成物であるポリエステルポリマーもしくはオリゴマー、またはポリイソシアネート成分とポリエステルポリオール成分との反応生成物であるポリウレタン、以外の化合物である]、ならびに
化合物(A)上の官能基と反応する複数の基を有する硬化剤(B)
からなる硬化性塗料組成物が提供される。
【0009】
この度、カルバメート−または尿素−官能性化合物中に水素結合受容体基を導入すると、塗料組成物中の有機溶剤の必要量を低減できることが判明した。これらの化合物は高粘度におけるスプレー塗装能力を塗料組成物に対して付与すると同時に、依然として優れた流れと外観特性とを維持させ得ることが判った。本発明によれば、比較的高濃度の溶剤を含有する塗料組成物においてしばしば見られるような、優れた”だれ抵抗”、レベリング、低オレンジピール、光沢、基質の湿潤、顔料分散性および充填性ならびに均一硬化性等の他の有益な性質も提供できる。ある種の水素結合受容基を、たまたま含有しているある種の特定カルバメート官能性材料(すなわち、アクリル酸エステル側鎖を介してアルリル骨格に付加しているカルバメート官能もしくは尿素官能基を有するアクリルポリマーもしくはオリゴマー、ポリオールとポリ酸成分とのポリ縮合生成物であるポリエステルポリマーもしくはオリゴマー、およびポリイソシアネート成分とポリエステルポリオール成分との反応生成物であるポリウレタン)については文献に開示がある。しかし、水素結合受容体基を導入すると、本発明に開示したように多種類のカルバメート−もしくは尿素−官能性化合物の塗料性能が改善し得ることを教示もしくは暗示した文献は見当らない。
【0010】
【発明の実施の形態】
好ましい実施態様の説明
本発明で使用する化合物(A)は、少なくとも1つのカルバメート官能または尿素官能基を有する多官能化合物である。カルバメート基は次の一般式:
Figure 0004094078
[式中、RはHもしくは、好ましくは炭素原子1ないし4のアルキルである]
により一般的に表される。RはHまたはメチル、さらに好ましくはRはHである。尿素基は次の一般式:
Figure 0004094078
[式中、R’およびR”はそれぞれ独立にHもしくは、好ましくは炭素原子1ないし4のアルキルを示し、またはR’およびR”は共に複素環構造(例えばR’およびR”はエチレンブリッジを形成)を形成していてもよい]
により一般的に特徴付けられる。
【0011】
化合物(A)上の他の官能基(一種または複数種)はカルバメートもしくは尿素でも、または他の官能基であってもよい。かかる他の官能基の例中には、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、シロキサン基もしくはシラン基、メルカプト基、置換もしくは非置換アミド基、酸無水物基、活性化メチレン基(例えばアセトアセテート基で活性化されたもの)が包含される。ある種のこれらの基(例えばエポキシ基)の場合、単一の硬化剤(B)では、カルバメート官能または尿素官能基の両方ならびにその他の官能基と反応しない。かかる場合には、1種以上の硬化剤(B)を塗料組成物中に含有させて組成物の完全硬化を達成させることが望ましい。
【0012】
上記化合物(A)は、水素結合受容体ではあるが水素結合供与体ではない、少なくとも1つの基を含んでいる。水素結合受容体基は公知である。これらは、孤立電子対を有する陰性原子をばしば含んでいるが、同時にまた水素結合供与体からのプロトンを受容し得るπ電子を有する芳香族基もしくは不飽和基を含むことができる。水素結合受容体基の例中には、エステル基、エーテル基、ケトン基、カーボネート基、第三アミン基、チオン基、スルホン基、窒素原子が完全に置換されたアミド基(すなわち第三アミド)、および硫化物基が包含される。これらの基は組み合わせで存在したり、および/または例えばポリエステル基、ポリエーテル基、ポリカーボネート基等の繰返し単位として存在してもよい。ある種の基は水素結合供与体または水素結合受容体のいずれかとして機能できる。これらの例中には、カルボン酸基、窒素原子に結合した少なくとも1つの水素を有するウレタンもしくは尿素基、ヒドロキシル基、および窒素原子に結合した少なくとも1つの水素を有するアミドが包含される。かかる基は本発明の上記(A)(3)の範囲中には包含されない。
【0013】
アクリルエステル側鎖を介してアクリル骨格上に結合しているカルバメート官能または尿素官能基を有するアクリルポリマーもしくはオリゴマー、ポリオールとポリ酸成分とのポリ縮合生成物、ならびにポリイソシアネート成分とポリエステルポリオール成分との反応生成物であるポリウレタン、は本発明の化合物(A)の範囲には包含されない。かかる化合物は例えば米国特許第5,356,669号および同第5,451,656号各明細書に開示があり、かつ水素結合受容体基(すなわちエステル基)はもとより、カルバメート官能もしくは尿素官能基の両方を含んでいる。しかしながらかかる開示は、本発明の化合物もしくはそれにより提供できる利益等の、水素結合受容体基およびカルバメート官能基もしくは尿素官能基の両方を含む他の化合物を教示もしくは暗示してはいない。
【0014】
少なくとも1つのカルバメート官能または尿素官能基を有する多官能化合物(A)を調製するための合成方法は多数ある。次に記載の合成経路は、このような化合物の調製技術が可能であること、および調製技術の例示を意図するものであって、これのみに限定されることを意味するものではない。カルバメート官能価または尿素官能価を、低分子量材料中の水素結合受容体基と組み合わせるという、本発明の認識に一度び立つならば、次に説明する経路とは異なった方法で異なったタイプの化合物(A)を調製することができるはずである。
【0015】
本発明の好ましい1実施態様では、化合物Aは、ヒドロキシカルボン酸(例えば、ジメチルヒドロキシプロピオン酸、酒石酸、乳酸、ヒドロキシステアリン酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミントリ酢酸、2−ヒドロキシエチル安息香酸)をヒドロキシカルバメートもしくはヒドロキシ尿素と反応させてカルバメートもしくは尿素上のヒドロキシルを、ヒドロキシカルボキシル酸上の酸基とエステル交換して調製できる。生じた化合物はカルバメート官能または尿素官能基、ヒドロキシル官能基、およびエステル水素結合受容体基を有している。この反応は室温ないし150℃、好ましくはローム社(Rohm & Haas)から市販の「Amberlyst 15」(登録商標)等のポリマー上に支持された触媒の存在下で好ましく遂行できる。この反応混合物は、ヒドロキシカルボキシル酸の自己縮合を最少限に抑制するために、過剰の上記アルコールを含有させるべきである。
【0016】
他の1実施態様では、エステル含有カルバメート−または尿素−官能性化合物を、ラクトンの開環反応を経由して調製できる。上記化合物(A)は、ラクトンを開環し得る活性水素基(例えば、ヒドロキシル、第一アミン、酸)およびカルバメートもしくは尿素基、またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基を有する化合物(A’)(1)とラクトン(A’)(2)とを反応させることにより形成できる。活性水素基、およびカルバメートもしくは尿素に転換し得る基を有する化合物をラクトン開環に使用する場合、この基のカルバメートもしくは尿素への転換はラクトン開環反応の間もしくは反応後に達成できる。
【0017】
カルバメートもしくは尿素基および活性水素基を有する化合物は公知である。例えば、ヒドロキシプロピルカルバメートおよびヒドロキシエチルエチレン尿素は公知であり、市販されている。アミノカルバメートは米国特許第2,842,523号公報に記載がある。ヒドロキシル尿素もオキサゾリドンをアンモニアもしくは第一アミンと反応させることにより、またはエチレンオキシドをアンモニアと反応させてアミノアルコールを形成後、上記化合物のアミン基もしくは他のアミノアルコールを塩化水素酸と反応させ、次いで尿素と反応させてヒドロキシ尿素を形成させることにより調製することもできる。アミノ尿素は例えばケトンを、反応から保護(例えば立体障害により)された1つのアミン基を有するジアミンと反応させ、次いでHNCO(すなわち、尿素の熱分解生成物)および引き続く水との反応により調製できる。別法としてこれらの化合物は、次に記載のような、カルバメートもしくは尿素に転換可能な基と活性水素とを有する化合物を出発材料とし、次いでラクトン開環反応に開始に先立って上記基をカルバメートもしくは尿素に転換するこよにより調製できる。
【0018】
カルバメートへ転換可能な基の例中には、環状カーボネート基、エポキシ基、および不飽和結合が包含される。環状カーボネート基はアンモニアもしくは第一アミンと反応させると環状カーボネートが開環してβ−ヒドロキシカルバメートを形成してカルバメート基に転換できる。エポキシ基はCOとの反応で環状カーボネート基に先ず転換することによりカルバメート基へ転換できる。この反応は常圧から超臨界CO圧に至る、いかなる圧力下でも実施できるが、例えば60ないし150psiの加圧下で実施するのが好ましい。好ましい反応温度は60ないし150℃である。有用な触媒の例中には、第三アミンもしくは第四塩(例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド)、錯化有機錫ハロゲン化物とアルキルホスホニウムハロゲン化物との組み合わせ[例えば、(CHSnI、BuSnI、BuPI、および(CHPI]、カリウム塩(例えば、KCO、KI)好ましくはクラウンエーテルとの組み合わせ、オクタン酸錫、オクトン酸カルシウム等の、オキシラン環を活性化し得るいずれもが包含される。次いで環状カーボネート基は上記のようにカルバメート基に転換できる。不飽和結合はいずれもペルオキシドと先ず反応させてエポキシ基に転換し、次いでCOと反応させて環状カーボネートとし、さらにアンモニウムもしくは第一アミンと反応させてカルバメートを形成させる。
【0019】
ヒドロキシル基もしくはイソシアネート基等の他の基もカルバメート基に転換して化合物(A’)(1)を形成できる。しかしながら、もしかかる基を化合物(A’)(1)上に存在させ、次いでラクトンによる開環反応後にカルバメートに転換しなければならない場合には、これらの基はブロックしてラクトンと反応させないか、またはラクトン開環反応に関与する上記活性水素基と反応させないようにする必要がある。これらの基のブロッキングが好ましくない場合には、カルバメートもしくは尿素への転換はラクトン開環反応に先立って完結させておく必要がある。ヒドロキシル基は、モノイソシアネート(例えば、メチルイソシアネート)との反応により第二カルバメートを形成させ、またはシアン酸(このものは尿素の熱分解によりその場で形成できる)との反応により第一カルバメート基(すなわち、非置換カルバメート)を形成させてカルバメート基に転換できる。この反応は公知触媒の存在下で実施するのが好ましい。ヒドロキシル基はまた、ホスゲンおよび引き続くアンモニウムとの反応で第一カルバメート基(類)を有する化合物を形成させ、またはヒドロキシルをホスゲンおよび引き続く第一アミンと反応させて第二カルバメート基を有する化合物を形成させることができる。他の方法はイソシアネートをヒドロキシアルキルカルバメート等の化合物と反応させてカルバメートキヤップドイソシアネート誘導体を形成させる経路である。例えば、トルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基はヒドロキシプロピルカルバメートと反応させ、次いで他のイソシアネートを過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させることができる。最後に、カルバメートは、ヒドロキシル基をアルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、エチルカルバメート、ブチルカルバメート)と反応させるエステル交換反応により第一カルバメート基含有化合物を形成させることにより調製できる。この反応は加熱下、好ましくは例えばジブチル錫ジラウレート等の有機金属触媒の存在下で実施するのが好ましい。カルバメート調製の他の方法は公知であり、例えばアダムスら(P.Adams & F.Baron)の「カルバミン酸のエステル類」と題してケミカル・レビユー(Chemical Review)、65巻(1965)に記載がある。
【0020】
オキサゾリドン等の基も上記ラクトンとの開環反応後に尿素に転換できる。例えば、ヒドロキシエチルオキサゾリドンはラクトンとの開環反応の開始用に使用でき、次いでオキサゾリドンとアンモニアもしくは第一アミンとの反応により尿素官能基を形成させる。
【0021】
アミノ基またはイソシアネート基等の他の基も化合物(A’)(1)を形成させて尿素基へと転換できる。しかし、もしこれらの基が化合物(A’)(1)上に存在し、ラクトンとの開環反応後に尿素に転換しなければならない場合には、これらの基をブロックしてラクトンと反応させないか、またはラトクトンの開環に関与する活性水素基と反応させないようにする必要がある。これらの基のブロッキングが可能でない場合には、カルバメートまたは尿素への転換は、ラクトン開環反応に先立って完結しておく必要がある。アミノ基は、モノイソシアネート(例えばメチルイソシアネート)との反応により第二尿素基を、またはシアン酸との反応により第一尿素基を形成させることにより尿素基へ転換できる。シアン酸は尿素の熱分解によりその場で形成できる。公知にように上記反応は触媒の存在下で行うのが好ましい。アミノ基も、ホスゲンおよび次いでアンモニウムと反応させて第一尿素基を有する化合物を、またはアミノ基をホスゲンおよび次いで第一アミンと反応させて第二尿素基を有する化合物を形成させることができる。他の経路はイソシアネートをヒドロキシ尿素化合物と反応させて尿素キヤップドイソシアネート誘導体を形成させる反応である。例えばトルエンジイソシアネート上の1つのイソシアネート基はヒドロキシエチルエチレン尿素と反応させ、次いで他のイソシアネート基を過剰のポリオールと反応させてヒドロキシカルバメートを形成させる経路がある。
【0022】
カルバメートに転換できる基および活性水素基を有する化合物の好ましい一つのクラスはヒドロキシアルキル環状カーボネートである。ヒドロキシアルキル環状カーボネートの合成方法は多数ある。3−ヒドロキシプロピルカーボネート(すなわちグリセリンカーボネート)等のある種のヒドロキシアルキル環状カーボネートは市販品されている。環状カーボネートは種々異なった経路で合成できる。1つの経路は、エポキシ基含有化合物をCOと上記のような条件および触媒の存在下で反応させる方法が包含される。かかる触媒の存在下でエポキシドもβ−ブチロラクトンと反応させることができる。他の経路は、グリセリン等のグリコールを少なくとも80℃でジエチルカーボネートと触媒(例えばカリウムカーボネート)の存在下で反応させてヒドロキシアルキルカーボネートを形成させる反応である。別法として、次の構造:
【0023】
【化1】
Figure 0004094078
を有する1,2−ジオールのケタールを含む官能化合物を水、好ましくは痕跡量の酸を用いて開環して1,2−グリコールを形成させ、これをさらにジエチルカーボネートと反応させて環状カーボネトを形成させることができる。
【0024】
公知のように、環状カーボネートは典型的に5ないし6員環を有する。合成の容易さおよび市販品があるとの理由で5員環が好ましい。6員環はホスゲンを1,3−プロパジオールを用いて環状カーボネートを形成させる条件下で反応させることにより合成できる。好ましいヒドロキシアルキル環状カーボネートは次式:
【0025】
【化2】
Figure 0004094078
[式中、R(またはnが1超過の場合にはRの各場合)は炭素原子1ないし18、好ましくは炭素原子1ないし6、一層好ましくは炭素原子1ないし3、の直鎖もしく分岐ヒドロキシアルキル基であって、このものはヒドロキシル(それ自体は第一、第二、または第三)以外にもブロックドアミンもしくは不飽和基等の1つまたは2つ以上の他の置換基により置換されていてもよく、かつnは1もしくは2である]
にて表される。Rは−C2mOH[式中、ヒドロキシルは第一もしくは第二であり、mは1ないし8]、さらに好ましくはRは−(CH−OH[式中、ヒドロキシルは第一でありpは1ないし2]である。
【0026】
活性水素で開環し得るラクトンは公知である。これらの例中には、ε−カプロラクトン、γ−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ノナン酸ラクトン、γ−オクタン酸ラクトン、およびペントラクトンが包含される。好ましい1実施態様では、上記ラクトンはε−カプロラクトンである。また、本発明において好ましいラクトンは次式:
【0027】
【化3】
Figure 0004094078
[式中、nは1ないし7の正の整数、Rは1つもしくは2つ以上のH原子、またはRは炭素原子1ないし7の置換もしくは非置換アルキル基を示す]
により特徴付けされる。
【0028】
上記ラクトンの開環反応は典型的には例えば80ないし150℃の昇温下で実施される。反応体は通常は液体なので溶剤は必要ない。しかし溶剤は反応体が液状であっても、反応に対する好条件を促進するので有用である。極性および非極性溶剤を包含する非反応性溶剤であれば、いずれも使用可能である。有用な溶剤の例中には、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が包含される。好ましくは触媒を存在させる。有用な触媒の例中には、プロトン酸(例えば、オクタン酸)、「Amberlyst 15」(登録商標)(Rohm & Haas社)、および例えばオクタン酸第一錫等の錫触媒が包含される。別法として上記反応は、上記ラクトン環と反応し得る分子上のヒドロキシル基のナトリウム塩を形成させて開始できる。
【0029】
もし充分量のラクトンが存在するなら、上記ラトン開環反応により分子の連鎖延長が生じる。カルバメートもしくは尿素化合物(A’)(1)とラクトン(A’)(2)との相対量の変更により連鎖延長の程度を制御できる。ラクトン環を、ヒドロキシルもしくはアミン基で開環すると、エステルもしはアミドならびにOH基が形成される。次いでこのOH基を、供給可能な他のラクトン環と反応させて連鎖延長させる。開始剤化合物(A’)(1)の量に対して、反応混合物中のラクトンの割合を変えて反応を制御する。本発明の実施に際しては、(A’)(1)上の活性水素基の当量に対する、(A’)(2)からのラクトンの当量比率は0.1:1ないし10:1が好ましく、一層好ましくは1:1ないし5:1である。酸によるラクトンの開環後、酸基を有する生成化合物は、次いでエチレンオキシドとの反応等の公知技術によりヒドロキシル基に転換できる。
【0030】
他の1実施態様では、少なくとも1つのカルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素へ転換可能な基)ならびに活性水素基(A’)(1)をラクトン(A’)(2)と反応させた生成物である上記化合物は、さらにこの反応生成物の複数の分子上のヒドロキシル基とは反応性で、カルバメートもしくは尿素基とは反応しないの化合物(A’)(3)とさらに反応させることができる。かくして最終生成物において化合物(A’)(3)の残基は、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)の複数のカルバメート−官能残基もしくは尿素官能残基が結合しているコアであると表現できる。同時に、化合物(A’)(3)との反応に先立って上記反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)は、カルバメートもしくは尿素基(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)+ヒドロシル基からなる他の化合物と混合してもよい。この場合、生じた反応生成物混合体は、かかる他の化合物に対する反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)の化学量論的比率を表す。
【0031】
(A’)(3)として有用な化合物の例中には、ポリイソシアネート、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO、アセタール、ホスゲン、環状もしくは直鎖ホスフアゼン、置換もしくは非置換環状シロキサンもしくはシラン、または置換もしくは非置換直鎖シロキサンもしくはシラン[このものはSiXに表される、式中Xはハロゲン化物、アルコキシ、ヒドリド、またはアセテート等のプロトンと反応する基であり、Rはアルキル、シラン、またはシロキサン等のプロトンと反応しない基を示し、m=2−4、およびm+n=4である]、SO、POCl、POCl(式中、Rはアルキルまたはアリール)が包含される。ある種の化合物(A’)(3)と一緒に、ジオールを反応混合物中に添加してカルバメートもしくは尿素末端基を有する連鎖延長をすることもできる。この反応は、例えばホスゲンを用いて実施でき、ホスゲン/ジオール反応では連鎖延長が生起し、ホスゲンと(A’)(1)/(A’)(2)反応生成物との反応ではカルバメートもしくは尿素基を含む鎖末端が生起する。
【0032】
ポリイソシアネートは、脂環式ポリイソシアネートを包含する脂肪族ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネートであってもよい。有用な脂肪族ポリイソシアネートの例中には、エチレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネートプロパン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,6−ジイソシアネートヘキサン、1,4−ブチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート、1,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)およびイソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネートが包含される。有用な芳香族ジイソシアネートおよび芳香脂肪族(araliphatic)ジイソシアネ−トの例には、トルエンジイソシアネートの各種異性体、メタキシレンジイソシアネ−ト、およびパラキシレンジイソシアネートが包含され、また4−クロロ−1,3−フエニレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネ−ト、4,4’−ジベンジルジイソシアネートおよび1,2,4−ベンゼントリイソシアネートも使用できる。加えて、α,α,α’,α’−テトラメチルキシレンジイソシアネ−トの各種異性体も使用できる。過剰の単量体状ポリイソシアネートをポリオールと反応させて調製したポリイソシアネートオリゴマーまたはポリイソシアネート重合体も使用可能である。また、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレートまたはヘキサメチレンジイソシアネ−トのイソシアヌレート等のイソシアヌレートも使用できる。「DESMODUR N100」(登録商標)(Mobay社)等の、イソシアヌレートのビウレットも有用である。
【0033】
カーボネート結合基を経由して2つの反応生成化合物(A’)(1)/(A’)(2)と反応・リンクさせる化合物(A’)(3)としては、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、CO、ジフエニルカーボネート、またはホスゲンが使用される。ホスゲンを使用する場合には、ホスゲンは反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)2モル[または2モルの反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)+ヒドロキシプロピルカルバメート等の他のヒロキシカルバメートもしくは尿素化合物]に対して約1モルのモル比で(A’)(1)/(A’)(2)反応生成物溶液中に添加する。反応は7℃未満の温度、またはホスゲンを液状に維持できる加圧下で実施する。別法として上記反応系を通じてガス状ホスゲンをバブルさせてもよい。塩形成用塩基(例えばNaOH)を用いて反応を促進してもよい。この反応は−20℃ないし80℃の範囲で、事実上いかなる非プロトン性溶剤中でも実施できる。反応圧は大気圧ないし40psiの範囲である。
【0034】
環状カーボネートまたはジアルキルカーボネートは、その適切なモル混合物[2モルの反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)+他のヒドロキシカルバメートもしくは尿素ならびに1モルの環状カーボネートもしくはジアルキルカーボネート]を、オクタン酸カルシウム等のエステル交換触媒と共に例えば80ないし200℃に加熱して反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)と反応させるための化合物(A’)(3)として使用できる。有用なジアルキルカーボネートの例中には、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジフエニルカーボネート、およびジブチルカ−ボネートが包含される。有用な環状カーボネートの例中には、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート、およびジメチルエチレンカーボネートが包含される。環状カーボネートは、不飽和結合とペルオキシドとの反応によりオキシラン環を形成させ、次いでCOと反応させて環状カ−ボネートを形成させることにより、全ての不飽和結合から形成できる。有用な触媒の例中には、金属ヒドロキシド(例えばKOH)、IまたはII族金属(例えば、Na、Li)、金属炭酸塩(例えばKCO)(このものはクラウンエーテルと併用すると強化される)、金属酸化物(例えば、ジブチル錫酸化物)、金属アルコキシド(例えば、NaOCH、Al(OCH]、金属エステル(例えば、オクタン酸第一錫、オクタン酸カルシウム)、またはプロトン酸(例えば、硫酸)、MgCO、またはPhSbIが包含される。使用する溶剤はエステル交換に対して不活性な溶剤であるべきである。この触媒および/または反応条件は、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)中の開環済みラクトンからのエステル基のエステル交換を最小限に抑制するのに必要である。COも、類似触媒の存在下、類似条件で(A’)(3)化合物として用いられ、使用圧力は1ないし40気圧である。
【0035】
無機反応基を有する化合物も、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)のヒドロキシル基と反応させるのに使用される。これらの例中には、POCl、またはヘキサクロロシクロトリホスフアゼン等の燐化合物、SOもしくはSOCl等のSO源、または置換もしくは非置換環状シロキサンもしくはシラン、または式SiX[式中、Xはハロゲン化物、アルコキシ、ヒドリド、またはアセテート等のプロトンと反応する基であり、Rはアルキル、シラン、またはシロキサン等の、プロトンと反応しない基であり、m=2−4、ならびにm+n=4である]にて表される置換もしくは非置換直鎖シロキサンもしくはシラン等のシラン系システムが包含される。
【0036】
ホスフアゼン系化合物(例えばヘキサクロロシクロトリホスフアゼン)またはPOCl等の燐含有化合物も、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)と反応させる化合物(A’)(3)として使用される。典型的な1反応では、燐反応剤1当量(塩素含量基準)をテトロヒドロフランのジエチルエーテル等の乾燥エーテル溶剤中に溶解して、約50%溶液を調製する。ナトリウムヒドラジド1.5当量を添加し、次いで反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)1当量[または反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)+他のヒドロキシカルバメートもしくは尿素化合物]を添加する。この混合物が自己発熱により溶剤の還流温度に達するようにし、この間は反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)の添加速度の調整によって反応温度を制御する。反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)の添加完了後、上記反応混合物を還流温度まで加熱し、この温度で2ないし3時間維持する。次いでこの混合物を冷却、濾過してNaClおよび全ての未反応ナトリウムヒドリドを除き、同時に減圧下で溶剤を除く。
【0037】
シラン系化合物も化合物(A’)(3)として使用される。かかる化合物は一般式SiX[式中、Xはハロゲン化物、アルコキシ、ヒドリド、またはアセテート等のプロトンと反応する基であり、Rはアルキル、シラン、またはシロキサン等の、プロトンと反応しない基であり、m=2−4、ならびにm+n=4]にて表される。これらの化合物は全ての乾燥非プロトン溶剤(例えば、テトラヒドロフラン)中、公知条件下で反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)と反応できる。上記公知反応条件はX基の性質に依存する。Xがヒドリドの場合、反応は錫触媒等の触媒の存在下、不活性雰囲気中、例えば0℃のような冷却反応体を用いて好ましく開始できる。材料の添加完了後、乾燥メタノールの添加により遊離残留Si−H結合の全てを反応させる。Xがハロゲン化物である場合には、この反応は室温、不活性雰囲気下で好ましく開始する。次いで上記混合物を還流させて反応を完結させる。HClが副生する。Xがアルコキシの場合には、反応は室温、不活性雰囲気中で開始し、反応中は室温に維持する。形成する副生アルコールを吸着するためにモレキュラーシーブを使用してもよい。この反応は僅かの塩基性もしくは酸性により促進されるが、同時にSi−O−Si結合の形成も促進される。
【0038】
SO源としては、SOは液状であれば反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)を通じてSOをバブルさせることにより、または反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)を溶剤中に溶解し、次いで溶剤中にSOをバブルさせることにより(A’)(1)と反応させ得る。SOClと化合物(A’)(1)/(A’)(2)との反応は、化合物(A’)(1)/(A’)(2)をNaもしくはNaOR(Rは有機基を示す)と予備反応させることにより支援できる。
【0039】
他の1実施態様では、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基は、化合物(A’)(4)との反応によりカルバメートもしくは尿素に転換でき、この場合の化合物(A’)(4)は反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)と反応して、その上のヒドロキシル基をカルバメートもしくは尿素基に転換するか、またはこの場合の化合物(A’)(4)はその上のヒドロキシル基および、同時にカルバメートもしくは尿素基、またはカルバメートもしくは尿素に転換可能な基と反応する。
【0040】
反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基をカルバメート基へ転換するための化合物(A’)(4)として用いられる化合物は多数ある。ヒドロキシル基は、モノイソシアネート(例えば、メチルイソシアネート)との反応により第二カルバメートを形成してカルバメート基へと転換でき、またはシアン酸との反応により第一カルバメート基(すなわち、非置換カルバメート)を形成してカルバメート基に転換できる。この反応は、公知のように、好ましくは触媒の存在下、加熱下で実施するのが好ましい。ヒドロキシル基はホスゲンとも反応でき、次いでアンモニウムと反応させて第一カルバメート基を形成させ、またはヒドロキシルとホスゲンとの反応、次いで第一アミンとの反応により、第二カルバメート基を有する化合物を形成させる。
【0041】
反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基および同時にカルバメートもしくは尿素基、またはカルバメートもしくは尿素に転換可能な基と反応する基を有する(A’)(4)化合物としては、各種の化合物が使用できる。アルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート)または置換アルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)は反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基とエステル交換できる。この反応は好ましくは有機金属触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレート)の存在下、加熱して実施される。メチロールアクリルアミドは反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基と反応させ、さらにカルバメートに転換できる。この反応の場合、次いで不飽和結合をペルオキシド、CO、およびアンモニウムと上記のように反応させる。次いで上記エポキシ基をCOと反応させて環状カルバメート基を形成させ、このものはアンモニウムと反応させてカルバメート基に転換できる。部分ブロックドトルエンジイソシアネ−トも化合物(A’)(4)として使用できる。1実施態様では、部分ブロックドトルエンジイソシアネート上の未ブロックドイソシアネートは反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基と反応させることができる。次いで他のイソシアネートのブロックを解除してヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチレン尿素)と反応させることができる。別法としては未ブロックドイソシアネートを、ヒドロキシアルキルカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチレン尿素)と反応させ、次いでその他のイソシアネート基のブロックの解除および(A’)(1)/(A’)(2)反応生成物上のヒドロキシル基との反応を行う。他のポリイソシアネートはカルバメートもしくは尿素基を反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)上のヒドロキシル基上に付加するのに使用できるが、上記ポリイソシアネートは1分子以上の反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)、または1分子以上のヒドロキシアルキルカルバメートもしくはヒドロキシ尿素と反応する競合副反応が生起するはずである。
【0042】
さらに他の1実施態様においては、ポリオール、アミノアルコール、またはポリアミン(官能性のより高いポリオールもしくはポリアミンも使用できるが、典型的にはジオールもしくはジアミン)をラクトンもしくはヒドロキシカルボキシル酸と反応させて、ラクトンの開環もしくはヒドロキシカルボン酸縮合反応に由来する少なくとも1つのエステルまたはアミド基を有するポリオールを形成させる。次いでその上のヒドロキシル基は、カルバメートもしくは尿素基に転換でき、または上記いずれかの技術を用いて、カルバメートもしくは尿素基を有する化合物、またはカルバメートもしくは尿素に転換し得る基を有する化合物と反応させることができる。ラクトン環の開環に由来するポリオールは、(例えば、UCC社の「Tone」(登録商標)ポリオール製品系列下で「Tone 0200」、「Tone 2221」、「Tone 0301」、または「Tone 0310」)として市販されており、または上記ラクトン開環反応の条件下、実質上全てのポリオールもしくはポリアミンを用いたラクトンの開環により調製できる。有用なポリオールの例中には、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ウレタンポリオール(このものは過剰のポリオールをポリイソシアネートと反応させるか、または米国特許第5,134,205号公報に記載の技術により形成できる)、ダイマー脂肪アルコール等が包含される。有用なポリアミンの例中には、イソホロンジアミン、ビス[ジアミノメチルシクロヘキサン]、ビス[4−アミノフニルメタン]、ポリエチレンイミン(BASF社から「Polymin」として市販)、およびトリアミノノナンが包含される。有用なアミノアルコールの例としては、ヒドロキシエチルアミン、5−アミノペンタン−1−オール、およびアミノメチルプロパノールが挙げられる。
【0043】
カーボネート基(A)(3)はカルバメート−もしくは尿素−官能性化合物(A)中に導入もきる。1つの方法は、カルバメートもしくは尿素基(またはカルバメートもしくは尿素に転換できる基)およびヒドロキシル基を有する上記のような化合物は、CO源(例えば、CO、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ホスゲン、ジフエニルカーボネート)と反応し得る。このヒドロキシカルバメートもしくはヒドロキシ尿素化合物は(A’)(1)としての上記いずれのタイプでもよく、または反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)であってもよい。上記CO源および反応条件は、反応生成物(A’)(1)/(A’)(2)と(A’)(3)の反応についての上記の通りであり、この際の(A’)(3)はCO、ジアルキルカーボネート、環状カーボネート、ホスゲン、またはジフエニルカーボネートである。
【0044】
本発明の他の1実施態様において上記化合物(A)[ここで(A)(3)はカーボネート基]は置換もしくは非置換アルキルカルバメート(例えば、メチルカルバメート、ブチルカルバメート、ヒドロキシプロピルカルバメート)を、複数のヒドロキシル基有するポリカーボネートと反応させた反応生成物である。かかるポリカーボネートポリオールは公知であり、例えば米国特許第4,024,113号公報に記載があり、この記載を本明細書中に引例として含める。これらは、CO、ジアルキルカーボネート、ジフエニルカーボネート、ホスゲン、またはジオキソラノンを上記のような技術および触媒を用いて過剰のポリオールとエステル交換反応して合成できる。有用なポリオールの例中には、1,6ーヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメチロール、ビスフエノールA、BASF社(BASF Corporation)から「Pluronic」ポリオールとして市販されるポリエーテルポリオール、1,2−ヘキサンジオール等が包含される。一層高級な官能価を有する有用なポリオールの例中には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、アクリル系ポリオール等が包含される。
【0045】
カルバメート化合物とポリカーボネートポリオールとのエステル交換反応は触媒を使用すべきである。かかる触媒は公知であり、有機金属錯体が好ましい。好ましい触媒の例中には、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジメトキシド等の錫錯化物が包含される。アルミニウム錯化物(例えば、アルミニウムイソプロポキシド)、亜鉛錯化物、チタネート、または酸触媒(例えば、オクタン酸)等の他の触媒もまた使用できる。上記触媒および/または反応条件は、(A)(1)化合物中のカーボネート基との相互反応を最小限に抑制するのに必要である。
【0046】
さらに他の1実施態様では、カーボネート基(A)(3)を含む化合物(A)は、ポリオールおよびCO源(例えば、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、CO)またはホスゲンが関与する上記標準エステル交換反応により形成でき、この場合のポリオール中には、ペンダントカルバメート基もしくはペンダント尿素基を有するジオールが包含される。ペンダントカルバメート基を有するジオールは、アンモニアもしくは第一アミンによるヒドロキシアルキル置換環状カーボネートの公知開環反応で形成できる。ペンダント尿素基を有するジオールは、アンモニアもしくは第一アミンによるヒドロキシアルキル置換オキサゾリドンの公知開環反応で形成できる。
【0047】
また化合物(A)は基(A)(3)のようにエーテル基を含んでいてもよい。カルバメート官能または尿素官能エーテル含有化合物は、カルバメート官能または尿素官能基(またはカルバメートまたは尿素に転換し得る基)を有する化合物および上記活性水素基を用いて触媒の存在下でエチレンオキシドもしくはプロピンオキシド上のオキシラン基の開環によって調製できる。この反応は公知であり、本発明の提案の実施に際しは詳細を当業者にとり説明する必要を認めない。上記ラクトンの開環反応については、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドの量に比例した度合の連鎖延長を行なわせることにより、ポリエーテル延長の度合を化学量論的に制御することができる。別法として、ポリエーテルポリオール上のヒドロキシル基はアルキルカルバメートとエステル交換でき、または上記のようにシアン酸と反応させてカルバメート官能価を提供させることができる。
【0048】
カルバメート官能または尿素官能ポリウレタンは、NCO−末端ポリウレタンをヒドロキシカルバメート(例えば、ヒドロキシプロピルカルバメート)またはヒドロキシ尿素(例えば、ヒドロキシエチルエチレン尿素)と米国特許第5,373,069号公報に記載の方法で反応させるか、またはアンモニアもしくは第一アミンを用いてヒドロキシアルキル環状カーボネートまたはヒドロキシアルキルオキサゾリドンを開環して形成させた尿素ジオールもしくはカルバメートジオールを含有させることにより調製できる。水素結合受容体基を含むポリエステルポリオール以外のポリオール(例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ただし本発明の1実施態様ではポリエーテルポリオールから誘導されたポリウレタンも化合物(A)の範囲から除外することが考慮されてはいる)は、ポリウレタン形成におけるポリオール成分中に包含させることができる別法として水素結合受容体基は、水素結合受容体基およびヒドロキシル基を含む化合物をイソシアヌレートの1つのNCO基上に反応させ、次いで他の2つのNCO基を利用してポリオールとのポリウレタン反応を起こさせることにより導入できる。
【0049】
他の水素結合受容体基は、所望の水素結合受容体基を含むポリオールをシアン酸もしくはホスゲンと反応させ、次いでアンモニウムと反応させてカルバメート誘導体を形成させる多数公知の方法でカルバメート官能または尿素官能化合物中に導入できる。例えば、硫化物含有化合物は、硫化物含有ポリオール(例えば、2,2’−チオジエタノール)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて調製できる。同様に、スルホン含有化合物は、スルホン含有ポリオール(例えば、2,2’−スルホニルジエタノール)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて調製できる。また、第三アミン含有カルバメート化合物は、第三アミンポリオール(例えば、トリエタノールアミン)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させてカルバメート誘導体を形成させて調製できる。グリコールアルデヒドダイマーはシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて複素環式エーテル含有カルバメート化合物を形成できる。第三アミド化合物は第三アミドポリオール(例えば、N,N,N’,N’−テトラメチル−D−テトラアミド)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて調製できる。不飽和基含有カルバメート化合物は、不飽和ポリオール(例えば、5−ヘキセン−1,2−ジオール)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて同様に調製できる。ケトン含有化合物は、ケトンポリオール(例えば、エリスルロース)をシアン酸もしくはホスゲン/アンモニウムと反応させて調製できる。
【0050】
このような他の水素結合受容体基を有するカルバメート官能または尿素官能化合物も、イソシアヌレート化合物をヒドロキシプロピルカルバメートもしくはヒドロキシエチルエチレン尿素等の化合物2モルと水素結合受容体化合物1モルとを部分反応させることにより、水素結合受容体基とシングル活性水素基を含む化合物から調製できる。かかる合成技術に使用するのに有用な水素結合受容体化合物の例中には、1−ヒドロキシルシクロヘキシルフエニルケトン、2−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、3−ヒドロキシルメチルピリジン、ジアセトンアルコール、ジアセチン、2−ヒドロキシメチル−12−クラウン−4,4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリンが包含される。
【0051】
上記タイプの水素結合受容体基の組み合わせは、本発明のカルバメート官能または尿素官能化合物において使用できる。このようなことは、例えば、4−(2−ヒドロキシエチル)−モルホリンが上記のようなカルバメート官能または尿素官能化合物中に導入される場合に起きる。水素結合受容体基の組み合わせの他の1例は、2つの(A’)(1)/(A’)(2)エステル含有カルバメート化合物が(A)(3)としてのCOと互いに結合してカーボネート結合を形成し、かくしてエステル基およびカーボネート水素結合受容体基の両方を有する化合物が形成される場合に起きる。
【0052】
本発明の組成物は、カルバメート官能または尿素官能化合物(A)を、成分(A)上のカルバメート官能または尿素官能基と反応する1群の官能基を有する化合物である成分(B)成分と反応させることにより硬化し得る。かかる反応性基の例中には、アミノプラスト架橋剤上またはフエノール/ホルムアルデヒド付加物、シロキサンもしくはシラン基、および酸無水物基等の他の化合物上の活性メチロール基またはメチルアルコキシ基が包含される。化合物(B)の例中には、メラミンホルムアルデヒド樹脂(単量体状もしくは重合体状メラミン樹脂および部分もしくは完全アルキル化メラミン樹脂を包含する)、尿素樹脂(例えば、尿素ホルムアルデヒド樹脂等のメチロール尿素、ブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂等のアルコキシ尿素)、N−メチロールアクリルアミドエマルジョン、イソブトキシメチルアクリルアミドエマルジョン、ポリ酸無水物(例えば、ポリこはく酸無水物)、およびシロキサンもしくはシラン(例えば、ジメチルジメトキシシラン)が包含される。メラミンホルムアルデヒド樹脂または尿素ホムアルデヒド樹脂等のアミノプラスト樹脂が特に好ましい。アミノ窒素の1つまたは2つ以上がカルバメート基で置換されたアミノプラスト樹脂もまた、米国特許第5,300,328号公報に記載のように、硬化温度が150℃以下の方法に好ましく使用される。
【0053】
本発明の実施に際して用いる塗料組成物中には任意に溶剤を利用できる。本発明の塗料組成物は、特に成分(A)の連鎖延長の程度を制約したい場合には、溶剤なしでも塗装できる。しかし多くの場合、塗料組成物中に溶剤を使用することが望ましい。この溶剤は、カルバメート官能または尿素官能化合物(A)および成分(B)の両方に関して溶剤として作用すべきである。一般に、溶剤としては成分(A)および(B)の溶解特性に応じて有機溶剤および/または水のいずれも使用できる。好ましい1実施態様における上記溶剤は極性有機溶剤である。一層好ましくは極性脂肪族溶剤または極性芳香族溶剤である。さらに一層好ましい溶剤として、ケトン、エステル、アセテート、非プロトン性アミド、非プロトン性スルホキシド、または非プロトン性アミンが挙げられる。有用な溶剤の例中には、メチルエルケトン、メチルイソブチルケトン、アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン、または芳香族炭化水素混合物が包含される。他の1実施態様における上記溶剤は、水または水と補助溶剤との混合物である。
【0054】
本発明の実施に用いる塗料組成物中には、硬化反応を増強させるための触媒を含有してもよい。例えばアミノプラスト化合物特に単量体状メラミンを成分(B)として使用する場合は、強酸触媒を用いて硬化反応を強化させる。かかる触媒は公知であり、例えば、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フエニル酸ホスフエート、モノブチルマレエート、ブチルホスフエート、およびヒドロキシホスフエートエステルが挙げられる。本発明の組成物に使用して有用な他の触媒中には、ルイス酸、亜鉛塩、および錫塩が包含される。
【0055】
本発明の塗料組成物に使用する溶剤は約0.01ないし約99重量%の範囲で使用できるが、好ましい使用量は30重量%以下、一層好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。この塗料組成物のVOC(ASTMD3960に準拠するVOCとして)は3.0lbs/ガロン以下が好ましく、一層好ましくは2.0lbs/ガロン、最も好ましくは1.0lbs/ガロンである。
【0056】
この塗料組成物は多数公知のいずれの手法を用いても物品上に塗装できる。これらの例中には、スプレー塗装、浸漬塗装、ロール塗り、流し塗り等が包含される。自動車ボデイパネルに対してはスプレー塗装が好ましい。本発明の塗料組成物を使用して得られる1利点としては高度の柔軟性を有する塗膜が調製できる点にある。したがって好ましい1実施態様における塗装基質は、プラスチック、皮革、または織布基質等の柔軟性基質である。
【0057】
上記塗料組成物中には、追加の添加剤、例えば界面活性剤、フイラー、安定剤、湿潤剤、分散剤、接着促進剤、UV吸収剤、HALS等のいずれも添加できる。これらの添加剤は公知であり、使用量は塗料特性に逆効果を与えないように制御しなければならない。
【0058】
好ましい1実施態様では、本発明の組成物を高光沢(ハイグロス)塗料中に、および/または複合カラー・プラス・クリヤ塗料のクリヤコート(透明塗料)として使用する。ここに記載のハイグロス塗膜とは、20度グロス(ASTM D523−89準拠)またはDOI(ASTM E430−91準拠)が少なくとも80を示す塗膜である。他の好ましい1実施態様では、上記塗料組成物をハイグロスまたはロウグロスプライマーまたはエナメル塗料の調製用に利用する。
【0059】
本発明の塗料組成物を顔料入りハイグロスペイント塗料として使用する場合の顔料としては、有機もしくは無機化合物または着色材料、フイラー、金属もしくは他の無機フレーク材料、例えばマイカもしくはアルミニウムフレーク、および業界でピグメントと呼称する他の材料が使用される。顔料の使用量は通常成分(A)および(B)の全重量%(溶剤は除く)基準で2ないし350%(すなわち、P:B比が0.02ないし3.5)である。
【0060】
本発明の塗料組成物を複合カラ−・プラス・クリヤ塗膜のクリヤコートに使用する場合、顔料入りベースコート(下塗り)組成物は公知のいずれのタイプでもよく、ここでは詳細は記載しない。ベースコート組成物に有用な公知ポリマーとしては、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキッド、およびシロキサンが挙げられる。好ましいポリマーの例中には、アクリル樹脂およびポリウレタンが包含される。本発明の好ましい1実施態様において、上記ベースコート組成物もカルバメート官能アクリルポリマーを利用する。ベースコートポリマーは架橋可能であることが好ましく、したがって1種もしくは2種以上のタイプの架橋性基を含んでいる。かかる基の例としては、ヒドロキシ,イソシアネート、アミン、エポキシ、アクリレート、ビニル、シラン、およびアセトアセテート基が挙げられる。これらの基はマスクもしくはブロックすることができ、一般に高温からなる所望硬化条件下ではブロックが解除されて、これらの基が架橋反応用に提供される。
【0061】
有用な架橋性官能基の例としては、ヒドロキシ、エポキシ、酸、酸無水物、シラン、およびアセトアセテート基が挙げられる。好ましい架橋性基の例中には、ヒドロキシ官能基およびアミノ官能基が包含される。
【0062】
ベースコートポリマーは自己架橋性でもよく、またはポリマーの官能基と反応する別途の架橋剤を必要としても差し支えない。このポリマーがヒドロキシ官能基を含む場合の架橋剤としては、例えばアミノプラスト樹脂、イソシアネートおよびブロックドイソシアネート(イソシアヌレートも包含)、ならびに酸または酸無水物官能架橋剤があげられる。
【0063】
ここに記載の塗料組成物は、塗膜を硬化させるような条件下に処するのが好ましい。各種の硬化法が使用できるが、熱硬化が好ましい。一般的に熱硬化は放射加熱源に主として由来する高温に物品を曝すと有効である。硬化温度は架橋剤中に用いた特定ブロッキング剤の種類により変動するが、一般には93℃ないし337℃の間である。本発明の塗料組成物は比較的低い硬化温度でも硬化する。したがって、好ましい1実施態様では、ブロックド酸触媒系の場合、硬化温度は150℃、好ましくは115℃と138℃との間である。非ブロックド酸触媒系の場合、好ましい硬化温度は82℃と99℃との間である。硬化時間は、使用する特定成分、および塗膜の厚さ等の物理的パラメーターにより変わるが、典型的ブロックド酸触媒系の場合で、15分ないし60分、好ましくは15分ないし25分、非ブロックド酸触媒系の場合で10分ないし20分である。
【0064】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
調製例1
清浄な三ッ口丸底フラスコ(12L)に撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを装備し、この装置中に、ε−カプロラクトン6033g、ヒドロキシプロピルカルバメート2516g、トルエン450g、およびオクタン酸第一錫15gを仕込んだ。この混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、130℃に加熱した。この温度に6時間維持して反応を完結させ、次いで冷却した。
調製例2
清浄な三ッ口丸底フラスコ(5L)に撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを装備し、この装置中に、調製例1で得られた樹脂2092gおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート412gを窒素雰囲気下で仕込んだ。この混合物を徐徐に60℃に加熱した。この時点でこの混合物は発熱した。混合物の最高発熱温度が99℃に達するように冷却した。次いで浴温86℃を4.25時間維持した。この混合物を冷却し、n−ブチルアセテート286.7g用いて希釈した。
例1
調製例2で得られた成分166g、完全メチル化単量体状メラミン33.7g、ブロックドドデシルベンゼンスルホン酸(25%活性)溶液5.22g、「Tinuvin 1130」(商品名)5.22g、ポリアクリレート添加剤溶液0.87g、表面変性添加剤溶液1.45g、n−ブチルアセテート4.25g、エチレングリコールブチルエーテルアセテート42.5gを混合してクリヤコートを調製した。この混合物を公知空気噴霧サイホンガンを用いて各種基質上にスプレー塗装した。硬質および柔軟両種の基質を塗装した。パネルの1部は公知ハイソリッドベースコート上にウエット・オン・ウエットで塗装した。これらの系の場合、上記ベースコート塗装後、93.5℃で10分間フラッシした。冷却後、上記塗料混合物をベースコートに直接施した。さらに室温で15分間フラッシュして、パネルを121℃で30分間焼成した。上記クリヤコート混合物のV.O.C.は3.07lb/ガロンであった。
比較例
ヒドロキシプロピルカルバメート139.9部、ヘキサメチンジイソシアネート98.8部、トルエン10.5部、およびオクタン酸第一錫10.5部の混合物を発熱反応が開始するように不活性雰囲気中で加熱した。反応温度が100℃に達するようにした。反応が進行するにつれて、溶液から反応生成物が沈殿した。反応完結後(IRで測定し決定)、ブチルアセテート28.5部を加え、系を120℃に加熱して反応混合物を溶解させた。冷却すると、硬いワックス状の固形物が得られた。
【0065】
上記生成物を次のように液状塗料組成物中に導入しようと試みたが失敗した。「Resimene 747」(商品名)(モンサント社から市販のメトキシル化メラミン)25.8部に、100℃以下で溶融させた上記生成物80.0部を添加した。ドデシルベンゼンスルホン触媒の添加に先立って上記系を冷却した。しかし、冷却期間中、この混合物は硬いワックス状の固形物に固化した。
調製例3
清浄な三ッ口丸底フラスコ(5L)に撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを装備し、この装置中に、ε−カプロラクトン1735.0g、ヒドロキシプロピルカルバメート761.9g、キシレン234g、およびオクタン酸第一錫4.4gを仕込んだ。この混合物を窒素雰囲気下で撹拌し、130℃に加熱した。この温度に6時間維持して反応を完結させ、次いで冷却した。
例2−塗料組成物
調製例3の混合物1000g、完全メトキシル化単量体状メラミン337.4g、およびドデシルベンゼンスルホン酸6.1gを混合してクリヤコート組成物を調製した。
【0066】
この組成物を公知空気噴霧サイホンガンを用いて各種の基質上にスプレー塗装した。硬質および柔軟性の両基質を塗装した。パネルの1部は、公知ハイソリッドベースコート上にウエット・オン・ウエットで塗装した。これらの系の場合、上記ベースコート(工業標準ハイソリッドOHアクリル/メラミン系)を塗装し、次いで室温で10分間フラッシュし、この時点で上記塗料組成物を塗装した。さらに5分間、室温でフラッシュ後、パネルを121℃で30分間焼成した。
【0067】
この例の塗料組成物からは、硬く透明で連続した硬化フイルムが得られた。上記クリヤコート混合物のVOCは1.2lbs/ガロンであった。
調製例4
清浄な三ッ口丸底フラスコ(1L)に撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを装備し、このフラスコ中にヒドロキシプロピルカルバメート59.5部、ε−カプロラクトン171.2部、キシレン98.8部、およびオクタン酸第一錫0.4部を窒素雰囲気下で仕込んだ。この混合物を130℃に10時間、加熱し、この時点で0.2部のオクタン酸第一錫を追加した。この混合物を145℃に1時間加熱し、冷却した。
調製例5
三ッ口丸底フラスコ(1L)のセンターネックに撹拌機、凝縮器、熱電対を、他の1ネックに窒素ラインを、第3ネックにドライアイス/イソプロパノール混合物で揮発物を凝縮・捕集するためのトラップを具備させた。このフラスコ中に調製例4で得た生成物125.0部、ジエチルカーボネート11.2部、およびジブチル錫ジメトキシド4.0部を窒素雰囲気下で仕込んだ。温度約100℃を維持するように3時間加熱し、この間、揮発物をトラップ中に捕集した。トラップ中に蒸留した回収エタノールおよびジエチルカーボネートをガスクロマトグラフでモニターした。フラスコ中には定期的にジエチルカーボネートを添加しトラップへのロスを補給した。この混合物を、さらに10.5時間90℃ないし132℃で加熱し、引き続いて回収エタノールをモニターし、必要に応じてジエチルカーボネートを補給した。生成樹脂を、アミルアセテート29.8部で希釈した。
例3
調製例5の生成物10部、「Resimene 747」(商品名)5.2部、「Solvesso Aromatic 100」(商品名)溶剤混合物1.8部、およびドデシルベンゼンスルホン酸0.48部を併合することによりクリヤコートを調製した。均一になったら、この混合物をガラス板上に引き伸ばし、121℃で30分間硬化させた。堅く、柔軟で、耐溶剤性の塗膜が得られた。
調製例6
撹拌機、凝縮器、熱電対、および窒素ラインを具備した三ッ口丸底フラスコ(3L)中にヒドロキシプロピルカルバメート841.5g、ε−カプロラクトン806.9g、およびオクタン酸第一錫2.8gを窒素雰囲気下で仕込んだ。この混合物を130℃に5.5時間加熱し、次いで室温に冷却した。
調製例7
調製例6の生成物200部に対して、尿素102.7部、およびトリエチレンジアミン1.6部を添加した。上記系を130℃に加熱して1時間維持した。次いでこの系を140℃に5.5時間加熱した。これにより尿素の熱分解からシアン酸が形成され、これが調製例1化合物上のヒドロキシル基と反応してカルバメート基を形成した。固形生成物をエチルアセテートで洗浄し、メチレンクロリド中に溶解し、さらに濾過した。次いでメチレンクロリドを蒸発・除去すると最終生成物が得られた。
例4
次の成分を混合し、ガラス基質上に引き伸ばして8mm厚の層を形成させた:
調製例7の生成物6.2g
「Resimene 747」(商品名)メラミン樹脂1.7g
ドデシルベンゼンスルホン酸0.04g
アミルアセテート10g
被覆済みガラス基質を121℃で30分間焼き付けたところ、透明で非粘着性のフイルムが得られ、このフイルムは200回のメチルエチルケトンダブルラブ(摩擦)に対してでも僅かな表面引掻き傷のみで合格した。
【0068】
以上、本発明を好ましい実施態様に従って説明したが、本発明の精神および範囲以内で種々の修正、修飾がなし得ることは自明であろう。

Claims (15)

  1. (1) 少なくとも1つの第一カルバメート官能または尿素官能基、
    (2) カルバメート基、尿素基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基、シロキサン基、シラン基、メルカプト基、置換アミド基、非置換アミド基、酸無水物基、活性メチレン基、およびこれらの混合物からなる群から選ばれる、少なくとも1つの他の官能基、および
    (3) 水素結合供与体基ではない少なくとも1つの水素結合受容体基
    を含む多官能化合物(A)[ただしこの多官能化合物は、アクリル酸エステル側鎖を介してアルリル骨格に付加しているカルバメート官能もしくは尿素官能基を有するアクリルポリマーもしくはオリゴマー、ポリオールとポリ酸成分とのポリ縮合生成物であるポリエステルポリマーもしくはオリゴマー、またはポリイソシアネート成分とポリエステルポリオール成分との反応生成物であるポリウレタン、以外の化合物である]、ならびに
    複数の、化合物(A)上の官能基と反応する基を有する硬化剤(B)
    からなる硬化性塗料組成物。
  2. 基(A)(2)がカルバメート基である、請求項1の塗料組成物。
  3. 基(A)(1)が第一尿素基である、請求項1の塗料組成物。
  4. 基(A)(2)が尿素基である、請求項1または3の塗料組成物。
  5. 基(A)(2)が第一尿素基である、請求項4の塗料組成物。
  6. 上記基(A)(3)がエステル基、エーテル基、ケトン基、カーボネート基、第三アミン基、第三アミド基、スルホン基、および硫化物基からなる群から選択される、請求項1ないし5のいずれかの塗料組成物。
  7. 上記基(A)(3)がエステルもしくはポリエステル基、カーボネートもしくはポリカーボネート基、エーテルもしくはポリエーテル基、またはケトン基である、請求項1の塗料組成物。
  8. 上記基(A)(3)が次式:
    Figure 0004094078
    [式中、nは1ないし9、Lは置換もしくは非置換アルキレン基を示す]
    にて表される基である、請求項1の塗料組成物。
  9. Lが直鎖炭素原子1ないし3、または直鎖炭素原子4ないし6、または直鎖炭素原子7ないし12のスペーサブリッジを提供する、請求項8の塗料組成物。
  10. VOCが240kg/m未満である、請求項1ないし9のいずれかの塗料組成物。
  11. 液体であり、かつ非反応性溶剤20重量%未満を含む、請求項1ないし10のいずれかの塗料組成物。
  12. 透明塗料組成物である、請求項1ないし11のいずれかの塗料組成物。
  13. 顔料をさらに含有する、請求項1ないし12のいずれかの塗料組成物。
  14. 化合物(B)がアミノプラストである、請求項1ないし13のいずれかの塗料組成物。
  15. アミノプラストがメラミン樹脂である、請求項14の塗料組成物。
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