JP4093456B2 - 熱転写記録媒体、その製造方法、熱転写記録方法及び記録体 - Google Patents

熱転写記録媒体、その製造方法、熱転写記録方法及び記録体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱転写記録媒体及びその製造方法、並びにこの熱転写記録媒体を用いる記録方法、その記録方法によって得られる記録体に関し、詳しくは、転写性が良好で、特に転写画像が耐溶剤性および耐擦過性に優れる熱転写記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱溶融型転写記録方法は、レーザーやサーマルヘッド等の電気信号により制御された熱エネルギーを用いて、熱転写インクシート(熱転写記録媒体)を加熱し、その溶融したインクを熱転写記録用受容体上へ転写させ、画像を記録するものである。
【0003】
このような熱転写記録媒体のインク層を形成するインクは、従来、着色剤及びワックスを主成分としたワックスタイプのものが主流で、比較的熱感度が高い反面、熱転写画像を指で擦った時画像が削られたりして画像信頼性が低い等の欠点がある。一方、画像の耐摩耗性が高いインクとして、着色剤及びポリエステル、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を主成分としたレジンタイプのものも提案されているが、このものはインクの転写性が低く、そのため良好な画像解像性が得られない等の欠点がある。
【0004】
一方、熱転写記録媒体は、その製造過程でトルエン、アセトン、エタノールのような有機溶剤が使用されることがあり、また、熱転写記録媒体を用いて受容体に画像が形成された記録体は、その裏面にトルエン、アセトン、エタノールのような有機溶剤を含む接着層を設けて表示体として利用するような場合には、転写画像は耐有機溶剤性に優れ、すなわち転写画像がこのような有機溶剤によって消去しないことが要求され、同時に、耐擦過性にも優れることが要求される。
【0005】
もっとも、トルエン、アセトン、エタノール等の有機溶剤に対する耐性を得るために、特許第3168371号には、インク層の樹脂成分として特定のポリエチレン樹脂を用いる熱転写シートが提案されている。また、特許第2533456号には特定のポリオレフィン樹脂をインクと該インクを転写させる受容層双方に含有させることが提案されている。しかし、これらの熱転写記録インクシートにはワックスを含有する剥離層が設けられていないため、熱感度や画像精細性が低いという問題があった。またその転写画像はワックスにより保護されないため、擦過性に劣るという欠点があった。
【0006】
また、インク層に用いられるこれらのポリオレフィン樹脂は一般に溶剤に難溶解性であるため、他のインキ層組成物とともにトルエン等の有機溶剤に溶解して液状とすることができない。従って、インク層はポリオレフィン樹脂と他のインキ層組成物を加熱溶融して液状とし、そのインキ液を塗布するいわゆるホットメルト法によって形成される。ところが、支持体上にワックスを含む剥離層を形成し、この剥離層上に前記のインク層をホットメルト法で形成すると、インク液の熱により剥離層中のワックスが融解し、剥離層はインキ層と混合された状態で形成される。その結果、インク層の転写性は向上や、インク層を保護する効果が低下してしまうという問題が生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、受容体(紙などの被転写体)へのインクの転写性が良好であり、また形成された画像は解像度および画像の耐擦過性、耐有機溶剤性にすぐれる熱転写記録媒体、並びに、この熱転写記録媒体の製造方法、画像形成された記録体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体において、該インク層が、テトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録媒体が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、少なくとも着色剤及びテトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂が水及び/又は溶剤に分散されたインク液を塗布乾燥してインク層を形成することを特徴とする上記熱転写記録媒体の製造方法が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、上記熱転写記録媒体を用いて受容体に印字する記録方法において、受容体がポリプロピレン樹脂を含有することを特徴とする記録方法が提供される。
【0011】
さらに、本発明によれば、上記記録方法によって受容体に画像が形成されてなることを特徴とする記録体が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明さらに詳細に説明する。
上述のように本発明の熱転写記録媒体は、支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体において、該インク層が、テトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、転写された画像が、トルエン、アセトン、エタノールなどの溶剤に対して優れた耐性を有し、かつ擦過性に優れる熱転写記録媒体が得られる。
【0013】
本発明ではインク層のバインダー樹脂としてプロピレン−αブチレン共重合体樹脂を用いる。プロピレン−αブチレン共重合体は耐溶剤性に優れる樹脂である。また、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂と比較して、弾力性に富むので受容体への定着性に優れる。
本発明で用いるプロピレン−αブチレン共重合体樹脂はテトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]のものである。一般的に極限粘度は分子量と相関関係があり極限粘度が大きくなるにつれ分子量も大きくなる。極限粘度が0.9[dl/g]未満では耐溶剤性に劣り、極限粘度が2.8[dl/g]を超えると画像精細性に劣る。
さらに、このプロピレン−αブチレン共重合体樹脂はその軟化点が60〜85℃である。軟化点が60℃未満では転写した画像が耐熱性に劣り、軟化点が85℃を超えると印字するときの熱感度に劣る。
【0014】
本発明においてインク層はバインダー樹脂、着色剤、およびその他の添加剤から形成されるが、プロピレン−αブチレン共重合体樹脂はインク層の40重量%以上(最大100重量%)となるように添加させるのが好ましく、40重量%未満では耐溶剤性に劣る。
【0015】
本発明で用いられるプロピレン−αブチレン共重合体樹脂は耐溶剤性が高く、溶剤には溶解しにくいため、水やアルコール、MEK等の溶剤に分散されたものを用いるのが好ましい。具体的には三井化学製のケミパールなどが挙げられる。
【0016】
なお、本発明においては、インク層のバインダー樹脂の一部として本発明の目的が損なわれない範囲で、従来より熱溶性インク層をしようされてきた熱可塑性樹脂を加えることができる。そのような熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、ポリカーボネート等があげられる。
【0017】
本発明で用いられる着色剤としては、要求される色調などに応じて、カーボンブラック、有機顔料、無機顔料または各種染料から適当なものを選択して用いることができる。
【0018】
本発明のインク層には、熱転写性や解像度の向上を目的として、画像の耐溶剤性を低下させない範囲で各種の添加剤が添加されるが、この添加剤としては例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂やホルムアルデヒド樹脂等の樹脂類、炭化ケイ素やシリカ等の無機顔料、また各種のエチレングリコールやカルボン酸ナトリウム等の界面活性剤があげられる。
【0019】
本発明では、インク層表面の20℃における水の接触角を85〜115°とするのが好ましい。85°未満ではアルコールやアセトンなどの親水性の溶剤に対しての耐性が低下する。また、115°を超えるとトルエンなどの疎水性の溶剤に対する耐性が低下する。インク層表面の20℃における水の接触角を85〜115°の範囲にするには、例えばインク層を塗布するときに用いる溶媒の種類や、インク層に添加する界面活性剤によって調整することができる。
【0020】
本発明では支持体とインク層の間にワックスを含有する剥離層を設ける。
ワックスを含有する剥離層を設けることで、インク層が転写しやすくなり、高感度でシャープな画像を得ることができる。また、ワックスを含む剥離層は転写したインクを擦りなどから保護する働きがある。
【0021】
本発明で剥離層に含有されるワックスとしては、例えば、蜜ろう、鯨ろう、木ろう、米ぬかろう、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、モンタンワックス等の天然ワックス;ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス、オゾケライト、セレシン、エステルワックス等の合成ワックス;マルガリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フロイン酸、べへニン酸等の高級飽和脂肪酸;ステアリルアルコール、べへニルアルコール等の高級飽和一価アルコール;ソルビタンの脂肪酸エステル等の高級エステル;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等が挙げられる。なかでもカルナバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスの少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0022】
本発明の剥離層のバインダー樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、イソプレンゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が用いられる。なかでもエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体の少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0023】
本発明では剥離層とインク層の厚みの合計が1〜5μmとするのが好ましい。1μm未満では、画像濃度や画像耐性が不足する。また5μmを超えると熱感度や画像精細性が悪化する。また、各層の層厚としては、インク層は0.5〜4.5μm、好ましくは0.8〜3μmであり、剥離層は0.2〜3.0μm、好ましくは1.0〜2.0μmとすれば良い。
【0024】
支持体は公知のフィルムや紙をそのまま使用すればよく、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ナイロン、ポリイミド等のように比較的耐熱性のよいプラスチックフィルム;セロハン;硫酸紙等が好ましく使用される。支持体の厚さは2〜15μm、好ましくは3〜10μmぐらいである。
【0025】
また本発明の熱転写記録媒体には必要に応じて支持体の裏面に保護層(耐熱層)を設けてもよい。保護層はサーマルヘッドによる熱印加時に支持体を高温から保護し、かつサーマルヘッドの搬送性を確保するための層であり、耐熱性の高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のほか、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂も使用可能である。なお、保護層形成に好適な樹脂はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等であり、これらの樹脂を薄膜状で使用すればよい。また、保護層の設けることによって支持体の耐熱性を著しく向上させることができるため、該層の設置によって従来は不適とされていた支持体を用いることもできる。保護層の付着量は0.1〜1.0g/mぐらいが適当である。
【0026】
以上に詳記したインク層、剥離層および保護層は、有機溶媒を用いた塗工法や層成分を水に溶解または分散して塗工する塗工方法等で支持体上に積層して設けることができる。特にインク層は少なくとも着色剤及びプロピレン−αブチレン共重合体樹脂が水及び/または溶剤に分散されたインク液を塗布乾燥して形成されるのが好ましい。このようにすれば、剥離層中のワックスを融解してインク層を混じりあうことなく、良好な熱転写記録媒体が得られる。
【0027】
本発明では、本発明の熱転写記録媒体を用いて記録を行う場合、受容体がポリプロピレン樹脂を含有しているものであればより好ましい。ポリプロピレン樹脂は適度な極性と熱変形性を有しているので、インクが熱転写されたときの定着性に優れる。
本発明の受容体においてはポリプロピレン樹脂はインクが定着する表面に露出していればよく、すなわち受容体がポリプロピレンフィルムそのものであったり、ポリプロピレンフィルムのインクが定着する反対側に紙、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム等の支持体を貼り合わせて用いることもできる。また、支持体上にポリプロピレン樹脂を含む受容層形成材料をコーティングして受容体を作製することもできる。
この場合受容層形成材料に顔料や滑剤等の添加物を加えることもできる。
【0028】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、ここでの部、%はともに重量基準である。
【0029】
〔実施例1〕
支持体としては4.5μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、インク層(熱転写記録層)を塗工する側の反対側にシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製SD7226)を乾燥後塗工量が0.2g/mとなるように塗布乾燥して耐熱層を有する支持体を作成した。
【0030】
剥離層処方:
カルナバワックスのトルエン分散液(固形分10%) 90部
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のトルエン溶液
(固形分10%) 10部
上記処方の剥離液を支持体の熱転写記録層側に厚みが約1.0μmとなるように塗布乾燥して剥離層を設けた。
インク層処方:
プロピレン−αブチレン共重合体樹脂(軟化点83℃、
極限粘度1.4[dl/g])の水分散体(固形分40%) 34部
カーボンブラックの水分散体(固形分38%) 17部
水 39部
メタノール 10部
上記組成のインク液を前記剥離層上に厚みが約1.0μmとなるように塗布乾燥し、インク層を設け、熱転写記録媒体を作成した。
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は110°であった。
【0031】
〔実施例2〕
実施例1において、剥離層処方とインク液処方として下記のものを用いた以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
剥離層処方:
カルナバワックスのトルエン分散液(固形分10%) 45部
ポリエチレンワックス(分子量1000、融点113℃)
のトルエン分散液(固形分10%) 45部
スチレン−ブタジエン共重合体樹脂のトルエン溶液
(固形分10%) 10部
インク層処方:
プロピレン−αブチレン共重合体樹脂(軟化点64℃、
極限粘度1.0[dl/g])の水分散体(固形分35%) 38部
カーボンブラックの水分散体(固形分38%) 17部
水 35部
メタノール 10部
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は111°であった。
【0032】
〔実施例3〕
実施例1において、剥離層処方とインク液処方として下記のものを用いた以外は実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
剥離層処方:
キャンデリラワックスの水分散液(固形分37%) 43部
ポリエステル樹脂(分子量8000、ガラス転移点温度4℃)
の水分散液(固形分34%) 12部
水 35部
メタノール 10部
インク層処方:
プロピレン−αブチレン共重合体樹脂(軟化点85℃、
極限粘度2.7[dl/g])の水分散体(固形分41%) 33部
カーボンブラックの水分散体(固形分38%) 17部
水 40部
メタノール 10部
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は98°であった。
【0033】
〔比較例1〕
実施例1において、インク液処方として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
インク液処方:
ポリプロピレン(分子量7000、融点136℃) 70部
カーボンブラック 30部
上記組成物を加熱溶融し、その状態でボールミルにて約12時間分散しインク液を得た。この熱溶融状態のインク液を剥離層上に厚みが約1.0μmとなるように塗布し、インク層を設け、熱転写記録媒体を作成した。
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は119°であった。
【0034】
〔比較例2〕
実施例1において、剥離層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は110°であった。
【0035】
〔比較例3〕
実施例1において、インク液処方として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
インク液処方:
ポリプロピレン(分子量7000、融点136℃) 7部
カーボンブラック 3部
トルエン 90部
上記処方の混合物を加熱し溶解させた後、急冷して分散液を得た。この分散液をボールミルで12時間分散しインク液を作成した。
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は118°であった。
【0036】
〔比較例4〕
実施例1において、インク液として下記のものを用いた以外は、実施例1と同様にして熱転写記録媒体を作成した。
インク層処方:
ポリエステル樹脂(分子量2000、ガラス転移点温度40℃)
のMEK溶液(固形分20% 67部
カーボンブラックのMEK分散体(固形分20%) 33部
この熱転写記録媒体のインク層表面の20℃における水の接触角は83°であった。
【0037】
上記により得られた熱転写記録媒体及び受容体について、以下の方法による評価テストを行った。下記条件により印字し評価した。
【0038】
(印字条件)
プリンター:Zebra社製 140Xi
印字速度 :3インチ/秒
受容体 :白色ポリプロピレンフィルム
【0039】
評価した諸特性は以下の通りである。
(画像精細性)
目視にて画像精細性を以下の基準で評価した。
3 精細性が良い
2 やや精細性が良い
1 精細性が悪い
(耐溶剤性)
溶剤0.5ccを綿棒に含ませて転写画像に塗布後、このサンプルについて10g/cmの荷重下をかけて往復ラブテストを30回行い、転写画像を観察し以下の基準で評価した。溶剤はトルエン、アセトン及びエタノールを用いた。
5 ラブテストの結果、テスト前と変化なし。
4 ラブテストの結果、画像の判読は可能だがやや傷ができる。
3 ラブテストの結果、画像の判読は可能だが傷ができる。
2 ラブテストの結果、画像は残るが判読は不可能になる。
1 ラブテストの結果、画像が消去してしまう。
(耐擦過性)
転写画像を直径1mmのステンレス棒で50回こすり、転写画像を観察し以下の基準で評価した。
3 こすりテストの結果、テスト前と変化なし。
2 こすりテストの結果、画像に少し傷ができる。
1 こすりテストの結果、画像に傷ができる。
【0040】
以上の評価結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0004093456
【0041】
表1から実施例の熱転写記録媒体及び記録方法により、耐溶剤性と耐擦過性および精細性に優れる画像が得られることが分かる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体において、該インク層が、テトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録媒体は、その転写画像の精細性に優れ、トルエンやアセトン及びエタノールのような溶剤に対しての耐溶剤性および耐擦過性に優れている。

Claims (5)

  1. 支持体上にワックスを含有する剥離層、着色剤を含有するインク層を順次積層した熱転写記録媒体において、該インク層が、テトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂を含有することを特徴とする熱転写記録媒体。
  2. 剥離層のワックスがカルナバワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックスの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録媒体。
  3. 少なくとも着色剤及びテトラリン溶液の135℃における極限粘度が0.9〜2.8[dl/g]でかつ軟化点60〜85℃のプロピレン−αブチレン共重合体樹脂が水及び/または溶剤に分散されたインク液を塗布乾燥してインク層を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載の熱転写記録媒体を用いて受容体に印字する記録方法において、該受容体がポリプロピレン樹脂を含有することを特徴とする記録方法。
  5. 請求項の記録方法によって受容体に画像が形成されてなることを特徴とする記録体。
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