JP4093313B2 - 木材料の加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、木材料を加熱圧縮等して成形加工する木材料の加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材料の圧縮変形加工においては、変形後の固定化を図るために、加熱しながら木材料内に水分を保持した状態として水蒸気処理し、これにより変形後の形状もどりを少なくしている場合がある。
【0003】
このような水蒸気処理では、水蒸気を木材料へ与えたり、木材料内部の水分が蒸発しないようにして、木材料内の水分を保持した状態としている。例えば、従来の加工方法として、密閉自在な剛性容器内に木材料(木質材)を収容して加熱圧縮する方法等がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この従来の加工方法では、使用する密閉容器の構造が複雑になり、また、この密閉容器内では複雑な加工が制限される。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−47511号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮し、水蒸気処理の際に密閉容器が不要で、加工の自由度が大きい木材料の加工方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載する本発明の木材料の加工方法は、木材料をシール処理液に浸漬する工程と、浸漬後の前記木材料をシール処理液から取り出す工程と、前記木材料の表面に密着した前記シール処理液を乾燥状態にする工程と、前記木材料を加熱圧縮手段で加熱圧縮成形する工程と、を有することを特徴とする。
【0011】
請求項に記載する本発明の木材料の加工方法によれば、木材料はシール処理液に浸漬されて、木材料の全周にシール処理液が密着する。この状態で木材料をシール処理液から取り出して、密着したシール処理液を乾燥状態にする。この乾燥状態はシール処理液中の溶媒(例えば、水分等)が完全に蒸発する完全乾燥状態だけでなく、溶媒がある程度蒸発した半乾燥状態であっても良い。これにより木材料の表面に密着したシール処理液は、木材料の表面に開口している細胞の開口部内に若干入り込んだ状態で開口を塞ぐことになり、通気が遮断される。また、木繊維の表面でもシール処理液が乾燥状態とされ、結果として木材料の表面全体が覆われて密閉状態となる。
【0012】
その後、この木材料は加熱圧縮手段で加熱圧縮成形される。ここで、圧縮した後も加工中の木材料は、全面にされるシールによって密閉される。このとき、シール処理された木材料内の空気は、木材料と共に圧縮され、加熱によって熱膨張する。また、木材料内では、加熱によって発生した水蒸気が、木材料内に閉じ込められる。このため、シール処理された木材料内の圧力は上昇し、発生した水蒸気は、激しい分子運動を伴いながら木材料中に残存する。このように、木材料内部が水蒸気処理されることにより圧縮変形後にも形状のもどりが少なく、その後も圧縮された形状を維持する。
【0013】
【発明の実施の形態】
−浸漬工程−
浸漬工程は、木材料をシール処理液中に浸漬する工程である。
【0014】
この浸漬塗布方法に供されるシール処理液としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等が用いられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等が用いられ、その中でも、フェノール樹脂が木材表面のシール性等の理由より特に望ましい。また、熱可塑性樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、セルロース系樹脂、ポリエチレン等が用いられる。なお、接着剤や塗料として用いられるものをシール処理液としても良い。接着剤としては、例えば、シリコン系、ウレタン系接着剤等を挙げることができる。
【0015】
フェノール樹脂を用いた場合、シール処理液の濃度は、5〜50重量%となるようにするのが良く、好ましくは、10〜30重量%となるようにするのが良く、より好ましくは、10〜20重量%となるようにするのが良い。5重量%未満であると、木材表面のシールが不十分となり、50重量%を超えると、粘度が高くなるからである。また、シール処理液の粘度は、50〜1000mPa・sとなるようにするのが良く、好ましくは、50〜500mPa・sとなるようにするのが良く、より好ましくは、100〜300mPa・sとなるようにするのが良い。50mPa・s未満であると、乾燥が困難となり、1000mPa・sを超えると、余剰分の除去が困難となるからである。さらに、シール処理液の溶媒には、例えば、水、有機溶媒等が用いられ、その中でも、水は取り扱いが容易であって安全衛生の理由より特に望ましい。
【0016】
シール処理液への浸漬時間は、10分〜24時間となるようにするのが良く、好ましくは、10分〜18時間となるようにするのが良く、より好ましくは、10分〜12時間となるようにするのが良い。10分未満であると、塗布不十分となり、24時間を超えると、乾燥困難となるからである。
【0017】
ここで、シール処理液の粘度、浸漬時間の組み合わせとしては、粘度が100〜300mPa・sで、浸漬時間が10分〜12時間とするのが好ましい。但し、これはあくまでも好ましい組み合わせ例であり、本発明はこれに限定されるものではなく、状況に応じて、適宜設定することが可能である。
−取出工程−
取出工程は、浸漬後の木材料をシール処理液から取り出す工程である。
−乾燥工程−
乾燥工程は、木材料の表面に密着したシール処理液を乾燥状態にする工程である。シール処理液の乾燥は、シール処理液の余剰の溶媒(例えば、水分)を取り除くために行い、自然乾燥及び強制乾燥の両方を含む。
【0018】
乾燥させる際の温度は、40〜90℃となるようにするのが良く、好ましくは、50〜80℃となるようにするのが良く、より好ましくは、60〜80℃となるようにするのが良い。40℃未満であると、乾燥が不十分となったり長時間乾燥が必要となったりし、90℃を超えると、材質の劣化を招いたり過乾燥状態となったりするからである。
【0019】
木材料の乾燥の程度は、含水率が5〜40%となるようにするのが良く、好ましくは、含水率が5〜30%となるようにするのが良く、より好ましくは、含水率が5〜20%となるようにするのが良い。5%未満であると、木材料内部における水蒸気が不十分となって木材料の変形固定ができないからであり、40%を超えると、圧縮加工時に木材料が破壊される可能性が高くなるからである。
−加熱圧縮工程−
加熱圧縮工程は、木材料を加熱圧縮手段で加熱圧縮成形する工程である。
【0020】
加熱圧縮する際の加熱温度は、160〜240℃となるようにするのが良く、好ましくは、180〜220℃となるようにするのが良く、より好ましくは、200〜220℃となるようにするのが良い。160℃未満であると、木材料内部の水蒸気処理が不十分となり、240℃を超えると、木材料の変色が著しくなり、熱分解が生じるからである。また、加熱時間は、5〜30分となるようにするのが良く、好ましくは、10〜25分となるようにするのが良く、より好ましくは、10〜20分となるようにするのが良い。5分未満であると、木材料内部の水蒸気処理が不十分となり、30分を超えると、木材料の変色が著しくなり、熱劣化が生じるからである。
【0021】
加熱圧縮する際の圧力は、特に制限はなく、木材料を必要形状に変形するのに十分なプレスを用いる。
【0022】
次に、本発明による木材料の加工方法が適用された加工手順の第1の実施形態を図面に基づき説明する。
【0023】
図1(A)には、この実施形態に用いる木材料10の斜視図が示されている。この木材料10は、予め直方体形状に切断されている。この木材料10は、繊維方向Cとほぼ直角に切断された木口面10Aと、繊維方向Cにほぼ沿って切断された木端面(柾目面)10B、表裏面(板目面)10C、とを有する六面体に切断されている。この木材料10は、広葉樹であるため、木繊維や道管(詳細後述)を有するが、針葉樹の場合には、仮道管を有することとなる。なお、木口面10Aは、幹を切った切り口面であり、この木口面10Aは、水分の導通しやすい繊維方向Cに交差して切断されている。
【0024】
図1(B)には、木材料10の全周にシール剤12が塗布された状態が示されている。この木材料10はその後、加熱圧縮成形機14(図3参照)で成形される。
【0025】
図2(A)には、木材料10の全周にシール剤12を塗布するためのシール剤容器16が示されている。このシール剤容器16内には液状のシール剤12として、フェノール樹脂(水を加えてフェノール樹脂を20%に希釈)が収容されている。シール剤12としては、木材料10の周囲に密着して木材料10の木材細胞の開口部を塞ぐことが出来る材料であれば各種のシール剤12が適用でき、フェノール樹脂の他には、一例として、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂が適用できる。これらの熱硬化性樹脂は、火気の点、取り扱いの点等から水溶性タイプ、エマルジョンタイプが好ましい。
【0026】
木材料10は、このシール剤容器16内のシール剤12へ所定時間浸漬される。この浸漬時間は、粘性のあるシール剤12であっても木材料10の全周にシール剤12が密着するまでの時間とする。一例として、20%希釈フェノール樹脂の場合には10分〜12時間が好ましい。シール剤容器16は、図2(A)に示されるように、頂部が開放された箱状とされているが、シール剤12の蒸発を防ぐ等の目的で蓋を設けても良い。
【0027】
その後、図2(B)に示されるように、木材料10をシール剤容器16内から取り出して乾燥させる。この乾燥は、自然乾燥又は強制乾燥(加熱、送風など)により、次の加熱圧縮成形に支障がない程度の乾燥とする。すなわち、加熱圧縮成形機(図3参照)での圧縮時にシール剤12が加熱圧縮成形機14へ不必要に付着しない程度の粘性であり、なおかつ、木材料10の木細胞の開口部端面を適切に塞いで水分蒸発を防ぐ程度の粘性である必要がある。
【0028】
図4には、図2(B)にてシール剤12より取り出した木材料10の表面付近の拡大断面図が示されている。木材料10には、円筒状の木繊維18が略一定方向へ延びている。この木繊維18の繊維方向に沿って道管20が貫通する。道管20は、木繊維18よりも大径の円筒状とされ、その端面20Aが木口面10Aに露出している。一般的に、木繊維18には、細胞壁19に結合した結合水としての水分が存在し、また、道管20内には、幹内を通過して枝葉へ搬送する水分が残留しており、木材料10の乾燥に従ってこれらの水分が木材料10表面の細胞の開口部18A、20Bから蒸発する。
【0029】
この実施形態における木材料10では、外周にシール剤12が塗布されているので、シール剤12の一部が木材料10表面の細胞の開口部18A、20Bへ若干量入り込んでいる。ここで、木材料10が十分な時間にわたって自然乾燥されたり、加熱や送風により強制乾燥されるとシール剤12が乾燥状態になり、木材料10表面の細胞の開口部18A、20B内へ入り込んだシール剤12が固化する。このため、このシール剤12は、木材料10内の水分を木材料10内へ閉じ込めて、木材料10表面の細胞の開口部18A、20Bからの流出や蒸発を防ぐ。
【0030】
図3には、シール剤12が固化した木材料10が加熱圧縮成形機14へ設置された状態が示されている。加熱圧縮成形機14では一対の上下熱板22、24が図示しない油圧駆動源等の駆動力で互いに接離される構成であり、これらの上下熱板22、24の間に木材料10が設置されている。さらに、上下熱板22、24には、図示しない電熱線などの熱源が配置されており、木材料10を必要温度まで加熱するようになっている。この実施形態では、加熱温度は200℃とし、加熱保持時間は約15分とする。加熱温度は木材料10の硬さ、加工寸法にもよるが、通常の木材料10の場合には180℃以上で、加熱時間は10分以上が好ましい。なお、加熱は上下熱板22、24によるものだけでなく、例えば、高周波加熱等の他の加熱手段も適用できる。
【0031】
図3(B)は、上下熱板22、24を接近させる方向(矢印P方向)に駆動力を加えて、木材料10の高さ寸法を減少させた状態を示しており、図3(C)は加工後に上下熱板22、24の間から加工後の木材料10を取り出した状態が示されている。
【0032】
ここで、上下熱板22、24による加圧状態では、同時に上下熱板22、24によって木材料10が加熱されているので、図4に示すように、木繊維18及び道管20内等に存在する水分が熱を吸収して高温になり、一部は蒸気となる。しかし、これらの水分は、木材料10の周囲がシール剤12で覆われているので、木材料10からの水分流出が防止される。この結果、木材料10は高温の水分が保持されたままとなり、全体的に高温状態が維持され、変形固定効果が付与される。
【0033】
木材料10が圧縮された状態では、道管20のほぼ軸直角方向(図4の上下の矢印P方向)に圧縮力を受けて、道管20が圧縮されて直径が小さくなる。このため、道管20内に入り込んでいるシール剤12も圧縮されて、より深く道管20内に入り込むとともに、道管20内周面との密着面積が広くなり、シール剤12の反発力により密着力も強くなる。
【0034】
シール剤12の固化状態としては、シール剤12内の液体成分が全て蒸発した完全固化状態まで乾燥した後に、加熱圧縮加工をする以外にも、木材料10表面の細胞内腔内に入り込んだシール剤12の一部が半乾燥状態で密着して細胞内腔内に残留する状態となる半乾燥状態とするものであれば良い。この半乾燥状態は含水率30%程度の乾燥状態であれば良い。
【0035】
図5(A)は、本発明の第2の実施形態を示し、上下熱板22、24(図3参照)の変形例を用いて木材料10を前記実施形態とは異なる形状に加熱圧縮成形するようになる。この実施形態の上下熱板28、30は、対向面に凹部28A、30Aを有しており、これらの凹部28A、30A内に変形された木材料10が収容されるようになっている。図5(B)は、上下熱板28、30を互いに接近させて木材料10を加熱圧縮した状態であり、木材料10は圧縮変形されて凹部28A、30A内に入り込んでいる。
【0036】
この実施形態においても木材料10は、前記実施形態と同様に予め表面にシール剤12が付与されており、加熱圧縮成形中の水分流出を防止している。このため、前記実施形態と同様に、加熱圧縮中に温度上昇した内部の水分の保有熱で木材料10を軟化させ、変形を容易にしている。図5(C)は、加熱圧縮成形機14から取り出した後の製品である木材料10を示し、断面が楕円形の棒状となっている。この木材料10にあっても内部に水分が保持されているので、前記実施形態と同様に加工後の形状もどりを防止できる。
【0037】
なお、塗膜は、図6で示す温度曲線のように、蒸発潜熱により温度上昇鈍化が生じない程度のシール(被膜)厚さであるのが好ましい。
【0038】
【実施例】
上記実施形態の作用を確認するために、以下に示す2つの実施例に係る試料(以下、これらを実施例1、実施例2という)と2つの比較例に係る試料(以下、単に比較例1、比較例2、という)との比較実験を行った。使用する木材料10は、杉辺材とし、寸法はいずれも20mm×50mm×300mmとした。木材料10の加工は、200℃に加熱した一対の平板状の加熱加圧板により加圧成形して、厚み寸法を20mmから10mmへ変形させた。このときの加熱保持時間は、試料の温度が約180°に到達してから約15分とした。
(実施例1)
実施例1に塗布されるシール剤12には、20%に希釈したフェノール樹脂(商品名:PX−341、アイカ工業(株)製)を用いた。このシール剤12内に木材料10を24時間浸漬して全面にシール剤12を塗布し、シール剤12から取り出した後に28時間自然乾燥させて実施例1を得た。
(実施例2)
実施例2に塗布されるシール剤12には、20%に希釈したフェノール樹脂(商品名:PX−341、アイカ工業(株)製)を用いた。このシール剤12内に木材料10を24時間浸漬して全面にシール剤12を塗布し、シール剤12から取り出した後に4時間自然乾燥させて実施例2を得た。
(比較例1)
比較例1に塗布されるシール剤12には、エポキシ接着剤(商品名:ボンドクイック30、コニシ(株)製)を用いた。木材料10の木口面10Aにブラシを用いてシール剤12を塗布した後に4時間自然乾燥させて比較例1を得た。
(比較例2)
比較例2には、シール剤12を塗布しない木材料10を用いた。
<評価>
(試料中心部の温度)
加工中の加熱時間と温度変化の状態が図6に示されている。シール剤12を塗布しない比較例2では、内部の水分流出により120℃付近から温度上昇の鈍化が見られた。シール剤12を塗布した実施例2及び比較例1では内部の水分が保持されているので、120℃付近で温度上昇が妨げられることがなく、短時間で変形固定可能となる温度まで昇温可能となる。木口面10Aだけにシール剤12が塗布された比較例1では、160℃付近から温度上昇の鈍化が見られ、全面にシール剤12が塗布された実施例2に比べて試料内部で十分な水蒸気処理がされる状態となるのに時間がかかる。
(試料中心部の煮沸回復)
実施例1、2及び比較例1、2の長手方向の中心部から幅2cm(10mm×50mm×20mm)の試料を切り出し、煮沸水中に1時間放置し、その後取り出して乾燥させることにより、形状もどりの程度を示す煮沸回復率を調べた。すなわち、ここで回復率とは、厚さ方向に与えた変形量に対する、回復した変形量の割合であり、回復率が低いほど形状もどりが小さいことを示す。実験したのは、各試料の幅方向中央及び木端付近である。
【0039】
各部における煮沸回復率が図7に示されている。図7に示すように、シール12を施した実施例1、2及び比較例1は、シール剤12を施さない比較例2と比較して煮沸回復率は低くなって、形状もどりが小さいことが分かる。特に、この傾向は、幅方向中央付近で顕著である。
【0040】
また、全面シールが施された実施例1、2と、木口シールが施された比較例1とを比較すると、全面シールを施した実施例1、2のほうが、煮沸回復率が低くなっており、特に木端付近の回復率の差が顕著であることが分かる。これは、全面シールの場合には、シール剤12により木端面10Bからの水分蒸発も阻止されたためと考えられる。
【0041】
さらに、全面シールを施した実施例1、2を比較すると、乾燥時間の長い実施例1のほうが実施例2に比べて煮沸回復率が低くなっている。
【0042】
なお、上記実施の形態では、図1(A)に示すように、木材料10は、繊維方向Cに対してほぼ直角及びほぼ平行に切断されているが、本発明の木材料は、これに限定されず、何れの方向に切断されていても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上説明した如く、請求項に記載する本発明の木材料の加工方法によれば、木材料をシール処理液に浸漬して取り出した後にシール処理液を乾燥状態としてから加熱圧縮成形するので、シール処理液塗布が容易で水蒸気処理の際に密閉容器が不要で加工の自由度が大きい加工方法が得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は、本発明の第1の実施形態に用いる木材料を示す斜視図である。
図1(B)は、シール剤が全面に塗布された木材料を示す斜視図である。
【図2】図2(A)は、シール剤に木材料が浸漬された状態を示すシール剤容器の透視斜視図である。
図2(B)は、シール剤容器から取り出して乾燥している状態の木材料を示す斜視図である。
【図3】図3(A)は、加熱圧縮成形機で木材料を挟持した状態を示す側面図である。
図3(B)は、図3(A)の加熱圧縮成形機で木材料を圧縮した状態を示す側面図である。
図3(C)は、加熱圧縮成形機から木材料を取り出した状態を示す側面図である。
【図4】木材料の表面付近を示す、図1(A)の4−4線拡大断面図である。
【図5】図5(A)は、本発明の第2の実施形態に係る加熱圧縮成形機で木材料を挟持した状態を示す側面図である。
図5(B)は、図5(A)の加熱圧縮成形機で木材料を圧縮した状態を示す側面図である。
図5(C)は、加熱圧縮成形機から木材料を取り出した状態を示す側面図である。
【図6】実施例に係る加熱時間と試料中心温度との関係を示す線図である。
【図7】実施例に係る各試料中心部の煮沸回復率を示すグラフである。
【符号の説明】
10 木材料
12 シール剤(シール処理液)
14 加熱圧縮成形機(加熱圧縮手段)
22 上熱板(加熱圧縮手段)
24 下熱板(加熱圧縮手段)
28 上熱板(加熱圧縮手段)
30 下熱板(加熱圧縮手段)

Claims (1)

  1. 木材料をシール処理液に浸漬する工程と、
    浸漬後の前記木材料をシール処理液から取り出す工程と、
    前記木材料の表面に密着した前記シール処理液を乾燥状態にする工程と、
    前記木材料を加熱圧縮手段で加熱圧縮成形する工程と、
    を有することを特徴とする木材料の加工方法。
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