JP4092630B2 - 廃棄物処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛などの有害重金属を含有する焼却灰および煤塵を、一般家庭または工場などから排出するプラスチック廃棄物を用いて、粒状または塊状の成形物に加工し、有害重金属が溶出しないように無害化するための廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業廃棄物および一般廃棄物を焼却すると発生する焼却灰および煤塵には、重金属などの有害物質が含まれていることが多く、環境保全上、任意に放置できない。このため、セメント固化処理法または薬剤処理法などの中間処理により重金属の安定化、固定化処理が行なわれ、その後に処分場に埋め立て処分される。一方、プラスチック廃棄物は、粉砕され、埋立処理されるか、または、焼却処理されることが多い。
【0003】
セメント固化処理法は、焼却灰または煤塵をセメントの中に配合して固化する処理方法であるが、得られた固化物は雨水などに長期にわたって晒された場合、ひび割れが発生し、内部に封入した有害重金属などが溶出する虞がある。一方、薬剤処理法は、有機キレート剤や無機系の粉体などの薬剤を使用して、重金属を安定化させる処理法があるが、有機キレート剤は、酸性雨、土壌菌、紫外線などにより劣化しやすく、長期安定性に欠ける。
【0004】
このような問題を解決するために、特開2002−66499号公報には、プラスチック廃棄物を用いて、焼却灰または煤塵を混練し、冷却固化し、成形する方法が提案されている(特許文献1参照。)。この方法によれば、焼却炉などから排出される焼却灰または煤塵などと、一般家庭などから排出されるプラスチック廃棄物の双方を、環境を汚染することなく、処理することができ、有害重金属の溶出も長期にわたり安定的に抑制することができる。煤塵などとプラスチック廃棄物との混練方法としては、一軸押出成形機または二軸押出成形機を利用する方法を紹介している。しかし、押出成形機による方法は、押出成形機への材料の供給をスムーズに行なうためにプラスチック廃棄物を強制的に押出成形機に供給したり、含まれる水分を除くなど、成形の前処理が必要であるため、処理工程が複雑になり、プラントの製造コストおよびランニングコストが高く、プラントの設置スペースも確保する必要がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−66499号公報(第1−6頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、有害重金属を含有する焼却灰または煤塵と、溶融したプラスチック廃棄物とを混練し、冷却固化し、粒状または塊状成形物中に有害重金属を封入し、無害化するためのコストの安い廃棄物処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の廃棄物処理方法は、有害重金属を粒状または塊状成形物中に封入し、有害重金属の溶出を抑制する廃棄物処理方法であって、
高速で回転する羽根を備えるミキサを用い、前記羽根の回転数を500rpm〜2000rpmとして、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物とを溶融、混練する第1の工程と、
高速で回転する羽根と冷却装置とを備えるミキサを用い、前記羽根の回転数を1000rpm〜1500rpmとして、前記混練物を冷却し、固化し、破砕して、粒状または塊状成形物を得る第2の工程と、
を有することを特徴とする。
【0008】
第1の工程は加熱装置を備えるミキサを用いて行なうことが好ましい。ミキサは、処理物を混合する下羽根と、処理物に剪断力を与える上羽根とを備え、その羽根は、回転軸より放射状に延伸する扁平な棒状体を有するものが好ましい。前記第1の工程において、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物との混合比を0.1:1〜1.5:1とすることが好ましい。
【0009】
また、前記第1の工程において、ケイ素、アルミニウム、カルシウムまたはそれらの混合元素からなり、有害重金属を安定化し、吸着する無機系の粉粒状物または液状物を配合することが好ましい。
【0010】
更に、前記第の工程において、前記粒状または塊状成形物の平均粒径は1cm以下5mm以上であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
(廃棄物処理方法)
本発明の廃棄物処理方法は、第1の工程と第2の工程とを有する。第1の工程は、溶融混練工程であり、高速で回転する羽根を備えるミキサにより、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物とを混練する。焼却灰などとプラスチック廃棄物を高速で撹拌することにより、摩擦熱が発生し、プラスチック廃棄物を溶融し、回転する羽根の剪断力により、焼却灰などとプラスチック廃棄物を混練する。第2の工程は、冷却成形工程であり、高速で回転する羽根を備えるミキサを用いて、混練物を冷却し、固化し、破砕して、粒状または塊状成形物を得る。
【0012】
本発明では、有害重金属を含有する焼却灰または煤塵と、溶融したプラスチック廃棄物とを混練し、冷却し、固化して、粒状または塊状物に成形するから、有害重金属を粒状または塊状成形物中に封入することができ、有害重金属の飛散および溶出を抑制することができる。また、混練、冷却、成形手段として、高速回転する羽根を備えるミキサを使用するから、押出成形機を使用する場合に比べて、スクリュウなどにより強制的に押出成形機内に注入したり、水分を除去するなどの成形前の処理が不要となり、プラントの製造コストおよびランニングコストを低減することができる。さらに、プラスチック廃棄物を溶融することにより、プラスチック廃棄物の容積を低減することができる。
【0013】
焼却灰および煤塵は、産業廃棄物または一般廃棄物などを焼却することにより生じ、有害重金属を含むものが多い。また、有害重金属には、鉛、カドミウム、水銀、セレン、六価クロム、ヒ素などがあり、有害重金属を含有する焼却灰または煤塵などは、環境保全上、任意に放置することはできない。
【0014】
プラスチック廃棄物は、一般家庭および工場などから排出され、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、エチレンビニルアルコールコポリマー、ACS樹脂、ASA樹脂、AES樹脂などからなる。また、プラスチック廃棄物には、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴムなどの合成ゴムが含まれる。
【0015】
焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物との配合比は、0.1:1〜1.5:1が好ましく、0.3:1〜0.9:1がより好ましい。焼却灰などの配合量がプラスチック廃棄物量1に対して0.1未満では、多量の焼却灰などを効率よく処理するという目的からみて好ましくない。一方、焼却灰などの配合量がプラスチック廃棄物量1に対して1.5より多くなると、得られる成形体中のプラスチックが少なくなり、封入する有害重金属の溶出を抑制する効果が不十分になりやすい。
【0016】
焼却灰などに含有する重金属の中には、それ自体、価値の高いものがあり、成形物から重金属を回収する場合がある。そのような場合には、成形物に含まれているNaCl、KCl、CaCl2などの塩を水洗などにより容易に除去するため、焼却灰などと、プラスチック廃棄物との配合比を変え、または成形物を微粉砕しておくことが好ましい。
【0017】
溶融混錬を行なう第1の工程で使用するミキサは、焼却灰または煤塵などと、プラスチック廃棄物とを混合する機能のみならず、これらの処理物とミキサとの摩擦および処理物同士の摩擦などにより発熱させ、プラスチック廃棄物を溶融させる機能を有する必要がある。このため、溶融混練を行なう第1の工程で使用するミキサは、高速で回転する羽根を備えるものでなければならない。羽根の回転数は、500rpm〜2000rpmが好ましく、700rpm〜1400rpmがより好ましい。500rpm未満では、プラスチック廃棄物と焼却灰、煤塵との均一な混合ができなかったり、焼却灰と煤塵とが、溶融されたプラスチック廃棄物などに巻き込まれたり付着したりする溶着現象が生じにくく、両者の一部が分離した状態が生じやすい。一方、2000rpmより高速であると、プラスチック廃棄物のゲル化現象(モチ状化現象)が急速に進み、ミキサ内に強固に付着する虞がある。
【0018】
冷却成形を行なう第2の工程で使用するミキサは、処理物を循環させ、冷却、固化する機能のみならず、剪断力により処理物を破砕する機能を有する必要がある。このため、冷却成形を行なう第2の工程で使用するミキサは、高速で回転する羽根を備えるものでなければならない。羽根の回転数は、1000rpm〜1500rpmが好ましい。1000rpm未満では、処理物を十分に破砕成形することが難しく、時間を要する。一方、1500rpmより高速にすると、撹拌による発熱量が多くなり、処理物同士が再び相互に付着し、大きな塊状物になる虞がある。
【0019】
ミキサに取り付ける羽根は、高速回転および破砕成形などにおける機械的強度を高める点で、回転軸より放射状に延伸する扁平な棒状体を有するものが好ましい。また、ミキサは、処理物を混合する下羽根と、処理物に剪断力を与える上羽根とを備えるものが、処理効率を高める点および仕込み量を増やすことができる点で好ましい。2段羽根を備えるミキサを使用すると、まず下羽根により遠心力を与えられた処理物は、ミキサの側壁に衝突した後、内壁に沿って上方に流動し、つぎに、上羽根により強力に剪断される。
【0020】
ミキサに取り付ける羽根を図1および図2に示す。図1は、2段羽根の構成をとる場合の上羽根の斜視図であり、図2は下羽根の斜視図である。図1(b)に示す羽根1は、回転軸2より放射状に延伸する扁平な棒状体をなす。図2(a)においても同様である。図1(a)および図2(b)に示すように、途中で屈曲する羽根は、処理物の流動性を高め、さらに処理物との接触面積を大きくすることにより、処理効率が高まる点で好ましい。図1(c)に示すように、2段構成の上羽根にすると、処理効率を高める点で好ましい。図1(d)に示す例では、回転軸より放射状に延伸する扁平な棒状体である羽根と、輪状の羽根とが連結している。このように輪状の羽根を有するものは、分散効率が高い点で好ましい。
【0021】
溶融混練を行なう第1の工程は、100℃〜150℃で、15分間〜25分間行なうことが好ましい。100℃未満ではプラスチック廃棄物が溶融しにくくなる。一方、150℃より高いと、プラスチックなどが分解する虞が生じる。ミキサ内で高速回転する羽根により、処理物は次第に発熱するが、処理効率を高めるため、溶融混練を行なう第1の工程で使用するミキサは、加熱装置を備えるものが好ましく、工程の制御を幅広いものとするために、加熱量を調節できるミキサがより好ましい。加熱装置としては、熱水またはスチームなどの熱媒を注入できるジャケットを、ミキサの混合槽本体に取り付ける態様が、均一に加熱できる点で好ましい。
【0022】
冷却成形を行なう第2の工程は、常温(20℃程度)に近い温度で、1分間〜5分間行なうことが好ましい。第2の工程は、第1の工程で溶融状態にある処理物を冷却し、固化させた後、粉砕して、粒状または塊状の成形体を得ることを目的とする。また、溶融状態にあるプラスチックを成形体の表層および内部で固化させ、有害金属の溶出を抑制する障壁を形成することを目的とする。したがって、第1の工程と異なり、第2の工程は常温に近い温度で行なうことが好ましい。また、第1の工程で溶融状態にある処理物を冷却し、撹拌により発生する熱を除去するため、第2の工程で使用するミキサは、冷却装置を備えるものが好ましい。冷却装置としては、冷水などの冷媒を注入できるジャケットを、ミキサの混合槽本体に取り付ける態様が、均一に冷却できる点で好ましい。
【0023】
第1の溶融混練工程においては、リン酸化合物、ケイ素、アルミニウム、カルシウムまたはそれらの混合元素からなり、有害重金属を安定化し、吸着する無機系の粉粒状物または液状物を配合することが好ましい。焼却灰または煤塵などに含有される有害重金属は、鉛、カドミウム、水銀、セレン、六価クロム、ヒ素などであり、無機系の粉粒状物または液状物を配合することにより、これらの有害重金属を吸着し、安定化し、有害重金属を成形物の中に固定化することができる。無機系の粉粒状物または液状物としては、セメント類、シリカ粉末、アルミナ粉末などがあり、たとえば、セメント類は、CaO、SiO2、Al23、Fe23を含有し、混錬水と水和反応を起こし、固化する。この固化に際して煤塵などを包み込むことができる。また、シリカ粉末は、SiO2を主成分とする多孔質な結晶であり、このような多孔質体は鉛などの重金属類を吸着し、固定することができる。なお、無機系の粉粒状物または液状物の配合量は、焼却灰または煤塵に対して、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がより好ましい。
【0024】
溶融混練工程では、オイル成分を配合してもよい。オイル成分を配合することにより、粒状または塊状成形物の撥水性を向上させ、製造後、成形物に雨水などがあたっても、水の浸透を少なくすることで有害重金属の溶出を抑制する効果が高まりやすい。オイル成分としては、撥水性と耐熱性とを有するものが好ましく、たとえば、信越化学(株)のKF96または99などのシリコンオイルが好適である。
【0025】
(成形物)
本発明の成形物は、高速で回転する羽根を備えるミキサを用いて、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物とを混練する第1の工程と、高速で回転する羽根を備えるミキサを用いて、混練物を冷却し、固化し、破砕して、粒状または塊状成形物を得る第2の工程と、を有する廃棄物処理方法により得られる。この成形物は、溶融固化したプラスチックにより構成されているため、硬く、壊れにくく、内部に封入している有害重金属の溶出を抑制する効果も大きい。
【0026】
粒状物または塊状物の平均粒径は、1cm以下が好ましい。平均粒径を1cm以下とすることにより、かさ比重を小さくすることができ、成形物の保管をする際の充填率、取扱性および輸送性を向上させることができる。一方、粒状物または塊状物の平均粒径は、5mm以上とすることが好ましい。平均粒径が5mmより小さいと、成形の効率が低下しやすく、また、成形物同士の接触面積が大きくなり、表面が摩耗し、有害重金属が溶出しやすくなる。
【0027】
粒状または塊状成形物は、有害重金属の溶出をより効果的に抑制するために、PH調整剤または他の不溶性化合物に変える薬剤で処理してもよい。たとえば、PH調整剤により、重金属類の一部は不溶化され、溶出しにくくなるので効果的である。また、粒状または塊状成形物は、成形後、再加熱してもよい。冷却成形を行なう第2の工程において成形条件などにより、成形物の表面のプラスチック層に破断面または亀裂などが生じる場合があるが、再加熱することにより、プラスチック層を再度溶融させ、修復することができる。たとえば、一度できあがった塊状物および粒状物を、第1工程のミキサ内に再投入することが好ましい。
【0028】
本発明の成形物は、製造に際し、溶融混錬を行なう第1の工程で、ケイ素、アルミニウム、カルシウムまたはそれらの混合元素からなり、有害重金属を安定化し、吸着する無機系の粉粒状物または液状物を配合するものが好ましい。
【0029】
【実施例】
実施例1
プラスチック廃棄物1750gと、煤塵750gと、無機系粉粒状物150gと、水270gとを、高速ミキサに充填し、溶融混練した(第1の工程)。プラスチック廃棄物としては、5mm以下に粗粉砕したものを用いた。また、無機系粉粒状物としては、重金属(鉛)を安定化し、吸着するシリカ(SiO2)を用いた。高速ミキサとしては、20L容の三井鉱山製ヘンシェルミキサを用いた。このミキサには、高速で回転する2段の羽根を備えており、溶融混練時の回転数は1000rpmと設定した。また、このミキサの側壁には加温冷却用のジャケットを備えており、溶融混練時にはスチームを注入したため、溶融混練中の処理物の温度は110℃であった。この溶融混練操作は、20分間行なった。
【0030】
つぎに、同一の高速ミキサの加熱冷却用ジャケットに、スチームの代わりに冷水を注入し、羽根の速度は1000rpmのままで4分間撹拌し、混練物を冷却し、固化し、破砕して塊状成形物を得た(第2の工程)。
【0031】
得られた成形物について重金属(鉛)の溶出度を、環境庁告示第13号にもとづき試験した。この試験は、有害廃棄物、またはセメントなどで有害廃棄物を固めた物が、何らかの圧力や衝撃により破壊されたり、ひび割れを起こすことや、長年の間にはその大半が風化または劣化するとの前提にたち、固化物を5mm以下に粉砕し、5mm以下の破片および粉体からの重金属などの溶出量を測定するものである。具体的には、試料を粒径5mm以下に粉砕し、10倍量の純水を加えて固液比10とし、6時間振とうした後、液をフィルターでろ過して、得られた溶液中の有害重金属(本実施例では鉛を指す。)の濃度を測定する。この試験方法による結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
Figure 0004092630
【0033】
比較例1
プラスチック廃棄物を配合することなく、煤塵750gと、無機系の粉粒状物150gと、水270gとを手で練り、乾燥固化した。得られた試料についても同様に、環境庁告示13号にもとづき、重金属(鉛)の溶出量を測定した。その結果を表1に示す。
【0034】
表1中にある、溶出量の減少率(%)は、実施例1における鉛の溶出量(0.04ppm)と比較例1における鉛の溶出量(41ppm)にもとづき、つぎのように計算して求めた。
Figure 0004092630
表1の結果から明らかなとおり、比較例1では鉛の溶出量が41ppmであったが、本発明の廃棄物処理をすることにより、鉛の溶出量は99.9%減少し、0.04ppmとなった。環境庁告示第13号にもとづく試験は、成形物を粒径5mm以下にして行なう厳しい試験であり、この試験で溶出量が0.04ppmということは、粒径が大きく、表面積の小さい成形物では、溶出量はほとんど0に近く、本発明の成形物は鉛の埋め立て基準値0.3ppmを十分にクリアしていた。
【0035】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、有害重金属を含有する焼却灰または煤塵などと、溶融したプラスチック廃棄物とを混練し、冷却固化して、粒状または塊状成形物中に有害重金属を封入し、無害化するためのコストの安い廃棄物処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2段羽根の構成をとるミキサの上羽根の斜視図である。
【図2】 2段羽根の構成をとるミキサの下羽根の斜視図である。

Claims (6)

  1. 有害重金属を粒状または塊状成形物中に封入し、有害重金属の溶出を抑制する廃棄物処理方法であって、
    高速で回転する羽根を備えるミキサを用い、前記羽根の回転数を500rpm〜2000rpmとして、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物とを溶融、混練する第1の工程と、
    高速で回転する羽根と冷却装置とを備えるミキサを用い、前記羽根の回転数を1000rpm〜1500rpmとして、前記混練物を冷却し、固化し、破砕して、粒状または塊状成形物を得る第2の工程と、
    を有する廃棄物処理方法。
  2. 前記第1の工程は加熱装置を備えるミキサを用いて行なう請求項1に記載の廃棄物処理方法。
  3. 前記ミキサは、処理物を混合する下羽根と、処理物に剪断力を与える上羽根とを備え、該羽根は回転軸より放射状に延伸する扁平な棒状体を有する請求項1または2に記載の廃棄物処理方法。
  4. 前記第1の工程において、有害重金属を含有する焼却灰、煤塵またはそれらの混合物と、プラスチック廃棄物との混合比を0.1:1〜1.5:1とした請求項1〜請求項3のいずれかに記載の廃棄物処理方法。
  5. 前記第2の工程において、前記粒状または塊状成形物の平均粒径は1cm以下5mm以上である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の廃棄物処理方法
  6. 前記第1の工程において、ケイ素、アルミニウム、カルシウムまたはそれらの混合元素からなり、有害重金属を安定化し、吸着する無機系の粉粒状物または液状物を配合する請求項1〜請求項5のいずれかに記載の廃棄物処理方法
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