JP4092387B2 - GaAs single crystal, manufacturing method thereof, and manufacturing apparatus thereof - Google Patents

GaAs single crystal, manufacturing method thereof, and manufacturing apparatus thereof Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体封止引上げ法(以下「LEC(Liquid Encapsulated Czochralski methd )法」という。)によって製造されるGaAs単結晶及びその製造方法並びにその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
GaAs単結晶は、電界効果トランジスタ(以下「FET(Field Effect Transistor )という。)や集積回路(以下「IC(Integrated Circuit)という。)等の高速、高周波デバイス用の基板材料として広く使用されている。このGaAs単結晶の製造方法のひとつにLEC法がある。このLEC法によってGaAs単結晶を製造する場合は、例えば、次のようにして製造される。
【0003】
まず、るつぼに結晶原料や封止剤等の結晶製造材料を収容する。その後、るつぼを高圧引上げ炉内に収容する。その後、炉内の雰囲気ガスをArガスで置換するとともに、炉内の圧力をArガスで所定の値まで上げる。その後、るつぼに収容されている結晶製造材料を加熱することによって、GaAs多結晶を合成する。その後、さらに加熱を行い、原料融液(GaAs融液)を作る。その後、この原料融液を封止剤融液で覆った状態で、この原料融液の表面に種結晶を接触させて、この種結晶およびまたは原料融液を回転させつつ(両者を回転させる際は、逆方向回転とする。)引き上げながら冷却固化することによって、GaAs単結晶を製造する。以上が、LEC法によってGaAs単結晶を製造する場合の一例である。
【0004】
このLEC法によってGaAs単結晶を製造する装置では、炉内に発熱体や断熱材が配設されている。これらは、グラファイト等のカーボン材で構成されている。このカーボン材を用いた装置では、製造されたGaAs単結晶中に、炭素が不純物として混入すると考えられていた。結晶中に混入した炭素は、浅いアクセプタとして作用する。この場合、炭素濃度の高低がGaAs単結晶の電気特性や、イオンの注入後の活性化率に大きな影響を及ぼす。
【0005】
GaAs単結晶から形成されたGaAs基板に要求される電気特性は、この基板が使用される素子の種類によって異なる。しかし、どのような素子に使用されるにしろ、GaAs基板の元となるGaAs単結晶には、上部から下部まで希望する炭素濃度をばらつくことなく均一に、かつ、再現性よく設定できることが望まれる。
【0006】
LEC法では、GaAs単結晶中の炭素は、炉内の雰囲気ガス中の一酸化炭素(以下「CO」という。)から供給されると考えられる。このため、従来は、結晶成長中に、炉内の雰囲気ガス中のCO濃度を結晶中の炭素濃度の目標値に対応する値に設定することにより、結晶中の炭素濃度の均一性と、この均一性の再現性との確保を図るようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成では、GaAs単結晶中の炭素濃度が不均一となり、結晶上部程、目標値より低くなるという問題があった。これは、原料融液中の炭素濃度が目標値に達するまで、数時間から数十時間かかるからであると考えられる。
【0008】
すなわち、炉内のCOガスは、封止剤融液という中間介在物を経由して原料融液中に取り込まれるため、原料融液中の炭素濃度と炉内のCO濃度とが平衡状態に達するまでは、数時間から数十時間かかる。これにより、原料融液中の炭素濃度が目標値に達するまでは、数時間から数十時間かかる。その結果、上記構成では、結晶中の炭素濃度が結晶上部で目標値より低くなってしまうわけである。
【0009】
この問題を解決するためには、原料融液中の炭素濃度が目標値に達した後に、GaAs単結晶の成長処理を開始するようにすればよい。
【0010】
しかしながら、このような構成では、原料融液中の炭素濃度が目標値に達するまでの時間が長い場合、GaAs単結晶の製造時間が長くなるという問題が新たに発生する。
【0011】
この問題を解決するためには、原料融液中の炭素濃度が目標値に達するまで、炉内のCO濃度をGaAs単結晶中の炭素濃度の目標値に対応する値より高くすることが考えられる。
【0012】
しかしながら、このような構成であっても、GaAs単結晶中の炭素濃度として、例えば、2.0E+15cm−3以上の高炭素濃度が要求される場合は、原料融液中の炭素濃度が目標値に達するまでの時間が数十時間と長くなる。このため、結晶上部においても炭素濃度が目標値に設定されたGaAs単結晶を短時間に製造することができない。
【0013】
そこで、本発明は、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高炭素濃度が要求される場合であっても、結晶上部においても炭素濃度が目標値に設定されたGaAs単結晶およびこの単結晶を短時間に製造することができる製造方法並びに製造装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の発明者らは、封止剤融液を攪拌することにより、炉内の雰囲気ガスと原料融液との間接的な接触頻度を高め、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高炭素濃度が要求される場合であっても、原料融液中の炭素濃度を目標値に設定するまでの時間を短縮することを試みた。実験の結果、このような構成によれば、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高炭素濃度が要求される場合であっても、原料融液中の炭素濃度を短時間に目標値に達成できることがわかった。
【0015】
そこで、請求項1記載のGaAs単結晶の製造方法は、るつぼに収容された結晶原料と封止材とを炉内で加熱することによって融解し、原料融液を封止剤融液で覆った状態で、原料融液に種結晶を接触させて、原料融液を回転させつつ引き上げながら冷却固化することによってGaAs単結晶を製造する方法であって、結晶原料が融解した後、GaAs単結晶を引き上げる前に、炉内にCOガスを供給し、この状態で、封止剤溶液を攪拌することによって、COを封止剤融液へ混入させることを特徴とする。
【0016】
この請求項1記載の方法では、結晶原料が融解した後、GaAs単結晶を引き上げる前に、炉内にCOガスが供給される。そして、この状態で、封止剤融液が攪拌される。これにより、封止剤融液に対するCOの混入が促進される。その結果、COを含む封止剤融液と原料融液との反応による封止剤融液から原料融液への炭素の移動が促進される。これにより、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高炭素濃度が要求される場合であっても、原料融液中の炭素濃度が短時間に目標値まで達成される。その結果、結晶上部においても炭素濃度が目標値に設定されたGaAs単結晶が短時間に製造される。
【0017】
請求項2記載のGaAs単結晶の製造方法は、請求項1記載の方法において、GaAs単結晶の炭素濃度が2.0E+15cm−3以上であることを特徴とする。
【0018】
請求項3記載のGaAs単結晶の製造装置は、るつぼに収容された結晶原料と封止材とを炉内で加熱することによって融解し、原料融液を封止剤融液で覆った状態で、原料融液に種結晶を接触させて、原料融液を回転させつつ引き上げながら冷却固化することによってGaAs単結晶を製造する装置であって、結晶原料が融解した後、炉の内部にCOガスを供給するCOガス供給手段と、結晶原料が融解した後、GaAs単結晶を成長させる前に、封止剤融液を攪拌することにより、COを封止剤融液に混入させる攪拌手段とを備えたことを特徴とする。
【0019】
この請求項3記載の装置では、請求項1記載の方法を使って、GaAs単結晶が製造される。これにより、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高濃度が要求される場合であっても、結晶上部において、炭素濃度が目標値まで設定されたGaAs単結晶が短時間に製造される。
【0020】
請求項4記載のGaAs単結晶の製造装置は、請求項4記載の装置において、請求項2記載の方法と同様に、GaAs単結晶の炭素濃度が2.0E+15cm−3以上であることを特徴とする。
【0021】
請求項5記載のGaAs単結晶は、LEC法により製造され、結晶上端部から100mm以内の炭素濃度が2.0E+15cm−3以上であることを特徴とする。
【0022】
この請求5記載のGaAs単結晶では、単結晶の上部から下部まで均一な炭素濃度を有するGaAs単結晶が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
[1]第1の実施の形態
[1−1]GaAs単結晶の製造装置の構成
図1は、本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。但し、図では、図が煩雑になるのを避けるために、断面を示す斜線を高圧引上げ炉についてだけ付す。
【0025】
図において、11は、高圧引上げ炉を示し、12は、るつぼを示す。このるつぼ12は、高圧引上げ炉11の外部で、結晶製造材料を収容された後、高圧引上げ炉11の内部に配設された容器13に収容される。このるつぼ12としては、例えば、pBN(熱分解窒化ホウ素)製のるつぼが用いられる。また、結晶製造材料としては、結晶原料や封止剤等がある。結晶原料としては、GaとAsとが用いられる。
【0026】
上記容器13は、例えば、グラファイトによって構成されている。この容器13は、中央部で、るつぼ軸14に支持されている。このるつぼ軸14は、鉛直方向に延在されている。また、このるつぼ軸14は、高圧引上げ炉11の外部に配設された回転昇降機構15により、回転駆動されるとともに、昇降駆動されるようになっている。この場合は、るつぼ軸14は、常に、同一方向に回転駆動されるようになっている。
【0027】
容器13の周囲には、るつぼ12に収容されている結晶製造材料を加熱するためのヒータ16が配設されている。このヒータ16は、例えば、グラファイト等のカーボン材によって構成されている。このヒータ16の周囲と容器12の上方及び下方には、フェルト製の断熱材17が配設されている。この断熱材17は、例えば、グラファイト等のカーボン材によって構成されている。
【0028】
容器13に収容されたるつぼ12の上方には、GaAs単結晶を引き上げるための結晶軸18が配設されている。この結晶軸18は、るつぼ軸14と同軸的に配設されている。この結晶軸18の下端部には、GaAs単結晶の結晶方位を決定する種結晶19が取り付けられている。さらに、この結晶軸18は、高圧引上げ炉11の外部に配設された回転昇降機構20によって、回転駆動されるとともに、昇降駆動されるようになっている。
【0029】
るつぼ12の上方には、さらに、封止剤融液を攪拌するための攪拌治具21が配設されている。この攪拌治具21は、例えば、T字状に形成され、攪拌羽部211と攪拌軸212とを有する。そして、この攪拌治具21は、攪拌羽部211が下方に位置し、攪拌軸212が結晶軸18と平行になるように配設されている。これにより、この攪拌軸212は、るつぼ12の中心から偏位した位置に位置決めされることになる。攪拌治具21は、高圧引上げ炉11の外部に配設された回転昇降機構22により回転駆動されるとともに、昇降駆動されるようになっている。この場合、攪拌治具21は、例えば、所定の周期で、反対方向に交互に回転駆動されるようになっている。なお、るつぼ12の回転を利用すれば攪拌できるので、攪拌治具21は昇降だけで、そのものが回転しない構造でもよい。
【0030】
高圧引上げ炉11の上部には、炉11内に純Arガスと、COガスとを導入するためのガス導入管23が取り付けられている。高圧引上げ炉11の下部には、この炉11内の雰囲気ガスを排出するための排気管24が取り付けられている。この排気管24には、CO濃度測定用のCO濃度計25が挿入されている。
【0031】
[1−2]GaAs単結晶の製造装置の動作
次に、上述したGaAs単結晶の製造装置の動作を説明する。
【0032】
GaAs単結晶の製造を開始する前は、図1に示すように、結晶軸18と攪拌治具21とが上方に待避させられている。
【0033】
このような状態で、まず、高圧引上げ炉11の外部で、るつぼ13に結晶製造材料を収容される。次に、この結晶製造材料が収容されたるつぼ13が、高圧引上げ炉11内の容器13に収容される。次に、炉11内の雰囲気ガスが純Arガスにより置換されるとともに、炉11内の圧力が所定値まで高められる。
【0034】
炉11内の圧力が所定値まで高められると、ヒータ15によって、るつぼ12に収容されている結晶製造材料が加熱される。これにより、結晶原料と封止剤とが融解される。その結果、封止剤融液と、GaとAsとが合成された原料融液とが形成される。この場合、図2に示すように、比重の関係で、原料融液41が液体封止剤42の下に位置決めされる。これにより、原料融液41が封止剤融液42によって覆われる。
【0035】
結晶原料等が融解すると、炉11内の純ArガスへCOガスを所定量混入させる。但し、炉11内の圧力は、そのまま所定値に保持される。この場合、炉11内のCO濃度は、原料融液41中の炭素濃度の目標値に対応する値に設定される。炉11内のCO濃度が目標値に設定されると、回転昇降機構22によって、攪拌治具21が下降駆動される。この下降駆動は、図3に示すように、攪拌羽部211が封止剤融液42に浸漬するまで行われる。攪拌羽部211が封止剤融液42に浸漬すると、回転昇降機構22によって、攪拌治具21が回転駆動される。
【0036】
これにより、封止剤融液42が攪拌される。その結果、封止剤融液42に対する炉11内の雰囲気ガス中のCOの混入が促進される。これにより、COを含む封止剤融液42と原料融液41との間で、封止剤融液42から原料融液41への炭素の移動が促進される。その結果、結晶中の炭素濃度として、例えば、2.0E+15cm−3以上の高い炭素濃度が要求される場合であっても、原料融液41中の炭素濃度が短時間に目標値に設定される。
【0037】
原料融液41中の炭素濃度が目標値に達すると、回転昇降機構20によって結晶軸18が下降させられ、種結晶19が原料融液41に接触させられる。次に、結晶軸18が回転昇降機構20によって所定の速度で回転駆動されるとともに、例えば、所定の速度で上昇駆動される。また、るつぼ12が回転昇降機構15によって回転駆動される。これらの駆動により、原料融液41が回転しつつ、例えば、徐々に引き上げられる。これにより、原料融液41が冷却固化される。その結果、図4に示すように、GaAs単結晶43が徐々に成長させられる。
【0038】
なお、この結晶成長中は、原料融液41からGaAs単結晶43への炭素の偏析係数とGaAs単結晶43の固化率とに基づいて、炉11内のCO濃度が徐々に高められる。これは、結晶全体にわたって、均一な炭素濃度を設定するためである。
【0039】
すなわち、GaAs単結晶43が成長する場合は、原料融液41中の炭素がGaAs単結晶43の方に偏析する。この偏析により、GaAs単結晶43の成長中に、炉11内のCO濃度を一定値に設定する構成では、GaAs単結晶43の成長とともに、原料融液41中の炭素濃度が徐々に低下する。その結果、GaAs単結晶43中の炭素濃度は上部から下部にかけて徐々に低下する。
【0040】
これに対し、GaAs単結晶43の成長中に、原料融液41からGaAs単結晶43への炭素の偏析係数とGaAs単結晶43の固化率とに基づいて、炉11内のCO濃度を徐々に高める構成によれば、原料融液41中の炭素濃度の低下が防止される。その結果、全域にわたって炭素濃度が均一に設定されたGaAs単結晶43が得られる。
【0041】
なお、このCO濃度を徐々に高める制御も、CO濃度計25の測定結果に基づいて行われる。
【0042】
[1−3]効果
以上詳述した本実施の形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0043】
(1)まず、本実施の形態によれば、結晶原料が融解した後、GaAs単結晶43を成長させる前に、炉11内にCOガスを供給しながら、封止剤融液42が攪拌される。これにより、原料融液41に対するCOの混入を促進することができる。その結果、GaAs単結晶中の炭素濃度として、高い炭素濃度が要求される場合であっても、結晶上部において炭素濃度が目標値に設定されたGaAs単結晶を短時間に製造することができる。
【0044】
(2)また、本実施の形態によれば、封止剤融液42を攪拌する場合、攪拌治具21が交互に反対方向に回転駆動される。これにより、封止剤融液42の攪拌効率を高めることができる。
【0045】
(3)さらに、本実施の形態によれば、封止剤融液42を攪拌する場合、るつぼ12が回転駆動される。これにより、封止剤融液42の攪拌効率を高めることができる。
【0046】
[2]第2の実施の形態
図4は、本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。なお、図4において、先の図1に示す構成要素とほぼ同一機能を果たす構成要素には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0047】
先の実施の形態では、攪拌治具21を結晶軸18から偏移した位置に設ける場合を説明した。これに対し、本実施の形態では、図4に示すように、攪拌治具31を結晶軸18と同軸的に設けるようにしたものである。
【0048】
図4には、攪拌治具31を2つのL字状の攪拌部材311,312で構成する場合を示す。これらは、結晶軸18を挟むように設けられている。これにより、攪拌治具31が結晶軸18と同軸的に設けられる。なお、攪拌部材311,312は、回転昇降機構32により回転駆動されるとともに、昇降駆動される。この回転昇降機構32は、結晶軸18の回転、昇降機能も有する。すなわち、この回転昇降機構32は、図1に示す2つの回転昇降機構20,22の機能を有する。
【0049】
このような構成においても、先の実施の形態とほぼ同じようにして封止剤融液42を攪拌することができるので、この実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0050】
[3]第3の実施の形態
図5は、本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。なお、図5において、先の図1に示す構成要素とほぼ同一機能を果たす構成要素には、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
先の第1、第2の実施の形態では、攪拌治具21,22を回転駆動することにより、封止剤融液42を攪拌する場合を説明した。言い換えれば、攪拌治具21,22を動かすことにより、封止剤融液42を攪拌する場合を説明した。これに対し、本実施の形態では、攪拌治具33を静止させたまま、封止材融液42を攪拌するようにしたものである。
【0052】
図5には、攪拌治具33を2つの邪魔板331,332で構成する場合を示す。これらは、封止剤融液42中に位置するように、例えば、ヒートシールド部材34を介して上部側の断熱部材17に取り付けられている。
【0053】
このような構成においても、容器13の回転に伴って邪魔板331,332によって封止剤融液42を攪拌することができる。これにより、先の実施の形態とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0054】
[4]その他の実施の形態
以上、本発明の3つの実施の形態を詳細に説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
(1)例えば、先の実施の形態では、封止剤融液42の攪拌期間に、炉11内のCO濃度を原料融液41中の炭素濃度の目標値に対応する値に設定する場合を説明した。しかしながら、本発明は、この対応値より大きな値に設定するようにしてもよい。このような構成によれば、先の実施の形態より、原料融液41中の炭素濃度が目標値を達成する時間を短縮することができる。
【0056】
(2)また、本発明は、炉11内のCO濃度を上記対応値より小さな値に設定するようにしてもよい。このような構成であっても、本発明によれば、封止剤融液42中のCO濃度を炉11内のCO濃度より高めることができる。これにより、炉11内のCO濃度の値によっては、従来より、原料融液41中の炭素濃度が目標値を達成する時間を短縮することができる。
【0057】
(3)さらに、本発明は、攪拌期間中に、炉11内のCO濃度を一定値に保持するだけでなく、変化させるようにしてもよい。例えば、攪拌期間の初めの方では、炉11内のCO濃度を上記対応値より高くし、その後は、徐々に低くするか、あるいは、初めの値より低い一定値に保持するようにしてもよい。このような構成によれば、原料融液41中の炭素濃度を迅速に目標値付近まで立ち上げた後、徐々に目標値に収束させることができる。
【0058】
(4)この他にも、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々様々変形実施可能なことは勿論である。
【0059】
【実施例】
ここで、本発明のより具体的な実施例とその比較例とを説明する。
【0060】
(1)実施例
本実施例では、まず、結晶製造材料(出発材料)をるつぼ12に収容した。この場合、結晶原料としては、Ga4000gとAs4400gとを収容した。また、封止剤としては、液体封止剤を収容した。この液体封止剤としては、含有水分量200ppmのBを収容した。その後、るつぼ12を炉11内の容器13に収容した。その後、炉11内の雰囲気ガスを純Arガスで置換するとともに、この純Arガスによって炉11内の圧力を37kgf/cm以上まで高めた。その後、結晶製造材料をヒータ16で加熱することにより、封止剤融液42を作るとともに、GaとAsとを合成し、原料融液(GaAs融液)41を作った。その後、炉11内にCOガスを導入し、炉11内のCO濃度を10000ppmに設定した。
【0061】
その後、攪拌治具21の攪拌羽部211を封止剤融液(B融液)42に浸漬し、回転させることにより、封止剤融液42を攪拌した。この場合、攪拌効率を高めるために、攪拌治具21を反対方向に交互に回転させるとともに、るつぼ12を5〜50rpmで回転させた。この攪拌により、原料融液41の炭素濃度を目標値に設定することができた。これにより、攪拌を行わない場合より、原料融液41の炭素濃度を目標値に設定する時間を数時間から数十時間短縮することができた。
【0062】
その後、攪拌治具21を上部に待避させつつ、種結晶19を降下させ、原料融液41に接触させた。その後、種結晶19を1〜20mm/hrで上昇させるとともに、3〜10rpmで回転させ、かつ、るつぼ12を5〜50rpmで回転させた。これにより、成長速度1〜20mm/hrで、直径80mm、長さ260mmのGaAs単結晶43を成長させた。このGaAs単結晶43を図6に示す。
【0063】
この場合、GaAs単結晶43の全域にわたって2〜3E+15cm−3の炭素濃度が設定されるように、結晶43の成長中に、炉11内のCO濃度を徐々に高めるようにした。
【0064】
図7は、本実施例によって製造されたGaAs単結晶43中の炭素濃度の測定結果を示す特性図である。図7において、横軸は、形成されたGaAs単結晶34の上端からの距離(単位はmm)を示し、縦軸は、炭素濃度(単位はppm)を示す。また、特性曲線C2は、GaAs結晶43中の炭素濃度の測定結果を示す。図示のごとく、本実施例では、GaAs単結晶31の全域にわたり、約2〜3E+15cm−3の炭素濃度が設定されている。
【0065】
(2)比較例
本比較例は、攪拌処理を実行しない点と、反応時間を上述した実施例より約4倍長くした点とを除けば、上述した実施例とほぼ同じである。
【0066】
図8は、本比較例により製造されたGaAs単結晶43中の炭素濃度の測定結果を図7と同じようにして示す図である。図示のごとく、本比較例では、反応時間を実施例の4倍に設定したにもかかわらず、GaAs単結晶43の上部(上端から100mmくらいまでの部分)で、炭素濃度が目標値より低くなった。これにより、本比較例では、上部から下部まで2〜3E+15cm−3の炭素濃度を有するGaAs単結晶43を得ることができなかった。
【0067】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1または2記載のGaAs単結晶の製造方法および請求項3または4記載のGaAs単結晶の製造装置よれば、結晶原料が融解した後、GaAs単結晶を成長させる前に、高圧引上げ炉内にCOガスを供給しながら、封止剤融液が攪拌される。これにより、結晶中の炭素濃度として、高い炭素濃度が要求される場合であっても、結晶上部の炭素濃度が目標値に設定されたGaAs単結晶を短時間で製造することができる。
【0068】
また、請求項5記載のGaAs単結晶によれば、結晶の上部から下部まで炭素濃度が均一なGaAs単結晶が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第1の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における攪拌処理を説明するための図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における結晶成長処理を説明するための図である。
【図4】本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第2の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図5】本発明に係るGaAs単結晶の製造装置の第3の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例によって製造されたGaAs単結晶のサイズを示す図である。
【図7】本発明の一実施例によって製造されたGaAs単結晶中の炭素濃度を示す特性図である。
【図8】本発明の一実施例と比較される比較例によって製造されたGaAs単結晶中の炭素濃度を示す特性図である。
【符号の説明】
11…高圧引上げ炉、12…るつぼ、13…容器、14…るつぼ軸、15,20,22,32…回転昇降機構、16…ヒータ、17…断熱材、18…結晶軸、19…種結晶、21,31,33…攪拌治具、23…ガス導入管、24…排気管、25…CO濃度計。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a GaAs single crystal manufactured by a liquid sealing pulling method (hereinafter referred to as “LEC (Liquid Encapsulated Czochralski methd) method”), a manufacturing method thereof, and a manufacturing apparatus thereof.
[0002]
[Prior art]
GaAs single crystals are widely used as substrate materials for high-speed, high-frequency devices such as field effect transistors (hereinafter referred to as “FET (Field Effect Transistor)”) and integrated circuits (hereinafter referred to as “IC (Integrated Circuit)”). One of the methods for producing this GaAs single crystal is the LEC method, which is produced, for example, in the following manner.
[0003]
First, a crystal production material such as a crystal raw material or a sealant is accommodated in a crucible. Thereafter, the crucible is accommodated in a high pressure pulling furnace. Thereafter, the atmospheric gas in the furnace is replaced with Ar gas, and the pressure in the furnace is increased to a predetermined value with Ar gas. Then, the GaAs polycrystal is synthesized by heating the crystal manufacturing material accommodated in the crucible. Thereafter, further heating is performed to produce a raw material melt (GaAs melt). Thereafter, with the raw material melt covered with the sealant melt, the seed crystal is brought into contact with the surface of the raw material melt, and the seed crystal and / or the raw material melt is rotated (when both are rotated). Is rotated in the reverse direction.) A GaAs single crystal is produced by cooling and solidifying while pulling up. The above is an example of manufacturing a GaAs single crystal by the LEC method.
[0004]
In an apparatus for producing a GaAs single crystal by this LEC method, a heating element and a heat insulating material are disposed in a furnace. These are made of a carbon material such as graphite. In the apparatus using this carbon material, it was thought that carbon was mixed as an impurity in the manufactured GaAs single crystal. Carbon mixed in the crystal acts as a shallow acceptor. In this case, the level of the carbon concentration greatly affects the electrical characteristics of the GaAs single crystal and the activation rate after ion implantation.
[0005]
The electrical characteristics required for a GaAs substrate formed from a GaAs single crystal vary depending on the type of element in which the substrate is used. However, whatever element is used, it is desired that the GaAs single crystal that is the base of the GaAs substrate can be set uniformly and with good reproducibility without variation in the desired carbon concentration from the top to the bottom. .
[0006]
In the LEC method, it is considered that carbon in the GaAs single crystal is supplied from carbon monoxide (hereinafter referred to as “CO”) in the atmospheric gas in the furnace. Therefore, conventionally, during the crystal growth, by setting the CO concentration in the atmospheric gas in the furnace to a value corresponding to the target value of the carbon concentration in the crystal, the uniformity of the carbon concentration in the crystal and this It was designed to ensure uniformity and reproducibility.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, such a configuration has a problem that the carbon concentration in the GaAs single crystal becomes non-uniform, and the upper portion of the crystal becomes lower than the target value. This is considered because it takes several hours to several tens of hours until the carbon concentration in the raw material melt reaches the target value.
[0008]
That is, since the CO gas in the furnace is taken into the raw material melt via an intermediate inclusion called a sealant melt, the carbon concentration in the raw material melt and the CO concentration in the furnace reach an equilibrium state. Takes several hours to tens of hours. Thereby, it takes several hours to several tens of hours until the carbon concentration in the raw material melt reaches the target value. As a result, in the above configuration, the carbon concentration in the crystal becomes lower than the target value in the upper part of the crystal.
[0009]
In order to solve this problem, the growth treatment of the GaAs single crystal may be started after the carbon concentration in the raw material melt reaches the target value.
[0010]
However, in such a configuration, when the time until the carbon concentration in the raw material melt reaches the target value is long, a new problem arises that the manufacturing time of the GaAs single crystal becomes long.
[0011]
In order to solve this problem, it is considered that the CO concentration in the furnace is made higher than the value corresponding to the target value of the carbon concentration in the GaAs single crystal until the carbon concentration in the raw material melt reaches the target value. .
[0012]
However, even in such a configuration, when a high carbon concentration of, for example, 2.0E + 15 cm −3 or more is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal, the carbon concentration in the raw material melt becomes the target value. The time to reach will be several tens of hours. For this reason, a GaAs single crystal whose carbon concentration is set to a target value cannot be manufactured in a short time even in the upper part of the crystal.
[0013]
Therefore, the present invention provides a GaAs single crystal whose carbon concentration is set to a target value even in the upper part of the crystal even when a high carbon concentration is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal. It aims at providing the manufacturing method and manufacturing apparatus which can be manufactured in time.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the inventors of the present invention increase the frequency of indirect contact between the atmospheric gas in the furnace and the raw material melt by stirring the sealant melt, and in the GaAs single crystal. Even when a high carbon concentration is required as the carbon concentration, an attempt was made to shorten the time until the carbon concentration in the raw material melt was set to the target value. As a result of the experiment, according to such a configuration, even if a high carbon concentration is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal, the carbon concentration in the raw material melt can be achieved to the target value in a short time. I understood.
[0015]
Therefore, in the method for producing a GaAs single crystal according to claim 1, the crystal raw material and the sealing material accommodated in the crucible are melted by heating in a furnace, and the raw material melt is covered with the sealant melt. In this state, a seed crystal is brought into contact with the raw material melt, and is cooled and solidified while being pulled up while rotating the raw material melt. After the crystal raw material is melted, the GaAs single crystal is Before pulling up, CO gas is supplied into the furnace, and in this state, the sealant solution is stirred to mix CO into the sealant melt.
[0016]
In the method according to claim 1, after the crystal raw material is melted, the CO gas is supplied into the furnace before the GaAs single crystal is pulled up. In this state, the sealant melt is stirred. Thereby, the mixing of CO into the sealant melt is promoted. As a result, the movement of carbon from the sealant melt to the raw material melt by the reaction between the sealant melt containing CO and the raw material melt is promoted. Thereby, even if a high carbon concentration is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal, the carbon concentration in the raw material melt is achieved to the target value in a short time. As a result, a GaAs single crystal in which the carbon concentration is set to the target value is also produced in a short time in the upper part of the crystal.
[0017]
The method for producing a GaAs single crystal according to claim 2 is characterized in that, in the method according to claim 1, the carbon concentration of the GaAs single crystal is 2.0E + 15 cm −3 or more.
[0018]
The apparatus for producing a GaAs single crystal according to claim 3 melts the crystal raw material and the sealing material accommodated in the crucible by heating in a furnace, and covers the raw material melt with the sealant melt. An apparatus for producing a GaAs single crystal by bringing a seed crystal into contact with the raw material melt and cooling and solidifying it while rotating the raw material melt, and after the crystal raw material has melted, A CO gas supply means for supplying CO and a stirring means for mixing CO into the sealant melt by stirring the sealant melt before the GaAs single crystal is grown after the crystal raw material is melted. It is characterized by having.
[0019]
In the apparatus according to the third aspect, the GaAs single crystal is manufactured by using the method according to the first aspect. Thereby, even if a high concentration is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal, a GaAs single crystal in which the carbon concentration is set to the target value is manufactured in a short time in the upper portion of the crystal.
[0020]
The apparatus for producing a GaAs single crystal according to claim 4 is characterized in that, in the apparatus according to claim 4, the carbon concentration of the GaAs single crystal is 2.0E + 15 cm −3 or more, as in the method according to claim 2. To do.
[0021]
The GaAs single crystal according to claim 5 is manufactured by the LEC method, and the carbon concentration within 100 mm from the upper end of the crystal is 2.0E + 15 cm −3 or more.
[0022]
In the GaAs single crystal according to the fifth aspect, a GaAs single crystal having a uniform carbon concentration from the top to the bottom of the single crystal can be obtained.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0024]
[1] First Embodiment [1-1] Configuration of GaAs Single Crystal Manufacturing Apparatus FIG. 1 is a cross-sectional view showing the configuration of the first embodiment of a GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention. is there. However, in the figure, in order to avoid complication of the figure, the oblique lines indicating the cross section are attached only to the high pressure pulling furnace.
[0025]
In the figure, 11 indicates a high-pressure pulling furnace, and 12 indicates a crucible. The crucible 12 is accommodated in a container 13 disposed inside the high pressure pulling furnace 11 after the crystal production material is stored outside the high pressure pulling furnace 11. As the crucible 12, for example, a crucible made of pBN (pyrolytic boron nitride) is used. In addition, examples of the crystal manufacturing material include a crystal raw material and a sealant. Ga and As are used as the crystal raw material.
[0026]
The container 13 is made of, for example, graphite. The container 13 is supported by the crucible shaft 14 at the center. The crucible shaft 14 extends in the vertical direction. The crucible shaft 14 is rotated and driven by a rotary lift 15 disposed outside the high pressure pulling furnace 11. In this case, the crucible shaft 14 is always driven to rotate in the same direction.
[0027]
Around the container 13, a heater 16 for heating the crystal manufacturing material accommodated in the crucible 12 is disposed. The heater 16 is made of, for example, a carbon material such as graphite. A felt heat insulating material 17 is disposed around the heater 16 and above and below the container 12. The heat insulating material 17 is made of, for example, a carbon material such as graphite.
[0028]
Above the crucible 12 accommodated in the container 13, a crystal axis 18 for pulling up the GaAs single crystal is disposed. The crystal axis 18 is disposed coaxially with the crucible axis 14. A seed crystal 19 for determining the crystal orientation of the GaAs single crystal is attached to the lower end of the crystal axis 18. Further, the crystal axis 18 is driven to be rotated and driven up and down by a rotary lift mechanism 20 disposed outside the high pressure pulling furnace 11.
[0029]
Above the crucible 12, a stirring jig 21 for stirring the sealant melt is further provided. The stirring jig 21 is formed, for example, in a T shape, and has a stirring blade portion 211 and a stirring shaft 212. The stirring jig 21 is arranged such that the stirring blade portion 211 is positioned below and the stirring shaft 212 is parallel to the crystal axis 18. As a result, the stirring shaft 212 is positioned at a position displaced from the center of the crucible 12. The stirring jig 21 is rotated and driven by a rotary lifting mechanism 22 disposed outside the high-pressure pulling furnace 11. In this case, for example, the stirring jig 21 is driven to rotate alternately in the opposite direction at a predetermined cycle. In addition, since it can stir if the rotation of the crucible 12 is utilized, the stirring jig 21 may be structured such that it only moves up and down and does not rotate.
[0030]
A gas introduction pipe 23 for introducing pure Ar gas and CO gas into the furnace 11 is attached to the upper portion of the high pressure pulling furnace 11. An exhaust pipe 24 for discharging atmospheric gas in the furnace 11 is attached to the lower part of the high-pressure pulling furnace 11. A CO concentration meter 25 for measuring CO concentration is inserted into the exhaust pipe 24.
[0031]
[1-2] Operation of GaAs Single Crystal Manufacturing Apparatus Next, the operation of the above-described GaAs single crystal manufacturing apparatus will be described.
[0032]
Before starting the production of the GaAs single crystal, as shown in FIG. 1, the crystal axis 18 and the stirring jig 21 are retracted upward.
[0033]
In this state, first, the crystal production material is accommodated in the crucible 13 outside the high-pressure pulling furnace 11. Next, the crucible 13 in which the crystal production material is accommodated is accommodated in the container 13 in the high-pressure pulling furnace 11. Next, the atmospheric gas in the furnace 11 is replaced with pure Ar gas, and the pressure in the furnace 11 is increased to a predetermined value.
[0034]
When the pressure in the furnace 11 is increased to a predetermined value, the crystal production material accommodated in the crucible 12 is heated by the heater 15. Thereby, the crystal raw material and the sealing agent are melted. As a result, a sealant melt and a raw material melt in which Ga and As are synthesized are formed. In this case, as shown in FIG. 2, the raw material melt 41 is positioned below the liquid sealant 42 because of the specific gravity. Thereby, the raw material melt 41 is covered with the sealant melt 42.
[0035]
When the crystal raw material is melted, a predetermined amount of CO gas is mixed into the pure Ar gas in the furnace 11. However, the pressure in the furnace 11 is maintained at a predetermined value as it is. In this case, the CO concentration in the furnace 11 is set to a value corresponding to the target value of the carbon concentration in the raw material melt 41. When the CO concentration in the furnace 11 is set to the target value, the stirring jig 21 is driven downward by the rotary lifting mechanism 22. As shown in FIG. 3, the downward driving is performed until the stirring blade 211 is immersed in the sealant melt 42. When the stirring blade portion 211 is immersed in the sealant melt 42, the stirring jig 21 is rotationally driven by the rotary lifting mechanism 22.
[0036]
Thereby, the sealing agent melt 42 is stirred. As a result, the mixing of CO in the atmospheric gas in the furnace 11 with respect to the sealant melt 42 is promoted. Thereby, the movement of carbon from the sealant melt 42 to the raw material melt 41 is promoted between the sealant melt 42 containing CO and the raw material melt 41. As a result, even if a high carbon concentration of, for example, 2.0E + 15 cm −3 or higher is required as the carbon concentration in the crystal, the carbon concentration in the raw material melt 41 is set to the target value in a short time. .
[0037]
When the carbon concentration in the raw material melt 41 reaches the target value, the crystal shaft 18 is lowered by the rotary elevating mechanism 20 and the seed crystal 19 is brought into contact with the raw material melt 41. Next, the crystal shaft 18 is driven to rotate at a predetermined speed by the rotary elevating mechanism 20 and is driven to rise at a predetermined speed, for example. Further, the crucible 12 is rotationally driven by the rotary elevating mechanism 15. By these driving, the raw material melt 41 is rotated, for example, gradually while being rotated. Thereby, the raw material melt 41 is cooled and solidified. As a result, as shown in FIG. 4, the GaAs single crystal 43 is gradually grown.
[0038]
During the crystal growth, the CO concentration in the furnace 11 is gradually increased based on the segregation coefficient of carbon from the raw material melt 41 to the GaAs single crystal 43 and the solidification rate of the GaAs single crystal 43. This is for setting a uniform carbon concentration throughout the crystal.
[0039]
That is, when the GaAs single crystal 43 grows, the carbon in the raw material melt 41 is segregated toward the GaAs single crystal 43. Due to this segregation, in the configuration in which the CO concentration in the furnace 11 is set to a constant value during the growth of the GaAs single crystal 43, the carbon concentration in the raw material melt 41 gradually decreases as the GaAs single crystal 43 grows. As a result, the carbon concentration in the GaAs single crystal 43 gradually decreases from the upper part to the lower part.
[0040]
In contrast, during the growth of the GaAs single crystal 43, the CO concentration in the furnace 11 is gradually increased based on the segregation coefficient of carbon from the raw material melt 41 to the GaAs single crystal 43 and the solidification rate of the GaAs single crystal 43. According to the structure which raises, the fall of the carbon concentration in the raw material melt 41 is prevented. As a result, a GaAs single crystal 43 in which the carbon concentration is set uniformly over the entire region is obtained.
[0041]
The control for gradually increasing the CO concentration is also performed based on the measurement result of the CO concentration meter 25.
[0042]
[1-3] Effects According to the present embodiment described in detail above, the following effects can be obtained.
[0043]
(1) First, according to the present embodiment, after the crystal raw material is melted and before the GaAs single crystal 43 is grown, the sealant melt 42 is stirred while supplying the CO gas into the furnace 11. The Thereby, mixing of CO with respect to the raw material melt 41 can be promoted. As a result, even if a high carbon concentration is required as the carbon concentration in the GaAs single crystal, a GaAs single crystal in which the carbon concentration is set to the target value in the upper portion of the crystal can be manufactured in a short time.
[0044]
(2) Further, according to the present embodiment, when the sealant melt 42 is agitated, the agitation jig 21 is alternately rotated in the opposite direction. Thereby, the stirring efficiency of the sealing agent melt 42 can be increased.
[0045]
(3) Furthermore, according to the present embodiment, when the sealant melt 42 is agitated, the crucible 12 is rotationally driven. Thereby, the stirring efficiency of the sealing agent melt 42 can be increased.
[0046]
[2] Second Embodiment FIG. 4 is a cross-sectional view showing the configuration of a second embodiment of the GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention. In FIG. 4, components having substantially the same functions as those shown in FIG. 1 are given the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0047]
In the previous embodiment, the case where the stirring jig 21 is provided at a position shifted from the crystal axis 18 has been described. On the other hand, in this embodiment, as shown in FIG. 4, the stirring jig 31 is provided coaxially with the crystal axis 18.
[0048]
FIG. 4 shows a case where the stirring jig 31 is composed of two L-shaped stirring members 311 and 312. These are provided so as to sandwich the crystal axis 18. Thereby, the stirring jig 31 is provided coaxially with the crystal axis 18. The agitating members 311 and 312 are driven to be lifted and lowered by the rotary lifting mechanism 32. The rotation raising / lowering mechanism 32 also has a function of rotating and raising / lowering the crystal axis 18. That is, the rotary lift mechanism 32 has the functions of the two rotary lift mechanisms 20 and 22 shown in FIG.
[0049]
Even in such a configuration, the sealant melt 42 can be agitated in substantially the same manner as in the previous embodiment, so that substantially the same effect as in this embodiment can be obtained.
[0050]
[3] Third Embodiment FIG. 5 is a sectional view showing the configuration of a third embodiment of the GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention. In FIG. 5, components having substantially the same functions as those shown in FIG. 1 are given the same reference numerals, and detailed description thereof is omitted.
[0051]
In the first and second embodiments, the case where the sealant melt 42 is stirred by rotating the stirring jigs 21 and 22 has been described. In other words, the case where the sealant melt 42 is stirred by moving the stirring jigs 21 and 22 has been described. On the other hand, in the present embodiment, the sealing material melt 42 is stirred while the stirring jig 33 is kept stationary.
[0052]
FIG. 5 shows a case where the stirring jig 33 is constituted by two baffle plates 331 and 332. These are attached to the heat insulating member 17 on the upper side via, for example, a heat shield member 34 so as to be positioned in the sealant melt 42.
[0053]
Even in such a configuration, the sealant melt 42 can be agitated by the baffle plates 331 and 332 as the container 13 rotates. Thereby, substantially the same effect as the previous embodiment can be obtained.
[0054]
[4] Other Embodiments The three embodiments of the present invention have been described in detail above. However, the present invention is not limited to the embodiment described above.
[0055]
(1) For example, in the previous embodiment, the case where the CO concentration in the furnace 11 is set to a value corresponding to the target value of the carbon concentration in the raw material melt 41 during the stirring period of the sealant melt 42. explained. However, the present invention may be set to a value larger than this corresponding value. According to such a configuration, the time for the carbon concentration in the raw material melt 41 to achieve the target value can be shortened from the previous embodiment.
[0056]
(2) In the present invention, the CO concentration in the furnace 11 may be set to a value smaller than the corresponding value. Even with such a configuration, according to the present invention, the CO concentration in the sealant melt 42 can be made higher than the CO concentration in the furnace 11. Thereby, depending on the value of the CO concentration in the furnace 11, it is possible to shorten the time for the carbon concentration in the raw material melt 41 to achieve the target value.
[0057]
(3) Further, according to the present invention, the CO concentration in the furnace 11 may be not only maintained at a constant value but also changed during the stirring period. For example, at the beginning of the agitation period, the CO concentration in the furnace 11 may be made higher than the corresponding value, and thereafter gradually lowered or kept at a constant value lower than the initial value. . According to such a configuration, after the carbon concentration in the raw material melt 41 is quickly raised to the vicinity of the target value, it can be gradually converged to the target value.
[0058]
(4) In addition, the present invention can be variously modified and implemented without departing from the scope of the invention.
[0059]
【Example】
Here, more specific examples of the present invention and comparative examples thereof will be described.
[0060]
(1) Example In this example, first, a crystal production material (starting material) was placed in a crucible 12. In this case, Ga4000g and As4400g were accommodated as crystal raw materials. Moreover, the liquid sealing agent was accommodated as sealing agent. As this liquid sealant, B 2 O 3 having a water content of 200 ppm was accommodated. Thereafter, the crucible 12 was accommodated in a container 13 in the furnace 11. Thereafter, the atmosphere gas in the furnace 11 was replaced with pure Ar gas, and the pressure in the furnace 11 was increased to 37 kgf / cm 2 or more with this pure Ar gas. Thereafter, the crystal manufacturing material was heated by the heater 16 to produce a sealant melt 42 and to synthesize Ga and As to produce a raw material melt (GaAs melt) 41. Thereafter, CO gas was introduced into the furnace 11 and the CO concentration in the furnace 11 was set to 10,000 ppm.
[0061]
After that, the sealing blade melt 211 was stirred by immersing the stirring blade portion 211 of the stirring jig 21 in the sealing agent melt (B 2 O 3 melt) 42 and rotating it. In this case, in order to increase the stirring efficiency, the stirring jig 21 was alternately rotated in the opposite direction, and the crucible 12 was rotated at 5 to 50 rpm. By this stirring, the carbon concentration of the raw material melt 41 could be set to the target value. As a result, the time for setting the carbon concentration of the raw material melt 41 to the target value can be shortened from several hours to several tens of hours, compared with the case where stirring is not performed.
[0062]
Thereafter, the seed crystal 19 was lowered while the stirring jig 21 was retracted to the top, and brought into contact with the raw material melt 41. Thereafter, the seed crystal 19 was raised at 1 to 20 mm / hr, rotated at 3 to 10 rpm, and the crucible 12 was rotated at 5 to 50 rpm. As a result, a GaAs single crystal 43 having a diameter of 80 mm and a length of 260 mm was grown at a growth rate of 1 to 20 mm / hr. This GaAs single crystal 43 is shown in FIG.
[0063]
In this case, the CO concentration in the furnace 11 was gradually increased during the growth of the crystal 43 so that a carbon concentration of 2 to 3E + 15 cm −3 was set over the entire area of the GaAs single crystal 43.
[0064]
FIG. 7 is a characteristic diagram showing the measurement result of the carbon concentration in the GaAs single crystal 43 manufactured according to this example. In FIG. 7, the horizontal axis indicates the distance from the upper end of the formed GaAs single crystal 34 (unit: mm), and the vertical axis indicates the carbon concentration (unit: ppm). The characteristic curve C2 shows the measurement result of the carbon concentration in the GaAs crystal 43. As illustrated, in this embodiment, a carbon concentration of about 2 to 3E + 15 cm −3 is set over the entire area of the GaAs single crystal 31.
[0065]
(2) Comparative Example This comparative example is substantially the same as the above-described example except that the stirring process is not performed and the reaction time is about four times longer than the above-described example.
[0066]
FIG. 8 is a diagram showing the measurement result of the carbon concentration in the GaAs single crystal 43 manufactured according to this comparative example in the same manner as FIG. As shown in the figure, in this comparative example, the carbon concentration is lower than the target value at the upper part of the GaAs single crystal 43 (the part from the upper end to about 100 mm) even though the reaction time is set to four times that of the example. It was. Thereby, in this comparative example, the GaAs single crystal 43 having a carbon concentration of 2 to 3E + 15 cm −3 from the upper part to the lower part could not be obtained.
[0067]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the method for producing a GaAs single crystal according to claim 1 or 2 and the apparatus for producing a GaAs single crystal according to claim 3 or 4, the GaAs single crystal is grown after the crystal raw material is melted. Before, the sealant melt is stirred while supplying the CO gas into the high-pressure pulling furnace. Thereby, even when a high carbon concentration is required as the carbon concentration in the crystal, a GaAs single crystal in which the carbon concentration in the upper part of the crystal is set to the target value can be manufactured in a short time.
[0068]
According to the GaAs single crystal of claim 5, a GaAs single crystal having a uniform carbon concentration from the top to the bottom of the crystal can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a configuration of a first embodiment of a GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining a stirring process according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram for explaining crystal growth processing according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing a configuration of a second embodiment of a GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention.
FIG. 5 is a sectional view showing a configuration of a third embodiment of a GaAs single crystal manufacturing apparatus according to the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing the size of a GaAs single crystal manufactured according to an embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a characteristic diagram showing carbon concentration in a GaAs single crystal manufactured according to an embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a characteristic diagram showing a carbon concentration in a GaAs single crystal manufactured by a comparative example compared with an embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 ... High pressure pulling furnace, 12 ... Crucible, 13 ... Container, 14 ... Crucible shaft, 15, 20, 22, 32 ... Rotary lift mechanism, 16 ... Heater, 17 ... Heat insulating material, 18 ... Crystal axis, 19 ... Seed crystal, 21, 31, 33 ... stirring jig, 23 ... gas introduction pipe, 24 ... exhaust pipe, 25 ... CO concentration meter.

Claims (2)

るつぼに収容された結晶原料と封止剤とを炉内で加熱することによって融解し、原料融液を封止剤融液で覆った状態で、前記原料融液に種結晶を接触させて、前記原料融液を回転させつつ引き上げながら冷却固化することによってGaAs単結晶を製造する方法であって、前記結晶原料が融解した後、前記GaAs単結晶を引き上げる前に、前記炉内に一酸化炭素ガスを供給し、この状態で、前記封止剤溶液を攪拌羽で攪拌することにより、一酸化炭素を前記封止剤融液へ混入させ、前記封止剤融液から原料融液への炭素の移動を促進させた後、攪拌羽を上部に待避させつつ種結晶を降下させて原料融液に種結晶を接触させることを特徴とするGaAs単結晶の製造方法。Melting the crystal raw material and the encapsulant contained in the crucible by heating in a furnace, with the raw material melt covered with the encapsulant melt, bringing the seed crystal into contact with the raw material melt, A method of manufacturing a GaAs single crystal by cooling and solidifying while pulling up the raw material melt, and after the crystal raw material is melted, before the GaAs single crystal is pulled up, carbon monoxide in the furnace Gas is supplied, and in this state, the sealant solution is stirred with a stirring blade, so that carbon monoxide is mixed into the sealant melt, and carbon from the sealant melt to the raw material melt is mixed. A method for producing a GaAs single crystal, wherein the seed crystal is lowered while the stirring blade is retracted to the upper part and the seed crystal is brought into contact with the raw material melt . 前記GaAs単結晶の炭素濃度が2.0E+15cm−3以上であることを特徴とする請求項1記載のGaAs単結晶の製造方法。2. The method for producing a GaAs single crystal according to claim 1, wherein a carbon concentration of the GaAs single crystal is 2.0E + 15 cm −3 or more.
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