以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について説明する。先ず、図1〜2には、本発明の物干し台設置具に係る第一の実施形態としての物干し台設置具10が物干し台12に取り付けられて、物干し台12が地盤14に設置された状態が示されている。以下の説明において、特に断りのない限り、上下方向乃至は鉛直方向は、図1中の上下方向をいい、左右方向乃至は水平方向は、図1中の左右方向をいう。
より詳細には、物干し台設置具10は、係止部分16と一対のアンカー部分18,18を含んで構成されている。これら係止部分16とアンカー部分18が、円形や多角形等の各種形状の断面で延びる棒状の剛性材を用いて形成されている。剛性材としては、例えば鋼やステンレス鋼等の金属材料やFRP等の合成樹脂材料が採用され、特に本実施形態では、異形棒鋼が用いられていることによって、係止部分16およびアンカー部分18の外周面が全体に亘って凹凸形状を呈している。
さらに、係止部分16は、左右方向に長手状に延びる基台用係止部20と、基台用係止部20の両端部分からそれぞれ下方に向かって所定の角度で傾斜して延びる第一連結部22,22と、各第一連結部22の下方端部と接続されて下方に延びる第二連結部24,24とを、含んで構成されている。本実施形態では、基台用係止部20と一対の第一連結部22,22が一体形成されていると共に、それら基台用係止部20及び第一連結部22の一体構造物と一対の第二連結部24,24が、互いに別体形成されており、第一連結部22の下方端部と第二連結部24は、溶接やボルト等の他の固定部材を用いて固定されている。要するに、係止部分16は、基台用係止部20や各一対の第一及び第二連結部22,24が協働して門形状を有する異形棒鋼で形成されている。
また、基台用係止部20および第一連結部22の全体と第二連結部24における第一連結部22との接続部位から下方に所定の長さで延びる部分には、被覆部材としての薄肉のカバー部材26が被着形成されている。カバー部材26には、ポリエチレンやポリエステル等の各種の合成樹脂材料が採用される。なお、カバー部材26が、異形棒鋼からなる係止部分16の外周面に密着した状態で覆うように設けられていることで、カバー部材26の外周面が、係止部分16の外周面の形状に沿った凹凸形状を有している。
一方、アンカー部分18は、第二連結部24の下端部と一体形成されて該下端部から下方に延びていることによって、基台用係止部20と略直交する方向に延びており、特に本実施形態では、一対のアンカー部分18,18が互いに略平行に延びている。このことからも明らかなように、アンカー部分18が基台用係止部20及び第一連結部22,22の一体構造物と別体形成されており、アンカー部分18と一体形成された第二連結部24,24が第一連結部22,22と連結されることで、アンカー部分18が、連結部としての各第一及び第二連結部22,24を介して基台用係止部20と連結されている。
なお、本実施形態において、基台用係止部20や第一及び第二連結部22,24、アンカー部分18が、全体に亘って略同じ大きさの断面形状で延びていると共に、基台用係止部20及び第一連結部22と第二連結部24及びアンカー部分18が互いに別体形成されていたが、例えば、要求される地盤14への固定力や物干し台12への設置性、製作性等に応じて、基台用係止部や第一及び第二連結部、アンカー部分が一体形成されたり、各部位における断面の形状や大きさをそれぞれ異ならせたりすることも勿論可能である。
このような構造とされた物干し台設置具10は、例えば図1〜3に示される如き物干し台12に取り付けられるようになっている。物干し台12には、公知のものが採用可能であることから、その詳細な説明は省略するが、物干し台12は、支柱28と基台30を含んで構成されている。
支柱28は、ステンレス鋼等の剛性材からなり、中空乃至は中実の一本の棒状若しくは複数本の棒を束ねた形状を呈している。支柱28の一方(図3中、上)の端部側には、支柱28から軸直角方向に突出して、支持部32が設けられている。この支持部32は、上方に向かって凹状に開口する凹所の底部に棒材を載置して支持せしめたり、或いは軸直角方向に開口する孔に棒材を挿通して孔の周縁部に載置して支持せしめたりすることが可能な構造とされている。
基台30は、平面視が長手状の略矩形状を有していると共に、コンクリート製や金属製等の固形物若しくは合成樹脂製の中空の容器に水等が入れられた構造等の重量物からなる。特に、基台30の軸方向(図1,3中、上下)の上端に位置する天端面34が、軸方向中間部分乃至は下端部分の平面の大きさよりも小さな略矩形状を呈していると共に、天端面34の周縁部と接する四方の面が、天端面34から軸方向中間部分の側面に向かって傾斜していることで、基台30が、上部から下部に向かって次第に寸法が大きくなる台形状を有している。
天端面34の周縁部と接する四方の面において、天端面34を挟んで基台30の長手方向(図1,2中、左右)で対向位置せしめられた一対の傾斜面が、第一傾斜面36,36とされていると共に、かかる長手方向に直交する方向(図2中、上下)で対向位置せしめられた一対の傾斜面が、第二傾斜面38,38とされている。第一及び第二傾斜面36,38は、上部から下部に向かって幅寸法が次第に大きくなる台形状を有しており、第一傾斜面36の幅寸法が第二傾斜面38の幅寸法に比して小さくされているが、本実施形態に係る基台はこれに限定されるものでなく、例えば基台が平面視正方形状を有していることに基づき、第一及び第二傾斜面が全て同じ大きさとされていたり、或いは前述の第一傾斜面または第二傾斜面に相当する部分が、基台の側面と平行に延びるストレートな面とされていても良い。
また、基台30の中央部分、望ましくは重心部分には、軸方向中間部分から軸方向に延びて天端面34に開口する凹所40が形成されている。凹所40の軸直角方向断面は、支柱28の軸直角方向断面よりも大きくされている。この凹所40に支柱28の他方(図1,3中、下)の端部が差し込まれて支持されることで、支柱28が基台30の天端面34から上方に突出するように設けられており、基台30の下端部が水平方向に広がる地盤14に載置されることによって、支柱28が略鉛直方向に延びる形態で、支柱28の支持部32が地盤14から所定の高さ位置に保持されるようになっている。
例えば図3にも示されているように、かかる物干し台12の一対が水平方向に所定距離を隔てて地盤14に載置されると共に、長手棒状の物干し竿42の両端付近が各物干し台12の支持部32に支持されることにより、物干し竿42が、支柱28の軸直角方向と略平行に延び、且つ地盤14から所定の高さ位置(例えば、1〜2m)で水平方向に延びる状態が維持されるようになっている。特に本実施形態では、かかる物干し竿42の物干し台12への取り付け下、物干し竿42の長手方向(軸方向)が、物干し台12の基台30の長手方向に直交する方向と略平行に延びている。
ここで、支柱28の下端部分を支持せしめた基台30における天端面34の当該支持部分(凹所40)を挟んだ幅方向一方(例えば図2中、下)の側において、物干し台設置具10における係止部分16の基台用係止部20が基台30の長手方向(図2中、左右)と略平行に延びていると共に、物干し台設置具10の一対のアンカー部分18,18が、基台30を長手方向に跨いでおり、且つそれぞれ略鉛直方に延びている。而して、各アンカー部分18が上方から地盤14に打設されて、地中に埋入固着されていると共に、基台用係止部20が、カバー部材26を介して基台30の天端面34に重ね合わせられている。また、係止部分16の第一連結部22が基台30の第一傾斜面36に沿って延びるようにして第一傾斜面36の上方に離隔配置されていると共に、係止部分16の第二連結部24が、基台30の長手方向端部側の側面から僅かに長手方向外方に離隔した位置で鉛直方向に延びている。即ち、物干し台設置具10の第二連結部24およびアンカー部分18の長さ寸法が基台30の高さ方向(図1,3中、上下)の寸法に比して十分に大きくされていることに基づき、物干し台設置具10の高さ寸法が、基台30の高さ寸法に比して十分に大きくされていると共に、一対のアンカー部分18,18乃至は一対の第二連結部24,24の離隔距離が基台30の長手寸法よりも僅かに大きくされていることによって、物干し台設置具10の幅方向(図1,2中、左右)の寸法が、基台30の長手寸法よりも僅かに大きくされているのである。
これにより、基台用係止部20が各一対の第一及び第二連結部22,24を介して一対のアンカー部分18,18で地盤14に固定されることとなり、この基台用係止部20に重ね合わせられた基台30が、アンカー部分18の地盤14への固定力を利用して基台用係止部20に係止されて、基台30の変位が制限されるようになっている。
特に本実施形態に係る物干し台設置具10は、基台用係止部20の長手方向(軸方向、図2中、上下)やアンカー部分18の長手方向(軸方向、図1中、上下)がが物干し竿42の軸直角方向と略平行に延びるようにして、物干し台設置具10が物干し台12に設置されている。また、基台用係止部20が、支柱28の下端部分を支持せしめた基台30における天端面34の当該支持部分(凹所40)を挟んだ幅方向一方(図2中、下)の側において、支柱28の基台30から突出する部位に支柱28の軸直角方向外方から重ね合わせられている。
上述の如き構造とされた物干し台設置具10が設置された物干し台12では、物干し竿42に吊り下げられる図示しない洗濯物等に例えば図3中、左右方向から風圧力が及ぼされると、物干し竿42が当該方向に変位する力が作用せしめられることに基づき、物干し竿42を支持する支柱28の支持部32が基台30を中心に回転する方向のモーメントが生ぜしめられて、物干し台12が地盤14に倒れる方向に変位する力がはたらく。
そこにおいて、物干し台12の基台30が物干し台設置具10を介して地盤14に固定的に支持されていることによって、基台30の地盤14に対する変位が抑えられるようになっている。
すなわち、基台用係止部20が基台30の天端面34の長手方向に沿って重ね合わせられ、且つアンカー部分18,18が基台30の長手方向両端部付近の地盤14に打ち込まれていることによって、全体として門形状を有する物干し台設置具10で基台30を囲うようにして、物干し台設置具10が物干し台12に設置されている。このことから、基台30が長手方向や長手方向に直交する方向に揺動したり、基台30が地盤14から離隔する方向に力が生ぜしめられても、アンカー部分18の地盤14に対する固定力に基づいて、基台用係止部20で天端面34が押さえ付けられる状態が保持されていることにより、基台30の揺動や地盤14から離隔する変位が抑えられるのである。
しかも、基台用係止部20が基台30から突出する支柱28に対して支柱28の軸直角方向外方から重ね合わせられて、基台30の長手方向に直交する方向で重ね合わせられていることによって、基台30と支柱28若しくは基台30との間におけるかかる直交方向の遊びも殆ど生ぜしめられないようになっていることから、基台30の変位が一層抑えられるようになっている。
また、特に、係止部分16の基台用係止部20が基台30の天端面34上に重ね合わせられて配設されていると共に、アンカー部分18が基台30の長手方向両端から僅かに外方の外周部分の地盤14に打設されていることによって、物干し台設置具10の物干し台12から外方への突出が抑えられている。その結果、物干し台設置具10の地盤14に対する設置スペースの小形化が有利に図られ得る。
加えて、本実施形態では、基台用係止部20を基台30の上方から被せるようにして天端面34に重ね合わせると共に、アンカー部分18を基台30の周りの地盤14に打設することによって、物干し台設置具10を物干し台12に取り付けることが可能であり、それによって、物干し台12への取り付けが容易である。これにより、新たに地盤に設置される基台は勿論のこと、既に地盤に設置されている既存の基台に対しても容易に取り付けることが出来る。
それ故、本実施形態に係る物干し台設置具10を備えた物干し台12においては、物干し台12の転倒防止効果が有利に発揮され得ると共に、地盤12に対する設置スペースの小形化が有利に図られ得ることに加え、既存の基台(30)にも有利に適用され得るのである。
また、本実施形態では、物干し台設置具10の物干し台12への取り付け状態下、外部に露出する基台用係止部20や第一連結部22、第二連結部24がカバー部材26で覆われていることによって、耐蝕性が向上されることに加え、物干し台設置具10が基台30に当接する際に、カバー部材26で当接部分の傷付きが防止されることとなり、物干し台設置具10および物干し台12の双方の耐久性が有利に向上され得る。
さらに、本実施形態では、物干し台設置具10における係止部分16とアンカー部分18が異形棒鋼を用いて形成されていることによって、優れた剛性を有する物干し台設置具10が簡単な構造で有利に実現され得る。また、異形棒鋼の凹凸形状で、アンカー部分18の外周面と地盤14の接触面積が増大し、アンカー部分18の固定力の更なる向上が図られ得る。加えて、薄肉のカバー部材26で覆われた基台用係止部20の外周面も凹凸形状とされることとなり、かかる凹凸形状の外周面が基台30の天端面34に引っ掛けるように重ね合わせられることで、基台用係止部20の基台30に対する係止力の更なる向上が図られ得る。
次に、図4には、本発明の物干し台設置具に係る第二の実施形態としての物干し台設置具50が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。なお、以下の設明において、前記実施形態と実質的に同一の構造とされた部材および部位については、図中に前記実施形態と同一の符号を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
詳細には、物干し台設置具50における係止部分52が、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状の剛性材を用いて形成されていることによって、十分な強度が確保されつつ、変形が比較的に容易とされている。また、係止部分52の両端部分には、それぞれリング状の挿通部51が固着されていると共に、異形棒鋼等の棒状の剛性材からなるアンカー部分54が各挿通部51に挿通されてアンカー部分54のヘッド部が係止されることにより、一対のアンカー部分54,54が係止部分52に連結されている。なお、アンカー部分54と係止部分52は、かかる挿通部51を用いずに、係止部分52の端部をアンカー部分54に巻き付ける等して、溶接や接着剤等で直接に固定されても良い。
このような物干し台設置具50においては、係止部分52が、基台30の天端面34や第一傾斜面36等の形状に沿うように変形して、それらの面に重ね合わせられると共に、アンカー部分54,54が、基台30の外周部分の地盤14に打設されることによって、物干し台12に取り付けられるようになっている。特に本実施形態では、アンカー部分54が鉛直方向に対して所定の角度で傾斜して延びる状態で地盤14に打設されている。
これにより、本実施形態に係る物干し台設置具50によれば、例えば、係止部分52を基台30の天端面34や第一傾斜面36等に隙間なく重ね合わせる必要がある場合において、係止部分52の変形特性を活かしてそれらの形状に沿うように重ね合わせることが可能となり、係止部分52の形状をそれらの形状に厳密に沿うように形成する手間が省かれることから、製造の容易化が有利に図られ得る。
次に、図5には、本発明の物干し台設置具に係る第三の実施形態としての物干し台設置具60が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
詳細には、物干し台設置具60における係止部分62が、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状の剛性材の複数を用いて、変形容易な網構造とされている。また、係止部分62の大きさが、地盤14に載置された基台30の外部に露出する、天端面34や第一及び第二傾斜面36,38を含んでなる基台30の上面よりも一回り大きくされている。また、係止部分62の外周部分が、周方向に連続して延びる細線形状の剛性材によって、環状に縁取られている。
この係止部分62が基台30の上面の全体を覆うように配設されていると共に、支柱28が係止部分62の中央部分の網の目に挿通されている。また、係止部分62の環状の外周部分が基台30の外周部分の地盤14に重ね合わせられていると共に、複数のアンカー部分64が係止部分62の外周部分に周方向に所定距離を隔てて配されて、地盤14に固定される。かかるアンカー部分64は、ペグやハーケン等の鉤状の金具からなり、係止部分62の外周部分の細線を内側に入れ込んだ状態で、地盤14に打設されることによって、係止部分62と連結され、且つ係止部分62を地盤14に固定するようになっている。これにより、本実施形態に係る物干し台設置具60が物干し台12に取り付けられる。
なお、本実施形態では、支柱28の係止部分62の挿通が、係止部分62の網の目を利用して行われているが、例えば係止部分62に固着した特別なリング形状の部材等に支柱を挿通させることも可能である。
このような構造とされた物干し台設置具60においては、係止部分62が基台30の上面の略全体を覆うようにして配設されていることによって、物干し台設置具60の基台30に対する接触部位が大きくなり、更にアンカー部分64が基台30の外周部分の複数箇所に打設されている。これにより、係止部分62が基台30に一層確実に係止されて、物干し台12の転倒防止効果が一層有利に発揮され得る。
しかも、基台30から突設される支柱28が係止部分62の中央部分に挿通されていることで、係止部分62が支柱28にも係止されることとなり、係止作用の更なる向上が図られ得るのである。
次に、図6には、本発明の物干し台設置具に係る第四の実施形態としての物干し台設置具70が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
詳細には、物干し台設置具70における係止部分72が、支柱嵌合リング74と複数の連結部76を含んで構成されている。支柱嵌合リング74は、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状乃至は板状の剛性材を用いて形成されており、支柱28の太さよりも一回り大きなリング形状を呈している。
一方、連結部76は、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状の剛性材からなり、一方の端部が支柱嵌合リング74に連結されていると共に、他方の端部がアンカー部分54に連結されている。本実施形態では、4つの連結部76が、支柱嵌合リング74の周方向に略等間隔に設けられている。
このような構造の物干し台設置具70においては、係止部分72の支柱嵌合リング74が支柱28に外挿されると共に、各連結部76が基台30の天端面34から四方の第一傾斜面36,36や第二傾斜面38,38に沿って重ね合わせられるようになっており、更に各連結部76と連結されたアンカー部分54が地盤14に打設されることで、物干し台12に設置されるようになっている。
従って、本実施形態に係る物干し台設置具70では、係止部分72が支柱28と基台30にそれぞれ対応した形状の支柱嵌合リング74と連結部76を含んで構成されていることから、優れた係止作用が効率良く発揮され得る。
次に、図7には、本発明の物干し台設置具に係る第五の実施形態としての物干し台設置具80が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
本実施形態の物干し台設置具80における係止部分82では、前記第四の実施形態の支柱嵌合リング74に代えて基台嵌合リング84が採用されている。基台嵌合リング84は、リング状を有する金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる剛性材を用いて形成されていると共に、その内径寸法が、基台30の天端面34よりも大きくされ、且つ基台30の各一対の第一傾斜面36,36と第二傾斜面38,38における各軸方向中間部分の幅寸法を合計した値よりも小さくされている。この基台嵌合リング84に対して4つの連結部76,76,76,76が周方向に略等間隔に連結されている。
このような構造の物干し台設置具80においては、係止部分82の基台嵌合リング84が基台30の天端面34から基台30を軸方向に挿通して、基台30の第一及び第二傾斜面36,38の各軸方向中間部分に重ね合わせられていることにより、基台嵌合リング84が基台30を嵌め込んだ形態で基台30に係止されている。また、各連結部76が基台嵌合リング84から四方の第一傾斜面36,36や第二傾斜面38,38に沿って重ね合わせられるようになっており、更に各連結部76と連結されたアンカー部分54が地盤14に打設されることで、物干し台設置具80が物干し台12に設置されるようになっている。
従って、本実施形態に係る物干し台設置具80では、基台嵌合リング84と複数の連結部76を含んでなる係止部分82によって基台30により確実に係止されていることから、転倒防止効果の更なる向上が図られ得る。
次に、図8には、本発明の物干し台設置具に係る第六の実施形態としての物干し台設置具90が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
詳細には、物干し台設置具90における係止部分92が、両用係止部94と一対の連結部96,96を含んで構成されている。両用係止部94は、図9にも拡大して示されているように、軸方向に略一定の断面形状で延びる筒状部98と筒状部98の一方(図9中、上)の端部から軸直角方向外方に広がる鍔状部100を含んで構成されており、鋼材等の金属材や硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。
筒状部98の外周面は基台30の凹所40の周壁面に対応した形状とされており、筒状部98の外形寸法が凹所40の内法寸法よりも僅かに小さくされている一方、筒状部98の内周面は支柱28の外周面に対応した形状とされており、筒状部98の内法寸法が、支柱28の外形寸法よりも僅かに大きくされている。
このような筒状部98が支柱28と基台30の凹所40の間の隙間を利用して嵌め込まれており、筒状部98が凹所40に内挿されると共に、支柱28に外挿されている。
また、両用係止部94の鍔状部100が基台30の凹所40まわりの天端面34に重ね合わせられている。更に、鍔状部100には、中央を挟んで軸直角方向一方向で対向位置せしめられるようにして一対の通孔102,102が形成されていると共に、基台30において各通孔102と軸方向で対向位置せしめられた部位には、天端面34に向かって開口する係止穴104が設けられている。
一方、係止部分92における連結部96は、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状の剛性材からなり、その一方の端部には、軸方向(図8,9中、上下)に延びる係止ピン106が形成されていると共に、他方の端部がアンカー部分54に連結されている。
そして、各連結部96の係止ピン106が、両用係止部94の鍔状部100の各通孔102を通じて基台30の係止穴104に差し込まれて係止されると共に、連結部96が基台30の天端面34から第一乃至は第二傾斜面36,38に沿って延びており、更にアンカー部分54が基台30の外周部分の地盤14に打設されるようになっている。これにより、両用係止部94および一対の連結部96,96からなる係止部分92と一対のアンカー部分54,54を含んでなる物干し台設置具90が、物干し台12に取り付けられるようになっている。
本実施形態に係る物干し台設置具90においては、両用係止部94で基台30と支柱28が相互に係止されていることから、部品点数の増加を抑えつつ、目的とする転倒防止効果が一層安定して得られるようになっている。
なお、本実施形態では、連結部96の係止ピン106が、鍔状部100の通孔102を貫通して基台30に形成された係止穴104に係止されるようになっていたが、これに限定されるものでなく、例えば係止穴を基台30に設けずに、厚さ寸法が大きくされた鍔状部に形成することによって、連結部が両用係止部にだけ係止されるようにしても良い。
次に、図10には、本発明の物干し台設置具に係る第七の実施形態としての物干し台設置具110が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
本実施形態の物干し台設置具110における係止部分112が、前記第六の実施形態に係る一対の連結部96,96を含んで構成されており、各連結部96の一方の端部に形成された係止ピン106が、支柱28と基台30の凹所40の間の隙間に差し込まれて係止されるようになっている。
このような物干し台設置具110では、簡単な構造で支柱28および基台30に係止される係止部分112が実現されることとなり、製造コストの削減化等が一層有利に図られ得る。
次に、図11には、本発明の物干し台設置具に係る第八の実施形態としての物干し台設置具120が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
詳細には、物干し台設置具120における係止部分122が、支柱用係止部124と一対の連結部126,126を含んで構成されている。支柱用係止部124は、周方向に連続して延びる環状の板形状を有していると共に、鋼材等の金属材や硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。支柱用係止部124の内法寸法が、支柱28の外形寸法よりも大きくされていると共に、凹所40の内法寸法と同じかそれよりも大きくされている。
また、支柱用係止部124には、中央を挟んで軸直角方向一方向で対向位置せしめられるようにして一対の係止ピン128,128が上方に向かって突設されている。
一方、係止部分122における連結部126は、金属材や合成樹脂材、天然樹脂材等からなる細線状の剛性材からなり、その一方の端部には、環状の係止リング130が形成されていると共に、他方の端部がアンカー部分54に連結されている。
そして、支柱用係止部124が、基台30の凹所40まわりの天端面34に重ね合わせられてボルトや接着剤等で固定されていると共に、支柱28に外挿されている。また、各連結部126の係止リング130が、支柱用係止部124の各係止ピン130に掛けられて係止されると共に、連結部126が基台30の天端面34から第一乃至は第二傾斜面36,38に沿って延びており、更にアンカー部分54が基台30の外周部分の地盤14に打設されるようになっている。これにより支柱用係止部124および一対の連結部126,126からなる係止部分122と一対のアンカー部分54,54を含んでなる物干し台設置具120が、物干し台12に取り付けられるようになっている。
本実施形態に係る物干し台設置具120においては、基台30に固定された支柱用係止部124に支柱28が内挿状態で係止されるようになっていることから、支柱28の基台30に対する支持安定性がより向上されて、目的とする転倒防止効果が一層安定して得られるようになっている。
次に、図12には、本発明の物干し台設置具に係る第九の実施形態としての物干し台設置具140が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
本実施形態の物干し台設置具140における係止部分142が、支柱用係止部としての複数の係止ピン144と、例えば前記第八の実施形態に記載のものと同様な部材からなる複数の連結部126を含んで構成されている。本実施形態では、係止ピン144と連結部126が各一対設けられている。
係止ピン144は、軸方向に略一定の断面或いは先細状等の各種形状をもって延びる棒状乃至は板状とされ、且つその一方の端部である外方突出側の端部が軸直角方向に向かってカギ状に折り返して屈曲又は湾曲した形状を有している。この係止ピン144は、硬質の部材であって、例えば鋼材等の金属材や硬質の合成樹脂材を用いて形成されるのが望ましい。このような係止ピン144の軸方向他方の端部が、基台30の天端面34から上方に離隔した所定の高さ位置で支柱28に固定されており、係止ピン144における軸方向一方の端部の屈曲した部分が、支柱28から略軸直角方向外方に突出し、且つ上方に向かって延びている。
係止ピン144と支柱28の固定手段としては、例えば、支柱28において外周面に開口する固定用穴に係止ピン144の軸方向端部を差し込んで溶接や接着剤等を用いて固着したり、係止ピン144の外周面と支柱28の固定用穴の内周面に螺子溝を設けて、係止ピン144を固定用穴に螺着固定したりすること等が、好適に採用される。
また、本実施形態では、一対の係止ピン144,144が、基台30の天端面34から略同じ高さ位置で、支柱28の中心軸を挟んだ径方向一方向でそれぞれ径方向外方に延びるように固定されているが、例えば複数の係止ピンを支柱の高さ方向でそれぞれ異なる位置に固定したり、3つ以上の係止ピンを支柱の周方向に所定距離を隔てて固定したりしても良い。
そして、各連結部126の中間部分が基台30の第一乃至は第二傾斜面36,38に沿って延びており、連結部126の一方の端部に設けられた係止リング130が、各係止ピン144の上方に延びる突出部分に掛けられて係止されると共に、連結部126の他方の端部に設けられたアンカー部分54が、基台30の外周部分の地盤14に打設されるようになっている。即ち、各連結部126の係止リング130側の端部が、基台30の天端面34よりも上方に位置せしめられて、係止ピン144を介して支柱28に係止されていることにより、係止ピン144や連結部126を含んでなる係止部分142において支柱28側に係止される部位が、基台30の天端面34から所定の高さだけ鉛直上方に位置して設けられている。
このような構造とされた物干し台設置具140においては、係止部分142の支柱28側に係止される部位が、基台30の天端面34から所定の高さ位置に設けられていることによって、アンカー部分54の地盤14への固定力が物干し台12の転倒防止方向のモーメントとしてより有効に作用する。
なお、本発明はかかる実施形態の構造に限定されるものでなく、例えば、一対の係止ピン144,144を直線的に延びるロッド状に一本形成して、支柱28に貫設した径方向孔に挿通し、その両端部を支柱28から外方に突出させて、そこに各連結部126,126の先端を係止しても良い。或いは、中空パイプ構造の支柱28の周壁部に貫通孔を形成すると共に、この貫通孔に対して連結部126の先端を挿し入れて貫通孔からの抜け出しを阻止する引っ掛かりを設けること等によって、連結部126の先端を直接に支柱28に係止しても良い。この場合には、支柱28の貫通孔と抜け出しを阻止する引っ掛かり等によって係止部分が構成される。また、支柱28に貫設した径方向孔にワイヤ等の連結部126を挿通したり、或いは支柱28の外周面にワイヤ等の連結部126を巻き付けたりすることで、連結部126を支柱28に対して直接に係止することも可能である。この場合には、連結部126の支柱28に対する挿通構造や巻き付け構造によって係止部分が構成される。
次に、図13には、本発明の物干し台設置具に係る第十の実施形態としての物干し台設置具150が、物干し台12に取り付けられた状態が示されている。
本実施形態の物干し台設置具150における係止部分152が、支柱用係止部154と前記第六の実施形態に記載のものと同様な部材からなる複数(本実施形態では4つ)の連結部96を含んで構成されている。支柱用係止部154は、周方向に連続して延びる環状を有しており、好適には鋼材等の金属材や硬質の合成樹脂材を用いて形成されている。支柱用係止部154の内径寸法が、支柱28の外径寸法よりも大きくされている。また、支柱用係止部154には、厚さ方向に貫通する挿通孔156の複数が周方向に所定距離を隔てて設けられている。
また、支柱28の外周面における基台30の天端面34から上方に離隔した所定の高さ位置には、位置決め凸部158が突設されている。位置決め凸部158には、支柱28にボルト固定されるボルト構造や、支柱28の凹所に差し込まれるピン構造の他、溶接やリベット等で取り付けられた突出部等が採用される。
支柱用係止部154が、支柱28の上方の端部から挿入されたり、或いは周方向で分割されたものが支柱28の径方向外方から支柱28を囲うように組み付けられて環状とされる等して、支柱28の位置決め凸部156に上方から重ね合わせられている。これにより、支柱用係止部154が基台30の天端面34から上方に離隔した所定の高さ位置に設けられている。
そして、各連結部96の中間部分が基台30の第一乃至は第二傾斜面36,38に沿って延びており、連結部96の一方の端部に設けられた係止ピン106が、支柱用係止部156の各挿通孔156に挿通されて係止されると共に、連結部96の他方の端部に設けられたアンカー部分54が、基台30の外周部分の地盤14に打設されるようになっている。即ち、本実施形態に係る係止部分152の支柱28側に係止される部位が、前記第九の実施形態と同様に、基台30の天端面34から所定の高さ位置に設けられている。
その結果、本実施形態に係る物干し台設置具150においては、係止部分152の支柱28側に係止される部位が、基台30の天端面34から所定の高さ位置に設けられていることによって、アンカー部分54の地盤14への固定力が物干し台12の転倒防止方向のモーメントとしてより有効に作用する。
特に本実施形態では、係止部分152の支柱28側への係止部分152に環状の支柱用係止部154を設けて、周方向に複数の連結部96を連結して地盤14に固定するようにしたことから、支柱28の地盤14に対する支持安定性が一層向上される。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、これら実施形態における具体的な記載によって、本発明は、何等限定されるものでなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様で実施可能であり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
例えば、前記実施形態では、物干し台設置具が各物干し台に一つずつ設けられていたが、二つ以上設けることも可能である。物干し台設置具を二つ以上設ける場合には、全て同じ構造のものを用いても良いし、或いは、第一乃至第八の実施形態その他の本発明の技術的範囲に含まれる形態の物干し台設置具を適宜に組み合わせて採用しても良い。