JP4090985B2 - マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置 - Google Patents

マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置 Download PDF

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Description

本発明は、マグネトロンプラズマ用磁場発生装置に関し、特に、半導体ウエハ等の被処理基板にエッチング等のプラズマ処理を施すためのマグネトロンプラズマ処理装置に用いる磁場発生装置に関する。
半導体装置の製造分野において、プラズマ処理装置が知られており、プラズマ処理装置により、処理室内にプラズマを発生させ、このプラズマを処理室内に配置した被処理基板(例えば、半導体ウエハ等)に作用させることで、所定の処理、例えば、エッチング、成膜等が行われている。
このようなプラズマ処理装置において、良好な処理を行うためには、プラズマの状態をプラズマ処理に適した良好な状態に維持する必要がある。このため、従来から、マグネトロンプラズマ処理装置の多くは、プラズマを制御するための磁場を形成するための磁場発生装置を具備している。(特許文献1参照)
図6に、従来のマルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置の上面模式図を示す。図6に示すように、このようなマグネトロンプラズマ用磁場発生装置として、被処理面を上方に向けて水平に配置した半導体ウエハ等の被処理基板104の周囲にマルチポール磁場を形成するマルチポール型の磁場発生装置が知られている。(特許文献2参照)マルチポール型磁場発生装置は、処理室の外部に複数の永久磁石102を、その磁化の方向が交互に内向きおよび外向きとなるようにリング状に配置したものである。永久磁石102に描かれた矢印は、各永久磁石の磁化の向きを示している。マルチポール型磁場発生装置は、これにより、被処理基板104の上方には実質的に磁場を形成せずに(または充分に弱い磁場状態にして)、被処理基板104の縁部の周囲にマルチポール磁場(磁場の方向を矢印106で示す)を形成し、プラズマを閉じ込めて、被処理基板上でプラズマ処理を行うことができる。
マルチポール磁場発生装置には、電力を消費する電磁石を用いる例は少なく、永久磁石を使用するのが普通である。また、磁場発生装置はできるだけ小型であることが望まれており、永久磁石には希土類磁石を用いることが多い。しかしながら、希土類磁石は希少な希土類元素を用いるので材料コストが高く、磁場発生装置のコストに占める割合が大きい。
特許2756910号公報 特開2000−306845号公報
本発明は、マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置において、永久磁石の使用量を従来のものより削減することを目的とする。
本発明によると、円周上に配置され、径方向で内向きおよび外向きに交互に磁化された複数の径方向磁化永久磁石セグメントと、該複数の径方向磁化永久磁石セグメントと実質的に同一の円周上であって、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のいずれかに配置された少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントであって、該接線方向磁化永久磁石セグメントの磁化の向きが、接線方向であって、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記外向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントから当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記内向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントへ向かう向きであり、該少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積が、該複数の径方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積に対して、0.3倍以上0.9倍以下である少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントとを含む、マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置が提供される。
以下に詳細に説明するように、本発明によると、マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置において、永久磁石の使用量を従来のものより削減することができるため、装置の低コスト化および小型化が可能である。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施の形態は本発明を限定するものではない。
上記したように、本発明によると、円周上に配置され、径方向で内向きおよび外向きに交互に磁化された複数の径方向磁化永久磁石セグメントと、該複数の径方向磁化永久磁石セグメントと実質的に同一の円周上であって、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のいずれかに配置された少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントであって、該接線方向磁化永久磁石セグメントの磁化の向きが、接線方向であって、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記外向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントから当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記内向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントへ向かう向きであり、該少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積が、該複数の径方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積に対して、0.2倍以上1倍未満である少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントとを含む、マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置が提供される。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる磁場発生装置(マルチポール磁石)10の上面模式図を示す。図2は、第一の実施形態にかかる磁場発生装置10の図1A−A切断線での鉛直方向断面模式図を示す。図1、2には、磁場発生装置10の内側に配置することができる処理室(真空チャンバ)12、および処理室12の内部に配置することができるプラズマ処理装置がさらに示されている。なお、図1では、図面を簡略にするため、図2に示した支持体(架台)13は省略してある。
上記したように、本発明にかかる磁場発生装置は、複数の径方向磁化永久磁石セグメント22aを含む。複数の径方向磁化永久磁石セグメントは、実質的に円周上に配置される。なお、この複数の径方向磁化永久磁石セグメントは、該円周上に均等な間隔で配置されると好ましい。
複数の径方向磁化永久磁石セグメントは、径方向で内向きおよび外向きに交互に磁化されている。この意味において、内向きは、当該径方向磁化永久磁石セグメントから見て、実質的に上記円の中心向きをいい、外向きは、その逆の向きをいう。ここで実質的とは、以下に詳細に説明するように、径方向磁化永久磁石セグメントと下記の接線方向磁化永久磁石セグメントとにより、マルチポール磁場が形成されることを意味する。すなわち、本発明にかかる磁場発生装置は、中心向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントと、その逆向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントとが、交互に円周上に配置される。換言すると、本発明にかかる磁場発生装置の円周上に配置された複数の径方向磁化永久磁石セグメントは、交互に中心向きにN極、S極を向けて配置される。なお、図1において、各磁石セグメントに描かれた矢印は、各磁石セグメントの磁化の向きを示している。
さらに、本発明にかかる磁場発生装置は、少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメント22bを含む。この接線方向磁化永久磁石セグメントは、上記複数の径方向磁化永久磁石セグメントと実質的に同一の円周上であって、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のいずれかに配置される。すなわち、接線方向磁化永久磁石セグメントは、前記外向きの磁化を有する径方向磁化永久磁石セグメントと前記内向きの磁化を有する径方向磁化永久磁石セグメントとの間に配置される。なお、接線方向磁化永久磁石セグメントは、複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のそれぞれに配置されると好ましい。また、接線方向磁化永久磁石セグメントは、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの両隣の径方向磁化永久磁石セグメントとの距離が等しくなるように配置すると好ましい。
接線方向磁化永久磁石セグメントは、接線方向磁化永久磁石セグメントの磁化の向きが、接線方向であって、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の外向きの磁化を有する径方向磁化永久磁石セグメントから当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の内向きの磁化を有する径方向磁化永久磁石セグメントへ向かう向きである。換言すると、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントにより囲まれた磁場発生装置の内部の空間(以下、磁場発生装置の内部空間と記す)、すなわち処理室を配置することができる空間に関して、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の外向きおよび内向きの磁化を有する径方向磁化永久磁石セグメントにより形成される磁場の向きと、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの有する磁場の向きとが同一となる向きに接線方向磁化永久磁石セグメントを配置する。
このように径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントを配置することで、磁場発生装置の内部空間にマルチポール磁場が形成される。すなわち、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントを配置することで、図1に例示するように、処理室の側面の壁12aの内側近傍(単に、処理室内壁と記すこともある)に、図1中矢印24で示すように、内向きの径方向磁化永久磁石セグメントから外向きの径方向磁化永久磁石セグメントへ向かう向きに磁場(磁力線)が形成される。これにより、磁場発生装置の内部空間の中心部を、実質的に無磁場状態(または磁場が弱められている状態)とすることができる。このように、磁場発生装置の内部空間の中心部では実質的に無磁場(ゼロT)であることが望ましい。特に、被処理基板14の配置部分にエッチング処理に影響を与える大きさの磁場が形成されず、被処理基板の処理が実質的に影響を受けないようにすると好ましい。特に限定されるものではないが、より具体的には、被処理基板の周辺部(処理室内であって、被処理基板の配置されていない部分)には、例えば、磁束密度500μT(5G)以下の磁場しか存在しない場合には、実質的に無磁場と考えることができる。
さらに、上記したように接線方向磁化永久磁石セグメントを配置することで、接線方向磁化永久磁石セグメントを配置しない場合に比べて、同じ磁石使用量でも、より強い磁場を発生することができる。これは、接線方向磁化永久磁石セグメントの磁束がぶつかり合い、径方向磁化磁石セグメントが作るマルチポール磁場の部分に集中するためと考えられる。
なお、特に限定されるものではないが、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントを配置することで形成される磁場の強度は、処理室の側面の壁の内側近傍において、例えば、0.005〜0.2T(50〜2000G)とすると好ましく、0.03〜0.08T(300〜800G)とするとさらに好ましい。この場合、磁場発生装置の内部空間の中心部を、より効果的に無磁場状態(または磁場が弱められている状態)とすることができる。
なお、図1に例示する磁場発生装置10には、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22aと22bが、それぞれ16個設けられているが、本発明の径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントは、このような個数に限定されるものでない。径方向磁化永久磁石セグメントは、複数であればよく、好ましくは4個以上、さらに好ましくは8〜64個である。これは、永久磁石セグメント数を増やすと磁場発生装置の内部空間の中心磁場が小さくなるが、処理室内壁の磁場強度も下げてしまうので、両者のバランスを考えてマルチポールの極数が選ばれるためである。また、接線方向磁化永久磁石セグメントは、少なくとも1つであればよく、好ましくは8〜64個であり、さらに好ましくは、径方向磁化永久磁石セグメントと同数である。これにより、接線方向磁化永久磁石セグメントを、複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のそれぞれに配置することができるためである。
また、少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積は、複数の径方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積に対して、0.2倍以上1倍未満であると好ましく、0.3倍以上0.9倍以下であるとさらに好ましい。すなわち、径方向磁化永久磁石セグメント22aの合計の体積をV1、接線方向磁化永久磁石セグメント22bの合計の体積をV2とすると、V2/V1が0.2以上1未満であると好ましく、0.3以上0.9以下であるとさらに好ましい。以下に詳細に説明するように、V1の体積に対してV2の体積が大きい場合には、磁場発生装置の内部(処理室内壁)に発生する磁場強度が下がってしまうといった不都合があるおそれがあるためである。
なお、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントの形状は、特に限定されるものではなく、任意の形状とすることができる。特に、磁場発生装置10の中心軸(図1にあっては、紙面に垂直な軸)に直角な方向の径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a、22bの断面の形状は任意であり、例えば、円、正方形、長方形、台形または瓦形でもよい。図1に示す第一の実施の形態では、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22aと22bの断面形状は長方形である。
図3に、第二の実施形態にかかる磁場発生装置10の鉛直方向断面模式図を示す。図3に示すように、径方向および接線方向磁化永久磁石片セグメントは分割されていてもよい。すなわち、径方向および接線方向磁化永久磁石片セグメントのそれぞれが、同じ向きに磁化された複数の永久磁石片を含み、そのそれぞれを鉛直方向(すなわち、径方向および接線方向磁化永久磁石片セグメントが配置されてなる円の中心軸方向)に配置することもできる。
径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a、22bに用いることができる永久磁石の種類は、特に限定されるものではなく、任意の磁石を用いることができる。例えば、希土類磁石、フェライト磁石、アルニコ磁石等を使用することができる。特に、磁場発生装置を小型にするには、残留磁束密度が大きい希土類磁石を用いると好ましい。
また、特に限定されるものではないが、本発明にかかる磁場発生装置は、ヨーク20を含むことが好ましく、ヨークは、少なくとも1つ、好ましくは全ての径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントと、それらの外側から(すなわち、磁場発生装置の内部空間へのマルチポール磁場の形成を妨げない位置で)磁気的に接触していることが好ましい。より具体的には、特に限定されるものではないが、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a、22bの外周部は、リング状の磁性体ヨーク20で囲まれていると好ましい。なお、磁性体ヨーク20は、強磁性の性質をもつ純鉄、炭素鋼、鉄−コバルト鋼、ステンレス鋼等を使用することができる。
また、本発明にかかる磁場発生装置は、少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントと複数の径方向磁化永久磁石セグメント、好ましくは全ての径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント、ならびに/またはヨークを支持する支持部を含むと好ましい。支持体は、少なくとも、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントおよび/またはヨークと接触している部分が、非磁性体材料から形成されていると好ましい。より具体的には、特に限定されるものではないが、円周上に配置した径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a、22bおよび/または磁性体ヨーク20は、磁性体ヨーク20と同様にリング状の非磁性体支持体13によって支持されていると好ましい。特に、図1に示すように、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント等は、複数の支持部により、磁場発生装置の上部および下部の両方から支持されると好ましい。なお、支持体の材料としては、非磁性の性質をもつアルミ、ステンレス鋼、真鍮、樹脂等が使用できる。
なお、永久磁石セグメントのヨークへの固定、ならびに永久磁石セグメントおよびヨークの支持部への固定は、任意の方法で行うことができる。例えば、適当な接着剤により接着することができ、また、ボルト等により固定することもできる。
特に限定されるものではないが、上記したように、磁場発生装置10の内側に、処理室12を設けることができる。また、この処理室12の内部に、半導体ウエハ14にプラズマ処理を施すためのプラズマ処理装置を設けることができる。なお、プラズマ処理装置は公知であり、本願発明の用途は、特定のプラズマ処理装置に限定されるものでない。このため、図2では、半導体ウエハ14の他に上部電極板16および下部電極板18のみを図示し、プラズマ処理装置全体の詳細な説明は省略する。公知のように、プラズマ処理装置では、上部電極板16および下部電極板18に高周波電圧が印加されることで両電極板間の電場の方向が変化し、電場と磁場との相互作用により高密度のプラズマを発生させることができる。図2中の矢印19は、上部電極板16および下部電極板18の間に発生するある瞬間の電場の方向を示している。なお、本発明の用途は、半導体ウエハのエッチングを行う装置に限定されるものではなく、例えば、半導体ウエハ以外の基板を処理するものであっても良く、エッチング以外のプラズマ処理、例えばCVD等の成膜処理装置にも適用することができる。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下に説明する実施例は本発明を限定するものではない。
本発明の第一の実施例と第一の比較例の発生磁場強度を比較した。第一の実施例にかかる磁場発生装置として、図1および図2に示したものを用いた。具体的には、図1、2に示すように、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントをそれぞれ16個用い、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a,22bに内接する円の直径D=φ630mm,各永久磁石セグメントの高さL=30mm、径方向永久磁石セグメントの1セグメント当りの体積V1=80立方cm、接線方向磁化永久磁石セグメントの1セグメント当たりの体積V2=40立方cmとした。このとき、処理室12の内壁近傍(φ540mm)では0.075Tの磁場が形成され、これによりプラズマを閉じ込める機能が発揮された。
第一の比較例にかかる磁場発生装置として、図7に示したものを用いた。磁場発生装置130にあっては、図7に示すように、径方向に磁化された永久磁石セグメント132を、処理室にN極、S極ができるように交互に並べられている。なお、永久磁石セグメント132に描かれた矢印は、各永久磁石セグメントの磁化の向きを示している。より具体的には、図7に示すように、永久磁石セグメントを16個用い、永久磁石セグメント132に内接する円の直径D=φ630mmとした。また、永久磁石セグメントの高さL=30mm、永久磁石セグメントの体積は図1と同じ総使用量になる1セグメント当たりV=120立方cmとした。このとき、処理室112の内壁近傍(φ540mm)では0.07T(700G)の磁場が形成された。
Figure 0004090985
第一の実施例において、処理室の径方向内向きまたは外向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメント22aの体積をV1と、接線方向に磁化された接線方向磁化永久磁石セグメント22bの体積をV2とした場合の、各体積の配分(体積比V2/V1)と処理室内壁に発生する磁場の関係を求めた。図4に、体積比V2/V1と処理室内壁に発生する磁場の強度の関係を示す。磁石寸法は前述したものと同じであり、V1とV2の和を120立方cmとした。なお、体積比V2/V1=0は比較例を示す。この実施例では体積比が0.5のときに磁場が最大となり、比較例(体積比=0)に比べ効果的に磁場が出せた。
次に、本発明の第二の実施例と第二の比較例の発生磁場強度を比較した。第二の実施例にかかる磁場発生装置として、図3に示したものを用いた。具体的には、図3に示すように、それぞれが上下に二分割された径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントをそれぞれ16個用い、径方向および接線方向磁化永久磁石セグメント22a、22bに内接する円の直径D=φ630mmとした。また、上下に二分割された径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントのそれぞれの永久磁石は、高さL/2=15mmで、上下永久磁石の隙間S=60mmとした。また、径方向磁化永久磁石セグメントの1セグメント当たりの体積V1=80立方cm、接線方向磁化永久磁石セグメントの1セグメント当たりの体積V2=40立方cmとした。このとき、処理室12の内壁近傍(φ540mm)では0.0358T(358G)の磁場が形成され、これによりプラズマを閉じ込める機能が発揮された。
第二の比較例にかかる磁場発生装置として、図7に示したものであって、それぞれが上下に二分割され、径方向に磁化された永久磁石セグメントを有するものを用いた。より具体的には、図7に示すように、永久磁石セグメントを16個用い、永久磁石セグメント132に内接する円の直径D=φ630mmとした。また、上下に二分割された永久磁石セグメントのそれぞれの永久磁石は、高さL/2=15mmで、上下永久磁石セグメントの隙間S=60mmとした。また、永久磁石セグメントの体積は第一および第二の実施例と同じ総使用量になる1セグメント当たりV=120立方cmとした。このとき、処理室112の内壁近傍(φ540mm)では0.0303T(303G)の磁場が形成された。
Figure 0004090985
第二の実施例において、処理室の径方向に磁化された径方向磁化永久磁石セグメント22aの体積をV1と、接線方向に磁化された接線方向磁化永久磁石セグメント22bの体積をV2とした場合の、各体積の配分(体積比V2/V1)と処理室内壁に発生する磁場の関係をもとめた。図5に、体積比V2/V1と処理室内壁に発生する磁場の強度の関係を示す。磁石寸法は前述したものと同じであり、V1とV2の和を120立方cmとした。なお、体積比V2/V1=0は比較例を示す。この実施例では体積比が0.8のときに磁場が最大となり、比較例(体積比=0)に比べ効果的に磁場が出せた。
このように、本発明にかかる磁場発生装置によれば、従来と同じ磁石使用量で約1〜2割強い磁場を発生することができる。このため、本発明にかかる磁場発生装置は、高価な磁石を有効に使えるという利点がある。また、同じ磁場を発生するならば本発明の方が少ない磁石量ですみ装置を小型にできる。なお、何れのケースも磁石材質は残留磁化密度が1.3Tの希土類磁石で、磁性体ヨーク20は低炭素鋼S15C、支持体13にはアルミを使用した。
以上に説明したことから明らかな通り、本発明によれば、永久磁石を用いた磁場発生装置でエッチング等のプラズマ処理装置を構成するにあたり、少ない磁石使用量で大きなマルチポール磁場を作り出せるので、装置の低コスト化または小型化が可能である。
本発明の第一の実施形態にかかる磁場発生装置10の上面模式図を示す。 第一の実施形態にかかる磁場発生装置10の図1A−A切断線での鉛直方向断面模式図を示す。 第二の実施形態にかかる磁場発生装置10の鉛直方向断面模式図を示す。 第一の実施例における体積比V2/V1と処理室内壁に発生する磁場の強度の関係を示す。 第二の実施例における体積比V2/V1と処理室内壁に発生する磁場の強度の関係を示す。 従来のマルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置の上面模式図を示す。 従来のマルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置の実施形態の上面模式図を示す。
符号の説明
10,130:磁場発生装置
12,112:処理室
13:支持部
14,104,114:被処理基板
16,18:上部、下部電極版
20:磁性体ヨーク
22a:径方向磁化永久磁石セグメント
22b:接線方向磁化永久磁石セグメント
24,106,124:磁力線
102,132:永久磁石セグメント

Claims (3)

  1. 円周上に配置され、径方向で内向きおよび外向きに交互に磁化された複数の径方向磁化永久磁石セグメントと、
    該複数の径方向磁化永久磁石セグメントと実質的に同一の円周上であって、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のいずれかに配置された少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントであって、該接線方向磁化永久磁石セグメントの磁化の向きが、接線方向であって、当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記外向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントから当該接線方向磁化永久磁石セグメントの隣の前記内向きに磁化された径方向磁化永久磁石セグメントへ向かう向きであり、該少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積が、該複数の径方向磁化永久磁石セグメントの合計の体積に対して、0.3倍以上0.9倍以下である少なくとも1つの接線方向磁化永久磁石セグメントと
    を含む、マルチポール型マグネトロンプラズマ用磁場発生装置。
  2. 前記接線方向磁化永久磁石セグメントが、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントと同数であり、前記接線方向磁化永久磁石セグメントのそれぞれが、前記複数の径方向磁化永久磁石セグメントの間のそれぞれに配置されている請求項1に記載の磁場発生装置。
  3. 前記径方向および接線方向磁化永久磁石セグメントが、鉛直方向に分割されて複数の永久磁石片となり、前記永久磁石片の磁化方向が同じ向きになるように配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁場発生装置。
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