JP4089878B2 - 座標入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子黒板システムや情報処理装置などの座標入力機能付き表示装置として用いられる、画面上において指などで指示した位置の座標を入力することができる座標入力装置に係わり、特に、座標を求めるために用いる信号レベルの閾値を設定する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記したような座標入力装置を用いたシステムとして、近年、電子黒板の書き込み面に手書きで書き込んだ情報をリアルタイムでコンピュータシステムに入力することを可能にした電子黒板システムなどが提供されている。
例えば、マイクロフィールド・グラフィックス社(Microfield Graphics Inc.)製のソフトボードはホワイトボード上に座標入力装置を配設して構成され、ホワイトボード上に書かれた文字や絵などのビジュアルデータをコンピュータにリアルタイムで取り込む。このソフトボードを用いて構成された電子黒板システムでは、取り込んだビジュアルデータをCRTに表示したり、液晶プロジェクタを用いて大型のスクリーンに表示したり、プリンタにより記録紙に出力したりすることができる。また、ソフトボードが接続されたコンピュータの画面を液晶プロジェクタでソフトボード上に投影し、ソフトボード上でコンピュータを操作することも可能である。
また、文字および画像を表示する表示装置と、その画面の前面に配設した座標入力装置と、その座標入力装置からの入力に基づいて表示装置の表示制御を行う制御装置とを備え、それらを用いて電子黒板の表示面および書き込み面を構成した電子黒板システムも提供されている。
例えば、スマート・テクノロジズ社(SMART Technologies Inc.)製のスマート2000では、コンピュータに接続された液晶プロジェクタを用いて、文字、絵、図形、グラフィックの画像をパネルに投影した状態で、パネルの投影面(表示面)の前面に配設した座標入力装置を用いて手書きの情報をコンピュータに取り込む。そして、コンピュータ内で手書きの情報と画像情報とを合成し、再度、液晶プロジェクタを介して表示する。
【0003】
なお、本発明に係わる前記した座標入力機能付表示装置の座標入力装置としては、以下のようなものが知られている。
一つは特開昭57−211637号公報に示された座標入力装置であり、この従来技術では、回転多面鏡を介して光ビームを二つの光出射部から出射して座標入力面を走査し、ペンの軸先に設けられた反射部材からの反射光を二つの受光部により検出して、ペンの挿入位置を検出する。二つの受光部により受光し、3角測量の原理を利用して指示された位置の座標を算出するのである。なお、この座標入力/検出装置における座標入力面は第1および第2の例の座標入力/検出装置における座標入力面のような物理的な面ではなく、光出射部から出射される光ビームによって形成される面である。
また、特開平9−91094号公報に示された従来技術では、座標入力面の例えば下方左右の隅に光出射・受光部を設け、それぞれの光出射・受光部から出射方向(出射角度)を変えながら光ビームを出射して座標入力面を走査し、その光ビームをパネルの上辺および左右辺に設けたコーナキューブアレイ(光再帰性反射手段)で折り返させ(戻る方向に反射させ)、それぞれの光出射・受光部により戻ってきた光ビームを検出する。これにより、指などで光ビームが遮られる左右の光出射・受光部の走査角度を検出することができ、3角測量の原理を利用して指示された位置の座標を算出することができる。
また、特開平11−110116号公報に示された従来技術では、座標入力面の例えば上方左右の隅に光出射・受光部を設け、それぞれの光出射・受光部から出射方向(出射角度)を変えながら光ビームを出射して座標入力面を走査し、その光ビームをパネルの下辺および左右辺に設けた光再帰性反射手段で折り返させ(戻る方向に反射させ)、それぞれの光出射・受光部により戻ってきた光ビームを検出する。これにより、指などで光ビームが遮られる左右の光出射・受光部の走査角度の光遮断範囲を検出して指示された位置の座標を算出する。
【0004】
ところで、このような光学式の座標入力装置では、タッチパネル面へのタッチがあったかどうかの検出(以下、タッチ検出と称する)を、光源を点灯したときに受光部において受光した受光部分のデータ(以下、白波形データと称する)と遮光部分(ディップ部分)のデータとを用いておこなっているが、タッチパネル面の周囲の光(照明光、太陽光など)が受光部に入ってしまうと、タッチパネル面上のタッチ位置のディップ量が減少してしまい、そのため、検出ができなくなってしまうことがあった。
そこで、特開2002−91685公報に示された従来技術では、光源を点灯していないときに受光部により受光した黒波形データを取り込み、その黒波形データの値に応じてディップ検出のための信号レベルの閾値を異ならせるという方法をとった。なお、この従来技術では、タッチ検出はシェーディング補正されたデータを用いておこなっているので、白波形・黒波形ともにシェーディング補正されたデータを取り込んでいる。また、このシェーディング補正では、白波形データをシェーディング補正のための基準データとして取り込み、シェーディング補正後データを画素毎に以下の式により算出している。
シェーディング補正後データ=(入力データ÷基準データ)×255
しかし、このようなシェーディング補正を黒波形データに対しておこなうと、基準データである白波形データ中のレベルの下がった部分に対応した黒波形データが持ち上げられてしまうという問題がある(図9〜図11参照)。図10に示した黒波形データを図9に示した白波形データを用いてシェーディング補正をおこなった場合、図11に示したように補正されてしまうのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記したように、従来技術においては、周囲の光(外乱光)が受光部に入ると、タッチパネル面上のタッチ位置のディップ量が減少してしまい、タッチ検出ができなくなってしまうという問題があるし、黒波形データの値に応じてディップ検出のための信号レベルの閾値を異ならせるという特開2002−91685公報に示された従来技術でも、シェーディング補正により黒波形データの一部が持ち上げられてしまうと、その持ち上げられた部分は外乱光と同じような状況となってしまい、その結果、タッチパネル面に触っていないにもかかわらず、触っていると判定してしまうという不具合が発生する。
本発明の目的は、このような従来技術の問題を解決することにあり、具体的には、外乱光やシェーディング補正を考慮して、タッチ検出をおこなうための閾値を決定することができるとともに、併せて、その実現のためのハードウェアのコストアップや応答速度の低下を防ぐことや、機械毎のバラツキをなくすこともできる座標入力装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、請求項1記載の発明では、それぞれタッチパネルの異なる位置に設置され、タッチパネル面に略平行に、且つ設置位置を中心に扇状に光を射出する複数の光源部と、前期タッチパネルに設置され前記光源部からの光を該光源部に向けて反射させる反射部と、前記光源部の設置位置にそれぞれ設置され、前記反射部からの反射光を受光する受光部と、を備え、遮蔽物で前記光源部からの光を遮蔽した際に、その遮蔽位置の座標を検出する座標入力装置において、遮蔽により生じるディップを検出するための信号レベルの閾値を、前記光源部を点灯していないときに前記受光部を介して取り込まれたシェーディング補正前の値の黒波形データに応じて決定する座標入力装置であって、前記受光部を介して取り込まれた前記黒波形データを含むデータのシェーディング補正をおこなうシェーディング補正手段と、該シェーディング補正手段によりシェーディング補正された黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するデータ変換手段とを備え、前記データ変換手段は、シェーディング補正前の白波形データに基づいて、前記シェーディング補正された黒波形データを、シェーディング補正前のデータへ変換する部分を決定することを特徴とする。
また、請求項記載の発明では、請求項に記載の発明において、前記黒波形データに応じた閾値の変更を、周期的または座標入力操作の発生ごとにおこなうことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例を示す座標入力装置の構成図である。図示したように、この実施例の座標入力装置は、タッチパネル面1、そのタッチパネル面1の下部左右端に設けた光学ユニット2(2L、2R)、タッチパネル面1の左右および上側に配置され、光学ユニット2内の光源から射出され扇状に拡散される光を射出された光学ユニット2に向かって反射させる反射部3(3A、3B、3C)、光学ユニット2に駆動信号を与えたり、光学ユニット2内の受光部からの信号を受け取って座標値を求める演算をおこなったり、座標入力装置全体を制御したりするシステム制御部4、そのシステム制御部4により演算された座標値をこの座標入力装置に接続された外部のパーソナルコンピュータ(以下、PCと称す)へ出力したり、そのPCから動作の指示を受けたりするインターフェース部5などを備える。なお、光学ユニット2および反射部3はタッチパネル面1の外枠7内に配し、外部からは見えない構造となっている。
図2に、光学ユニット2の構成を示す。図示したように、この光学ユニット2は、光源11、その光源11から射出された光を扇状に拡散するレンズ12、反射部3からの反射光を受光するレンズ13、受光部14、および光学軸上に配置したハーフミラー15などから構成される。
【0008】
図3は、前記システム制御部4の詳細構成とその周辺の構成を示す構成ブロック図である。図示したように、システム制御部4は、プログラムに従って動作するCPU21、そのプログラムを記憶しているROM22、ワークエリアとして各種データを一時的に記憶するRAM23、光学ユニット2L、2Rに対応しており、アナログ信号をデジタル信号に変換したり、画像処理をしたりする画像処理部24(24L、24R)、その二つの画像処理部24L、24Rに対応しており、それぞれのデータを格納しておくデータ格納メモリ25(25L、25R)、同様に二つの画像処理部24L、24Rに対応しており、シェーディング補正を行う基準となるデータを格納しておくシェーディングメモリ26(26L、26R)などを備えている。なお、ここでは、ワークエリアとして使用しているRAM23、データ格納メモリ25L、25Rをわけているが、一つのメモリ内で領域を分割して使用しても問題ない。
また、図3に示したように、左側の光源であるレーザーダイオード(LD)32Lはレーザーダイオードユニット(LDU)31Lに搭載され、左側の受光部であるCCD34Lはセンサ基板ユニット(SBU)33Lに搭載され、そのLDU31LおよびSBU33Lは光学ユニット2L内に配置されている。同様に、右側の光源であるLD32RはLDU31Rに搭載され、右側の受光部であるCCD34RはSBU33Rに搭載され、そのLDU31RおよびSBU33Rは光学ユニット2R内に配置されている。
なお、この実施例ではシェーディング補正手段が画像処理部24およびシェーディングメモリ26により実現され、データ変換手段がCPU21、プログラムを内蔵したROM22、RAM23、およびデータ格納メモリ25などにより実現される。
【0009】
次に、座標入力装置の基本的な動作を説明する。
まず、ROM22に内蔵されたプログラムに従って(以下、同様)、CPU21がLD点灯信号をLDU31L、31Rへ送信し、これにより、LDU31L、31R内のLD32L、32Rが点灯する。
こうして、SBU33L、33R内のCCD34L、34Rにより反射光が受光され、取り込まれた信号が画像処理部24L、24Rに入力され、画像処理部24L、24Rは受取った信号をデジタルデータに変換し、シェーディングメモリ26L、26Rに格納されている基準データを用いてシェーディング補正を実行し、補正されたデータをデータ格納メモリ25L、25Rに格納する。さらに、そのデータはCPU21により読み出され、ディップ検出(指などで光が遮られて暗い信号レベルを示している部分の検出)を行い、それにより座標値を算出し、算出した座標値をインターフェース部5を介してPCへ送出する。
以上がこの座標入力装置の基本的な動作フローである。なお、前記において、指など遮蔽物で遮られた座標値(ディップ箇所の座標値)は以下の式1および式2を用いて算出する。
X=(W×tanθR)/(tanθL+tanθR) …式1
Y=(W×tanθR×tanθL)/(tanθL+tanθR) …式2
(各符号については図4参照)
前記において、光源11から照射する光は、点灯/消灯を交互に同じ周期で繰り返している。そして、光源11が点灯しているときに受光部14により受光された白波形データに対して予め設定している閾値(基準とする固定値)よりも小さくなるデータが存在しているかどうかによりタッチを検出する。しかし、受光部14が光源11により照射された光以外の外乱光を受光していた場合は、外乱光を受光している部分のデータが本来のデータよりも明るくなってしまい、その位置のディップ量も本来のディップ量より明るくなってしまうので、予め設定している閾値よりも小さくならず、そのため、タッチを検出できなくなることがある(図5参照)。
そこで、この実施例では、光源11を点灯していないときに受光部14により受光された黒波形データから外乱光を検出できることを利用して、画素毎に黒波形データのレベルを検出し、黒波形データのレベルが所定のレベル以上になった場合、予め設定してある閾値を黒波形データのレベルに応じて明るい方向(検出しやすい方向)に上げてタッチ検出をおこなう。これにより、外乱光が受光部14に入った場合に、タッチパネル面1に触られているにもかかわらず、タッチされていないと判断してしまうことがなくなる。図6に、外乱光に対して設定する閾値の例を示す。
【0010】
外乱光の様子は時間経過とともに逐次変化するので、タッチ検出では、白波形データと黒波形データを常に順次取り込み、外乱光に対してリアルタイムに対応して検出をおこなう。また、この白波形データは図9に示したように明るい部分と暗い部分があるので、シェーディング補正をおこない、1ラインを均一化させて用いている。
ところが、このように、取り込んだ白波形データを基準として黒波形データにシェーディング補正をおこなった場合、白波形データ中のレベルが落ちている部分に対応した黒波形データを持ち上げてしまうことになる(図11参照)。そうすると、黒波形データ中のその持ち上げられた部分は外乱光が受光部14に入っている場合と同じ状況となり、その持ち上げられた部分の閾値をレベルに応じて明るい方向(検出しやすい方向)に上げて、タッチ検出をおこなってしまう。その結果、触っていないのに触られたと判断してしまい、勝手に座標が移動(座標とび)してしまう不具合となることがある。そこで、この実施例では、黒波形データはシェーディング補正をおこなっていないデータを使用して閾値を決定する。これによって、シェーディング補正により黒波形データが持ち上げられることによる誤検出をなくすことができ、タッチパネル面に触っていないにもかかわらず、勝手に座標が移動してしまうという不具合がなくなる。
このように黒波形データのみシェーディング補正をおこなっていないデータを使用する際、この実施例では、ハードウェア切替スイッチを用いずに切り替えをおこなう。例えば、黒波形データのシェーディング補正では、シェーディングメモリ26に記憶しておく基準データを1ライン分すべて255に書き換えるのである。
【0011】
また、もう一つの方法では、シェーディングメモリ26にシェーディング補正のための基準データを格納した後、白波形/黒波形データとも共通の基準データを用いてシェーディング補正をおこない、シェーディング補正後のデータを取り込み、取り込んだ黒波形データと格納しておいた基準データからシェーディング補正前の黒波形データを算出・変換する。変換式は以下の通りである。
シェーディング補正前の黒波形データ=
シェーディング補正後のデータ×基準データ÷255 …式3
こうして、この実施例では、ハードウェア(回路)を追加することなくシェーディング補正をおこなっていない黒波形データおよびシェーディング補正をおこなった白波形データを得ることができる。
しかし、シェーディング補正をおこなった黒波形データをシェーディング補正前のデータに算出・変換するには、その分だけ余分に処理時間を要してしまうので、全画素について変換していると数ライン取り込む分の時間を要してしまうこともあり、応答速度が遅くなってしまうこともある。
そこで、シェーディング補正の基準となる白波形データのうちで明るい部分については、シェーディング補正をおこなった黒波形データとシェーディング補正をおこなっていない黒波形データとの間に違いがないので(図7参照)、予めシェーディング補正の基準となる白波形データのうちで暗くなる部分(レベルが落ちる部分)を抽出しておき、抽出した部分のみ黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するようにする。これにより、黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するために要する時間を少なくでき、応答速度が遅くなるのを防ぐことができる。
また、シェーディング補正の基準となる白波形データのうちで暗くなる部分は機械毎に異なるので、基準データを機械毎に取り込み、予め設定している基準レベルよりも暗くなる部分を抽出し、抽出した部分のみ黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するようにする。これにより、機械毎に必要な部分のみシェーディング補正前のデータに変換することになり、機械間のバラツキを吸収することができる。
【0012】
図8に、シェーディング補正前のデータに変換する部分を抽出する動作フローを示す。以下、図8に従って、この動作フローを説明する。
まず、CPU21がLD32を点灯させる(S1)。そして、受光部14がそのときの白波形データを取り込み、画像処理部24が取り込まれた白波形データのシェーディング補正をおこなう(S2)。
次に、白波形データ中の暗い部分、つまり、白波形データが基準レベル(所定値)Lnよりも小さい(低い)部分を抽出するに際して、その基準レベルLnを設定する(S3)。
そして、画素位置を示すカウンタの値をnにして(最初はCCD34の先頭位置を示すn=1)、その画素位置のシェーディング補正された白波形データ(シェーディングデータと称す)Dnをデータ格納メモリ25から読み出す(S5)。
続いて、読み出したシェーディングデータDnを基準レベルLnと比較し(S6)、シェーディングデータDnの方が小さいならば(S6でyes)、そのときのスタートフラグが0か否かを判定する(S7)。このスタートフラグは白波形データ中の暗い部分のスタート(始まり)の位置で1に設定されるものであり、スタートフラグが0であったならば(S7でyes)、少なくともその直前までは暗い部分でなかったわけであるから、シェーディングデータDnの方が小さいと判定されたその位置を暗い部分の始まりと判断し、そのときの画素位置をスタート位置情報としてRAM23に保存(記憶)する(S8)。
さらに、スタートフラグを1に設定し(S9)、カウンタの値nを1増やし、次の画素に移る(S10)。
それに対して、既にスタートフラグが1になっていれば(S7でno)、暗い部分の途中であると判断し、直ちにカウンタの値nを1増やし、次の画素に移る(S10)。
【0013】
一方、ステップS6において、シェーディングデータDnの方が大きいか、同じと判定されたならば(S6でno)、そのときのスタートフラグが1か否かを判定する(S12)。そして、スタートフラグが1であったならば(S12でyes)、少なくともその直前までは暗い部分であったわけであるから、その位置が暗い部分の終わりと判断し、そのときの画素位置をエンド位置情報としてRAM23に保存(記憶)する(S13)。さらに、スタートフラグを0に設定し(S14)、カウンタの値nを1増やし、次の画素に移る(S10)。
カウンタの値を1増やした後は、それによりカウンタの値が最終画素位置を超えたか否かを判定し(S11)、超えていなければ(S11でno)、次の画素位置(n+1の画素位置)についてステップS5から繰り返す。そして、最終画素位置を超えたならば(S11でyes)、この動作フローを終了させる。
その結果、抽出された暗い部分を示す一つまたは複数の領域情報(スタート位置情報とエンド位置情報の組)がRAM23に記憶されるのである。
こうして、この実施例によれば、応答速度を低下させずに、正しいタッチ検出を実現することができる。
なお、前記したように、外乱光の影響は時間とともに変化するので、黒波形データも時間とともに変化する。したがって、この実施例では、黒波形データに応じた画素位置ごとの閾値の変更を周期的または座標入力操作の発生ごとにおこなう。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下のような効果が得られる。
(1)遮蔽物で光を遮蔽したときの遮蔽位置の座標を検出するに際して、遮蔽により生じるディップを検出するための信号レベルの閾値が、光源を点灯していないときに受光部を介して取り込まれたシェーディング補正前の値の黒波形データに応じて決定されるので、周囲の光(外乱光)によりディップ量が減少してしまい、タッチ検出ができなくなってしまうという問題や、シェーディング補正により黒波形データの一部が持ち上げられ、その持ち上げられた部分が外乱光と同じような状況となってしまうという問題を解消することができる。
(2)受光部を介して取り込まれた黒波形データを含むデータのシェーディング補正がおこなわれ、シェーディング補正された黒波形データがシェーディング補正前のデータに変換されるので、シェーディング補正をおこなったりおこなわなかったりする切り替えのための回路を追加することなくシェーディング補正をおこなう前の値の黒波形データおよびシェーディング補正をおこなった白波形データを取り込むことができ、したがってコストアップにならずに本発明の効果を実現することができる。
(3)黒波形データをシェーディング補正前のデータへ変換する変換が部分的におこなわれるので、黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するために要する時間を短縮することができ、したがって、この変換のために応答速度が遅くならずに済む。
(4)黒波形データをシェーディング補正前のデータへ変換する部分がシェーディング補正前の白波形データから決定されるので、機械毎に必要な部分のみシェーディング補正前のデータに変換することが可能となり、機械間のバラツキを吸収することができる。
(5)黒波形データに応じた閾値の変更が周期的または座標入力操作の発生ごとにおこなわれるので、時間とともに変動する外乱光に対応して適切な閾値を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す座標入力装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の構成図である。
【図3】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の構成ブロック図である。
【図4】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の説明図である。
【図5】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の他の説明図である。
【図6】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の他の説明図である。
【図7】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の他の説明図である。
【図8】本発明の一実施例を示す座標入力装置要部の動作フロー図である。
【図9】従来技術の一例を示す座標入力装置の説明図である。
【図10】従来技術の一例を示す座標入力装置の他の説明図である。
【図11】従来技術の一例を示す座標入力装置の他の説明図である。
【符号の説明】
1 タッチパネル面、2 光学ユニット、3 反射部、4 システム制御部、
5 インターフェース部、11 光源、14 受光部、21 CPU、
22 ROM、23 RAM、24 画像処理部、25 データ格納メモリ、
26 シェーディングメモリ、32 レーザーダイオード、33 CCD

Claims (2)

  1. それぞれタッチパネルの異なる位置に設置され、タッチパネル面に略平行に、且つ設置位置を中心に扇状に光を射出する複数の光源部と、前期タッチパネルに設置され前記光源部からの光を該光源部に向けて反射させる反射部と、前記光源部の設置位置にそれぞれ設置され、前記反射部からの反射光を受光する受光部と、を備え、遮蔽物で前記光源部からの光を遮蔽した際に、その遮蔽位置の座標を検出する座標入力装置において、遮蔽により生じるディップを検出するための信号レベルの閾値を、前記光源部を点灯していないときに前記受光部を介して取り込まれたシェーディング補正前の値の黒波形データに応じて決定する座標入力装置であって、前記受光部を介して取り込まれた前記黒波形データを含むデータのシェーディング補正をおこなうシェーディング補正手段と、該シェーディング補正手段によりシェーディング補正された黒波形データをシェーディング補正前のデータに変換するデータ変換手段とを備え、前記データ変換手段は、シェーディング補正前の白波形データに基づいて、前記シェーディング補正された黒波形データを、シェーディング補正前のデータへ変換する部分を決定することを特徴とする座標入力装置。
  2. 請求項に記載の座標入力装置において、前記黒波形データに応じた閾値の変更を、周期的または座標入力操作の発生ごとにおこなうことを特徴とする座標入力装置。
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