JP4089376B2 - 生分解性を有するバリア性積層包装材料 - Google Patents

生分解性を有するバリア性積層包装材料 Download PDF

Info

Publication number
JP4089376B2
JP4089376B2 JP2002285295A JP2002285295A JP4089376B2 JP 4089376 B2 JP4089376 B2 JP 4089376B2 JP 2002285295 A JP2002285295 A JP 2002285295A JP 2002285295 A JP2002285295 A JP 2002285295A JP 4089376 B2 JP4089376 B2 JP 4089376B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
packaging material
thin film
biodegradable
barrier laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002285295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004114657A (ja
Inventor
賢治 栄
昇 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Inc filed Critical Toppan Inc
Priority to JP2002285295A priority Critical patent/JP4089376B2/ja
Publication of JP2004114657A publication Critical patent/JP2004114657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4089376B2 publication Critical patent/JP4089376B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品や非食品等の包装分野に用いられる包装用の優れた生分解性とバリア性を備え、透明性を有するバリア性積層包装材料に関し、さらに詳しくは、その積層包装材料を構成する各種積層材料の主成分が生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなり、優れた生分解性を有することから環境中に廃棄されたとき分解するので環境適性にも優れたものであり、さらに酸素や水蒸気等のガス遮断性が優れる上に透明性、機械的強度、寸法安定性を有するバリア性積層包装材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題の意識の高まりから包装材料の易廃棄性が必要とされ、易焼却性、リサイクル性の材料を用いた包装材料の消費量が年々増加している。それに伴い、使用後の廃棄物の量も増加している。これらの廃棄物は、現在、主に焼却あるいは土中埋設により処理されている。
【0003】
食品や非食品等の包装に用いられる包装材料には、基材としてポリエステルフィルムやナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの汎用のプラスチックを用いる場合が多い。これらのプラスチックは、機械的な強度や耐久性に優れている上に、低コストのため世の中に広く用いられている。
【0004】
しかしながら、プラスチック材料からなる包装材料の廃棄物等は、微生物分解性(通常「生分解性」という)がなく、使用後に廃棄する際に焼却処分ではなく、埋め立てられたり、ゴミとして自然環境中に散乱したりした場合には、分解せずにそのままの形で残るため、埋立処理場の寿命短縮や環境汚染の原因となっている。今後の包装材料の消費量から考慮すると、現在の処理方法では限界があり、新しい処理方法に対応できる生分解性材料を用いた包装材料の開発が盛んに行われている。
【0005】
そこで、この様な問題を解決すべく、環境中で分解されて水と二酸化炭素にまでなる生分解性樹脂からなる基材が上市されている。例えば、微生物によって産出される脂肪族ポリエステルやカードラン、プルラン等の多糖類、化学合成によって得られる高分子量脂肪族ポリエステル、乳酸を化学重合して得られるポリ乳酸、ラクトンの開環重合によって得られるポリカプロラクトン、天然に由来のデンプン、セルロース、キチン・キトサン等がある。
【0006】
しかしながら、このような生分解性樹脂単体では十分な強度が得られていないのが現状である。さらに包装材料として用いるためには、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。
【0007】
バリア性を有する高分子樹脂としては、比較的にガスバリア性に優れる塩化ビニリデン樹脂のフィルムまたはそれらをコーティングしたフィルム等が良く用いられてきた。しかし、それらは温度・湿度などによるガスバリア性の影響が大きい、また、環境適性の面で問題がある。また、アルミニウム等の金属からなる金属箔等を用いたものは、温度・湿度の影響がなく高度なガスバリア性を持つが、包装材料を透視して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない、また、検査の際金属探知器が使用できないなど多くの欠点を有し問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、酸素や水蒸気等のガスバリア性、機械的強度、寸法安定性に優れ、かつ環境適合性を含めて実用性の高い、優れた生分解性を有するバリア性積層包装材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材の少なくとも片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成したバリア性フィルムのいずれかの面に絵柄等を施した印刷インキ層を設け、少なくとも、接着剤層を介してシーラント層を積層してなるバリア性積層包装材料であって、最表面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層が位置するように積層し、該蒸着薄膜層を保護するポリ乳酸樹脂を主成分とするオーバーコート層を設け、前記印刷インキ層、接着剤層およびシーラント層が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなることを特徴とする生分解性を有するバリア性積層包装材料である。
【0010】
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の生分解性を有するバリア性積層包装材料において、前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素あるいはそれらの混合物からなることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施例としての実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、一参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図1に示すように、参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料10は、生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成したバリア性フィルム3の蒸着薄膜層2表面に絵柄等からなる印刷インキ層4を設け、接着剤層5を介してシーラント層6を積層してなる構成のバリア性積層包装材料であって、前記印刷インキ層4、接着剤層5およびシーラント層6が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料全体が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0015】
また、図2は、他の一参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図2に示すように、参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料20は、印刷インキ層4を設けたポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の印刷インキ層4の面と生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成したバリア性フィルム3のポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の面とシーラント層6とを接着剤層5を介して積層してなる構成のバリア性積層包装材料であって、前記印刷インキ層4、接着剤層5およびシーラント層6が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料全体が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0016】
上記の構成は、絵柄等からなる印刷インキ層4を表面側に位置するように積層し、最表面のポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1が印刷インキ層を保護する目的で設けられるものである。
【0017】
また、図3は、他の一参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図3に示すように、参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料30は、生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成し、もう一方の側の面に印刷インキ層4を設けたバリア性フィルム3の蒸着薄膜層2の面とシーラント層6とを接着剤層5を介して積層して、表面側に絵柄等からなる印刷インキ層4が位置するように積層し、最表面にオーバーコート層7を設けた構成のバリア性積層包装材料であって、前記印刷インキ層4、接着剤層5およびシーラント層6が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0018】
上記の構成は、絵柄等からなる印刷インキ層4を表面側に設け、最表面のオーバーコート層7が印刷インキ層4を保護する目的で設けられるものである。
【0019】
また、図4は、本発明の一実施例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図4に示すように、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料40は、生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成し、もう一方の側の面に印刷インキ層4を設けたバリア性フィルム3の印刷インキ層4の面とシーラント層6とを接着剤層5を介して積層して、表面側に蒸着薄膜層2が位置するように積層し、蒸着薄膜層2の表面の最表面にオーバーコート層7を設けた構成のバリア性積層包装材料であって、前記印刷インキ層4、接着剤層5、シーラント層6およびオーバーコート層7が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料が生分解性を有することを特徴とするものである。バリア性積層包装材料全体が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0020】
最表面のオーバーコート層7は、蒸着薄膜層2を保護する目的で設けられるものである。そして、バリア層としての蒸着薄膜層2を表面側に配置する構成とすることで、包装材料の外部からの水分の影響でポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1が加水分解されることを制御することができる。従って、常温時においては安定した包装材料としての機械的強度を維持することができる。
【0021】
また、図5は、さらに他の一参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図5に示すように、参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料50は、生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成し、この蒸着薄膜層2の表面に絵柄等からなる印刷インキ層4を設け、印刷インキ層4が表面側になるように積層し、その印刷インキ層4の面にオーバーコート層7を設け、ポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の面とシーラント層6とを接着剤層5介して積層してなる構成のバリア性積層包装材料であって、前記印刷インキ層4、接着剤層5、シーラント層6およびオーバーコート層7が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0022】
最表面のオーバーコート層7は、蒸着薄膜層2を保護する目的で設けられるものである。そして、バリア層としての蒸着薄膜層2を表面側に配置する構成とすることで、包装材料の外部からの水分の影響でポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1が加水分解されることを制御することができる。従って、常温時においては安定した包装材料としての機械的強度を維持することができる。
【0023】
さらに、図6は、他の一参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料の構成を示した断面図である。図6に示すように、参考例としての生分解性を有するバリア性積層包装材料60は、ポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成したバリア性フィルム3の両面に、接着剤層5を介してシーラント層6を設けた構成のバリア性積層包装材料であって、前記接着剤層5、シーラント層6が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなり、バリア性積層包装材料が生分解性を有することを特徴とするものである。
【0024】
本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料は、上記のような構成であるから、包装材料全体が、黴、細菌、酵母等の環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいはさらに低分子の物質にまで分解される性質を有し、最終的には、水、炭酸ガス、メタン等にまで分解され、埋立処理場や自然環境中において分解する。埋め立てられたり、ゴミとして自然環境中に散乱したりした場合であっても、分解してそのままの形で残らないため、埋立処理場の寿命を短縮したり、環境を汚染することもない。
【0025】
本発明において用いられるポリ乳酸樹脂としては、環状二量体ラクチドを経由して得られる重合法、あるいは環状二量体ラクチドを経由しない直接重合法、さらには加熱溶液重縮合法などで得られるが、特に限定されるものではない。
ポリ乳酸樹脂は、一般に、水により加水分解されて低分子化した後、微生物により分解されるものと考えられており、融点などの調整が比較的容易であって、熱溶着性にも優れ、透明性、加工性および塗工生、コスト等の点で他の生分解樹脂よりも優れているものである。
【0026】
本発明において用いられるポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1は、上記ポリ乳酸樹脂をフィルム状に加工して用いられる。特に、比較的加工適性に優れる二軸方向に任意に延伸されたポリ乳酸樹脂からなるフィルムがより好ましい。また、この基材1の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても構わない。
【0027】
基材1の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましい。
【0028】
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
【0029】
本発明において用いられる無機酸化物からなる蒸着薄膜層2は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、或いはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有し、かつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであればよい。その中でも、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が酸素透過率及び水蒸気透過率に優れるので好ましい。ただし、本発明の蒸着薄膜層2は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0030】
蒸着薄膜層2の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし、膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また、膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、5〜100nmの範囲内である。
【0031】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層3を形成する方法としては種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式等が好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0032】
上記ポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材1の無機酸化物からなる蒸着薄膜層2を形成する面にプライマー層を設けることもできる。このプライマー層は、基材1と無機酸化物からなる蒸着薄膜層2との間の密着性を高め、包装材料として十分な強度を持たせることを目的に設けられる層である。上記目的を達成することができればその成分は特に限定しないが、基材の生分解性を活かすためには、プライマー層を形成する成分も生分解性を有するポリ乳酸樹脂であることがより好ましい。
【0033】
この上記ポリ乳酸樹脂中に、生分解性を損わない範囲で各種添加剤、例えば、イソシアネート化合物等の硬化剤、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、充填剤等を必要に応じて添加することも可能である。
【0034】
プライマー層の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しない。しかし、乾燥膜厚は一般的に0.01〜2μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくく密着性が低下する場合がある。また、厚さが2μmを越える場合は厚いために塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的要因により塗膜に亀裂を生じる恐れがあるため好ましくない。プライマー層の厚みとして、特に好ましいのは0.05〜0.5μmの範囲内にあることである。
【0035】
プライマー層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件が採用される。
【0036】
本発明で用いられるシーラント層6は、本発明のバリア性積層包装材料を、例えば、袋体などを形成する際に接着層として設けられるものである。積層包装材料全体を生分解性とするために、生分解性を有するポリ乳酸樹脂は、融点などの調整が比較的容易であって、熱溶着性にも優れることから、フィルム状に加工してなるシーラント層を設けることが好ましい。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。
【0037】
本発明における印刷インキ層4は、例えば、袋体などとして実用的に用いられるために形成されるものである。インキバインダー樹脂として生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなる樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤、その他添加剤などを添加されてなる生分解性を有するインキにより構成される層で、文字、図形、記号、絵柄等の美麗な装飾模様が形成されている。形成方法としては、例えば、オフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法などの周知の印刷方式や、また、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。厚さは、0.1〜2.0μmでよい。
【0038】
本発明で用いられるオーバーコート層7は、本発明の積層体の表面側に位置する無機蒸着層2を保護する目的で設けられるものである。生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるコート剤を一般的な方法で調整して塗布形成される。
【0039】
本発明のバリア性積層包装材料を構成する各種材料を積層する接着剤層5としては、生分解性樹脂としてのポリ乳酸樹脂を主成分とする接着剤から構成される。
【0040】
上述した本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いて種々の包装形態の包装体とすることができる。例えば、包装形態として袋体とする製袋方法としては、横ピロー、縦ピロー、ガゼット、三方シール、四方シール等の製袋方法の中から適宜選択して袋体とされるが、完成した袋体のガスバリア性を保持するためには継ぎ目においてもガスバリア性が発揮されるヒートシールによる製袋とすることにより得られる袋体が好ましい場合が多い。
【0041】
また、袋体に自立性を要求されることがあるが、袋体の形態として自立性のあるスタンディングパウチとすることもできる。
【0042】
上記で得られる三方シール、ガゼット、スタンディングパウチなどの袋体に雄爪および雌爪よりなるプラスチックチャックをその袋の取り出し口に設けることもできる。プラスチックチャックは、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を成形してなるポリ乳酸樹脂製チャックとすることが望ましい。
【0043】
また、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いた包装体として、薬品の錠剤等を包装する、表側になる透明なブリスター成形用シートと裏側の押圧破断可能な台紙からなるプレススルーパック(PTP)包装形態の包装体とすることもできる。
【0044】
また、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いた包装体として、柔軟性のあるフィルムからなる袋(バッグ)を、例えば、段ボール製の外箱(ボックス)に収納してなる、食品、工業用薬品などの液体や粘性液体等を充填するバッグインボックス(BIB)包装形態の包装体とすることもできる。
【0045】
さらに、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を、各種ラベル、蓋材として使用することもできる。
【0046】
本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いて得られる上記のガゼット、三方シール、四方シール、スタンディングパウチ、バッグインボックス、プレススルーパック、ラベル、蓋材等は、バリア性積層包装材料を構成する積層材料を生分解性を有するポリ乳酸樹脂もしくはポリ乳酸樹脂を主成分とすることで、包装材料およびその材料からなる包装体全体が、黴、細菌、酵母等の環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいはさらに低分子の物質にまで分解される性質を有し、最終的には、水、炭酸ガス、メタン等にまで分解され、埋立処理場や自然環境中において分解する。埋め立てられたり、ゴミとして自然環境中に散乱したりした場合であっても、分解してそのままの形で残らないため、埋立処理場の寿命を短縮したり、環境を汚染することもない。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、バリア性積層包装材料を構成する積層材料を生分解性を有するポリ乳酸樹脂もしくはポリ乳酸樹脂を主成分とすることで、包装材料全体が、生分解性であるという特徴を有しているので、使用後、焼却されずに埋め立てられたり、自然環境中に散乱した場合でも、環境中の微生物の作用により、分解性を有している。従って、環境負荷が低減された環境対応に優れ、かつガスバリア性、透明性、機械的強度および寸法安定性に優れた生分解性を有するバリア性積層包装材料を提供できる。
【0048】
また、本発明により、バリア性積層包装材料に透明性を有する無機酸化物からなる蒸着薄膜層を設けた構成とすることで、優れた生分解性を有すると同時に、酸素、水蒸気、その他の内容物を変質させる気体(ガス)遮断する優れたガスバリア性を備えることから、内容物の変質を制御し、それらの機能や性質を保持することが要求される食品、非食品および医薬品等の包装分野の包装材料として好適に使用される、ガスバリア性、透明性、機械的強度および寸法安定性に優れた生分解性を有するバリア性積層包装材料を提供できる。
【0049】
また、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いて、各種の包装形態の包装体を得ることができる。例えば、ガゼット、三方シール、四方シール、スタンディングパウチ、バッグインボックス、プレススルーパックなどの生分解性とガスバリア性を要求される、食品、および医薬品などの非食品等の包装分野の包装体として好適に使用できる。
【0050】
さらに、本発明の生分解性を有するバリア性積層包装材料を用いて、生分解性とガスバリア性を要求される包装分野の各種ラベル、蓋材として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一参考例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【図2】 一参考例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【図3】 一参考例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【図4】 本発明の一実施例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【図5】 一参考例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【図6】 一参考例としての生分解性を有するバリア積層体の構成を示した断面図である。
【符号の説明】
10、20、30、40、50、60・・・生分解性を有するバリア積層包装材料
1・・・ポリ乳酸樹脂フィルム基材
2・・・蒸着薄膜層
3・・・ポリ乳酸樹脂フィルム基材に蒸着薄膜層を形成したバリア性フィルム
4・・・印刷インキ層(生分解性)
5・・・接着剤層(生分解性)
6・・・シーラント層(生分解性)
7・・・オーバーコート層(生分解性)

Claims (2)

  1. 生分解性を有するポリ乳酸樹脂からなるフィルム基材の少なくとも片面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層を形成したバリア性フィルムのいずれかの面に絵柄等を施した印刷インキ層を設け、少なくとも、接着剤層を介してシーラント層を積層してなるバリア性積層包装材料であって、最表面に無機酸化物からなる蒸着薄膜層が位置するように積層し、該蒸着薄膜層を保護するポリ乳酸樹脂を主成分とするオーバーコート層を設け、前記印刷インキ層、接着剤層およびシーラント層が、生分解性を有するポリ乳酸樹脂を主成分とする層からなることを特徴とする生分解性を有するバリア性積層包装材料。
  2. 前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素あるいはそれらの混合物からなることを特徴とする請求項1記載の生分解性を有するバリア性積層包装材料。
JP2002285295A 2002-09-30 2002-09-30 生分解性を有するバリア性積層包装材料 Expired - Fee Related JP4089376B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285295A JP4089376B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 生分解性を有するバリア性積層包装材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002285295A JP4089376B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 生分解性を有するバリア性積層包装材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004114657A JP2004114657A (ja) 2004-04-15
JP4089376B2 true JP4089376B2 (ja) 2008-05-28

Family

ID=32278637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002285295A Expired - Fee Related JP4089376B2 (ja) 2002-09-30 2002-09-30 生分解性を有するバリア性積層包装材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4089376B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4844808B2 (ja) * 2005-09-14 2011-12-28 大日本印刷株式会社 バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材
JP2008050033A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Unitika Ltd 包装材およびその製造方法
JP5194417B2 (ja) * 2006-09-29 2013-05-08 大日本印刷株式会社 包装材及びそれを用いた自立袋並びにガセット袋
JP4941077B2 (ja) * 2007-04-26 2012-05-30 凸版印刷株式会社 ガスバリア性透明ポリ乳酸フィルム
JP5092793B2 (ja) * 2008-02-25 2012-12-05 株式会社トッパン・コスモ 化粧シート
PL2470365T3 (pl) * 2009-08-26 2019-05-31 Mantrose Haeuser Company Inc Drukowana powłoka elastyczna do pakowania żywności
WO2021176948A1 (ja) * 2020-03-03 2021-09-10 凸版印刷株式会社 ガスバリア積層体及び包装袋

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004114657A (ja) 2004-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060275563A1 (en) Biodegradable and compostable material
JPWO2002062572A1 (ja) 高速製袋可能な生分解性食品用包装袋
EP1319497A1 (en) Non-foil polymer coated carton for packaging food and non-food products
WO1998009812A1 (en) A biodegradable packaging laminate, a method of producing the packaging laminate, and packaging containers produced from the packaging laminate
JP2007276791A (ja) 紙カップ
JP4089376B2 (ja) 生分解性を有するバリア性積層包装材料
JP4941077B2 (ja) ガスバリア性透明ポリ乳酸フィルム
JPH09164626A (ja) バリアー性積層体
JPH11151774A (ja) 透明ガスバリア−性フィルム
JP2003291296A (ja) 積層材料
US11591149B2 (en) Water-dispersible and biodegradable films for the packaging of liquids and moisture-sensitive materials
JPH11263378A (ja) 液体小袋包装体
JP2002370749A (ja) 自立性袋
JP2006205626A (ja) 包装材料
JP3605324B2 (ja) 生分解性袋
JP4857482B2 (ja) レトルト用パウチ
JPWO2004020309A1 (ja) 引裂き性を有するガスバリア性包装袋
JP2005008246A (ja) シール付チューブ容器
JP2008207868A (ja) 液体スープ包材
JP2019006437A (ja) 外箱及び内袋を備える複合容器
JP4296794B2 (ja) 引裂き性に優れる透明ガスバリア性積層体
JP2018094885A (ja) ガスバリア性積層シート、包装材料および成形品
JPH06255039A (ja) 生分解性紙積層体
JP2002210858A (ja) レトルト用パウチ
JP3071881B2 (ja) 分解性ラミネート組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050707

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071025

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4089376

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110307

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120307

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130307

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140307

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees