以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施形態では、輸送対象物を現金や宝石などの貴重品とし、本発明の輸送管理システムを貴重品輸送システムとして構成した場合を一例に挙げて説明を行う。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
先ず、本発明の実施形態に係る貴重品輸送システム1の基本的な動作及び構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は貴重品輸送システム1の基本動作を説明するためのフローチャートであり、図2は貴重品輸送システム1の構成概要図である。図1のフローチャートにおいては、容易な理解のために、本実施形態の貴重品輸送システム1により行われる各ステップの間で、輸送者により行われる輸送作業を括弧に囲んで表示する。
貴重品輸送システム1による基本動作は、輸送者側の携帯電話機(輸送者側の携帯端末)10と貴重品箱(格納箱)30間のブルートゥース(Bluetooth、登録商標)通信(第1近距離通信)を確立させる動作(ステップS100)、貴重品箱30の施錠を確認する動作(ステップS200)、輸送車両20と貴重品箱30間のアクティブタグ通信(第2近距離通信)を確立させる動作(ステップS300)、輸送者側の携帯電話機10と貴重品箱30間のブルートゥース通信(第3近距離通信)を確立させる動作(ステップS400)、及び、貴重品箱30の解錠を確認する動作(ステップS500)に大別される。これは、貴重品の受領、受領した貴重品を貴重品箱30に格納、貴重品箱30を施錠、輸送車両20による運搬及び引渡し先へ到着、貴重品箱30を輸送車両20から降ろす、貴重品箱30を解錠、貴重品を引渡すといった輸送者による輸送の流れと対応する。以下、この貴重品輸送システム1による基本動作について詳細に説明する。
輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品を受領して輸送作業に着手したか否かを監視するために、輸送者側の携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部(対輸送者通信手段)311との間においてブルートゥース通信が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号(第1通信開始信号、輸送者格納箱間通信開始信号)を受信する。そして、後述する所定の認証処理を行った後に、携帯電話機10とブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信を確立させる。その後、輸送管理サーバ40は、例えば貴重品箱30側からブルートゥース通信が正しく確立されていることを表す信号を受信するようにしてもよい。このとき、輸送管理サーバ40は、輸送者と貴重品箱30間をブルートゥース通信状態の確認によって紐付けを行い、その紐付けが正しく行われているか否かを確認することで、輸送者による輸送作業の着手時点における輸送管理を行うことになる(ステップS100)。
次に、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品を貴重品箱30に格納してその貴重品箱30を施錠したか否かを監視するために、貴重品箱30に輸送者により入力された施錠キーを輸送管理サーバ40の格納部(格納手段)43に予め設定されている設定キーと照合し、施錠キーと設定キーとが合致している場合のみに施錠を許可する。そして、貴重品箱30が施錠された後に、その旨を表す施錠信号を貴重品箱30から更に受信する。これで、貴重品箱30の施錠時点における輸送管理を行うことになる(ステップS200)。
貴重品箱30が施錠されたことが確認された後、輸送者は貴重品箱30を輸送車両20に積載する。このとき、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品を輸送車両20に積載して運搬しているか否かを監視するために、輸送車両20のアクティブタグ通信端末(信号読取手段)21と貴重品箱30のアクティブタグ通信部(対輸送車両通信手段)331との間においてアクティブタグ通信が開始されたことを表すアクティブタグ通信開始信号(第2通信開始信号、輸送車両格納箱間通信開始信号)を受信する。そして、後述する所定の認証処理を行った後に、輸送車両20側のアクティブタグリーダ21と貴重品箱30側のアクティブタグ通信部331との間においてアクティブタグ通信を確立させる。その後、輸送管理サーバ40は、例えば輸送車両20側からアクティブタグ通信が正しく確立されていることを表す信号を受信するようにしてもよい。このとき、輸送管理サーバ40は、輸送車両20と貴重品箱30間をアクティブタグ通信状態の確認によって紐付けを行い、その紐付けが正しく行われているか否かを確認することで、貴重品箱30の輸送車両20への積載時点及び貴重品箱30が輸送車両20に積載されて運搬される時点における輸送管理を行うことになる(ステップS300)。
貴重品箱30が輸送車両20に積載されて貴重品の引渡し先まで到着された後、輸送者は貴重品箱30を輸送車両20から降ろす。このとき、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品箱30に対する降ろし作業及び引渡し作業を開始しているか否かを監視するために、輸送者側の携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信(第3近距離通信)が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号(第3通信開始信号、輸送者格納箱間通信開始信号)を受信する。そして、後述する所定の認証処理を行った後に、携帯電話機10とブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信を確立させる。その後、例えば貴重品箱30側からブルートゥース通信が正しく確立されていることを表す信号を受信するようにしてもよい。このとき、輸送管理サーバ40は、輸送者と貴重品箱30間をブルートゥース通信状態の確認によって紐付けを行い、その紐付けが正しく行われているか否かを確認することで、輸送者による降ろし作業及び引渡し作業の着手時点における輸送管理を行うことになる(ステップS400)。
次に、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品箱30を輸送車両20から降ろして解錠したか否かを監視するために、貴重品箱30に輸送者により入力された解錠キーを輸送管理サーバ40の格納部43に予め設定されている設定キーと照合し、解錠キーと設定キーとが合致している場合のみに解錠を許可する。そして、貴重品箱30が解錠された後に、その旨を表す解錠信号を貴重品箱30から更に受信する。これで、貴重品箱30の解錠時点における輸送管理を行うことになる(ステップS500)。
上述したステップS100からステップS500までの基本動作を行うために、本実施形態の貴重品輸送システム1は、図2に示すように、輸送者側の携帯電話機10、輸送車両20、貴重品箱30、及び、輸送管理サーバ40を備えて構成される。なお、輸送車両20、及び、貴重品箱30は移動体通信網50を介して輸送管理サーバ40と通信可能なように構成されている。移動体通信網50は、データ通信可能なパケット通信網又はデータ通信可能な回線交換網を含むものである。以下、この貴重品輸送システム1の各構成要素について詳細に説明する。
輸送者側の携帯電話機10は、本実施形態の貴重品輸送システム1において輸送者が貴重品の輸送作業を行う際に、貴重品箱30とのブルートゥース通信(第1近距離通信及び第3近距離通信)を行うための通信端末である。この輸送者側の携帯電話機10にはブルートゥース通信に対応した近距離無線通信機能が搭載されている。なお、本実施形態では第1近距離通信または第3近距離通信における近距離無線通信方式としてブルートゥース通信を用いた場合について例示して説明するが、これは近距離無線通信方式をブルートゥース通信に限定するものではなく、例えばHomeRF(Home Radio Frequency、登録商標)、赤外線通信などを用いることも可能である。
より具体的に、貴重品箱30のブルートゥース通信部311は、携帯電話機10との距離的接近状態、または、距離的離間状態を検出するものである。輸送者による輸送中における貴重品箱30と携帯電話機10が、距離的に離れブルートゥース通信が維持できない状態に陥った場合、異常として認識し輸送管理サーバに警告信号を送信する。
輸送車両20は、内部に貴重品が格納されている貴重品箱30を積載して引渡し先まで運搬するためのものであり、例えば通常の貴重品運搬用トラックなどが用いられる。この輸送車両20は、アクティブタグリーダ21、監視手段切替要求部22、及び、移動体通信部23を備えて構成されている。
輸送車両20のアクティブタグリーダ21は、貴重品箱30とのアクティブタグ通信を行う。なお、本実施形態では第2近距離通信における近距離無線通信方式としてアクティブタグ通信を用いた場合について例示して説明するが、これは近距離無線通信方式をアクティブタグ通信に限定するものではなく、例えばHomeRF(Home Radio Frequency、登録商標)、赤外線通信、パッシブタグ通信などを用いることも可能である。
より具体的に、輸送車両20のアクティブタグリーダ21は、貴重品箱30との距離的接近状態、または、貴重品箱30との距離的離間状態を検出するものである。例えば、輸送者が貴重品箱30を輸送車両20まで運搬した後に、輸送者は輸送車両20の運転に集中する必要があることと、場合によっては運転席と貴重品箱30が積載される場所とは距離的に離れておりブルートゥース通信では電波が届かない可能性があるなどのことから、輸送管理サーバ40による監視手段を変える必要がある。この監視手段変更のきっかけとなるのが本実施形態においては輸送車両20と貴重品箱30間の距離であり、輸送車両20のアクティブタグリーダ21により貴重品箱30との距離的接近状態が検出されると、監視手段切替要求部22は監視手段をブルートゥース通信からアクティブタグ通信に変更することを移動体通信部23を介して輸送管理サーバ40に要求する。この要求は、監視手段切替要求信号を移動体通信部23を介して輸送管理サーバ40に送信することで行われ、輸送管理サーバ40側の所定の認証処理により監視手段切替要求が認証された場合に、監視手段がブルートゥース通信からアクティブタグ通信に変更されたことを表す監視手段切替許可信号が輸送管理サーバ40から輸送車両20へ送信される。
また、輸送車両20のアクティブタグリーダ21により貴重品箱30との距離的離間状態が検出された場合には、監視手段切替要求部22は監視手段をアクティブタグ通信からブルートゥース通信に変更することを移動体通信部23を介して輸送管理サーバ40に要求する。この要求は、監視手段切替要求信号を輸送管理サーバ40に移動体通信部23を介して送信することで行われ、輸送管理サーバ40側の所定の認証処理により監視手段切替要求が認証された場合に、監視手段がアクティブタグ通信からブルートゥースによる監視に変更されたことを表す監視手段切替許可信号が輸送管理サーバ40から送信される。
貴重品箱30は、輸送対象物の貴重品を格納するものであり、ブルートゥース部310、電子錠部320、アクティブタグ部330、及び、移動体通信部340を備えて構成されている。以下、これらの構成要素についてより詳細に説明する。
ブルートゥース部310は、輸送者側の携帯電話機10とブルートゥース通信を行うためのものであり、ブルートゥース通信部311及びブルートゥース認証要求部312を備えて構成されている。ブルートゥース認証要求部312は、携帯電話機10からブルートゥース通信接続要求信号(ブルートゥース通信への接続を要求する携帯電話機10からの信号)を受信し、これに対しブルートゥース通信が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号を移動体通信部340を介して輸送管理サーバ40に送信する。このブルートゥース通信開始信号の送信によって、携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311間のブルートゥース通信に対する許可が輸送管理サーバ40に要求される。この要求に応じて、輸送管理サーバ40側の所定の認証処理により、携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311間のブルートゥース通信が確立されると、ブルートゥース通信部311は携帯電話機10とブルートゥース通信を行う。
電子錠部320は貴重品箱30を施錠及び解錠するためのものであり、施錠キー入力部(施錠キー入力手段)321、解錠キー入力部(解錠キー入力手段)322、認証要求部323、施錠部(施錠手段)324、及び、解錠部(解錠手段)325を備えて構成されている。
輸送者が貴重品を貴重品箱30に格納して輸送車両20に積載するためには貴重品箱30を施錠する必要がある。このため施錠キー入力部321は輸送者から入力された施錠キーを認証要求部323に出力し、認証要求部323は入力された施錠キーを移動体通信部340を介して輸送管理サーバ40に送信する。そして、輸送管理サーバ40側の所定の認証処理により施錠か許可されると、施錠部324は貴重品箱30の施錠を可能とする。このときの許可は、輸送管理サーバ40が施錠キーに対応する施錠許可信号を貴重品箱30の認証要求部323に移動体通信部340を介して応答することで行われる。
また、輸送者が引渡し先に到着して貴重品を引渡すためには貴重品箱30を解錠する必要がある。このため解錠キー入力部322は輸送者から入力された解錠キーを認証要求部323に出力し、認証要求部323は入力された解錠キーを移動体通信部340を介して輸送管理サーバ40に送信する。そして、輸送管理サーバ40側の所定の認証処理により解錠か許可されると、解錠部325は貴重品箱30の解錠を可能とする。このときの許可は、輸送管理サーバ40が解錠キーに対応する解錠許可信号を貴重品箱30の認証要求部323に移動体通信部340を介して応答することで行われる。
アクティブタグ部330は輸送車両20側のアクティブタグリーダ21とアクティブタグ通信を行うためのものであり、アクティブタグ通信部331を備えて構成されている。このアクティブタグ通信部331は、輸送車両20とのアクティブタグ通信を行う。
輸送管理サーバ40は、輸送者による輸送作業の全フローが正しく行われているか否かを監視するものであり、物理的には、CPU(中央処理装置)、メモリ、マウスやキーボードといった入力装置、ディスプレイといった表示装置、ハードディスクといった格納装置、通信装置などを備えたコンピュータシステムとして構成されている。また、輸送管理サーバ40は、機能的な構成要素として、受信部(受信手段)41、照合部(照合手段)42、格納部43、及び、認証部(確立手段)44を備えて構成されている。以下、これらの機能的な構成要素についてより詳細に説明する。
受信部41は、輸送者側の携帯電話機10、輸送車両20、及び、貴重品箱30から各種情報及び信号を受信するものである。具体的には、輸送者側の携帯端末10を識別するための輸送者識別情報、輸送車両20を識別するための輸送車両識別情報、及び、貴重品箱30を識別するための貴重品箱識別情報(格納箱識別情報)を受信する。また、受信部41は、携帯端末10と貴重品箱30側のブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号(第1近距離通信開始信号、第3近距離通信開始信号、輸送者格納箱間通信開始信号)、及び、輸送車両20側のアクティブタグリーダ21と貴重品箱側のアクティブタグ通信部331との間においてアクティブタグ通信が開始されたことを表すアクティブタグ通信開始信号(第2近距離通信開始信号、輸送車両格納箱間通信開始信号)を受信する。また、受信部41は、貴重品箱30を施錠するために例えば輸送者が貴重品箱30の施錠キー入力部321に入力した施錠キー、貴重品箱30を解錠するために例えば輸送者が貴重品箱30の解錠キー入力部322に入力した解錠キー、貴重品箱30が施錠されたことを表す施錠信号、及び、貴重品箱30が解錠されたことを表す解錠信号を受信する。受信部41は、受信した各種情報及び信号を照合部42に出力する。
照合部42は、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とが予め対応付けられたものであるか否かを判断する。この判断の際には、輸送者識別情報及び貴重品箱識別情報が予め対応付けられて格納されている格納部43を参照する。ここで、格納部43に格納されている各種情報は例えば図3に示す通りである。図3には、輸送者ID、パスワード、輸送者側の携帯電話機10の電話番号(輸送者識別情報)、貴重品箱ID(貴重品箱識別情報)、輸送車両ID(輸送車両識別情報)、設定キーなどが運行スケジュールに対応付けられて格納されている。照合部42により、これらの輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とが予め対応付けられたものであると判断された場合に、認証部44は携帯電話機10とブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信を確立させる。これはブルートゥース通信許可信号を貴重品箱30側に送信することで行われる。
また、照合部42は、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが予め対応付けられたものであるか否かを判断する。この判断の際には、輸送車両識別情報及び貴重品箱識別情報が図3に示すように予め対応付けられて格納されている格納部43を参照する。これらの輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが予め対応付けられたものであると判断された場合に、認証部44は輸送車両20側のアクティブタグリーダ21と貴重品箱側のアクティブタグ通信部331との間においてアクティブタグ通信を確立させる。これはアクティブタグ通信許可信号を輸送車両20側に送信することで行われる。
また、照合部42は、施錠キーを予め貴重品箱30と対応して設定された設定キーと照合する。この照合の際には、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とに対応付けられた設定キーが図3に示すように予め格納されている格納部43を参照する。この施錠キーと設定キーが合致した場合に、認証部44はその旨を表す施錠許可信号を貴重品箱30側に送信することで、貴重品箱30の施錠を許可する。
また、照合部42は、解錠キーを予め貴重品箱30と対応して設定された設定キーと照合する。この照合の際には、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とに対応付けられた設定キーが図3に示すように予め格納されている格納部43を参照する。この解錠キーと設定キーが合致した場合に、認証部44はその旨を表す解錠許可信号を貴重品箱30側に送信することで、貴重品箱30の解錠を許可する。
以下、このような本実施形態の貴重品輸送システム1により行われる動作について、図4〜図8のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。以下に述べる説明は上述した貴重品輸送システム1の基本動作(ステップS100〜ステップS500)に対応するものであり、それぞれの基本動作をより詳細に説明したものである。
図4は、輸送管理サーバ40が、輸送者側の携帯電話機10と貴重品箱30間のブルートゥース通信を確立させる動作(ステップS100)をより詳細に説明するためのフローチャートである。この動作は、輸送管理サーバ40が、輸送者が貴重品を受領して輸送作業に着手したか否かを監視するために行われる。
先ず、携帯電話機10は貴重品箱30側のブルートゥース通信部311にブルートゥース通信への接続を要求する旨を表すブルートゥース通信接続要求信号を送信する(ステップS101)。そのブルートゥース通信接続要求信号は貴重品箱30側のブルートゥース通信部311により受信され、ブルートゥース認証要求部312に出力される(ステップS102)。
ステップS102にてブルートゥース通信接続要求信号がブルートゥース認証要求部312に入力されると、これでブルートゥース通信が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号がブルートゥース認証要求部312により輸送管理サーバ40に送信される。このブルートゥース通信開始信号の送信によって、携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311間のブルートゥース通信が確立されるための認証が貴重品箱30側により輸送管理サーバ40に要求される(ステップS103)。
ステップS103にて送信されたブルートゥース通信開始信号は輸送管理サーバ40側の受信部41により受信される。この受信部41がブルートゥース通信開始信号を貴重品箱30側から受信する際には、輸送者側の携帯端末10を識別するための輸送者識別情報、及び、貴重品箱30を識別するための貴重品箱識別情報を併せて受信する。すなわち、ステップS101にてブルートゥース通信接続要求信号送信時に携帯電話機10より輸送者識別情報が併せて送信され、ステップS103においてブルートゥース通信開始信号送信時にブルートゥース認証要求部312により輸送者識別情報及び貴重品箱識別情報が併せて送信されることとなる。受信部41は受信した各種信号及び情報を照合部42に出力する(ステップS104)。
ステップS104にて入力された各種信号及び情報に基づいて、照合部42によりブルートゥース通信を確立させるか否かを判断するための認証が行われる。この認証は、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とが、図3に示す運行スケジュールとして格納部43に予め対応付けられたものであるか否かが判断されることで行われる(ステップS105)。
ステップS105にて、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものでない場合には、その旨を表す認証NG信号が貴重品箱30側及び携帯電話機10側に送信される(ステップS106及びステップS107)。
ステップS106及びステップS107のように、ブルートゥース通信の確立に対する許可が認められなかった場合には、ステップS101〜ステップS105の動作が繰り返される。図示はしてないが、このブルートゥース通信確立に対する要求動作の繰り返しは、例えば3回までを限界としてそれ以上繰り返された場合には、輸送管理サーバ40において警報信号が出力される。
一方、ステップS105にて、輸送者識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものである場合には、その旨を表す認証OK信号(上述したブルートゥース通信許可信号)が貴重品箱30側及び携帯電話機10側に送信される(ステップS108及びステップS109)。そして、携帯電話機10とブルートゥース通信部311との間においてブルートゥース通信セッションが確立される(ステップS110及びステップS111)。図示はしないが、このブルートゥース通信セッションが確立された後に、携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311間のブルートゥース通信が正常に行われていることを表す信号が貴重品箱30側から輸送管理サーバ40側に送信されるようにしてもよい。
図5は、輸送管理サーバ40が、貴重品箱30の施錠を確認する動作(ステップS200)をより詳細に説明するためのフローチャートである。この動作は、輸送管理サーバ40が、輸送者が貴重品を貴重品箱30に格納してその貴重品箱30を施錠したか否かを監視するために行われる。
先ず、ステップS100におけるブルートゥース通信セッションが確立されているか否かが判断される(ステップS201)。ステップS201にて、ブルートゥース通信セッションが確立されていない場合に、処理の流れは、ステップS100におけるブルートゥース通信セッション確立動作へ移行する。つまり、ブルートゥース通信セッションが確立されていない場合には、ステップS200における施錠動作は行われない。
一方、ステップS201にて、ブルートゥース通信セッションが確立されている場合には、施錠キー入力部321により施錠キーが入力される。この施錠キーとしては、例えば暗証番号をはじめとするキー情報、生体認証情報などが用いられる(ステップS202)。
ステップS202にて入力された施錠キーは認証要求部323により輸送管理サーバ40側に送信され、輸送管理サーバ40側の受信部41はその施錠キーを受信する。この受信部41が施錠キーを貴重品箱30側から受信する際には、輸送者側の携帯端末10を識別するための輸送者識別情報、及び、貴重品箱30を識別するための貴重品箱識別情報を併せて受信する。受信部41は受信した各種信号及び情報を照合部42に出力する(ステップS203)。
ステップS203にて入力された施錠キー、輸送者識別情報、及び、貴重品箱識別情報に基づいて、照合部42により貴重品箱30の施錠に対する認証が行われる。この認証は、施錠キーと格納部43に予め設定されている設定キーとが照合されることで行われる。(ステップS204)。
ステップS204にて施錠キーと設定キーとが合致しない場合には、その旨を表す合致NG信号が貴重品箱30側に送信され、貴重品箱30の認証要求部323はその合致NG信号を受信する(ステップS205)。ステップS205のように貴重品箱30の施錠に対する許可が認められなかった場合には、ステップS202〜ステップS204の動作が繰り返される。図示はしてないが、この貴重品箱施錠認証動作の繰り返しは、例えば3回までを限界としてそれ以上繰り返された場合には、輸送管理サーバ40において警報信号が出力される。
一方、ステップS204にて施錠キーと設定キーとが合致した場合には、その旨を表す合致OK信号(上述した施錠許可信号)が貴重品箱30側に送信され、貴重品箱30の認証要求部323はその合致OK信号を受信する(ステップS206)。
ステップS206にて合致OK信号が貴重品箱30側に受信された後に、貴重品箱30は物理キーによって機械的に施錠されることが可能になる。そして、物理キーにより施錠が行われると、貴重品箱30においてそれに伴う所定の電気信号が検出される。この電気信号の検出は、図示はしてないが、例えば貴重品箱30に設けられた鍵穴と物理キーとが金属的に接続した場合に発生する電気信号を検出することで行われる(ステップS207)。
ステップS207にて電気信号が発生したことが検出されると、貴重品箱30の施錠が完了されたことを表す施錠信号が輸送管理サーバ40に送信される(ステップS208)。そして、輸送管理サーバ40はこの施錠信号を受信することで貴重品箱30が安全に施錠されたことを確認することになる(ステップS209)。
図6は、輸送管理サーバ40が、輸送車両20と貴重品箱30間のアクティブタグ通信を確立させる動作(ステップS300)をより詳細に説明するためのフローチャートである。この動作は、輸送管理サーバ40が、輸送者が貴重品を輸送車両20に積載して運搬しているか否かを監視するために行われる。
先ず、輸送車両20のアクティブタグリーダ21により輸送車両20と貴重品箱30との距離的接近状態が検出され、この検出信号は接近状態検出信号として監視手段切替要求部22に出力される(ステップS301)。
ステップS301にて接近状態検出信号が監視手段切替要求部22に入力されると、これでアクティブタグ通信が開始されたことを表すアクティブタグ通信開始信号が監視手段切替要求部22により輸送管理サーバ40に送信される。このアクティブタグ通信開始信号の送信によって、輸送車両20のアクティブタグリーダ21と貴重品箱30のアクティブタグ通信部311間のアクティブタグ通信に対する許可が輸送車両20により輸送管理サーバ40に要求される。つまり、貴重品の監視手段をブルートゥース通信からアクティブタグ通信へ切り替えることを要求する監視手段切替要求信号が輸送管理サーバ40に送信される(ステップS302)。
ステップS302にて送信されたアクティブタグ通信開始信号は輸送管理サーバ40側の受信部41により受信される。この受信部41がアクティブタグ通信開始信号を貴重品箱30側から受信する際には、輸送車両20を識別するための輸送車両識別情報、及び、貴重品箱30を識別するための貴重品箱識別情報を併せて受信する。この貴重品箱識別情報は、ステップS301にて輸送車両20と貴重品箱30との距離的接近状態が検出された時に、貴重品箱30側から輸送車両20に送信され、ステップS302にて監視手段切替要求部22によってアクティブタグ通信開始信号と併せて送信される。受信部41は受信した各種信号及び情報を照合部42に出力する(ステップS303)。
ステップS303にて入力された各種信号及び情報に基づいて、照合部42により監視手段をブルートゥース通信からアクティブタグ通信に切り替えるか否かに対する認証が行われる。この認証は、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが、図3に示す運行スケジュールとして格納部43に予め対応付けられたものであるか否かが判断されることで行われる。(ステップS304)。
ステップS304にて、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものでない場合には、その旨を表す認証NG信号が輸送車両20側に送信され、監視手段切替要求部22はその認証NG信号を受信する(ステップS305)。
ステップS305のように、アクティブタグ通信の確立に対する許可(監視手段の切替に対する要求)が認められなかった場合には、ステップS302〜ステップS304の動作が繰り返される。図示はしてないが、この監視手段切替に対する要求動作の繰り返しは、例えば3回までを限界としてそれ以上繰り返された場合には、輸送管理サーバ40において警報信号が出力される。また、ステップS100及びステップS200におけるブルートゥース通信セッションが確立されていない場合においても監視手段の切替が不可能なようにし、貴重品に対する管理をより強化してもよい。
一方、ステップS105にて、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものである場合には、その旨を表す認証OK信号(上述した監視手段切替許可信号、または、アクティブタグ通信許可信号)が輸送車両20側に送信され、監視手段切替要求部22はその認証OK信号を受信する(ステップS306)。そして、輸送車両20のアクティブタグリーダ21と貴重品箱30のアクティブタグ通信部331との間においてアクティブタグ通信セッションが確立される(ステップS307及びステップS308)。図示はしないが、このアクティブタグ通信セッションが確立された後に、アクティブタグリーダ21と貴重品箱30のアクティブタグ通信部331間のアクティブタグ通信が正常に行われていることを表す信号が輸送車両20側から輸送管理サーバ40側に送信されるようにしてもよい。
図7は、輸送管理サーバ40が、輸送者側の携帯電話機10と貴重品箱30間のブルートゥース通信を確立させる動作(ステップS400)をより詳細に説明するためのフローチャートである。この動作は、輸送管理サーバ40が、輸送者が貴重品箱30に対する降ろし作業及び引渡し作業を開始しているか否かを監視するために行われる。
先ず、ブルートゥース通信を確立させる(ステップS401〜ステップS411)。この動作は上述したステップS101〜ステップS111のブルートゥース通信確立動作と同様である。
次に、輸送車両20のアクティブタグリーダ21により輸送車両20と貴重品箱30との距離的離間状態が検出され、この検出信号は離間状態検出信号として監視手段切替要求部22に出力される(ステップS412)。
ステップS412にて離間状態検出信号が監視手段切替要求部22に入力されると、これでブルートゥース通信が開始されたことを表すブルートゥース通信開始信号が輸送車両20の監視手段切替要求部22により輸送管理サーバ40に送信される。このブルートゥース通信開始信号の送信によって、貴重品の監視手段をアクティブタグ通信からブルートゥース通信へ切り替えることが要求される(ステップS413)。
ステップS413にて送信されたブルートゥース通信開始信号は輸送管理サーバ40側の受信部41により受信される。この受信部41がブルートゥース通信開始信号を貴重品箱30側から受信する際には、輸送車両識別情報及び貴重品箱識別情報を併せて受信する。受信部41は受信した各種信号及び情報を照合部42に出力する(ステップS414)。
ステップS414にて入力された各種信号及び情報に基づいて、照合部42により監視手段をアクティブタグ通信からブルートゥース通信に切り替えるか否かに対する認証が行われる。この認証は、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが、図3に示す運行スケジュールとして格納部43に予め対応付けられたものであるか否かが判断されることで行われる(ステップS415)。
ステップS415にて、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものでない場合には、その旨を表す認証NG信号が輸送車両20側に送信され、監視手段切替要求部22はその認証NG信号を受信する(ステップS416)。
ステップS416のように、監視手段の切替に対する要求が認められなかった場合には、ステップS413〜ステップS415の動作が繰り返される。図示はしてないが、この監視手段切替に対する要求動作の繰り返しは、例えば3回までを限界としてそれ以上繰り返された場合には、輸送管理サーバ40において警報信号が出力される。また、ステップS401〜ステップS411におけるブルートゥース通信セッションが確立されていない場合においても監視手段の切替が不可能なようにし、貴重品に対する管理をより強化してもよい。
一方、ステップS416にて、輸送車両識別情報と貴重品箱識別情報とが格納部43に予め対応付けられたものである場合には、その旨を表す認証OK信号(上述した監視手段切替許可信号、または、ブルートゥース通信許可信号)が輸送車両20側に送信され、監視手段切替要求部22はその認証OK信号を受信する(ステップS417)。そして、貴重品に対する監視手段がアクティブタグ通信からブルートゥース通信に切り替えられる(ステップS418)。図示はしないが、このブルートゥース通信セッションが確立された後に、携帯電話機10と貴重品箱30のブルートゥース通信部311間のブルートゥース通信が正常に行われていることを表す信号(監視手段がアクティブタグ通信からブルートゥース通信に切り替えられたことを表す信号)が貴重品箱30側から輸送管理サーバ40側に送信されるようにしてもよい。
図8は、輸送管理サーバ40が、貴重品箱30の解錠を確認する動作(ステップS500)をより詳細に説明するためのフローチャートである。この動作は、輸送管理サーバ40が、輸送者が貴重品箱30を輸送車両20から降ろして解錠したか否かを監視するために行われる。
先ず、ステップS400におけるブルートゥース通信セッションが確立されているか否かが判断される(ステップS501)。ステップS501にて、ブルートゥース通信セッションが確立されていない場合に、処理の流れは、ステップS400におけるブルートゥース通信セッション確立動作へ移行する。つまり、ブルートゥース通信セッションが確立されていない場合には、ステップS500における解錠動作は行われない。
一方、ステップS501にて、ブルートゥース通信セッションが確立されている場合には、解錠キー入力部322により解錠キーが入力される。この解錠キーとしては、例えば暗証番号をはじめとするキー情報、生体認証情報などが用いられる(ステップS502)。
ステップS502にて入力された解錠キーは認証要求部323により輸送管理サーバ40側に送信され、輸送管理サーバ40側の受信部41はその解錠キーを受信する。この受信部41が解錠キーを貴重品箱30側から受信する際には、輸送者識別情報及び貴重品箱識別情報を併せて受信する。受信部41は受信した各種信号及び情報を照合部42に出力する(ステップS503)。
ステップS503にて入力された解錠キー、輸送者識別情報、及び、貴重品箱識別情報に基づいて、照合部42により貴重品箱30の解錠に対する認証が行われる。この認証は、解錠キーと格納部43に予め設定されている設定キーとが照合されることで行われる(ステップS504)。
ステップS504にて解錠キーと設定キーとが合致しない場合には、その旨を表す合致NG信号が貴重品箱30側に送信され、貴重品箱30の認証要求部323はその合致NG信号を受信する(ステップS505)。ステップS505のように貴重品箱30の解錠に対する許可が認められなかった場合には、ステップS502〜ステップS504の動作が繰り返される。図示はしてないが、この貴重品箱解錠認証動作の繰り返しは、例えば3回までを限界としてそれ以上繰り返された場合には、輸送管理サーバ40において警報信号が出力される。
一方、ステップS504にて解錠キーと設定キーとが合致した場合には、その旨を表す合致OK信号(上述した解錠許可信号)が貴重品箱30側に送信され、貴重品箱30の認証要求部323はその合致OK信号を受信する(ステップS506)。
ステップS506にて合致OK信号が貴重品箱30側に受信された後に、貴重品箱30は物理キーによって機械的に解錠されることが可能になる。そして、物理キーにより解錠が行われると、貴重品箱30においてそれに伴う所定の電気信号が検出される。この電気信号の検出は、図示はしてないが、例えば貴重品箱30に設けられた鍵穴と物理キーとが金属的に接続した場合に発生する電気信号を検出することで行われる(ステップS507)。
ステップS507にて電気信号が発生したことが検出されると、貴重品箱30の解錠が完了されたことを表す解錠信号が輸送管理サーバ40に送信される(ステップS508)。そして、輸送管理サーバ40はこの解錠信号を受信することで貴重品箱30が安全に解錠されたことを確認することになる(ステップS509)。
続いて、本実施形態の作用及び効果について説明する。本実施形態の貴重品管理システム1及び貴重品管理方法によれば、ステップS100にて、輸送者側の携帯端末10と貴重品箱30側のブルートゥース通信部311との接近がブルートゥース通信を利用することで検出される。これにより、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品に対する輸送作業を着手した時点から貴重品に対する輸送管理を行うことができる。また、輸送管理サーバ40は輸送者識別情報と格納箱識別情報とが予め対応付けられているものであるか否かを判断する。これによって、輸送管理サーバ40は、輸送作業の着手時点における輸送作業が、当該輸送者と当該貴重品箱30とに対応して正常に行われているか否かを適切に判断することができる。
また、ステップS200にて、入力された施錠キーが輸送管理サーバ40に予め設定されている設定キーと合致した場合に貴重品箱30が施錠可能となる。そして、輸送管理サーバ40は貴重品箱30が施錠されたことを表す施錠信号を受信する。このため、輸送管理サーバ40は、ステップS100を通じて輸送者が輸送作業を着手した時点に続いて、貴重品箱30が施錠される時点における輸送管理を行うことができる。なお、設定キーは予め輸送者識別情報及び格納箱識別情報と対応付けられている。これによって、輸送管理サーバ40は、施錠キーと輸送者識別情報及び格納箱識別情報とが対応付けられているか否かを判断できるようになり、貴重品箱30の施錠作業が、当該輸送者と当該貴重品箱30とに対応して正常に行われているか否かを適切に判断することができる。
また、ステップS300にて、輸送車両20側のアクティブタグリーダ21と貴重品箱30側のアクティブタグ通信部331との接近がアクティブタグ通信を利用することで検出される。このため、輸送管理サーバ40は、ステップS200を通じて貴重品箱30が施錠された時点に続いて、貴重品箱30が輸送車両20に積載されて輸送される時点における輸送管理を行うことができる。また、輸送管理サーバ40は輸送車両識別情報と格納箱識別情報とが予め対応付けられているものであるか否かを判断する。これによって、輸送管理サーバ40は、貴重品箱30が輸送車両20に積載されて輸送される時点における輸送作業が、当該輸送車両20と当該貴重品箱30とに対応して正常に行われているか否かを適切に判断することができる。
また、ステップS400にて、輸送者側の携帯端末10と貴重品箱30側のブルートゥース通信部311との接近がブルートゥース通信を利用することで検出される。このため、輸送管理サーバ40は、ステップS300を通じて貴重品箱30が輸送車両20に積載され輸送される時点に続いて、輸送者が貴重品を輸送車両20から降ろす作業を開始する時点における輸送管理を行うことができる。また、輸送管理サーバ40は輸送者識別情報と格納箱識別情報とが予め対応付けられているものであるか否かを判断する。これによって、輸送管理サーバ40は、輸送者が貴重品を輸送車両20から降ろす作業を開始する時点における輸送作業が、当該輸送者と当該貴重品箱30とに対応して正常に行われているか否かを適切に判断することができる。
また、ステップS500にて、入力された解錠キーが輸送管理サーバ40に予め設定されている設定キーと合致した場合に貴重品箱30が解錠される。そして、輸送管理サーバ40は貴重品箱30が解錠されたことを表す解錠信号を受信する。このため、輸送管理サーバ40は、ステップS400を通じて輸送者が貴重品を輸送車両20から降ろす作業を開始した時点に続いて、貴重品箱30が解錠される時点における輸送管理を行うことができる。なお、設定キーは予め輸送者識別情報及び格納箱識別情報と対応付けられている。これによって、輸送管理サーバ40は、解錠キーと輸送者識別情報及び格納箱識別情報とが対応付けられているか否かを判断できるようになり、貴重品箱30の解錠作業が、当該輸送者と当該貴重品箱30とに対応して正常に行われているか否かを適切に判断することができる。
したがって、輸送作業の着手、施錠、輸送車両20に積載して運搬、貴重品を降ろす作業、解錠といった輸送作業に関する一連の処理を輸送管理サーバ40が一元管理することが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、第1近距離通信方式と第3近距離通信方式とをブルートゥース通信方式とし、第2近距離通信方式をアクティブタグ通信方式としたが、輸送管理システムを構成する際の状況などを考慮して、全ての通信方式を同一に構成しても良く、全ての通信方式を異なるように構成しても良い。
また、貴重品箱30に所定のセンサ等を設けて、貴重品が貴重品箱30内に確実に格納されたことを確認した状態で、ステップS200以後の動作が行われるようにしても良い。
また、本実施形態においては、携帯電話機10と輸送車両20と貴重品箱30との間の距離によって、監視手段が自動的に切り替えられるように構成されているが、例えば、ステップS200とステップS300との間において貴重品箱30が輸送車両20に積載される際、または、ステップS400とステップS500との間において貴重品箱30が輸送車両20から降ろされる際のように、携帯電話機10と輸送車両20と貴重品箱30とが互いに接近しており、認識可能な通信手段が複数存在する状態になった場合には、輸送者の選択により何れの監視手段が用いられるかが選択されるようにしても良い。
また、施錠キーと解錠キーとは同一であっても良く、異なっても良い。更に、ステップS110及びステップS111においてブルートゥース通信セッションが確立された後に、貴重品箱30に設けられた例えばLEDランプを点灯させることで、ブルートゥース通信セッションが確立されたことを例えば輸送者に知らせても良い。これは、ステップS307及びステップS308において監視手段が切り替えられた後、ステップS418において監視手段が切り替えられた後、ステップS207にて物理キーで貴重品箱30が施錠された後、ステップS407にて物理キーで貴重品箱30が解錠された後においても、同様に構成することが可能である。
1…貴重品管理システム、10…携帯電話機、20…輸送車両、30…貴重品箱、310…ブルートゥース部、320…電子錠部、330…アクティブタグ部、40…輸送管理サーバ、41…受信部、42…照合部、43…格納部、44…認証部、50…移動体通信網。