JP4088129B2 - 漏水探査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏水探査装置に関し、特に、建築構造物においてコンクリート、砂等によって表装された防水層の漏水箇所を探査する漏水探査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物屋上の漏水探査方法としては、防水層の上に水のような導電性の媒体を満たして媒体内には外部電極及びアレイ状に多数の電位測定電極を配置し、外部電極と建物の躯体である鉄筋との間に電流を流して媒体内の電位分布を電位測定電極で測定することにより、漏水箇所を探査する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1記載の防水層探査方法は、多数の電極を配設すべき位置を計測した後、電極を所定位置に配設し、各電極について電圧及び電流を測定して漏水の可能性を推定する。その探査手順は、漏水探査を目的とする構築物の全体にわたって、一つの外側電極と接地の間に電流を流して各電極の間における電圧及び電流を測定し、他の外側電極についても接地との間に電流を流して各電極の間における電圧及び電流を測定する。これによって、電極間における導電性媒体の比抵抗を求めつつ、漏水の可能性を推定する(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−104104号公報(明細書の「発明の実施の態様」の欄)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載された漏水探査方法は、下記の問題点を有する:
(1)漏水探査を目的とする構築物の全体にわたって、予め多数の電位測定電極を配設すべき位置を計測して配設しければならないから、探査準備に非常に手間がかかる;
(2)構築物全体を対象とする漏水探査では、小さな漏水の発見が困難である;
(3)漏水位置を他の位置と比較した可能性として推定するため、漏水の存否を正確に判定することができない;
(4)一般の構築物においては、防水層の上にはコンクリート又はブロック等が表装されているため、電極には粘着材を用いて表装との接触抵抗を小さくする必要があり、その粘着材は再使用ができない。
(5)漏水の可能性が高いと推定した部分について、同様の測定手順で漏水位置を絞り込んでいく必要がある;
(6)以上の問題点のため、漏水探査に大きな労力とコストがかかり、実用性に乏しい。
【0006】
本発明の目的は、建築構造物の防水層の漏水箇所を簡単かつ正確に探査する漏水探査装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1の視点において、表装された防水層の漏水位置を探査する漏水探査装置であって、探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極と、前記探査箇所の任意の測定点に移動可能な電位測定電極と、前記測定点の位置を計測する位置計測手段と、
前記測定点の電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、前記電位測定電極によって測定した電位データ及び前記位置計測手段によって計測した位置データから漏水を判定する漏水判定手段と、を有し、前記印加電極、前記電位測定電極、前記位置計測手段及び前記漏水判定手段が走行車両上に搭載され、該印加電極及び該電位測定電極が前記表装面上を移動可能である、ことを特徴とする漏水探査装置を提供する。
本発明は、第2の視点において、表装された防水層の漏水位置を探査する漏水探査装置であって、探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極と、所定の位置関係に配設されて前記表装面の電位を測定する複数の電位測定電極と、前記測定電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、前記電位測定電極によって測定した電位データ及び前記電位測定電極の位置関係から漏水を判定する漏水判定手段と、を有し、前記印加電極、前記電位測定電極及び前記漏水判定手段が走行車両上に搭載され、該印加電極及び該電位測定電極が前記表装面上を移動可能である、ことを特徴とする漏水探査装置を提供する。
【0008】
本発明の漏水探査装置によれば、表装された防水層の漏水位置を探査する漏水探査方法であって、探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する工程と、前記探査箇所の複数の測定点の電位を電位測定電極を用いて測定する工程と、前記測定点の電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、前記測定した電位データ及び前記測定点の位置関係から漏水を判定する工程とを含む漏水探査方法を実行できる
【0009】
本発明は下記の作用効果を奏する:
(1)多数の電位測定電極を探査箇所にアレイ状に配置しなくてもよいため、準備作業にかかる手間が軽減される。また、電位測定電極を任意の位置に移動して電位測定することができるため、漏水位置を詳細に探査できる。;
(2)印加電極が探査箇所の表装面を囲むよう配置されることにより、印加電極と探査箇所(探査面)との接触面積が大きくなり電圧の印加が容易となる。しかも、電位測定は印加電極で囲まれた範囲で行えばよいため、印加電極と接地との間に流れる電流はそれだけ小さくできる;
(3)電位測定電極は電圧を測定すれば足るため、表装との接触抵抗は無視することができる;
(4)電極として粘着材を用いなくてもよいため、電極の移動設置が簡単である;
(5)漏水位置周辺における電位は漏水位置からの距離に依存する(電位シェイプ)。漏水位置の周囲の電位変化はこれに従い、表装の導電率の変化による電位変化の場合はこれに従わない。これによって、漏水の存否を判定できる;
(6)漏水に広がりがある場合には、それを漏水位置の集合とみなして、測定電位は上記電位の重ね合わせになる。これによって、広い面積にわたる漏水又は連続ないし不連続に連なる漏水がある場合でも、そのような漏水の広がりを判定できる。;
(7)本発明の装置は、一体ないしコンパクトに構成することができるため、移動が容易であり、漏水探査の現場に輸送した後、準備作業なしに直ちに探査を開始できる;
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明による漏水位置判定方法ないし漏水位置推定方法の原理を説明する。
【0011】
本発明は、コンクリート、砂等によって表装された防水層の漏水箇所を探査する方法に関し、表装が湿分を含んで導電層を有する状態において、探査箇所の周囲に電圧を印加する印加電極を表装に設置し、表装の電位を電位測定電極により測定し、次のようにして理論的に求めた漏水位置からの距離に依存する表装表面の電位シェイプを用いて、漏水を判定する。
【0012】
(1)電圧印加
漏水探査しようとする箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極を配置して、探査箇所の周囲に電圧を印加する。このような電極には、例えば、金属製の鎖、水を含ませた紐やフエルト等を用いれば、効果的に所要の電圧を印加することができる。
(2)電位測定
電位測定電極は、印加電極で囲まれた範囲の任意の位置に移動して表装上の電位を測定する。このとき、超音波等を用いた公知の測定方法で電位を測定した位置を計測する。また、電位測定位置を予め設定して既知であるか、多数の電位測定電極を所定の位置に配置しておくならば、測定位置を計測する必要がない。
(3)電位シェイプ
電気抵抗が一様であって厚さ一様な円板において、円板の下面中心で接地し、上面の中心から一定距離に一定電圧を印加したとき、上面の電位分布の形状は、中心からの距離に依存して、中心部で最小で、中心からの距離に従って単調に増加する。また、上面の電位の変化率(電位を中心からの距離について微分した値)は、中心付近では中心からの距離に略比例して増加し、中心から遠い部分では中心からの距離に略反比例して減少する。
この円板を防水層上の表装に置き換えれば、漏水探査箇所の表装面について周囲を囲むように電圧を印加したとき、表装表面の電位は漏水位置を上記円板の中心として同様の関係が成立する。
【0013】
上記漏水判定方法について例をあげて詳細に説明する。
【0014】
(1)漏水判定:
電気的絶縁材料で形成された防水層に表装が導電性を有し、防水層の一箇所に損傷を生じて電気的に接地された場合において、表装の周囲に電圧を印加したとき、表装の厚さに比較して漏水位置から遠い位置においては式1が成立する。
【0015】
【式1】
Figure 0004088129
【0016】
そこで、式1を積分すれば下記の式2が得られ、表装に厚さがある場合には式2で漏水推定量の1次連立方程式として近似することができる。
【0017】
【式2】
Figure 0004088129
【0018】
また、式1が適用できない範囲においても、任意の電位シェイプ関数を用いれば、式3が成立し、漏水位置の近くから遠く離れた位置まで適用することができる。
【式3】
Figure 0004088129
なお、漏水が発生していない場所においても、表装の導電率の変化等によって測定電位が変化するが、漏水位置付近の電位分布は式2に従い、漏水がない場所での電位変化は式2に従わないことによって、漏水を判定することができる。
【0019】
(2)漏水位置推定:
漏水位置は、式4で示される三つの円のうち任意の2つ又は3つの円の交点として推定できる。
【0020】
【式4】
Figure 0004088129
【0021】
(3)表装の厚さが厚い場合:
本発明においては、表装が厚い場合には予想される電位シェイプに基づき漏水判定することができる。図6は、本発明の一実施の形態に係る、表装が厚い場合の漏水判定方法を説明するための電位シェイプ図であって、推定される漏水位置と測定点の距離と、測定点における電位の関係を示している。図6を参照すると、t=60mm程度までは、測定電位は漏水点からの距離に反比例するとみなし、それ以上では、図6中に示す電位シェイプに基づいて漏水判定することにより、より正確な判定を行うことができる。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、車輪を備えた走行車両に搭載され、任意の箇所に移動可能に構成される。好ましくは、印加電極が車両に取付けられた枠体上に配置される。また、好ましくは、前記車両は、車両が一定距離を移動したときにそれを報知する手段、或いは移動を停止する手段を有する。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、印加電極の近傍に、前記印加電極が所定の電圧を印加していることを確認する確認電極を有する。印加電極が表装面に適当な電圧が印加されていない箇所がある場合には、その付近での電位低下を検知して、それを発見することができる。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、二又は三の前記測定点の電位データを用いて漏水位置を推定する漏水位置推定手段を有する。さらに好ましくは、前記漏水探査装置は、前記電位測定電極を移動させる電極移動手段を有し、前記漏水位置推定手段による漏水位置についての推定結果に基づいて、前記電極移動手段により前記電位測定電極を移動して当該移動した測定点の電位を測定し、測定点位置を計測し、更に漏水位置を推定する。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、前記電位測定電極を移動させる電極移動手段を有し、漏水位置推定手段による漏水位置についての推定結果に基づいて、前記電極移動手段により前記電位測定電極を移動して当該移動した測定点の電位を測定し、測定点位置を計測し、更に漏水位置を推定することができる。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、前記電位測定電極を移動させる電位測定電極移動手段として、一又は複数の電位測定電極が取付けられたアーム機構ないしスライド機構を有し、電位測定電極が前記枠体内で自在に変位可能とされる。好ましくは、複数の電位測定電極を用いることにより、前記アーム等を移動させることなく、複数の測定を行うことができる。なお、本発明においては、漏水位置を推定して、手動操作により電位測定電極を移動してもよい。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、電位測定電極の位置を計測するための位置計測手段として、超音波送受信器を備える。なお、分解能に対して、十分な数の電位測定電極を有し、これら電位測定電極の探査箇所上の位置が既知であれば、探査の際に測定点を計測しなくてもよい。好ましくは、本発明の漏水探査装置は、所定の位置関係に配設されて前記測定点の電位を測定する複数の電位測定電極を有する。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、漏水位置から印加電極までの距離に比較して前記防水層上の表装の厚さが小さい場合、前記電位シェイプは、漏水位置から前記測定点までの変化率が該漏水位置からの距離に反比例する関係から導かれる電位シェイプであることを特徴とする。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置において、漏水判定手段は、複数の漏水位置についてのそれぞれの電位シェイプを重ね合わせる演算処理部を備える。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、測定点の位置及び該測定点における漏水をマップ表示する表示装置を有する。例えば、本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、リアルタイムに電位データ及び測定点の位置データを処理して、漏水判定結果を表示装置に画像表示する情報処理装置を有する。好ましくは、本発明の漏水探査装置には、手動又は前記情報処理装置の指令により、推定された漏水位置を実際の探査箇所上にマーキングする手段を有し、そのマーキングには漏水量に関する情報を含ませることができる。また、本発明によれば、測定データや漏水探査結果をマップで図形表示することによって、リアルタイムに詳細な電位測定をし、漏水箇所の形状まで詳細に表示することが可能であり、探査の工程を大幅に短縮できる。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、2点又は3点以上の測定データを用いて漏水位置を推定して、漏水位置の絞り込みのため、次に追加測定すべき箇所を表示する。例えば、表装面のいくつかの測定点で電位を測定した時点において漏水判定結果又は漏水位置推定結果をディスプレイにマップ表示することによって、操作者は、次にどこを測定点にすればよいか知ることができて、更に電位測定を迷うことなく効率よく進めることができる。また好ましくは、本発明の漏水探査装置は、測定データ及び処理データを保存、出力、送信等する手段を備える。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査装置は、自動的に、測定点を推定し、電位測定電極が移動され、測定を行うよう構成することができる。例えば、予め、所定のプログラムを実行する情報処理装置からの指令にしたがって、本発明の漏水探査装置が漏水探査を繰り返しながら自動走行し、漏水探査を無人で行うことができる。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査方法において、漏水位置から前記探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極までの距離に比較して前記防水層上の表装の厚さが小さい場合において、前記電位シェイプは、漏水位置から前記測定点までの変化率が該漏水位置からの距離に反比例する関係から導かれる電位シェイプである。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態に係る漏水探査方法は、下記の工程の一又は二以上の工程を含む:
(1)複数の漏水位置についてのそれぞれの電位シェイプを重ね合わせて演算する工程、前記測定点の位置及び該測定点における漏水をマップ表示する工程;
(2)二又は三の前記測定点の電位データから漏水位置を推定する工程;
(3)二又は三の前記測定点の電位データ及び位置データに基づき、前記電位シェイプを用いて漏水位置を推定する工程;
(4)前記漏水についての判定結果及び前記漏水位置についての推定結果の少なくともいずれか一方を参照して電位測定電極を移動する工程。
【0035】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例に係る漏水探査装置の外観図であり、図2は、図1に示した漏水探査装置の平面図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施例に係る漏水探査装置は、車輪7を備えた走行車両上に搭載され、探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極1と、探査箇所の任意の測定点に移動可能な電位測定電極2とを有する。さらに、前記漏水探査装置は、測定点の位置を計測する位置計測手段31,32と、測定点の電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、電位測定電極2によって測定した電位データ及び測定点の位置データから漏水を判定する漏水判定手段を備えた情報処理装置5を有する。
【0037】
印加電極1は、車両本体前方に位置する枠体8上に配置され、枠体8の中間部に配置されたヒンジ11により上下に折り畳み可能とされている。位置計測手段31,32は、電位測定電極2側に配置された超音波発信器31と、車両本体側に配置された超音波受信器32から構成され、超音波発信器31から発信される超音波を枠体8の隅に配置された超音波受信器32が受信することにより、電位測定電極2の位置が計測される。
【0038】
情報処理装置5には、超音波受信器32出力信号から計測した電位測定電極2の位置データ信号と、電位測定電極2が出力する電位データ信号が入力される。情報処理装置5は、操作キーボード5bからの指令により動作する前記漏水判定手段とさらに漏水位置推定手段を含んで構成されている。漏水判定手段及び漏水位置推定手段は、情報処理装置において実行される所定のプログラムから構成することができ、或いはハードウェアから構成することもできる。情報処理装置5は、さらに、測定点の位置及び該測定点における漏水をマップ表示する表示装置5aを有している。
【0039】
漏水判定手段は、漏水位置から印加電極1までの距離に比較して防水層91上の表装92の厚さが薄い場合、前記電位シェイプは、漏水位置から前記測定点までの変化率が該漏水位置からの距離に反比例する関係から導かれる電位シェイプであるとみなして、測定点における漏水を判定する。その他の場合には、漏水判定手段は、予想される電位シェイプに基づいて漏水判定を行えばよい。また、漏水判定手段は、複数の漏水位置についてのそれぞれの電位シェイプを重ね合わせる演算処理部を備えている。
【0040】
漏水位置推定手段は、二又は三の測定点の電位データを用いて漏水位置を推定し、情報処理装置5が備える電位測定電極移動制御手段は、前記漏水位置推定手段による漏水位置についての推定結果に基づいて、アーム(電位測定電極移動手段)4により電位測定電極2を移動し、位置計測手段31,32を用いて、当該移動した測定点の電位を測定し、測定点位置を計測し、更に漏水位置を推定する。
【0041】
さらに、本発明の一実施例に係る漏水探査装置は、電位測定電極2を移動させる電位測定電極移動手段を備え、該電位測定電極移動手段は、一端が漏水探査装置を搭載した車両本体にリンクされ、他端に複数の電位測定電極2と超音波発信器31とが取付けられて折畳式のアーム4から構成されている。アーム4及び枠体8は、電極昇降レバー12を操作することにより昇降され、この昇降操作により、印加電極1及び電位測定電極2を探査箇所(探査面)に接触させることができる。
【0042】
図3は、図1に示した漏水探査装置を用いた漏水探査方法の原理を説明するための図である。図3を参照すると、構築物9において、屋上等に施工された表装92に接する防水層91の漏水箇所を探査するため、印加電極1と電位測定電極2とが、防水層91上の表装92に接触し、接地ケーブル(接地)6と印加電極1との間に交番電圧ないしパルス状の電圧が印加される。探査箇所の表装92の表面を囲むように構成された印加電極1によって、探査箇所には等電位面が形成されているが、漏水位置近傍において電位測定電極2によって測定される電位は低下する。したがって、測定点における電位データと測定点の位置データに基づいて、所定の処理を行うことにより、漏水位置を探査することができる。
【0043】
図4は、図1に示した漏水探査装置を用いた漏水探査方法のフローチャートである。図5は、図4のフローチャートにおける漏水判定方法ないし漏水位置推定方法を説明するための工程図である。
【0044】
図3及び図4を参照すると、図3に示した交流電源の接地側が構築物の躯体に接地される(ステップ401)。漏水探査装置が防水層91上の探査箇所に移動される(ステップ402)。印加電極1が探査箇所に降下されて表装92に電圧を印加し(ステップ403)、好ましくは印加電極1近傍に設置した確認電極により、所定の電圧が印加されていることを確認する(ステップ404)。探査箇所上の任意の箇所に電位測定電極2を移動して(ステップ405)、電位を測定し(ステップ406)、さらに、その測定点の位置を計測する(ステップ407)。前記漏水判定手段及び前記漏水位置推定手段は、測定点における漏水判定及び漏水位置推定(ステップ408〜410)を行う。漏水判定が終了した場合には、印加電極1が探査箇所から上昇され(ステップ411)、次の探査箇所に漏水探査装置が移動されて(ステップ402)、同様の漏水探査が繰り返される。
【0045】
特に、図5を参照すると、漏水判定及び漏水位置推定においては、十分な測定数が得られた後(▲2▼)、電位降下の大きさを各測定点を中心とする円(測定円)で示し、漏水位置から各測定点までの電位の変化率が該漏水位置からの距離に反比例するとみなして、各測定点における漏水を判定して漏水量が多く、漏水位置に近い点では大きな円(判定円)で、漏水位置から遠い点では小さな円(判定円)で示し(図5の▲3▼)、▲3▼における判定結果、特に、3つの大きな円で示される測定点における判定結果から導出される3つの円(位置推定円)の交点に漏水位置があると推定し(▲4▼)、推定された漏水位置周辺でさらに追加測定を行い、前記▲3▼と同様の漏水判定を行って追加測定点における漏水量を円(判定円)の大きさで示し(▲5▼)、▲5▼で追加された円(位置推定円)の交点付近で更に電位測定を行い(▲6▼)、▲6▼の結果に基づいて漏水位置(漏水点)を同定することができる。また、図7に示すように、多数の電位測定電極をアレイ状に配列して表装面の電位を一度に測定することによっても、予想される電位シェイプを用いて、電位データ及び電位測定電極の位置関係から漏水を判定することができる。
【0046】
以上、本発明の一実施例を図面を参照して説明したが、本発明は以上に説明した一実施例に限定されるものではない。例えば、本発明の漏水探査装置が、測定点の位置を前記漏洩箇所に記録可能なマーキング手段を有してもよい。また、本発明の漏水探査装置が、印加電極が所定の電圧を印加していることを確認可能な確認電極を有してもよい。さらに、前記実施例においては、探査箇所下の表装92の厚さが薄い場合において、漏水位置から測定点までの前記電位の変化率が該漏水位置からの距離に反比例するとみなして漏水判定したが、本発明においては、表装92が厚い場合には予想される電位シェイプ(図6参照)に基づき漏水判定することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、建築構造物の表装された防水層の漏水箇所を簡単かつ正確に探査する漏水探査装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る漏水探査装置の外観図である。
【図2】図1に示した漏水探査装置の平面図である。
【図3】図1に示した漏水探査装置を用いた漏水探査方法の説明図である。
【図4】図1に示した漏水探査装置を用いた漏水探査方法のフローチャートである。
【図5】図1に示した漏水探査装置を用いた漏水探査方法の工程図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る、防水層上の表装が厚い場合の漏水判定方法を説明するための電位シェイプ図である。
【図7】多数の電位測定電極をアレイ状に配置する実施例の電圧印加電極及び電位測定電極の平面図である。
【符号の説明】
1…印加電極、
2…電位測定電極、
4…アーム、
5…情報処理装置、
5a…液晶表示装置、
5b…操作キーボード、
6…接地ケーブル、
7…車輪、
8…枠体、
9…構築物、
11…ヒンジ、
12…電極昇降レバー、
31…超音波発信器、
32…超音波受信器、
91…防水層、
92…表装。

Claims (8)

  1. 表装された防水層の漏水位置を探査する漏水探査装置であって、
    探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極と、
    前記探査箇所の任意の測定点に移動可能な電位測定電極と、
    前記測定点の位置を計測する位置計測手段と、
    前記測定点の電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、前記電位測定電極によって測定した電位データ及び前記位置計測手段によって計測した位置データから漏水を判定する漏水判定手段と、
    を有し、
    前記印加電極、前記電位測定電極、前記位置計測手段及び前記漏水判定手段が走行車両上に搭載され、該印加電極及び該電位測定電極が前記表装面上を移動可能である、
    ことを特徴とする漏水探査装置。
  2. 表装された防水層の漏水位置を探査する漏水探査装置であって、
    探査箇所の表装面を囲むように電圧を印加する印加電極と、
    所定の位置関係に配設されて前記表装面の電位を測定する複数の電位測定電極と、
    前記測定電位が漏水位置からの距離に依存して予想される電位シェイプを用いて、前記電位測定電極によって測定した電位データ及び前記電位測定電極の位置関係から漏水を判定する漏水判定手段と、
    を有し、
    前記印加電極、前記電位測定電極及び前記漏水判定手段が走行車両上に搭載され、該印加電極及び該電位測定電極が前記表装面上を移動可能である、
    ことを特徴とする漏水探査装置。
  3. 前記電位シェイプは、漏水位置から前記測定点までの変化率が該漏水位置からの距離に反比例する関係から導かれる電位シェイプであること、
    を特徴とする請求項1又は2記載の漏水探査装置。
  4. 前記漏水判定手段は、複数の漏水位置についてのそれぞれの電位シェイプを重ね合わせる演算処理部を備えること、
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一記載の漏水探査装置。
  5. 二又は三の前記測定点の電位データ及び位置データを用いて漏水位置を推定する漏水位置推定手段を有すること、
    を特徴とする請求項1〜4のいずれか一記載の漏水探査装置。
  6. 二又は三の前記測定点の電位データ及び位置データを用いて漏水位置を推定する漏水位置推定手段と、前記電位測定電極を移動させる電極移動手段と、を有し、
    前記漏水位置推定手段による漏水位置についての推定結果に基づいて、前記電極移動手段により前記電位測定電極を移動して当該移動した測定点の電位を測定し、前記位置計測手段により前記測定点位置を計測し、更に漏水位置を推定すること、を特徴とする請求項記載の漏水探査装置。
  7. 前記測定点の位置を漏水箇所に記録可能なマーキング手段を有すること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一記載の漏水探査装置。
  8. 前記印加電極が所定の電圧を印加していることを確認する確認電極を有すること、
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか一記載の漏水探査装置。
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