JP4087931B2 - ポンプ駆動用電動機の可変速制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給水ポンプを駆動する電動機の制御装置に係り、特にインバータを用いて可変速運転をするようにした給水システムにおけるポンプ駆動用電動機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、省エネルギー化のため、インバータを用い、負荷変動に応じてポンプなど回転機械の回転数(回転速度)を変化させるようにした可変速運転方式が広く用いられているが、このとき、その回転数の変化範囲としては、商用電源の周波数(日本国内では50Hz、又は60Hz)を最高周波数として、これ以下の範囲が従来から採用されていた。
【0003】
この場合、商用電源の周波数をf0、ポンプ駆動用電動機(誘導電動機)の極数をPとし、ここでf0=60〔Hz〕、P=2とすると、このときのポンプの最高回転数NMAX は次式の通りで、滑りを無視すれば3600〔rpm〕になる。
NMAX=120f0/P=(120×60)/2=3600
【0004】
ところで、一般に、ポンプなどの回転機械では、その回転数を上げると、ある範囲までは機器の小型化と効率向上が得られるのが通例である。
例えば、ポンプの揚程は回転数の2乗に比例するため、同一の羽根車でも、周波数を2倍にすれば、揚程は4倍になる。
そこで、最近は、商用電源の周波数よりも高い周波数で電動機(モートル)を駆動し、ポンプの回転数を上げることにより、高揚程化と小形化を実現するようにした提案がなされるようになり、製品としても、市場に見られるようになってきた。
【0005】
例えば、特開平5−332282号公報では、インバータを用い、電源の周波数よりも高い周波数でポンプのモータを駆動し、高回転数(商用電源の周波数以上での回転数を意味する)を得ることにより、ポンプの外径を大きくすることなく高揚程が得られるインライン型のポンプについて提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、商用電源の周波数で決る回転数よりも高い回転数でポンプを運転するという点での開示にとどまり、実用化を図る上で技術内容に具体性が乏しいという問題があった。
【0007】
ここで、インバータについては、確かに、周波数及び電圧を所望の値に変換して電動機に供給することができる装置として周知であり、汎用インバータと称するものでも0〜120Hz程度は周波数が変えられるようになっている。
しかし、商用周波数を越えた領域でのインバータと電動機、ポンプの組合せによる負荷特性については分かっていない。
【0008】
上記した従来技術でも、電動機の回転数を2極の電動機以上の回転数領域に設定することができるインバータを設置し、商用の周波数より周波数を上げることについては、確かに開示されているが、具体的に何を基準にして、どこまで回転数を上げるかが不明瞭であり、ポンプ性能と電動機の容量及びインバータをどのように選定して使用するかについては何も開示がなく、示唆もされていない。
【0009】
本発明の目的は、商用周波数を越えた領域でのインバータと電動機及びポンプの組合せ負荷特性を明確にし、具体化されたポンプ駆動用電動機の可変速制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、可変速駆動されるポンプを用いた給水システムにおけるポンプ駆動用電動機の可変速制御装置において、商用電源の周波数f0 によるポンプ駆動用電動機の回転数のもとで、吐出し量Q0 と全揚程H0、それに軸動力S0 を有するポンプを用い、該ポンプを、周波数f0 以上である最高周波数がf 1 であるインバータ装置を用いて周波数f1 による回転数で駆動することにより、吐出し量Q1=f1/f0×Q0で、全揚程H1=(f1/f0)2×H0の性能を有するポンプとして動作させ、このときのポンプの軸動力S1 については、S1=(f1/f0)3×S0として、前記ポンプを駆動する電動機の出力と、この電動機に可変周波数の交流電力を供給するインバータ装置の出力を、それぞれこの値S1 以上に選定し、前記電動機は、周波数f 0 の場合に連続使用状態で使用できるトルクを100%とした場合に、周波数f 1 として使用する際に、周波数f 0 の場合のトルクの45%以下となる軸動力を備える電動機を用いるという構成をとることとした。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるポンプ駆動用電動機の可変速制御装置について、図示の実施形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態が適用された給水システムの一例で、この図において、1は吸込管、2−1、2−2は仕切弁、3はポンプ、4はポンプ駆動用の電動機(IM:誘導電動機)、5は逆止め弁、6は給水管、そして7がインバータ装置である。
【0016】
図2はインバータ装置7の詳細で、R1、S1、T1は交流電源の入力端子、U、V、Wは出力端子で、入力端子R1、S1、T1には漏電遮断器ELBを介して商用三相交流電源R、S、Tからの給電線が接続され、出力端子U、V、Wには負荷となる電動機4が接続されている。
【0017】
次に、70はインバータ主回路で、商用交流電源からの電力を直流に変換するコンバータ回路CNVと、直流電力を任意の周波数で任意の電圧の交流電力に変換するインバータ回路INVとで構成されている。
【0018】
インバータ主回路70の直流回路には、電源投入時の突入電流抑制用の抵抗RSと平滑用のコンデンサCB、それに電流検出用のシャントSHが接続されており、シャントSHからは直流電流を表わす信号が取り出される。
また、インバータ主回路70の出力には電流検出手段CT1、CT2 が接続され、これにより負荷側のU相及びV相の電流を検出し、インバータの出力電流を表わす電圧信号SV’が取り出されるようになっている。そして、この電圧信号SV’は、変換器A/Dでディジタルデータに変換され、後述するMCUに読込まれる。ここでCTとは、カレントトランス(電流変成器)の略称である。
【0019】
インバータ回路INVはトランジスタモジュールなどで構成され、後述する点弧回路と電流制御回路Gからの指令により変換動作を行い、コンバータ回路CNVからの直流電力を所望の周波数で所望の電圧の交流電力に変換し、電動機4に供給する働きをする。
MCUはインバータ装置を監視、制御するためのマイクロコンピュータで、例えばワンチップマイコンなどで構成されている。
【0020】
AVRは安定化電源で、安定した直流の電力をマイクロコンピュータMCUなどに供給する働きをする。
CONSは各種データの設定手段を備えたコンソール、LCDは表示回路で、ここで、コンソールCONSはインバータの最高速度fMAX を設定したり、インバータ駆動時での電動機4の許容定格電流IT、インバータ加減速時間、V/F特性(インバータの出力電圧と周波数の関係比)などを設定するのに使用され、表示回路LCDは入力操作の指示や入力すべきデータ、或いは出力データなどを表示する働きをする。
【0021】
FW及びCOMは運転指令端子で、漏電遮断器ELBを投入した後、これらの端子間が、図示のように短絡されることにより、フォトカプラFTと抵抗R1、R2、ダイオードD1、D2、コンデンサC1 などで構成されている入力回路を介して、マイクロコンピュータMCUに起動信号が入力されるようになっている。
【0022】
図3はポンプ3と電動機4、それにインバータ装置7の各特性の関連を示した図で、同図(a)はポンプの性能に関する特性曲線で、同図(b)はインバータ出力周波数とインバータ駆動時での電動機の連続使用可能なトルクを示す特性曲線、同図(c)はインバータ出力電圧と出力周波数の関係を示す曲線である。
そして、本発明の実施形態では、この図3の線図に基づいて、電動機4を商用電源の周波数よりも高い周波数で駆動させ、ポンプ性能を高めた給水システムを得るのに必要なポンプ3と電動機4、それにインバータ装置7の適正な組合せを求めるようになっているものである。
【0023】
まず、図3(a)のポンプ性能曲線図について説明すると、この図は、縦軸に全揚程Hを取り、横軸には水量Qを取って示した図であり、ここで曲線Aは、任意のポンプを商用電源周波数f0 で運転したきのQ−H性能を示したもので、曲線Gは、このときの軸動力特性である。
ここで、この任意のポンプの定格仕様点としては、それぞれ吐出し量をQ0 、全揚程をH0 、最大揚程をHS0 、軸動力はS0 であるとする。
【0024】
そこで、いま、インバータ装置7の出力周波数が最高周波数f1(f1>f0)まで上げることができるとすると、つまり、最大許容出力周波数がf1 であるとすると、任意のポンプの性能は、或る周波数f0 の回転数から周波数f1 の回転数に上げられることにより、インペラやケーシング等の寸法を変えることなく、ポンプのQ−H性能は曲線Aから曲線Cに、そして軸動力特性は曲線Gから曲線Kに、それぞれ性能を上げることができる。
【0025】
これは、ポンプの吐出し量Qは、その回転数、つまり周波数に比例し、全揚程Hは回転数の2乗に比例し、さらに軸動力は周波数の3乗に比例することによるものである。
従って、周波数f1 で運転したときの吐出し量Q1 は、
Q1=(f1/f0)×Q0
になり、同様に、全揚程H1 は、
H1=(f1/f0)2×H0
になり、軸動力S1 は、
S1=(f1/f0)3×S0
になる。
【0026】
また、締切全揚程HS1 は、
HS1=(f1/f0)2×HS0
となり、締切軸動力S1’は、
S1’=(f1/f0)3×S0’
となる。
ここで、直線Fは、ポンプQ−H性能曲線A上の吐出し量Q0 と全揚程H0 の交点O0 と、ポンプQ−H性能曲線C上の吐出し量Q1 と全揚程H1 の交点O1 とを結んで引いた直線である。
【0027】
また、曲線Bは、或る周波数f0 より更に低い所定の周波数fM で運転したきのQ−H性能を示したものであり、この曲線B上で周波数fM での揚程HM と吐出し量QM 、それに最大揚程HSM は、周波数f0 で運転しているときの全揚程H0 と吐出し量Q0 、それに最大揚程HS0 から、次の式のように、周波数fM で換算することにより得られるものである。
HM=H0(fM/f0)2
QM=Q0(fM/f0)2
HSM=HS0(fM/f0)2
【0028】
そして、曲線Iは、所定の周波数fM で運転したきの軸動力特性であり、ここで軸動力SM は、周波数fM で換算した次式で与えられる。
SM=S0(fM/f0)3
【0029】
次に、図3(b)のトルク特性曲線について説明すると、この図は、横軸にインバータ出力周波数fを取り、縦軸にはインバータ駆動時での電動機の連続使用トルクTを、100%トルクに対する百分率でとって示したものであり、従って、図では、インバータ周波数fが商用電源周波数f0 と同じとき、連続使用状態で使用できるトルクが100%になっており、この点をハで示してある。
【0030】
次に、点イは、インバータ周波数fが周波数fL(fL=f0/10)のとき、連続続使用可能トルクが50%程度であることを示しており、さらに、点ニは、インバータ周波数fが最高周波数f1(f1>f0)のとき、連続使用可能なトルクが45%程度であることを示している。
これは、電動機のトルク値τが、
τ=974×(電動機の出力〔KW〕)/(電動機の回転数〔rpm〕)〔Kg-m〕
の計算式で与えられることにより、電動機の回転数が、100%トルク時の周波数f0 での回転数の2倍の周波数f1 における回転数になれば、トルク値は1/2になることを表わしている。
【0031】
なお、ここで、5%程連続使用トルクが低くなっているのは、電動機に印加される周波数が商用電源の周波数以上に高くなることによる銅損や鉄損などの損失の増加によるものと考えられる。
また、点ロは、揚程HM と吐出し量QM の状態で、所定の周波数fM で運転したきの連続使用可能最大トルクを表している。
【0032】
次に、図3(c)のインバータ出力電圧と出力周波数の関係を示す曲線について説明すると、この図は、横軸にインバータ出力周波数fを取り、縦軸にインバータ出力電圧Vを取って示したもので、縦軸での電圧値V0 は、例えば商用電源からの受電電圧が200V級のインバータの場合、この受電電圧と同じく200〔V〕であり、商用電源の周波数f0 以下では、電圧Vと周波数fを関連して変化させる変トルク領域で、周波数f0 以上の周波数域では電圧を一定値V0 に保つことによる定トルク領域になることを示している。
【0033】
次に、この実施形態によれば、電動機4と、インバータ装置7に必要な特性の組合せを、どのようにして知ることができるのかについて、具体例により説明する。
【0034】
具体例1
いま、例えば、ある給水システムを想定し、そのポンプ3を駆動するのに2極(P=2)の誘導電動機を用い、その軸動力S0が0.75KWであるとする。そして、電源周波数f0は60Hzで、インバータの最高周波数は120Hzであるとする。
【0035】
次に、以上の前提のもとに、以下の計算を行なう。
▲1▼ インバータ周波数f1(120Hz)時の軸動力S1を求める。
S1=(f1/f0)3・S0=(120/60)3×0.75=6KW
従って、電動機4としては6KWより大きい出力の電動機を選ぶ必要があることが判る。
【0036】
ところで、電動機を使用する場合、コストの関係から、一般的には汎用品を用いるのが通例であるが、ここで、汎用品として市場に供給されている誘導電動機としては、例えば0.4KW、0.75KW、1.5KW、2.2KW、3.7KW、5.5KW、7.5KW、11KW、15KWなどがシリーズ化されており、これらシリーズ化された定格以外の出力の電動機の入手は困難である。
【0037】
一方、電動機4としては、最小限、6KWの出力が必要なので、汎用品の中からこれよりも出力が大きい方で一番近い出力の電動機を選ぶしかなく、この場合は、7.5KWとする。そして、この結果、インバータ装置7の容量も7.5KWとする。
【0038】
▲2▼ 電動機の出力が7.5KWのときのトルクを求める。
<100%トルク>
974×7.5/3600≒2.03Kg-m
ここで、数値3600は、周波数f0(=60Hz)のときの電動機の同期回転数である。
【0039】
<周波数f0(60Hz)でのトルク>
974×0.75/3600≒0.2Kg-m
従って、100%トルクと周波数f0 でのトルクの比は、
2/2.03≒0.1
となり、百分率では10%になるので、図3(b)の周波数f0(60Hz)でトルク10%になる点ホをプロットする。
【0040】
<周波数f1(120Hz)でのトルク>
974×6/7200≒0.8Kg-m
ここで、数値7200は、周波数f1(=120Hz)のときの電動機の同期回転数である。
従って、100%トルクと周波数f1 でのトルクの比は、
0.8/2.03≒0.4
となり、百分率では40%になるので、図3(b)の周波数f1(120Hz)でトルク40%になる点ヘをプロットし、点ホと2次カーブで結んで破線を引き、曲線Xを得る。
【0041】
ここで、この曲線Xについて見ると、周波数f1 以下の領域では、その全体が実線Zで示してある連続使用可能トルク特性よりも下側に位置している。
この結果、ポンプ3が、商用電源周波数f0(60Hz)により略3600rpmの回転数で運転させたとき、図3(a)の曲線Aで示すQ−H特性と、曲線Gで示す軸動力特性を有し、このときの定格仕様点がそれぞれQ0、H0、S0 になっている(0.75KW)の任意ポンプであったときには、電動機4として、出力7.5KWのものを用い、インバータ装置7としても容量7.5KWのものを組合せてやれば、出力周波数f1(120Hz)まで周波数を上げて使用できることが判る。
【0042】
具体例2
次に、今度は、電動機4の出力を5.5KWに、そしてインバータ装置7の出力も5.5KWにした場合について説明する。
そうすると、この場合のトルクは、それぞれ以下のようになる。
<100%トルク>
974×5.5/3600=1.49Kg-m
<周波数f0(60Hz)でのトルク>
0.2/1.49=13%
そこで、図3(b)の点トにプロットする。
<f1(120Hz)でのトルク>
0.8/1.49=54%
従って、今度は点チにプロットする。
【0043】
ここで、図3(b)の点トと点チを2次カーブで結んだ曲線Yが得られるが、この場合、この曲線Yが、連続使用トルクを示した実線Zより上部にある領域は使用不可能な範囲を表わし、使用可能範囲は、曲線Yと実線Zの交点リによって決定される周波数f2 までになり、従って、この場合は、インバータ装置7の出力周波数の最高値をf2 以下にしなければならないことが判る。
この最高周波数がf2 のときポンプ3により得られるQ−H特性が図3(a)の曲線Dであり、軸動力特性は曲線Jとなる。
【0044】
この結果、曲線Dに示すQ−H特性のポンプが必要な給水系には、商用電源周波数f0(60Hz)で運転時性能Aを有するポンプと、出力が5.5KWのインバータ装置を組合せた上で、インバータ周波数f2 以下で使用すればよいことが判り、曲線Cで示すポンプ性能が必要な給水系には、同様に周波数f0 のとき、性能Aを有するポンプと、出力容量が7.5KWのインバータ装置7に、出力容量7.5KWの電動機を組合せ、インバータ周波数をf1 以下で使用すれば良いことが判る。
【0045】
次に、上記実施形態での制御動作について、図4のフローチャートにより説明する。
この実施形態では、インバータ装置7を最高周波数で運転したときの電動機4の許容定格電流を、予めコンソールCONS(図2)によって設定しておき、実際の電流がこの設定した許容定格電流を越えないように、インバータ周波数を制御するものである。
【0046】
図4のフローチャートにおいて、まずステップ400では、コンソールCONSから入力される最高周波数fMAX(ある機種の組合せの場合、インバータ最高周波数以下の周波数が最高値として設定される場合もある)、インバータ加減速時間、V/F特性、それに、この設定されたインバータ最高周波数で電動機4を運転した際での許容定格電流IT(実際にはITを表わす電圧SV)をコンソールにより設定し、それぞれメモリに格納する。
なお、詳細な説明は省略するが、その他、マイクロコンピュータMCUなどで必要とする各種の初期化処理もこのステップ400で実行する。
【0047】
ステップ401では、電動機4の実電流Iを検出する。
すなわち、マイクロコンピュータMCUは、図2の負荷電流検出手段CT1、CT2から、信号端子CN0、CN1を介して、インバータ出力電流Iを表わす電圧信号データSV’を読込む。
そして、次のステップ402では、データIT(SV)とデータI(SV’)とを比較する。
そして、まずIT(SV)>I(SV’)と判定した場合には、そのまま通常の運転処理に進む。
【0048】
次にIT(SV)=I(SV’)と判定した場合には、ステップ403を通ることにより、現状の速度を維持したまま次に実行すべき処理部に進む。
更にIT(SV)<I(SV’)と判定した場合には、ステップ404に進み、周波数fを、最小単位、例えば1Hz、又はデータでいえば1bitだけ減じる処理を行ない、電動機4を減速させてから次の実行すべき処理部に進むのである。
【0049】
従って、この実施形態によれば、ステップ402の処理で、予め設定してある許容電流ITと電動機4の電流Iについて、IT<Iと判定される毎に、その都度、減速されてゆくため、電動機4が過電流状態になる虞れがなく、この結果、インバータ装置7により商用電源の周波数よりも高い周波数で電動機4を運転させた場合でも、電動機4が焼損したり、インバータ装置7が破損したりすることがなくなり、高性能化されたポンプによる給水システムを容易に得ることができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果がある。
(1) 任意のポンプの回転数を商用周波数での回転数のときのポンプ性能基準に、商用電源周波数以上にポンプ回転数を変化させたときのポンプ作動性能と、インバータ性能(連続使用トルク)とを関連付け、同一線図に作図しているので、商用電源周波数以上の回転数で所定のポンプ性能を得るのに必要な電動機出力とインバータ出力の組合せを的確に、しかも容易に選定し、決定することができる。
【0051】
(2) 関連付けて作図した線図内に、インバータ連続使用トルクと、実際のトルク線図を記入しているので、ポンプと電動機、それにインバータ装置との組合せが適正に、且つ容易に決定でき、さらに、インバータ装置の最高周波数も適正、且つ容易に決定することができる。
【0052】
(3) また、ポンプと電動機、それにインバータ装置の適正な組合せのもとで、予めモートル許容定格電流を設定しておき、インバータ実電流を検出して、この実電流が設定した許容定格電流を越えないようインバータ周波数を制御することができるため、電動機とインバータ装置の保護が同時に得られ、高性能で信頼性の高い給水システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポンプ駆動用電動機の可変速制御装置の一実施形態が適用された給水システムの一例を示す構成図である。
【図2】本発明によるポンプ駆動用電動機の可変速制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるポンプと電動機及びインバータ装置の組合せの決定に使用する線図の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 吸込管
2−1、2−2 仕切弁
3 ポンプ
4 電動機(モートル)
5 逆止め弁
6 給水管
7 インバータ装置
70 インバータ主回路
MCU マイクロコンピュータ
CNV コンバータ回路
INV インバータ回路
Claims (3)
- 可変速駆動されるポンプを用いた給水システムにおけるポンプ駆動用電動機の可変速制御装置において、
商用電源の周波数f0 によるポンプ駆動用電動機の回転数のもとで、吐出し量Q0 と全揚程H0、それに軸動力S0 を有するポンプを用い、該ポンプを、周波数f0 以上である最高周波数がf 1 であるインバータ装置を用いて周波数f1 による回転数で駆動することにより、
吐出し量Q1=f1/f0×Q0で、全揚程H1=(f1/f0)2×H0の性能を有するポンプとして動作させ、
このときのポンプの軸動力S1 については、S1=(f1/f0)3×S0として、前記ポンプを駆動する電動機の出力と、この電動機に可変周波数の交流電力を供給するインバータ装置の出力を、それぞれこの値S1 以上に選定し、
前記電動機は、周波数f 0 の場合に連続使用状態で使用できるトルクを100%とした場合に、周波数f 1 として使用する際に、周波数f 0 の場合のトルクの45%以下となる軸動力を備える電動機を用いることを特徴とするポンプ駆動用電動機の可変速制御装置。 - 請求項1の発明において、
前記周波数f1 が、前記インバータ装置の最大許容出力周波数に等しく設定されていることを特徴とするポンプ駆動用電動機の可変速制御装置。 - 請求項1又は請求項2の発明において、
前記インバータ装置の最大許容周波数で運転したときでの前記電動機の許容定格電流が予め設定してあり、
ポンプ運転中、この許容定格電流を越えないよう前記インバータ装置の周波数が制御されるように構成されていることを特徴とするポンプ駆動用電動機の可変速制御装置。
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JPH1182316A (ja) | 1999-03-26 |
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