JP4087896B2 - スタフィロコッカス・エピダーミジス関連i及びii型表面抗原 - Google Patents

スタフィロコッカス・エピダーミジス関連i及びii型表面抗原 Download PDF

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Description

【0001】
発明の背景
本発明は、Staphylococcus epidermidis(スタフィロコッカス・エピデルミディス)の特定の血清型、かかる血清型を同定する方法、及びかかる血清型に関連する表面抗原を使用して生成されるワクチンに係わる。本発明は更に、Staphylococcus epidermidisに感染したまたは感染に感受性のヒト及び動物の能動及び受動免疫方法にも係わる。
【0002】
コアグラーゼ陰性のStaphylococcusによる感染は、入院患者における菌血症の主因である。特に、正式には病原体とは考えられていないS.epidermidisが、この菌血症の重要な要因であることが見い出された。S.epidermidis感染に起因する罹患率及び致死率は、医療補装具を必要とする患者で特に高い。これは、かかる医療補装具、例えばカテーテル及び心臓弁に付着しコロニー形成し得る、S.epidermidisによって生成される粘質層(slime)が原因であると考えられる。
【0003】
粘質層がS.epidermidisによる感染の作用を担う要因であると考えられることから、異物への付着を仲介する同細菌の表面が注目されていた。細胞外粘質層は種々の研究者によって同定されており、この粘質層の生成を促進する培養条件が使用されている。
【0004】
S.epidermidisによって生成される粘質層の他、これまでの研究は主に、単離された細菌の限定数の特異株に向けられていた。Ichimanらは3種のS.epidermidis株を研究し、これらをBrain Heart Infusion(BHI)ブロス中で培養した。しかしながら、これらの培養微生物由来の細胞表面多糖を用いてマウスを免疫しても、異種株に対する防御を与える上で有効ではなかった。単離された表面多糖の特性分析は血清学的不均一性を示した。Ichiman et al., J. Appl. Bact. 51:229−241(1981)。
【0005】
Ichimanによれば、臨床使用に有効なワクチンとなるためには、各感染性株を単離し、各株に対してワクチンを開発する必要がある。このことは、実用的見地からは容認し得ない。
【0006】
発明の要約
本発明の第1の目的は、限定数の優勢な血清型を再現可能に同定し得る、臨床S.epidermidis細胞を培養する方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、臨床S.epidermidis感染に係わる優勢な血清型を同定及び特性分析することである。
【0008】
本発明の更に別の目的は、S.epidermidis感染に対する臨床使用に有効なワクチンを提供することである。
【0009】
本発明の更に別の目的は、ほとんどのS.epidermidis臨床病原株に対して有効なワクチンを提供することである。
【0010】
本発明の更に別の目的は、S.epidermidisの臨床単離体に関連する表面抗原に特異的なポリクローナル抗血清を調製することである。
【0011】
本発明の別の目的は、S.epidermidis感染を防御または治療するために使用し得る、臨床S.epidermidisの優勢な血清型に関連する表面抗原に対するモノクローナル抗体を提供することである。
【0012】
本発明の更に別の目的は、S.epidermidis感染を防御または治療するための過免疫IVIGを提供することである。
【0013】
本発明の上記目的及び他の目的は、実質的にS.epidermidisのI型及びII型表面抗原の少なくとも一方からなる組成物によって達成される。該組成物と、無菌の、医薬的に容認可能な担体とを含むワクチンも提供される。免疫促進量の該ワクチンを被験者に投与し得る。この被験者は、前記ワクチンを投与するときに既にS.epidermidisに感染していてもよい。或いは、ワクチンを血漿ドナーに投与し、該ドナーを刺激して、S.epidermidisに対する抗体を含む過免疫グロブリンを産生させることもできる。次いで、免疫促進量の過免疫グロブリンを被験者に投与することができる。
【0014】
更に本発明によって、実質的にI型またはII型表現抗原に結合する抗体からなる組成物が提供される。好ましい実施態様においては、かかる抗体は、S.epidermidisに感染したヒト被験者由来の生物試料を与えるステップを含む方法によって入手されるものではない。本発明の抗体組成物はモノクローナル抗体組成物であり得る。免疫促進量の本発明抗体組成物、特にモノクローナル抗体組成物を被験者に投与し、S.epidermidis感染を予防または治療し得る。
【0015】
I型表面抗原に特異的な抗体とII型表面抗原に特異的な抗体とを含む、S.epidermidis培養物の血清型分類キットが提供される。好ましい実施態様においては、抗体はモノクローナル抗体である。更に、S.epidermidis単離体の血清型を分類する方法であって、S.epidermidisの単離体の細胞を、使用可能なホスフェートのレベルがin vivoで使用可能なホスフェートのレベルをシミュレートしている環境において増殖させるステップと、細胞を、抗I型特異的抗体及び抗II型特異的抗体からなる群から選択される型特異的抗体と混合するステップと、細胞及び抗体の混合物の凝集反応をモニターするステップとからなる方法も提供される。
【0016】
本発明の他の目的、構成及び利点は以下の詳細説明から明らかとなろう。しかしながら、詳細説明及び特定の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示す一方で、単に例示のために与えるものであり、この詳細説明から、本発明の思想及び範囲内での種々の変更及び修正が当業者には明らかであろう。
【0017】
好ましい実施態様の詳細説明
驚くべきことに、本発明によって、粘質層形成を最少限に抑えると共に莢膜多糖の産生を増強する条件下でS.epidermidisを培養すると、ほとんどのS.epidermidis臨床症例に共通する限定数の血清型が同定され得ることが見い出された。特に85%以上の臨床単離体が、それぞれI型及びII型と命名された2種の優勢な血清型の一方を示す。これら2種の血清型のもととなる表面抗原は酸性多糖類であり、アミノウロン酸及び他のアミノ糖を含むと判定された。かかる多糖類は負電荷を帯びており、逆免疫電気泳動においては正極に向かって移動する。またこれら多糖類は型特異的であって、免疫沈降は同種型の抗血清のみと単一バンドを生成する。
【0018】
各血清型に関連する酸性多糖抗原は、本明細書に記載の方法に従って培養、血清型分類及び精製された実質的に純粋な形態のS.epidermidis単離体から回収可能な量で得られる。特に、精製抗原は1%未満のタンパク質及び1%未満の核酸しか含まない。この点に関して“回収可能な”量とは、単離された酸性多糖の量が放射性標識より感度の低い方法、例えばイムノアッセイによって検出可能であり、酸性多糖自体を溶液に変えることを含む更なる操作を実施し得ることを意味する。
【0019】
本発明の酸性多糖抗原の組成物は実質的に、それぞれI型及びII型に関連する酸性多糖抗原の一方または両方からなる。即ち、かかる組成物は、被験者にワクチンとして投与されたとき酸性多糖エピトープに対する免疫応答を妨害するいなかる物質をも含むべきではない。好ましい実施態様においては、該組成物は両方の本発明酸性多糖抗原を含む。
【0020】
S.epidermidisの血清型は、in vivo条件を出来る限り綿密に模倣する培地上で増殖させた臨床単離体において同定し得る。特にこの培地は、使用可能なホスフェートの量が低い環境を与えるべきである。このような培地は細菌による粘質層生成を最少限に抑えると共に、莢膜多糖、特に本発明の酸性多糖の産生を増強する。このことは、BHIブロス及びトリプシン分解ダイズブロス(tryptic soy broth, TSP)、S.epidermidisの研究に一般に使用されている培地、及び1ml当たり約2.5mgのホスフェートを有するような使用可能なホスフェートの量が高いものとは明らかに対照的である。これらの培地は粘質層生成を増強する。in vivo条件をシミュレートする培地上で増殖させた場合、S.epidermidisは、ガラスまたはプスチックに付着しない表面抗原を産生する。本発明の好ましい培地は改良コロンビアブロス(Difco Laboratories, Detroit, Michigan)であり、これは使用可能なホスフェートのレベルが76μg/mlである培地である。このような培地は、ヒトにおいてin vivoで使用可能(available)なホスフェートレベル、即ち約23〜46μg/mlをシミュレートする。S.epidermidisをこの培地で増殖させると、粘質層はわずかしかまたは全く生成されない。
【0021】
多糖類は、コロンビアブロス上で増殖させたS.epidermidisの臨床単離体の細胞及び上清の両方から抽出し得る。最初のステップにおいて、培養物を遠心し、細胞及び上清をプールする。
【0022】
多糖は、上清からは、上清を濃縮し、水で洗浄し、次いでそれを順次濃縮することにより抽出することができる。最終沈殿物を水に溶解し、透析し、凍結乾燥する。
【0023】
多糖を細胞から抽出するためには、まず細胞を酵素、即ちリゾスタフィンまたはリゾチームを用いて破壊し、次いで遠心する。上清を沈殿させ、次いで遠心する。上清を順次濃縮し、インキュベートし、次いで遠心によりペレット化する。ペレットを水に再溶解し、透析し、凍結乾燥する。
【0024】
或いは、凍結乾燥した物質をトリクロロ酢酸を用いて抽出し、次いで遠心する。エタノールを用いて順次沈殿し、蒸留水に溶解し、透析し、凍結乾燥する。
【0025】
細胞及び上清から得た粗抽出物は更に処理する。各ケースで、凍結乾燥した物質を緩衝液中に溶解し、同じ緩衝液で平衡化しておいた分離カラムに添加する。カラムを添加用緩衝液で洗浄し、塩濃度勾配を用いて溶出する。抗原を含むフラクションをプールし、濃縮し、透析し、凍結乾燥する。より精製するために分離を繰り返してもよい。精製された多糖のサイズを適当なカラム上で決定し、次いでフラクションをプールし、濃縮し、透析し、凍結乾燥する。
【0026】
S.epidermidisの優勢な血清型は最初は、種々の地理的位置にある病院から得た1グループ約5〜10のS.epidermidis単離体から2つの単離体を選択することにより同定される。McCarty及びLancefieldに記載のごとき免疫方法を使用し、かかる2つの単離体の各々を用いてウサギ抗血清を生成する。J. Exp. Med. 102:11−28(1955)。無莢膜S.epidermidis株を用いて抗血清を吸収させる。必要であれば、他の血清型に対する活性を確実に排除するために更なる吸収を実施してもよい。
【0027】
上記2つの抗血清を使用し、選択しなかった他のS.epidermidis単離体を分類する。最初に選択した2つの単離体が、他方の単離体と同一の反応パターンを示すことで明らかにされるように、同じ型のものであれば、最初に選択した2つの単離体と反応しなかった単離体グループから別の単離体を選択する。ウサギ抗血清をこの単離体に対して生成し、次いでそれを残りの単離体との反応性について試験する。このプロセスを、S.epidermidisに対する優勢な抗血清が同定されるまで継続する。驚くべきことに、S.epidermidisの臨床症例の約85%が、I型及びII型と命名された2種の血清型の一方に分類されることが判明した。
【0028】
次いで血清型を分類するために、同定されたI型またはII型単離体からそれぞれ生成される全細胞ワクチンを用いて免疫したウサギから型特異的ポリクローナル抗体を製造する。代表的なI型及びII型S.epidermidis微生物は1991年11月19日付けでRockville, Md.のAmerican Type Culture Collectionに寄託され、それぞれ受託番号55254及び55253が与えられている。単離体の血清型の分類は、I型及びII型単離体に対する抗血清を使用し、S.aureusについて以前に記載されているような細菌凝集アッセイによって実施し得る。Nelles et al., Infect. Immun. 46:14−18(1985)。
【0029】
血清学的分類のためには、細胞をコロンビアブロス上でCO2圧力下で増殖させる。細胞をプレートから取り出してリン酸緩衝塩水溶液(PBS)中に移す。プロテアーゼを添加し、得られた幾分粘着質の懸濁液を破壊し、均一な細胞懸濁液を生成する。酵素破壊に次いで、凝集アッセイの準備として、多糖莢膜を細胞表面に固定する。固定した細胞を遠心し、新鮮なPBS中に再懸濁する。次いで、マイクロタイタープレート上または凝集試験においてはガラススライド上で、I型またはII型に対する抗血清を用いて血清型を分類する。
【0030】
I型及びII型の各血清型は、それに関連する特異的表面抗原を有する。かかる表面抗原はウサギ抗血清によって認識される。所定の割合の単離体は、I型及びII型単離体に対して生成された抗血清のサブセットに関して分類不可能である。
【0031】
I型及びII型に関連する表面抗原は、代わりにテイコイル酸によって被覆されている無莢膜単離体には存在しない。それらはオートクレーブ処理によって除去または破壊され得、特異的抗血清との反応性が喪失される。I型の表面抗原はII型の表面抗原と交差反応せず、逆も同様である。
【0032】
in vitro食作用アッセイにおいて、各表面抗原に対する抗体は、対応する血清型のS.epidermidis株に対する感染防御を与えることが示されている。これらの2種の血清型に基づくワクチンを使用し、臨床S.epidermidis株の大部分に対して感染を防御することができる。
【0033】
多糖自体は一般に、ヒト、特に耐性が低下した患者において弱いT細胞非依存性免疫原である。従って、多糖を通常はポリペプチドまたはタンパク質である免疫担体(immunocarrier)に結合することが好ましく、このことは、弱い免疫原に対して免疫応答を誘導するようT細胞とB細胞とが効果的に相互作用するために重要である。能動免疫においても、受動免疫の有志者において高力価化の抗血清を調製することにおいても、免疫担体は免疫原性を増強する。本発明の特に好ましい免疫担体としては、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、Pseudomonas aeroginosa Exotoxin Aもしくはその誘導体、及び免疫担体として一般に使用される他のタンパク質が挙げられる。I型及びII型表面抗原の両方を同じ免疫担体に結合することもできる。
【0034】
本発明は更に、かかる血清型を有する細菌に結合するまたはそれを中和する抗血清またはモノクローナル抗体(マウスまたはヒト)を生成するための、2種の血清型に対応する多糖の使用にも係わる。かかる抗体を生産する方法は、Ausubel, et al.,(編),第11章;METHODS OF HYBRIDOMA FORMATION 257-71, Bartal&Hirshaut(編),Humana Press, Clifton, NJ(1988);Vitetta et al., Immunol.Rev. 62:159−83(1982);及びRaso,Immunol.Rev. 62:93−117(1982)に記載されている。
【0035】
ポリクローナル抗体生産のための接種材料は一般には、多糖−免疫担体を、生理食塩水のごとき生理学上容認可能な希釈剤またはヒトに使用するのに適した他のアジュバント中に分散させて水性組成物を形成することにより調製される。免疫促進量の接種材料を哺乳動物に投与し、接種した哺乳動物を、多糖表面抗原が防御性の抗I型または抗II型抗体を誘導するのに十分な時間維持する。
【0036】
抗体は、適当に選択及び精製した後の、一般に使用される種々の動物、例えばヤギ、霊長類、ロバ、ブタ、ウサギ、ウマ、ニワトリ、モルモット、ラットまたはマウス由来の抗血清調製物、及び場合によってはヒト抗血清を含み得る。動物抗血清は、ホルマリンで死滅させたI型またはII型S.epidermidisを動物に通常の方法で接種し、動物から採血し、血清を回収することにより誘導し得る。
【0037】
このように誘導した抗体は良く知られた方法によって所望の程度にまで回収及び単離し得、例えばイムノアフィニティークロマトグラフィーでは、SephadexTMのごときクロマトグラフィーカラム充填材に抗原を結合させ、このカラムに抗血清を通し、そうすると特異的抗体は保持されるが他の免疫グロブリン及び來雑物は分離され、次いでカオトロピック物質を用いて溶出することにより精製抗体を回収し、更に必要によっては、例えば血液型抗体または他の非病原性種が結合されたカラムを通すことにより更に精製する。この方法は、問題の病原体に対する抗体力価を発した患者の血清から所望の抗体を単離する場合に好ましくなり得、このとき、表面抗原に結合することが可能な抗体の保持が保証される。それらは、S.epidermidisに対する受動免疫用製剤に使用し得る。
【0038】
モノクローナル抗体組成物は、検出可能な範囲内でただ1種の、I型またはII型いずれかに関連する多糖表面抗原に効率的に結合することが可能な抗体結合部位を含む。モノクローナル形態の適当な抗体は、慣用のハイブリドーマ法を使用して作製し得る。
【0039】
本発明のモノクローナル抗体組成物を製造するハイブリドーマを形成するためには、ミエローマまたは他の不死化細胞系を、本発明のポリペプチドを用いて過免疫した哺乳動物の末梢血、リンパ節または脾臓から得られるリンパ球と融合する。ミエローマ細胞系はリンパ球と同じ種に由来するのが好ましい。脾細胞は一般に、ポリエチレングリコール1500を使用してミエローマ細胞に融合される。融合ハイブリッドはHATに対する感受性によって選択される。本発明の抗体分子を分泌するハイブリドーマはELISAを使用して同定し得る。
【0040】
Balb/cマウス脾臓、ヒト末梢血、リンパ節または脾細胞は、ネズミまたはヒトハイブリドーマを作製する上で使用するのに好ましい材料である。本発明に使用するのに適したマウスミエローマとしてはヒポキサンチン−アミノプテリン−チミジン感受性(HAT)細胞系が挙げられるが、好ましいミエローマはP3X63-Ag8.653である。ヒトモノクローナル抗体生産に好ましい融合相手はSHM-D33、即ちATCC, Rockville, Md.から名称CRL 1668で入手可能なヘテロミエローマである。
【0041】
本発明のモノクローナル抗体組成物は、適当なポリペプチド特異性を有する抗体分子を分泌するハイブリドーマを含む栄養培地からなるモノクローナルハイブリドーマ培養を開始することにより製造し得る。培養物には、ハイブリドーマが抗体分子を培地中に分泌するのに十分な条件及び時間が維持される。次いで、抗体を含む培地を回収する。抗体分子を良く知られた方法で更に単離することができる。
【0042】
かかる組成物の製造に有効な培地は当分野において良く知られていると共に市販もされており、合成培地、近交系マウスなどが挙げられる。合成培地の例としては、4.5g/lグルコース、20mMグルタミン及び20%ウシ胎児血清を補充したダルベッコ最少必須培地が挙げられる。近交系マウスの例としてはBalb/cが挙げられる。
【0043】
本発明における有用性に影響するのは主として抗体の抗原特異性であるが故に、種間融合のごときモノクローナル抗体組成物を製造する他の方法も考えられる。感染個体から得られるヒトリンパ球をヒトミエローマ細胞系に融合してハイブリドーマを生成し、それを、I型及びII型表面抗原を認識する抗体の生産についてスクリーニングすることができる。この点に関しては、感染ヒト被験者由来の生物試料を使用しない方法がより好ましい。例えば、本明細書に記載のワクチンで免疫した被験者は、本発明の抗体組成物に適当に使用される個体源の役割を果たし得る。
【0044】
特に好ましい実施態様においては、モノクローナル抗体は、S.aureusに対する型特異的モノクローナル抗体について記述されているのと同様の方法を使用し、I型及びII型表面抗原に対して生産される。精製モノクローナル抗体は、一群の臨床単離体を使用する細菌凝集アッセイによって特性分析される。
【0045】
本発明に従って製造されるモノクローナル及びポリクローナル抗体組成物を使用し、I型またはII型S.epidermidis感染の予防または治療のために免疫応答を誘導し得る。この点で、抗体調製物はポリクローナル組成物であり得る。このようなポリクローナル組成物は、I型及びII型の両方に結合する抗体を含んでもよいし、2つの型の一方のみに結合する抗体を含んでもよい。ポリクローナル抗体組成物は、I型及びII型の両表面抗原を用いてチャレンジされ、刺激されて、I型及びII型の両表面抗原に対する特異的抗体を産生する動物由来の、好ましくはアフィニティー精製されたポリクローナル抗血清であり得る。別の方法は、I型表面抗原に対するモノクローナル抗体とII型表面抗原に対するモノクローナル抗体との混合物である“作製ポリクローナル(engineered polyclonal)”混合物を使用することである。
【0046】
両タイプのポリクローナル混合物において、多特異的(polyspecific)抗体を相互に化学的に結合し、いずれかの表面抗原に結合し得る単一多特異的分子を形成することができる。このような結合を行う1つの方法は、例えば2種の抗体をペプシン消化し、還元切断してFab’フラグメントの混合物を形成し、次いでジスルフィド結合を酸化によって回復し、元の抗原の各々に特異的なFab’部分を有するハイブリッドフラグメントを含むF(ab’)2フラグメントの混合物を生成することにより、二価F(ab’)2ハイブリッドフラグメントを作製することである。このようなハイブリッド抗体フラグメントを作製する方法は、Feteanu, LABELED ANTIBODIES IN BIOLOGY AND MEDICINE 321−23, McGraw-Hill Int’l Book Co. 89(1978);Nisonoff, et al., Arch Biochem.Biophys. 93:470(1961);及びHammerling, et al., J.Exp.Med. 128:1461(1968);及び米国特許第4,331,647号に記載されている。
【0047】
本発明に従って製造される抗体組成物は、抗体全体、抗体フラグメント、またはサブフラグメントを含み得る。抗体は、任意のクラス、例えばIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの全免疫グロブリン(IgG)、二重表面抗原特異性を有するキメラ抗体もしくはハイブリッド抗体、またはハイブリッドフラグメントを含むフラグメント、例えばF(ab’)2、Fab’、Fabなどであり得、更に、任意の免疫グロブリンまたは任意の天然、合成、もしくは特異的抗原に結合して複合体を形成することにより抗体のように作用する遺伝子操作タンパク質を含む。特にFab分子は、遺伝子的に形質転換されたE.coliなどの宿主中で発現及び組立てし得る。先祖抗体を生成する被験者に等しいまたはそれを超える潜在的多様性を有するFab’の集団を発現するために、λベクター系が使用可能である。Huse, W.D., et al., Science 246:1275-81(1989)参照。
【0048】
I型及び/またはII型に関連する酸性多糖抗原は、S.epidermidis感染に抗戦する細胞性免疫応答及び/またはin vivo抗体産生を誘導するワクチンとして使用し得る組成物中の有効成分となり得る。但し、該組成物は該有効成分のための医薬的に容認可能な担体をも含む。この点で、医薬的に容認可能な担体は、不活性であるかまたはさもなければ医薬的に容認可能であると共に、ワクチン投与においてポリペプチド有効成分と相容性であるが故に、医薬を投与するためのビヒクルとして使用し得る材料である。適当な賦形剤に加え、医薬的に容認可能な担体は、希釈剤、アジュバント、抗酸化剤、保存剤及び可溶化剤といった慣用ワクチン添加剤を含み得る。
【0049】
本発明によれば、このようなワクチンを、まだS.epidermidisに感染していない被験者に投与し、該被験者において細菌の対応血清型に対する(体液性または細胞性)応答を誘導し得る。或いは、本発明のワクチンは、既にS.epidermidisに感染しているが、ワクチンに応答して産生される抗体が感染の更なる広がりを効果的に防止するのに十分に早い段階にある被験者に投与することもできる。
【0050】
別の方法によれば、本発明のワクチンは、S.epidermidisに対する抗体を含む特異的ワクチンによるチャレンジに応答して産生されるグロブリン源(“過免疫グロブリン”)として作用する被験者に投与することができる。このように処置された被験者の血漿から慣用の血漿分画法によって過免疫グロブリンを得、これを、S.epidermidis感染に対する耐性を付与するためまたはこれを治療するために別の被験者に投与することができる。
【0051】
哺乳動物において菌血症を誘導するにはかなり多数の微生物が必要であったり、宿主の耐性を低下させるべく何らかの操作が必要である。しかしながら、in vitro食作用はin vivo防御免疫の相関として研究し得る。このモデルにおいては、型特異的モノクローナル及びポリクローナル抗体のin vitroでS.epidermidisをオプソニン化(opsonize)する能力が、Kojima et al., J.Infect Dis. 162:435-551(1990)及びFattom, et al., Infect.Immun. 58:2367−2374(1990)に記載の方法に従って測定される。I型及びII型ワクチンによって誘導される抗体は型特異的食作用を促進する。
【0052】
以下、実施例によって本発明を更に説明する。
【0053】
実施例1S.eidermidis株の収集
S.epidermidisの臨床単離体を、種々の地理的位置にある病院から入手した。単離体は全て血液単離体であった。単離体がS.epidermidisであることを確認した。ほとんどのケースで、感染経緯と処置結果の概要、並びに生化学的同定及び抗菌物質感受性判定の結果が病院から与えられた。
【0054】
実施例2S.epidermidis株の培養
単離体を、4%NaClを補充したコロンビア寒天(Difco)プレート上で、37℃,CO2下で増殖させた。単離したコロニーを取り出し、4%NaClを補充したコロンビアブロス(Difco)を含む500mlフラスコに移した。3〜5時間増殖させた後、1.2リットルのコロンビア塩ブロスを含む6つの2リットルフェルンバッハフラスコをそれぞれ、50mlの出発物質と共にインキュベートした。フェルンバッハフラスコをNew Brunswickシェーカー上で37℃で一晩増殖させた。10,000gで30分間遠心することにより細胞を回収し、上清及び細胞をプールした。
【0055】
実施例3S.epidermidisの優勢血清型の同定
5〜10のS.epidermidis単離体を種々の病院から入手し、実施例2に記載のごとくコンロンビアブロス中で増殖させ回収した。2つの単離体由来の細胞を1%ホルマリンを用いて固定した。McCarty及びLancefield(前出)の免疫方法を使用し、選択した単離体の各々に特異的なウサギ抗血清を生成した。無莢膜S.epidermidis株を用いて抗血清を吸収させた。必要であれば、他の血清型に対する活性を確実に除去するために、更に吸収を実施する。
【0056】
2つの抗血清を使用し、選択しなかった他のS.epidermidis単離体を分類した。最初に選択した2つの単離体が、他方の単離体との同一の反応パターンによって示されるように、同じ型のものであったならば、最初に選択した2つの単離体と反応しなかった単離体のグループから別の単離体を選択した。この単離体に対してウサギ抗血清を生成し、次いでこのプロセスを、S.epidermidisに対する2種の最も優勢な血清型が同定されるまで継続した。これらの2種の血清型は、臨床単離体の約85%を占めた(実施例7の表1参照)。
【0057】
実施例4:I型及びII型特異的ウサギ抗血清の調製
I型またはII型のいずれかであると同定されたS. epidermidisを、実施例2に記載のごとくコロンビアブロス中で増殖させ回収した。細胞を1%ホルマリンを用いて固定した。McCarty及びLancefield(前出)の免疫方法を使用し、I型及びII型の各々に特異的なウサギ抗血清を生成した。無莢膜S. epidermidis株を用いて抗血清を吸収させた。
【0058】
実施例5S.epidermidisI型及びII型多糖の抽出
上清から:
上清を濃縮し、蒸留水で洗浄し、次いで、5〜10mM CaCl2を補充した25%エチルアルコールを用いて4℃で一晩6時間沈殿させた。遠心後、上清を5〜10mM CaCl2を補充した75%エチルアルコール中で沈殿させた。75%沈殿物を蒸留水中に溶解し、蒸留水で一晩透析し、次いで凍結乾燥した。
【0059】
細胞から:
細胞を酵素リゾスタフィンまたはリゾチームで破壊するかまたは5%トリクロロ酢酸を用いて5℃で2〜3日間抽出した。次いで細胞を10,000gで30分間遠心した。上清を5〜10mM CaCl2を補充した25%エチルアルコールを用いて4℃で一晩沈殿させた。遠心後、上清を5〜10mM CaCl2を補充した75%エチルアルコール中で沈殿させた。4℃で一晩インキュベートした後、沈殿物を10,000gで30分間遠心することによりペレット化し、蒸留水中に再び溶解し、蒸留水で一晩透析し、次いで凍結乾燥した。
【0060】
実施例6S.epidermidisI型及びII型表面抗原の精製
実施例5で得た粗凍結乾燥抽出物を0.05M酢酸ナトリウム緩衝液pH6.0中に終濃度50〜100mg/mlとなるよう溶解した。粗抽出物に核酸及び/またはタンパク質が高度に混入している場合、更に処理する前に、RNAse、DNAse及び/またはプロテアーゼを用いて前処理してもよい。溶解した粗抽出物を、同じ緩衝液で平衡化しておいたDEAEセファロースカラムに約10mg/mlゲルで添加した。カラムを添加用緩衝液で、206nmにおける吸収が認められなくなるまで洗浄してから、カラムを、0.05M酢酸ナトリウム緩衝液pH6.0中の0〜0.3M NaCl濃度勾配を用いて溶出した。実施例4に従って調製した型特異的抗血清を使用する免疫沈降によって、抗原を含むフラクションを同定した。I型及びII型抗原は、既知のStaphylococcusアミノウロン酸ポリマーと同じモル濃度で溶出した。精製I型及びII型抗原の酸加水分解も、それらがアミノウロン酸を含むことを示した。
【0061】
抗原を含むフラクションをプールし、限外濾過Amicon膜上で濃縮し、蒸留水で4回透析し、凍結乾燥した。抗原をより精製することが所望される場合はこのプロセスを繰り返した。精製多糖のサイズを、セファロース6BカラムまたはSephacryl S-300カラムのごときゲル濾過カラムにおいて決定した。抗原は、S.aureus由来の5型及び8型抗原の莢膜抗原と同じ位置に溶出した。多糖フラクションをプールし、限外濾過Amicon膜上で濃縮し、蒸留水で透析し、凍結乾燥した。この精製の結果、I型またはII型抗原は実質的に純粋な形態となった。
【0062】
精製I型及びII型抗原のタンパク質及び核酸分析から、いずれの抗原もタンパク質及び核酸を含まないことが明らかとなった。トリプシン加水分解からは、I型及びII型抗原はトリプシン耐性であることが明らかとなった。細胞を100℃で30分間熱処理すると、表面抗原は選択的に除去され、テイコイル酸は除去されなかった。熱処理の前、細胞は抗テイコイル酸抗血清と反応しなかったが、熱処理後は細胞は反応した。
【0063】
実施例7臨床単離体の血清型分類
実施例2に記載のごとくコロンビアブロス中またはコロンビア寒天プレート上で増殖させた臨床単離体を1%ホルマリンを用いて固定した。単離体を寒天プレート上で増殖させた場合は、まず細胞をプレートから掻き取り、PBS中に懸濁させ、20〜50μg/mlのプロテアーゼを補充した。細胞をコロンビアブロス中で増殖させた場合は、PBS中に再懸濁させ、20〜50μg/mlのプロテアーゼを補充した。細胞をPBSで光学密度0.5にまで希釈した。混合物を37℃で1時間インキュベートし、次いで1%ホルマリンを用いて室温で一晩かけて固定した。細胞をPBSで洗浄し、96ウェルマイクロタイタープレート中またはガラススライド上でホルマリン固定細胞懸濁液を用いてためし凝集反応を実施した。等容積の細胞と実施例4に従って調製した抗血清とを混合し、マイクロタイタープレート中で凝集させた。或いは、細胞と実施例4に従って調製した抗血清を等容積でガラススライド上で混合し、数分間回転させた。凝集の有無を評価した。米国内各地から入手し確認済みの菌血単離体の血清型分類を表1に示す。所定の割合の単離体は分類不可能であった(NT)。
【0064】
【表1】
Figure 0004087896
【0065】
実施例8ポリクローナル及びモノクローナル抗S.epidermidis抗体の生産
BALB/cマウスをホルマリン固定細菌を用いて免疫した。血清を得、実施例7に記載のごとき細菌凝集アッセイによって型特異的応答についてスクリーニングした。過免疫応答の証拠に、マウスは融合の3日前に免疫された。免疫マウス由来の脾細胞をAG653細胞系もしくはSHM D33(いずれもATCC, Rockville, Md.から入手可能)由来の細胞またはかかる細胞系のクローンもしくはサブクローンに、Fuller et al., CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY, New York:J.Wiley and Sons(1989), 11.3.2-11.11.4章に記載の方法を使用して融合した。ハイブリドーマを、ホルマリンで固定した全細菌または精製細胞表面成分のいずれかで被覆したマイクロタイタープレートを使用する、細菌凝集アッセイまたはELISAによって型特異的抗体についてスクリーニングした。陽性ウェル由来の細胞を、限界希釈法によりクローニングした。mg量の抗体を腹水中に調製し、プロテインA、プロテインGまたはDEAEセファローカラムクロマトグラフィーによって精製した。
【0066】
実施例9in vitro食作用アッセイ
多形核好中球(PMN)及び単球をヒト末梢血から調製した。PMN及び単球を、5%熱失活化ウシ胎児血清を含むPRMI(Gibco)または類似の細胞培地中に再懸濁した。コロンビアブロス中で増殖させたS.epidermidis細胞を洗浄し、試験抗体と一緒にPMNまたは単球に加えた。37℃で静かに回転しながらインキュベートした後、0、60及び120分後に試料を取り出し、コロンビア塩寒天プレート上に塗り広げた。37℃で一晩インキュベトした後、コロニーの数を数えた。

Claims (6)

  1. スタフィロコッカス・エピデルミディスATCC55254に対する抗血清を凝集させるスタフィロコッカス・エピデルミディスのI型単離体の細胞を培養し、
    I型多糖抗原の粗抽出物を生成するために該細胞から多糖抗原を含む粗抽出物を抽出し、
    1%以下のタンパク質を含有する精製抗原を生成するために該粗抽出物を精製して粗精製抗原を得
    精製抗原を分離カラムにかけ、0〜0.3MのNaCl勾配によって溶出し、
    76μg/mL以下のホスフェートを含む培地において培養されたATCC55254の莢膜多糖を認識する抗体を用いてI型多糖抗原を含有する分画を同定するステップを含む過程により得られる多糖抗原。
  2. 多糖抗原を抽出するステップがトリクロロ酢酸による処理を含む、請求項1に記載の多糖抗原。
  3. 多糖抗原を抽出するステップがリゾスタフィン又はリゾチームによる処理を含む、請求項1に記載の多糖抗原。
  4. 更に、該粗抽出物をプロテアーゼで処理するステップを含む、請求項1に記載の多糖抗原。
  5. 多糖抗原を含む分画を同定するステップが免疫沈降を含む、請求項1に記載の多糖抗原。
  6. 更に粗抽出物を25%および75%のエチルアルコールによって順次沈殿させるステップを含む、請求項1に記載の多糖抗原。
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