(1)以下、本発明の実施形態1について図1〜図3を参照しつつ説明する。
(全体構成)
図1は実施形態1の全体構成の概念図を示す。図1において、燃料源10とスタック2のアノード20とを繋ぐアノードガス通路1が設けられている。アノードガス通路1は、アノードガス(一般的には水素ガスまたは水素含有ガス)をスタック2のアノード20に供給するための通路である。アノードガス通路1には、燃料源10、第1開閉弁31、第1ポンプ41、脱硫器12、第2開閉弁32、改質器60、第1凝縮器51(第1水除去要素)、第3開閉弁33、スタック2のアノード20が直列にこの順に設けられている。スタック2は、高分子材料を基材とするイオン伝導膜を有する固体高分子形の燃料電池で形成されている。
アノードガス通路1は、改質器60とスタック2のアノード20とを第1凝縮器51を介して繋ぐ第1連通配管100をもつ。
図1に示すように、燃料電池のスタック2のアノード20からバーナ61に向けて、アノードオフガス通路となる第2連通配管200が導出されている。第2連通配管200は、スタック2のアノード20から排出された発電反応後のアノードオフガスを第2凝縮器52を介してバーナ61に供給する通路である。発電反応後のアノードオフガスは、発電反応を経ていない水素を有することがあるため、バーナ61で燃焼させて再利用を図るためである。
図1に示すように、第2連通配管200には、スタック2のアノード20の出口20pから第4開閉弁34、第2凝縮器52、バーナ61がこの順に直列に設けられている。更に図1に示すように、アノードガス通路1から分岐通路11が分岐されている。分岐通路11は、第2ポンプ42を介してバーナ61に繋がる。更に、バーナ61で燃焼されたバーナ排ガスを外部に排出するバーナ排ガス排気口62が設けられている。バーナ61の出口61pとバーナ排ガス排気口62とを第3凝縮器53を介して繋ぐ第3連通配管300が設けられている。従って、バーナ61で燃焼されたバーナ排ガスは、第3凝縮器53で熱交換により冷却され、バーナ排ガスに含まれている排熱および湿分が第3凝縮器53で回収される。
カソ−ド通路7は、スタック2のカソ−ド21にカソ−ドガス(酸化剤ガス、一般的には空気)を供給する通路である。カソ−ド通路7には、カソードガスポンプ70、加湿器71の加湿部72、スタック2のカソ−ド21、加湿器71の吸湿部73、第4凝縮器54、カソ−ドオフガス排気口75がこの順に設けられている。加湿器71は、スタック2のカソ−ド21に供給するカソ−ドガスを加湿する加湿部72と、スタック2のカソ−ド21から排出されたカソ−ドオフガスの水分を吸湿する吸湿部73とを備えている。このように吸湿部73はカソ−ドオフガスの水分を吸湿する。このように吸湿部73に吸湿された水分は加湿部72に移行する。そして、スタック2のカソ−ド21に供給するカソードガスを加湿部72によって加湿するようにされている。すなわち、加湿器71は、スタック2のカソ−ド21から排出されたカソードオフガスの水分によって、スタック2のカソ−ド21に供給される前のカソードガスを加湿するものである。
図1に示すように、カソ−ド通路7は、加湿器71の吸湿部73の出口73pから第4凝縮器54を介してカソ−ドオフガス排気口75に向かう第4連通配管400を備えている。カソ−ドオフガス排気口75は、スタック2のカソ−ド21から排出された発電後のカソ−ドオフガスを外部に排出するものである。
図1に示すように、凝縮水を貯める貯水部8が設けられている。貯水部8は、第1凝縮器51〜第4凝縮器54の凝縮水を貯める水タンク80と、水タンク80の凝縮水を精製して純水化させる水精製部81とをもつ。第1凝縮器51〜第4凝縮器54の水を貯水部8の水タンク80に重力により移動させ得るように、貯水部8は、第1凝縮器51〜第4凝縮器54よりも下方に配置されている。なお、図1において、第3凝縮器53、第4凝縮器54から水タンク80に繋がる管路は省略されている。
燃料電池システムの起動について説明する。起動時には、第1ポンプ41が停止し、第1開閉弁31が開放すると共に第2開閉弁32および第3開閉弁33が閉鎖した状態で、第2ポンプ42が駆動する。すると、燃料源10から燃料原料が分岐通路11を経てバーナ61に供給されてバーナ61で燃焼される。これにより改質器60が改質反応に適する温度に加熱される。その後、第2ポンプ42の作動を継続させて燃料原料を分岐通路11を経てバーナ61に供給しつつ、第2開閉弁32が開放する。この状態で、第1ポンプ41が作動して燃料原料(例えば炭化水素ガス)がアノードガス通路1を介して改質器60に供給される。更に第3ポンプ43が作動して貯水部8の水精製部81の純水(原料水)が給水通路82を介して改質器60に供給される。この結果、改質器60において燃料原料を水蒸気改質する改質反応が発生する。よって、改質器60において、燃料原料は、水素リッチなアノードガスに改質される。改質されたアノードガスは第1凝縮器51、第3開閉弁33を介してスタック2のアノード20に供給され、発電反応に使用される。
ところで起動時当初では、改質器60で改質されたアノードガスの組成の安定性は、必ずしも充分ではないことがある。このため図1に示すようにアノードガス通路1には、スタック2のアノード20を迂回する迂回通路13が設けられている。迂回通路13は第5開閉弁35を有する。従って、アノードガスの組成の安定性が充分ではないとき、第3開閉弁33が閉鎖した状態で第5開閉弁35が開放する。この結果、改質器60で改質されたアノードガスは、スタック2のアノード20を迂回しつつ迂回通路13に流れ、第2凝縮器52および第2連通配管200を経てバーナ61の入口61iに供給される。
改質器60で改質されたアノードガスは、起動時においても、通常運転時においても、水蒸気改質反応を経ているため、湿分を含むことが多い。このアノードガスは第1凝縮器51で冷却されるため、アノードガスに含まれている湿分は凝縮して凝縮水となる。凝縮水は第1凝縮器51の底部に貯まる。第1凝縮器51で凝縮水を生成したアノードガスは、第3開閉弁33を介してスタック2のアノード20に供給され、発電反応に使用される。また、改質器60で改質されたアノードガスが迂回通路13を流れてスタック2を迂回するときにおいても、アノードガスは第1凝縮器51および第2凝縮器52を通過し、第1凝縮器51および第2凝縮器52で冷却されるため、アノードガスに含まれている湿分は、第1凝縮器51および第2凝縮器52で冷却され凝縮水を生成する。凝縮水は第1凝縮器51の底部および第2凝縮器52の底部に貯まる。このように第1凝縮器51および第2凝縮器52で凝縮水を生成して湿分が低下したアノードガスは、バーナ61に供給され、バーナ61で良好に燃焼されて再利用される。
カソードガスポンプ70(カソードガス搬送要素)が作動すると、カソ−ドガス(酸化剤ガス、一般的には空気)が加湿器71の加湿部72で加湿され、スタック2のカソ−ド21に供給され、発電反応に使用される。発電反応は水を生成する。このためスタック2のカソ−ド21から排出されたカソ−ドオフガスは、かなりの湿分を含む。このためカソ−ドオフガス(酸化剤オフガス、一般的には空気オフガス)は、加湿器71の吸湿部73で湿分を除去された後、第4凝縮器54で熱交換により冷却されて凝縮水を生成する。凝縮水は第4凝縮器54の底部に溜まる。第4凝縮器54を経たカソ−ドオフガスはカソ−ドオフガス排気口75から外部に排出される。
上記したようにスタック2のアノード20にアノードガスが供給されると共にカソ−ド21にカソ−ドガスが供給される。これによりスタック2において発電反応が発生し、電気エネルギが生成される。スタック2のアノード20の出口20pから排出されたアノードオフガスは、発電反応を経ているものの、まだ未反応の水素を含むことが多い。そこで、スタック2のアノード20から排出されたアノードオフガスは、開放している第4開閉弁34、第2凝縮器52を介してバーナ61に供給され、バーナ61で燃焼される。また、スタック2のアノード20から排出されたアノードオフガスは湿分を有するが、第2凝縮器52で熱交換されて冷却されるため、アノードオフガスに含まれている湿分は第2凝縮器52において凝縮され、凝縮水を生成する。このように湿分が除去されたアノードオフガスがバーナ61に供給されるため、バーナ61の燃焼を安定させることができる。
図3に示すように、前記した第1凝縮器51(第1水除去要素)は、第1貯留空間510と、第1貯留空間510に貯留されている水位を検知する第1水位センサ511と、第1貯留空間510に貯留されている水を水タンク80に排出する第1ドレンバルブ512とをもつ。第1貯留空間510には、冷却水等の冷媒が通る冷媒管519が設けられている。第1貯留空間510に流入したガスは、冷媒管519により冷却され、ガスに含まれている水分は、冷却前の蒸気圧と冷却後の蒸気圧との差により、凝縮水として生成される。その凝縮水は第1貯留空間510に貯留される。そして第1水位センサ511の検知水位が所定水位になると、第1ドレンバルブ512が自動的に開放し、第1貯留空間510に貯留されている水は、貯水部8の水タンク80に重力により移動する。
図3に示すように、第2凝縮器52(水除去要素)は、第2貯留空間520と、第2貯留空間520に貯留されている水位を検知する第2水位センサ521と、第2凝縮器52本体に貯留されている水を水タンク80に排出する第2ドレンバルブ522とをもつ。第2水位センサ521の検知水位が所定水位になると、第2ドレンバルブ522が開放し、第2貯留空間520に貯留されている水は、貯水部8の水タンク80に重力により移動する。
図3に示すように、第3凝縮器53(第3水除去要素)は、第3貯留空間530と、第3貯留空間530に貯留されている水位を検知する第3水位センサ531と、第3貯留空間530に貯留されている水を水タンク80に排出する第3ドレンバルブ532とをもつ。第3水位センサ531の検知水位が所定水位になると、第3ドレンバルブ532が開放し、第3貯留空間530に貯留されている水は、貯水部8の水タンク80に重力により移動する。
第4凝縮器54(第4水除去要素)は、第4貯留空間540と、第4貯留空間540に貯留されている水位を検知する第4水位センサ541と、第4貯留空間540に貯留されている水を水タンク80に排出する第4ドレンバルブ542とをもつ。第4水位センサ541の検知水位が所定水位になると、第4ドレンバルブ542が開放し、第4貯留空間540に貯留されている水は、貯水部8の水タンク80に重力により移動する。なお制御装置500が設けられている。制御装置500は、第1開閉弁31〜第5開閉弁35、第1ポンプ41〜第3ポンプ43を制御する。
(要部構成)
(i)本実施形態の要部構成について図2を参照して説明を加える。図2は天地関係(上下関係)も併せて示す。図2において、図示上側が『天側』『上方』を示し、図示下側が『地側』『下方』を示す。
図2に示すように、前記したごとく、改質器60とスタック2のアノード20とを繋ぐ第1連通配管100が設けられている。第1連通配管100は、改質器60(上流要素)とスタック2のアノード20(下流要素)との間に配置された水除去要素としての第1凝縮器51と、改質器60の出口60pと第1凝縮器51の入口51iとを繋ぐと共に改質器60の出口60pから第1凝縮器51の入口51iにかけてガス進行方向に沿って全体として下降する第1下降配管101と、第1凝縮器51の出口51pとスタック2のアノード20の入口20iとを繋ぐと共に第1凝縮器51の出口51pからスタック2のアノード20の入口20iにかけてガス進行方向に沿って全体として上昇する第1上昇配管105とを備えている。
図2に示すように、改質器60の出口60pよりも、第1凝縮器51の入口51iは下方に配置されている。スタック2のアノード20の入口20iよりも、第1凝縮器51の出口51pは下方に配置されている。換言すると、改質器60の出口60p、スタック2のアノード20の入口20iよりも、第1凝縮器51の入口51iおよび出口51pは下方に配置されている。
第1下降配管101は、改質器60の出口60pから第1凝縮器51の入口51iにかけて全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していないことが好ましい。即ち第1下降配管101は単調下降していることが好ましい。単調下降とは、上昇する部分および水平部分を有していないことをいう。この場合、仮に第1下降配管101が冷やされ、第1下降配管101を流れるアノードガスに含まれている湿分が第1下降配管101において凝縮し、第1下降配管101において凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第1下降配管101に沿って第1凝縮器51の入口51iに向けて矢印A1方向に重力により良好に流下され、第1下降配管101に凝縮水が残留することが抑制される。
また第1上昇配管105は、第1凝縮器51の出口51pからスタック2のアノード20の入口20iにかけて全体として全て上昇しており、下降する部分および水平部分を有していないことが好ましい。即ち第1上昇配管105は単調上昇していることが好ましい。単調上昇とは、下降する部分および水平部分を有していないことをいう。この場合、仮に第1上昇配管105が冷やされ、アノードガスに含まれている湿分が第1上昇配管105において凝縮して第1上昇配管105に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第1上昇配管105に沿って第1凝縮器51の出口51pに向けて矢印A2方向に重力により良好に流下され、第1上昇配管105に凝縮水が残留することが抑制される。
本実施形態によれば、図2に示すように、第1下降配管101(第1凝縮器51の上流の配管)のうち第1凝縮器51に繋がる付け根部分101xは、第1凝縮器51の入口51iに近づくにつれて下降している。第1上昇配管105のうち第1凝縮器51に繋がる付け根部分105xは、第1凝縮器51の出口51pから離れるにつれて上昇している。この場合、生成された凝縮水を第1凝縮器51に流下させるのに有利である。
なお、第1連通配管100において凝縮水が過剰に溜まったときには、改質器60における改質反応(一酸化炭素除去反応を含む)に影響を与え、アノードガス中のCO濃度が上昇したり、あるいは、スタック2のアノード20に担持されている触媒が被毒されて電池性能が低下したり、あるいは、スタック2のアノード20側でフラッディングやガス欠乏が発生するおそれがある。
(ii)また図2に示すように、スタック2のアノード20とバーナ61とを繋ぐ第2連通配管200が設けられている。第2連通配管200は、スタック2のアノード20(上流要素)とバーナ61(下流要素)との間に配置された水除去要素としての第2凝縮器52と、スタック2のアノード20の出口20pと第2凝縮器52の入口52iとを繋ぐと共にスタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけてガス進行方向に沿って全体として下降する第2下降配管201と、第2凝縮器52の出口52pとバーナ61の入口61iとを繋ぐと共に第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけてガス進行方向に沿って全体として上昇する第2上昇配管205とを備えている。
図2に示すように、スタック2のアノード20の出口20pよりも、第2凝縮器52の入口52iは下方に配置されている。バーナ61の入口61iよりも、第2凝縮器52の出口52pは下方に配置されている。換言すると、スタック2のアノード20の出口20p、バーナ61の入口61iよりも、第2凝縮器52の入口52iおよび出口52pは下方に配置されている。
図2に示すように、第2下降配管201は、スタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけて全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していない。即ち第2下降配管201は単調下降している。このため、仮に第2下降配管201が冷やされ、アノード20から排出されたアノードオフガスに含まれている湿分が第2下降配管201において凝縮して第2下降配管201に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第2下降配管201に沿って第2凝縮器52の入口52iに向けて矢印B1方向に重力により流下され、第2下降配管201に凝縮水が残留することが抑制される。
第2上昇配管205は、第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけて全体として全て上昇しており、下降する部分および水平部分を有していない。即ち第2上昇配管205は単調上昇している。このため、仮に第2上昇配管205が冷やされ、アノードオフガスに含まれている湿分が第2上昇配管205において凝縮して第2上昇配管205に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第2上昇配管205に沿って第2凝縮器52の出口52pに向けて矢印B2方向に重力により流下され、第2上昇配管205に凝縮水が残留することが抑制される。
本実施形態によれば、図2に示すように、第2下降配管201(第2凝縮器52の上流の配管)のうち第2凝縮器52に繋がる付け根部分201xは、第2凝縮器52の入口52iに近づくにつれて(ガス進行方向に沿って)下降している。第2上昇配管205のうち第2凝縮器52に繋がる付け根部分205xは、第2凝縮器52の出口52pから離れるにつれて上昇している。この場合、生成された凝縮水を第2凝縮器52に流下させるのに有利である。
ここで、第2連通配管200において凝縮水が仮に過剰に溜まると、次の不具合が発生するおそれがある。即ち、スタック2のアノード20から排出されたアノードオフガスをバーナ61へ供給する点において安定性が損なわれるおそれがある。この場合、バーナ61における空燃比の適切性が低下するおそれがあり、ひいてはバーナ排ガスのガスエミッション(CO、NOx、THC)が悪化したり、火炎が吹き消されるおそれがある。更に、第2連通配管200に過剰に溜まった凝縮水がバーナ61に供給され、排ガスエミッションが悪化したり、火炎が吹き消されるおそれがあり、この意味においても、バーナ61における燃焼の安定性が損なわれるおそれがある。排ガスエミッションが悪化するとは、環境に悪影響を与える成分の排ガス中の濃度が上昇することをいう。
(iii)また、図2に示すように、バーナ排ガス排気口62とカソ−ドオフガス排気口75とは一体化されて一体開口とされている。このため、バーナ排ガスおよびカソ−ドオフガスは、合流して一体開口から外部に排出される。図2に示すように、バーナ61とバーナ排ガス排気口62とを繋ぐ第3連通配管300が設けられている。第3連通配管300は、バーナ61(上流要素)の出口61pとバーナ排ガス排気口62(下流要素)との間に配置された水除去要素としての第3凝縮器53と、バーナ61の出口61pから第3凝縮器53の入口53iにかけて全体として下降する第3下降配管301と、第3凝縮器53の出口53pとバーナ排ガス排気口62とを繋ぐと共に第3凝縮器53の出口53pからバーナ排ガス排気口62にかけて全体として上昇する第3上昇配管305とを備えている。
図2に示すように、バーナ61の出口61pよりも、第3凝縮器53の入口53iは下方に配置されている。バーナ排ガス排気口62よりも第3凝縮器53の出口53pは下方に配置されている。換言すると、バーナ61の出口61pおよびバーナ排ガス排気口62よりも、第3凝縮器53の入口53iおよび出口53pは下方に配置されている。
図2に示すように、第3下降配管301は、バーナ61の出口61pから第3凝縮器53の入口53iにかけてガス進行方向に沿って全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していない。即ち第3下降配管301は単調下降している。このため、仮に第3下降配管301が冷やされ、バーナ排ガスに含まれている湿分が第3下降配管301において凝縮して第3下降配管301に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第3下降配管301に沿って第3凝縮器53の入口53iに向けて矢印C1方向に重力により流下され、第3下降配管301に凝縮水が残留することが抑制される。第3凝縮器53の上流の配管である第3下降配管301の付け根部分301xは、ガス進行方向に沿って下降傾斜している。
図2に示すように、第3上昇配管305は、第3凝縮器53の出口53pからバーナ排ガス排気口62にかけて全体として全て上昇しており、下降する部分および水平部分を有していない。即ち第3上昇配管305は単調上昇している。このため、仮に第3上昇配管305が冷やされ、バーナ排ガスに含まれている湿分が第3上昇配管305において凝縮して第3上昇配管305に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第3上昇配管305に沿って第3凝縮器53の出口53pに向けて矢印C2方向に重力により流下され、第3上昇配管305に凝縮水が残留することが抑制される。
ここで、第3連通配管300において凝縮水が過剰に溜まると、次の不具合が発生するおそれがある。即ち、バーナ61の背圧の影響を受けて圧損が増加するおそれがある。この場合、アノードオフガスがバーナ61の入口61iに供給されにくくなるおそれがあり、バーナ61へのアノードオフガスの供給の安定性が損なわれるおそれがある。この場合、バーナ61における空燃比の適切性が低下するおそれがあり、ひいてはバーナ排ガスのガスエミッション(CO、NOx、THC)が悪化したり、火炎が吹き消されるおそれがある。
(v)また、図2に示すように、加湿器71とカソードオフガス排気口75とを繋ぐ第4連通配管400が設けられている。第4連通配管400は、加湿器71(上流要素)の吸湿部73の出口73pとカソードオフガス排気口75(下流要素)との間に配置された水除去要素としての第4凝縮器54と、加湿器71の吸湿部73の出口73pから第4凝縮器54の入口54iにかけて全体として下降する第4下降配管401と、第4凝縮器54の出口54pとカソ−ドオフガス排気口75とを繋ぐと共に第4凝縮器54の出口54pからカソ−ドオフガス排気口75にかけて全体として上昇する第4上昇配管405とを備えている。
図2に示すように、加湿器71の吸湿部73の出口73pよりも、第4凝縮器54の入口54iは下方に配置されている。カソ−ドオフガス排気口75よりも、第4凝縮器54の出口54pは下方に配置されている。換言すると、加湿器71の吸湿部73の出口73p、カソ−ドオフガス排気口75よりも、第4凝縮器54は下方に配置されている。
図2に示すように、第4下降配管401は、加湿器71の吸湿部73の出口73pから第4凝縮器54の入口54iにかけて全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していない。即ち第4下降配管401は単調下降している。このため、仮に第4下降配管401が冷やされ、カソ−ドオフガスに含まれている湿分が第4下降配管401において凝縮して第4下降配管401に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第4下降配管401に沿って第4凝縮器54の入口54iに向けて矢印D1方向に重力により流下され、第4下降配管401に凝縮水が残留することが抑制される。
第4上昇配管405は、第4凝縮器54の出口54pからカソ−ドオフガス排気口75にかけて全体として全て上昇しており、下降する部分および水平部分を有していない。即ち第4上昇配管405は単調上昇している。このため、仮に第4上昇配管405が冷やされ、カソ−ドオフガスに含まれている湿分が第4上昇配管405において凝縮して第4上昇配管405に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第4上昇配管405に沿って第4凝縮器54の出口54pに向けて矢印D2方向に重力により流下され、第4上昇配管405に凝縮水が残留することが抑制される。
第4連通配管400において凝縮水が過剰に溜まると、次の不具合が発生するおそれがある。カソ−ドオフガスの排出路の圧損が増加するため、カソ−ドガスがスタック2のカソ−ド21に供給されにくくなる。このためスタック2のカソ−ド21においてフラッディングが発生する頻度が増加するおそれがある。この場合、スタック2の発電出力の安定性が損なわれるおそれがある。
以上説明したように本実施形態によれば、第1連通配管100、第2連通配管200、第3連通配管300、第4連通配管400において凝縮水が生成したとしても、凝縮水が溜まることが抑制される。従って、第1連通配管100、第2連通配管200、第3連通配管300、第4連通配管400の通路断面積が凝縮水で狭くなったり、その通路が凝縮水で詰まったりすることが抑制される。
但し、第1下降配管101は、改質器60の出口60pから第1凝縮器51の入口51iにかけて全体として下降しておれば、水平部分または実質的に水平部分を部分的に有していても良い。即ち、第1下降配管101は単調下降している形態に限定されない。
また、第1上昇配管105は、第1凝縮器51の出口51pからスタック2のアノード20の入口20iにかけて全体として上昇していれば、水平部分または実質的に水平部分を部分的に有していても良い。即ち、第1上昇配管105は単調上昇している形態に限定されない。この場合、万一、水平部分において凝縮水が発生したとしても、水平部分に繋がる傾斜部分(上昇傾斜部分または下降傾斜部分)に水が比較的速やかに移動できるため、水が水平部分に長時間にわたり過剰に残留することが抑制される。
(2)以下、本発明の実施形態2について説明する。
図4は実施形態2を示す。図4は天地関係(上下関係)も併せて示す。図4において、図示上側が『天側』『上方』を示し、図示下側が『地側』『下方』を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。カソ−ドオフガス排気口75とバーナ排ガス排気口62とが互いに独立して設けられている。
従って、スタック2のカソ−ド21から排出されたカソ−ドオフガスは、カソ−ドオフガス排気口75から外部に排出される。バーナ61で燃焼されたバーナ排ガスは、バーナ排ガス排気口62から外部に排出される。
この場合、カソ−ドオフガス排気口75とバーナ排ガス排気口62とが互いに独立して設けられているため、カソ−ドオフガスの排気とバーナ排ガスの排気とが互いに与える影響を小さくできる利点が得られる。
(3)以下、本発明の実施形態3について説明する。
図5は実施形態3(スタック2のカソ−ド21側は省略)を示す。図5は天地関係(上下関係)も併せて示す。図5において、図示上側が『天側』『上方』を示し、図示下側が『地側』『下方』を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。改質器60とスタック2のアノード20とを繋ぐ第1連通配管100が設けられている。本実施形態によれば、図5に示すように、第1連通配管100の第1下降配管101のうち第1凝縮器51に繋がる付け根部分101xは、第1凝縮器51の入口51iに近づくにつれて下降している。第1上昇配管105のうち第1凝縮器51に繋がる付け根部分105xは、第1凝縮器51の出口51pから離れるにつれて上昇している。この場合、生成された凝縮水を第1凝縮器51に流下させるのに有利である。
図5に示すように、スタック2のアノード20とバーナ61とを繋ぐ第2連通配管200が設けられている。第2連通配管200は、スタック2のアノード20(上流要素)とバーナ61(下流要素)との間に配置された水除去要素としての第2凝縮器52と、スタック2のアノード20の出口20pと第2凝縮器52の入口52iとを繋ぐと共にスタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけてガス進行方向に沿って全体として下降する第2下降配管201と、第2凝縮器52の出口52pとバーナ61の入口61iとを繋ぐと共に第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけてガス進行方向に沿って全体として上昇する第2上昇配管205とを備えている。
図5に示すように、第2下降配管201は、スタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけて全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していない。即ち第2下降配管201は単調下降している。このため、仮に第2下降配管201が冷やされ、アノード20から排出されたアノードオフガスに含まれている湿分が第2下降配管201において凝縮して第2下降配管201に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第2下降配管201に沿って第2凝縮器52の入口52iに向けて矢印B1方向に重力により流下され、第2下降配管201に凝縮水が残留することが抑制される。
図5に示すように、第2下降配管201(第2凝縮器52の上流の配管)のうち第2凝縮器52に繋がる付け根部分201xは、第2凝縮器52の入口52iに近づくにつれて下降している。図5に示すように、第2上昇配管205(第2凝縮器52の下流の配管)は、第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけて全体として上昇している。故に、第2上昇配管205のうち第2凝縮器52の出口52pに繋がる付け根部分205xは、第2凝縮器52の出口52pから離れるにつれて上昇している。この場合、生成された凝縮水を第2凝縮器52に流下させるのに有利である。
図5に示すように、第2上昇配管205は、第2凝縮器52の出口52pからバーナ61(下流要素)の入口61iに向かうにつれて、上昇する第1上昇中間部分205aと、下降する第1下降中間部分205bと、第1下降中間部分205bの下流となるように上昇する第2上昇中間部分205cと、第2上昇中間部分205cの下流となるように上昇する第3上昇中間部分205dとを有している。
図5に示すように、第1下降中間部分205bおよび第2上昇中間部分205cは、疑似V形状を構成する。このような配管構造となるのは、主として、スペース上の制約に起因する。
図5に示すように、重力を利用して水を流下させ得るように、第1下降中間部分205bの下端部、第2上昇中間部分205cの下端部には、別の水除去要素56が設けられている。従って、第1下降中間部分205bおよび第2上昇中間部分205cよりも下方に、水除去要素56が設けられている。水除去要素56が設けられている配管構造を採用しているのは、主として、スペース上の制約に起因する。
重力を利用して水を流下させ得るように、水除去要素56の下方に水タンク80が設けられている。水除去要素56は、貯水タンク機能をもつ貯水空間56aと、貯水空間56aに溜まった水の水位を検知する水位センサ56bと、ドレンバルブ56cとを備えている。水位センサ56bで検知して検知水位が所定水位となるとき、ドレンバルブ56cは開放される。貯水空間56aの水は水タンク80に流下する。重力を利用して貯水空間56aの水を排水できるように、水除去要素56は水タンク80の上方に位置している。
本実施形態によれば、仮に、第1上昇中間部分205aを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が第1上昇中間部分205aにおいて凝縮して第1上昇中間部分205aに凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1上昇中間部分205aに沿って第2凝縮器52の出口52pに向けて矢印B2方向に重力により流下され、第1上昇中間部分205aに凝縮水が残留することが抑制される。
仮に、第1下降中間部分205bを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が第1下降中間部分205bにおいて凝縮して第1下降中間部分205bに凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1下降中間部分205bに沿って水除去要素56の入口56iに向けて矢印F1方向に重力により流下され、第1下降中間部分205bに凝縮水が残留することが抑制される。
更に、仮に第2上昇中間部分205cおよび第3上昇中間部分205dを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が凝縮して凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第2上昇中間部分205cおよび第3上昇中間部分205dに沿って水除去要素56の出口56pに向けて矢印F2方向に重力により流下され、第2上昇中間部分205cおよび第3上昇中間部分205dに凝縮水が残留することが抑制される。なお、図4において第1上昇配管105および第2上昇配管205はあたかも交差しているかのように図示されているが、これは図面の配置の関係でこのように描かれたものである。第1上昇配管105および第2上昇配管205はそれぞれ独立の配管であり、交差していない。
(4)以下、本発明の実施形態4について説明する。
図6は実施形態4(スタック2のカソ−ド21側は省略)を示す。図6は天地関係(上下関係)も併せて示す。図6において、図示上側が『天側』『上方』を示し、図示下側が『地側』『下方』を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施形態1と相違する部分を中心として説明する。改質器60とスタック2のアノード20とを繋ぐ第1連通配管100が設けられている。図6に示すように、スタック2のアノード20とバーナ61とを繋ぐ第2連通配管200が設けられている。第2連通配管200は、スタック2のアノード20(上流要素)とバーナ61(下流要素)との間に配置された水除去要素として機能する第2凝縮器52と、スタック2のアノード20の出口20pと第2凝縮器52の入口52iとを繋ぐと共にスタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけて全体として下降する第2下降配管201と、第2凝縮器52の出口52pとバーナ61の入口61iとを繋ぐと共に第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけて全体として上昇する第2上昇配管205とを備えている。
図6に示すように、第2下降配管201は、スタック2のアノード20の出口20pから第2凝縮器52の入口52iにかけて全体として全て下降しており、上昇する部分および水平部分を有していない。即ち第2下降配管201は単調下降している。このため、仮に第2下降配管201が冷やされ、アノード20から排出されたアノードオフガスに含まれている湿分が第2下降配管201において凝縮して第2下降配管201に凝縮水が発生したとしても、凝縮水は第2下降配管201に沿って第2凝縮器52の入口52iに向けて矢印B1方向に重力により流下され、第2下降配管201に凝縮水が残留することが抑制される。
図6に示すように、第2上昇配管205は、第2凝縮器52の出口52pからバーナ61の入口61iにかけて全体として上昇している。図6に示すように、第2上昇配管205は、第2凝縮器52の出口52pからバーナ61(下流要素)の入口61iに向かう中間部分において、ガス通路が上昇する第1上昇中間部分205uと、第1上昇中間部分205uの下流となる第2上昇中間部分205vと、第2上昇中間部分205vの下流となる第1下降中間部分205wと、第1下降中間部分205wの下流となる第3上昇中間部分205xとを有している。第1下降中間部分205wおよび第2上昇中間部分205vは、実質的なV形状を構成する。
図6に示すように、第1下降中間部分205wの下端部には、水除去要素56が設けられている。第3上昇中間部分205xの下端部は第2水除去要素56に繋がれる。水位センサ56bが所定水位を検知すると、ドレン弁56cが開放し、水除去要素56の貯水空間56aの水は、前記した水タンク80に重力により流下する。このように重力を利用して貯水空間56aの水を排水できるように、第2水除去要素56は水タンク80の上方に位置している。
本実施形態によれば、仮に、第1上昇中間部分205uおよび第2上昇中間部分205vを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が第1上昇中間部分205uおよび第2上昇中間部分205vにおいて凝縮して、第1上昇中間部分205uおよび第2上昇中間部分205vに凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1上昇中間部分205uおよび第2上昇中間部分205vに沿って第2凝縮器52の出口52pに向けて矢印B2方向に重力により流下される。従って、第1上昇中間部分205uおよび第2上昇中間部分205vに凝縮水が残留することが抑制される。
仮に、第1下降中間部分205wを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が第1下降中間部分205wにおいて凝縮して第1下降中間部分205wに凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1下降中間部分205wに沿って第2水除去要素56の入口56iに向けて矢印J1方向に重力により流下され、第1下降中間部分205wに凝縮水が残留することが抑制される。
更に、仮に第3上昇中間部分205xを流れているアノードオフガスに含まれている湿分が凝縮して凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第3上昇中間部分205xに沿って第2水除去要素56の出口56pに向けて矢印J2方向に重力により流下され、第3上昇中間部分205xに凝縮水が残留することが抑制される。
(5)以下、本発明の実施形態5について説明する。
図7は実施形態5(スタック2のカソ−ド21側は省略)を示す。図7は天地関係(上下関係)も併せて示す。図7において、図示上側が『天側』『上方』を示し、図示下側が『地側』『下方』を示す。本実施形態は図5に示す実施形態3と基本的には同様の構成および作用効果を有する。以下、実施形態3と相違する部分を中心として説明する。図7に示すように、改質器60とスタック2のアノード20とを繋ぐ第1連通配管100が設けられている。
第1連通配管100は、改質器60(上流要素)とスタック2のアノード20(下流要素)との間に配置されガスの湿分を低下させる湿分低下機能をもつ第1凝縮器51と、改質器60の出口60pから第1凝縮器51の入口51iにかけて基本的には全体として下降する第1下降配管101と、第1凝縮器51の出口51pからスタック2のアノード20の入口20iにかけて上昇する第1上昇配管105とを備えている。
図7に示すように、第1上昇配管101は、改質器60の出口60pからガスが下降する第1下降中間部分101aと、ガスが途中で上昇する第1上昇中間部分101bと、ガスが再び下降する第2下降中間部分101cとを有している。
図7に示すように、第1下降中間部分101aおよび第1上昇中間部分101bは、疑似V形状を構成する。このような配管構造となるのは、主として、スペース上の制約に起因する。
図7に示すように、重力を利用して水を流下させ得るように、第1下降中間部分101aの下端部、第1上昇中間部分101bの下端部には、水除去要素56Bが設けられている。従って、第1下降中間部分101aおよび第1上昇中間部分101bよりも下方に、水除去要素56Bが設けられている。水除去要素56Bが設けられている配管構造を採用しているのは、主として、スペース上の制約に起因する。
重力を利用して水を流下させ得るように、水除去要素56Bの下方に水タンク80が設けられている。水除去要素56Bは、前記した第2水除去要素56と同じ機能をもつ。但し、水除去要素56Bではアノードガスの出口および入口は共通化されており、入口機能および出口機能をもつ出入共通口56mとされている。
本実施形態によれば、仮に、第1下降中間部分101aを流れているアノードガスに含まれている湿分が凝縮して凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1下降中間部分101aに沿って第2凝縮器52Bの出入共通口56mに向けて矢印A1方向に流下される。よって、第1下降中間部分101aに凝縮水が残留することが抑制される。
仮に、第1上昇中間部分101bを流れているアノードガスに含まれている湿分が凝縮して第1上昇中間部分101bに凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第1上昇中間部分101bに沿って水除去要素56Bの出入共通口56mに向けて矢印A3方向に流下される。よって、第1上昇中間部分101bに凝縮水が残留することが抑制される。
更に、仮に第2下降中間部分101cを流れているアノードガスに含まれている湿分が凝縮して凝縮水が発生したとしても、その凝縮水は第2下降中間部分101cに沿って水除去要素56Bの出入共通口56mに向けて矢印A3方向に重力により流下される。よって、第2下降中間部分101cに凝縮水が残留することが抑制される。
(その他)
本発明によれば、水除去要素の下流に位置する上昇配管は、水除去要素の出口から下流要素の入口にかけて、上昇配管を流れるガスの流れ方向において、流路を下方に傾斜させることなく、水除去要素と下流要素との間を連通していることが好ましい。但しこれに限らず、上昇配管は、部分的に水平部分および/または下降部分を有していても良い。この場合、前述したように水平部分および/または下降部分に水が過剰に残留しないように配慮することが好ましい。
下降配管は、上流要素の出口から水除去要素の入口にかけて、ガスの流れの方向において流路を上方に傾斜させることなく、水除去要素と下流要素との間を連通していることが好ましい。但しこれに限らず、下降配管は部分的に水平部分および/または上昇部分を有していても良い。この場合、水平部分および/または上昇部分に水が過剰に残留しないように配慮することが好ましい。
上記した各実施形態によれば、貯水部8は水タンク80と水精製部81とを有するが、水精製部81と水タンク80とは互いに分離されていても良い。上記した各実施形態によれば、第1凝縮器51の入口51iおよび出口51pは別個とされているが、入口および出口を兼用できるように単一の開口に共通化されていても良い。第2凝縮器52の入口52iおよび出口52p、第3凝縮器53の入口53iおよび出口53p、第4凝縮器54の入口54iおよび出口54pについても同様である。改質器60を有する燃料電池システムに適用されているが、改質器を有しない燃料電池システムに適用しても良い。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。上記した記載から次の技術的思想も把握できる。
(付記項1)各請求項において、水除去要素の上流に位置する下降配管のうち水除去要素の入口に繋がる付け根部分は、水除去要素の入口に近づくにつれて下降していることを特徴とする燃料電池システム。下降配管において生成された凝縮水を下降配管のガス流れ方向に沿って水除去要素に向けて流下させるのに有利である。
(付記項2)各請求項において、水除去要素の下流に位置する上昇配管のうち水除去要素の出口に繋がる付け根部分は、水除去要素の出口から離れるにつれて上昇していることを特徴とする燃料電池システム。上昇配管において生成された凝縮水を上昇配管のガスの流れ方向とは逆の方向に沿って水除去要素に向けて流下させるのに有利である。
(付記項3)アノードガス、カソ−ドガス、アノードオフガス、カソ−ドオフガス、バーナ排ガスのうちのいずれかが流れる上流要素と、当該ガスが流れる下流要素と、上流要素の出口と下流要素の入口とを繋ぐ連通配管とを具備する燃料電池システムにおいて、連通配管は、上流要素と下流要素との間に配置され上流要素から流れるガスから水分を除去可能な水除去要素と、上流要素の出口と水除去要素の入口とを繋ぐと共に上流要素の出口から水除去要素の入口にかけてガスが下降する下降配管と、水除去要素の出口と下流要素の入口とを繋ぐと共に水除去要素の出口から下流要素の入口にかけてガスが上昇する上昇配管とを具備しており、水除去要素を挟むように配置された下降配管および上昇配管において生成される凝縮水は、その下降配管および上昇配管で挟まれている水除去要素に向けて流下することを特徴とする燃料電池システム。
(付記項4)アノードガス、カソ−ドガス、アノードオフガス、カソ−ドオフガス、バーナ排ガスのうちのいずれかのガスが流れる上流要素と、当該ガスが流れる下流要素と、上流要素の出口と下流要素の入口とを繋ぐ連通配管とを具備する燃料電池システムにおいて、上流要素から流れるガスから水分を除去可能な凝縮器が上流要素と下流要素との間に設けられており、連通配管は、上流要素と凝縮器とを繋ぐと共に上流要素の出口から凝縮器の入口にかけてガスが全体として下降する下降配管と、凝縮器と下流要素とを繋ぐと共に前記凝縮器の出口から下流要素の入口にかけてガスが全体として上昇する上昇配管とを具備していることを特徴とする燃料電池システム。全体として下降するとは、水平部または下降部が部分的で有れば、有していても良いという意味である。全体として上昇するとは、水平部または下降部が部分的で有れば、有していても良いという意味である。
(付記項5)付記項4において、凝縮器が複数設けられており、各凝縮器を挟むように配置された下降配管および上昇配管は、付記項4の構造とされていることを特徴とする燃料電池システム。
1はアノードガス通路、13は迂回通路、2はスタック、20はアノード、21はカソ−ド、31〜35は開閉弁、51〜54は凝縮器(水除去要素)、60は改質器、61はバーナ、62はバース排ガス排気口、7はカソ−ド通路、71は加湿器、75はカソ−ドオフガス排気口、8は貯水部、80は水タンク、81は水精製部、100は第1連通配管、101は第1下降配管、105は第1上昇配管、200は第2連通配管、201は第2下降配管、205は第2上昇配管、300は第3連通配管、301は第3下降配管、305は第3上昇配管、400は第4連通配管、401は第4下降配管、405は第4上昇配管を示す。