JP4085808B2 - 加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを精密加工する加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加工装置には、例えば、特開平10−151534号公報に提案されている加工装置がある。図11(A)に示す特開平10−151534号公報で提案されている加工装置では、水平方向を回転軸とする主軸104に設けられた工具Tを有する加工手段をZ軸ユニット103(水平方向のZ軸駆動軸線に沿って移動可能)に設け、Z軸ユニット103の下にX軸ユニット102(Z軸駆動軸線と直交する水平方向のX軸駆動軸線に沿って移動可能)を設け、X軸ユニット102をベッド101上に配設している。
また、主軸104と対向する位置に、ワークWを水平方向を回転軸として旋回可能な、水平方向のC軸駆動軸線を有するC軸ユニット107を配置し、C軸ユニット107の下にB軸ユニット109(垂直方向のB軸旋回軸線を回転軸として旋回可能)を設け、B軸ユニット109の下にY軸ユニット110(垂直方向のY軸駆動軸線に沿って移動可能)を設け、Y軸ユニット110をベッド101に配設している。
そして、ワークWの被加工点「A」の位置を、C軸ユニット107とB軸ユニット109とY軸ユニット110にて割り出し、工具Tの先端部分の加工点の位置を、X軸ユニット102とZ軸ユニット103にて割り出し、ワークWの被加工点「A」の位置を工具Tの加工点で加工(切削、研削等)する。
また、従来の加工装置の他の例として、垂直方向に移動する可動体の下方に保持手段を設け、保持手段の上端の水平面にて可動体を保持する加工装置もある。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−151534号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−151534号公報に提案されている従来の加工装置では、サーボモータ122でボールねじ120を回転させ、ラム117(可動体)に固定されたナット121を移動させることで、ラム117をY軸に沿って移動させている。この場合、Y軸方向への移動時には、垂直方向にラム117を移動させるために、当該ラム117にかかる重力(この場合、ラム117と、ラム117に載置されたBユニット109及びC軸ユニット107による重力)よりも大きな駆動力が必要となる。また、移動が完了した場合、その位置にラム117を保持するために、当該ラム117にかかる重力と等しい保持力がボールねじ120及びサーボモータ122に必要となる。
従来の加工装置では、この駆動力と保持力をボールねじ120とナット121とボールねじを回転させるサーボモータ122に持たせている。
ここで、ボールねじ120とナット121を用いる方法では、回転運動を直線運動に機械的に変換するため、ある程度の誤差が発生する。この誤差は通常の加工を行う加工装置ではほとんど影響ないレベルであるが、数100[nm]〜数10[nm]の超高精度で加工する加工装置では影響度が大きいため、この誤差を抑制する必要がある。ボールねじ120とナット121を用いる方法以外で、より高精度に位置決め可能であるとともに、高い駆動力と保持力を持たせる方法は非常に困難である。
そこで、高精度に位置決めする(目標位置に移動させる)Y軸移動手段と、当該Y軸移動手段を保持する保持手段とを分離する。これにより、位置決め精度をY軸移動手段で確保し、高い駆動力及び保持力をY軸移動手段に持たせることなく、保持手段に肩代わりさせる。
【0005】
しかし、保持手段の上端の水平面にて可動体を保持する従来の加工装置において、保持手段80と可動体30bの結合部では、図12(A)〜(D)に示すように保持手段80の主保持部材85の上端にて可動体30bの下端(可動体30bの下部に設けられたプレート81)を支持している。図12(A)及び(B)に示すように、保持手段80の取付け誤差により可動体30bの中心軸線30zと保持手段80の中心軸線80zがX軸方向に対して角度θで傾いている場合、保持手段80の保持力「Fs」が可動体30bの中心軸線30zに作用しない場合がある。図12(A)及び(B)の例の場合、保持手段80の保持力「Fs」は、可動体30bの中心軸線30zから離れた位置(Psの位置)に作用する。この場合、可動体30bの中心軸線30zから離れているため、数100[nm]〜数10[nm]の超高精度で加工する加工装置では当該可動体30bの位置決め精度に影響を及ぼす可能性がある。また、図12(B)に示すように、ピストン80aのY軸方向への移動距離に応じてPsの位置がPs1の位置に移動するため(距離「Ls」分移動する)、主保持部材85とプレート81とが摩耗して、位置決め精度に影響を及ぼす可能性がある。
また、図12(C)及び(D)の例に示すように、ピストンが変形する可能性もある。この場合、変形したピストンでは正確な動作を行うことができず、当該可動体の位置決め精度に影響を及ぼす可能性がある。また、図12(B)と同様に、ピストン80aのY軸方向への移動距離に応じて主保持部材85が移動するため(距離「Ls1」分移動する)、主保持部材85とプレート81とが摩耗して、位置決め精度に影響を及ぼす可能性がある。
また、一般に保持手段としてエアーシリンダや油圧シリンダを用いるが、その場合、シリンダによって作動するピストン80aの送り精度は可動体30bの送り精度に比べて悪い。そのため、保持手段80をたとえ取付け誤差なく設置しても、作動中のピストン80aの中心軸線80zが可動体30bの中心軸線30zから外れてしまい保持手段80の保持力が可動体30bの中心軸線30z上に作用しないことがある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、保持手段の保持力を常に可動体の中心軸線上に作用させることができ、加工精度をより向上させることができる加工装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの加工装置である。
請求項1に記載の加工装置は、工具とワークとを互いに異なる複数の軸の方向に相対移動させる各軸方向への移動手段とを備えた加工装置において、垂直方向の成分を有する移動手段が、固定体と当該固定体に沿って移動する可動体とで構成され、前記可動体を支持 する保持手段が当該可動体の下方に設けられており、前記保持手段は、前記垂直方向に移動可能な支持部材を有している。
そして、前記可動体と前記保持手段との結合部となる前記支持部材の上方に、球状面を有する球状面部材が設けられ、当該球状面部材の球状面上の1点にて前記可動体と前記保持手段が当接するように構成されているとともに、当該1点の当接部が前記可動体における移動方向の中心軸線とほぼ一致するように前記球状面部材が配置されており、前記球状面部材は、前記支持部材に対して相対的にほぼ水平方向に移動可能なスライド機構を有している。
これにより、可動体は球状面上の1点にて保持されるため、保持手段の保持力を常に可動体の中心軸線上に作用させることができ、加工精度をより向上させることができる。
【0007】
また、可動体を保持する球状面上の1点が可動体の中心軸線上にくるように設定すれば、支持部材と可動体との位置が水平方向にずれた場合であっても、保持手段の保持力を常に可動体の中心軸線上に作用させることができ、加工精度をより向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の加工装置の一実施の形態の概略左側面図を示している。
●[全体構成(図1、図2、図3)]
図1(左側面図)及び図2(平面図)及び図3(斜視図)を用いて、各移動手段及び各旋回手段等の配設位置を説明する。ここで、図1(A)は左側面図を示しており、図1(B)は図1(A)のA−A断面図(Y軸移動手段30の断面図)を示している。また、図2(A)は平面図を示しており、図2(B)は図2(A)のB−B断面図(Z軸移動手段50の断面図)を示している。
なお、本実施の形態に説明する加工装置は、数100[nm]〜数10[nm]の誤差で、レンズあるいはレンズの型等を軸対称形状あるいは自由曲面形状に製作する超精密加工装置に適用した例である。
【0009】
工具Tには、例えば、駆動手段10に回転する砥石(T)を備えたものを使用したり、バイト形状の刃(T)を備えたものを使用したり、種々の工具を用いることができる。図1〜図3の例では、回転砥石を工具Tとして用いている。そして、工具Tの先端部分の加工点で、ワークWの被加工点を研削加工する。なお、被加工点は、ワークWに対して種々の場所に存在する場合がある。
ベッド1は、略直方体の形状であり、水平方向(図1(A)及び図2(A)中のX軸方向、及びZ軸方向)の上面と、垂直方向(図1(A)及び図2(A)中のY軸方向)の側面を有している。ベッド1は略直方体形状の非常にシンプルな形状であるため、各面の精度(水平方向の面の水平度、垂直方向の面の垂直度)を出すことが容易である。このため、配設における位置決め及び位置調整が重要な各部品等を高精度に配置及び位置調節することができる。これにより、加工精度をより向上させることができる。
【0010】
ベッド1の上面には、ワークWの被加工点と、工具Tの加工点とを相対的に水平方向(この場合、図1〜図3中のX軸方向)に移動可能な、X軸移動手段60が配設されている。図1(A)に示すように、X軸移動手段60は、案内機構60a(固定体)と、可動体60bと、リニアモータ60cとで構成されており、可動体60bは、案内機構60aに係合され、リニアモータ60cによってX軸方向に往復動する。
X軸移動手段60の駆動手段には、直線運動における移動位置の誤差を極力小さくするために、回転運動するモータでなくリニアモータ60cを使用している。このため、回転運動を直線運動に変換する機構等が不要になり、ダイレクトに直線移動させることができ、バックラッシュもほとんど発生しないため、誤差をより小さくすることができる。
このX軸移動手段60における可動体60bのX軸方向の中心軸線を、X軸中心軸線60zとする(図1(A))。
【0011】
X軸移動手段60の上面には、ワークWの被加工点と工具Tの加工点とを相対的に、X軸と直交する水平方向(この場合、図1〜図3中のZ軸方向)に移動可能な、Z軸移動手段50が配設されている。図2(B)に示すように、Z軸移動手段50は、案内機構50a(固定体)と、可動体50bと、リニアモータ50cとで構成されており、可動体50bは、案内機構50aに係合され、リニアモータ50cによってZ軸方向に往復動する。
Z軸移動手段50の駆動手段には、X軸移動手段60と同様の理由で、リニアモータ50cを用いている。このZ軸移動手段50における可動体50bのZ軸方向の中心軸線を、Z軸中心軸線50zとする(図2(B))。
【0012】
Z軸移動手段50の可動体50bの可動方向の先端部には、水平方向(この場合、図1(A)及び図2(A)中のZ軸方向)を軸としてワークWの被加工点と工具Tの加工点とを相対的に旋回(回転)可能な、水平方向(この場合、Z軸方向)のC軸駆動軸線(C軸)を軸とするC軸駆動手段40が配設されている。図1(A)及び図2(A)の例の場合、C軸駆動手段40は、ワークWを保持し、ワークWをC軸まわりに回転させることができる。
【0013】
ベッド1の側面には、ワークWの被加工点と工具Tの加工点とを相対的に垂直方向(この場合、図1〜図3中のY軸方向)に移動可能な、Y軸移動手段30が配設されている。図1(B)に示すように、Y軸移動手段30は、案内機構30a(固定体)と、可動体30bと、リニアモータ30cとで構成されており、可動体30bは、案内機構30aに係合され、リニアモータ30cによってY軸方向に往復動する。
Y軸移動手段30の駆動手段には、X軸移動手段60と同様の理由で、リニアモータ30cを用いている。このY軸移動手段30における可動体30bのY軸方向の中心軸線を、Y軸中心軸線30zとする(図1(B))。
なお、Y軸移動手段30の下方には、工具Tを配設したB軸旋回手段20を搭載している可動体30bを重力とほぼ等しい力でささえるバランスシリンダ80が設けられている。これにより、Y軸移動手段30のリニアモータにかかる負荷を低減して誤差をより小さくすることができる。
【0014】
Y軸移動手段30の上面には、垂直方向(この場合、図1(A)中のY軸方向)を軸としてワークの被加工点と工具Tの加工点とを相対的に旋回可能な、垂直方向(この場合、Y軸方向)のB軸旋回軸線(B軸)を軸とするB軸旋回手段20が配設されている。図2(A)に示すように、B軸旋回手段20にはB軸旋回テーブル20bが設けられており、このB軸旋回テーブル20bがB軸まわりに旋回する。図1(A)及び図2(A)及び図3の例の場合、B軸旋回テーブル20bは、工具Tが固定されており、工具Tの加工点の方向(水平面内での方向)の割り出しが可能である。
【0015】
B軸旋回手段20におけるB軸旋回テーブル20bの上面には、工具Tの先端部分の加工点が、B軸旋回軸線(B軸)と一致するように工具Tが配設されている。このため、B軸旋回手段20がどのような角度で旋回しても、工具Tの加工点の位置は、ほとんどずれることなくB軸旋回軸線上(B軸上)に留まっている。なお、加工点の方向は、B軸旋回テーブル20bの旋回角度に応じて変化する。
【0016】
また、Y軸中心軸線30zとB軸旋回軸線(B軸)とが一致するように、Y軸移動手段30の上面にB軸旋回手段20が配設されている。また、Z軸中心軸線50zとC軸駆動軸線(C軸)とが一致するように、Z軸移動手段50の先端部にC軸駆動手段40が配置されている。
なお、図3には、ワークWの被加工点と、工具Tの加工点との最初の位置合わせ用の顕微鏡90と、当該顕微鏡90での位置確認を補助するためのストロボ92が図中に記載されている。また、工具TとB軸旋回テーブル20b(B軸旋回手段20により旋回するテーブル)との間には、工具Tの先端の加工点Bの位置を正確にB軸と一致させるための微調整手段12が設けられている。作業者は、顕微鏡90にて工具Tの先端の加工点の位置とB軸とが一致するように、微調整手段12を操作する(図3の例では、工具Tを駆動する駆動手段10の位置を微調整する)。
また、図3には、ベッド1を床面等に対して正確に水平に維持し、かつ床面等からの振動を吸収することができる除振台3も図中に記載されている。
【0017】
●[保持手段の位置(図4)]
図4(A)は、本実施の形態の加工装置の概略正面図(Y軸移動手段30及びバランスシリンダ80に関連する部分の正面図)を示している。また、図4(B)は図4(A)のC−C断面図(Y軸移動手段30の断面図)を示している。
バランスシリンダ80(保持手段)は、Y軸移動手段30の可動体30bの下方に設けられており、当該可動体30bにかかる重力を相殺するように、可動体30bを保持する。このように、高精度に位置決めするY軸移動手段30と、当該Y軸移動手段30の可動体30bを保持するバランスシリンダ80(保持手段)とを分離する。これにより、高い駆動力と保持力を持たないが高精度に位置決め可能なY軸移動手段30を使用することができ、Y軸移動手段30の選択肢が増加し、より高精度に加工を行う加工装置の実現が容易になる。
そして、バランスシリンダ80のY軸方向の中心軸線80zは、可動体30bのY軸中心軸線30zと一致するように調整されており、軸線以外の方向(重力方向以外の方向)に余分な力が働かないようにしている。これにより、可動体30b及びピストン80a(支持部材)がY軸方向(垂直方向)に対して傾くことを抑制し、誤差の発生を抑制することができる。以下、誤差の発生を抑制するための構造とその作用について、詳細を説明する。
【0018】
●[Y軸移動手段の可動体と保持手段の結合部(図5〜図8)]
図5〜図8は、Y軸移動手段30の可動体30bと、バランスシリンダ80との結合部80bの外観及び構造を説明する図である。図5は、左側面方向(図1(A)と同じ方向)から見た結合部80b近傍の拡大図であり、図6は、正面方向(図4と同じ方向)から見た結合部80b近傍の拡大図である。また、図7は、Y軸中心軸線30zを含むXY平面にて図6における結合部80b近傍を切断した場合の断面図である。また、図8は、結合部80bの構造の詳細を説明する図である。
図5〜図7に示すように、バランスシリンダ80のY軸方向の中心軸線80zは、可動体30bのY軸中心軸線30zと一致するように調整されている。また、Y軸移動手段30における可動体30bとバランスシリンダ80との結合部80bには、図5〜図8の例に示すように、鋼球82(球状面部材)の表面にて球状面を構成している。そして、当該球状面上の1点にてバランスシリンダ80はY軸移動手段30の可動体30bを保持している。
【0019】
次に、図7及び図8を用いて結合部80b近傍の構造について詳細に説明する。図8(A)は、中心軸線80zを含むXY平面にて各構成要素を切断した場合の断面図を示しており、図8(B)は、図8(A)の斜視図を示している。
バランスシリンダ80のピストン80aは、Y軸移動手段30の可動体30bのY軸方向の位置に応じて、油圧等にてY軸方向に往復動する。
主保持部材85はピストン80aの上端に設けられており、当該主保持部材85は、ボルト等にてピストン80aに固定されている。
スライド機構84は主保持部材85の上端に載置されている。スライド機構84は、例えば、環状に形成されたベアリング保持部材84bと複数のベアリング84aとで構成されており、主保持部材85に対して相対的に任意の水平方向に移動及び回転が可能である(XZ平面に対して任意の方向にスライド及び回転が可能である)。なお、スライド機構の構造及び形態等は、本実施の形態に限定されるものではない。
球状面保持部材83はスライド機構84の上端に載置されている。球状面保持部材83は、スライド機構84を介して主保持部材85に対して相対的に任意の水平方向に移動及び回転が可能である。また、球状面保持部材83の表面の中央部分には、凹部83aが設けられており、鋼球82がこの凹部83aに安定して収まるように構成されている。
【0020】
鋼球82は球状面保持部材83の凹部83a部分に載置されている。鋼球82は球状面上の1点にてプレート81を保持するとともに、球状面保持部材83の凹部83a部分にて保持されている。
プレート81は鋼球82に保持されている。そして、プレート81は可動体30bにボルト等にて固定されている。
以上に説明したように、球状面保持部材83は、主保持部材85に対してXZ平面内で自由に移動及び回転することが可能である。このため、可動体30bに対して主保持部材85がXZ平面内でどのように移動あるいは回転しても(誤差等により移動あるいは回転した場合であっても)適切に可動体30bを保持することが可能である。
また、鋼球82の球状面上の1点にて可動体30bを保持するので、可動体30bあるいは主保持部材85が誤差等によりY軸に対して傾いた場合であっても、適切に可動体30bを保持することが可能である。
次に結合部80bの動作及び効果に関して、[保持点位置の維持]の説明をする。
【0021】
●[保持位置の維持(図9)]
図9(A)及び(B)に示すように、バランスシリンダ80の取付け誤差により可動体30bの中心軸線30zに対して、ピストン80aの中心軸線80zがX軸方向に角度θで傾いている場合を想定して説明する。鋼球82は球状面上の1点にて可動体30bの中心軸線30z上のプレート81上の1点(位置Ps)を支持している。鋼球82は凹部83aとプレート81にて支持されているので、プレート81及び球状面保持部材83に対して移動及び回転しない。
また、スライド機構84によって、球状面保持部材83と主保持部材85は相対的にXZ平面を自由に移動及び回転することができる。
ここで、図9(A)に示す状態から図9(B)に示す状態に可動体30bをY軸方向に移動させて、それに連動するようにピストン80aを作動させる。このとき、球状面保持部材83と主保持部材85が、スライド機構84により相対的に球状面保持部材83の底面と平行な方向(主保持部材85の上面と平行な方向)に移動する。このため、鋼球82の支持位置は、可動体30bの中心軸線30z上のプレート81上の1点(位置Ps)を維持することができる。
この結果、ピストン80aによる保持力が可動体30bの中心軸線30z上の点にて軸線方向に常に作用する。このため、中心軸線30z上の点及び方向でない点及び方向から保持力が作用することがなく、可動体30bに位置決めに影響を及ぼすことなく、可動体30bの位置決めを高精度に行うことができる。
【0022】
なお、図10は、結合部80bの他の実施例を示している。この場合、スライド機構84の上端にプレート81を載置する。プレート81と主保持部材85は、スライド機構84により相対的に主保持部材85の上面に平行な方向に移動可能である。また、プレート81上の1点に鋼球82が当接している。鋼球82は球状面保持部材83の凹部(図示せず)に保持されている。そして、球状面保持部材83は可動体30bにボルト等で固定されている。
この図10の例に示す構成にて、鋼球82の球状面が可動体30bに固定されていても、図9(A)及び(B)の説明と同様の動作をさせることができる。なお、鋼球82の中心が中心軸線30z上にくるように配置する。
【0023】
本発明の加工装置は、本実施の形態で説明した構成、形状、寸法、材質等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、B軸旋回手段20及びC軸駆動手段40は省略してもよい。
本発明の加工装置は、非常に高精度な加工が要求される種々の加工に用いることが可能である。
結合部80bにおける球状面(実施の形態では鋼球82の表面)は、球でなくとも球状の曲面を有していればよい。また、球状面は、実施の形態に示したように、ピストン80a側に設けてもよいし、可動体30b側に設けてもよい。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、X軸、Y軸、Z軸を直交座標に設定したが、特に直交していなくてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または2に記載の加工装置を用いれば、保持手段の保持力を常に可動体の中心軸線上に作用させることができ、加工精度をより向上させることができる加工装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(左側面図)である。
【図2】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(平面図)である。
【図3】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(斜視図)である。
【図4】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(Y軸移動手段30及びバランスシリンダ80に関連する部分)である。
【図5】 可動体30bと、バランスシリンダ80との結合部80bの外観を説明する図である。
【図6】 可動体30bと、バランスシリンダ80との結合部80bの外観を説明する図である。
【図7】 可動体30bと、バランスシリンダ80との結合部80bの構造を説明する図である。
【図8】 可動体30bと、バランスシリンダ80との結合部80bの構造を説明する図である。
【図9】 ピストン80aによる保持力が可動体30bの中心軸線30z上の点にて軸線方向に常に作用する様子を説明する図である。
【図10】 結合部80bの他の実施例を説明する図である。
【図11】 従来の加工装置を説明する図である。
【図12】 従来の加工装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 ベッド
10 駆動手段
20 B軸旋回手段
30 Y軸移動手段
30b 可動体
30z Y軸中心軸線
40 C軸駆動手段
50 Z軸移動手段
50z Z軸中心軸線
60 X軸移動手段
60z X軸中心軸線
80 バランスシリンダ(保持手段)
80a ピストン(支持部材)
80b 結合部
81 プレート
82 鋼球(球状面部材)
83 球状面保持部材
84 スライド機構
85 主保持部材
Claims (1)
- 工具とワークとを互いに異なる複数の軸の方向に相対移動させる各軸方向への移動手段とを備えた加工装置において、
垂直方向の成分を有する移動手段が、固定体と当該固定体に沿って移動する可動体とで構成され、前記可動体を支持する保持手段が当該可動体の下方に設けられており、
前記保持手段は、前記垂直方向に移動可能な支持部材を有しており、
前記可動体と前記保持手段との結合部となる前記支持部材の上方に、球状面を有する球状面部材が設けられ、当該球状面部材の球状面上の1点にて前記可動体と前記保持手段が当接するように構成されているとともに、当該1点の当接部が前記可動体における移動方向の中心軸線とほぼ一致するように前記球状面部材が配置されており、
前記球状面部材は、前記支持部材に対して相対的にほぼ水平方向に移動可能なスライド機構を有している、
ことを特徴とする加工装置。
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JP2002378627A JP4085808B2 (ja) | 2002-12-26 | 2002-12-26 | 加工装置 |
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