JP4075566B2 - 加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークを精密加工する加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の加工装置には、例えば、特開平10−151534号公報に提案されている加工装置がある。図6(A)に示す特開平10−151534号公報で提案されている加工装置では、水平方向を回転軸とする主軸104に設けられた工具Tを有する加工手段をZ軸ユニット103(水平方向のZ軸駆動軸線に沿って移動可能)に設け、Z軸ユニット103の下にX軸ユニット102(Z軸駆動軸線と直交する水平方向のX軸駆動軸線に沿って移動可能)を設け、X軸ユニット102をベッド101上に配設している。
また、主軸104と対向する位置に、ワークWを水平方向を回転軸として旋回可能な、水平方向のC軸駆動軸線を有するC軸ユニット107を配置し、C軸ユニット107の下にB軸ユニット109(垂直方向のB軸旋回軸線を軸として垂直方向を回転軸として旋回可能)を設け、B軸ユニット109の下にY軸ユニット110(垂直方向のY軸駆動軸線に沿って移動可能)を設け、Y軸ユニット110をベッド101に配設している。
そして、ワークWの被加工点の位置を、C軸ユニット107とB軸ユニット109とY軸ユニット110にて割り出し、工具Tの先端部分の加工点の位置を、X軸ユニット102とZ軸ユニット103にて割り出し、ワークWの被加工点を工具Tの加工点で加工(切削、研削等)する。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−151534号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10−151534号公報に提案されている従来の加工装置では、図6(A)(全体正面図)におけるワークWの被加工点を「A」位置とすると、当該「A」位置からB軸旋回軸線までの距離が、「距離Lbw」分、離れている。このため、図6(B)(一部の平面図)に示すように、C軸駆動軸線とZ軸駆動軸線とが一致している状態(点線の状態)から、B軸ユニット109を「角度θ」分、旋回させて被加工点を割り出した時、旋回角度に「誤差α」が発生した場合、被加工点の真の位置「A(θ)」に対し、「A(θ+α)」の位置にずれる。実際の位置「A(θ+α)」に対し、「A(θ)」の位置に向かって工具Tを移動させた場合、このときに加工したい位置は「A(θ+α)」であるのに対し、「A(θ)」の位置を加工してしまう。このような誤差は、「距離Lbw」が大きい程顕著に表れる。また、位置の割り出し誤差とは別に、B軸停止時の位置決め偏差による誤差に対しても、「距離Lbw」が大きい程顕著に表れる。
なお、上記の説明及び以降の説明では、実際より誤差を大きく表現して、容易に理解できるように記載している。
【0005】
また、従来の加工装置では、図6(C)(一部の正面図)に示すように、被加工点の「A」位置とY軸駆動軸線までの距離が、「距離Lyw」分、離れている。このため、図6(C)に示すように、被加工点の「A」位置と工具Tの先端部が一致している状態から、Y軸ユニットのラム117(可動体)を垂直方向に移動させて被加工点Aを加工した場合、被加工点A部分に、加工抵抗による垂直方向の力Fu、Fdが加えられる。ここで、ラム117は、ボールネジ120に対応するナット121で保持されている。このとき、「距離Lyw」と「力Fu、Fd」により、モーメント力が発生し(ナット121に、Y軸駆動軸線上でない不要な応力がかかり)、図6(C)の右図のように傾斜する可能性がある。傾斜して「誤差β」の角度が発生した場合、被加工点の真の位置「A」に対し、「A(β)」の位置にずれる。実際の位置「A(β)」に対し、「A」の位置に工具Tを保持した場合、このときに加工したい位置は「A(β)」であるのに対し、「A」の位置を加工してしまう。このような誤差は、「距離Lyw」が大きい程顕著に表れる。
これらの誤差による影響は、通常の加工を行う加工装置ではほとんど影響ないレベルであるが、数100[nm]〜数10[nm]の超高精度で加工する加工装置では影響度が大きいため、これらの誤差を抑制する必要がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる加工装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本実施の形態に記載の加工装置では、B軸の旋回軸線上にほぼ工具の先端の加工点がくるように工具の位置を定める。このため、例えば、B軸旋回手段を旋回させた時に旋回角度の誤差が発生した場合であっても、加工点の位置はB軸の旋回軸線上に留めておくことができ(図4(C))、加工点の位置の誤差を抑制することができる。これにより、B軸旋回時の割り出し誤差、及びB軸停止時の位置決め偏差による誤差に対して、効果的に誤差を抑制することができる。
このように、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる。
【0007】
また、本発明の第1発明は、請求項1に記載されたとおりの加工装置である。
請求項1に記載の加工装置では、Y軸移動手段の上側に、Y軸移動手段における可動体のY軸方向の中心軸線とB軸旋回軸線とがほぼ一致するようにB軸旋回手段を配設するので、Y軸移動手段における可動体のY軸方向の中心軸線上に工具の加工点を位置させることができる。このため、Y軸移動手段をY軸方向に駆動させて加工した場合に、駆動手段等に、不要な応力がかかることを抑制でき(図5(C))、Y軸移動手段及びB軸旋回手段の傾斜等の誤差を抑制することができる。また、誤差が抑制されたY軸移動手段の上に、工具を設けたB軸旋回手段を配設するので、工具の先端の加工点の位置の誤差を、より抑制することができる。
このように、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる。
【0008】
また、本発明の第2発明または第4発明は、請求項2または4に記載されたとおりの加工装置である。
請求項2または4に記載の加工装置では、Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線とC軸駆動軸線とがほぼ一致するようにC軸駆動手段を配設するので、Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線上の近傍にワークの被加工点を位置させることができる。このため、C軸駆動手段に保持されたワークをZ軸移動手段でZ軸方向に移動させて工具Tに押しつけて加工する場合、押しつけの反力の影響で、Z軸方向に駆動する駆動手段等に、不要な応力がかかることを抑制でき、Z軸移動手段及びC軸駆動手段の傾斜等の誤差を抑制することができる。
このように、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる。
【0009】
また、本発明の第3発明または第5発明は、請求項3または5に記載されたとおりの加工装置である。
請求項3または5に記載の加工装置を用いれば、複雑な形状のベッドを用意する必要がなく、略直方体形状のベッドを用意すればよい。例えば、ベッドの上面(水平面)にX軸移動手段を組付け、X軸移動手段にZ軸移動手段とC軸駆動手段を組付け、ベッドの側面(垂直面)にY軸移動手段を組付け、Y軸移動手段にB軸旋回手段を組付け、B軸旋回手段に工具を組付けることで加工装置を構成することができる。
このため、ベッドの形状を簡単な略直方体形状にできるので、ベッドの精度を向上させることが容易であり、当該ベッドに組み付けられた各移動手段及び旋回手段等の位置の精度を向上させることができる。
このように、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の加工装置の一実施の形態の概略左側面図を示している。
●[全体構成(図1、図2、図3)]
図1(左側面図)及び図2(平面図)及び図3(斜視図)を用いて、各移動手段及び各旋回手段等の配設位置を説明し、図1及び図2を用いて、各移動手段及び各旋回手段等における可動体の中心軸線の位置関係について説明する。ここで、図1(A)は左側面図を示しており、図1(B)は図1(A)のA−A断面図(Y軸移動手段30の断面図)を示しており、図1(C)は、図1(A)におけるワークWの被加工点Aと工具Tの加工点B部分の拡大図を示している。また、図2(A)は平面図を示しており、図2(B)は図2(A)のB−B断面図(Z軸移動手段50の断面図)を示しており、図2(C)は、図2(A)におけるワークWの被加工点Aと工具Tの加工点B部分の拡大図を示している。
なお、本実施の形態に説明する加工装置は、数100[nm]〜数10[nm]の誤差で、レンズあるいはレンズの型等を軸対称形状あるいは自由曲面形状に製作する超精密加工装置に適用した例である。
【0011】
工具Tには、例えば、図4(A)に示すように、駆動手段10に回転する砥石(T)を備えたものを使用したり、図5(A)に示すように、バイト形状の刃(T)を備えたものを使用したり、種々の工具を用いることができる。図1〜図3の例では、図4(A)に示す回転砥石を工具Tとして用いている。図4(A)に示す回転砥石を用いた場合、工具Tの先端部分の加工点Bで、ワークWの被加工点Aを研削加工する。なお、被加工点Aは、ワークWに対して種々の場所に存在する場合がある。
ベッド1は、略直方体の形状であり、水平方向(図1(A)及び図2(A)中のX軸方向、及びZ軸方向)の上面と、垂直方向(図1(A)及び図2(A)中のY軸方向)の側面を有している。ベッド1は略直方体形状の非常にシンプルな形状であるため、各面の精度(水平方向の面の水平度、垂直方向の面の垂直度)を出すことが容易である。このため、配設における位置決め及び位置調整が重要な各部品等を高精度に配置及び位置調節することができる。これにより、加工精度をより向上させることができる。
【0012】
ベッド1の上面には、ワークWの被加工点Aと、工具Tの加工点Bとを相対的に水平方向(この場合、図1〜図3中のX軸方向)に移動可能な、X軸移動手段60が配設されている。図1(A)に示すように、X軸移動手段60は、案内機構60a(固定体)と、可動体60bと、リニアモータ60cとで構成されており、可動体60bは、案内機構60aに係合され、リニアモータ60cによってX軸方向に往復動する。
X軸移動手段60の駆動手段には、直線運動における移動位置の誤差を極力小さくするために、回転運動するモータでなくリニアモータ60cを使用している。このため、回転運動を直線運動に変換する機構等が不要になり、ダイレクトに直線移動させることができ、バックラッシュもほとんど発生しないため、誤差をより小さくすることができる。
このX軸移動手段60における可動体60bのX軸方向の中心軸線を、X軸中心軸線60zとする(図1(A))。
【0013】
X軸移動手段60の上面には、ワークWの被加工点Aと工具Tの加工点Bとを相対的に、X軸と直交する水平方向(この場合、図1〜図3中のZ軸方向)に移動可能な、Z軸移動手段50が配設されている。図2(B)に示すように、Z軸移動手段50は、案内機構50a(固定体)と、可動体50bと、リニアモータ50cとで構成されており、可動体50bは、案内機構50aに係合され、リニアモータ50cによってZ軸方向に往復動する。
Z軸移動手段50の駆動手段には、X軸移動手段60と同様の理由で、リニアモータ50cを用いている。このZ軸移動手段50における可動体50bのZ軸方向の中心軸線を、Z軸中心軸線50zとする(図2(B))。
なお、X軸中心軸線60zとZ軸中心軸線50zとの距離は、小さい方が誤差をより小さくできるので好ましい。
【0014】
Z軸移動手段50の可動体50bの可動方向の先端とZ軸中心軸線50zとの交点には、水平方向(この場合、図1(A)及び図2(A)中のZ軸方向)を軸としてワークWの被加工点Aと工具Tの加工点Bとを相対的に旋回(回転)可能な、水平方向(この場合、Z軸方向)のC軸駆動軸線(C軸)を軸とするC軸駆動手段40が配設されている。図1(A)及び図2(A)の例の場合、C軸駆動手段40は、ワークWを保持し、ワークWをC軸まわりに回転させることができる。
【0015】
ベッド1の側面には、ワークWの被加工点Aと工具Tの加工点Bとを相対的に垂直方向(この場合、図1〜図3中のY軸方向)に移動可能な、Y軸移動手段30が配設されている。図1(B)に示すように、Y軸移動手段30は、案内機構30a(固定体)と、可動体30bと、リニアモータ30cとで構成されており、可動体30bは、案内機構30aに係合され、リニアモータ30cによってY軸方向に往復動する。
Y軸移動手段30の駆動手段には、X軸移動手段60と同様の理由で、リニアモータ30cを用いている。このY軸移動手段30における可動体30bのY軸方向の中心軸線を、Y軸中心軸線30zとする(図1(B))。
なお、Y軸移動手段30の下方には、工具Tを配設したB軸旋回手段20を搭載している可動体30bを重力とほぼ等しい力でささえるバランスシリンダ80が設けられている。これにより、Y軸移動手段30のリニアモータにかかる負荷を低減して誤差をより小さくすることができる。なお、バランスシリンダ80のY軸方向の中心軸線は、可動体30bのY軸中心軸線30zと一致するように調整されており、軸線以外に余分な力が働かないようにしている。
【0016】
Y軸移動手段30の上面には、垂直方向(この場合、図1(A)中のY軸方向)を軸としてワークの被加工点Aと工具Tの加工点Bとを相対的に旋回可能な、垂直方向(この場合、Y軸方向)のB軸旋回軸線(B軸)を軸とするB軸旋回手段20が配設されている。図2(A)に示すように、B軸旋回手段20にはB軸旋回テーブル20bが設けられており、このB軸旋回テーブル20bがB軸まわりに旋回する。図1(A)及び図2(A)及び図3の例の場合、B軸旋回テーブル20bは、工具Tが固定されており、工具Tの加工点Bの方向(水平面内での方向)の割り出しが可能である。
【0017】
B軸旋回手段20におけるB軸旋回テーブル20bの上面には、工具Tの先端部分の加工点Bが、B軸旋回軸線(B軸)と一致するように工具Tが配設されている。このため、B軸旋回手段20がどのような角度で旋回しても、工具Tの加工点Bの位置は、ほとんどずれることなくB軸旋回軸線上(B軸上)に留まっている。なお、加工点Bの方向は、B軸旋回テーブル20bの旋回角度に応じて変化する。
【0018】
また、Y軸中心軸線30zとB軸旋回軸線(B軸)とが一致するように、Y軸移動手段30の上面にB軸旋回手段20が配設されている。また、Z軸中心軸線50zとC軸駆動軸線(C軸)とが一致するように、Z軸移動手段50の先端部にC軸駆動手段40が配置されている。
なお、図3には、被加工点Aと加工点Bとの最初の位置合わせ用の顕微鏡90と、当該顕微鏡90での位置確認を補助するためのストロボ92が図中に記載されている。また、工具TとB軸旋回テーブル20b(B軸旋回手段20により旋回するテーブル)との間には、工具Tの先端の加工点Bの位置を正確にB軸と一致させるための微調整手段12が設けられている。作業者は、顕微鏡90にて工具Tの先端の加工点Bの位置とB軸とが一致するように、微調整手段12を操作する(図3の例では、工具Tを駆動する駆動手段10の位置を微調整する)。
また、図3には、ベッド1を床面等に対して正確に水平に維持し、かつ床面等からの振動を吸収することができる除振台3も図中に記載されている。
【0019】
●[B軸旋回手段の旋回角度の誤差の抑制(図4)]
次に、図4(A)〜(C)を用いて、B軸旋回手段20の旋回角度の誤差が抑制される様子を説明する。図6(B)に示す従来の加工装置では、B軸旋回軸線(B軸)とワークWの被加工点Aまでの距離である[距離Lbw]により、旋回角度の誤差[誤差角度α]の影響が被加工点Aの位置に発生する可能性があった。通常の加工を行う加工装置ではほとんど影響ないレベルであるが、数100[nm]〜数10[nm]の超高精度で加工する加工装置では影響度が大きいため、これらの誤差を抑制する必要がある。
位置の誤差を小さくするには、[距離Lbw]をゼロ近傍に設定すればよいが、ワークWの被加工点Aは、ワークWに対して種々の位置にあるため、非常に困難である(ある被加工点までの距離をゼロにしても、別の被加工点までの距離はゼロにならない場合がある)。そこで、本実施の形態では、ワークWの被加工点Aでなく工具Tの先端部分の加工点Bを、B軸旋回手段20で旋回させる(工具Tの加工点Bの位置は不変であるため)。
【0020】
そして、B軸旋回軸線と工具Tの先端部分の加工点Bまでの距離をゼロ近傍にするために、図4(B)に示すように配設して、工具Tの先端部分の加工点BをB軸旋回軸線に一致させる。これにより、図4(C)の例に示すように、C軸駆動軸線と工具Tが平行な状態(点線の状態)から、B軸旋回手段20を「角度θ」分、旋回させた時、旋回角度に「誤差角度α」が発生した場合であっても、加工点の位置「B」にはほとんど誤差が発生しない。このように、B軸旋回時の割り出し誤差、及びB軸停止時の位置決め偏差による誤差に対して、効果的に誤差を抑制することができる。
また、図6に示す従来の加工装置では、B軸ユニット109の上に、C軸ユニット107等が搭載されていたため、B軸ユニット109のサイズ及び重量が大型化していた。しかし、本実施の形態では、B軸旋回手段20の上には、工具T及び駆動手段10のみが搭載されているだけであるので、B軸旋回手段20のサイズ及び重量を小型化できる。
【0021】
●[ワークの被加工点とY軸中心軸線の間に発生する応力の抑制(図5)]
次に、図5(A)〜(C)を用いて、ワークWの被加工点AとY軸中心軸線30zとの間に発生する応力が抑制される様子を説明する。なお、図5に示す例では、図3の例に示した微調整手段12を省略して記載している。
図6(C)に示す従来の加工装置では、ワークWの被加工点AとY軸駆動軸線までの距離である[距離Lyw]により、不要な応力が発生し、[誤差角度β]の影響が被加工点Aの位置に発生する可能性があった。通常の加工を行う加工装置ではほとんど影響ないレベルであるが、数100[nm]〜数10[nm]の超高精度で加工する加工装置では影響度が大きいため、これらの誤差を抑制する必要がある。
不要な応力を抑制するには、[距離Lyw]をゼロ近傍に設定すればよい。そこで、本実施の形態では、B軸旋回軸線(つまり、工具Tの加工点B)とY軸中心軸線30zとを一致させることで、ワークWの被加工点AとY軸中心軸線30zとを一致させて(距離をほとんどゼロにして)不要な応力による、図6(C)に示すような[誤差角度β]の発生を抑制している。
【0022】
●[C軸駆動軸線とZ軸中心軸線の間に発生する応力の抑制]
次に、C軸駆動軸線とZ軸中心軸線50zとの間に発生する応力の抑制について説明する。C軸駆動軸線とZ軸中心軸線50zが離れていると、ワークWの被加工点AをZ軸移動手段50にてZ軸方向に移動させ、工具Tの加工点Bに押しつけた場合に、押しつけ方向(図4(B)の例の場合、右側に向かうZ軸方向)とは反対の方向(図4(B)の例の場合、左側に向かうZ軸方向)に応力がかかる。この応力の影響を受けにくくするために、C軸駆動軸線とZ軸中心軸線50zとを一致させる。ワークWの被加工点Aは種々の位置に存在する場合もあるが、ワークWの被加工点AがC軸駆動軸線上にない場合であっても、C軸駆動軸線までの距離をできるだけ(平均的に)小さくすることができ、不要な応力による誤差の発生を抑制することができる。
【0023】
以上の説明のように、X軸中心軸線60z、Z軸中心軸線50z、C軸駆動軸線(C軸)、Y軸中心軸線30z、B軸旋回軸線(B軸)、工具Tの先端部分の加工点Bを適切な位置になるように加工装置を構成することで、誤差が発生しにくい構造とすることができ、加工精度をより向上させることができる
【0024】
本発明の加工装置は、本実施の形態で説明した構成、形状等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本発明の加工装置は、非常に高精度な加工が要求される種々の加工に用いることが可能である。
工具Tの種類、及び工具Tの加工方向等は、本実施の形態で説明した種類及び方向に限定されるものではない。例えば、刃先部分(加工部分)を水平方向に有する図5に対し、刃先部分を垂直方向に有する工具Tを用いることも可能である。
本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
また、本実施の形態では、X軸、Y軸、Z軸を直交座標に設定したが、特に直交していなくてもよい。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜5のいずれかに記載の加工装置を用いれば、誤差が発生しにくい構造とすることで、加工精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(左側面図)である。
【図2】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(平面図)である。
【図3】 本発明の加工装置の一実施の形態の概略図(斜視図)である。
【図4】 誤差の発生を抑制する様子を説明する図である。
【図5】 誤差の発生を抑制する様子を説明する図である。
【図6】 従来の加工装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 ベッド
10 駆動手段
T 工具
B 加工点
20 B軸旋回手段
30 Y軸移動手段
30z Y軸中心軸線
40 C軸駆動手段
W ワーク
A 被加工点
50 Z軸移動手段
50z Z軸中心軸線
60 X軸移動手段
60z X軸中心軸線
Claims (5)
- 工具とワークとを互いに異なるX軸、及びY軸、及びZ軸の方向に相対移動させるX軸移動手段、及びY軸移動手段、及びZ軸移動手段と、前記Z軸に平行なC軸まわりに前記ワークを回転させるC軸駆動手段とを備えた加工装置において、
前記Y軸に平行なB軸まわりに前記工具を旋回させるB軸旋回手段を設け、前記B軸の旋回軸線上に前記工具の先端の加工点を略一致させ、
前記ワークの被加工点を、該工具の先端の加工点に略一致させるように各軸をそれぞれ制御し、該ワークの加工を行う加工装置であって、
Y軸移動手段の上側に、前記Y軸移動手段における可動体のY軸方向の中心軸線とB軸旋回軸線とが略一致するようにB軸旋回手段を配設し、B軸旋回手段の上側に工具を配設する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項1に記載の加工装置であって、更に、Z軸移動手段に、前記Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線とC軸駆動軸線とが略一致するようにC軸駆動手段を配設する、
ことを特徴とする加工装置。 - 請求項1または2に記載の加工装置であって、
水平方向の上面と垂直方向の側面を有するベッドにおいて、
前記ベッドの水平方向の上面にX軸移動手段を配設し、前記X軸移動手段にZ軸移動手段を配設し、前記Z軸移動手段にC軸駆動手段を配設し、
前記ベッドの垂直方向の側面に、Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線とY軸移動手段における可動体のY軸方向の中心軸線とが直交可能な位置にY軸移動手段を配設し、前記Y軸移動手段にB軸旋回手段を配設し、前記B軸旋回手段に工具を配設する、
ことを特徴とする加工装置。 - 工具とワークとを互いに異なるX軸、及びY軸、及びZ軸の方向に相対移動させるX軸移動手段、及びY軸移動手段、及びZ軸移動手段と、前記Z軸に平行なC軸まわりに前記ワークを回転させるC軸駆動手段とを備えた加工装置において、
前記Y軸に平行なB軸まわりに前記工具を旋回させるB軸旋回手段を設け、前記B軸の旋回軸線上に前記工具の先端の加工点を略一致させ、
前記ワークの被加工点を、該工具の先端の加工点に略一致させるように各軸をそれぞれ制御し、該ワークの加工を行う加工装置であって、
Z軸移動手段に、前記Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線とC軸駆動軸線とが略一致するようにC軸駆動手段を配設する、
ことを特徴とする加工装置。 - 工具とワークとを互いに異なるX軸、及びY軸、及びZ軸の方向に相対移動させるX軸移動手段、及びY軸移動手段、及びZ軸移動手段と、前記Z軸に平行なC軸まわりに前記ワークを回転させるC軸駆動手段とを備えた加工装置において、
前記Y軸に平行なB軸まわりに前記工具を旋回させるB軸旋回手段を設け、前記B軸の旋回軸線上に前記工具の先端の加工点を略一致させ、
前記ワークの被加工点を、該工具の先端の加工点に略一致させるように各軸をそれぞれ制御し、該ワークの加工を行う加工装置であって、
水平方向の上面と垂直方向の側面を有するベッドにおいて、
前記ベッドの水平方向の上面にX軸移動手段を配設し、前記X軸移動手段にZ軸移動手段を配設し、前記Z軸移動手段にC軸駆動手段を配設し、
前記ベッドの垂直方向の側面に、Z軸移動手段における可動体のZ軸方向の中心軸線とY軸移動手段における可動体のY軸方向の中心軸線とが直交可能な位置にY軸移動手段を配設し、前記Y軸移動手段にB軸旋回手段を配設し、前記B軸旋回手段に工具を配設する、
ことを特徴とする加工装置。
Priority Applications (7)
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