JP4084718B2 - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents

内燃機関の圧縮比可変装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4084718B2
JP4084718B2 JP2003284427A JP2003284427A JP4084718B2 JP 4084718 B2 JP4084718 B2 JP 4084718B2 JP 2003284427 A JP2003284427 A JP 2003284427A JP 2003284427 A JP2003284427 A JP 2003284427A JP 4084718 B2 JP4084718 B2 JP 4084718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compression ratio
piston
cam plate
cam
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003284427A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005054619A (ja
Inventor
允 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2003284427A priority Critical patent/JP4084718B2/ja
Priority to EP04017119A priority patent/EP1503060B1/en
Priority to DE602004016257T priority patent/DE602004016257D1/de
Priority to US10/901,064 priority patent/US6966282B2/en
Publication of JP2005054619A publication Critical patent/JP2005054619A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4084718B2 publication Critical patent/JP4084718B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/04Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
    • F02B75/044Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of an adjustable piston length

Description

本発明は内燃機関の圧縮比可変装置に関し,特に,ピストンを,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナの外周に摺動可能に嵌合され,ヘッド部を燃焼室に臨ませるピストンアウタとで構成し,これらピストンインナ及びピストンアウタ間に介裝された作動装置により,ピストンインナに対してピストンアウタをピストンピン寄りの低圧縮比位置と,燃焼室寄りの構成圧縮比位置とに交互に作動,保持するようにして,機関の圧縮比を可変にしたものゝ改良に関する。
従来,かゝる内燃機関の圧縮比可変装置として,(1)ピストンアウタをピストンインナの外周に螺合して,ピストンアウタを正,逆転させることによりピストンインナに対して進退させ,低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特許文献1参照)と,(2)ピストンアウタをピストンインナの外周に軸方向摺動可能に嵌合し,これらピストンインナ及びアウタ間に,上部油圧室及び下部油圧室を形成し,これら油圧室に交互に油圧を供給することにより,ピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するようにしたもの(例えば特許文献2参照)とが知られている。
特開平11−117779号公報 特公平7−113330号公報
ところで,上記(1)の装置では,ピストンアウタを低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動するために,ピストンアウタを回転させる必要があるので,ピストンアウタの頂面の形状を,燃焼室の天井面形状や吸気及び排気弁の配置に対応して自由に設定することができず,高圧縮比位置で機関の圧縮比を充分に高めることが困難である。また上記(2)の装置では,特にピストンアウタが高圧縮比位置にあるとき,機関の膨張行程でピストンアウタが受ける大なるスラスト荷重を上部油圧室の油圧で支えるので,上部油圧室には高圧に耐えるシールが必要となり,その上,上部油圧室に気泡が発生するとピストンアウタの高圧縮比位置が不安定になるから,そのような気泡の除去手段を施す必要もあり,全体としてコスト高となるを免れない。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ピストンアウタを回転させることなく簡単,的確に低圧縮比位置及び高圧縮比位置に作動,保持し得る,内燃機関の圧縮比可変装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明の内燃機関の圧縮比可変装置は,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナの外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合され,ヘッド部を燃焼室に臨ませるピストンアウタと,このピストンアウタに,前記ピストンインナを挟んで前記ヘッド部と軸方向に対向するように固設される規制手段と,前記ピストンインナ及びヘッド部間に介裝されて,それらの間の第1軸方向間隔を制御する第1カム機構と,前記ピストンインナ及び規制手段間に介裝されて,それらの間の第2軸方向間隔を制御する第2カム機構とを備え,前記第1カム機構は,前記ピストンインナの軸線周りの第1及び第2回転位置間を回転可能の第1回転カム板を有しており,該第1回転カム板の第1回転位置では前記第1軸方向間隔の減少を許容すべく軸方向に収縮し,第2回転位置では同軸方向間隔を増加すべく軸方向に拡張するように構成され,前記第2カム機構は,前記ピストンインナの軸線周りの第3及び第4回転位置間を回転可能の第2回転カム板を有しており,該第2回転カム板の第3回転位置では前記第2軸方向間隔を増加すべく軸方向に拡張し,第4回転位置では同軸方向間隔の減少を許容すべく軸方向に収縮するように構成され,前記第1及び第2回転カム板には,第1回転カム板を前記第1回転位置に作動すると共に第2回転カム板を前記第3回転位置に作動して前記ピストンアウタを低圧縮比位置に保持し,第1回転カム板を前記第2回転位置に作動すると共に第2回転カム板を前記第4回転位置に作動してピストンアウタを高圧縮比位置に保持する駆動手段を連結したことを第1の特徴とする。
尚,前記駆動手段は,本発明の後述する実施例中の第1及び第2アクチュエータ201 ,202 に,前記規制手段は止環18にそれぞれ対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記駆動手段を,前記第1回転カム板を前記第1及び第2回転位置の一方に向かって作動し得る第1油圧作動手段と,第1回転カム板を第1及び第2回転位置の他方に向かって付勢する第1戻しばねとからなる第1アクチュエータ,並びに前記第2回転カム板を前記第3及び第4回転位置の一方に向かって作動し得る第2油圧作動手段と,第2回転カム板を第3及び第4回転位置の他方に向かって付勢する第2戻しばねとからなる第2アクチュエータで構成したことを第2の特徴とする。
尚,前記第1油圧作動手段は,本発明の後述する実施例中の作動プランジャ231 及び油圧室251 に,前記第2油圧作動手段は作動プランジャ232 及び油圧室252 に,前記第1戻しばねは戻しばね271 に,前記第2戻しばねは戻しばね272 にそれぞれ対応する。
さらに本発明は,第2の特徴に加えて,前記第1油圧作動手段が,その油圧作動時に前記第1回転カム板を前記第2回転位置に作動するように構成され,前記第2油圧作動手段が,その油圧作動時に前記第2回転カム板を第4回転位置に作動するように構成されることを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第3の特徴に加えて,前記第1及び第2油圧作動手段に対して共通の制御弁により作動油圧の供給及び解放を行うことを第4の特徴とする。
さらにまた本発明は,第3又は第4の特徴に加えて,前記第1及び第2油圧作動手段の油圧解放を内燃機関の吸気行程で開始し,該第1及び第2油圧作動手段への油圧供給を内燃機関の排気行程で開始することを第5の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1の特徴に加えて,前記第1カム機構及び第2カム機構をそれぞれ同数の複数組設けることを第6の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1〜第6の特徴の何れかに加えて,前記第1回転カム板を前記ピストンインナ及びピストンアウタの一方に軸方向移動不能且つ回動可能に支承し,この第1回転カム板と協働して前記第1カム機構を構成する第1固定カムを前記ピストンインナ及びピストンアウタの他方に固設し,また前記第2回転カム板を前記ピストンインナ及びピストンアウタの一方に軸方向移動不能且つ回動可能に支承し,この第2回転カム板と協働して前記第2カム機構を構成する第2固定カムを前記ピストンインナ及びピストンアウタの他方に固設したことを第7の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,駆動手段により,第1回転カム板を第1回転位置に作動すると共に第2回転カム板を第3回転位置に作動すれば,ピストンアウタを,ピストンインナに対してピストンピン寄りの低圧縮位置に作動,保持することができ,また第1回転カム板を第2回転位置に作動すると共に第2回転カム板を第4回転位置に作動すれば,第1カム機構の軸方向拡張作用と第2カム機構の軸方向収縮作用により,ピストンアウタを,ピストンインナに対して燃焼室寄りの高圧縮位置に作動,保持することができる。
ピストンアウタが低圧縮比位置及び高圧縮比位置の何れにあっても,ピストンインナ及びピストンアウタは,常に第1及び第2カム機構を介して軸方向に強固に連結されることになり,ピストンインナ及びピストンアウタ間に働くスラスト荷重を第1及び第2カム機構に機械的に負担させることで,ピストン強度を効果的に高めることができ,のみならず,駆動手段の小容量化,延いてはコンパクト化が可能となる。
特に,第1カム機構は,第1回転カム板の第1回転位置ではピストンアウタの低圧縮比位置及び高圧縮比位置間での移動を許容し,また第2カム機構は,第2回転カム板の第4回転位置では同じく低圧縮比位置及び高圧縮比位置間での移動を許容許容するので,ピストンアウタの低圧縮比位置又は高圧縮比位置への移動には,ピストンインナ及びアウタの慣性力の差,ピストンアウタのシリンダボア内面との摺動抵抗,燃焼室側の負圧及び正圧等の外力を利用することができる。その上,第1及び第2カム板を回転させる駆動手段は,ピストンインナ及びピストンアウタから受けるスラスト荷重がゼロ若しくは極めて小さいから,駆動手段の小容量化,延いてはコンパクト化を図ることができる。
またピストンアウタは,ピストンインナに対して回転することがないから,燃焼室に臨むピストンアウタのヘッド部を燃焼室の形状に対応させて,ピストンアウタの高圧縮比位置での圧縮比を効果的に高めることができる。
また本発明の第2の特徴によれば,第1及び第2アクチュエータでは,油圧作動手段を構造簡単な単動式に構成することができ,駆動手段を安価に得ることができる。しかも第1及び第2アクチュエータの油圧作動手段は,ピストンインナ及びピストンアウタから受けるスラスト荷重がゼロ若しくは極めて小さいから,これらの小容量化及びコンパクト化が可能であると共に,油圧室に多少の気泡が発生しても,それに影響されることなくピストンアウタの低圧縮比位置及び高圧縮比位置での保持を安定させることができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば,油圧系の万一の失陥時には,第1及び第2アクチュエータの戻しばねの作用により,自動的にピストンアウタを低圧縮位置に作動,保持することができる。
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,第1及び第2油圧作動手段に対する油圧制御系の簡素化をもたらし,コストの低減を図ることができる。
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,ピストンインナ及びアウタの慣性力差を有効に利用して,ピストンアウタを高圧縮比位置から低圧縮比位置へ,或いは低圧縮比位置から高圧縮比位置へ迅速に移動することができる。
さらにまた本発明の第6の特徴によれば,各第1カム機構の軸方向収縮状態及び拡張状態と,各第2カム機構の軸方向収縮状態及び拡張状態とを組み合わせることにより,ピストンアウタの圧縮比位置を,低,中,高など,三段階以上に切り換え制御することができる。
さらにまた本発明の第7発明によれば,第1回転カム板及び第1固定カムは,ピストンインナ及びピストンアウタの一方と他方とにそれぞれ軸方向に支持され,また第2回転カム板及び第2固定カムも,ピストンインナ及びピストンアウタの一方と他方とにそれぞれ軸方向に支持されることになるから,各固定カムは勿論,各回動カム板がピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動中に軸方向に遊ぶことはなく,したがって第1カム機構及び第2カム機構が,ピストンインナ及びアウタの慣性力の差等の外力を利用して交互に拡張・収縮する際には,各対応する固定カムと回転カム板との相互干渉を確実に回避して,駆動手段の駆動力による各回転カム板の所望回転位置への回転を確実にさせ,ピストンアウタを所望の低圧縮比位置及び高圧縮比位置に確実に保持することが可能となる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図,図2は図1の要部拡大図,図3は図2の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。図4は高圧縮比状態を示す,図3との対応図,図5は図3の5−5線拡大断面図,図6は図3の6−6線拡大断面図,図7は図3の7−7線拡大断面図,図8は図3の8−8線拡大断面図,図9は図4の9−9線拡大断面図,図10は図3の10−10線拡大断面図,図11は図3の11−11線拡大断面図,図12は図4の12−12線拡大断面図,図13は圧縮比切り換えタイミングとピストンインナの慣性力との関係を示す線図,図14は高圧縮比状態から低圧縮比状態への切り換え作用説明図,図15は低圧縮比状態から高圧縮比状態への切り換え作用図,図16は本発明の第2実施例を示す,圧縮比可変装置の要部縦断側面図,図17は本発明の第3実施例を示す,圧縮比可変装置の要部縦断側面図である。
先ず,図1〜図15に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
図1において,内燃機関Eの機関本体1は,シリンダボア2aを有するシリンダブロック2と,このシリンダブロック2の下端に結合されるクランクケース3と,シリンダボア2aの上端に連なるペントルーフ型燃焼室4aを有してシリンダブロック2の上端に結合されるシリンダヘッド4とからなっており,そのシリンダヘッド4には,燃焼室4aの天井面に開口する吸気ポート30i及び排気ポート30eをそれぞれ開閉する吸気弁31i及び排気弁31eと,燃焼室4aの中心部に電極を臨ませる点火プラグ32が螺着される。
シリンダボア2aに摺動可能に嵌装されるピストン5にはコンロッド7の小端部7aがピストンピン6を介して連結され,コンロッド7の大端部7bは,左右一対のベアリング8,8′を介してクランクケース3に回転自在に支承されるクランク軸9のクランクピン9aに連結される。
図2〜図4において,前記ピストン5は,ピストンピン6を介してコンロッド7の小端部7aに連結されるピストンインナ5aと,このピストンインナ5aの外周面に摺動可能に嵌合していて,ピストンインナ5a上で所定の低圧縮比位置L(図3参照)と高圧縮比位置H(図4参照)との間を移動し得るピストンアウタ5bとからなっており,そのピストンアウタ5bが,その外周に装着された複数のピストンリング10a〜10cを介してシリンダボア2aの内周面に摺動自在に嵌合すると共に,ヘッド部5bhを燃焼室4aに臨ませている。そのヘッド部5bhは,ペントルーフ型燃焼室4aの形状に対応して山型をなしている。
図3及び図5に示すように,ピストンインナ及びアウタ5a,5bの摺動嵌合面には,ピストン5の軸方向に延びて互いに係合する複数のスプライン歯11a及びスプライン溝11bがそれぞれ形成され,ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,それらの軸線周りに相対回転できないようになっている。またピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの軸方向相対移動を規制する止環18が,ピストンインナ5aを挟んでヘッド部5bhと反対でピストンアウタ5bの内周面に係止される。
ピストンインナ5aとヘッド部5bhとの間には,それらの間の第1軸方向間隔S1 を制御する第1カム機構151 が介裝され,またピストンインナ5a及び止環18間には,それらの間の第2軸方向間隔S2 を制御する第2カム機構152 が介裝される。これら第1及び第2カム機構151 ,152 により前記第1及び第2軸方向間隔S1 ,S2 を互いに反対に増減させることによって,ピストンアウタ5bは,ピストンインナ5aに対してピストンピン寄りの低圧縮比位置Lと,燃焼室4a寄りの高圧縮比位置Hとに交互に保持される。
図3,図6及び図13において,第1カム機構151 は,ピストンアウタ5bのヘッド部5bh内壁に形成される上部の第1固定カム161 と,ピストンインナ5aの上面に一体に突設された枢軸部12に回動可能に嵌合しつゝピストンインナ5aの上面に支承される下部の第1回転カム板171 とからなっている。枢軸部12は,コンロッド7の小端部7aを受容すべく,複数のブロック12a,12a…(図7参照)に分割される。これらブロック12a,12a…の端面には,第1回転カム板171 の枢軸12上での軸方向移動を阻止する押さえ板13が複数のボルト14,14…により固定される。
第1回転カム板171 は,その軸線周りに設定される第1及び第2回転位置A,B間を回転し得るもので,その往復回転により第1固定カム161 と協働して,前記第1軸方向間隔S1 を増減させ得る。具体的には,第1固定カム161 は,周方向に並ぶ複数のカム山161 ,161 …で構成され,第1回転カム板171 には,同じく周方向に並ぶ複数のカム山171 ,171 …が一体に形成される。第1固定カム161 及び第1回転カム板171 の各カム山161 a,171 aは,図13に示すように,周方向に並ぶ両側面を絶壁面とすると共に,その両絶壁面の上縁間を接続する頂面を平坦とする矩形をなしている。
而して,第1回転カム板171 が第1回転位置Aにあるときは,この第1回転カム板171 の隣接するカム山171 ,171 間の谷に上部の第1固定カム161 のカム山161 が出入り可能であり(図14の(a),(b)参照),その結果,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移行が許容される。そして上下のカム山161 a,171 aが噛み合えば,第1カム機構151 は軸方向収縮状態となって前記第1軸方向間隔S1 を減少させることになる。
また第1回転カム板171 が第2回転位置Bにあるときは,第1回転カム板171 及び第1固定カム161 のカム山161 a,171 a同士が平坦な頂面を衝合させる(図14の(a)参照)ことで,第1カム機構151 は軸方向拡張状態となって,前記第1軸方向間隔S1 を増加させ,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持することになる。
ピストンインナ5a及び第1回転カム板171 間には,第1回転カム板171 を第1回転位置A及び第2回転位置Bへ交互に回転させる第1アクチュエータ201 が設けられる。この第1アクチュエータ201 について図3,図4,図8及び図9により説明する。
ピストンインナ5aには,ピストンピン6を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリンダ孔211 ,211 と,各シリンダ孔211 の中間部の上壁を貫通する長孔291 ,291 とが設けられ,第1回転カム板171 の下面に一体的に突設されて,その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン281 ,281 が上記長孔291 ,291 を通してシリンダ孔211 ,211 に臨ませてある。長孔291 ,291 は,受圧ピン281 ,281 が第1回転カム板171 と共に第1回転位置A及び第2回転位置B間を移動することを妨げないようになっている。
各シリンダ孔211 には,対応する受圧ピン281 を挟んで作動プランジャ231 及び有底円筒状の戻しプランジャ241 が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジャ231 ,231 同士及び戻しプランジャ241 ,241 同士は,それぞれピストン5の軸線に関して点対称に配置される。
各シリンダ孔211 内には,作動プランジャ231 の内端が臨む第1油圧室251 が画成され,該室251 に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジャ231 が受圧ピン281 を介して第1回転カム板171 を第2回転位置Bへ回転するようになっている。
また各シリンダ孔211 の開放側端部には,円筒状のばね保持筒351 が止環361 を介して係止され,このばね保持筒351 と前記戻しプランジャ241 との間に,その戻しプランジャ241 を受圧ピン281 側に付勢する戻しばね271 が縮設される。
而して,第1回転カム板171 の第1回転位置Aは,各シリンダ孔211 の底面に当接する作動プランジャ231 の先端に受圧ピン281 が当接することにより規定され(図8参照),第1回転カム板171 の第2回転位置Bは,受圧ピン281 に押された戻しプランジャ241 がばね保持筒351 の先端に当接することにより規定される(図9参照)。
図3,図10及び図13において,第2カム機構152 は,ピストンインナ5aの下端壁に形成される上部の第2固定カム162 と,前記止環18上でピストンアウタ5bの内周面に回転可能に嵌合する下部の第2回転カム板172 とからなっている,ピストンアウタ5bの内周には,第2回転カム板172 の上面に当接する環状の肩部19が形成されており,この肩部19と前記止環18とで第2回転カム板172 は回転可能に挟持され,ピストンアウタ5bに対して軸方向の移動が阻止される。
第2回転カム板172 は,その軸線周りに設定される第3回転位置C及び第4回転位置D間を回転し得るもので,その往復回転により第2固定カム162 と協働して,前記第2軸方向間隔S2 を増減させるようになっている。具体的には,第2固定カム162 は,周方向に並ぶ複数のカム山162 a,162 a…で構成され,第2回転カム板172 には,同じく周方向に並ぶ複数のカム山172 a,172 a…が一体に形成される。第1固定カム161 及び第1回転カム板171 の各カム山161 a,171 aは,周方向に並ぶ両側面を絶壁面とすると共に,その両絶壁面上縁間を接続する頂面を平坦頂面とする矩形をなしている。第2回転カム板172 の第3及び第4回転位置C,D間の回転角度は,前記第1回転カム板171 の第1及び第2回転位置A,B間の回転角度と同一に設定される。また第2固定カム162 及び第2回転カム板172 のカム山162 a,172 aの少なくとも有効高さは,前記第1固定カム161 及び第1回転カム板171 のカム山161 a,172 aのそれと同一に設定され,図示例の場合,カム山162 a,172 aはカム山161 a,172 aと同一形状に形成される。第2固定カム162 及び第2回転カム板172 には,ピストンインナ5aのピストンピン6を支持するピンボス部との干渉を回避すべく,カム山の無い部分が存在する(図10参照)。
而して,第2回転カム板172 が第3回転位置Cにあるときは,第2回転カム板172 及び第2固定カム162 のカム山162 a,172 a同士が平坦な頂面を衝合させる(図14の(d)参照)ことで,第2カム機構152 は軸方向拡張状態となって,前記第2軸方向間隔S2 を増加させ,ピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに保持する。
また第2回転カム板172 が第4回転位置Dにあるときは,この第2回転カム板172 の隣接するカム山172 a,172 a間の谷に第2固定カム162 のカム山162 aが出入り可能であり(図14の(a),(c)参照),その結果,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移行が許容される。そして上下のカム山162 a,172 aが噛み合えば,第2カム機構152 は軸方向収縮状態となって前記第2軸方向間隔S2 の減少をすることになる。
ピストンインナ5a及び第2回転カム板172 間には,第2回転カム板172 を第3回転位置C及び第4回転位置Dへ交互に回転させる第2アクチュエータ202 が設けられる。この第2アクチュエータ202 について図3,図4,図11及び図12により説明する。
第2アクチュエータ202 は,前記第1アクチュエータ201 と対称的に構成される。即ちピストンインナ5aには,ピストンピン6を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリンダ孔212 ,212 と,各シリンダ孔212 の中間部の上壁を貫通する長孔292 ,292 とが設けられ,第2回転カム板172 の下面に一体的に突設されて,その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン282 ,282 が上記長孔292 ,292 を通してシリンダ孔212 ,212 に臨ませてある。各長孔292 は,受圧ピン282 が第2回転カム板172 と共に第3回転位置C及び第4回転位置D間を移動することを妨げないようになっている。
各シリンダ孔212 には,対応する受圧ピン282 を挟んで作動プランジャ232 及び有底円筒状の戻しプランジャ242 が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジャ232 ,232 同士及び戻しプランジャ242 ,242 同士は,それぞれピストン5の軸線に関して点対称に配置される。
各シリンダ孔212 内には,作動プランジャ232 の内端が臨む第2油圧室252 が画成され,該室252 に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジャ232 が受圧ピン282 を介して第2回転カム板172 を第4回転位置Dへ回動するようになっている。
また各シリンダ孔212 の開放側端部には,円筒状のばね保持筒352 が止環362 を介して係止され,このばね保持筒352 と前記戻しプランジャ242 との間に,その戻しプランジャ242 を受圧ピン282 側に付勢する戻しばね272 が縮設される。
而して,第2回転カム板172 の第3回転位置Cは,各シリンダ孔212 ,212 の底面に当接する作動プランジャ232 ,232 の先端に受圧ピン282 ,282 が当接することにより規定され(図11参照),第2回転カム板172 の第4回転位置Dは,受圧ピン282 に押された戻しプランジャ242 がばね保持筒352 の先端に当接することにより規定される(図12参照)。
以上において,第1回転カム板171 及び第1アクチュエータ201 ,並びに第2回転カム板172 及び第1アクチュエータ202 は,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの慣性力の差や,ピストンアウタ5bがシリンダボア2aの内面から受ける摩擦抵抗,ピストンアウタ5bが燃焼室4a側から受ける負圧,正圧等,ピストンインナ及びアウタ5a,5bを互いに軸方向に離間させたり近接させようと作用する外力により,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間を移動することを許容する。また各上下のカム山161 a,171 a;162 a,172 aの両側面を絶壁面としたことで,各カム山161 a,171 a;162 a,172 aの周方向隣接間隔を狭くすることが可能となり,また各カム山161 a,171 a;162 a,172 aの頂面の総合面積を大きく設定することができる。
再び図1及び図2において,前記ピストンピン6と,その中空部に圧入されたスリーブ40との間に筒状の油室41が画成され,この油室41を第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の両油圧室251 ,252 に接続する第1及び第2分配油路421 ,422 がピストンピン6及びピストンインナ5aに渡り設けられる。また油室41は,図1に示すように,ピストンピン6,コンロッド7及びクランク軸9に渡り設けられる油路44に接続され,この油路44は,電磁制御弁45を介して油圧源たるオイルポンプ46と,油溜め47とに切換可能に接続される。電磁制御弁45には駆動回路50が接続され,この駆動回路50には,運転状態判別手段48が接続される。この運転状態判別手段48は,機関の回転数や負荷等から機関が低圧縮比状態にすべきか,高圧縮比状態にすべきかを判別するもので,低圧縮比状態にすべきとしたときは,駆動回路50が電磁制御弁45を非通電の状態にし,高圧縮比状態にすべきとしたときは,駆動回路50が電磁制御弁45を通電状態にするようになっている。一方,電磁制御弁45は,非通電状態では油路44を油溜め47に開放し,通電状態ではオイルポンプ46を油路44に接続するようになっている。
また駆動回路50にはピストン位置センサ49が接続され,低圧縮比状態から高圧縮比状態に切り換えるべく電磁制御弁45に通電するときは,ピストン位置センサ49の出力信号に基づいてピストン5の排気行程中間点でその通電を開始し,高圧縮比状態から低圧縮比状態に切り換えるべく電磁制御弁45への通電を遮断するときは,ピストン位置センサ49の出力信号に基づいてピストン5の吸気行程中間点でその遮断を開始するようになっている。
次に,この第1実施例の作用について説明する。
[高圧縮比位置から低圧縮比位置への切り換え(図13及び図14参照)]
いま,図14の(a)に示すように,ピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hに保持されているとする。即ち,第1カム機構151 では,上下のカム山161 a,171 aが互いに頂面を対向させた軸方向拡張状態にあると共に,第2カム機構152 では上下のカム山162 a,172 aを互いに噛み合わせた軸方向収縮状態にある。
そこで,例えば内燃機関Eの急加速運転に際して,ノッキングが発生し易い状態になると,運転状態判別手段48が機関を低圧縮比状態にすべきとして,電磁制御弁45を図1に示すように非通電状態にして,油路44を油溜め47に開放する。これにより,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の油圧室251 ,252 は,何れも油室41及び油路44を通して油溜め47に開放されるので,第1アクチュエータ201 では,戻しプランジャ241 が戻しばね271 の付勢力で受圧ピン281 を押圧して,第1回転カム板171 を第1回転位置Aへ回転しようとし,第2アクチュエータ201 では,戻しプランジャ242 が戻しばね272 の付勢力で受圧ピン282 を押圧して,第2回転カム板172 を第3回転位置Cへ回転しようとする。
ところで,電磁制御弁45の通電遮断は,ピストン5の吸気行程中間点で開始されるので,その吸気行程の後半では,ピストンインナ5aには,ピストンアウタ5bに先行して下向きの慣性力が作用するため,第1カム機構151 は,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間のスラスト荷重から解放される。したがって,先ず第1回転カム板171 が第1アクチュエータ201 の戻しばね271 の付勢力により受圧ピン281 を介して第1回転位置Aへ素早く回転する(図8参照)。
その結果,図14の(b)に示すように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aは互いに半ピッチずらした噛み合い可能の配置となる。
次にピストン5が圧縮行程の後半に来ると,ピストンインナ5aには,ピストンアウタ5bに先行して上向きの慣性力が作用するため,ピストンアウタ5bは,図14の(c)のように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aを互いに噛み合せながら,即ち第1カム機構151 を軸方向に収縮させながら,ピストンインナ5aに対して相対的に下降し,低圧縮比位置Lを占めることになる。
このようにピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して相対的に下降すると,第2カム機構152 では,第2固定カム162 に対して第2回転カム板172 が下降することになり,それに伴ない上下のカム山162 a,172 aが噛み合い状態から解放されるので,第2回転カム板172 は第2アクチュエータ202 の戻しばね272 の付勢力により受圧ピン282 を介して第3回転位置Cへ素早く回転する(図11参照)。
その結果,図14の(d)に示すように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aは互いに平坦な頂面を当接対向させる。このような第2カム機構152 の軸方向拡張作用により,第2軸方向間隔S2 は増加して,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lを保持することになる。
かくして,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,軸方向収縮状態の第1カム機構151 と,軸方向拡張状態の第2カム機構152 とにより,ピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに保持しつゝ強固に連結され,内燃機関Eを低圧縮比状態にすることができる。
[低圧縮比位置から高圧縮比位置への切り換え(図13及び図15参照)]
次に,例えば内燃機関Eの高速運転時,運転状態判別手段48が機関を高圧縮比状態にすべきとして,電磁制御弁45を通電状態にして,油路44をオイルポンプ46に接続すると,オイルポンプ46の吐出油圧が油路44及び油室41を通して全油圧室251 ,252 に供給されるので,第1アクチュエータ201 では,作動プランジャ231 が第1油圧室251 の油圧を受けて受圧ピン281 を介して第1回転カム板171 を第2回転Bに向かって回転しようとし,第2アクチュエータ202 では,作動プランジャ232 が第2油圧室252 の油圧を受けて受圧ピン282 を介して第2回転カム板172 を第4回転位置Dに向かって回転しようとする。
ところで,電磁制御弁45の通電は,ピストン5の排気行程中間点で開始されるので,その排気行程の後半では,ピストンインナ5aがピストンアウタ5bに先行して上向きの慣性力を受けるため,ピストンインナ5a及び止環18間に介装された第2カム機構152 がスラスト荷重から解放される。したがって,先ず第2回転カム板172 が第2アクチュエータ202 の作動プランジャ232 の油圧による押圧力により受圧ピン282 を介して第4回転位置Dへ素早く回転する(図12参照)。
その結果,図15の(b)に示すように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aは互いに半ピッチずらした噛み合い可能の配置となる。
次にピストン5が吸気行程の後半に来ると,ピストンインナ5aがピストンアウタ5bに先行して下向きの慣性力を受けるため,第1カム機構151 がスラスト荷重から解放される。
次にピストン5が吸気行程の後半に来ると,ピストンインナ5aには,ピストンアウタ5bに先行して下向きの慣性力が作用するため,ピストンアウタ5bは,図15の(c)のように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aを互いに噛み合せながら,即ち第2カム機構151 を軸方向に収縮させながら,ピストンインナ5aに対して相対的に上昇し,高圧縮比位置Hを占めることになる。
このようにピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して相対的に上昇すると,第1カム機構151 では,第1回転カム板171 に対して第2固定カム161 が上昇することになり,それに伴ない上下のカム山161 a,171 aが噛み合い状態から解放されるので,第1回転カム板171 は第1アクチュエータ201 の作動プランジャ231 の油圧による押圧力により受圧ピン282 を介して第2回転位置Bへ素早く回転する(図9参照)。
その結果,図14の(d)に示すように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,172 aは互いに平坦な頂面を当接対向させる。このような第1カム機構151 の軸方向拡張作用により,第1軸方向間隔S1 は増加して,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hを保持することになる。
かくして,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,軸方向拡張状態の第1カム機構151 と,軸方向収縮状態の第2カム機構152 とにより,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持しつゝ強固に連結され,内燃機関Eを高圧縮比状態にすることができる。
この場合,特に,第1回転カム板171 は,押さえ板13によりピストンインナ5aに軸方向移動不能に支持され,また第2回転カム板172 は,止環18と肩部19とによりピストンアウタ5bに軸方向移動不能に支持されて,それぞれ軸方向に遊ぶことがなく,したがって第1カム機構151 及び第2カム機構152 が,ピストンインナ及びアウタ5a,5bの慣性力の差等の外力を利用して交互に拡張・収縮する際には,第1固定カム161 と第1回転カム板171 ,第2固定カム162 と第1回転カム板171 のそれぞれの相互干渉を確実に回避して,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の駆動力による各回転カム板171 ,172 の所望回転位置への回転を確実にさせ,ピストンアウタ5bを所望の低圧縮比位置L及び高圧縮比位置Hに確実に保持することができる。
またピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比位置Hの何れにあっても,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,常に第1及び第2カム機構151 ,152 を介して軸方向に強固に連結されるので,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に働くスラスト荷重を常に第1及び第2カム機構151 ,152 の何れ一方に機械的に負担させ,ピストン強度を効果的に高めることができ,のみならず,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の小容量化,延いてはコンパクト化が可能となる。
特に,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移動には,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの慣性力の差,ピストンアウタ5bのシリンダボア内面との摺動抵抗,燃焼室4a側の負圧及び正圧等の外力を有効に利用可能であるから,また第1及び第2カム板171 ,172 を回転させる第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bから受けるスラスト荷重がゼロ若しくは極めて小さいから,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の負荷を下げ得て,それらの小容量化,延いてはコンパクト化を一層図ることができる。
またピストンアウタ5bは,低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間を移動する際,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの嵌合面に形成されて互いに摺動自在に係合するスプライン歯11a及びスプライン溝11bにより,ピストンインナ5aに対する回転が拘束されているから,燃焼室4aに臨むピストンアウタ5bのヘッド部5bhの形状を燃焼室4aの形状に対応させて,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hでの圧縮比を効果的に高めることができ,したがって図示例のようなペントルーフ型燃焼室4aの採用が可能となる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 がピストンインナ5a及びピストンアウタ5bから受けるスラスト荷重がゼロ若しくは極めて小さいことにより,それらの油圧室251 ,252 の油中に多少の気泡が発生しても,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置H又は低圧縮比位置Lに安定的に保持することができ,支障はない。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,それぞれ油圧室251 ,252 ,作動プランジャ231 ,232 と,戻しばね271 ,272 と,戻しプランジャ241 ,242 とで構成されるので,各1組のアクチュエータ201 ,202 につき油圧室251 ,252 が1室で足り,その上,作動プランジャ231 ,232 及び戻しプランジャ241 ,242 はピストンインナ5aに設けられる共通のシリンダ孔211 ,212 に嵌装されるので,これら第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の構成の簡素化を図ることができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,第1及び第2回転カム板171 ,172 の回転軸線周りに複数組等間隔に配設されるので,第1及び第2回転カム板171 ,172 に偏荷重を与えることなく,これらを自己の軸線周りにスムーズに回動することができ,しかも複数組の第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の総合出力は大きいことから,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の小容量化,延いてはコンパクト化を図ることができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 において,各作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の軸線は,各受圧ピン281 ,282 の軸線を横切る,第1及び第2回転カム板171 ,172 の半径線に対して略直角に交差するように配置されるから,作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の押圧力を受圧ピン281 ,282 を介して第1及び第2回転カム板171 ,172 に効率良く伝達することができ,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 のコンパクト化に寄与し得る。
また作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の各端面と,受圧ピン281 ,282 の円筒状外周面とは線接触で接触するので,その接触面積は比較的広く,面圧の低減を図り,耐久性の向上に寄与し得る。
また第1アクチュエータ201 は,その油圧作動時に第1回転カム板171 を第2回転位置Bに作動し,また第2アクチュエータ202 は,その油圧作動時に第2回転カム板172 を第4回転位置Dに作動するようになっているので,油圧系の万一の失陥時には,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の戻しばね271 ,272 の作用により,自動的にピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに作動,保持することができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の両油圧室251 ,252 に対して共通の制御弁45により作動油圧の供給及び解放が行われるので,油圧制御系の簡素化をもたらし,コストの低減を図ることができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の両油圧室251 ,252 の油圧解放は機関の吸気行程で開始され,また両油圧室251 ,252 への油圧供給は内燃機関の排気行程で開始されるので,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの慣性力の差を有効に利用して,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hから低圧縮比位置Lへ,或いは低圧縮比位置Lから高圧縮比位置Hへ迅速に移動することができる。
次に,図16に示す本発明の第2実施例について説明する。
この第2実施例は,第1回転カム板171 のカム山171 aと,ピストンアウタ5bに形成される第1固定カム161 のカム山161 aとに,第1回転カム板171 が第1回転位置Aから第2回転位置Bへ回動するとき互いに軸方向に離反するように滑る斜面33,34を形成した点を除けば,前実施例と同様の構成であり,図16中,前実施例と対応する部分には,同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
この第2実施例では,各カム山161 a,171 aの一側面を斜面33,34としたたことで,前実施例に比して,各カム161 ,171 の隣接間隔が広がり,第1回転カム板171 の作動ストローク角度が増加し,また各カム161 ,171 の頂面の面積が減少することになるが,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに移動させる外力が弱い場合でも,第1アクチュエータ201 により第1回転カム板171 に第2回転位置Bへの回動力を付与すれば,斜面33,34相互のリフト作用によりピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hへ押し上げることができる。この場合,図示はしないが,第2カム機構152 においても同様の構造を採用することができる。
最後に,図17に示す本発明の第3実施例について説明する。
この第3実施例は,前記第1実施例において,ピストンアウタ5bを,低圧縮比位置L,中圧縮比位置M及び高圧縮比位置Hの三位置に切り換え制御し得るようにしたもので,前記ピストンインナ5aとピストンアウタ5bのヘッド部5bhとの間に上下二組の第1カム機構151 ,151 を,ピストンインナ5aとピストンアウタ5bの止環18との間に上下二組の第2カム機構152 ,152 をそれぞれ介装し,上下の第1カム機構151 ,151 の作動状態を同位相及び逆位相に切り換えることを可能し,同時に,上下何れか一方の第1カム機構151 と,上下何れか一方の第2カム機構152 との作動状態を互いに逆位相にすると共に,上下何れか他方の第1カム機構151 と,上下何れか他方の第2カム機構152 との作動状態を互いに逆位相にすることを可能にしたものである。尚,図17中,前記第1実施例と対応する部分には同一の参照符号を付す。
而して,同図(A)に示すように,上下の第1カム機構151 ,151 を共に軸方向収縮状態にする一方,上下の第2カム機構152 ,152 を共に軸方向拡張状態に作動すれば,前記ピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに制御することができ,同図(B)に示すように,上部の第1カム機構151 を軸方向収縮状態,下部の第1カム機構151 を軸方向拡張状態に作動する一方,上部の第2カム機構152 を軸方向収縮状態,下部の第2カム機構152 を軸方向拡張状態に作動すれば,前記ピストンアウタ5bを中圧縮比位置Mに制御することができ,同図(C)に示すように,上下の第1カム機構151 ,151 を共に軸方向拡張状態にする一方,上下の第2カム機構152 ,152 を共に軸方向収縮状態に作動すれば,前記ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに制御することができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,電磁切換弁45の作動態様は,上記実施例の場合と逆であっても差し支えはない。即ち,該切換弁45の非通電状態で油路44をオイルポンプ46に接続し,通電状態で油路44を油溜め47に接続することもできる。
本発明の第1実施例に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図。 図1の要部拡大図。 図2の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。 高圧縮比状態を示す,図3との対応図。 図3の5−5線拡大断面図。 図3の6−6線拡大断面図。 図3の7−7線拡大断面図。 図3の8−8線拡大断面図。 図4の9−9線拡大断面図。 図3の10−10線拡大断面図。 図3の11−11線拡大断面図。 図4の12−12線拡大断面図。 圧縮比切り換えタイミングとピストンインナの慣性力との関係を示す線図。 高圧縮比状態から低圧縮比状態への切り換え作用説明図。 低圧縮比状態から高圧縮比状態への切り換え作用図。 本発明の第2実施例を示す,圧縮比可変装置の要部縦断側面図。 本発明の第3実施例を示す,圧縮比可変装置の要部縦断側面図。
符号の説明
A・・・・・・・第1回転カム板の第1回転位置
B・・・・・・・第1回転カム板の第2回転位置
C・・・・・・・第2回転カム板の第3回転位置
D・・・・・・・第1回転カム板の第4回転位置
E・・・・・・・内燃機関
H・・・・・・・ピストンアウタの高圧縮比位置
L・・・・・・・ピストンアウタの低圧縮比位置
1 ・・・・・・第1軸方向間隔
2 ・・・・・・第2軸方向間隔
5・・・・・・・ピストン
5a・・・・・・ピストンインナ
5b・・・・・・ピストンアウタ
6・・・・・・・ピストンピン
7・・・・・・・コンロッド
151 ・・・・・第1カム機構
152 ・・・・・第2カム機構
161 ・・・・・第1固定カム
162 ・・・・・第2固定カム
171 ・・・・・第1回転カム
172 ・・・・・第2回転カム
18・・・・・・規制手段(止環)
201 ・・・・・第1アクチュエータ
202 ・・・・・第2アクチュエータ
231 ,251 ・・・第1油圧作動手段(作動プランジャ,油圧室)
232 ,252 ・・・第2油圧作動手段(作動プランジャ,油圧室)
271 ・・・・・戻しばね
272 ・・・・・戻しばね
45・・・・・・制御弁

Claims (7)

  1. コンロッド(7)にピストンピン(6)を介して連結されるピストンインナ(5a)と,このピストンインナ(5a)の外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合され,ヘッド部(5bh)を燃焼室(4a)に臨ませるピストンアウタ(5b)と,このピストンアウタ(5b)に,前記ピストンインナ(5a)を挟んで前記ヘッド部(5bh)と軸方向に対向するように固設される規制手段(18)と,前記ピストンインナ(5a)及びヘッド部(5bh)間に介裝されて,それらの間の第1軸方向間隔(S1 )を制御する第1カム機構(151 )と,前記ピストンインナ(5a)及び規制手段(18)間に介裝されて,それらの間の第2軸方向間隔(S2 )を制御する第2カム機構(152 )とを備え,
    前記第1カム機構(151 )は,前記ピストンインナ(5a)の軸線周りの第1及び第2回転位置(A,B)間を回転可能の第1回転カム板(171 )を有しており,該第1回転カム板(171 )の第1回転位置(A)では前記第1軸方向間隔(S1 )の減少を許容すべく軸方向に収縮し,第2回転位置(B)では同軸方向間隔(S1 )を増加すべく軸方向に拡張するように構成され,
    前記第2カム機構(152 )は,前記ピストンインナ(5a)の軸線周りの第3及び第4回転位置(C,D)間を回転可能の第2回転カム板(172 )を有しており,該第2回転カム板(172 )の第3回転位置(C)では前記第2軸方向間隔(S2 )を増加すべく軸方向に拡張し,第4回転位置(D)では同軸方向間隔(S2 )の減少を許容すべく軸方向に収縮するように構成され,
    前記第1及び第2回転カム板(171 ,172 )には,第1回転カム板(171 )を前記第1回転位置(A)に作動すると共に第2回転カム板(172 )を前記第3回転位置(C)に作動して前記ピストンアウタ(5b)を低圧縮比位置(L)に保持し,第1回転カム板(171 )を前記第2回転位置(B)に作動すると共に第2回転カム板(172 )を前記第4回転位置(D)に作動してピストンアウタ(5b)を高圧縮比位置(H)に保持する駆動手段(201 ,202 )を連結したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記駆動手段を,前記第1回転カム板(171 )を前記第1及び第2回転位置(A,B)の一方に向かって作動し得る第1油圧作動手段(231 ,251 )と,第1回転カム板(171 )を第1及び第2回転位置(A,B)の他方に向かって付勢する第1戻しばね(271 )とからなる第1アクチュエータ(201 ),並びに前記第2回転カム板(172 )を前記第3及び第4回転位置(C,D)の一方に向かって作動し得る第2油圧作動手段(232 ,252 )と,第2回転カム板(172 )を第3及び第4回転位置(C,D)の他方に向かって付勢する第2戻しばね(272 )とからなる第2アクチュエータ(202 )で構成したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記第1油圧作動手段(231 ,251 )が,その油圧作動時に前記第1回転カム板(171 )を前記第2回転位置(B)に作動するように構成され,前記第2油圧作動手段(232 ,252 )が,その油圧作動時に前記第2回転カム板(172 )を第4回転位置(D)に作動するように構成されることを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記第1及び第2油圧作動手段(231 ,251 ;232 ,252 )に対して共通の制御弁(45)により作動油圧の供給及び解放を行うことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  5. 請求項3又は4記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記第1及び第2油圧作動手段(231 ,251 ;232 ,252 )の油圧解放を内燃機関の吸気行程で開始し,該第1及び第2油圧作動手段(231 ,251 ;232 ,252 )への油圧供給を内燃機関の排気行程で開始することを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  6. 請求項1記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記第1カム機構(151 )及び第2カム機構(152 )をそれぞれ同数の複数組設けることを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記第1回転カム板(151 )を前記ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の一方に軸方向移動不能且つ回動可能に支承し,この第1回転カム板(151 )と協働して前記第1カム機構(151 )を構成する第1固定カム(161 )を前記ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の他方に固設し,また前記第2回転カム板(152 )を前記ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の一方に軸方向移動不能且つ回動可能に支承し,この第2回転カム板(152 )と協働して前記第2カム機構(152 )を構成する第2固定カム(162 )を前記ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の他方に固設したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
JP2003284427A 2003-07-31 2003-07-31 内燃機関の圧縮比可変装置 Expired - Fee Related JP4084718B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284427A JP4084718B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 内燃機関の圧縮比可変装置
EP04017119A EP1503060B1 (en) 2003-07-31 2004-07-20 Internal combustion engine variable compression ratio system
DE602004016257T DE602004016257D1 (de) 2003-07-31 2004-07-20 Brennkraftmaschine mit variablem Verdichtungsverhältnis
US10/901,064 US6966282B2 (en) 2003-07-31 2004-07-29 Internal combustion engine variable compression ratio system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003284427A JP4084718B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 内燃機関の圧縮比可変装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005054619A JP2005054619A (ja) 2005-03-03
JP4084718B2 true JP4084718B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=33535718

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003284427A Expired - Fee Related JP4084718B2 (ja) 2003-07-31 2003-07-31 内燃機関の圧縮比可変装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6966282B2 (ja)
EP (1) EP1503060B1 (ja)
JP (1) JP4084718B2 (ja)
DE (1) DE602004016257D1 (ja)

Families Citing this family (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3975132B2 (ja) * 2002-08-05 2007-09-12 本田技研工業株式会社 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4430654B2 (ja) * 2005-12-28 2010-03-10 本田技研工業株式会社 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4464916B2 (ja) 2005-12-28 2010-05-19 本田技研工業株式会社 ピストンにおける油圧アクチュエータの制御装置
DE102006015265A1 (de) * 2006-04-01 2007-10-31 Audi Ag Kolben für eine Verbrennungskraftmaschine mit variabler Verdichtung
JP4657162B2 (ja) 2006-07-10 2011-03-23 本田技研工業株式会社 内燃機関の圧縮比可変装置
US7946260B2 (en) * 2007-06-22 2011-05-24 Von Mayenburg Michael Internal combustion engine with variable compression ratio
EP2006509A2 (en) * 2007-06-22 2008-12-24 Michael Von Mayenburg Internal combustion engine with variable compression ratio
US7685974B2 (en) * 2007-10-31 2010-03-30 Ford Global Technologies, Llc Variable compression ratio engine with isolated actuator
KR100980863B1 (ko) * 2008-12-02 2010-09-10 현대자동차주식회사 자동차 엔진용 가변 압축비 장치
KR101114378B1 (ko) * 2009-10-06 2012-02-15 현대자동차주식회사 가변 압축비 장치
JP5772834B2 (ja) * 2010-12-27 2015-09-02 三菱自動車工業株式会社 ピストン
CN102269076B (zh) * 2011-06-29 2013-01-23 武汉理工大学 内燃机改进型可变压缩比活塞
US8851030B2 (en) 2012-03-23 2014-10-07 Michael von Mayenburg Combustion engine with stepwise variable compression ratio (SVCR)
CN103541819B (zh) * 2012-07-17 2017-08-08 瓦锡兰瑞士公司 大型往复活塞式燃烧发动机及其控制设备和控制方法
CN104033245A (zh) * 2013-03-05 2014-09-10 梁天宇 一种可变压缩比发动机
JP6137342B2 (ja) * 2014-01-20 2017-05-31 株式会社Ihi エンジン
CN105899781B (zh) 2014-01-20 2018-06-15 株式会社 Ihi 十字头型发动机
JP6413655B2 (ja) * 2014-11-04 2018-10-31 株式会社Ihi 圧縮比可変機構
DK3214292T3 (da) 2014-10-30 2020-01-06 Ihi Corp Jævnstrømsskylningstotaktsmotor
JP6451486B2 (ja) * 2015-05-11 2019-01-16 株式会社Ihi 油圧発生装置およびクロスヘッド型エンジン
US9856790B2 (en) * 2015-08-10 2018-01-02 Hyundai Motor Company Variable compression ratio apparatus
AT518647B1 (de) * 2016-09-20 2017-12-15 Avl List Gmbh Brennkraftmaschine
KR20190018822A (ko) * 2017-08-16 2019-02-26 현대자동차주식회사 가변 압축비 장치, 및 이의 제어방법
DE102020004191B3 (de) * 2020-07-13 2021-04-08 Daimler Ag Verfahren zum Starten einer Verbrennungskraftmaschine eines Kraftfahrzeugs sowie Kraftfahrzeug

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4079707A (en) * 1976-07-19 1978-03-21 Teledyne Industries, Inc. Variable compression ratio piston
US4934347A (en) * 1987-06-18 1990-06-19 Nissan Motor Co., Ltd. Variable compression piston arrangement for internal combustion engine
JPH07113330B2 (ja) 1987-07-16 1995-12-06 日産自動車株式会社 内燃機関の圧縮比可変装置
DE3807244C1 (ja) * 1988-03-05 1989-03-23 Daimler-Benz Aktiengesellschaft, 7000 Stuttgart, De
DE4041637C1 (ja) * 1990-12-22 1992-04-09 Mtu Friedrichshafen Gmbh
US5178103A (en) * 1991-12-23 1993-01-12 Ford Motor Company Variable compression ratio piston
JPH11117779A (ja) 1997-10-15 1999-04-27 Toyota Motor Corp 内燃機関の可変圧縮比機構
KR100592167B1 (ko) * 2001-06-15 2006-06-23 혼다 기켄 고교 가부시키가이샤 내연 기관의 압축비 가변 장치
JP3975132B2 (ja) * 2002-08-05 2007-09-12 本田技研工業株式会社 内燃機関の圧縮比可変装置
US6752105B2 (en) * 2002-08-09 2004-06-22 The United States Of America As Represented By The Administrator Of The United States Environmental Protection Agency Piston-in-piston variable compression ratio engine

Also Published As

Publication number Publication date
US20050056239A1 (en) 2005-03-17
DE602004016257D1 (de) 2008-10-16
US6966282B2 (en) 2005-11-22
EP1503060A1 (en) 2005-02-02
EP1503060B1 (en) 2008-09-03
JP2005054619A (ja) 2005-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4084718B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4464916B2 (ja) ピストンにおける油圧アクチュエータの制御装置
US7066118B2 (en) Compression ratio variable device in internal combustion engine
JP4283271B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4430654B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
EP1533498B1 (en) Compression ratio variable device of internal combustion engine
JP3975132B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4252996B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP2008038753A (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP2007198309A (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP2008038744A (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4979653B2 (ja) 可変圧縮比内燃機関
JP2005023933A (ja) 可変動弁機構
JP3966742B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP3975094B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP3975095B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP4252995B2 (ja) 内燃機関の圧縮比可変装置
JP2010037983A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2004346848A (ja) 内燃機関の可変圧縮比機構
JPH11166407A (ja) 可変バルブ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071009

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4084718

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120222

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130222

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140222

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees