JP2007198309A - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents

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卓 近藤
Hatsuo Ishii
初雄 石井
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Abstract

【課題】アクチュエータに作動油圧を供給するオイルポンプを特別高圧型に構成せずとも,アクチュエータを迅速に作動させ得て,リフト部材の応答性の確保を可能にする。
【解決手段】ピストンインナ5aに,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lへの移動を許容するリフト解除位置A及び,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持するリフト位置B間を移動し得るリフト部材171 を設け,このリフト部材171 に,それを作動する油圧式のアクチュエータ201 を連結し,このアクチュエータ201 の油圧室251 を切換弁45を介してオイルポンプ46及び油溜め47に接続した,内燃機関の圧縮比可変装置において,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に,これらの軸方向相対移動に応動して油圧を吐出する補助ポンプ55を構成し,この補助ポンプ55の吐出油圧をアクチュエータ201 の油圧室251 に供給する。
【選択図】 図3

Description

本発明は,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナの外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室に臨ませながら,前記ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとでピストンを構成し,そのピストンインナに,ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容するリフト解除位置及び,ピストンアウタを高圧縮比位置に保持するリフト位置間を移動し得るリフト部材を設け,このリフト部材に,それを前記リフト解除位置及びリフト位置に作動する油圧式のアクチュエータを連結し,このアクチュエータの油圧室を切換弁を介してオイルポンプ及び油溜めに接続した,内燃機関の圧縮比可変装置の改良に関する。
かゝる内燃機関の圧縮比可変装置は,下記特許文献1に開示されるように,既に知られている。
特開2005−54619号公報
かゝる内燃機関の圧縮比可変装置において,機関が高回転になるに従い,リフト部材の応答性を維持するために,アクチュエータの作動時には,それに高い作動油圧を供給する必要があり,したがってアクチュエータに作動油圧を供給するオイルポンプを高圧型に構成することを余儀なくされ,また消費エネルギも過大傾向となる。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,アクチュエータに作動油圧を供給するオイルポンプを特別高圧型に構成せずとも,アクチュエータを迅速に作動させ得て,機関が高回転状態でもリフト部材の応答性を良好にし得る,前記内燃機関の圧縮比可変装置を提供することを目的とする。
本発明は,コンロッドにピストンピンを介して連結されるピストンインナと,このピストンインナの外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室に臨ませながら,前記ピストンインナ寄りの低圧縮比位置及び燃焼室寄りの高圧縮比位置間を移動し得るピストンアウタとでピストンを構成し,そのピストンインナに,ピストンアウタの低圧縮比位置への移動を許容するリフト解除位置及び,ピストンアウタを高圧縮比位置に保持するリフト位置間を移動し得るリフト部材を設け,このリフト部材に,それを前記リフト解除位置及びリフト位置に作動する油圧式のアクチュエータを連結し,このアクチュエータの油圧室を切換弁を介してオイルポンプ及び油溜めに接続した,内燃機関の圧縮比可変装置において,ピストンインナ及びピストンアウタ間に,これらの軸方向相対移動に応動して油圧を吐出する補助ポンプを構成し,この補助ポンプの吐出油圧を前記アクチュエータの油圧室に供給することを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記補助ポンプを,ピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動時の衝撃を緩和する緩衝機能を持つプランジャポンプで構成したことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記補助ポンプは,前記切換弁によりオイルポンプが前記アクチュエータの油圧室に接続されたときポンプ室に作動油を導入し,その直後に生起するピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動により吐出動作をして,その吐出油圧により前記アクチュエータを作動することを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第3の特徴に加えて,前記オイルポンプの吐出圧力を前記補助ポンプの吐出圧力より低く設定すると共に,該補助ポンプのポンプ室を前記アクチュエータの油圧室に連通したことを第4の特徴とする。
尚,前記リフト部材は,後述する本発明の実施例中の第1回転カム板171 に対応し,このリフト部材のリフト解除位置及びリフト位置は,第1回転カム板171 の第1回転位置A及び第2回転位置Bにそれぞれ対応する。またアクチュエータは第1アクチュエータ201 に対応する。
本発明の第1の特徴によれば,ピストンアウタの位置切り換えの際には,アクチュエータの油圧室に,オイルポンプの吐出油圧の他に,ピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動により強力に作動される補助ポンプの高い吐出油圧が供給されるので,アクチュエータの初動が補助ポンプの高い吐出油圧に依存することで,機関の高回転時でもリフト部材の応答性を高めることができる。またアクチュエータの作動状態は,オイルポンプの吐出油圧に依存することで継続的に保持されることになり,したがってオイルポンプは比較的低圧のものが使用可能となり,経済的であると共に消費エネルギの節減を図ることができる。
本発明の第2の特徴によれば,ピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動時には,補助ポンプが緩衝機能を発揮して,それらの軸方向相対移動衝撃を緩和し,各部の耐久性の向上を図ることができる。
本発明の第3の特徴によれば,ピストンインナ及びピストンアウタの軸方向相対移動を効率よく利用して,補助ポンプを的確に作動することができる。
本発明の第4の特徴によれば,補助ポンプがオイルポンプの作動油を共通に使用することが可能となり,補助ポンプの油圧回路を簡単に構成することができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の一実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図,図2は図1の要部拡大図,図3は図2の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。図4は高圧縮比状態を示す,図3との対応図,図5は図3の5−5線拡大断面図,図6は図3の6−6線拡大断面図,図7は図3の7−7線拡大断面図,図8は図3の8−8線拡大断面図,図9は図4の9−9線拡大断面図,図10は図3の10−10線拡大断面図,図11は図3の11−11線拡大断面図,図12は図4の12−12線拡大断面図,図13は高圧縮比状態から低圧縮比状態への切り換え作用説明図,図14は低圧縮比状態から高圧縮比状態への切り換え作用図である。
先ず,図1において,内燃機関Eの機関本体1は,シリンダボア2aを有するシリンダブロック2と,このシリンダブロック2の下端に結合されるクランクケース3と,シリンダボア2aの上端に連なるペントルーフ型燃焼室4aを有してシリンダブロック2の上端に結合されるシリンダヘッド4とからなっており,そのシリンダヘッド4には,燃焼室4aの天井面に開口する吸気ポート30i及び排気ポート30eをそれぞれ開閉する吸気弁31i及び排気弁31eと,燃焼室4aの中心部に電極を臨ませる点火プラグ32が螺着される。
シリンダボア2aに摺動可能に嵌装されるピストン5にはコンロッド7の小端部7aがピストンピン6を介して連結され,コンロッド7の大端部7bは,左右一対のベアリング8,8′を介してクランクケース3に回転自在に支承されるクランク軸9のクランクピン9aに連結される。
図2〜図4において,前記ピストン5は,ピストンピン6を介してコンロッド7の小端部7aに連結されるピストンインナ5aと,このピストンインナ5aの外周面に摺動可能に嵌合していて,ピストンインナ5a上で所定の低圧縮比位置L(図3参照)と高圧縮比位置H(図4参照)との間を移動し得るピストンアウタ5bとからなっており,そのピストンアウタ5bが,その外周に装着された複数のピストンリング10a〜10cを介してシリンダボア2aの内周面に摺動自在に嵌合すると共に,ヘッド部5bhを燃焼室4aに臨ませている。そのヘッド部5bhは,ペントルーフ型燃焼室4aの形状に対応して山型をなしている。
図3及び図5に示すように,ピストンインナ及びアウタ5a,5bの摺動嵌合面には,ピストン5の軸方向に延びて互いに係合する複数のスプライン歯11a及びスプライン溝11bがそれぞれ形成され,ピストンインナ及びアウタ5a,5bは,それらの軸線周りに相対回転できないようになっている。またピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの軸方向相対移動を規制する止環18が,ピストンインナ5aを挟んでヘッド部5bhと反対でピストンアウタ5bの内周面に係止される。
ピストンインナ5aとヘッド部5bhとの間には,それらの間の第1軸方向間隔S1 を制御する第1カム機構151 が介裝され,またピストンインナ5a及び止環18間には,それらの間の第2軸方向間隔S2 を制御する第2カム機構152 が介裝される。これら第1及び第2カム機構151 ,152 により前記第1及び第2軸方向間隔S1 ,S2 を互いに反対に増減させることによって,ピストンアウタ5bは,ピストンインナ5aに対してピストンピン寄りの低圧縮比位置Lと,燃焼室4a寄りの高圧縮比位置Hとに交互に保持される。
図3,図6及び図13において,第1カム機構151 は,ピストンアウタ5bのヘッド部5bh内壁に形成される上部の第1固定カム161 と,ピストンインナ5aの上面に一体に突設された枢軸部12に回動可能に嵌合しつゝピストンインナ5aの上面に支承される下部の第1回転カム板171 とからなっている。枢軸部12は,コンロッド7の小端部7aを受容すべく,複数のブロック12a,12a…(図7参照)に分割される。これらブロック12a,12a…の端面には,第1回転カム板171 の枢軸12上での軸方向移動を阻止する押さえ板13が複数のボルト14,14…により固定される。
第1回転カム板171 は,その軸線周りに設定される第1及び第2回転位置A,B間を回転し得るもので,その往復回転により第1固定カム161 と協働して,前記第1軸方向間隔S1 を増減させ得る。具体的には,第1固定カム161 は,周方向に並ぶ複数のカム山161 a,161 a…で構成され,第1回転カム板171 には,同じく周方向に並ぶ複数のカム山171 a,171 a…が一体に形成される。第1固定カム161 及び第1回転カム板171 の各カム山161 a,171 aは,図13に示すように,周方向に並ぶ両側面を絶壁面とすると共に,その両絶壁面の上縁間を接続する頂面を平坦とする矩形をなしている。
而して,図13の(b),(c)に示すように,第1回転カム板171 が第1回転位置Aにあるときは,この第1回転カム板171 の隣接するカム山171 a,171 a間の谷に上部の第1固定カム161 のカム山161 が出入り可能であり,その結果,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移行が許容される。そして上下のカム山161 a,171 aが噛み合えば,第1カム機構151 は軸方向収縮状態となって前記第1軸方向間隔S1 を減少させることになる。
また図13の(a)に示すように,第1回転カム板171 が第2回転位置Bにあるときは,第1回転カム板171 及び第1固定カム161 のカム山161 a,171 a同士が平坦な頂面を衝合させることで,第1カム機構151 は軸方向拡張状態となって,前記第1軸方向間隔S1 を増加させ,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持することになる。
ピストンインナ5a及び第1回転カム板171 間には,第1回転カム板171 を第1回転位置A及び第2回転位置Bへ交互に回転させる第1アクチュエータ201 が設けられる。この第1アクチュエータ201 について図3,図4,図8及び図9により説明する。
ピストンインナ5aには,ピストンピン6を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリンダ孔211 ,211 と,各シリンダ孔211 の中間部の上壁を貫通する長孔291 ,291 とが設けられ,第1回転カム板171 の下面に一体的に突設されて,その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン281 ,281 が上記長孔291 ,291 を通してシリンダ孔211 ,211 に臨ませてある。長孔291 ,291 は,受圧ピン281 ,281 が第1回転カム板171 と共に第1回転位置A及び第2回転位置B間を移動することを妨げないようになっている。
各シリンダ孔211 には,対応する受圧ピン281 を挟んで作動プランジャ231 及び有底円筒状の戻しプランジャ241 が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジャ231 ,231 同士及び戻しプランジャ241 ,241 同士は,それぞれピストン5の軸線に関して点対称に配置される。
各シリンダ孔211 内には,作動プランジャ231 の内端が臨む第1油圧室251 が画成され,該室251 に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジャ231 が受圧ピン281 を介して第1回転カム板171 を第2回転位置Bへ回転するようになっている。
また各シリンダ孔211 の開放側端部には,円筒状のばね保持筒351 が止環361 を介して係止され,このばね保持筒351 と前記戻しプランジャ241 との間に,その戻しプランジャ241 を受圧ピン281 側に付勢する戻しばね271 が縮設される。
而して,第1回転カム板171 の第1回転位置Aは,各シリンダ孔211 の底面に当接する作動プランジャ231 の先端に受圧ピン281 が当接することにより規定され(図8参照),第1回転カム板171 の第2回転位置Bは,受圧ピン281 に押された戻しプランジャ241 がばね保持筒351 の先端に当接することにより規定される(図9参照)。
図3,図10及び図13において,第2カム機構152 は,ピストンインナ5aの下端壁に形成される上部の第2固定カム162 と,前記止環18上でピストンアウタ5bの内周面に回転可能に嵌合する下部の第2回転カム板172 とからなっている,ピストンアウタ5bの内周には,第2回転カム板172 の上面に当接する環状の肩部19が形成されており,この肩部19と前記止環18とで第2回転カム板172 は回転可能に挟持され,ピストンアウタ5bに対して軸方向の移動が阻止される。
第2回転カム板172 は,その軸線周りに設定される第3回転位置C及び第4回転位置D間を回転し得るもので,その往復回転により第2固定カム162 と協働して,前記第2軸方向間隔S2 を増減させるようになっている。具体的には,第2固定カム162 は,周方向に並ぶ複数のカム山162 a,162 a…で構成され,第2回転カム板172 には,同じく周方向に並ぶ複数のカム山172 a,172 a…が一体に形成される。第1固定カム161 及び第1回転カム板171 の各カム山161 a,171 aは,周方向に並ぶ両側面を絶壁面とすると共に,その両絶壁面上縁間を接続する頂面を平坦頂面とする矩形をなしている。第2回転カム板172 の第3及び第4回転位置C,D間の回転角度は,前記第1回転カム板171 の第1及び第2回転位置A,B間の回転角度と同一に設定される。また第2固定カム162 及び第2回転カム板172 のカム山162 a,172 aの少なくとも有効高さは,前記第1固定カム161 及び第1回転カム板171 のカム山161 a,172 aのそれと同一に設定され,図示例の場合,カム山162 a,172 aはカム山161 a,172 aと同一形状に形成される。第2固定カム162 及び第2回転カム板172 には,ピストンインナ5aのピストンピン6を支持するピンボス部との干渉を回避すべく,カム山の無い部分が存在する(図10参照)。
而して,図13の(d)に示すように,第2回転カム板172 が第3回転位置Cにあるときは,第2回転カム板172 及び第2固定カム162 のカム山162 a,172 a同士が平坦な頂面を衝合させることで,第2カム機構152 は軸方向拡張状態となって,前記第2軸方向間隔S2 を増加させ,ピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに保持する。
また図13の(b),(c)に示すように,第2回転カム板172 が第4回転位置Dにあるときは,この第2回転カム板172 の隣接するカム山172 a,172 a間の谷に第2固定カム162 のカム山162 aが出入り可能であり,その結果,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移行が許容される。そして上下のカム山162 a,172 aが噛み合えば,第2カム機構152 は軸方向収縮状態となって前記第2軸方向間隔S2 の減少をすることになる。
ピストンインナ5a及び第2回転カム板172 間には,第2回転カム板172 を第3回転位置C及び第4回転位置Dへ交互に回転させる第2アクチュエータ202 が設けられる。この第2アクチュエータ202 について図3,図4,図11及び図12により説明する。
第2アクチュエータ202 は,前記第1アクチュエータ201 と対称的に構成される。即ちピストンインナ5aには,ピストンピン6を挟んでそれと平行に延びる一対の有底のシリンダ孔212 ,212 と,各シリンダ孔212 の中間部の上壁を貫通する長孔292 ,292 とが設けられ,第2回転カム板172 の下面に一体的に突設されて,その直径線上に並ぶ一対の受圧ピン282 ,282 が上記長孔292 ,292 を通してシリンダ孔212 ,212 に臨ませてある。各長孔292 は,受圧ピン282 が第2回転カム板172 と共に第3回転位置C及び第4回転位置D間を移動することを妨げないようになっている。
各シリンダ孔212 には,対応する受圧ピン282 を挟んで作動プランジャ232 及び有底円筒状の戻しプランジャ242 が摺動可能に嵌装される。その際,作動プランジャ232 ,232 同士及び戻しプランジャ242 ,242 同士は,それぞれピストン5の軸線に関して点対称に配置される。
各シリンダ孔212 内には,作動プランジャ232 の内端が臨む第2油圧室252 が画成され,該室252 に油圧を供給すると,その油圧を受けて作動プランジャ232 が受圧ピン282 を介して第2回転カム板172 を第4回転位置Dへ回動するようになっている。
また各シリンダ孔212 の開放側端部には,円筒状のばね保持筒352 が止環362 を介して係止され,このばね保持筒352 と前記戻しプランジャ242 との間に,その戻しプランジャ242 を受圧ピン282 側に付勢する戻しばね272 が縮設される。
而して,第2回転カム板172 の第3回転位置Cは,各シリンダ孔212 ,212 の底面に当接する作動プランジャ232 ,232 の先端に受圧ピン282 ,282 が当接することにより規定され(図11参照),第2回転カム板172 の第4回転位置Dは,受圧ピン282 に押された戻しプランジャ242 がばね保持筒352 の先端に当接することにより規定される(図12参照)。
以上において,第1回転カム板171 及び第1アクチュエータ201 ,並びに第2回転カム板172 及び第2アクチュエータ202 は,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの慣性力の差や,ピストンアウタ5bがシリンダボア2aの内面から受ける摩擦抵抗,ピストンアウタ5bが燃焼室4a側から受ける負圧,正圧等,ピストンインナ及びアウタ5a,5bを互いに軸方向に離間させたり近接させようと作用する自然外力により,ピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間を移動することを許容する。また各上下のカム山161 a,171 a;162 a,172 aの両側面を絶壁面としたことで,各カム山161 a,171 a;162 a,172 aの周方向隣接間隔を狭くすることが可能となり,また各カム山161 a,171 a;162 a,172 aの頂面の総合面積を大きく設定することができる。
再び図1及び図2において,前記ピストンピン6と,その中空部に圧入されたスリーブ40との間に筒状の油室41が画成され,この油室41を第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の両油圧室251 ,252 に接続する第1及び第2分配油路421 ,422 がピストンピン6及びピストンインナ5aに渡り設けられる。また油室41は,図1に示すように,ピストンピン6,コンロッド7及びクランク軸9に渡り設けられる油路44に接続され,この油路44は,電磁式の切換弁45を介して油圧源たるオイルポンプ46と,油溜め47とに切換可能に接続される。この切換弁45は,非通電状態では油路44を油溜め47に開放し,通電状態ではオイルポンプ46を油路44に接続するようになっている。
再び図3,図4,図8及び図9において,ピストンインナ5aには,オイルポンプ46と協働して第1アクチュエータ201 の油圧室251 ,251 に油圧を供給するプランジャ型の補助ポンプ55が一対設けられる。各補助ポンプ55は,ピストンインナ5aに設けられてその下端面に開口するポンプシリンダ56と,このポンプシリンダ56に摺動自在に嵌合して,下端面を前記第2回転カム板172 のカム山172 aの頂面に対向させるポンププランジャ57とで構成される。
一対の補助ポンプ55,55のポンププランジャ57,57は,対応するポンプシリンダ56,56内にポンプ室58,58を画成するもので,これらポンプ室58,58は,第1アクチュエータ201 の両油圧室251 ,251 にそれぞれ連通路59,59を介して接続される。
またピストンインナ5aには,各ポンプシリンダ56の上端面に開口する小径のロッド孔60及び,このロッド孔60の上端に連なる大径孔61とが設けられ,各ポンププランジャ57の上端から延出したロッド57aが上記ロッド孔60を摺動自在に貫通し,上記大径孔61においてロッド57aの上端に大径のストッパ端部が形成され,このストッパ端部57bが大径孔61の底部に当接することで,ポンププランジャ57がポンプシリンダ56から最大に突出してポンプ室58を最大に拡張する吸入動作限界が規制される。またポンププランジャ57は,ピストンインナ5aが第2回転カム板172 に近接するとき,第2回転カム板172 のカム山172 aによって吐出動作,即ちポンプ室58を圧縮する吐出動作が付与される。前記オイルポンプ46の吐出圧力は,補助ポンプ55の吐出圧力より低く設定される。
次に,この実施例の作用について説明する。
[高圧縮比位置から低圧縮比位置への切り換え(図13参照)]
いま,図13の(a)に示すように,ピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hに保持されているとする。即ち,第1カム機構151 では,上下のカム山161 a,171 aが互いに頂面を対向させた軸方向拡張状態にあると共に,第2カム機構152 では上下のカム山162 a,172 aを互いに噛み合わせた軸方向収縮状態にある。
そこで,例えば内燃機関Eの急加速運転に際して,ノッキングが発生し易い状態になると,運転状態判別手段48が機関を低圧縮比状態にすべきとして,切換弁45を図1に示すように非通電状態にして,油路44を油溜め47に開放する。これにより,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の油圧室251 ,252 は,何れも油室41及び油路44を通して油溜め47に開放されるので,第1アクチュエータ201 では,戻しプランジャ241 が戻しばね271 の付勢力で受圧ピン281 を押圧して,第1回転カム板171 を第1回転位置Aへ回転しようとし,また第2アクチュエータ202 では,戻しプランジャ242 が戻しばね272 の付勢力で受圧ピン282 を押圧して,第2回転カム板172 を第3回転位置Cへ回転しようとする。
そこで,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に,これらを相互に離反させる自然外力が作用するとき,例えば排気行程の終期から吸気行程にかけてピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して上方へ離反する方向の慣性力を持つとき,ピストンアウタ5bはピストンインナ5aに対して浮動状態となり,第1カム機構151 はピストンインナ5aピストンインナ5a間のスラスト荷重から開放されるため,第1回転カム板171 は,第1アクチュエータ201 の戻しばね271 の付勢力により受圧ピン281 を介して第1回転位置Aへ素早く回転する(図8参照)。
その結果,図13の(b)に示すように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aは互いに半ピッチずらした噛み合い可能の配置となる。
次に,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に,これらを相互に近接させる自然外力が作用するとき,例えば吸入行程終期から圧縮行程にかけてピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して近接する方向の慣性力を持つとき,ピストンアウタ5bは,図13の(c)のように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aを互いに噛み合せながら,即ち第1カム機構151 を軸方向に収縮させながら,ピストンインナ5aに対して相対的に下降し,低圧縮比位置Lを占めることになる。
このようにピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して相対的に下降すると,第2カム機構152 では,第2固定カム162 に対して第2回転カム板172 が下降することになり,それに伴ない上下のカム山162 a,172 aが噛み合い状態から解放され
,したがって第1カム機構152 はピストンインナ5aピストンインナ5a間のスラスト荷重から開放されるため,第2回転カム板172 は第2アクチュエータ202 の戻しばね272 の付勢力により受圧ピン282 を介して第3回転位置Cへ素早く回転する(図11参照)。
その結果,図13の(d)に示すように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aは互いに平坦な頂面を当接対向させる。このような第2カム機構152 の軸方向拡張作用により,第2軸方向間隔S2 は増加して,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置Lを保持することになる。
かくして,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,軸方向収縮状態の第1カム機構151 と,軸方向拡張状態の第2カム機構152 とにより,ピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに保持しつゝ強固に連結され,内燃機関Eを低圧縮比状態にすることができる。
[低圧縮比位置から高圧縮比位置への切り換え(図14参照)]
次に,例えば内燃機関Eの高速運転時,運転状態判別手段48が機関を高圧縮比状態にすべきとして,切換弁45を通電状態にして,油路44をオイルポンプ46に接続すると,オイルポンプ46の吐出油圧が油路44及び油室41を通して全油圧室251 ,252 に供給されるので,第1アクチュエータ201 では,作動プランジャ231 が第1油圧室251 の油圧を受けて受圧ピン281 を介して第1回転カム板171 を第2回転位置Bに向かって回転しようとし,第2アクチュエータ202 では,作動プランジャ232 が第2油圧室252 の油圧を受けて受圧ピン282 を介して第2回転カム板172 を第4回転位置Dに向かって回転しようとする。
また第1アクチュエータ201 の第1油圧室251 に供給された油圧は,即座に連通路59を通して補助ポンプ55のポンプ室58に供給されて,ポンププランジャ57をピストンインナ5aの下方に突出させるので,第1アクチュエータ201 の作動に先行して,補助ポンプ55は吸入状態となる(図3参照)。
そこで,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に,これらを相互に近接させる自然外力が作用するとき,例えば膨張行程時,燃焼圧力によりピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対する押圧荷重を受けるとき,ピストンインナ5a及び止環18間に介装された第2カム機構152 がスラスト荷重から解放される。したがって,先ず第2回転カム板172 が第2アクチュエータ202 の作動プランジャ232 の油圧による押圧力により受圧ピン282 を介して第4回転位置Dへ素早く回転する(図12参照)。
その結果,図14の(b)に示すように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aは互いに半ピッチずらした噛み合い可能の配置となる。
次に,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に,これらを相互に離反させる自然外力が作用するとき,例えば排気行程の終期から吸気行程にかけてピストンアウタ5bがピストンインナ5aに対して上方へ離反する方向の慣性力を持つとき,ピストンアウタ5bは,図14の(c)のように,第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aを互いに噛み合せながら,即ち第2カム機構151 を軸方向に収縮させながら,ピストンインナ5aに対して相対的に上昇し,高圧縮比位置Hを占めることになる。
このとき,図4に示すように,補助ポンプ55では,ポンププランジャ57が第2カム機構152 の下側のカム山172 aにより上方へ押圧され,吐出動作が強力に与えられるので,ポンプ室58が吐出した高油圧は連通路59を通して第1アクチュエータ201 の第1油圧室251 に供給され,これにより該第1油圧室251 の圧力は,先刻,オイルポンプ46から油圧を供給されたとき以上に昇圧して,作動プランジャ231 を第1回転カム板171 の第2回転位置B側に強力に押圧することになる。
したがって,ピストンアウタ5bが高圧縮比位置Hに達するに伴ない,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aが噛み合い状態から解放されるや否や,第1アクチュエータ201 の作動プランジャ231 は,オイルポンプ46の吐出圧力のみによる場合より数倍も早く,受圧ピン282 を介して第1回転カム板171 を第2回転位置Bへ回転させることができる(図9参照)。
その結果,図13の(d)に示すように,第1カム機構151 の上下のカム山161 a,171 aは互いに平坦な頂面を当接対向させる。このような第1カム機構151 の軸方向拡張作用によれば,第1軸方向間隔S1 は増加して,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hを保持することになる。そして補助ポンプ55の吐出動作後も,第1油圧室251 には,オイルポンプ46の吐出油圧が継続的に供給されるから,第1回転カム板171 を第2回転位置Bに確実に保持し続けることができる。
かくして,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,軸方向拡張状態の第1カム機構151 と,軸方向収縮状態の第2カム機構152 とにより,ピストンアウタ5bを高圧縮比位置Hに保持しつゝ強固に連結され,内燃機関Eを高圧縮比状態にすることができる。
上記のように,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hへの切り換えの際には,第1アクチュエータ201 の油圧室251 に,オイルポンプ46の吐出油圧の他に,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの軸方向相対移動により強力に作動されるプランジャ型の補助ポンプ55の高い吐出油圧が供給されるので,第1アクチュエータ201 の初動が補助ポンプ55の高い吐出油圧に依存することで,機関が高回転状態になるにつれて第1回転カム板171 の応答性を高めることができる。また第1アクチュエータ201 の作動状態は,オイルポンプ46の吐出油圧に依存することで継続的に保持される。この第1アクチュエータ201 の作動状態の保持には,特別高い油圧を必要としないから,オイルポンプ46は,比較的低圧の潤滑用ポンプの使用が可能となり,経済的であると共に消費エネルギの節減を図ることができる。
また補助ポンプ55の作動油として,オイルポンプ46が第1アクチュエータ201 に供給する作動油を利用すべく,補助ポンプ55のポンプ室58を第1油圧室251 に連通路59を介して接続したので,補助ポンプ55の油圧回路を簡単に構成することができる。
また補助ポンプ55では,第2カム機構152 の下側のカム山172 aにより吐出動作を付与されるとき減衰力を発生するので,この減衰力により第2カム機構152 の上下のカム山162 a,172 aの噛み合い衝撃を緩和し,それらの耐久性の向上を図ることができる。
ところで,第1回転カム板171 は,押さえ板13によりピストンインナ5aに軸方向移動不能に支持され,また第2回転カム板172 は,止環18と肩部19とによりピストンアウタ5bに軸方向移動不能に支持されて,それぞれ軸方向に遊ぶことがなく,したがって第1カム機構151 及び第2カム機構152 が,ピストンインナ及びアウタ5a,5bの慣性力の差等の外力を利用して交互に拡張・収縮する際には,第1固定カム161 と第1回転カム板171 ,第2固定カム162 と第2回転カム板172 のそれぞれの相互干渉を確実に回避して,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の駆動力による各回転カム板171 ,172 の所望回転位置への回転を確実にさせ,ピストンアウタ5bを所望の低圧縮比位置L及び高圧縮比位置Hに確実に保持することができる。
またピストンアウタ5bが低圧縮比位置L及び高圧縮比位置Hの何れにあっても,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bは,常に第1及び第2カム機構151 ,152 を介して軸方向に強固に連結されるので,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間に働くスラスト荷重を常に第1及び第2カム機構151 ,152 の何れ一方に機械的に負担させ,ピストン強度を効果的に高めることができ,のみならず,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の小容量化,延いてはコンパクト化が可能となる。
特に,ピストンアウタ5bの低圧縮比位置L又は高圧縮比位置Hへの移動には,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの慣性力の差,ピストンアウタ5bのシリンダボア内面との摺動抵抗,燃焼室4a側の負圧及び正圧等の外力を有効に利用可能であるから,また第1及び第2カム板171 ,172 を回転させる第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bから受けるスラスト荷重がゼロ若しくは極めて小さいから,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の負荷を下げ得て,それらの小容量化,延いてはコンパクト化を一層図ることができる。
またピストンアウタ5bは,低圧縮比位置L及び高圧縮比位置H間を移動する際,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの嵌合面に形成されて互いに摺動自在に係合するスプライン歯11a及びスプライン溝11bにより,ピストンインナ5aに対する回転が拘束されているから,燃焼室4aに臨むピストンアウタ5bのヘッド部5bhの形状を燃焼室4aの形状に対応させて,ピストンアウタ5bの高圧縮比位置Hでの圧縮比を効果的に高めることができ,したがって図示例のようなペントルーフ型燃焼室4aの採用が可能となる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,それぞれ油圧室251 ,252 ,作動プランジャ231 ,232 と,戻しばね271 ,272 と,戻しプランジャ241 ,242 とで構成されるので,各1組のアクチュエータ201 ,202 につき油圧室251 ,252 が1室で足り,その上,作動プランジャ231 ,232 及び戻しプランジャ241 ,242 はピストンインナ5aに設けられる共通のシリンダ孔211 ,212 に嵌装されるので,これら第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の構成の簡素化を図ることができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 は,第1及び第2回転カム板171 ,172 の回転軸線周りに複数組等間隔に配設されるので,第1及び第2回転カム板171 ,172 に偏荷重を与えることなく,これらを自己の軸線周りにスムーズに回動することができ,しかも複数組の第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の総合出力は大きいことから,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の小容量化,延いてはコンパクト化を図ることができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 において,各作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の軸線は,各受圧ピン281 ,282 の軸線を横切る,第1及び第2回転カム板171 ,172 の半径線に対して略直角に交差するように配置されるから,作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の押圧力を受圧ピン281 ,282 を介して第1及び第2回転カム板171 ,172 に効率良く伝達することができ,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 のコンパクト化に寄与し得る。
また作動及び戻しプランジャ231 ,241 ;232 ,242 の各端面と,受圧ピン281 ,282 の円筒状外周面とは線接触で接触するので,その接触面積は比較的広く,面圧の低減を図り,耐久性の向上に寄与し得る。
また第1アクチュエータ201 は,その油圧作動時に第1回転カム板171 を第2回転位置Bに作動し,また第2アクチュエータ202 は,その油圧作動時に第2回転カム板172 を第4回転位置Dに作動するようになっているので,油圧系の万一の失陥時には,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の戻しばね271 ,272 の作用により,自動的にピストンアウタ5bを低圧縮比位置Lに作動,保持することができる。
また第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の両油圧室251 ,252 に対して共通の制御弁45により作動油圧の供給及び解放が行われるので,油圧制御系の簡素化をもたらし,コストの低減を図ることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
例えば,上記実施例では,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの軸方向相対移動を,ピストンインナ5aと,ピストンアウタ5bに連結した第2回転カム板172 との軸方向相対移動として捉え,それを利用して補助ポンプ55を作動するようにして,その吐出圧力を第1アクチュエータ201 の油圧室251 に供給するようにしたが,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5bの軸方向相対移動を直接利用して補助ポンプ55を作動するようにして,その吐出圧力を第2アクチュエータ202 の油圧室252 に供給することもできる。また上記実施例の装置では,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の不作動時,即ち戻しばね271 ,272 の付勢力による作動プランジャ231 ,232 の後退時にピストンアウタ5bを低圧縮比位置に制御するようにして低圧縮比重視型に構成したが,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 の不作動時にピストンアウタ5bを高圧縮比位置に制御するようにして,高圧縮比重視型に構成することもできる。
具体的には,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 において,それぞれの油圧室251 ,252 及び作動プランジャ231 ,232 と,戻しばね271 ,272 及び戻しプランジャ241 ,242 との配置を逆にし,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間の軸方向相対移動に応動する補助ポンプ55の吐出圧力を第2アクチュエータ202 の油圧室252 に供給することもできる。こうすれば,特に,ピストン5の下降時の,下向き慣性力によるコンロッド7内を経由する,オイルポンプ46の吐出圧力の低下に対し,吸気行程終期に作動する第2アクチュエータ202 の作動プランジャ232 に補助ポンプ55の吐出圧力を付加して,第2回動カム板172 の第3回転位置Cへの素早い回転を加速することができる。
また第2アクチュエータ202 において,油圧室252 及び作動プランジャ232 と,戻しばね272 及び戻しプランジャ242 との配置を逆にして,ピストンインナ5a及びピストンアウタ5b間の軸方向相対移動に応動する別の補助ポンプと,オイルポンプ46からの油路と切換弁とを別に設け,第1及び第2アクチュエータ201 ,202 に補助ポンプの吐出圧力を供給することもできる。これによれば,オイルポンプ46の更なる低圧化が可能となり,消費エネルギの節減を図ることができる。
本発明に係る圧縮比可変装置を備えた内燃機関の要部縦断正面図。 図1の要部拡大図。 図2の2−2線拡大断面図で低圧縮比状態を示す。 高圧縮比状態を示す,図3との対応図。 図3の5−5線拡大断面図。 図3の6−6線拡大断面図。 図3の7−7線拡大断面図。 図3の8−8線拡大断面図。 図4の9−9線拡大断面図。 図3の10−10線拡大断面図。 図3の11−11線拡大断面図。 図4の12−12線拡大断面図。 高圧縮比状態から低圧縮比状態への切り換え作用説明図。 低圧縮比状態から高圧縮比状態への切り換え作用図。
符号の説明
A・・・・・・・リフト部材のリフト解除位置(第1回転カム板の第1回転位置)
B・・・・・・・リフト部材のリフト位置(第1回転カム板の第2回転位置)
E・・・・・・・内燃機関
H・・・・・・・ピストンアウタの高圧縮比位置
L・・・・・・・ピストンアウタの低圧縮比位置
5・・・・・・・ピストン
5a・・・・・・ピストンインナ
5b・・・・・・ピストンアウタ
6・・・・・・・ピストンピン
7・・・・・・・コンロッド
171 ・・・・・リフト部材(第1回転カム板)
201 ・・・・・アクチュエータ(第1アクチュエータ)
45・・・・・・切換弁
46・・・・・・オイルポンプ
47・・・・・・油溜め
55・・・・・・補助ポンプ
58・・・・・・ポンプ室

Claims (4)

  1. コンロッド(7)にピストンピン(6)を介して連結されるピストンインナ(5a)と,このピストンインナ(5a)の外周に軸方向にのみ摺動可能に嵌合して外端面を燃焼室(4a)に臨ませながら,前記ピストンインナ(5a)寄りの低圧縮比位置(L)及び燃焼室(4a)寄りの高圧縮比位置(H)間を移動し得るピストンアウタ(5b)とでピストン(5)を構成し,そのピストンインナ(5a)に,ピストンアウタ(5b)の低圧縮比位置(L)への移動を許容するリフト解除位置(A)及び,ピストンアウタ(5b)を高圧縮比位置(H)に保持するリフト位置(B)間を移動し得るリフト部材(171 )を設け,このリフト部材(171 )に,それを前記リフト解除位置(A)及びリフト位置(B)に作動する油圧式のアクチュエータ(201 )を連結し,このアクチュエータ(201 )の油圧室(251 )を切換弁(45)を介してオイルポンプ(46)及び油溜め(47)に接続した,内燃機関の圧縮比可変装置において,
    ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)間に,これらの軸方向相対移動に応動して油圧を吐出する補助ポンプ(55)を構成し,この補助ポンプ(55)の吐出油圧を前記アクチュエータ(201 )の油圧室(251 )に供給することを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記補助ポンプ(55)を,ピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の軸方向相対移動時の衝撃を緩和する緩衝機能を持つプランジャポンプで構成したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  3. 請求項1又は2記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記補助ポンプ(55)は,前記切換弁(45)によりオイルポンプ(46)が前記アクチュエータ(201 )の油圧室(251 )に接続されたときポンプ室(58)に作動油を導入し,その直後に生起するピストンインナ(5a)及びピストンアウタ(5b)の軸方向相対移動により吐出動作をして,その吐出油圧により前記アクチュエータ(201 )を作動することを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
  4. 請求項3記載の内燃機関の圧縮比可変装置において,
    前記オイルポンプ(46)の吐出圧力を前記補助ポンプ(55)の吐出圧力より低く設定すると共に,該補助ポンプ(55)のポンプ室(58)を前記アクチュエータ(201 )の油圧室(251 )に連通したことを特徴とする,内燃機関の圧縮比可変装置。
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