JP4084627B2 - 光造形方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光造形方法に係り、詳しくは、光硬化性樹脂を光ビームで露光して3次元モデルを造形する光造形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、3次元CAD(Computer Aided Design)システムの普及に伴い、3次元CADによりコンピュータ上の仮想空間に3次元形状を作成し、この3次元形状のCADデータに基づき、光硬化性樹脂を光ビームで露光して3次元モデルを造形する光造形システムが利用されている。この光造形システムでは、コンピュータ上でCADデータを所定間隔でスライスして複数の断面データを作成し、各断面データに基づいて液状の光硬化性樹脂の表面をレーザ光で走査して層状に硬化させ、樹脂硬化層を順次積層して3次元モデルを造形する。光造形方法としては、上方開放型の槽内に液状の光硬化性樹脂を貯留しておき、光硬化性樹脂の液面近くに配置した造形テーブルを樹脂の自由液面から順次沈下させながら樹脂硬化層を積層する自由液面法が広く知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
この光造形方法においては、光硬化性樹脂の硬化に伴う重合収縮、及び硬化時に発生した重合熱により高温となった樹脂が常温に冷却されて熱歪みによる硬化収縮が発生し、これら樹脂の硬化に伴う収縮により、造形物が歪み、造形精度が低下する、という問題がある。特に、複数の画素を含む領域を同時に露光(面露光)して平板状に硬化する場合には、光造形物が歪み、樹脂硬化層の積層方向に対して下側に凸に反ってしまう。
【0004】
造形物の歪みを抑制する方法としては、未硬化部分を残した層を形成し、上部層を硬化させる際に下層に在る未硬化部分を同時に硬化させて積層平板を形成する光造形法が提案されている(特許文献1参照)。この光造形法では、上部層の硬化に伴う収縮応力と未硬化部分の硬化に伴う収縮応力とが相殺され、歪みが抑制される。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−154924号公報
【非特許文献1】
丸山洋二,「光造形技術の基礎・現状・問題点」,型技術,平成4年,第7巻,第10号,p.18−23
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の光造形法では、未露光部分の硬化が徐々に進行するため、未露光部分での硬化が完了せず、未硬化部の強度の低下及びその下層との接合強度が低下する、という問題がある。
【0007】
また、非特許文献1記載の一般的な光造形方法においては、造形物の積層界面が平面上に形成される。この接合界面での接合強度が弱いため、界面は樹脂の持つ機械的強度よりも樹脂の結合力が弱い面が形成される。この結果、造形物の機械的強度が樹脂の持つ強度よりも低下する、という問題があった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、本発明の目的は、光造形物における歪みの発生を抑制して造形精度を向上させると共に、高強度の光造形物を得ることができる光造形方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、露光により光硬化性樹脂を硬化させた樹脂硬化層を積層して3次元モデルを造形する光造形方法であって、露光領域を多数個の画素に分割し、複数の画素を含む領域を同時に露光すると共に、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように、光ビームを画素毎に変調して露光し、未硬化部分を残した第1の層を形成する工程と、該第1の層上に、第2の層を形成するための光硬化性樹脂を充填する工程と、前記第1の層の未硬化部分と該未硬化部分に対応する画素とを同時に露光し、未硬化部分を残した第2の層を形成する工程と、を含んで構成したことを特徴とする。
【0010】
本発明の光造形方法では、まず、光硬化性樹脂の露光領域を多数個の画素に分割し、最初に、複数の画素を含む領域を同時に露光すると共に、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように、光ビームを画素毎に変調して露光し、未硬化部分を残した第1の層を形成する。これにより、同時に露光されなかった画素には、硬化収縮による歪みが伝播せず、光造形物における歪みの発生が抑制されて、造形精度が向上する。例えば、隣接する2個以上の画素が同時に露光されないように露光した後、未露光の画素を露光する場合には、硬化収縮による歪みは1画素の範囲でのみ生じ、隣接する画素には伝播しない。特に、高速露光時に顕著な効果を得ることができる。
【0011】
なお、隣接する画素とは、例えば画素形状が多角形の場合であれば1辺を共有する画素というように、2点以上で接触している画素を意味する。
【0012】
次に、未硬化部分を残した第1の層上に、第2の層を形成するための光硬化性樹脂を充填する。露光後の第1の層では、露光部分で樹脂が収縮する。新たな樹脂を充填せずに未硬化部分を露光したのでは、収縮により発生した空間に十分に樹脂を充填することができず、造形精度が低下する。これに対し、第2の層を形成するための光硬化性樹脂を充填した場合には、樹脂が未硬化部分に行き渡り、光造形物における歪みの発生が抑制されて、高精度での造形が可能となる。
【0013】
そして、第1の層の未硬化部分と該未硬化部分に対応する画素とを同時に露光し、未硬化部分を残した第2の層を形成する。即ち、第1の層の未硬化部分では第1の層と第2の層とが同時に硬化されるので、第1の層と第2の層との接合強度が向上する。また、単一層内で露光領域が分割されるだけではなく、2層について露光領域が立体的に分割されるので、露光歪みが立体的に吸収されると共に、凹凸を備えた接合界面が形成され、接合表面積が大きくなって、第1の層と第2の層との接合強度が向上する。これにより、造形物の強度が向上する。更に、2層同時に露光することで、走査回数が減り、造形速度が向上する。
【0014】
本発明の光造形方法において、上記の第1の層は、複数の樹脂硬化層が積層されて構成されていてもよい。この場合は、第1の層の未硬化部分では第2の層を含め3層以上が同時に露光されて硬化される。
【0015】
また、第1の層と第2の層とに限らず、第2の層と第3の層、第3の層と第4の層というように、繰り返し立体的に分割露光することができる。即ち、本発明の光造形方法は、露光領域を多数個の画素に分割し、複数の画素を含む領域を同時に露光すると共に、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように、光ビームを画素毎に変調して露光し、未硬化部分を残した第n番目(nは1以上の整数)の層を形成する工程と、該第n番目の層上に、第n+1番目の層を形成するための光硬化性樹脂を充填する工程と、前記第n番目の層の未硬化部分と該未硬化部分に対応する画素とを同時に露光し、未硬化部分を残した第n+1番目の層を形成する工程と、を含んで構成することができる。
【0016】
なお、空間的に変調された光で、光硬化性樹脂の所定領域を同時に露光することが好ましい。多数のチャンネルで露光することにより、パワーが分散され、露光歪みが抑制される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の光造形方法の実施の形態を詳細に説明する。
[光造形装置の構成]
本発明の実施の形態で使用する光造形装置は、図1に示すように、上方に開口した容器156を備えており、容器156内には液状の光硬化性樹脂150が収容されている。また、容器156内には、平板状の昇降ステージ152が配置されており、この昇降ステージ152は、容器156外に配置された支持部154に支持されている。支持部154には、雄ねじ部154Aが設けられており、この雄ねじ部154Aは、図示しない駆動モータにより回転可能とされたリードスクリュー155が螺合されている。このリードスクリュー155の回転に伴い、昇降ステージ152が昇降される。
【0018】
容器156内に収容された光硬化性樹脂152の液面上方には、箱状のスキャナ162がその長手方向を容器156の短手方向に向けて配置されている。スキャナ162は、短手方向の両側面に取り付けられた2本の支持アーム160により支持されている。なお、スキャナ162は、これを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0019】
また、容器156の長手方向の両側面には、副走査方向に延びたガイド158が各々設けられている。2本の支持アーム160の下端部が、このガイド158に副走査方向に沿って往復移動可能に取り付けられている。なお、この光造形装置には、支持アーム160と共にスキャナ162をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置が設けられている。
【0020】
スキャナ162は、図2に示すように、(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、容器156の短手方向の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0021】
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、スキャナ162の移動に伴い、光硬化性樹脂152の液面には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域(硬化領域)170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0022】
また、図3(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本実施の形態では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0023】
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図4に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、SRAMセル(メモリセル)上に、微小ミラー(マイクロミラー)が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば、600個×800個)の微小ミラーを格子状に配列して構成された矩形状のミラーデバイスである。DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラーの傾きを制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラーの傾き方向へ反射される。
【0024】
このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた図示しないコントローラに接続されている。このコントローラのデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、副走査方向に一部のマイクロミラー列(例えば、1000×200列)を制御してもよい。
【0025】
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69が配置されている。
【0026】
レンズ系67は、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を平行光化するレンズ71、平行光化されたレーザ光の光量分布が均一になるように補正する1対の組合せレンズ73、及び光量分布が補正されたレーザ光をDMD上に集光する集光レンズ75で構成されている。組合せレンズ73は、レーザ出射端の配列方向に対しては、レンズの光軸に近い部分は光束を広げ且つ光軸から離れた部分は光束を縮め、且つこの配列方向と直交する方向に対しては光をそのまま通過させる機能を備えており、光量分布が均一となるようにレーザ光を補正する。
【0027】
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光を光硬化性樹脂150の走査面(被露光面)56上に結像するレンズ系54、58が配置されている。レンズ系54及び58は、DMD50と被露光面56とが共役な関係となるように配置されている。
【0028】
ファイバアレイ光源66は、図15(A)に示すように、複数(例えば、6個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が同軸的に結合され、図15(C)に示すように、光ファイバ31の出射端部(発光点)が副走査方向と直交する主走査方向に沿って1列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。なお、図15(D)に示すように、発光点を主走査方向に沿って2列に配列することもできる。
【0029】
この例では、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように1列に配列されている。
【0030】
光ファイバ31の出射端部は、図15(B)に示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、光ファイバ31の光出射側には、光ファイバ31の端面を保護するために、ガラス等の透明な保護板63が配置されている。
【0031】
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。
【0032】
本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=25μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=25μm、NA=0.2である。
【0033】
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。本実施の形態では、後述する通り、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光を用いるので、クラッド径を例えば60μmと小さくして高輝度化を図ることができる。
【0034】
レーザモジュール64は、図16に示す合波レーザ光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。
【0035】
なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
【0036】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
【0037】
上記の合波レーザ光源は、図17及び図18に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
【0038】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0039】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0040】
なお、図18においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0041】
図19は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図19の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0042】
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0043】
従って、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0044】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f2=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0045】
このレーザモジュール64では、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
【0046】
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0047】
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
【0048】
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、本実施の形態で使用する合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができ、高速造形が可能である。
【0049】
[光造形方法]
次に、上記光造形装置を使用した光造形方法について説明する。本実施の形態では、第1の層の露光領域を多数個の画素に分割し、隣接する2個以上の画素が同時に露光されないように露光した後、第2の層を形成するための光硬化性樹脂を充填し、第1の層の未露光の画素を第2の層と共に露光して硬化させ、平板状の光造形物を得る例について説明する。
【0050】
図5(A)に示すように、露光エリア168は多数個の画素に分割され、これら多数個の画素は、相互に隣接しない画素102で構成される第1のグループと、相互に隣接しない画素104で構成される第2のグループの2つのグループに分けられている。なお、最小単位である1つの画素の画素径は、通常25μm〜50μm程度(画素面積に換算すると、6.25×10-4mm2〜25.0×10-4mm2程度)であり、同じグループに属する隣接する2つの画素の間隔も、通常25μm〜50μm程度である。
【0051】
図5(A)には、露光エリア168の一部を示すが、例えば100万(1000×1000)画素のDMDを備えた露光ヘッド166を用いた場合には、DMDの画素数に応じて露光エリア168を100万個の画素に分割することができる。逆に、個々の光ビームのスポット径(画素径)を50μmとすると、露光エリア168の面積は50mm×50mmである。
【0052】
また、この例では、画素102と画素104とは市松模様を構成するように交互に配列されている。露光エリア168に対応して露光ヘッド166に入力される画像データは、第1のグループに属する画素102を露光するための第1の画像データ、及び第2のグループに属する画素104を露光するための第2の画像データの2種類の画像データに変換されている。
【0053】
以下、光造形方法の各工程を順を追って説明する。スキャナ162の各露光ヘッド166において、第1の画像データが、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0054】
スキャナ162は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿って副走査方向の上流側から下流側に一定速度で移動される。スキャナ162の移動が開始されると、フレームメモリに記憶された第1の画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された第1の画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
【0055】
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により光硬化性樹脂150の液面(被露光面)56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、光硬化性樹脂150の第n層がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光されて硬化する。また、スキャナ162が一定速度で移動されることにより、光硬化性樹脂150の液面が副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の硬化領域170が形成される。
【0056】
これにより、図5(B)及び図6(A)に示すように、第n層の露光エリア168を構成する第1のグループに属する画素102が露光されて硬化する。一方、第2のグループに属する画素104は未硬化のままである。
【0057】
スキャナ162による1回の副走査により第n層の部分硬化が終了すると、スキャナ162は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿って最上流側にある原点に復帰する。次に、図示しない駆動モータによりリードスクリュー155を回転させて昇降ステージ152を所定量降下させ、光硬化性樹脂150の硬化部分(光造形物)を液面下に沈める。
【0058】
昇降ステージ152を所定量降下させることで、図6(B)に示すように、第n層の硬化部分上方が液状の光硬化性樹脂150で満たされる。即ち、第n層の硬化部分上には、第n+1層の樹脂が充填される。これにより、露光部分で樹脂が収縮しても、収縮により発生した空間に樹脂が行き渡り、光造形物の歪みの発生が抑制される。高精度の造形を行うために、ここで光硬化性樹脂150の液面をブレードで掃引して、露光面を平滑化する。
【0059】
次に、第2の画像データが、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力されると、スキャナ162による第n+1層の副走査が行われる。これにより、図5(C)及び図6(C)に示すように、第2のグループに属する画素104が、第n層及び第n+1層の2層に亘って露光されて硬化する。即ち、第n層については、画素と画素との隙間が埋められ、第n+1層については、第2のグループに属する画素104が露光されて硬化するが、第1のグループに属する画素102は未硬化のままである。このように、第n層と第n+1層とは相互に噛み合う様に積層される。また、凹凸状の接合界面が形成されることで、第n層と第n+1層との接合表面積が大きくなる。これらにより、第n層と第n+1層との接合強度が向上する。
【0060】
第n+1層の部分硬化が終了すると、昇降ステージ152を所定量降下させ、第n+1層の硬化部分上に第n+2層の樹脂を充填し、露光面を平滑化する。そして、第1の画像データが、図示しないコントローラに入力され、スキャナ162による第n+2層の副走査が行われる。これにより、図6(D)に示すように、第1のグループに属する画素102が、第n+1層及び第n+2層の2層に亘って露光されて硬化する。即ち、第n+1層については、画素と画素との隙間が埋められ、第n+2層については、第1のグループに属する画素102が露光されて硬化するが、第2のグループに属する画素104は未硬化のままである。このように、副走査による露光(硬化)とステージの降下とを繰り返し行い、硬化部分が積み重ねられて3次元モデルが形成される。
【0061】
以上の通り、本実施の形態では、凹凸を備えた接合界面が形成されるように第n層が部分的に硬化されると共に、第n層の未硬化部分では第n層と第n+1層とが同時に硬化されるので、第n層と第n+1層との接合強度が向上する。また、同様に第n+1層が部分的に硬化されると共に、第n+1層の未硬化部分では第n+1層と第n+2層とが同時に硬化されるので、第n+1層と第n+2層との接合強度が向上する。これにより、造形物の強度が向上する。また、単一層内で露光領域が分割されるだけではなく、隣接する2層について露光領域が立体的に分割されるので、露光歪みが立体的に吸収される。更に、2層同時に露光することで、走査回数が減り、造形速度が向上する。
【0062】
また、本実施の形態では、1回目に同時に露光される第1のグループの画素同士は相互に隣接しておらず、2回目に同時に露光される第2のグループの画素同士も相互に隣接していない。このように隣接する画素は同時に露光されることが無いので、隣接する画素に硬化収縮による歪みが伝播しない。即ち、露光領域全体を同時に露光する場合には、硬化収縮による歪みは露光領域を伝播するに従い大きくなり、相当の歪みが発生することになるが、本実施の形態では、硬化収縮は1画素の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素には伝播しない。例えば、本実施の形態では、隣接する2個以上の画素が同時に露光されないように露光されることになるが、1つの画素の面積は6.25×10-4mm2〜25.0×10-4mm2程度であり、歪みの発生が十分に抑制される。
【0063】
また、本実施の形態では、未硬化部分を残して硬化させた層上に、次の硬化層を形成するための光硬化性樹脂を充填するので、露光により硬化した画素の収縮部に未硬化樹脂が十分に供給され、光造形物における歪みの発生が抑制される。これにより、高精度での造形が可能となる。
【0064】
また、DMDを備えた露光ユニットにより、所定面積の領域を同時に露光するので、高速での造形が可能となると共に、多数のチャンネルで露光することにより、パワーが分散され、露光歪みが抑制される。
【0065】
[他の露光パターン]
なお、上記の実施の形態では、同時に露光されない2種類の画素を、個々の画素が市松模様を構成するように交互に配列した例について説明したが、露光パターンはこれに限定されない。例えば、以下の変形例を挙げることができる。
【0066】
(パターン1)
図7に示すように、露光領域168を多数個の画素に分割し、この多数個の画素を、隣接する2個の画素からなる画素群106で構成される第1のグループと、隣接する2個の画素からなる画素群108で構成される第2のグループの2つのグループに分けて露光する。画素群106と画素群108とは、同じグループに属する画素群同士が相互に隣接することが無いように配列されると共に、2種類の画素群が市松模様を構成するように交互に配列されているので、隣接する画素群は同時に露光されることが無く、隣接する画素群に硬化収縮による歪みが伝播しない。即ち、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。なお、パターン1では、各画素群が2個の画素から構成される例について説明したが、各画素群を3以上の画素から構成することもできる。
【0067】
(パターン2)
画素群の形状も正方形や長方形には限定されず、その他の多角形や多角形を組合わせて構成した形状であってもよい。例えば、図8に示すように、露光領域168を多数個の画素に分割し、この多数個の画素を、中心画素とその4近傍の画素の5個の画素からなる十二角形の画素群110で構成される第1のグループと、同じく中心画素とその4近傍の画素の5個の画素からなる画素群112で構成される第2のグループの2つのグループに分けて露光する。この場合にも、画素群110と画素群112とは、同じグループに属する画素群同士が相互に隣接することが無いように交互に配列されているので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。
【0068】
(パターン3)
また、図9に示すように、露光領域168を多数個の画素に分割し、この多数個の画素を、中心画素とその8近傍の画素の9個の画素からなる画素群114で構成される第1のグループと、同じく中心画素とその8近傍の画素の9個の画素からなる画素群116で構成される第2のグループの2つのグループに分けて露光する。この場合にも、画素群114と画素群116とは、同じグループに属する画素群同士が相互に隣接することが無いように交互に配列されているので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。
【0069】
(パターン4)
パターン1〜3では2つのグループに属する画素群の各々が同じ形状である例について説明したが、2つのグループに属する画素群の形状が同じである必要はなく異なる形状であってもよい。例えば、図10に示すように、露光領域168を多数個の画素に分割し、5×5の隣接する25個の画素からなる画素群118、画素群118とは隣接しない画素120、及び1列に配列された5個の画素からなる画素群122とし、この多数個の画素を、画素群118及び画素120で構成される第1のグループと、画素群122で構成される第2のグループの2つのグループに分けて露光する。
【0070】
この場合には、1回目に同時に露光される第1のグループに属する画素群同士(画素群118同士)または画素群と画素(画素群118と画素120)が、相互に隣接することが無いように交互に配列されているので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。また、2回目に同時に露光される第2のグループに属する画素群同士(画素群122同士)も相互に隣接することが無いように交互に配列されているので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。
【0071】
(パターン5)
図11に示すように、露光領域168を多数個の画素に分割し、この多数個の画素を、隣接する25個の画素からなる画素群124で構成される第1のグループと、残りの隣接する画素からなる単一の画素群126で構成される第2のグループの2つのグループに分けて露光する。この場合にも、隣接する画素群は同時に露光されることが無いので、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。即ち、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。また、第2のグループに含まれる画素群は、残りの隣接する画素から構成されているが、1回目の露光時に露光領域の大部分が露光されているので、2回目の露光時に残りの隣接する画素が同時に露光されても、大きな歪みを生じることが無い。これにより光造形物における歪みの発生が顕著に抑制されて、高精度での造形が可能となる。
【0072】
なお、パターン5では、1回目に露光される画素群124を格子状に配列する例について説明したが、例えば、図12に示すように、隣接する25個の画素からなる画素群128の列方向の配列ピッチを隔行毎に半分ずらして配列してもよい。なお、画素群130は、残りの隣接する画素からなる単一の画素群である。
【0073】
(変形例6)
また、パターン5では、第2のグループに含まれる画素群が、残りの隣接する画素から構成された単一の画素群である例について説明したが、第2のグループを相互に隣接しない画素で構成することもできる。例えば、図13に示すように、正方形の露光領域100は多数個の画素に分割され、この多数個の画素は、隣接する13個の画素からなる画素群132で構成される第1のグループと、相互に隣接しない残りの画素134で構成される第2のグループの2つのグループに分けられている。
【0074】
この場合にも、1回目に同時に露光される第1のグループに属する画素群132同士は、相互に隣接することが無いように千鳥状に配列されているので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素群の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素群には伝播しない。また、2回目に同時に露光される第2のグループに属する画素134同士も、相互に隣接していないので、隣接する画素群が同時に露光されず、硬化収縮は1つの画素の範囲でのみ生じ、硬化収縮による歪みは隣接する画素には伝播しない。
【0075】
(変形例7)
上記の実施の形態では、同時に露光される画素群を均等に分散配置した例について説明したが、画素群の配置方法によっても歪み抑制効果が変化する。例えば、図14に示すように、露光領域にスパイラル状に配列した画素からなる画素群の場合には、同時に露光される画素群の画素数が大きくても、良好な歪み抑制効果を得ることができる。
【0076】
上記の実施の形態及び変形例1〜6では、露光領域を100万画素に分割すると共に、同時に露光される画素群の画素数が25個以下である例について説明したが、同時に露光される画素群の画素数は、露光領域の全画素数の少なくとも75%以下とすることが好ましい。
【0077】
例えば、露光領域を100万個の画素に分割した場合には、同時に露光される1つの画素群は75万個以下の画素で構成することができる。露光領域を2つに分けて、1つの領域を露光した後に、残る1つの領域を露光するようにすれば、全露光領域を1度に露光する場合に比べて歪みの発生が抑制されるが、同時に露光される画素群の画素数が、露光領域の全画素数の75%を超えたのでは、露光領域を分割したことによる歪み抑制効果が十分に得られない。
【0078】
また、露光領域の画素数をyとしたとき、所定個nは下記式を満たすように決定することがより好ましい。例えば、露光領域の画素数を100万画素とすると、隣接する100個以上の画素が同時に露光されないように露光する。
【0079】
【数1】
Figure 0004084627
【0080】
前記所定個は2個〜26個とするのが特に好ましい。同時に露光される1つの画素群に含まれる画素の個数を所定範囲とすることで、硬化収縮による歪みはこの範囲でのみ生じ、隣接する画素には伝播しない。
【0081】
なお、最初の露光で未露光であった画素を露光する場合にも、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように露光することが好ましいが、この場合にも、隣接する所定個未満の画素数を、露光領域の全画素数の少なくとも75%以下とすることが好ましい。
【0082】
[その他の変形例]
上記の実施の形態では、画素形状を正方形としたが、画素形状が相違しても同様の効果を得ることができる。画素形状は正方形には限られず、三角形、六角形、八角形等の多角形状でもよい。
【0083】
また、上記の実施の形態では、特定の光造形装置を使用して本発明の光造形方法を実施する例について説明したが、複数の画素を含む露光領域を同時に複数の光ビームで露光(面露光)することができる光造形装置であれば、他の光造形装置を用いて本発明の光造形方法を実施することができる。
【0084】
上記の実施の形態では、空間変調素子としてデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)を備えた露光ユニットを用いる例について説明したが、空間変調素子として回折格子光バルブ(GLV:Grating Light Valve)を備えたGLV及び可動ミラーからなる露光ユニットを用いることもできる。GLVは線方向での変調に適しており、光源とGLVを主走査方向に配列したGLVアレイとを用いて露光手段を構成してもよい。この場合、GLVアレイが主走査方向と交差する副走査方向に移動するように、露光手段を光硬化性樹脂の表面に対し相対移動させる、直動位置決め機構等の移動手段または可動ミラーのような走査手段を設けることが好ましい。GLV及び可動ミラーからなる露光ユニットによっても所定面積の領域を同時に露光することができ、高速での造形が可能になる。
【0085】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光造形物における歪みの発生が抑制されて造形精度が向上すると共に、高強度の光造形物を得ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光造形装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す光造形装置のスキャナの構成を示す斜視図である。
【図3】(A)は液面に形成される露光済み領域を示す平面図であり、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図である。
【図4】図1に示す光造形装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図である。
【図5】(A)は露光領域の露光パターンの1例を示す平面図であり、(B)は(A)の画素102を露光した後の状態を示す斜視図であり、(C)は(A)の画素104を露光した後の状態を示す斜視図である。
【図6】(A)〜(D)は、光造形工程に沿った図5(A)のAA線断面図である。
【図7】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図8】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図9】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図10】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図11】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図12】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図13】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図14】露光領域の露光パターンの他の1例を示す平面図である。
【図15】(A)はファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、(B)は(Aの部分拡大図であり、(C)及び(D)はレーザ出射部における発光点の配列を示す平面図である。
【図16】合波レーザ光源の構成を示す平面図である。
【図17】レーザモジュールの構成を示す平面図である。
【図18】図17に示すレーザモジュールの構成を示す側面図である。
【図19】図17に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。
【符号の説明】
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
66 ファイバアレイ光源
102、104 画素
150 光硬化性樹脂
152 昇降ステージ
156 容器
158 ガイド
162 スキャナ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域

Claims (4)

  1. 露光により光硬化性樹脂を硬化させた樹脂硬化層を積層して3次元モデルを造形する光造形方法であって、
    露光領域を多数個の画素に分割し、複数の画素を含む領域を同時に露光すると共に、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように、光ビームを画素毎に変調して露光し、未硬化部分を残した第1の層を形成する工程と、
    該第1の層上に、第2の層を形成するための光硬化性樹脂を充填する工程と、
    前記第1の層の未硬化部分と該未硬化部分に対応する画素とを同時に露光し、未硬化部分を残した第2の層を形成する工程と、
    を含む光造形方法。
  2. 前記第1の層を、複数の樹脂硬化層を積層して構成した請求項1に記載の光造形方法。
  3. 露光により光硬化性樹脂を硬化させた樹脂硬化層を積層して3次元モデルを造形する光造形方法であって、
    露光領域を多数個の画素に分割し、複数の画素を含む領域を同時に露光すると共に、隣接する所定個以上の画素が同時に露光されないように、光ビームを画素毎に変調して露光し、未硬化部分を残した第n番目(nは1以上の整数)の層を形成する工程と、
    該第n番目の層上に、第n+1番目の層を形成するための光硬化性樹脂を充填する工程と、
    前記第n番目の層の未硬化部分と該未硬化部分に対応する画素とを同時に露光し、未硬化部分を残した第n+1番目の層を形成する工程と、
    を含む光造形方法。
  4. 空間光変調素子により変調された光で光硬化性樹脂の所定領域を同時に露光する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光造形方法。
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