JP2004284236A - 画像記録装置 - Google Patents

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Hiromi Ishikawa
弘美 石川
Yuji Shimoyama
裕司 下山
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Abstract

【課題】記録媒体を記録光に対して連続的に相対移動させて副走査を行う画像記録装置において、副走査方向の画素幅が太ることを防止する。
【解決手段】照射された光Bを変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子50と、この空間光変調素子50に光を照射する光源66と、空間光変調素子50で変調された光Bの光路に配置された結像光学系51と、この結像光学系51による結像位置に配された記録媒体150を該結像光学系51に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向Yに連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、空間光変調素子50の1画素書込み期間内に、前記光源66を該書込み期間よりも短い時間で1回だけパルス状に駆動させる。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像記録装置、特に詳細には、空間光変調素子で変調された光を記録媒体に照射して、この変調された光による像を該記録媒体に記録する画像記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のように空間光変調素子で変調された光を結像光学系に通して、この光による像を感光性記録媒体上に結像させ、それにより該記録媒体に画像を記録する画像記録装置が公知となっている。この種の画像記録装置は、基本的に、照射された光を変調する複数の画素部が1次元あるいは2次元状に並設されてなる空間光変調素子と、この空間光変調素子に光を照射する光源と、上記空間光変調素子により変調された光の光路に配置された結像光学系とを備えてなるものである。
【0003】
またこの種の画像記録装置は、多くの場合、記録媒体を副走査送りしながら変調光を照射することにより、大きな記録サイズを確保するように構成される。すなわちその場合、空間光変調素子としては複数の画素部が少なくとも1列に(1次元状に)並設されてなるものが用いられ、その上で、結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、上記画素部の並設方向と交わる方向に相対移動させる副走査手段が設けられる。
【0004】
なお特許文献1には、このように記録媒体を副走査送りする構成を有する画像記録装置の一例が示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−202442号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように記録媒体を副走査送りする画像記録装置においては、空間光変調素子の1画素書込み期間内に、変調された記録光に対して記録媒体が相対移動するので、記録される画素の幅がこの相対移動方向(副走査方向)に太ってしまうことになる。そうであると、記録光がボケるのと同じように、記録画像の解像力が損なわれる。この傾向は、当然、副走査速度が大きいほど顕著に現れる。
【0007】
このような問題を防止するために、従来、記録媒体をステップ送りして副走査を行うことも考えられている。これは、空間光変調素子の1画素書込み期間には記録媒体の副走査送りを停止し、書込みが終了したならば引き続き記録媒体を微小量だけ副走査送りする、という工程を繰り返すものである。
【0008】
しかし、このように記録媒体をステップ送りして副走査する場合は、記録媒体を連続的に移動させて副走査を行う場合と比べて、画像記録に時間がかかる、記録媒体の位置ずれが発生しやすい、といった問題が認められる。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、記録媒体を記録光に対して連続的に相対移動させて副走査を行っても、副走査方向の画素幅が太ることを防止できる画像記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の画像記録装置は、前述したように、
照射された光を変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子と、
この空間光変調素子に光を照射する光源と、
前記空間光変調素子で変調された光の光路に配置された結像光学系と、
この結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向に連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、
前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記光源を該書込み期間よりも短い時間で1回だけパルス状に駆動させるパルス駆動回路が設けられたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明による第2の画像記録装置は、上記第1の画像記録装置におけるパルス駆動回路に代えて、空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記光源を該書込み期間よりも短い時間に亘り複数回パルス状に駆動させるパルス駆動回路が設けられ、その他の点は第1の画像記録装置と同様に構成されたものである。
【0012】
なお、この本発明による第1および第2の画像記録装置において、好ましくは前記光源として半導体レーザからなるものが用いられ、そして前記パルス駆動回路は、該半導体レーザをパルス状に駆動させない期間も、該半導体レーザに発振しきい値未満のバイアス電流を供給しておくように構成される。またその場合、上記半導体レーザとしては特にGaN系半導体レーザが好適に用いられる。
【0013】
一方、本発明による第3の画像記録装置は、上記と同様の空間光変調素子と、光源と、結像光学系と、副走査手段とからなる画像記録装置において、前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記結像光学系を経て前記記録媒体に照射される光を、該記録媒体の相対移動と同期させてそれと同方向に移動させる手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0014】
なお、上述の「記録媒体の相対移動・・・と同方向」ということは、上記光をその光路中の任意の部分においてある方向に移動させたとき、それにより記録媒体上でこの光が記録媒体の相対移動(副走査)と同方向に移動するという光学的な対応を意味するものである。つまり光路が折れ曲がっている等の場合は、絶対的な方向で考えると、必ずしも該光の移動方向と記録媒体の相対移動方向とが一致していないこともあり得るが、そのような場合も含めて上記の通り表現するものとする(以下、同様)。
【0015】
また、上記の光を移動させる手段としては、前記結像光学系内に配置されたマイクロレンズアレイを移動させるものを好適に用いることができる。
【0016】
また、本発明による第4の画像記録装置は、上記と同様の空間光変調素子と、光源と、結像光学系と、副走査手段とからなる画像記録装置において、
前記光源として、前記記録媒体上でその副走査方向に亘る別の位置を互いに独立して照射可能な複数組の光源が用いられるとともに、
前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記複数組の光源を、前記記録媒体の相対移動に伴って光照射位置が該相対移動方向上流側から下流側に移行するように順次選択的に駆動させる光源駆動制御手段が設けられたことを特徴とするものである。
【0017】
なお、この本発明による第4の画像記録装置においては、上記複数組の光源の各々が、1列に並設された光ファイバと、該光ファイバにレーザ光を入射させる半導体レーザとから構成され、その上で、上記光源駆動制御手段が、上記半導体レーザを順次選択駆動させるものとして構成されるのが望ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明による第1の画像記録装置においては、空間光変調素子の1画素書込み期間内に、光源を該書込み期間よりも短い時間で1回だけパルス状に駆動させるパルス駆動回路が設けられたことにより、空間光変調素子の作動だけで画像記録する場合と比べて、1画素書込みの光照射時間がより短いものとなる。したがって、記録媒体がより短い距離だけ副走査送りされている間に1画素書込みが完了するので、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を記録可能となる。
【0019】
以上の効果は、光源を上記書込み期間よりも短い時間に亘り複数回パルス状に駆動させるように構成した第2の画像記録装置においても、同様に得られるものである。
【0020】
なお、この本発明による第1および第2の画像記録装置において、特に光源として半導体レーザからなるものが用いられ、そしてパルス駆動回路が、該半導体レーザをパルス状に駆動させない期間も、該半導体レーザに発振しきい値未満のバイアス電流を供給しておくように構成された場合は、半導体レーザの立ち上がり特性が良好になる。
【0021】
なお、光源を上述のように短い時間で1回だけパルス状に駆動する場合は、光源を連続的に駆動させておく場合と比べて、記録媒体に照射する光のエネルギが不足がちになるので、レーザパワーを大きくしておくことが必要になる。GaN系半導体レーザは、GaAs系半導体レーザ等と比べると光損傷に対してより強いので、レーザパワーを大きく設定して使用可能であり、上記の要求を満たす上で特に好ましいと言える。
【0022】
また、本発明による第3の画像記録装置においては、空間光変調素子の1画素書込み期間内に、結像光学系を経て記録媒体に照射される光を、該記録媒体の相対移動と同期させてそれと同方向に移動させる手段が設けられたことにより、1画素書込みのための光照射は相対移動する記録媒体を追いかける形でなされ、記録媒体のほぼ一定の個所に光が照射されるようになる。そこで本装置においても、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を記録可能となる。
【0023】
なお通常は、記録媒体に照射される光を1画素書込み期間内に上述のように移動させたなら、次の1画素書込み期間に入る前に、この光を最初の位置まで戻しておくようにする。
【0024】
また、本発明による第4の画像記録装置においては、記録媒体上でその副走査方向に亘る別の位置を互いに独立して照射可能な複数組の光源が用いられるとともに、空間光変調素子の1画素書込み期間内に、上記複数組の光源を、記録媒体の相対移動に伴って光照射位置が該相対移動方向上流側から下流側に移行するように順次選択的に駆動させる光源駆動制御手段が設けられたことにより、1画素書込みのための光照射は相対移動する記録媒体に追随するように位置を変えて複数回に分けて行われ、そこで記録媒体のほぼ一定に近い個所に光が照射されるようになる。したがって本装置においても、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を記録可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
まず、本発明の第1の実施形態による画像露光装置について説明する。
【0027】
[露光装置の構成]
この第1実施形態の画像露光装置は、図1に示すように、シート状の感光材料150を表面に吸着して保持する平板状の移動ステージ152を備えている。4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、この露光装置には、副走査手段としてのステージ152をガイド158に沿って駆動する後述のステージ駆動装置304(図15参照)が設けられている。
【0028】
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側には感光材料150の先端および後端を検知する複数(例えば2個)のセンサ164が設けられている。スキャナ162およびセンサ164はゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162およびセンサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
【0029】
スキャナ162は、図2および図3(B)に示すように、m行n列(例えば3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、感光材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置してある。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
【0030】
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、感光材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
【0031】
また、図3(A)および(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
【0032】
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図4および図5に示すように、入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。このDMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた後述のコントローラ302(図15参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、画像データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御については後述する。
【0033】
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、このレンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお図4では、レンズ系67を概略的に示してある。
【0034】
上記レンズ系67は、図5に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光Bを平行光化するコリメーターレンズ71、このコリメーターレンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッドインテグレータ72、およびこのロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置されたフィールドレンズ74から構成されている。ロッドインテグレータ72は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。本例のロッドインテグレータ72のサイズは、直径1.0mm×長さ3.5mmである。なおこのロッドインテグレータ72に代えて、微小レンズセルが縦横に多数配置されてなるマイクロフライアイレンズを用いることもできる。
【0035】
上記レンズ系67から出射したレーザ光Bはミラー69で反射し、TIRプリズム(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお図4では、このTIRプリズム70は省略してある。
【0036】
またDMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、記録媒体としての感光材料150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は図4では概略的に示してあるが、図5に詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。上記のマイクロレンズアレイ55は、DMD50の各画素に対応する多数のマイクロレンズ55aが配置されてなるものである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11のものである。またアパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ59aが形成されてなるものである。
【0037】
上記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.67倍に拡大して感光材料150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が5倍に拡大して感光材料150上に結像、投影されることになる。
【0038】
なお本例では、第2結像光学系と感光材料150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図5中で上下方向に移動させることにより、感光材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、感光材料150は矢印Y方向に副走査送りされる。
【0039】
DMD50は図6に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、微小ミラー(マイクロミラー)62が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば1024個×768個)の微小ミラーを格子状に配列して構成されたミラーデバイスである。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上である。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
【0040】
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図7(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図7(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、画像信号に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図6に示すように制御することによって、DMD50に入射された光はそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
【0041】
なお図6には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された上記コントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62により光ビームが反射される方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
【0042】
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図8(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図8(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
【0043】
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば756組)配列されているが、図8(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
【0044】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上が重ねて露光(多重露光)されることになる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、主走査方向に配列された複数の露光ヘッドの間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差無くつなぐことができる。
【0045】
なお、DMD50を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を副走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配置しても、同様の効果を得ることができる。
【0046】
ファイバアレイ光源66は図9aに示すように、複数(例えば14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図9bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
【0047】
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図9bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
【0048】
本実施の形態では図10に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cm程度のクラッド径が小さい光ファイバ31が同軸的に結合されている。それらの光ファイバ30,31は、それぞれのコア軸が一致する状態で光ファイバ31の入射端面を光ファイバ30の出射端面に融着することにより結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
【0049】
マルチモード光ファイバ30および光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、および複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本例では、マルチモード光ファイバ30および光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
【0050】
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
【0051】
レーザモジュール64は、図11に示す合波レーザ光源(ファイバ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,およびLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16および17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30とから構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個に限定されるものではなく、その他の個数が採用されてもよい。また、上述のような7個のコリメータレンズ11〜17に代えて、それらのレンズが一体化されてなるコリメータレンズアレイを用いることもできる。
【0052】
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
【0053】
上記の合波レーザ光源は、図12および図13に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作成されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、それらによって形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
【0054】
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
【0055】
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、そこにコリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
【0056】
なお、図13においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
【0057】
図14は、上記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図14の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
【0058】
一方GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザ光B1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
【0059】
したがって、各発光点から発せられたレーザ光B1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザ光B1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
【0060】
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
【0061】
次に図15を参照して、本実施の形態における電気的な構成について説明する。ここに示されるように全体制御部300には変調回路301が接続され、該変調回路301にはDMD50を制御するコントローラ302が接続されている。また全体制御部300には、レーザモジュール64を駆動するパルス駆動回路303が接続されている。さらにこの全体制御部300には、前記ステージ152を駆動するステージ駆動装置304が接続されている。
【0062】
[露光装置の動作]
次に、上記露光装置の動作について説明する。スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7(図11参照)の各々から発散光状態で出射したレーザ光B1,B2,B3,B4,B5,B6,およびB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザ光B1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面上で収束する。
【0063】
本例では、コリメータレンズ11〜17および集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。すなわち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザ光B1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザ光Bに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
【0064】
各レーザモジュールにおいて、レーザ光B1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザ光Bを得ることができる。したがって、14本のマルチモード光ファイバ31全体では、2.52W(=0.18W×17)の出力のレーザ光Bが得られる。
【0065】
画像露光に際しては、図15に示す変調回路301から露光パターンに応じた画像データがDMD50のコントローラ302に入力され、そのフレームメモリに一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0066】
感光材料150を表面に吸着したステージ152は、図15に示すステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられたセンサ164により感光材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて各露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。なお本例の場合、1画素部となる上記マイクロミラーのサイズは14μm×14μmである。
【0067】
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58により感光材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、感光材料150がDMD50の使用画素数と略同数の画素単位(露光エリア168)で露光される。また、感光材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、感光材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、各露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
【0068】
なお本実施の形態では、図16(A)および(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、コントローラ302により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
【0069】
この場合、図16(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図16(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
【0070】
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する画素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の画素を全部使用する必要はない。
【0071】
スキャナ162による感光材料150の副走査が終了し、センサ164で感光材料150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
【0072】
ここで、感光材料150に照射されるレーザ光Bの形状が図17(A)に示すようなものである場合、該レーザ光Bが照射されている間に感光材料150が副走査送りされると、実際にこの感光材料150に露光される画素形状は同図(B)にBDで示すように副走査方向に太ったものとなってしまう。以下、この画素幅(露光幅)の太りを抑制する点について説明する。
【0073】
図15に示したパルス駆動回路303は、各レーザモジュール64を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7を、DMD50の1画素書込み期間内に、該書込み期間よりも短い時間で1回だけパルス状に駆動させる。図18は、このパルス駆動の様子を示すものである。同図(A)中にTで示すのがクロックパルスCLKによって規定される1画素周期であり、DMD駆動波形を示す同図(B)にTで示すのが、DMD50の1画素書込み期間つまりそのマイクロミラー62が前述のオン状態になっている期間であり、またTで示すのがリセット期間である。なお同図(B)の波形は、上記マイクロミラー62がオン、オン、オフ、オン状態とされる場合の例を示している。
【0074】
従来、この種の露光装置において、GaN系半導体レーザLD1〜LD7等からなる光源は連続駆動されていたので、DMD50の1画素書込み期間がそのまま感光材料150にレーザ光Bが照射される期間となっていた。それに対して本実施の形態では同図(C)にレーザ駆動波形を示すように、GaN系半導体レーザLD1〜LD7をDMD50の1画素書込み期間内に、該書込み期間よりも短い時間Tで1回だけパルス状に駆動させているので、感光材料150にレーザ光Bが照射される期間は従来装置と比べてより短いTとなる。こうして、感光材料150がより短い距離だけ副走査送りされている間に1画素書込みが完了するので、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を露光可能となる。
【0075】
具体的に説明すると、本実施の形態では1画素書込み期間T=50μs(マイクロ・秒)で、副走査速度はその間に感光材料150が2μm進む速度つまり40mm/sである。一方マイクロレンズアレイ55の焦点位置でのレーザ光Bのビーム径は4μmである。これは、ファイババンドルからなるレーザ出射部68の副走査方向の発光幅154μmを縮小して結像した大きさ2μmと、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aのNAで決まる回折による広がり2μmとの重ね合わせである。そしてレーザ光Bのビーム径は、前記第2結像光学系で1.67倍に拡大されて、感光材料150上では約7μmとなる。
【0076】
この場合、従来装置のようにDMD50の1画素書込み期間T=50μsの間ずっと感光材料150にレーザ光Bが照射されたとすると、その間に感光材料150が2μm移動するので、感光材料150上の副走査方向画素幅は約9μmとなる。それに対して本実施の形態では、GaN系半導体レーザLD1〜LD7のパルス状駆動期間Tを例えば上記1画素書込み期間Tの1/2の25μsとすると、感光材料150上の副走査方向画素幅は約8μmと短くなる。
【0077】
なお、DMD50の1画素書込み期間やTやGaN系半導体レーザLD1〜LD7のパルス状駆動期間Tは、勿論、上述した例の値に限定されるものではない。パルス状駆動期間Tを短く設定するほど、副走査方向画素幅の太りを抑制する効果が高くなる。
【0078】
しかし、GaN系半導体レーザLD1〜LD7を短い時間で1回だけパルス状に駆動する場合は、連続駆動させる場合と比べて、感光材料150に照射する光のエネルギが不足がちになるので、レーザパワーを大きくしておくことが必要になる。その要求は、パルス状駆動期間Tを短く設定するほどより厳しくなる。しかしGaN系半導体レーザは、GaAs系半導体レーザ等と比べると光損傷に対してより強いので、連続発振で出力30mWのものを、デューティ比50%、出力60mWで使用することも現状で十分可能であり、上記要求を満たす上で特に好適であると言える。
【0079】
また本実施の形態では、DMDに光を照射する光源として、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。更に、各ファイバ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバ光源数が少なくなり、露光装置の低コスト化が図られる。
【0080】
特に本例では、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えた露光装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。従って、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)等の露光工程に好適である。
【0081】
なお、図18に示した1画素書込み期間Tよりも短いパルス状駆動期間Tにおいて、GaN系半導体レーザLD1〜LD7を複数回パルス状に駆動させても、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を記録可能であることは、先に述べた通りである。
【0082】
次に図19を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の装置も画像露光装置として形成されたものであり、図19はその露光ヘッドの部分を示している。なおこの図19において、図5中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらについての説明は特に必要のない限り省略する(以下、同様)。この露光ヘッド部分は、図5に示した第1の実施形態の露光ヘッドと比べると、マイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59を保持して、それらを矢印R方向に移動させるアレイ移動手段401が設けられている点だけが基本的に異なる。なおこの場合、各レーザモジュール64を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7(図11参照)は、パルス駆動ではなく連続駆動される。
【0083】
上記アレイ移動手段401は例えばピエゾ素子等から構成され、DMD50の1画素書込み期間内に、ステージ152による感光材料150の相対移動(副走査)と同期させて、マイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59を図中の下方向に移動させる。それにより、感光材料150に照射されるレーザ光Bは1画素書込み期間内に、図中で下から上方に移動する。つまり、1画素書込みのためのレーザ光Bの照射は、移動する感光材料150を追いかける形でなされ、該感光材料150のほぼ一定の個所にレーザ光Bが照射されるようになる。そこで本装置においても、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を露光可能となる。
【0084】
なお上記アレイ移動手段401は、1画素書込み期間にマイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59を上述のように移動させた後、DMD50のリセット期間T(図18参照)に、マイクロレンズアレイ55およびアパーチャアレイ59を上記とは反対に上方向に移動させて元の位置に戻す。それにより次の1画素書込みは、レーザ光Bの感光材料150に対する照射位置を、前の1画素書込み開始時と同じ位置に設定して開始される。
【0085】
図20は、この第2の実施形態による画像露光装置の電気的構成を示すブロック図である。この構成は、図15に示した第1の実施形態の電気的構成と比較すると、レーザモジュール64を駆動するパルス駆動回路303に代えて上記アレイ移動手段401が設けられた形となっており、このアレイ移動手段401の上記作動が全体制御部300によって制御される。その他の点は、図15に示した構成におけるのと同様である。
【0086】
次に図21を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態の装置も画像露光装置として形成されたものであり、図21はその電気的構成を示している。この構成は、図15に示した第1の実施形態の構成と比べると、パルス駆動回路303に代えてレーザ駆動制御回路500が設けられている点だけが基本的に異なる。
【0087】
上記レーザ駆動制御回路500は、感光材料150の副走査送り方向上流側に配されている1列目のレーザ出射部68に接続している7個のレーザモジュール64と、上記副走査送り方向下流側に配されている2列目のレーザ出射部68に接続している7個のレーザモジュール64とを、順次選択的に駆動させる。なお、7個のレーザモジュール64を駆動させるということは、より具体的には1つのレーザモジュール64を構成している7個のGaN系半導体レーザLD1〜LD7(図11参照)の組を7つ(GaN系半導体レーザの数は49個)同時に駆動させることを意味する。
【0088】
図22の(C)および(D)はそれぞれ、上記1列目のレーザモジュール64と、2列目のレーザモジュール64の駆動波形を示している。なお同図の(A)および(B)は、図18の(A)および(B)とそれぞれ同じである。ここに示されている通り、1列目のレーザモジュール64はDMD50の1画素書込み期間Tの前半1/2の時間だけパルス状に駆動され、そして2列目のレーザモジュール64はDMD50の1画素書込み期間Tの後半1/2の時間だけパルス状に駆動される。
【0089】
そこで、1画素書込みのためのレーザ光Bの照射は、副走査移動する感光材料150に追随するように位置を変えて2回に分けて行われ、そこで感光材料150のほぼ一定に近い個所にレーザ光Bが照射されるようになる。したがって本装置においても、副走査方向への画素幅の太りが抑制され、解像力に優れた高精細の画像を記録可能となる。
【0090】
なお、1列目、2列目のレーザモジュール64をそれぞれ、DMD50の1画素書込み期間Tの1/2よりも短い時間パルス状に駆動してもよい。それにより、第1の実施形態におけるのと同様の効果が得られ、副走査方向への画素幅の太りを抑制する効果をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による露光装置の外観を示す斜視図
【図2】図1の露光装置のスキャナの構成を示す斜視図
【図3】(A)は感光材料に形成される露光済み領域を示す平面図、(B)は各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図
【図4】図1の露光装置の露光ヘッドの概略構成を示す斜視図
【図5】図4に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図
【図6】デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図
【図7】(A)および(B)はDMDの動作を説明するための説明図
【図8】(A)および(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置および走査線を比較して示す平面図
【図9a】ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図
【図9b】ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図
【図10】マルチモード光ファイバの構成を示す図
【図11】合波レーザ光源の構成を示す平面図
【図12】レーザモジュールの構成を示す平面図
【図13】図12に示すレーザモジュールの構成を示す側面図
【図14】図12に示すレーザモジュールの構成を示す部分正面図
【図15】上記露光装置の電気的構成を示すブロック図
【図16】(A)および(B)は、DMDの使用領域の例を示す図
【図17】(A)は感光材料に照射されるレーザ光のビーム形状を示す平面図、(B)は感光材料上の露光された画素形状を示す平面図
【図18】図1の露光装置におけるDMDとレーザの駆動波形を示すグラフ
【図19】本発明の第2の実施形態による露光装置の露光ヘッドの構成を示す断面図
【図20】上記第2の実施形態による露光装置の電気的構成を示すブロック図
【図21】本発明の第3の実施形態による露光装置の電気的構成を示すブロック図
【図22】上記第3の実施形態の露光装置におけるDMDとレーザの駆動波形を示すグラフ
【符号の説明】
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
30、31 マルチモード光ファイバ
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
51 拡大結像光学系
53、54 第1結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
57、58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
68 レーザ出射部
150 感光材料
152 ステージ
162 スキャナ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
300 全体制御部
303 パルス駆動回路
304 ステージ駆動装置
401 アレイ移動手段
500 レーザ駆動制御回路

Claims (8)

  1. 照射された光を変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子と、
    この空間光変調素子に光を照射する光源と、
    前記空間光変調素子で変調された光の光路に配置された結像光学系と、
    この結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向に連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、
    前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記光源を該書込み期間よりも短い時間で1回だけパルス状に駆動させるパルス駆動回路が設けられたことを特徴とする画像記録装置。
  2. 照射された光を変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子と、
    この空間光変調素子に光を照射する光源と、
    前記空間光変調素子で変調された光の光路に配置された結像光学系と、
    この結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向に連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、
    前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記光源を該書込み期間よりも短い時間に亘り複数回パルス状に駆動させるパルス駆動回路が設けられたことを特徴とする画像記録装置。
  3. 前記光源が半導体レーザからなるものであり、
    前記パルス駆動回路が、前記半導体レーザをパルス状に駆動させない期間も、該半導体レーザに発振しきい値未満のバイアス電流を供給しておくように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の画像記録装置。
  4. 前記半導体レーザがGaN系半導体レーザであることを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
  5. 照射された光を変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子と、
    この空間光変調素子に光を照射する光源と、
    前記空間光変調素子で変調された光の光路に配置された結像光学系と、
    この結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向に連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、
    前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記結像光学系を経て前記記録媒体に照射される光を、該記録媒体の相対移動と同期させてそれと同方向に移動させる手段が設けられたことを特徴とする画像記録装置。
  6. 前記光を移動させる手段が、前記結像光学系内に配置されたマイクロレンズアレイを移動させるものであることを特徴とする請求項5記載の画像記録装置。
  7. 照射された光を変調する複数の画素部が少なくとも1列に並設されてなる空間光変調素子と、
    この空間光変調素子に光を照射する光源と、
    前記空間光変調素子で変調された光の光路に配置された結像光学系と、
    この結像光学系による結像位置に配された記録媒体を該結像光学系に対して、前記画素部の並設方向と交わる方向に連続的に相対移動させる副走査手段とからなる画像記録装置において、
    前記光源として、前記記録媒体上でその副走査方向に亘る別の位置を互いに独立して照射可能な複数組の光源が用いられるとともに、
    前記空間光変調素子の1画素書込み期間内に、前記複数組の光源を、前記記録媒体の相対移動に伴って光照射位置が該相対移動方向上流側から下流側に移行するように順次選択的に駆動させる光源駆動制御手段が設けられたことを特徴とする画像記録装置。
  8. 前記複数組の光源の各々が、1列に並設された光ファイバと、該光ファイバにレーザ光を入射させる半導体レーザとから構成され、
    前記光源駆動制御手段が、前記半導体レーザを順次選択駆動させるものであることを特徴とする請求項7記載の画像記録装置。
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