JP4084278B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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本発明は、おむつ、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー、おりものシート等の吸収性物品であって、スキンケア剤を含有するものに関する。
例えばおむつは、着用時間が比較的長く、その間に数度の排泄があるため、汗や排泄物によって内部の湿度が非常に高くなり易い。汗をかき易い部位では特に、蒸れによってかぶれが生じ易い状態になる。そこで、スキンケア効果を付与してかぶれの発生を抑制したおむつが提案されている。
例えば特許文献1、2には、油性のエモリエント剤と当該エモリエント剤を固定化し得る固定化剤とを含むローション剤がトップシートまたは脚部カフスに塗布された吸収製品もしくは吸収性用品が記載されている。また、特許文献3には、所定部位に所定の効能を有する薬剤が水溶性増粘剤によって固定化されている吸収性物品が記載されている。特許文献4には、所定部位に所定の効能を有する薬剤が保持されている吸収性物品が記載されている。そして、特許文献5には、スキンローションが含浸された多孔質シートや、スキンローションが含浸された領域を有するおむつが記載されている。
特許3217792号公報 特許3217793号公報 特開2002−113039号公報 特開2002−200112号公報 国際公開 WO 94/9757号公報
特許文献1、2に記載された技術をおむつに利用すると、着用時に油性のローション剤が着用者の肌に移行することから、着用者の肌への便の付着を抑制することができ、結果として、肌のかぶれも抑制することができる。
その一方で、特許文献1、2に記載された技術ではエモリエント剤が固定化剤でおむつ表面に固定されていることから、おむつに接している着用者の肌全体を当該エモリエント剤によって覆うことはできず、便に比べて流動性の高い尿が着用者の肌に接触することまでも抑制することは困難である。このため、尿との接触に起因して肌がかぶれ易い。同様の理由から、トレーニングパンツ以外のおむつのように1回の着用期間中に複数回の排尿を吸収し、尿の吸収によって内部の湿度が高くなり易いおむつに利用した場合も、肌がかぶれ易い。
特許文献3、4に記載された技術をおむつに適用すると、尿との接触に起因する肌のかぶれに対して高い防止効果を得ることができるが、おむつとの摩擦によって肌が傷ついた場合や、大量の排便があった場合には、その効果が減じることもある。
特許文献5に記載されたおむつでは、着用直後からスキンローションが着用者の肌へ移行してしまうため、肌のかぶれが起こり易い状況になった時、すなわち、排尿が起きた時やおむつ内部の湿度が尿の吸収に伴って高くなった時には十分なスキンケア効果が残っていないことがあり、特に長時間着用されるおむつでは十分なかぶれ防止効果を得ることが困難である。
そこで、本発明は、肌のかぶれを抑制することが可能な吸収性物品を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様では、液不透過性の裏面シート(15)と、該裏面シート上に固定された吸収体(20)と、該吸収体を覆う液透過性の表面シート(11)とを少なくとも備えたおむつ(50、60A〜60D)であって、着用時に着用者の肌に当てられる表面シートの一部または全体に、水溶性スキンケア剤が存在し、前記水溶性スキンケア剤上であって該水溶性スキンケア剤よりも着用時における着用者の肌側の少なくとも一部に油性スキンケア剤が存在することを特徴とするおむつを提供して、上記の課題を解決する。
油性スキンケア剤の少なくとも一部が水溶性スキンケア剤よりも着用時における着用者の肌側に存在するようにして、これら油性スキンケア剤と水溶性スキンケア剤とを吸収性物品に塗布することにより、油性スキンケア剤と水溶性スキンケア剤との両方の効果を活用して、肌のかぶれを抑制することが可能になる。
すなわち、吸収性物品を着用した初期段階では、着用者の肌との接触によって油性スキンケア剤を着用者の肌へ移行させ、これによって吸収性物品と肌との摩擦を低減させて、摩擦によって肌が傷つけられるのを防止する。このため、その後に尿、便、経血、おりもの等(以下、これらを「排泄物」と総称する。)の排泄があっても、肌が傷つけられている場合に比べてかぶれの発生が抑制される。また、着用した初期段階で油性スキンケア剤を着用者の肌へ移行させておくことにより、その後に排泄があっても、排泄物と肌とが直接接触するのを抑制することができ、その結果として、排泄物との接触に起因する肌のかぶれを抑制することができる。
吸収性物品の着用後においては、油性スキンケア剤の下にあった水溶性スキンケア剤が排泄を契機に着用者の肌へ移行してそのスキンケア効果が発現するので、排泄物との接触に起因する肌のかぶれが抑制される。また、排泄があった段階で水溶性スキンケア剤のスキンケア効果が実質的に発現するので、その後長時間に亘って水溶性スキンケア剤のスキンケア効果が持続し、この間に吸収性物品内部の湿度が高くなったとしても当該スキンケア効果によってかぶれの発生を抑制することができる。
したがって、上記の吸収性物品を用いることにより、従来の吸収性物品に比べて肌のかぶれを抑制することが可能になる。
本発明によれば、肌のかぶれを抑制することが可能なおむつが提供される。したがって、本発明によれば、安全性が向上したおむつを提供することが容易になる。
本発明のこのような作用および利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
以下、本発明のおむつの実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
<第1実施形態>
図1(A)は、第1実施形態のおむつを概略的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したおむつを概略的に示す底面図である。いずれの図においても、おむつは緊張状態に保持されている。
ここで、本明細書でおむつについていう「上面図」および「底面図」とは、着用時に着用者の体表側に当てられる面を上にして置かれたおむつについての上面図または底面図を意味する。また、「おむつを緊張状態に保持する」とは、おむつに設けられている弾性体の収縮に起因する変形が実質的に消失するように、当該おむつをその幅方向および長手方向に張力を加えて保持することを意味する。
図示のおむつ50は展開型の使い捨ておむつであり、図1(A)中および図1(B)中に矢印D1で示す長手方向(以下、「長手方向D1」という。)に沿って、便宜上、3つの領域に区分することができる。1つは、主として着用者の臀部から背部に当てられる背側領域R1であり、他の1つは主として着用者の下腹部に当てられる股下領域R2であり、さらに他の1つは、主として着用者の腹部に当てられる腹側領域R3である。
着用者の大腿部へのフィット性を高め、かつ、装着性をよくするために、股下領域R2の幅は他の2つの領域R1、R3の幅よりも狭くなっており、背側領域R1における股下領域R2側の縁部、および腹側領域R3における股下領域R2側の縁部は、共に、股下領域R2に向かうに従って漸次狭くなっている。
図1(A)および図1(B)に矢印D2で示す幅方向(以下、「幅方向D2」という。)についてみたときに、背側領域R1のうちで股下領域R2よりも幅方向D2に突出している領域、および、腹側領域R3のうちで股下領域R2よりも幅方向D2に突出している領域が、それぞれ、着用者の体側部に当てられるサイドフラップとして機能する。
背側領域R1における幅方向D2の左右両側縁には、それぞれ、面状ファスナ用オス材3aを片面に備えたテープ状部材3が一対固定されている。また、腹側領域R3の裏面には、例えば不織布からなる面状ファスナ用メス材7が固着されている。おむつ50の着用時には、着用者の左右の体側部において、テープ状部材3が面状ファスナ用メス材7上まで引き寄せられて、面状ファスナ用オス材3aが面状ファスナ用メス材7に係止される。
おむつ50における内側には、後述する吸収体20の表側を覆うようにして配置された液透過性の表面シート11と、液不透過性のサイドシート13a、13bとが設けられている(以下、表面シート11とサイドシート13a、13bとを併せて「内側シート10」ともいう。)。図1(A)における表面シート11の左側縁にサイドシート13aが、右側縁にサイドシート13bが接合されている。図1(A)においては、各サイドシート13a、13bを判り易くするために、これらのサイドシート13a、13bにスマッジングを付してある。
内側シート10の外側(裏面側)には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の有機高分子材料を利用して形成された液不透過性の裏面シート15が配置されている。内側シート10の輪郭形状および大きさは裏面シート15の輪郭形状および大きさと略同じであり、当該内側シート10および裏面シート15によって、テープ状部材3の各々を除いたおむつ50の平面視上の輪郭形状および大きさが実質的に決定されている。
排泄物を吸収するための吸収体20は、表面シート11と裏面シート15との間に配置され、表面シート11によって平面視上覆われている。また、内側シート10と裏面シート15との間には、排泄物が着用者の鼠けい部を経て漏出するのを防止するために、左側縁部および右側縁部それぞれに糸ゴムや平ゴム等の弾性体30が配置されている。これらの弾性体30は、着用時に着用者の鼠けい部近傍に配されるものであり、少なくともおむつ50が自然状態にあるときにはある程度収縮して、ギャザーを形成する。図示の例では、左側縁部および右側縁部にそれぞれに弾性体30が2本ずつ配置されている。
おむつ50の最大の特徴は、表面シート11に所定のパターンで水溶性スキンケア剤と油性スキンケア剤とが塗布されていることにある。また、表面シート11の液透過性が確保されていることも特徴の1つである。
図2は、図1(A)および図1(B)に示したおむつ50における水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤それぞれの塗布領域を概略的に示す上面図である。図示のように、水溶性スキンケア剤の塗布領域40は、平面視上、表面シート11と略重なり、油性スキンケア剤の塗布領域42は、平面視上、表面シート11の幅方向中央部である。油性スキンケア剤は、水溶性スキンケア剤の上から表面シート11に塗布されている。図2においては、水溶性スキンケア剤の塗布領域40にハッチングを付し、油性スキンケア剤の塗布領域42にスマッジングを付してある。
以下、上記の水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤について、順次詳述する。
(A)水溶性スキンケア剤
水溶性スキンケア剤は、水溶性または水分散性を有すると共に、かぶれや炎症の発生を抑制し、かぶれや炎症が生じた場合には、当該かぶれや炎症の進行を抑制するか、または当該かぶれや炎症を緩和させることができるものであることが好ましい。
このような水溶性スキンケア剤の具体例としては、(1)各種植物エキス、(2)コラーゲン、(3)天然保湿成分(NMF)、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の保湿剤、(4)アルギニン、グアニジン誘導体(例えば、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルグアニジンの有機酸塩(例えばコハク酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩等))等の角質柔軟化剤、(5)グアイアズレン、タンニン、没食子酸誘導体等の消炎剤等が挙げられる。
水への溶解性、スキンケア効果、およびコストを勘案すると、水溶性スキンケア剤としては、植物エキスまたは天然保湿成分(NMF)を用いることが好ましい。上記植物エキスの具体例としては、オーツ麦エキス、海藻(ヒバマタ)エキス、柚エキス、ハマメリス(アメリカマンサク)エキス、ワレモコウエキス、アスナロエキス、アロエエキス、オウバクエキス、スギナエキス、カミツレエキス、ユーカリエキス、モモ葉エキス等が挙げられる。特に、柚エキス、ハマメリスエキス、アスナロエキス、アロエエキス、オウバクエキス、ユーカリエキスまたはモモ葉エキスを用いることにより、高いスキンケア効果を得ることができる。
吸収体の材料として高吸水性ポリマーを使用する場合には、水溶性スキンケア剤によって、吸水ポリマーの吸水性能が劣化するなどの変質が引き起こされないことが好ましい。そのためには、水溶性スキンケア剤として柚エキス、ハマメリスエキス、アスナロエキス、アロエエキス、オウバクエキス、ユーカリエキスまたはモモ葉エキス、特に、柚エキス、ハマメリスエキス、またはアスナロエキスを用いることが好ましい。
植物エキスは、例えば、各種植物の全体または葉、樹皮、根および枝のうちの一または二以上の箇所を乾燥させ、または乾燥させることなく粉砕した後、常温または加温下に溶剤によって抽出するか、ソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出することができる。植物エキスとして1,3−ブチレングリコール抽出物を用いると、水への溶解性が高くなるばかりでなく、繊維またはおむつの製造過程で加熱処理を行っても防爆対応を必要としなくなる。また、表面シートまたはその材料となるシートもしくは繊維に塗布しても、おむつを構成する吸収体の吸収性能の低下が抑制される。
通常、植物エキスは、有効成分に加え、抽出に使用した溶剤成分および水分を含んだ状態となっている。この状態での植物エキスの有効成分量(揮発溶剤成分や水分を除いた量)は、概ね0.001〜5重量%であればよい。抽出用の溶剤成分として1,3−ブチレングリコールを用いた場合には、植物エキスの有効成分と1,3−ブチレングリコールとの総和が上記の範囲内にあればよい。植物エキスの有効成分の量は、溶剤成分の量に対して、概ね0.001〜10重量%であることが好ましい。
上述した水溶性スキンケア剤は、水分によって離脱可能な状態でおむつの所定箇所(図2に示した実施形態では表面シート11)に固定されていることが好ましく、特に、排泄物と接触することによって当該排泄物中に溶解もしくは分散する状態でおむつに固定されていることが好ましい。水溶性スキンケア剤がこのような状態でおむつに存在していると、排泄を契機にして当該水溶性スキンケア剤が着用者の肌に容易に達するようになるので、効果が発現し易い。
ここで、本明細書において水溶性スキンケア剤についていう「水分によって脱離可能な状態で固定されている」とは、当該水溶性スキンケア剤が高い水溶性または水分散性を有していることを意味する。例えば、水溶性スキンケア剤が塗布されているシートを、当該シートの重量の10倍量の水(液温25℃)に浸漬したときに、水溶性スキンケア剤が完全に溶解もしくは分散すれば、「水分によって脱離可能な状態で固定されている」といえる。
水溶性スキンケア剤は、水分を主たる手段として吸収性物品から着用者の肌に移行できればよく、水分以外の補助的手段で着用者の肌に移行してもよい。
吸収性物品への水溶性スキンケア剤の固定は、例えば、表面シートもしくは内側シートまたはこれらのシートの材料となるシートの所定箇所に、水溶性スキンケア剤を含有したコーティング液(剤)を塗布し、乾燥させることによって行うことができる。
このとき、水溶性スキンケア剤に加えて界面活性剤を併用すると、排泄が起こるまでは水溶性スキンケア剤が表面シートに安定して固定されるので、着用直後に油性スキンケア剤が着用者の肌へ移行する際に一緒に水溶性スキンケア剤が肌側へ移行するのを抑制することができる。排泄が起こると、界面活性剤と共に、水溶性スキンケア剤の多くが吸収体側へ移行するが、このとき水溶性スキンケア剤の一部は着用者の肌側へ移行する。
その他、界面活性剤を併用することにより、親水性や、吸収性物品における吸収体の繰り返し吸収性、あるいは、不織布や吸収性物品の製造設備に対する防錆性、不織布加工性等の点でもメリットがある。
したがって、排泄物が肌に接触しても水溶性スキンケア剤が肌を守ることとなり、かぶれの発生が抑制あるいは、症状が緩和される。また、水溶性スキンケア剤の肌への移行が排泄を契機にして起こり易いので、例えば尿の吸収によっておむつ内の湿度が高まり、この状態が長時間に及んだとしても、水溶性スキンケア剤のスキンケア効果を十分に持続させることが可能である。その結果として、当該スキンケア効果によって着用者の肌が守られ、かぶれの発生が抑制あるいは、症状が緩和される。
吸収性物品への水溶性スキンケア剤の固定は、当該水溶性スキンケア剤の固定対象物が不織布である場合には、不織布を構成する繊維に予め水溶性スキンケア剤を固定し、この繊維を材料として用いて不織布を作製することによっても行うことができる。
この場合の水溶性スキンケア剤の固定は、例えば、水溶性スキンケア剤を含有すると共に必要に応じて界面活性剤や繊維処理剤が添加されたコーティング液を調製し、このコーティング液をディッピング、スプレーコーティング、ロールコーティング等の方法によって上記の繊維に付着させた後に乾燥させることにより、行うことができる。
表面シートは、排泄物が吸収体へ透過し易いように疎水性繊維を主要材料として用いて形成されることが多いので、上記のコーティング液には、界面活性剤を含有させることが特に好ましい。界面活性剤を上記のコーティング液に含有させることにより、疎水性繊維表面への水溶性スキンケア剤の固定がより安定したものとなる。その他、界面活性剤を併用することにより、親水性や、吸収性物品における吸収体の繰り返し吸収性、あるいは、不織布や吸収性物品の製造設備に対する防錆性、不織布加工性等の点でもメリットがある。
この界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤のいずれをも用いることができ、その具体例としては、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル金属塩、アルキル硫酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル金属塩、アルキルリン酸エステル金属塩、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸ソルビタンエステル(モノ、ジ、およびトリエステルのいずれでもよい。)、アルキルグルコシド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルキルコハク酸エステル金属塩等が挙げられる。上記の各金属塩としては、例えばナトリウム塩やカリウム塩を用いることができる。
界面活性剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。親水性や、吸収性物品における吸収体の繰り返し吸収性、あるいは、不織布や吸収性物品の製造設備に対する防錆性、不織布加工性等を勘案すると、界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルリン酸金属塩、アルキルリン酸エステル金属塩、脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルグルコシド、およびアルキルコハク酸エステル金属塩のうちの1種または2種以上を用いることが特に好ましい。
また、水溶性スキンケア剤を疎水性繊維表面に安定に固定させるという観点からは、親水性の界面活性剤と疎水性の界面活性剤を混合して用いることが好ましい。例えば、2種以上の非イオン界面活性剤を混合して用いる場合にはHLB(親水性親油性バランス)を指標として用いることができる。HLBが8以上、特に10以上の親水性の界面活性剤と、HLBが6以下、特に5以下の疎水性の界面活性剤とを、親水性界面活性剤/疎水性界面活性剤=90/10〜30/70(重量%)の混合比で混合して使用すると、疎水性繊維を主要材料にして作製された表面シートと水溶性スキンケア剤との固定が安定し、吸収性物品の着用直後に着用者の肌との接触によって油性スキンケア剤が離脱しても、水溶性スキンケア剤が表面シートに残り易くなる。しかも、排泄時には水溶性スキンケア剤が表面シート表面から容易に離脱し易くなる。
上述した界面活性剤に加えて帯電防止剤、酸化防止剤、pH調整剤、平滑剤、乳化剤、抗菌剤、防黴剤、香料等を配合することもできる。
いずれの方法によって水溶性スキンケア剤を固定する場合でも、当該水溶性スキンケア剤は、固定対象物の表面に皮膜状もしくは層状に連続的に付着させてもよいし、不連続的に、例えば粒子状や不連続膜状に付着させてもよい。
水溶性スキンケア剤の好ましい固定量は、使用する水溶性スキンケア剤の種類により異なり、肌へ悪影響を与えない範囲内で適宜選定可能である。水溶性スキンケア剤の固定量が多すぎるとスキンケア効果が飽和するので、スキンケア効果と経済性とを勘案して当該固定量の上限を定めることが好ましい。例えば水溶性スキンケア剤として植物エキスを用い、当該水溶性スキンケア剤を繊維表面に固定する場合には、その固定量を0.01〜5重量%とすることができ、特に0.05〜2重量程度とすることが好ましい。
水分によって脱離可能な状態で水溶性スキンケア剤を繊維表面に固定するうえからは、当該水溶性スキンケア剤を界面活性剤に加えて1,3−ブチレングリコールと共に繊維表面に付着させることが好ましい。1,3−ブチレングリコールは、前述したように水溶性スキンケア剤そのものとして用いることもできるが、水溶性スキンケア剤として植物エキスを用いる場合には、当該植物エキスを繊維表面に固定するための溶媒として用いることが特に好ましい。
(B)油性スキンケア剤
油性スキンケア剤としては、着用者の肌に対して保護、治癒等の効能を有するものを特に制限なく用いることができ、例えば、化粧品の分野においてエモリエント剤として用いられているもの等を用いることができる。
当該油性スキンケア剤の具体例としては、流動パラフィン、シリコーンオイル、動植物油(オリーブ油、ホオバ油、ペニバナ油、スクワランおよびスクワレン等)、モノグリセライド、ジグリセライド、トリグリセライド、脂肪族エーテル(ミリスチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−ジメチルブチルエーテル、ステアリル−1,3−ジメチルブチルエーテル、パルミチル−1,3−メチルプロピルエーテル、ステアリル−1,3−メチルプロピルエーテル等)、および、ビサボロール、イソステアリル−コレステロールエステル等が挙げられる。
また、パラフィンワックス、C12〜C22脂肪酸、C12〜C44脂肪酸エーテル、C12〜C22脂肪アルコール、ワセリン、金属石鹸(ステアリン酸マグネシウム等)、ショ糖脂肪酸エステル、シクロデキストリン脂肪酸エステル、シリコーン系レジン、およびアルキルシリコーンや、特許文献1または特許文献3〜5に記載されている発明で使用されるエモリエント剤等を上記の油性スキンケア剤として用いることもできる。
さらには、国際公開公報WO00/61097号に記載されている下式(I)または下式(II)で表されるジアミド誘導体を油性スキンケア剤として用いることもできる。
Figure 0004084278
Figure 0004084278
油性スキンケア剤は、主に、着用開始によって着用者の肌に移行して排泄物が着用者の肌に直接触れるのを抑制し、これによって排泄物による皮膚刺激を抑制してかぶれの発生を抑える、という役割を担うものである。また、肌とおむつとの摩擦を弱めておむつによる皮膚刺激や肌の傷つきを低減させると共に、経皮吸収された後には肌を柔軟化し、あるいは肌のバリヤ機能を高める、という機能を担うものである。このため、当該油性スキンケア剤は、水溶性スキンケア剤が塗布(固定)されているシートもしくはおむつの所定領域に塗布され、固定される。
この油性スキンケア剤としては、36℃における粘度が5000mPa・s以下、特に200〜5000mPa・s、とりわけ500〜2000mPa・sのものを使用するか、そのようになるように必要に応じて粘度調節したものを用いることが好ましい。
上記粘度の油性スキンケア剤を用いることによって、着用者の肌へ当該油性スキンケア剤を効果的に移行させることができる。すなわち、油性スキンケア剤の粘度が5000mPa・s以下であると肌への移行性が極めて良好となり、所望のかぶれ抑制効果を発現するために多量の油性スキンケア剤を用いる必要がない。また、吸収性への影響が小さくなる。油性スキンケア剤の粘度が200mPa・s以上の場合は、吸収性物品の着用前の保存期間が長期に亘る場合であっても、油性スキンケア剤が他の部位へ移行してしまうことが有効に防止できるので所望のスキンケア効果が効果的に得られる。
なお、本発明でいう「油性スキンケア剤の粘度」とは、以下のようにして測定した粘度を意味する。
<油性スキンケア剤の粘度の測定方法>
音叉型振動式粘度計(本実施形態では代表的にVIBRO NISCOMETERCJV5000(株式会社エー・アンド・デイ社製)を使用)を用いて測定を行う。予め100℃程度に加熱した油性スキンケア剤を室温まで徐冷し、所望温度での粘度を測定する。
本発明で使用する油性スキンケア剤は、粘度の温度依存性が小さいものが好ましい。具体的には、36℃での粘度が上述の範囲であって、かつ80℃での粘度が50〜200mPa・sであるものが好ましい。粘度の温度依存性が小さいと、表面シートに油性スキンケア剤を均一に塗工し易く、しかも多少の温度変化が起きたとしても安定して表面シート上に固定されているので、吸収体へ油性スキンケア剤が浸み込んだり拡散したりすることによる吸収阻害が起きにくい。また、初めに油性スキンケア剤が着用者肌へ移行し、次いで水溶性スキンケア剤が移行するという2段階のスキンケア効果が発現し易くなる。
吸収性物品もしくはその材料への油性スキンケア剤の塗布は、例えば、当該油性スキンケア剤を塗工装置(アプリケーター)のタンク内に投入し、必要に応じて加熱してその流動性を高めてから、吸収性物品もしくはその材料の所定箇所にコーティングすることによって行うことができる。
油性スキンケア剤のコーティング方式としては、ダイスコーター方式、スロットスプレー方式、カーテンスプレー方式、メルトブローン方式、スパイラルスプレー方式、グラビア方式、ビード方式等が挙げられる。
スプレー方式のようにエアーで吹き付ける方式を適用した場合には、油性スキンケア剤が細かい粒子、あるいは霧状となって塗布対象物の表面に吹き付けられる。このため、油性スキンケア剤は、巨視的には表面シート上に連続して設けられるが、微視的には塗布対象物の表面に不連続的に分布することとなる。
その結果として、スキンケア効果を広い範囲で奏しつつ、表面シートの液透過性を確保して吸収体の吸収性能を有効に活用することが可能となる。したがって、エアーで吹き付ける方式による油性スキンケア剤の塗布は、所望の吸収性物品を得るうえで好適である。勿論、エアーで吹き付ける方式を適用する場合にも、油性スキンケア剤は、後述するダイスコーター方式による塗布についての説明の中で述べるようなストライプ状や格子状等、所望のパターンの下に塗布することが可能である。
ダイスコーター方式では、他の方法に比べて油性スキンケア剤が塗布対象物に面状もしくは層状に塗布されるため、油性スキンケア剤の種類や塗布量、あるいは塗布位置によっては、吸収体の吸収性能が低下することがある。したがって、吸収体を覆うことになる表面シートもしくはその材料となるシートに本方式を適用して油性スキンケア剤を塗布する場合には、長手方向D1または幅方向D2(図1(A)参照)にストライプ状に塗布する(図4参照)、格子状に塗布する等、平面視したときに油性スキンケア剤による吸収体の被覆率が抑えられるように工夫を凝らすことが好ましい。
実用的な液透過性を有し、かつ、油性スキンケア剤が塗布された表面シートを得るという観点からは、油性スキンケア剤が塗布されている領域での表面シートの液透過性が、JIS L 1096の規定に基づいて測定した表面シートでの液の透過時間で10秒以下となるように、更には3秒以下となるように、油性スキンケア剤の塗布量および塗布パターンを選定することが好ましい。
なお、油性スキンケア剤の塗布量(塗工量)は、吸収体の吸収性能への影響のみならず、風合いおよびスキンケア効果も勘案して選定することが好ましい。例えば、油性スキンケア剤を表面シート上に皮膜状もしくは層状に連続的に塗布した場合には、着用者の肌との接触面積が広がることから、肌への油性スキンケア剤の移行量が多くなると共に広範囲に亘って肌を被い易くなり、スキンケア効果が高まるが、その一方で、吸収体の吸収性能を低下させ易くなると共に、べたつき感を生じさせることがある。
吸収体の吸収性能への影響、スキンケア効果、風合い等を勘案すると、吸収体上方での油性スキンケア剤の塗布量(油性スキンケア剤が塗布されている領域のうち、平面視上、吸収体にかかる領域での塗布量を意味する。)は、使用する油性スキンケア剤の種類および塗布パターンに応じて、0.05〜10g/m の範囲内とすることが好ましく、0.1〜5g/m の範囲内とすることが更に好ましい。この塗布量は、油性スキンケア剤を塗布する前と塗布した後の塗布対象物の重量差から求めることができる。
必要に応じて、1つの吸収性物品中で2種類の塗布方式を併用してもよい。例えば、より高いスキンケア効果が求められる臀部との接触部位においてはダイスコーター方式を採用し、吸収性能とスキンケア効果の両立が求められる排尿部付近においてはスプレー方式を採用してもよい。
図2に示したおむつ50では、表面シート11上に上述した水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤がこの順で塗布されているので、おむつ50を着用した初期段階では、着用者の肌との接触によって油性スキンケア剤が着用者の肌へ移行し、これによっておむつ50と肌との摩擦が低減されて、摩擦によって肌が傷つけられることが防止される。このため、その後に排泄があっても、肌が傷つけられている場合に比べてかぶれの発生が抑制される。また、排便があっても、着用者の肌に移行した油性スキンケア剤によって肌が便と直接接触することが抑制されるので、便との接触に起因する肌のかぶれが抑制される。
そして、おむつ50の着用後においては、油性スキンケア剤の下にあった水溶性スキンケア剤が排泄を契機に着用者の肌へ移行してそのスキンケア効果が発現するので、尿や便との接触に起因する肌のかぶれが抑制される。また、排泄があった段階で水溶性スキンケア剤のスキンケア効果が実質的に発現するので、その後長時間に亘って水溶性スキンケア剤のスキンケア効果を持続させ易く、この間におむつ50内部の湿度が高くなったとしても当該スキンケア効果によってかぶれの発生を抑制することができる。
従来、油性スキンケア剤もしくは水溶性スキンケア剤のいずれかをおむつに十分量塗布することで、かぶれを抑制することが提案されていた。しかしながら、本件発明者らは、これらのおむつによってもかぶれが発生するケースがあることを見出した。例えば、(1)おむつを長時間着用したケース、(2)気温や室温が高いケース、(3)外出等でベビーカーやチャイルドシートを使用し、おむつと着用者の肌の密着性が上がるケース、(4)着用者が頻繁に便をしたり、下痢をしたケース、が挙げられる。
これらのケースはいずれも、おむつ内の湿度の上昇とそれに伴う着用者の肌のふやけ、さらに排泄物(刺激)との接触、おむつあるいはおしりふきシートとの間の摩擦による着用者の肌の傷つきが顕著に起こりうる状態である。そのため、かぶれの発生が起こりやすくなり、また、一度発症してしまった場合は重篤になりやすい。そこで、これらのケースに対応するには、かぶれの発生を予防するとともに起こったかぶれを治癒あるいは緩和させる2重のアプローチが必要である。上記スキンケア剤の塗布量を増やすことが考えられるが、油性スキンケア剤の塗布量を増やすと表面シートの透水性(液透過性)が低下する、べたつくなどの弊害が生じる。一方、水溶性スキンケア剤は過度に増やしても効果が飽和してしまう。
そこで、水溶性スキンケア剤と油性スキンケア剤とを併用することを考えた。その場合、両スキンケア剤は相溶性に乏しいので、両スキンケア剤を界面活性剤および水と混合して乳化系を形成し、これをシート上に塗るということが考えられる。
しかしながら、本件発明者らの研究によれば、それだけでは十分なかぶれ防止効果が得られないことがわかった。その原因を解析したところ、乳化系を塗工した場合は乾燥の過程で相分離が起こり、所望の表面状態を安定して作成することが困難である。おむつの閉ざされた空間内に長時間おかれる着用者の肌はよりシビアな環境下にあり、一度スキンケア剤を肌へ移行させただけでは、おむつに接している肌全面をスキンケア剤で被覆することが困難であり、かつ、経時的にそのスキンケア効果が減じてしまうことが原因であろうことがわかった。
そこで本発明では、水溶性スキンケア剤を設けたその上に油性のスキンケア剤を設けるという非乳化系を採用した。そして、表面シートに適用するにあたっては、水溶性スキンケア剤を含有するコーティング液に界面活性剤を含有させることで、油性スキンケア剤の肌への移行の後に水溶性スキンケア剤が移行し易いという好ましい状況を容易に作りだすことができ、かつ、吸収体への透液性も確保し得ることを見出した。
上述したおむつ50では、長時間着用したときや、着用者が下痢のときであっても、着用者の肌のかぶれを抑制することができる。
<別の実施形態>
図3(A)〜図3(D)は、それぞれ、別の実施形態のおむつ60A〜60Dにおける水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤の塗布領域を概略的に示す上面図である。
図3(A)に示すおむつ60Aでは、水溶性スキンケア剤の塗布領域40が、平面視上、表面シート11と略重なり、油性スキンケア剤の塗布領域42は、平面視上、表面シート11の幅方向中央部において当該表面シート11の長手方向の一端から他端に亘っている。表面シート11上には、塗布領域40と塗布領域42とが重なる領域がある。
図3(B)に示すおむつ60Bでは、水溶性スキンケア剤の塗布領域40が、平面視上、吸収体20と略重なり、油性スキンケア剤の塗布領域42は、平面視上、吸収体20の幅方向中央部において当該吸収体20の長手方向の一端から他端に亘っている。吸収体20上には、塗布領域40と塗布領域42とが重なる領域がある。
図3(C)に示すおむつ60Cでは、水溶性スキンケア剤の塗布領域40が、平面視上、表面シート11と略重なり、油性スキンケア剤の塗布領域42は、幅方向については吸収体20より幅広であり、長手方向については吸収体20と略同じ長さを有している。吸収体20は、平面視上、領域42によって覆われており、当該吸収体20上においては塗布領域40と塗布領域42とが重なっている。
そして、図3(D)に示すおむつ60Dでは、水溶性スキンケア剤の塗布領域40が、表面シート11の長手方向の一端から他端に亘っており、その幅は吸収体20の幅よりも若干狭く、吸収体20の幅方向の縁部上には、水溶性スキンケア剤が塗布されていない領域がある。また、油性スキンケア剤の塗布領域42は、内側シート10の全体に亘っている。吸収体20上には、塗布領域40と塗布領域42とが重なる領域がある。なお、図3(D)においては、便宜上、塗布領域40上における塗布領域42の図示を省略している。
これらのおむつ60A〜60Dの構成は、水溶性スキンケア剤の塗布領域40または油性スキンケア剤の塗布領域42を除き、第1実施形態のおむつ50の構成と同様であるので、図2に示した構成部材と共通するものには図2で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上述した各おむつ60A〜60Dは、第1実施形態のおむつ50と同様の技術的効果を奏する。
着用時に着用者の鼠けい部近傍に当てられる弾性部材30(図1参照)の上方にも油性スキンケア剤を塗布すると、弾性部材30によって着用時に形成されるギャザーとの擦れによって着用者の肌に炎症等が発生するのを予防できるので、好適である。
上述した各実施形態のおむつ50、60A〜60Dは、いずれも、展開型のおむつであるが、本発明のおむつはパンツ型であってもよい。
展開型おむつにおける内側シートや、パンツ型おむつにおける表面シートは、多くの場合、不織布によって形成される。水溶性スキンケア剤や油性スキンケア剤を不織布に塗布(固定)するうえで当該不織布を構成する繊維に特別の制限はなく、レーヨンやテンセル等の半合成繊維や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアクリル酸、ポリアミド等の熱可塑性樹脂からなる単一繊維、あるいは、芯鞘型もしくはサイド・バイ・サイド型の複合繊維等の合成繊維は勿論、パルプやコットン等の天然繊維であってもよい。
不織布を構成する繊維は1種のみであってもよいし2種以上であってもよく、各繊維は、長繊維および短繊維のいずれの形態であってもよい。さらに、繊維の繊度にも特別の制限はなく、目的とするおむつの用途やグレード等に応じて適宜選択可能であるが、上記の内側シートや表面シートに使用される繊維の繊度は、概ね0.5〜8.9dtex、特に、概ね1〜5.6dtexの範囲内になることが多い。
おむつが展開型およびパンツ型のいずれであっても、着用者の鼠けい部またはその近傍に当てられる領域に、漏れ防止のために立体ガード(立体ギャザー)が設けられることがある。立体ガードを設ける場合には、当該立体ガードの所望箇所もしくは当該立体ガードの材料として使用されるシートの所望箇所にも、水溶性スキンケア剤および/または油性スキンケア剤を塗布することができる。
水溶性スキンケア剤に加えて、肌の傷つきを抑える目的で、摩擦低減剤をおむつに付着させることもできる。摩擦低減剤としては、有機物質からなる板状結晶体や有機微粒子を用いることができる。上記の板状結晶体としては、例えば、アシル化タウリン金属塩(ラウロイルタウリンカルシウム塩、ラウロイル−β−アラニルカルシウム)、ジステアリルエーテル、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、およびN−ε−ラウロイル−L−リジン等が挙げられ、上記の有機粒子としては、例えば、シリコーンビーズ、ナイロンビーズ、キトサンビーズ等が挙げられる。
水溶性スキンケア剤の塗布領域には、必要に応じて、アルミニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムージルコニウム塩、パラフェノールスルホン酸亜鉛等の抑汗剤を塗布することもできる。
本発明の吸収性物品は、前述したおむつ(使い捨ておむつ)に限られず、生理用ナプキン、失禁パッド、パンティライナー、おりものシート等の他の吸収性物品にも同様に適用できる。
以上、現時点において最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本件明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う吸収性物品もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
第1実施形態のおむつ50(図1(A)、図1(B)、および図2参照)と同様の構成を有する展開型おむつを作製した。
このとき、内側シート10における表面シート11としては、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分がポリエチレンである繊度3.3dtex の芯鞘型複合繊維を用いた坪量30g/m の不織布を使用した。上記の芯鞘型複合繊維には、不織布化に先立って、水溶性スキンケア剤としてのハマメリス抽出エキス(1、3ブチレングリコール抽出液)、親水性の界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(HLB=13.3)、疎水性の界面活性剤であるソルビタントリステアレート(HLB=2.1)、モノアルキルホスフェートカリウム塩、帯電防止剤、平滑剤等を混合したコーティング液を塗布した。コーティング液を調製するにあたっては、ソルビタントリステアレートの添加量をポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートの添加量と等量にした。
また、不織布化後に、油性スキンケア剤として下式(III) で表されるジアミド誘導体を所定領域に塗布した。このジアミド誘導体は、前記式(I)で表されるジアミド誘導体の1種である。
Figure 0004084278
上記のハマメリス抽出エキスの塗布量(固定量)は、0.07重量%であり、上記のジアミド誘導体の塗布量(塗布した領域での塗布量)は1.0g/m であり、塗布されたジアミド誘導体の36℃での粘度は1800mPa・sである。なお、ジアミド誘導体の塗布は、スプレーコーターを用いて80℃の温度条件下に行った。
内側シート10におけるサイドシート13a、13bとしては、ポリプロピレン繊維によって形成された坪量20g/m の不織布を用い、裏面シート15としては、直鎖状低密度ポリエチレンと炭酸カルシウムとを均一混合した後にダイスから押し出して得たフィルムに一軸延伸処理を施して得た透湿度(JIS Z 0208準拠)が4800g/m・24時間の液不透過性通気性フィルムを用いた。そして、吸収体15としては、高吸水性ポリマーとパルプとを重量比で50:50の割合で混合して得た吸収材全体を台紙で覆ったものを用いた。
(比較例1)
油性スキンケア剤を表面シート11用の不織布に塗布しなかった以外は実施例1と同様にして、おむつを作製した。
<性能評価>
(1)おむつかぶれ防止能
実施例1および比較例1でそれぞれ作製したおむつを10名のモニターに使用してもらい、比較例1のおむつでのかぶれ発生頻度を1としたときの相対的な発生頻度を求めた。この値が小さいほど、比較例1のおむつに比べてかぶれ防止能が高い。結果を表1に示す。
(2)表面シートの液透過性
実施例1および比較例1でそれぞれ得たおむつについて、表面シートにおける液の透過時間をJIS L 1096で規定されている吸水性、吸水速度、A法(滴下法)により測定した。この透過時間が短いほど、吸収速度が速い、すなわち液透過性が高い。結果を表1に併記する。
なお、液透過性の評価は、油性スキンケア剤が存在する場所にて行った。
Figure 0004084278
表1から明らかなように、実施例1で作製したおむつは、比較例1で作製したおむつに比べて、かぶれ防止能に優れている。また、油性スキンケア剤を使用した場合(実施例1)であっても、水溶性スキンケア剤のみを使用した場合(比較例1)と同様に、表面シートの液透過性は高いことが示された。
(実施例2)
<紅斑の発生を抑制する性能試験1>
健康な成人5人の前腕内側(両手)を使用して、表2に示す水溶性スキンケア剤及び油性スキンケア剤の所定の組み合わせによるパッチテストを行い、紅斑の発生を抑制する性能について試験を行った。サンプルNo.2の油性スキンケア剤としては、下式(IV)で表されるモノアミド化合物(36℃における粘度は1000mPa・s)を用いた。
Figure 0004084278
まず、前腕内側の所定箇所をアセトン/エーテル(1:1)溶液で清拭し、ここに4.4kPaの圧力下で、油性スキンケア剤を1.0g/mの割合で塗布した不織布を押し付けた。この後、同じ箇所に水溶性スキンケア剤と、アンモニア1.5質量%生理食塩水溶液(100μl)を含浸させたパッチテスト用バンソウコウを1.5時間貼付した。バンソウコウを除去した後、30分静置し、紅斑の発生状態を4段階で(0:紅斑なし、1:ごくわずかに赤い、2:やや赤い、3:赤い)目視判定により確認した。表2に紅斑の発生状態の平均値(紅斑の重篤度のレベル)を示す。
Figure 0004084278
表2から明らかなように、本願発明の態様である油性スキンケア剤および水溶性スキンケア剤を組み合わせて用いた方が、油性スキンケア剤または水溶性スキンケア剤単独で用いるよりも、紅斑の発生を効果的に抑制することが確認された。
(実施例3)
<紅斑の発生を抑制する性能試験2>
健康な成人13人の上腕部内側を使用して、表3に示す水溶性スキンケア剤による紅斑の発生を抑制する性能について試験を行った。まず、上腕部内側の所定箇所をアセトン/エーテル(1:1)溶液で清拭した。その後、アンモニア2質量%生理食塩水溶液(15μl)および表3に示す各種植物抽出エキス1%溶液(1,3−ブチレングリコール抽出溶液)(モモ葉エキスは乾燥粉体であるため、モモ葉エキスのみ0.01%)15μlを含浸させたパッチテスト用バンソウコウを3時間貼付した。バンソウコウを除去後、さらに150分静置して紅斑の発生状態を、上記した4段階で目視判定により確認した。アンモニアのみを含浸させたバンソウコウを用いた場合の紅斑の目視判定結果(A)と、それぞれの水溶性スキンケア剤を用いた場合の紅斑の目視判定結果(B)との比(B/A)を各人毎にとり、この値が1未満となった成人の人数を全13人で除した値を消炎スコアとした。結果を表3に示す。なお、消炎スコアが大きい程、紅斑の発生を抑制する効果が高いことを示している。
Figure 0004084278
表3から明らかなように、いずれの水溶性スキンケア剤を用いた場合においても、これらを用いない場合に比べて、紅斑の発生を効果的に抑制することが確認され、いずれも高いスキンケア効果を有することが確認された。したがって、上記した実施例1及び実施例2においてハマメリスエキスに替えてこれらの水溶性スキンケア剤を用いた場合にも同様のスキンケア効果が奏されることが予想される。
図1(A)は、緊張状態に保持された第1実施形態のおむつを概略的に示す上面図であり、図1(B)は、図1(A)に示したおむつを概略的に示す底面図である。 図1(A)および図1(B)に示したおむつにおける水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤それぞれの塗布領域を概略的に示す上面図である。 図3(A)〜図3(D)は、それぞれ、別の実施形態のおむつにおける水溶性スキンケア剤および油性スキンケア剤の塗布領域を概略的に示す上面図である。
符号の説明
10 内側シート
11 表面シート
13 サイドシート
15 裏面シート
20 吸収体
40 水溶性スキンケア剤の塗布領域
42 油性スキンケア剤の塗布領域
50、60A〜60D おむつ

Claims (6)

  1. 液不透過性の裏面シートと、該裏面シート上に固定された吸収体と、該吸収体を覆う液透過性の表面シートとを少なくとも備えた吸収性物品であって、
    着用時に着用者の肌に当てられる表面シートの一部または全体に、水溶性スキンケア剤が存在し、
    前記水溶性スキンケア剤上であって該水溶性スキンケア剤よりも着用時における着用者の肌側の少なくとも一部に油性スキンケア剤が存在することを特徴とする吸収性物品。
  2. 少なくとも前記表面シートには、前記水溶性スキンケア剤が界面活性剤と共に付着しており、
    JIS L 1096の規定に基づいて測定した前記表面シートでの液の透過時間が10秒以下である請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記油性スキンケア剤は、前記水溶性スキンケア剤の一部が前記着用者の肌側に露出するように配されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記油性スキンケア剤の36℃における粘度が5000mPa・s以下である請求項1〜3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記水溶性スキンケア剤が植物エキスであり、前記油性スキンケア剤が下式(I)
    Figure 0004084278

    で表されるジアミド誘導体である請求項1〜4のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記表面シートに前記油性スキンケア剤が塗布されており、該表面シートにおいて前記油性スキンケア剤が塗布されている領域での該油性スキンケア剤の塗布量が0.05〜10g/mの範囲内である請求項1〜5のいずれかに記載の吸収性物品。
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